JP4461310B2 - Gelatin solids - Google Patents

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  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は食品、医薬品、医薬部外品又は化粧品等に広く利用されているカプセル剤の皮膜として有利に利用できるゼラチン固形物に関する。より詳細には、本発明は、その製造工程で気泡が混入しにくいか若しくは混入しても短時間の脱気処理で除去でき、効率的に製造できるゼラチン固形物に関する。さらに本発明は、製造の効率化に伴って高温下で曝される時間が短縮できるため、品質の劣化が少なく所望のゲル強度を安定して備えるゼラチン固形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゼラチンは、ソフトカプセル基材として食品、医薬品や化粧品の分野で、また写真感光材料などの工業分野で広く利用されている。
【0003】
従来より採用されているゼラチンの溶解方法には、▲1▼冷水に十分浸漬し膨潤させた後に加熱溶解させる方法と、▲2▼温水中に強力な撹拌でもって分散させ、溶解させる方法がある。しかしながら、前者▲1▼の方法は工業的に時間がかかるという問題があり、後者▲2▼の方法は溶解時間は短縮できるが、ママコが発生したり、泡の巻き込みが発生するという問題がある。
【0004】
ママコは、ゼラチンが溶媒に添加される際にゼラチン粉粒体が集合体となった状態で外側だけが溶解することにより生じ、その結果、外側に形成されたゲル状の被膜が内側のゼラチンを粉粒体のままで包囲して、ゼラチンの溶解を妨げる。このため、ゼラチン粉粒体が集合体となって外側が溶解する前に、強力に撹拌することによって、十分分散させることが必要となる。
【0005】
しかしながら、かかる方法によってママコの発生は抑制できても、強力な撹拌によって気泡が発生しゼラチン内に混入するという問題が生じる。このため、かかる気泡の発生及び混入を回避するために、消泡剤を配合する方法、緩和な撹拌力で時間をかけながら撹拌する方法、溶解後加温状態で脱泡処理を行う方法等を適宜組み合わせて使用されているのが実情である。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、研究の過程で、かかる従来のゼラチンの調製方法によると、撹拌処理や脱泡処理においてゼラチン含有溶液(ゼラチン溶解溶液)が長時間にわたって加温状態に曝されるため、粘度低下が生じて最終的に調製されるゼラチン固形物のゲル強度が不安定となり経時的に低下する現象が生じること、その結果、カプセルの製造においては、ゼラチンシート基材間で接合率(ゲル強度)が異なる種々のシートが形成されるためカプセル成型が困難になること、シート状に調製する際に厚さの調節が困難になること、また濁りが生じてクリア感に優れたゼラチン基材が調製できないこと、等といった種々の問題が発生することを見出した。
【0007】
そこで本発明は、上記問題を解決する手段を提供することを目的とするものである。具体的には、本発明はゼラチン固形物の調製に際してゼラチン溶解液に気泡が混入しないか又は混入しても簡便に除去できるゼラチン固形物を提供することを目的とする。また本発明は、容易に脱泡できるため高温下での長期間の撹拌/脱気処理を回避して調製できるゼラチン固形物を提供することを目的とする。すなわち別の観点から、本発明は製造の効率化、特に脱気時間の短縮化を実現できるゼラチン固形物を提供することを目的とする。また、本発明は脱気時間の短縮化に伴って劣化が少なく、カプセル基材として良好な品質を備えたゼラチン固形物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ゼラチンを含有する組成物に特定の割合でテルペン系化合物、特にメントール又はその誘導体等のテルペン系アルコールを配合することによって、当該化合物が消泡剤若しくは脱泡剤として機能して、ゼラチンを含有する粉体組成物を温水に溶解撹拌する際に気泡が混入しにくく、また混入した気泡はその後の脱気処理で短時間に除去できることを見出した。さらにその他の配合成分として使用される香料などの揮発性成分は、脱気工程において損失の大きい成分であるが、本発明においてはそれを殆ど損失させないか若しくは損失度を低減させることができ、成分定量性が高く、安定した品質のゼラチン固形物が調製できることを見出した。そして、かかる製造工程で調製されたゼラチン固形物は、製造工程において長期間高温に曝されることから回避できるため、粘度低下が少なく安定したゲル強度を備えており、このためカプセルとしての成型が容易でカプセル基材として有用であることが確認された。本発明は、かかる知見に基づいて開発されたものである。
【0009】
すなわち本発明は下記(1)〜(6)に掲げるゼラチン固形物である:
(1)ゼラチン及びテルペン系化合物を含有するゼラチン固形物であって、テルペン系化合物の配合割合がゼラチン固形物100重量部あたり0.005〜10重量部であることを特徴とするゼラチン固形物。
(2)ゼラチン溶解液に発生する気泡に対する消泡剤としてテルペン系化合物を配合してなることを特徴とする、ゼラチン及びテルペン系化合物を含有するゼラチン固形物。
(3)ゼラチン固形物100重量部中のゼラチンの配合割合が20〜80重量部である(1)記載のゼラチン固形物。
(4)テルペン系化合物として、テルペン系ケトンまたはテルペン系アルコールの少なくとも1種を含有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のゼラチン固形物。
(5)テルペン系化合物として、メントールまたはその誘導体の少なくとも1種を含有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載のゼラチン固形物。
(6)さらに可塑剤を含有する(1)乃至(5)のいずれかに記載のゼラチン固形物。
【0010】
また本発明は上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のゼラチン固形物からなるゼラチン皮膜を外皮として有するカプセルである。
【0011】
なお、本発明においてゼラチン固形物とは、固体状(立方形、球状、楕円形、円柱形、円錐形、多形など)やシート状の一定形状を有する弾性ゼラチン体を意味するものである。また固体状ゼラチンの適用例としては、ゲル状芳香剤やゲル状防虫剤などがあり、またシート状ゼラチンの適用例としては口腔投与用のカプセル用被膜剤(カプセル外皮)などがある。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のゼラチン固形物は、基本的な成分としてゼラチンとテルペン系化合物を含有するものである。
【0013】
本発明で用いられるゼラチンは、可食性であればよく、ゼラチン、酸性ゼラチン、アルカリ性ゼラチン、ペプタイドゼラチン、低分子ゼラチン、ゼラチン誘導体等がいずれも包含される。これらは単独で使用されても、2種以上を任意に組み合わせて使用されてもよい。好ましくはカプセル基剤として用いられる可食性のゼラチンである。
【0014】
本発明のゼラチン固形物に含まれるゼラチンの配合割合は、特に制限されないが、通常20〜80重量部、好ましくは50〜70重量部の範囲から適宜選択される。
【0015】
本発明において用いられるテルペン系化合物は、可食性のものであればよく、例えばメントン/イソメントン、(−)-メントン、(+)-メントン、(−)-イソメントン、(+)-イソメントン、l−カルボン、d−カルボン、ジヒドロカルボン、プレゴン、ピペリトン及びショウノウ等のテルペン系ケトン;イソプレゴール、l−イソプレゴール、d−ネオイソプレゴール、d−イソプレゴール、d−ネオイソプレゴール、l−メントール、dl-メントール、d−ネオメントール、d−イソメントール、d−ネオイソメントール、d−テルピネオール及びベリラアルコール等のテルペン系アルコール等が包含される。これらは1種単独で用いてもよく、また2種以上を任意に組み合わせて用いることもできる。
【0016】
好ましくはメントールまたはメントールの誘導体である。メントール誘導体には、上記に掲げるもののほか、乳酸l−メンチル等を挙げることができる。これらもまた1種単独で用いても、2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。より好ましくはl−メントール、dl-メントールである。
【0017】
本発明のゼラチン固形物に配合されるテルペン系化合物の配合割合は、特に制限されないが、ゼラチン固形物100重量部あたり0.005〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.05〜3.5重量部の範囲を挙げることができる。
【0018】
また、これらのテルペン系化合物は、本発明のゼラチン固形物に含まれるゼラチン100重量部に対して、通常0.025〜15重量部、好ましくは0.025〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の割合となるように用いられることが望ましい。
【0019】
本発明のゼラチン固形物には、上記成分に加えて、さらに可塑剤を配合することができる。
【0020】
本発明で用いられる可塑剤としては、グリセリン;D−ソルビトール、ショ糖、マンニトール、果糖、ショ糖アルコール及び異性化糖等の糖類;プロピレングリコール及びポリエチレングリコール等のグリコール類を好適に挙げることができる。これらは1種単独で用いられても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。本発明においては可塑剤の一つとして少なくともグリセリンを用いるのが好ましく、成形性の観点からはグリセリンと上記糖類又はグリコール類の少なくとも1種を併用することが好ましい。
【0021】
ゼラチン固形物に配合される上記可塑剤の配合割合としては、最終ゼラチン固形物100重量部あたり、通常1〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、より好ましくは10〜30重量部となるような割合を挙げることができる。
【0022】
なお、可塑剤を用いる場合、上記テルペン系化合物は当該可塑剤100重量部に対して0.2〜20重量部、好ましくは0.5〜12.5重量部、より好ましくは0.5〜11.5重量部となるような割合で用いることができる。
【0023】
さらに本発明のゼラチン固形物には、本発明の効果を損なわないことを限度として、上記成分に加えて色素や顔料等の着色料、香料(芳香剤)、甘味料、防腐剤、崩壊剤、界面活性剤、矯味剤、矯臭剤、消泡剤、クエン酸やリンゴ酸等の有機酸等を配合することができる。
【0024】
ここで香料は、合成品並びに天然物の別を問うことなく、用途等に応じて適宜選択することができる。特に限定されるものではないが、通常は食品添加物に指定されている可食性の香料を使用することが好ましい。具体的には、レモンオイル、オレンジオイル、グレープフルーツオイル、ライムオイル、ペパーミント、スペアミント、ハッカ、ラベンダー等の精油を挙げることができる。これらの香料は、1種単独で使用しても任意の2種以上を混合して使用することもできる。
【0025】
また甘味料としては、前述するゼラチン固形物の成分と相溶性があって本発明の効果を損なわないものであれば特に制限されず、例えばショ糖、マンニトール、ソルビトール;キシロースやキシリトールなどの低甘味度甘味料;またはサッカリンナトリウム、ステビオサイド、酵素処理ステビオサイト、アスパルテーム、カンゾウ抽出物、ソーマチン等の高甘味度甘味料等を挙げることができる。これらの甘味料のゼラチン固形物に対する配合割合は特に制限されず適宜選択調製することができるが、該ゼラチンから調製されるカプセルの呈味及び風味のよさから、ゼラチン固形物100重量部あたり0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部(甘味料を糖度の点からショ糖に換算した割合)の範囲で含まれることが望ましい。
【0026】
着色料としては、可食性色素であればいずれも使用でき、法定色素、合成系食用色素及び天然系食用色素等を広く挙げることができる。具体的には、合成系食用色素として、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色色素102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用青色1号、食用青色2号、製剤金茶色NH、製剤梅漬紅色、製剤メロン色、製剤緑色Y、製剤チョコレート色No.4、製剤チョコレート色No.5など;天然系食用色素として、ウコン色素製剤、クチナシ黄色素及び製剤、合成βーカロチン製剤、パーム油カロテン製剤、ベニバナ黄色素及び製剤、アトナー色素製剤、トウガラシ色素製剤、紅麹色素及び製剤、シソ色素製剤、赤大根色素製剤、
赤キャベツ色素製剤、ムラサキイモ色素、ラック色素及び製剤、コチニール色素製剤、クチナシ青色素及び製剤、クロロフィル製剤、クチナシ色素製剤、カカオ色素及び製剤などがあげられるが、これらに限定されない。これらの着色料のゼラチン固形物に対する配合割合は特に制限されず適宜選択調製することができる。
【0027】
消泡剤としては、可食性の消泡剤であれば良く、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーン系消泡剤;多価アルコールエステル、脂肪酸ショ糖エステルなどの界面活性剤系消泡剤;またエタノール、プロパノールなどのアルコール類などが例示されるが、これに限定されない。
【0028】
本発明のゼラチン固形物は、常法に従って、各成分を水とともに混合し、次いで乾燥固化することによって弾性を備えたゼラチン固形物として調製することができる。また上記混合工程は、必要に応じて、加熱、撹拌及び脱気工程を組み合わせて行うことができる。該混合物の加熱温度としては、ゼラチンの溶解温度以上であればよく、例えば60℃以上、好ましくは70〜80℃の範囲から選択される。
【0029】
本発明のゼラチン固形物は、具体的には次のように調製することによって気泡を含まないゼラチン固形物として得ることができる。すなわち、まず40〜80℃の温水にテルペン系化合物や必要に応じて可塑剤を添加混合して撹拌する。次いで、60〜80℃の条件下でゼラチンを配合して撹拌し、得られたゼラチン混合溶液を均一に混合し、ゼラチン溶解液とした後に脱気処理する。
【0030】
ここでゼラチン混合溶液の撹拌は、70〜80℃の条件下で行われることが好ましい。また、脱気処理は50〜80℃、好ましくは60〜75℃の条件下で、0.5〜100分間、好ましくは1〜50分間、より好ましくは3〜30分間にわたって行うことが望ましい。なお、脱気処理は、ジャケット式脱泡釜や真空脱泡撹拌槽等のように、加熱と脱気が同時に行える脱気装置を用いることによって簡便に行うことができる。
【0031】
次いで得られるゼラチン溶解液を所望の形状に成形して乾燥固化することによってゼラチン固形物を調製することができる。当該乾燥工程は、特別な手段を要するものではなく、例えば気流式回転乾燥機などを用いて常法に従って行うことができる。かくして得られるゼラチン固形物は、通常3〜15重量%程度、好ましくは4〜8重量%程度の水分含有率を有する弾性体として調製される。
【0032】
本発明のゼラチン固形物は、後述する実施例で示すように、製造工程においてゼラチン溶解液に混入した気泡を短時間の脱気処理で簡便に除去できるものであることを特徴とするものである。このため、本発明のゼラチン固形物は、加温状態下(高温条件下)に曝される時間が有意に短縮でき、その結果、乾燥固化して調製されるゼラチン固形物は粘度低下が有意に抑制される。ゆえに、得られるゼラチン固形物は、乾燥時期にかかわらず製造ラインの初期から後期にかけて安定したゲル強度を発現し、このため製造工程において一定のゲル強度を有するゼラチン固形物が安定的に調製できる。
【0033】
さらに、本発明のゼラチン固形物は、加温状態下(高温条件下)に曝される時間が有意に短縮できるため、乾燥固化後、濁りの発生が抑制でき、これによってクリア感(透明感)に優れたゼラチン固形物となる。
【0034】
本発明のゼラチン固形物は、好適にはカプセル基材(皮膜、外皮)として用いることができる。本発明のゼラチン固形物を外皮として有するカプセルは、従来公知のカプセルの製造法、例えば平板法またはロータリーダイ法等に準じて調製することができる。
【0035】
具体的には、まず、上記の方法に従ってゼラチン及びテルペン系化合物、必要に応じて可塑剤を含む各種の成分を混合し、撹拌、脱気処理して得られたゼラチン溶解液(カプセル皮膜用液)を型枠に流してシート状に成形する。該シート基材の厚みとしては、通常0.2〜1.5mm、好ましくは0.4〜1mmを挙げることができる。次いで、カプセルは2枚のシート基材を対向方向に回転する一対の円筒型カプセル形成用金型間に供給し、同時にそのシート間に充填内容物を封入しながら両シートを接着させて金型形状のカプセル部分を打ち抜く方法によって製造することができる。このようにして得られるカプセルは乾燥後、タンブラー等で磨きをかけて仕上げられる。
【0036】
カプセルの形状は、特に制限されずオーバール(フットボール)型、オブロング(長楕円)型、及びラウンド(球状)型等の一般的な形状のほか、涙型、三角形などの変形(異形)型を採用することもできる。カプセルの大きさも特に制限されないが、服用するには直径30mm以下であることが望ましく、食感も好ましい。具体的には直径1〜10mmの範囲のものを挙げることができる。
【0037】
上記カプセルに充填する内容物は特に制限されない。好ましくは可食性物であり、例えば可食性油脂や該油脂を含む食品、ビタミン、ミネラル、鉱油等を含む栄養補強剤、医薬品などの組成物を挙げることができる。より具体的には、ビタミンA類及び誘導体、ビタミンD類、ビタミンE類及び誘導体、ビタミンK類、γ−オリザノール、リノレン酸、カロチン類などの脂溶性成分;中鎖脂肪酸トリグリセリド、大豆油、小麦胚芽油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、サンフラワー油、落花生油、ナタネ油、ヒマワリ油、パセリ油等の可食性油脂などを例示することができる。なお、これらの成分中には、食品フレーバー、香料、甘味料などの呈味料、色素や顔料等の着色料、安定剤、保存剤等の各種添加剤を配合することができる。なお、香料として、例えばレモンオイル、オレンジオイル、グレープフルーツオイル、ライムオイル、ペパーミント、スペアミント、ハッカ等の精油を挙げることができる。
【0038】
このようにして得られるカプセルは、医薬品、医薬部外品、化粧品、及び食品などに好適に用いることができる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明の特徴とするところをより明確にする。ただし、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。
実施例1〜3
(1)表1に示す原料を用いて下記の方法に従ってシート状ゼラチン固形物(実施例1〜3、比較例1、2)を作製した。なお、表1の各成分の割合は、特に言及しないかぎり、重量部を意味するものである。
【0040】
【表1】

Figure 0004461310
【0041】
<調製方法>
50L容量の溶解タンクに入った約85℃の逆浸透膜濾過膜水7.4L中に、グリセリン及びソルビトールをいれて混合し70〜80℃条件下で、真空攪拌機を用いて撹拌した。なお、実施例1〜3については、ソルビトールの添加に引き続いてメントールを配合し、上記温度条件下で各成分を混合し撹拌した。次いで、この中にゼラチンを加えて撹拌し、約80℃に維持しながら溶解してゼラチン混合溶液を調製した。実施例1及び2並びに比較例1については、さらに消泡剤(商品名:トルハ−No.1、田辺製薬製)を配合して撹拌してゼラチン溶解液とした。
【0042】
これを、ジャケット式釜を有する真空脱気装置を用いて約75℃条件下で脱気処理した。具体的には水封式真空ポンプを利用して内圧が400mgHgから700mgHgになるように脱気処理を施した。ここで各ゼラチン溶解液について、脱気開始から脱気完了までの時間を測定し、脱気に要した時間(脱気時間)を求めた。なお脱気は、ジャケット式脱泡釜内の温度が70℃になった時点でゼラチン溶解液を目視観察し気泡が確認されないことをもって、脱気完了と判断した。このとき気泡が確認された場合には、再度同じ操作を繰り返す。結果を表1に併せて示す。
【0043】
脱気終了後、ゼラチン溶解液を約63℃に冷却し、次いで60℃で一定時間放置した後、型枠に流し込み、20〜28℃、湿度30%の条件下で乾燥し、厚み0.7mm、水分含有率7〜15重量%のシート状ゼラチン固形物(実施例1〜3、比較例1、2)を作製した。
【0044】
(2)上記で得られた各シート状ゼラチン固形物について、突き抜け強度を測定し、ゲル強度を評価した。
【0045】
具体的には、各シート状ゼラチン固形物を10cm×10cmに切断した後、レオメーター(SUN RHEO METER CR-300)の直径3mm針タイプのフランジが、該試料を12mm/分速度で突き抜けるのに必要な負荷力(kg)を測定した。突き抜け強度試験は、各ゼラチン溶解液について、脱気後60℃で30分間放置した後に乾燥成型したシート状ゼラチン試料(30分放置)と、脱気後60℃で600分間放置した後に乾燥成型したシート状ゼラチン試料(600分放置)のそれぞれについて行った。結果を表2に示す。なお、結果は各試料について10回ずつ測定した平均値として表す。
【0046】
【表2】
Figure 0004461310
【0047】
以上の結果から明らかなように、本発明のゼラチン固形物によれば、メントールを含有することによって顕著に脱気時間が短縮できた。またこのメントールの効果は消泡剤の存在下でも用量依存的に発揮されることがわかった。
【0048】
また、比較例1及び2のシート状ゼラチン固形物は、ゲル強度の経時的低下が観察されたが、本発明のシート状ゼラチン固形物は経時的に安定したゲル強度を有していた。これは、比較例のシート状ゼラチン固形物はその製造工程、特に脱気工程において長時間加温状態(70℃)に曝されることに原因があると考えられた。すなわち、比較例のシート状ゼラチン固形物は、高温下での脱気処理に長期間要するためゼラチン溶解液が高温に長時間曝されて、その結果粘度が低下してゲル強度が不安定となり経時的に低下すると考えられた。
【0049】
ゲル強度はゼラチンの接合率(接合度)と関係する。このため、比較例のシート状ゼラチン固形物によれば、ゲル強度の経時的変動によって、製造時期(乾燥させるまでの時間や乾燥時間など)の相違に伴ってカプセルを成形する際のゼラチンシート基材間に接合率の差が生じ、カプセルの成形(基材の貼り合わせ)の調製が困難となった。さらに、粘度劣化によってカプセル製造時の皮膜厚が調節しにくかった。
【0050】
一方、本発明のシート状ゼラチン固形物は、短時間で脱気が完了するため加温状態(70℃)での暴露の影響が少なく、このため上記のような問題が生じなかったものと考えられた。本発明のゼラチン固形物は、脱気工程が短縮できて製造の効率化が図られるだけでなく、得られるゼラチンの性能からもカプセルの製造に有利に用いられることが判明した。
【0051】
実施例4
食用ゼラチン100重量%、食用グリセリンを35重量%、ソルビトール10重量%、水100重量%及び色素0.015重量%からなるゼラチン混合溶液を用いて、上記実施例1に記載する方法に従ってシート状ゼラチン固形物を調製した。なお、色素はグリセリンの配合前に温水に配合して用いた。次いで、ロータリーダイ式ソフトカプセル製造機により、2枚のシート状ゼラチン固形物間に透明清澄な食用油からなるカプセル内容物を圧入し、両基材シートを接着させて前記内容物を該皮膜内に封入し、ソフトカプセル(直径6×8mm、オーバール型)を製造した。本発明のゼラチン固形物は、製造工程で加温の影響を殆ど受けないため濁りが抑制でき透明感に優れている。このため、得られたカプセルは極めてクリア感のあるものであった。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a gelatin solid which can be advantageously used as a capsule film widely used in foods, pharmaceuticals, quasi drugs or cosmetics. More specifically, the present invention relates to a gelatin solid that can be efficiently manufactured by removing air bubbles in a short time by a degassing process even if bubbles are hardly mixed in the manufacturing process. Furthermore, the present invention relates to a gelatin solid that stably has a desired gel strength with little deterioration in quality because the exposure time under high temperature can be shortened as production efficiency increases.
[0002]
[Prior art]
Gelatin is widely used as a soft capsule base material in the fields of food, medicine and cosmetics, and in industrial fields such as photographic materials.
[0003]
Conventionally used gelatin dissolution methods include (1) a method of sufficiently immersing and swelling in cold water and then heating and dissolving, and (2) a method of dispersing and dissolving in hot water with strong stirring. . However, the former method {circle over (1)} has a problem that it takes time industrially, and the latter method {circle around (2)} can shorten the dissolution time, but there is a problem that mako is generated or bubbles are involved. .
[0004]
Mamako occurs when gelatin is added to a solvent and the gelatin particles are aggregated and only the outside dissolves. As a result, the gel-like film formed on the outside displaces the inner gelatin. Enclose as powder and prevent gelatin dissolution. For this reason, it is necessary to sufficiently disperse the mixture by vigorously stirring before the gelatin particles are aggregated and the outside is dissolved.
[0005]
However, even though the occurrence of mamako can be suppressed by such a method, there is a problem that bubbles are generated by vigorous stirring and mixed into gelatin. For this reason, in order to avoid the generation and mixing of such bubbles, a method of blending an antifoaming agent, a method of stirring while taking time with a gentle stirring force, a method of performing a defoaming process in a warmed state after dissolution, etc. The actual situation is that they are used in appropriate combinations.
[0006]
[Problems to be solved by the present invention]
In the course of research, the present inventors have found that, according to the conventional gelatin preparation method, the gelatin-containing solution (gelatin solution) is exposed to a warmed state for a long time in the stirring process and the defoaming process. In the capsule production, the joint strength (gel strength) between the gelatin sheet base materials is caused by the phenomenon that the gel strength of the gelatin solids finally prepared is unstable and the gel strength becomes unstable. ) Is formed, it becomes difficult to form capsules, it is difficult to adjust the thickness when preparing into a sheet, and turbidity is produced, resulting in a clear gelatin base material. It has been found that various problems occur such as inability to prepare.
[0007]
SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, an object of the present invention is to provide means for solving the above problems. Specifically, an object of the present invention is to provide a gelatin solid that can be easily removed even if bubbles are not mixed in the gelatin solution during preparation of the gelatin solid. Another object of the present invention is to provide a gelatin solid that can be easily defoamed and can be prepared by avoiding long-term stirring / degassing at high temperatures. That is, from another viewpoint, an object of the present invention is to provide a gelatin solid that can realize production efficiency, particularly shortening of degassing time. Another object of the present invention is to provide a gelatin solid that is less deteriorated as the degassing time is shortened and has good quality as a capsule substrate.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have blended a terpene compound such as menthol or a derivative thereof with a specific ratio in a gelatin-containing composition, The compound functions as an antifoaming agent or a defoaming agent, and bubbles are less likely to be mixed when the powder composition containing gelatin is dissolved and stirred in warm water. I found that it can be removed. Furthermore, volatile components such as fragrances used as other blending components are components that have a large loss in the deaeration process, but in the present invention, they are hardly lost or the degree of loss can be reduced. It has been found that gelatin solids having high quantitativeness and stable quality can be prepared. And since the gelatin solid material prepared in this manufacturing process can be avoided from being exposed to high temperature for a long time in the manufacturing process, it has a stable gel strength with little decrease in viscosity. It was confirmed that it was easy and useful as a capsule substrate. The present invention has been developed based on such knowledge.
[0009]
That is, the present invention is a gelatin solid material listed in the following (1) to (6):
(1) A gelatin solid containing gelatin and a terpene compound, wherein the blending ratio of the terpene compound is 0.005 to 10 parts by weight per 100 parts by weight of the gelatin solid.
(2) A gelatin solid containing gelatin and a terpene compound, wherein the terpene compound is blended as an antifoaming agent against bubbles generated in the gelatin solution.
(3) The gelatin solid as described in (1), wherein the blending ratio of gelatin in 100 parts by weight of the gelatin solid is 20 to 80 parts by weight.
(4) The gelatin solid according to any one of (1) to (3), which contains at least one terpene ketone or terpene alcohol as the terpene compound.
(5) The gelatin solid according to any one of (1) to (3), wherein the terpene compound contains at least one of menthol or a derivative thereof.
(6) The gelatin solid according to any one of (1) to (5), further containing a plasticizer.
[0010]
Further, the present invention is a capsule having a gelatin coating composed of the gelatin solid material according to any one of (1) to (6) as an outer shell.
[0011]
In the present invention, the gelatin solid means an elastic gelatin body having a certain shape such as solid (cubic, spherical, elliptical, cylindrical, conical, polymorphic, etc.) or sheet. Examples of application of solid gelatin include gel-like fragrances and gel-like insect repellents, and examples of application of sheet-like gelatin include capsule coating agents (capsule shells) for oral administration.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The gelatin solid of the present invention contains gelatin and a terpene compound as basic components.
[0013]
The gelatin used in the present invention may be edible, and includes gelatin, acidic gelatin, alkaline gelatin, peptide gelatin, low molecular gelatin, gelatin derivatives and the like. These may be used alone or in any combination of two or more. Preferably, it is edible gelatin used as a capsule base.
[0014]
The blending ratio of gelatin contained in the gelatin solid of the present invention is not particularly limited, but is usually appropriately selected from the range of 20 to 80 parts by weight, preferably 50 to 70 parts by weight.
[0015]
The terpene compound used in the present invention may be any edible compound such as menthone / isomentone, (−)-menton, (+)-menton, (−)-isomenton, (+)-isomenton, l− Terpene ketones such as carvone, d-carvone, dihydrocarvone, pulegone, piperiton and camphor; isopulegol, l-isopulegol, d-neoisopulegol, d-isopulegol, d-neoisopulegol, l-menthol, dl- Examples include terpene alcohols such as menthol, d-neomenthol, d-isomenthol, d-neoisomenthol, d-terpineol and beryl alcohol. These may be used alone or in any combination of two or more.
[0016]
Menthol or a menthol derivative is preferred. Examples of the menthol derivative include 1-menthyl lactate and the like in addition to those listed above. These may be used alone or in any combination of two or more. More preferred are l-menthol and dl-menthol.
[0017]
The mixing ratio of the terpene compound compounded in the gelatin solid of the present invention is not particularly limited, but is 0.005 to 10 parts by weight, preferably 0.01 to 5 parts by weight, more preferably 100 parts by weight of gelatin solids. May be in the range of 0.05 to 3.5 parts by weight.
[0018]
In addition, these terpene compounds are generally 0.025 to 15 parts by weight, preferably 0.025 to 10 parts by weight, more preferably 0.05 parts by weight with respect to 100 parts by weight of gelatin contained in the gelatin solid of the present invention. It is desirable to use so that it may become a ratio of 1-5 weight part.
[0019]
In addition to the above components, the gelatin solid of the present invention can further contain a plasticizer.
[0020]
Preferred examples of the plasticizer used in the present invention include glycerin; saccharides such as D-sorbitol, sucrose, mannitol, fructose, sucrose alcohol and isomerized sugar; glycols such as propylene glycol and polyethylene glycol. . These may be used alone or in any combination of two or more. In the present invention, it is preferable to use at least glycerin as one of the plasticizers. From the viewpoint of moldability, it is preferable to use glycerin and at least one of the above saccharides or glycols in combination.
[0021]
The blending ratio of the plasticizer blended in the gelatin solid is usually 1 to 50 parts by weight, preferably 5 to 40 parts by weight, more preferably 10 to 30 parts by weight per 100 parts by weight of the final gelatin solid. Such a ratio can be mentioned.
[0022]
In addition, when using a plasticizer, the said terpene type compound is 0.2-20 weight part with respect to the said plasticizer 100 weight part, Preferably it is 0.5-12.5 weight part, More preferably, it is 0.5-11. It can be used at a ratio of 5 parts by weight.
[0023]
Furthermore, in the gelatin solid of the present invention, in addition to the above components, coloring agents such as dyes and pigments, fragrances (fragrances), sweeteners, preservatives, disintegrating agents, Surfactants, flavoring agents, flavoring agents, antifoaming agents, organic acids such as citric acid and malic acid, and the like can be blended.
[0024]
Here, the fragrance can be appropriately selected according to the use or the like, regardless of whether it is a synthetic product or a natural product. Although not particularly limited, it is preferable to use an edible fragrance usually designated as a food additive. Specific examples include essential oils such as lemon oil, orange oil, grapefruit oil, lime oil, peppermint, spearmint, mint and lavender. These fragrances can be used singly or as a mixture of any two or more.
[0025]
The sweetener is not particularly limited as long as it is compatible with the aforementioned gelatin solid component and does not impair the effects of the present invention. For example, sucrose, mannitol, sorbitol; low sweetness such as xylose and xylitol Or sweeteners such as sodium saccharin, stevioside, enzyme-treated stevocytes, aspartame, licorice extract, thaumatin and the like. The mixing ratio of these sweeteners to the gelatin solid is not particularly limited, and can be appropriately selected and prepared. However, from the taste and flavor of the capsule prepared from the gelatin, the blending ratio is about 0.1 per 100 parts by weight of the gelatin solid. It is desirable to be contained in the range of 1 to 10 parts by weight, preferably 0.5 to 5 parts by weight (a ratio of sweetener converted to sucrose from the viewpoint of sugar content).
[0026]
Any colorant can be used as long as it is an edible dye, and legal dyes, synthetic food dyes, natural food dyes, and the like can be widely used. Specifically, as the synthetic food color, food red No. 2, food red No. 3, food red No. 102, food red No. 104, food red No. 105, food red No. 106, food yellow No. 4, food yellow No. 5 No., Edible Blue No. 1, Edible Blue No. 2, Formulation Golden Brown NH, Formulation Pickled Crimson, Formulation Melon Color, Formulation Green Y, Formulation Chocolate Color No. 4. Preparation chocolate color No. 4 5 and the like; natural food colors such as turmeric pigment preparation, gardenia yellow pigment and preparation, synthetic β-carotene formulation, palm oil carotene formulation, safflower yellow pigment and formulation, toner toner pigment, red pepper pigment formulation, red pepper pigment and formulation, perilla Pigment preparation, red radish pigment preparation,
Examples include, but are not limited to, red cabbage pigment formulation, purple potato pigment, rack pigment and formulation, cochineal pigment formulation, gardenia blue pigment and formulation, chlorophyll formulation, gardenia pigment formulation, cacao pigment and formulation. The mixing ratio of these colorants to the gelatin solid is not particularly limited and can be appropriately selected and prepared.
[0027]
The antifoaming agent may be an edible antifoaming agent, such as a silicone antifoaming agent such as polydimethylsiloxane; a surfactant antifoaming agent such as a polyhydric alcohol ester or a fatty acid sucrose ester; Although alcohols, such as propanol, are illustrated, it is not limited to this.
[0028]
The gelatin solid of the present invention can be prepared as a gelatin solid with elasticity by mixing each component with water and then drying and solidifying according to a conventional method. Moreover, the said mixing process can be performed combining a heating, stirring, and a deaeration process as needed. The heating temperature of the mixture may be not lower than the dissolution temperature of gelatin, and is selected, for example, from 60 ° C. or higher, preferably from 70 to 80 ° C.
[0029]
Specifically, the gelatin solid of the present invention can be obtained as a gelatin solid containing no bubbles by preparing as follows. That is, first, a terpene compound and, if necessary, a plasticizer are added and mixed in warm water of 40 to 80 ° C. and stirred. Next, gelatin is blended and stirred under conditions of 60 to 80 ° C., and the resulting gelatin mixed solution is uniformly mixed to obtain a gelatin solution, followed by deaeration treatment.
[0030]
Here, stirring of the gelatin mixed solution is preferably performed under conditions of 70 to 80 ° C. The deaeration treatment is desirably performed at 50 to 80 ° C., preferably 60 to 75 ° C., for 0.5 to 100 minutes, preferably 1 to 50 minutes, more preferably 3 to 30 minutes. In addition, a deaeration process can be simply performed by using the deaeration apparatus which can be heated and deaerated simultaneously like a jacket type deaeration kettle, a vacuum deaeration stirring tank, etc.
[0031]
Next, a gelatin solid can be prepared by shaping the resulting gelatin solution into a desired shape and drying and solidifying it. The drying step does not require any special means, and can be performed according to a conventional method using, for example, an airflow rotary dryer. The gelatin solid thus obtained is usually prepared as an elastic body having a water content of about 3 to 15% by weight, preferably about 4 to 8% by weight.
[0032]
The gelatin solid material of the present invention is characterized in that, as shown in the examples described later, the bubbles mixed in the gelatin solution in the production process can be easily removed by a short degassing treatment. . For this reason, the gelatin solid of the present invention can be significantly shortened in the time of exposure to warming conditions (high temperature conditions). As a result, the gelatin solid prepared by drying and solidifying has a significant decrease in viscosity. It is suppressed. Therefore, the obtained gelatin solid exhibits a stable gel strength from the early stage to the late stage of the production line regardless of the drying time, and thus a gelatin solid having a certain gel strength can be stably prepared in the production process.
[0033]
Furthermore, the gelatin solid material of the present invention can significantly reduce the time of exposure to a heated state (high temperature condition), and thus can suppress the occurrence of turbidity after drying and solidification, thereby providing a clear feeling (transparency) It is an excellent gelatin solid.
[0034]
The gelatin solid of the present invention can be preferably used as a capsule substrate (film, skin). The capsule having the gelatin solid material of the present invention as an outer shell can be prepared according to a conventionally known capsule production method, for example, a plate method or a rotary die method.
[0035]
Specifically, first, a gelatin solution (capsule film solution) obtained by mixing gelatin, a terpene compound, and if necessary, various components including a plasticizer according to the above method, stirring, and deaeration treatment. ) Is poured into a mold and formed into a sheet. The thickness of the sheet base material is usually 0.2 to 1.5 mm, preferably 0.4 to 1 mm. Next, the capsule supplies two sheet base materials between a pair of cylindrical capsule forming molds that rotate in the opposite direction, and at the same time, the two sheets are bonded together while sealing the filling contents between the sheets. It can be manufactured by a method of punching out a capsule portion having a shape. The capsules thus obtained are dried and polished with a tumbler or the like.
[0036]
The shape of the capsule is not particularly limited, and in addition to general shapes such as an oval (football) type, an oblong (oval) type, and a round (spherical) type, a deformed (anomalous) type such as a teardrop shape and a triangle shape Can also be adopted. The size of the capsule is not particularly limited, but is preferably 30 mm or less in diameter for taking, and the texture is also preferable. Specifically, the thing of the range of 1-10 mm in diameter can be mentioned.
[0037]
The content to be filled in the capsule is not particularly limited. Preferably, it is an edible substance, and examples thereof include edible fats and oils, foods containing the fats and oils, nutritional supplements containing vitamins, minerals, mineral oils, and the like, and pharmaceutical compositions. More specifically, fat-soluble components such as vitamins A and derivatives, vitamin Ds, vitamins E and derivatives, vitamins K, γ-oryzanol, linolenic acid, carotene; medium chain fatty acid triglycerides, soybean oil, wheat Examples include edible oils such as germ oil, corn oil, cottonseed oil, olive oil, sesame oil, sunflower oil, peanut oil, rapeseed oil, sunflower oil, and parsley oil. In these components, various additives such as food flavors, flavorings, sweeteners and other flavorants, coloring agents such as pigments and pigments, stabilizers, preservatives and the like can be blended. Examples of the flavor include essential oils such as lemon oil, orange oil, grapefruit oil, lime oil, peppermint, spearmint, and mint.
[0038]
The capsules thus obtained can be suitably used for pharmaceuticals, quasi drugs, cosmetics, foods and the like.
[0039]
【Example】
Hereinafter, the features of the present invention will be clarified by giving examples. However, the present invention is not limited to these examples.
Examples 1-3
(1) Using the raw materials shown in Table 1, sheet gelatin solids (Examples 1 to 3, Comparative Examples 1 and 2) were prepared according to the following method. In addition, unless otherwise indicated, the ratio of each component of Table 1 means a weight part.
[0040]
[Table 1]
Figure 0004461310
[0041]
<Preparation method>
Glycerin and sorbitol were mixed in 7.4 L of reverse osmosis membrane filtration membrane water at about 85 ° C. contained in a 50 L capacity dissolution tank, and the mixture was stirred using a vacuum stirrer at 70-80 ° C. In addition, about Examples 1-3, menthol was mix | blended following the addition of sorbitol, and each component was mixed and stirred under the said temperature conditions. Next, gelatin was added thereto, stirred, and dissolved while maintaining at about 80 ° C. to prepare a gelatin mixed solution. For Examples 1 and 2 and Comparative Example 1, an antifoaming agent (trade name: Toruha No. 1, manufactured by Tanabe Seiyaku) was further blended and stirred to obtain a gelatin solution.
[0042]
This was deaerated under conditions of about 75 ° C. using a vacuum deaerator having a jacket type kettle. Specifically, deaeration treatment was performed using a water ring vacuum pump so that the internal pressure was 400 mgHg to 700 mgHg. Here, for each gelatin solution, the time from the start of degassing to the completion of degassing was measured, and the time required for degassing (degassing time) was determined. The deaeration was judged to be complete when the temperature in the jacket type defoaming pot reached 70 ° C. and the gelatin solution was visually observed and no bubbles were observed. If bubbles are confirmed at this time, the same operation is repeated again. The results are also shown in Table 1.
[0043]
After completion of deaeration, the gelatin solution is cooled to about 63 ° C., then allowed to stand at 60 ° C. for a certain period of time, poured into a mold, dried under conditions of 20 to 28 ° C. and 30% humidity, and a thickness of 0.7 mm. Sheet-like gelatin solids (Examples 1 to 3, Comparative Examples 1 and 2) having a moisture content of 7 to 15% by weight were prepared.
[0044]
(2) About each sheet-like gelatin solid obtained above, penetration strength was measured and gel strength was evaluated.
[0045]
Specifically, after cutting each sheet-like gelatin solid to 10 cm x 10 cm, the 3 mm diameter needle type flange of the rheometer (SUN RHEO METER CR-300) penetrates the sample at a speed of 12 mm / min. The required load force (kg) was measured. In the punch-through strength test, each gelatin solution was degassed and left at 60 ° C. for 30 minutes and then dried and molded into a sheet-like gelatin sample (30 minutes left), and after degassing and left at 60 ° C. for 600 minutes and then dry molded. The test was performed for each of the sheet-like gelatin samples (left for 600 minutes). The results are shown in Table 2. In addition, a result is represented as an average value measured 10 times for each sample.
[0046]
[Table 2]
Figure 0004461310
[0047]
As is clear from the above results, according to the gelatin solid of the present invention, the deaeration time could be remarkably shortened by containing menthol. It was also found that this menthol effect was exerted in a dose-dependent manner even in the presence of an antifoaming agent.
[0048]
In addition, the sheet-like gelatin solids of Comparative Examples 1 and 2 exhibited a decrease in gel strength over time, but the sheet-like gelatin solids of the present invention had a stable gel strength over time. This was considered to be caused by the fact that the sheet-like gelatin solid of the comparative example was exposed to a warmed state (70 ° C.) for a long time in the production process, particularly in the deaeration process. That is, the sheet-like gelatin solid material of the comparative example requires a long time for degassing at high temperature, so that the gelatin solution is exposed to high temperature for a long time, resulting in a decrease in viscosity and unstable gel strength. It was thought to decline.
[0049]
Gel strength is related to the bonding rate (bonding degree) of gelatin. For this reason, according to the sheet-like gelatin solid material of the comparative example, the gelatin sheet base when the capsule is formed with the difference in the production time (the time until drying, the drying time, etc.) due to the change in the gel strength with time. A difference in bonding rate between the materials occurred, making it difficult to prepare capsules (bonding of base materials). Furthermore, it was difficult to adjust the film thickness at the time of capsule production due to viscosity deterioration.
[0050]
On the other hand, the sheet-like gelatin solid material of the present invention is less affected by exposure in a warmed state (70 ° C.) because degassing is completed in a short time, and it is considered that the above problems did not occur. It was. It has been found that the gelatin solid material of the present invention can be used advantageously in the production of capsules not only because the degassing process can be shortened and the production efficiency is improved, but also from the performance of the resulting gelatin.
[0051]
Example 4
Sheet gelatin according to the method described in Example 1 above using a gelatin mixed solution comprising 100% by weight of edible gelatin, 35% by weight of edible glycerin, 10% by weight of sorbitol, 100% by weight of water and 0.015% by weight of pigment. A solid was prepared. In addition, the pigment | dye was mix | blended and used for warm water before the mixing | blending of glycerol. Next, a rotary die type soft capsule manufacturing machine is used to press-fit the capsule contents made of transparent and clear cooking oil between two sheet-like gelatin solids, and to adhere both base sheets to the contents in the film. Encapsulated to produce soft capsules (diameter 6 × 8 mm, oval type). The gelatin solid material of the present invention is hardly affected by heating in the production process, and therefore can suppress turbidity and is excellent in transparency. For this reason, the obtained capsule was very clear.

Claims (6)

下記工程を含む、ゼラチン及びゼラチン固形物100重量部中テルペン系化合物を0.005〜10重量部含有するゼラチン固形物の製造方法:A method for producing a gelatin solid comprising 0.005 to 10 parts by weight of a terpene compound in 100 parts by weight of gelatin and gelatin solids, comprising the following steps:
ゼラチン及びテルペン系化合物を含有するゼラチン溶解液を、60〜75℃の条件下で3〜30分間脱気処理する工程、およびDegassing a gelatin solution containing gelatin and a terpene compound at a temperature of 60 to 75 ° C. for 3 to 30 minutes; and
上記工程で得られたゼラチン溶解液を成形し乾燥固化する工程。A step of molding and drying and solidifying the gelatin solution obtained in the above step.
上記ゼラチン固形物100重量部中の上記ゼラチンの配合割合が20〜80重量部である請求項1に記載の製造方法A blending ratio of the gelatin in the gelatin solids in 100 parts by weight 20 to 80 parts by weight The process of claim 1. 上記テルペン系化合物テルペン系ケトンまたはテルペン系アルコールの少なくとも1種である、請求項1または2に記載の製造方法 The terpene compound is at least one terpene-based ketones or terpene alcohols, the production method according to claim 1 or 2. 上記テルペン系化合物メントールまたはその誘導体の少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法 The terpene compound is at least one of menthol or a derivative thereof, The process according to any one of claims 1-3. 上記ゼラチン溶解液がさらに可塑剤を含有するものである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法 In which the gelatin solution further contains a plasticizer, process according to any one of claims 1 to 4. 上記ゼラチン固形物がカプセル基材である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。The manufacturing method in any one of Claims 1-5 whose said gelatin solid substance is a capsule base material.
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