JP4302704B2 - ハイブリッド車両駆動装置 - Google Patents
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Description
このような構成を備えたハイブリッド車両の動力駆動装置としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。この動力駆動装置は、モータ・ジェネレータをエンジンと変速機との間に配置するとともに、このモータ・ジェネレータ及びオイルポンプとをエンジンクランクシャフトと同軸上に配設している。
また、特許文献2に記載のハイブリッド車両の動力伝達装置にあっては、オイルポンプをエンジンクランクシャフトと別軸上に設けているものの、軸方向寸法の大きなモータ・ジェネレータをエンジンクランクシャフトと同軸上に設けているため、軸方向寸法の短縮が十分とはいえず、車両搭載性が良好とはいえなかった。
本発明は係る点に鑑みてなされたもので、ハイブリッド車両駆動装置を実現する際、変速機の軸方向寸法の増加を抑制して車両搭載性を向上し、かつ潤滑機構を簡素化することを目的とする。
また、オイルポンプの回転軸、電気的駆動源の回転軸側及び入力軸を1本の無端帯で連結しているので、無端帯がオイルポンプの回転軸付近を通過する際に油溜まり内に浸されるので、無端帯自体が常時潤滑されることとなり、無端帯と入力軸との間、無端帯と電気的駆動源の回転軸との間の潤滑も良好に行なわれる。これにより、無端帯と電気的駆動源の回転軸との間の潤滑機能を簡素化することができる。
図1は、本発明が適用される車両用自動無段変速機の1実施形態を示すスケルトン図であり、図2は、本実施形態の変速機ハウジングの内部構造を示す断面図であり、図3は、モータ・ジェネレータハウジングの内部構造を示す断面図であり、図4は、変速機ケースの内部をトルクコンバータケース側から見た図である。
図1に示すように、本実施形態の車両用自動無段変速機は、モータ・ジェネレータ2、エンジン9からのトルクを増幅するトルクコンバータ3、前後進切換装置4、入出力間で無段変速を行なうベルト式無段変速機構(CVT)5、減速ギヤ機構500及びディファレンシャル装置600を備えている。
前後進切換装置4は、図1に示すように、出力軸4bに固定されたサンギヤ15、変速機入力軸6に固定されたリングギヤ16、サンギヤ15及びリングギヤ16に噛合されたピニオンギヤ17、ピニオンギヤ17を支持するキャリヤ19からなるプラネタリギヤを備えている。また、変速機入力軸6と出力軸4bとの間にはダイレクトクラッチ22が介装されており、このダイレクトクラッチ22を係合させることで変速機入力軸6及び出力軸4bが直結される。キャリヤ19にはリバースブレーキ25が連結されており、このリバースブレーキ25を作動させることでキャリヤ19の回転が停止される。
プライマリプーリ410は固定シーブ410b及び可動シーブ410aを有しており、可動シーブ410aは、固定シーブ410bに一体化されたプーリ軸412上を軸方向に移動可能とされているとともに、固定シーブ410bと一体的に回転するようになっている。また、可動シーブ410aは、油圧アクチュエータ410cによって軸方向に移動されるように構成されている。
減速ギヤ機構500は、減速軸500aに同軸に固定された大ギヤ500b及び小ギヤ500cを有している。ディファレンシャル装置600は、デフケース600aと一体的に回転するようにデフケース600aに固定されたリングギヤ600bと、デフケース600a内にシャフト600cを介して支持されている一対のデフギヤ600d,600dと、これらのデフギヤ600d,600dにそれぞれ噛合されたサンギヤ600e,600eとを有しており、各サンギヤ600e,600eは、車両左右の車軸602,602にそれぞれ連結されて差動回転を出力するようになっている。
ベーンポンプ700は、ロータ軸700aに支持されて回転するロータと、このロータに偏心して取り付けられるカムリングと、ロータとカムリングにより構成される油室を仕切るベーンとから構成されている。ベーンはロータの溝にはめ込まれ、その内側はロータ軸700aと各溝に設けられた油路に供給される作動油が、ロータ回転時の遠心力によりベーンをカムリングに向けて押圧するようになっている。また、ロータ軸700aのトルクコンバータ3側の端部の、第1スプロケット50と軸方向同一平面上に、第2スプロケット701が固定されており、第1スプロッケット50との間に掛け渡された第1チェーン166によりベーンポンプ700はエンジンの出力軸9aに対して同期的に駆動される。
モータ・ジェネレータ2は、モータ・ジェネレータケース140内に配置した軸受142と、この軸受け142に回転自在に支持されている入出力軸144と、入出力軸144とともに回転する回転子146と、回転子146の外周面に対向してモータ・ジェネレータケース140の内周面に固定されている固定子148とで構成されている。そして、入出力軸144のトルクコンバータ3側の端部の、第1スプロケット50と軸方向異なる平面上に、第3スプロケット150が固定されている。
ベーンポンプ700のロータ軸700aは、CVT5より車両下方側であって、変速機入力軸6より車両後方側に配置されている。すなわち、変速機ケース120の下部にはオイルパン740が一体に設けられており、ベーンポンプ700は、オイルパン740に貯留されている作動油に浸漬するように配置されている。
また、変速機入力軸6の軸中心より車両前方側、且つ車両下方側に、モータ・ジェネレータ2の入出力軸144及び変速機入力軸6に対して平行に延在するように中間軸160が配置されている。この中間軸160には、大径の第4スプロケット162と、小径の第5スプロケット164とが固定されている。
また、モータ・ジェネレータ2の入出力軸144に固定された第3スプロケット150と、中間軸160に固定され、第3スプロケット150に対して直径が大きい第4スプロケット162との間に、第2チェーン168が掛け渡されている。
さらに、ベーンポンプ700の吐出口側に配置されているコントロールバブルユニット720は、CVT5より車両下方側の位置で、オイルパン740に貯留されている作動油に浸漬しながら略水平方向に延在して配置されている。
エンジン9の燃費消費率が低い低負荷での発進や低速走行時には、エンジン9を停止させ、バッテリ(図示せず)からモータ・ジェネレータ2に電気エネルギを供給し、モータとして駆動するモータ・ジェネレータ2の回転駆動力を変速機入力軸6側に伝達して車両を走行させる。
また、通常走行時には、主にエンジン9による走行となり、CVT5の変速制御によりエンジン回転数を調整することで、最良燃費ライン上の運転を行なう。また、エンジンが最大出力を発生しても駆動力が不足する高速走行時には、バッテリからモータ・ジェネレータ2に電気エネルギを供給し、モータとして駆動するモータ・ジェネレータ2の回転駆動力により車両全体の駆動力を増強する。
ベーンポンプ700及びモータ・ジェネレータ2を変速機入力軸6と異なる軸線上に配置しているので、自動変速機の軸方向寸法の増加を抑制することができ、車両搭載性を向上させることができる(本発明の請求項1に対応)。
また、変速機入力軸6、ベーンポンプ700のロータ軸700a及び中間軸160が、1本の第1チェーン166で同期的に回転するように連結されているため、とくに、変速機において最も軸方向寸法が長くなる部分である、変速機入力軸と同軸上の軸方向寸法を短縮化できるため、車両の車両搭載性をさらに向上させることができる。
本実施形態は、変速機入力軸6より車両前方側に配置したモータ・ジェネレータ2の入出力軸144に、第1ギヤ200が固定されている。
変速機入力軸6より車両前方側、且つ車両下方側に配置した中間軸160には、第2ギヤ210と、小径の第5スプロケット164とが固定されている。なお、第2ギヤ210は、第1ギヤ200より直径の大きなギヤである。
そして、第1ギヤ200と第2ギヤ210との間に、第1ギヤ200より直径が大きく、第2ギヤ210より直径が小さい第3ギヤ220が噛合されている。
なお、本実施形態の第1ギヤ200と、第2ギヤ210と、これらのギヤに噛合されている第3ギヤ220とが本発明の動力伝達機構に相当する。
6 変速機入力軸
5 CVT
9 エンジン
9a 出力軸
50 第1スプロケット
100 変速機ハウジング
144 モータ・ジェネレータの入出力軸
150 第3スプロケット
160 中間軸
162 第4スプロケット
164 第5スプロケット
166 第1チェーン
168 第2チェーン
200 第1ギヤ
210 第2ギヤ
220 第2ギヤ
600 ディファレンシャル装置
700 ベーンポンプ
700a ロータ軸
701 第2スプロケット
720 コントロールバルブユニット
Claims (2)
- エンジンと、このエンジンの出力軸に連結する電気的駆動源と、自動変速機とを備え、前記自動変速機は、前記エンジン又は前記電気的駆動源から動力が伝達される入力軸と、ケース内で前記動力を変速して駆動輪側に出力する変速機構と、前記ケース内で前記動力により駆動されるオイルポンプとを有しているハイブリッド車両の駆動装置において、
前記オイルポンプの回転軸を、前記自動変速機の入力軸に対して異なる軸線上であって、前記変速機構より車両下方側に配置し、
前記電気的駆動源の回転軸を、前記入力軸に対して異なる軸線上であって、前記入力軸に沿い、且つ前記変速機構に対して径方向に重なるように配置し、
前記オイルポンプの回転軸、前記電気的駆動源側の回転軸及び前記入力軸を、1本の無端帯で連結して同期的に回転するようにし、且つ当該無端帯の一部が前記変速機構の下部側に貯留される油に浸されていることを特徴とするハイブリッド車両駆動装置。 - 前記変速機構の出力回転を左右の駆動輪に分配するディファレンシャル装置を、前記入力軸より車両後方側、且つ車両下方側に配置し、
前記変速機構に油圧の供給制御を行なう油圧制御部品を、前記変速機構より車両下方側で水平方向に延在するように配置し、又は、前記変速機構より車両前方側で車両上下方向に延在するように配置し、
前記オイルポンプを、前記入力軸より車両後方側、且つ車両下方に配置し、
前記電気的駆動源を、前記入力軸より車両前方側に配置し、
前記電気的駆動源の回転軸を、前記無端帯と連結する中間軸と、当該中間軸に対して動力伝達機構を介して連結し前記電気的駆動源に対して同軸上に形成されている駆動軸とで構成するとともに、
前記中間軸を、前記入力軸より車両前方側、且つ車両下方側に配置し、
前記駆動軸を、前記入力軸より車両前方側に配置したことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車両駆動装置。
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