JP4225437B2 - レトロフォーカス型レンズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レトロフォーカス型レンズに関し、特に異なる色情報を有する複数の画像を合成プリズムで合成した後、スクリーン面上に拡大投影するようにしたカラー液晶プロジェクタに使用するレトロフォーカス型レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の液晶(液晶ライトバルブ)に表示されている画像を光学的に重ね合わせて、投影レンズによりスクリーン面上に投影するようにしたカラー液晶型プロジェクタが種々提案されている。
【0003】
従来のカラー液晶型プロジェクタの一例を図11を用いて説明する。
この従来のカラー液晶型ビデオプロジェクタ50は、図11に示すように、光源51と、一対のレンズアレイ52a,52bと、3原色光を分離する第1および第2のダイクロイックミラー53a,53bと、第1,第2,第3および第4の全反射ミラー54a,54b,54c,54dと、3つの液晶表示パネル(赤色光用)55a,(緑色光用)55b,(青色光用)55cと、3原色光を合成するダイクロイックプリズム56とを備え、このダイクロイックプリズム56の射出側に投影レンズ57を備えている。
【0004】
上記光源51はハロゲンランプ、あるいはメタルハライドランプ等の高輝度白色光源である。
なお、通常、この光源51の光射出側には、紫外光および赤外光をカットするUV/IRカットフィルタが配され、また光源51およびその近傍を空冷等により冷却するための冷却手段が設けられている。
【0005】
第1のダイクロイックミラー53aは緑色光/青色光反射ミラーであり、また第2のダイクロイックミラー53bは緑色光反射ミラーであって、各々ガラス基板上に所定の原色光をミラーとして反射する分光特性を有する誘電体多層膜からなるダイクロイック膜が施されて形成されている。
また、3つの液晶表示パネル55a,55b,55cは各々ツイステッド・ネマティック型等(TN型、STN型、TFT型)の液晶表示素子からなり、図示されない液晶ドライバからの対応する液晶信号に応じて映像を表示し、入射された各原色光を輝度変調する。
【0006】
さらに、ダイクロイックプリズム56は、4個の直角プリズムを接合してなり、その直交する2つの接合面には、各々赤色光反射ミラーおよび青色光反射ミラーとしての分光特性を有する誘電体多層膜からなるダイクロイック膜が施されて形成されており、赤,緑,青の3原色光を白色光の1本の光束に合成することが可能である。
また、青色光用の系中にはフィールドレンズ58aおよびリレーレンズ58bが配されており、また、各液晶表示パネル55a,55b,55cの前段には各々フィールドレンズ59a,59b,59cが配されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した構成からなる液晶ビデオプロジェクタ50に使用する投影レンズ57は、合成された3原色光を所定の距離に配されたスクリーン上に投射し、このスクリーン上にフルカラー画像を拡大投影することができるように構成されている。
【0008】
この投影レンズ57には、以下のような性質が要求される。
まず、クロスダイクロイックプリズム56で光を合成するため、色収差が小さく、長いバックフォーカスを有し、テレセントリックであることが必要である。また、短い投影距離で大きな投影像を得るために、投影レンズ57を広角化することが必要である。さらに、四角形の液晶表示パネル55a,55b,55cを歪み無く投影するために、低ディストーション化することが必要である。
【0009】
従来、バックフォーカスの長い広角レンズとして、一眼レフレックスカメラの広角レンズとして用いられるレトロフォーカス型レンズが知られている。
しかしながら、従来の一眼レフレックスカメラの広角レンズとして用いられているレトロフォーカス型レンズは、射出角度がきつく、テレセントリックにはなっていない。したがって、このようなレトロフォーカス型レンズをカラー液晶型プロジェクタに用いた場合には、クロスダイクロイックプリズム56で色を合成する際に、スクリーン上で色むらが発生するという問題点がある。このため、従来のレトロフォーカス型レンズを、そのままカラー液晶型ビデオプロジェクタの投影レンズとして用いることはできない。
【0010】
また、従来の投影レンズのフォーカス方法には、レンズ全体を一体で移動させる方法と、複数のレンズ群を移動してフローティングさせ、フォーカスによる像面の倒れを補正する方法とが知られている。
しかしながら、上記した従来のフォーカス方法では、レンズとマウントとの取付部の鏡筒系が大きくなるばかりでなく、装置構造が複雑になるという問題点がある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、長いバックフォーカスとテレセントリック性を有するとともに、ディストーションと色収差の小さい良好な光学性能を有し、さらに簡単なフォーカス構造を備えたコンパクトなレトロフォーカス型レンズを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のレトロフォーカス型レンズは、大きな共役長側から順に、負の屈折力を有し、最も小さな共役長側に凸レンズを配置した第1レンズ群と、該第1レンズ群で発散された光束を略アフォーカルとする、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを配設し配設してなり、小さな共役長側でテレセントリックとした、投影用のものであり、前記第1レンズ群の最も小さな共役長側に配置された凸レンズを光軸上で移動させてフォーカス調整を行うことを特徴とするものである。
また、第1レンズ群は、少なくとも2枚の凸レンズと、小さな共役長側に曲率半径の小さな面を向けた少なくとも2枚の凹レンズとからなることが望ましい。
【0013】
さらに、第1レンズ群の最も小さな共役長側に配置された凸レンズの焦点距離をf1Rとし、全系の焦点距離をf0とすると、以下の条件式を満足することが望ましい。
1.3<f1R/f0<3.5
また、第3レンズ群は、大きな共役長側から順に、凸レンズと凹レンズとからなる接合レンズと、少なくとも2枚の凸レンズとを配設してなることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1〜5は、各々本発明の実施例1〜5に係るレトロフォーカス型レンズの構成を示したものである。
【0015】
本発明の実施例に係るレトロフォーカス型レンズは、図1〜5に示すように、大きな共役長側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、該第1レンズ群G1で発散された光束を略アフォーカルとする、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3とを配設した、10枚(実施例4では9枚)のレンズ構成からなる。また、第5レンズL5(実施例4では第4レンズL4)は、光軸上で移動可能となっていて、この第5レンズL5(実施例4では第4レンズL4)を光軸上で移動させることによりフォーカス調整を行う。さらに、全系の小さな共役長側には、フィルタブロック1を配置してある。
【0016】
このようなレンズ構成とすることにより、長いバックフォーカスとテレセントリック性を有し、ディストーションと色収差が改善される。
また、第1レンズ群G1の最も小さな共役長側に配置された第5レンズL5(実施例4では第4レンズL4)を光軸上で移動させてフォーカス調整を行うことにより、鏡筒径が小さくなり、装置構造が単純でコンパクトとなる。
【0017】
上記した第1レンズ群G1は、少なくとも2枚の凸レンズL1,L5(実施例4ではL1,L4)と、小さな共役長側に曲率半径の小さな面を向けた少なくとも2枚の凹レンズL2,L3,L4(実施例4ではL2,L3)とを配設したものである。
第1レンズ群G1をこのようなレンズ構成とすることにより、さらにディストーションと色収差を改善することができる。
【0018】
また、第1レンズ群G1の最も小さな共役長側に配置された第5レンズL5(実施例4では第4レンズL4)の焦点距離をf1Rとし、全系の焦点距離をf0とすると、下記の条件式を満足するように構成されている。
1.3<f1R/f0<3.5
上記条件式において、f1R/f0の値が上式の下限を下回ると、フォーカスを行うレンズのパワーが強くなりすぎ、諸収差、特に色収差の発生が大となる。
【0019】
一方、f1R/f0の値が上式の上限を上回ると、フォーカスを行うレンズのパワーが小さくなりすぎ、前側のレンズの径が大きくなりすぎてしまうとともに、レンズの移動距離も大きくなるので、レンズ系全体をコンパクトとすることが困難となる。
そこで、上記した条件式を満足することにより、諸収差、特に色収差を良好とし、レンズ全系をコンパクトなものとしている。
【0020】
上記した第2レンズ群G2は、正の屈折力を有するレンズL6(実施例4ではL5)からなる。
この第2レンズ群G2により、第1レンズ群G1で発散された光束を略アフォーカルとする。
【0021】
上記した第3レンズ群G3は、大きな共役長側から順に、凸レンズL7と凹レンズL8(実施例4では凸レンズL6と凹レンズL7)からなる接合レンズと、少なくとも2枚の凸レンズL9,L10(実施例4では凸レンズL8,L9)とを配設してなる。
これにより、テレセントリック性をさらに改善するとともに、色収差を補正することができる。
【0022】
以下、具体的な数値を用いて上記実施例1〜5を説明する。
<実施例1>
本発明の実施例1に係るレトロフォーカス型レンズについて図1を用いて説明する。
この実施例1では、上記した第1レンズ群G1は、大きな共役長側から順に、大きな共役長側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL1、大きな共役長側に凸面を向けた負のメニスカスレンズL2、L3、L4、大きな共役長側に弱い曲率の面を向けた両凸レンズL5を配設してなる。
上記した第2レンズ群G2は、大きな共役長側に凹面を向けた正のメニスカスレンズL6からなる。
【0023】
上記した第3レンズ群G3は、大きな共役長側から順に、大きな共役長側に凹面を向けた正のメニスカスレンズL7と大きな共役長側に凹面を向けた負のメニスカスレンズL8との接合レンズ、大きな共役長側に凹面を向けた正のメニスカスレンズL9、大きな共役長側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL10を配設してなる。
なお、第1レンズ群G1の最も小さな共役長側に配置された第5レンズL5の焦点距離をf1Rとし、全系の焦点距離をf0とすると、f1R/f0が2.38となるように設定されている。したがって、前述した条件式は満足されている。
【0024】
また、この実施例1に係るレトロフォーカス型レンズの焦点距離fは1.0、Fナンバは3.5、画角2ωは67.4°である。
以下、実施例1に係るレトロフォーカス型レンズの各レンズ面の曲率半径r(mm)、各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率nおよびアッベ数νを表1に示す。
ただし、この表1および後述する表2〜5において、各記号r,d,n,νに対応させた数字は大きな共役長側から順次増加するようになっている。
【0025】
【表1】
【0026】
次に、上記実施例1についての球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を図6に示す。
これら各収差図によれば、実施例1に係るレトロフォーカス型レンズは良好な光学性能を維持していることが明らかである。
【0027】
<実施例2>
本発明の実施例2に係るレトロフォーカス型レンズについて図2を用いて説明する。
この実施例2に係るレトロフォーカス型レンズは、図2に示すように、上記実施例1に係るレトロフォーカス型レンズとほぼ同様の10枚のレンズ構成とされているが、主として、第2レンズ群G2の第6レンズL6が大きな共役長側に曲率の小さな面を向けた両凸レンズとされ、第3レンズ群G3の第10レンズL10が大きな共役長側に曲率の大きな面を向けた両凸レンズとされている点で上記実施例1のものとは異なっている。
【0028】
なお、第1レンズ群G1の最も小さな共役長側に配置された第5レンズL5の焦点距離をf1Rとし、全系の焦点距離をf0とすると、f1R/f0が2.82となるように設定されている。したがって、前述した条件式は満足されている。
また、この実施例2に係るレトロフォーカス型レンズの焦点距離fは1.0、Fナンバは3.5、画角2ωは67.4°である。
以下、実施例2に係るレトロフォーカス型レンズの各レンズ面の曲率半径r(mm)、各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率nおよびアッベ数νを表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
次に、上記実施例2についての球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を図7に示す。
これら各収差図によれば、実施例2に係るレトロフォーカス型レンズは良好な光学性能を維持していることが明らかである。
【0031】
<実施例3>
本発明の実施例3に係るレトロフォーカス型レンズについて図3を用いて説明する。
この実施例3に係るレトロフォーカス型レンズは、図3に示すように、上記実施例1に係るレトロフォーカス型レンズとほぼ同様の10枚のレンズ構成とされているが、主として、第1レンズ群G1の第5レンズL5が大きな共役長側に凹面を向けた正のメニスカスレンズとされ、第2レンズ群G2の第6レンズL6が大きな共役長側に曲率の小さな面を向けた両凸レンズとされている点で上記実施例1のものとは異なっている。
【0032】
なお、第1レンズ群G1の最も小さな共役長側に配置された第5レンズL5の焦点距離をf1Rとし、全系の焦点距離をf0とすると、f1R/f0が3.19となるように設定されている。したがって、前述した条件式は満足されている。
また、この実施例3に係るレトロフォーカス型レンズの焦点距離fは1.0、Fナンバは3.5、画角2ωは67.4°である。
以下、実施例3に係るレトロフォーカス型レンズの各レンズ面の曲率半径r(mm)、各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率nおよびアッベ数νを表3に示す。
【0033】
【表3】
次に、上記実施例3についての球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を図8に示す。
これら各収差図によれば、実施例3に係るレトロフォーカス型レンズは良好な光学性能を維持していることが明らかである。
【0034】
<実施例4>
本発明の実施例4に係るレトロフォーカス型レンズについて図4を用いて説明する。
この実施例4に係るレトロフォーカス型レンズは、図4に示すように、上記実施例1に係るレトロフォーカス型レンズとほぼ同様のレンズ構成とされているが、第1レンズ群G1が4枚のレンズ構成とされ、全系で9枚のレンズ構成とされている点で上記実施例1のものとは異なっている。
【0035】
具体的には、上記した第1レンズ群G1は、大きな共役長側から順に、大きな共役長側に凸面を向けた正のメニスカスレンズL1、大きな共役長側に凸面を向けた負のメニスカスレンズL2、L3、大きな共役長側に曲率の小さな面を向けた両凸レンズL4からなる。なお、第4レンズL4は、光軸上で移動可能となっていて、この第4レンズL4を光軸上で移動させることによりフォーカス調整を行う。
【0036】
上記した第2レンズ群G2は、大きな共役長側に凹面を向けた正のメニスカスレンズL5からなる。
上記した第3レンズ群G3は、大きな共役長側から順に、大きな共役長側に凹面を向けた正のメニスカスレンズL6と大きな共役長側に凹面を向けた負のメニスカスレンズL7との接合レンズ、大きな共役長側に曲率の小さな面を向けた両凸レンズL8、大きな共役長側に曲率の大きな面を向けた両凸レンズL9からなる。
【0037】
なお、第1レンズ群G1の最も小さな共役長側に配置された第4レンズL4の焦点距離をf1Rとし、全系の焦点距離をf0とすると、f1R/f0が1.65となるように設定されている。したがって、前述した条件式は満足されている。
また、この実施例4に係るレトロフォーカス型レンズの焦点距離fは1.0、Fナンバは4.0、画角2ωは67.4°である。
以下、実施例4に係るレトロフォーカス型レンズの各レンズ面の曲率半径r(mm)、各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率nおよびアッベ数νを表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
次に、上記実施例4についての球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を図9に示す。
これら各収差図によれば、実施例4に係るレトロフォーカス型レンズは良好な光学性能を維持していることが明らかである。
【0040】
<実施例5>
本発明の実施例5に係るレトロフォーカス型レンズについて図5を用いて説明する。
この実施例5に係るレトロフォーカス型レンズは、図5に示すように、上記実施例1に係るレトロフォーカス型レンズとほぼ同様の10枚のレンズ構成とされているが、主として、第1レンズ群G1の第1レンズL1が大きな共役長側に凸面を向けた負のメニスカスレンズとされ、第1レンズ群G1の第2レンズL2が大きな共役長側に凸面を向けた正のメニスカスレンズとされ、第3レンズ群G3の第10レンズL10が大きな共役長側に曲率の大きな面を向けた両凸レンズとされている点で上記実施例1のものとは異なっている。
【0041】
なお、第1レンズ群G1の最も小さな共役長側に配置された第5レンズL5の焦点距離をf1Rとし、全系の焦点距離をf0とすると、f1R/f0が2.80となるように設定されている。したがって、前述した条件式は満足されている。
また、この実施例5に係るレトロフォーカス型レンズの焦点距離fは1.0、Fナンバは3.5、画角2ωは67.4°である。
以下、実施例5に係るレトロフォーカス型レンズの各レンズ面の曲率半径r(mm)、各レンズの中心厚および各レンズの空気間隔d(mm)、各レンズのd線における屈折率nおよびアッベ数νを表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
次に、上記実施例5についての球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を図10に示す。
これら各収差図によれば、実施例5に係るレトロフォーカス型レンズは良好な光学性能を維持していることが明らかである。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のレトロフォーカス型レンズは、第1レンズ群の最も小さな共役長側に配置された凸レンズを光軸上で移動させることによりフォーカス調整を行うように構成しているので、長いバックフォーカスとテレセントリック性を有し、ディストーションと色収差が改善されるとともに、簡単なフォーカス構造を備えたコンパクトなレトロフォーカス型レンズを提供することできる。
また、第1レンズ群を、少なくとも2枚の凸レンズと、小さな共役長側に曲率半径の小さな面を向けた少なくとも2枚の凹レンズとから構成することにより、さらにディストーションと色収差を改善することができる。
また、第1レンズ群の最も小さな共役長側に配置された凸レンズの焦点距離をf1Rとし、全系の焦点距離をf0とした場合に、1.3<f1R/f0<3.5の条件式を満足することで、諸収差、特に色収差を良好とし、レンズ全系をコンパクトなものとすることができる。
さらに、第3レンズ群を、大きな共役長側から順に、凸レンズと凹レンズからなる接合レンズと、少なくとも2枚の凸レンズとを配設して構成することにより、さらにテレセントリック性が改善されるとともに、色収差を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るレトロフォーカス型レンズを示す断面図
【図2】本発明の実施例2に係るレトロフォーカス型レンズを示す断面図
【図3】本発明の実施例3に係るレトロフォーカス型レンズを示す断面図
【図4】本発明の実施例4に係るレトロフォーカス型レンズを示す断面図
【図5】本発明の実施例5に係るレトロフォーカス型レンズを示す断面図
【図6】本発明の実施例1に係るレトロフォーカス型レンズの諸収差を示す収差図
【図7】本発明の実施例2に係るレトロフォーカス型レンズの諸収差を示す収差図
【図8】本発明の実施例3に係るレトロフォーカス型レンズの諸収差を示す収差図
【図9】本発明の実施例4に係るレトロフォーカス型レンズの諸収差を示す収差図
【図10】本発明の実施例5に係るレトロフォーカス型レンズの諸収差を示す収差図
【図11】従来のカラー液晶型プロジェクタの一例を示す断面図
【符号の説明】
G1〜G3 第1〜3レンズ群
L1〜L10 レンズ
d1〜d20 レンズの軸上面間隔および厚さ
r1〜r21 レンズの曲率半径
X 光軸
1 フィルタブロック
50 カラー液晶型プロジェクタ
51 光源
52a,b レンズアレイ
53a,b ダイクロイックミラー
54a,b,c,d 全反射ミラー
55a,b,c 液晶表示パネル
56 ダイクロイックプリズム
57 投影レンズ
58a,59a,b,c フィールドレンズ
58b リレーレンズ
Claims (4)
- 大きな共役長側から順に、負の屈折力を有し、最も小さな共役長側に凸レンズを配置した第1レンズ群と、
該第1レンズ群で発散された光束を略アフォーカルとする、正の屈折力を有する第2レンズ群と、
正の屈折力を有する第3レンズ群とを配設してなり、
小さな共役長側でテレセントリックとした、投影用のものであり、
前記第1レンズ群の最も小さな共役長側に配置された凸レンズを光軸上で移動させてフォーカス調整を行うことを特徴とするレトロフォーカス型レンズ。 - 前記第1レンズ群は、
少なくとも2枚の凸レンズと、
小さな共役長側に曲率半径の小さな面を向けた少なくとも2枚の凹レンズとからなることを特徴とする請求項1記載のレトロフォーカス型レンズ。 - 前記第1レンズ群の最も小さな共役長側に配置された凸レンズの焦点距離をf1Rとし、全系の焦点距離をf0とすると、以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または請求項2記載のレトロフォーカス型レンズ。
1.3<f1R/f0<3.5 - 前記第3レンズ群は、
大きな共役長側から順に、凸レンズと凹レンズとからなる接合レンズと、
少なくとも2枚の凸レンズとを配設してなることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項記載のレトロフォーカス型レンズ。
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