JP4418895B2 - 非特異的反応抑制剤、非特異的反応の抑制方法、免疫学的測定方法及び免疫学的測定試薬 - Google Patents
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Description
本発明は、臨床検査、免疫学及び医学などの生命科学分野、分析化学などの化学分野、食品衛生分野、並びに環境衛生分野等において有用なものである。
この免疫学的測定方法(免疫学的測定試薬)としては、ラテックス粒子を担体として使用するラテックス比濁法;ラテックス粒子、有機高分子粒子、無機粒子、金属粒子、磁性粒子又は赤血球などを担体として使用する間接凝集反応測定法;マイクロタイタープレート、ビーズ、粒子、試験管若しくは容器などを担体として使用する酵素免疫測定法、蛍光免疫測定法又は発光免疫測定法などの標識免疫測定法;或いは、セルロース又は不織布などを担体として使用するイムノクロマトグラフィー法等が繁用されている。
また、この免疫学的測定方法(免疫学的測定試薬)としては、特開平9−229936号公報及び特開平10−132819号公報などに記載された、測定対象物質(被検物質)に対する特異的結合物質が固定化され被覆された面を有する担体及び測定対象物質に対する特異的結合物質が固定化された粒子を用い、当該粒子が担体における当該面に集まるか否かにより測定を行う方法(試薬)等を挙げることができる。
また、逆に、非特異的反応により、試料中に測定対象物質が存在するにもかかわらず、測定対象物質が存在しないことを示す測定結果が得られることもあった(偽陰性、疑陰性)
この非特異的反応により誤った測定結果が得られることは、臨床検査分野においては、患者などの疾病の診断を誤らせることにもつながる、重大な問題であった。
例えば、特開昭58−144748号公報(特許文献1)には、非特異的反応を抑制するために試薬中にウシ血清アルブミンやウマ血清アルブミン等を添加する技術が示されており、特開平8−105897号公報(特許文献2)には、非特異的反応を抑制するために塩化ナトリウムを添加する技術が示されている。
この異好性抗体とは、ヒトの血清等の中に存在し、動物の免疫グロブリンと非特異的に結合する抗体である。
この異好性抗体としては、ヒト抗マウス抗体(Human Anti−Mouse Antibody;HAMA)等が知られている。
例えば、HBs抗原に対する抗体をマウスに産生させ、この抗体を固相化抗体及び酵素標識抗体として用いて酵素免疫測定法のサンドイッチ法により試料中のHBs抗原を測定する場合、試料中に異好性抗体であるヒト抗マウス抗体が存在すると、例えHBs抗原が試料中に存在しなくとも、「固相−マウス抗HBs抗体−ヒト抗マウス抗体−マウス抗HBs抗体−標識酵素」の結合が生じ、これによりシグナルが生成して、試料中にHBs抗原が存在することを示す測定結果が得られてしまう(偽陽性、疑陽性)。
この非特異的反応としては、ヒト抗マウス抗体(HAMA)等の異好性抗体による非特異的反応等が知られていた。
(1) 試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分よりなるものであり、当該非特異的反応の抑制剤を試料と接触させることにより、当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異反応を抑制することができることを特徴とする、免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤。
前記の、本発明の第1の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤、本発明の第2の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤、本発明の第1の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法、本発明の第2の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法、本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法、及び本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬(以下、本発明の抑制剤等と記す)は、試料中の測定対象物質の免疫学的測定において、ウシ科動物種でありかつ当該当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を試料と接触させることにより、当該当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することができるものである。
本発明の抑制剤等における、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分について、以下詳述する。
ウシ科動物種であるが、ウシ目ウシ亜目ウシ科に属する動物種であれば、特に限定なく該当するものである。
特に、ヤギであることが好ましい。
また、ウシであることが特に好ましい。
当該免疫学的測定に使用する抗体であるが、試料中の測定対象物質の免疫学的測定において使用する抗体のことであり、この抗体を使用して試料中の測定対象物質の免疫学的測定を行うものである。
当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種であるが、前記した試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体を産生した動物の動物種である。
この抗体の産生動物種は、抗体が細胞より産生させたものである場合には、その抗体産生細胞が由来する動物種のことである。
また、抗体が、複数の細胞を融合させた融合細胞より産生させたものである場合には、融合前の各々の細胞が由来する動物種それぞれをいう。
この抗体の産生動物種としては、例えば、マウス、ラット、ウマ、ウサギ、モルモット、ヤギ、ヒツジ又はウシ等を挙げることができる。更に、この抗体の産生動物種として、ヒトを挙げることができる。
当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種であるが、前記した試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種のことである。
例えば、前記の抗体の産生動物種がマウスである場合には、この抗体の産生動物種とは異なる動物種は、マウス以外の動物種であり、ヤギ、ヒツジ又はウシ等を例示することができる。
ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種であるが、前記(1)に詳述したウシ科動物種であって、かつ前記(2)〜(4)に詳述した試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種である。
(イ) ウシ科動物種である。
(ロ) 試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種である。
また、試料中の測定対象物質の免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種がウシ科動物種である場合には、この抗体の産生動物種以外のウシ科動物種であればよい。
本発明の抑制剤等における、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分であるが、前記(5)において詳述したウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分である。
より具体的には、この血液成分として、血液、血漿、又は血清等を挙げることができる。
この免疫グロブリンとしては、例えば、免疫グロブリンG(IgG)、免疫グロブリンM(IgM)、免疫グロブリンA(IgA)、又は免疫グロブリンE(IgE)等を挙げることができる。
免疫学的測定に使用する抗体のクラスとしては、免疫グロブリンG(IgG)が一般的であるので、当該血液成分としては、免疫グロブリンG(IgG)が特に好ましい。
本発明の抑制剤等における、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分、又はこの血液成分よりなる非特異的反応の抑制剤を、試料と接触させることについて、以下詳述する。
また、この血液成分又は抑制剤が免疫グロブリンからなる場合は、通常は、0.05μg/mL〜20mg/mLの範囲にあることが好ましく、0.25μg/mL〜10mg/mLの範囲にあることがより好ましく、0.5μg/mL〜2.5mg/mLの範囲にあることが特に好ましい。
本発明の抑制剤等において、試料とは、測定対象物質が存在する可能性があり、かつその測定対象物質の存在の有無、又は含有量(濃度)の測定を行おうとするものをいう。
本発明の抑制剤等において、測定対象物質とは、試料中におけるその存在の有無、又は含有量(濃度)を測定しようとする物質である。
特に試料中に微量に含まれる抗原が好適である。それは含まれる濃度が微量であればある程非特異的反応の影響が大きくなるので、本発明の抑制剤等が有用となるからである。
本発明の抑制剤等において、試料中の測定対象物質の免疫学的測定は、免疫学的反応(抗原抗体反応)を用いて試料中の測定対象物質の測定を行うものであれば、どのような測定原理のものでも対象となる。
本発明の第1の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤、及び本発明の第2の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤とも、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分よりなるものであり、すなわち、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を含むものであるが、他の成分を含んでいても構わない。
本発明の第1の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法、及び本発明の第2の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法とも、試料中の測定対象物質の免疫学的測定を、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分と試料との接触の後に行ってもよいし、又はこの血液成分と試料との接触と同時に行ってもよい。
本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法においては、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を試料と接触させることを特徴とするが、そのことの他は、その免疫学的測定方法の測定原理における通常の操作手順に従って測定を行えばよい。
「洗浄液」: 非イオン性界面活性剤を含むリン酸緩衝生理食塩水
「非特異的反応抑制剤含有液」: 1%(w/v)ヤギ血清及びカゼインナトリウムを含むリン酸緩衝生理食塩水
「抗体固定化マイクロプレート」: マウス抗HBsモノクローナル抗体を固定化した96穴マイクロタイタープレート
「パーオキシダーゼ標識抗体液」: パーオキシダーゼを標識したマウス抗HBsモノクローナル抗体及びカゼインナトリウムを含むリン酸緩衝生理食塩水
「発色液」: O−フェニレンジアミン及び過酸化水素を含む緩衝液
「反応停止液」: 硫酸水溶液
これにより、試料中にHBs抗原が存在する場合には、「マイクロプレートのウェル−抗HBs抗体−HBs抗原−抗HBs抗体−パーオキシダーゼ」の結合が生じる。
本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬においては、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する抗体の産生動物種とは異なる動物種の血液成分を含有することを特徴とする。
また、本発明の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬は、他の試薬と組み合わせて、販売し、又は試料中の測定対象物質の測定に使用することもできる。
なお、本発明は、これらにより限定されるものではない。
本発明の抑制剤等の、試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制効果を確かめた。
試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬を、下記の通り調製した。
(1)抗HBs抗体固定化マイクロプレートの調製
96穴マイクロタイタープレート(シノテスト社)の各ウェルに、抗HBsモノクローナル抗体溶液〔抗HBsモノクローナル抗体が1μg/mLとなるように10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に添加したもの〕(シノテスト社)を50μLずつ分注し、4℃で一晩静置した。
その後、各ウェル内の抗HBsモノクローナル抗体溶液を吸引除去した後、0.5%(w/v)カゼインを含む50mMトリス緩衝液(pH8.0)を200μLずつ各ウェルに加えて、37℃で3時間静置し、ブロッキング処理(マスキング処理)を行った。
その後、各ウェル内の溶液を吸引除去して、抗HBs抗体固定化マイクロプレートを調製した。
3%(w/v)磁性粒子分散液〔商品名:Dynabeads M−450 uncoated、粒径:4.5μm、粒子の比重:1.5、粒径のc.v.:5%〕(ダイナル社)の1mLと、抗HBsモノクローナル抗体溶液〔抗HBsモノクローナル抗体が0.1mg/mLとなるように10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に添加したもの〕(シノテスト社)の1mLとを混合し、37℃で30分間静置した。
その後、これに0.5%(w/v)カゼインを含む50mMトリス緩衝液(pH8.0)の40mLを加えて、37℃で30分間静置し、ブロッキング処理(マスキング処理)を行った。
次に、この磁性粒子を0.5%(w/v)カゼインを含む50mMトリス緩衝液(pH8.0)により洗浄した。
その後、磁性粒子の濃度が0.05%(w/v)となるように、0.5%(w/v)カゼインを含む50mMトリス緩衝液(pH8.0)に再分散させて、抗HBs抗体固定化粒子分散液を調製した。
下記の15種類の試料希釈液の調製を行った。
(イ)血清非含有・試料希釈液
0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、血清非含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
HBs抗原を測定した結果が陰性であったヒト血清(HBs抗原陰性血清)の1,161個を各々試料とした。
HBs抗原陰性のヒト血清試料1,161個について、血清非含有・試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
この判定は、磁性粒子がウェルの内側に広がって見えるものを陽性と判定し、磁性粒子がウェル中央に一点に集まって見えるものを陰性と判定した。
すなわち、この血清非含有・試料希釈液を用いた試料中のHBs抗原の免疫学的測定においては、60個の試料で非特異的反応が生じ、偽陽性となった。この時の非特異的反応(偽陽性)の発生率は、5.17%(60個÷1,161個×100)であった。
非特異的反応により偽陽性となったヒト血清試料60個について、マウス血清含有・試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
この時の非特異的反応(偽陽性)の発生率は、0.78%(9個÷1,161個×100)であった。
マウス血清を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料9個について、ヤギ血清、ウシ血清、ヒツジ血清、ウマ血清、ブタ血清、又はウサギ血清をそれぞれ含有する試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
マウスの血液成分(血清)を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料9個において、ヤギの血液成分(血清)を試料と接触させた場合はこのうち4個の試料が本来の陰性の判定結果となり、この結果、非特異的反応(偽陽性)の発生率は0.43%(5個÷1,161個×100)となった。
なお、当該非特異的反応は、動物の血液成分を試料と接触させることにより抑制することができるものであるので、異好性抗体による非特異的反応であると思われる。
本発明の抑制剤等の、試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制効果を確かめた。
試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬として、下記の各測定試薬を用いた。
(1)抗HBs抗体固定化マイクロプレート
前記実施例1の1の(1)に記載した抗HBs抗体固定化マイクロプレートを用いた。
前記実施例1の1の(2)に記載した抗HBs抗体固定化粒子分散液を用いた。
下記の29種類の試料希釈液の調製を行った。
(イ)血清非含有・試料希釈液
0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、血清非含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
2%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
10%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
2%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
10%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
2%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
10%(w/v)ウシ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ウシ血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
2%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
10%(w/v)ヒツジ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ヒツジ血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
2%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
10%(w/v)ウマ血清(JRH BIOSCIENCES社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ウマ血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
2%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
10%(w/v)ブタ血清(JR SCIENTIFIC社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ブタ血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
2%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、2%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
10%(w/v)ウサギ血清(日本バイオテスト研究所社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、10%(w/v)ウサギ血清含有・試料希釈液とした。
HBs抗原を測定した結果が陰性であったヒト血清(HBs抗原陰性血清)を試料とした。
HBs抗原陰性のヒト血清試料について、血清非含有・試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
この測定の操作は、前記実施例1の3の(1)〜(6)の記載の通りに行った。
この測定の結果、本来HBs抗原が陰性であるこのヒト血清試料については陽性という判定結果が得られた。
すなわち、この血清非含有・試料希釈液を用いた試料中のHBs抗原の免疫学的測定においては、この試料では非特異的反応が生じ、偽陽性となった。
前記3の非特異的反応により偽陽性となったヒト血清試料について、マウス血清含有・試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
すなわち、この試料においては、前記1の免疫学的測定試薬にて使用した抗体(抗HBsモノクローナル抗体)の産生動物種であるマウスの血液成分(血清)を試料と接触させても、非特異的反応を抑制することはできなかった。
マウス血清を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料について、ヤギ血清、ウシ血清、ヒツジ血清、ウマ血清、ブタ血清、又はウサギ血清をそれぞれ含有する試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
マウスの血液成分(血清)を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料において、ヤギの血液成分(血清)を試料と接触させた場合は本来の陰性の判定結果となった。
本発明の抑制剤等の、試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制効果を確かめた。
試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬として、下記の各測定試薬を用いた。
(1)抗HBs抗体固定化マイクロプレート
前記実施例1の1の(1)に記載した抗HBs抗体固定化マイクロプレートを用いた。
前記実施例1の1の(2)に記載した抗HBs抗体固定化粒子分散液を用いた。
下記の種類の試料希釈液の調製を行った。
(イ)1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液
1%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)マウス血清(ベリタス社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)マウス血清含有・試料希釈液とした。
1%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
5%(w/v)ヤギ血清(日本生物材料センター社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、5%(w/v)ヤギ血清含有・試料希釈液とした。
1μg/mL精製ヤギ免疫グロブリンG(長瀬産業社)及び0.5%(w/v)カゼインを含む250mMグリシン緩衝液(pH10.0)を調製し、1μg/mL精製ヤギ免疫グロブリンG含有・試料希釈液とした。
HBs抗原陰性のヒト血清試料であって、血清非含有・試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った場合に非特異的反応により陽性(偽陽性)の測定結果が得られるもの9個を試料とした。
前記2の非特異的反応により偽陽性となるヒト血清試料9個についてそれぞれ、血清成分を含有する試料希釈液を用いて試料中のHBs抗原の免疫学的測定を行った。
マウスの血液成分(血清)を試料と接触させても非特異的反応を抑制することができず偽陽性となったヒト血清試料9個において、ヤギ血清を試料と接触させた場合はこのうち5個の試料が本来の陰性の判定結果となった。
Claims (24)
- 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGよりなるものであり、当該非特異的反応の抑制剤を試料と接触させることにより、当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異反応を抑制することができることを特徴とする、免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤。
- 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項1に記載の非特異的反応の抑制剤。
- ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項1又は請求項2に記載の非特異的反応の抑制剤。
- 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制剤。
- 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤であって、当該非特異的反応が当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できないものであり、当該非特異的反応の抑制剤がウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGよりなるものであることを特徴とする、免疫学的測定における非特異的反応の抑制剤。
- 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項5に記載の非特異的反応の抑制剤。
- ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項5又は請求項6に記載の非特異的反応の抑制剤。
- 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制剤。
- 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGを試料と接触させることにより、当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することを特徴とする、免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法。
- 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項9に記載の非特異的反応の抑制方法。
- ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項9又は請求項10に記載の非特異的反応の抑制方法。
- 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制方法。
- 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法であって、当該非特異的反応が当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できないものであり、当該非特異的反応の抑制方法がウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGを試料と接触させるものであることを特徴とする、免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する免疫学的測定における非特異的反応の抑制方法。
- 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項13に記載の非特異的反応の抑制方法。
- ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項13又は請求項14に記載の非特異的反応の抑制方法。
- 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項13〜請求項15のいずれか1項に記載の非特異的反応の抑制方法。
- 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGを試料と接触させることにより、当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することを特徴とする、免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
- 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項17に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
- ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項17又は請求項18に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
- 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項17〜請求項19のいずれか1項に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定方法。
- 免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬であって、ウシ科動物種でありかつ当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種とは異なる動物種の免疫グロブリンGを含有することにより、当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種の血液成分を試料と接触させても抑制できない非特異的反応を抑制することを特徴とする、免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体を使用する試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
- 非特異的反応が異好性抗体によるものである、請求項21に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
- ウシ科動物種がヤギ、ヒツジ又はウシである、請求項21又は請求項22に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
- 当該免疫学的測定に使用する免疫グロブリンGよりなるモノクローナル抗体の産生動物種がマウス又はラットである、請求項21〜請求項23のいずれか1項に記載の試料中の測定対象物質の免疫学的測定試薬。
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