JP4172995B2 - Run-flat radial tire - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、タイヤ内圧が漏出してなお安全な走行を確保することができるランフラットラジアルタイヤ、なかでも、比較的高速で使用される、偏平比が0.6以下の乗用車用ラジアルタイヤに関し、とくには、タイヤ内圧の漏出状態の下での走行耐久性、いいかえれば、ランフラット耐久性を高めることに加え、タイヤの通常の使用状態の下での振動を有効に抑制する技術を提案するものである。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、高速走行中の車両において、タイヤ内圧が急激に漏出等してタイヤが荷重支持能力を失うことに起因して、車両の運動安定性が大きく損なわれるのを防止するべく、一般に高い可撓性を有する、タイヤのサイドウォール部を、比較的モジュラスの大きいゴムをもって厚く補強して、タイヤ内圧が大気圧まで低下しても、そのサイドウォール部の撓み変形を極端に増加させることなく輪荷重を負担できるようにして、タイヤの転がり半径の減少を抑制し、タイヤのリムからの離脱等を防止したランフラットタイヤは従来から各種提案されている。
かかる対策は、偏平比が低い、なかでも0.6以下のタイヤにとくに有効である。
【0003】
しかるに、サイドウォール部を、補強ゴム層をもってこのように補強したランフラットタイヤでは、タイヤに故障等が生じる以前のそれの通常の使用状態の下でのタイヤの上下剛性の増加が不可避となって、タイヤの振動が、リム、ひいては、ばね上側へ伝達し易くなるため、たとえば、路面の凹凸等によって発生するタイヤの振動の、サスペンション等からボディ側への伝達により、振動伝達経路の各構成部材の耐久性の低下が余儀なくされるという問題があった。
【0004】
またこの一方で、サイドウォール部の剛性を、トレッド部のそれに比して大幅に高めた場合には、タイヤ内圧の漏出に伴って、トレッド踏面の幅方向中央部分が路面から大きく浮き上がる、図1に示すようないわゆるバックリングが生じ、タイヤが、それのショルダ域でのみ接地することになるため、タイヤの接地面積が減少して、駆動および制動性能、操縦性能等が大きく低下することになる。
【0005】
すなわち、トレッド踏面の幅方向中央部分が路面から大きく浮き上がるこのようなバックリングは、ランフラット時の、タイヤと路面との接触域およびその近傍の変形を検討したところ、図1に、タイヤ幅方向断面の半部を示すように、タイヤの故障前は、図に破線で示すような接地状態にあるタイヤのサイドウォール部の半径外方部分ないしはショルダ部分が路面に対して倒れ込み変形することを原因として、トレッド部中央部分を路面から離隔させる向きのモーメントMが生じることに基づいて発生することが明らかになった。
そしてこの倒れ込み変形は、タイヤの故障前にはトレッド接地幅の外側に存在する点Pの、トレッド接地幅の内側への引き込みをもたらすことになり、この傾向は、タイヤと路面との摩擦力が小さいほど大きくなる。
【0006】
ところで、上記モーメントMについての解析を行ったところ、そのモーメントMは、トレッド部およびサイドウォール部のそれぞれの剛性、それらの剛性比、荷重の大きさに依存する他、上述した倒れ込み変形量や、ショルダ部分の断面内曲げ剛性に直接左右されることが明らかになった。
従って、バックリングを防止する一の有用な方法は、ショルダ部分の断面内曲げ剛性を低減させて、サイドウォール部の変形に起因して生じるモーメントMの、トレッド部への直接的な伝達を抑制することにある。すなわち、モーメントMは、通常サイドウォール部剛性の、トレッド部剛性に対する比に応じて増加することになるも、ランフラット時に接地することになるショルダ部分に、あたかもヒンジのように機能する個所を設けて、サイドウォール部の変形とトレッド部の変形との間の強い相関を解消することによりバックリングの発生を有効に抑制することができる。
【0007】
これがための具体的手段としては、図2に示すように、ショルダ部分に円周方向に延びる周溝Gを設けることが考えられ、これによれば、サイドウォール部の倒れ込み変形を周溝Gの変形をもって吸収して、サイドウォール部の変形の、トレッド部への伝達を抑制すること、いいかえれば、サイドウォール部の変形に基づいて発生するモーメントMを周溝Gによって緩和して、トレッド部に伝わるモーメントを十分に低減させることが可能になる。
【0008】
この点に関し、特表2002−518231号公報には、横方向に配設されたトレッドリブを有するトレッドと、ランフラット動作中には駆動面と接触し、標準膨張圧の動作中には駆動面と接触しないようになっている、各サイドウォールの半径方向で最も外側の領域の近傍に配設されたサイドウォールリブと、各サイドウォールリブとそれに隣接するトレッドリブとの間に、周方向に配設された第1の分離溝と、トレッドリブとそれに隣接するトレッド中央領域との間に、周方向に配設された第2の分離溝とを具えることを特徴とする空気入りラジアルプライランフラットタイヤが開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特表2002−518231号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかるにこの発明は、第1および第2のそれぞれの分離溝を必須とし、それらの両溝の協働作用の下で、ランフラット時の、サイドウォール部からトレッド部への曲げ力の伝達を抑制するものであるため、とくにはトレッド踏面内に存在する第2の分離溝がトレットパターンの設計の自由度を低下させ、また、第1の分離溝の存在の故に、タイヤのランフラット耐久性の低下が否めないという問題があった。
【0011】
この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題をするものであり、それの目的とするところは、トレッドパターンの設計の自由度を狭めることなしに、ランフラット時のバックリングの発生を効果的に防止することができ、併せて、周溝の形成に起因するランフラット耐久性の低下を十分に防止できるランフラットラジアルタイヤを提供するにある。
【0012】
【発明を解決するための手段】
この発明に係るランフラットラジアルタイヤは、トレッド部と、トレッド部の両側部に連続して、半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部の内周側に連続するビード部とを具えるとともに、各ビード部に配設した一対のビードコアの周りで、それぞれの側部部分を半径方向外方に巻き返した一枚以上のカーカスプライからなるラジアルカーカスおよび、少なくともサイドウォール部と対応する部分で、ラジアルカーカスと、それの内周側のインナライナとの間に配設した補強ゴム層を具えるものであり、リムに組み付けたタイヤに最高空気圧を充填して最大負荷能力の1.1倍の負荷を作用させた姿勢の下ではトレッド接地幅の外側に位置する一方、タイヤ内圧を大気圧まで低減させて、最大負荷能力に相当する質量を負荷した姿勢の下ではトレッド接地幅の内側に位置して周方向に連続する少なくとも一対の周溝を、ショルダ域外表面に設け、各周溝の深さを、それの形成個所の、周溝の形成前のタイヤ総厚さの1/4以上とするとともに、その周溝の、円周方向に対する延在角度を0〜30°の範囲とし、周溝の内周側の、その周溝の一部もしくは全部と重なり合う領域に、カーカスプライの他、トレッド部の補強に供されるベルト層、周方向補強層等の補強部材からなる独立した繊維補強層を帯状に配設したものである。
【0013】
なおここで「リム」とは、下記の規格で規定されるリムを、「最高空気圧」とは、下記の規格で、最大負荷能力に対応する空気圧を、そして、「最大負荷能力」とは、下記の規格でタイヤに負荷することが許される最大質量をいう。
またここでの「周溝の深さ」は、その周溝の形成後にあっては、タイヤ外輪郭線の、周溝部分への滑らかな仮想延長線分から測ったタイヤ総厚さの1/4以上として特定することもできる。
【0014】
そして規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格であり、たとえば、アメリカ合衆国では“The Tire and Rim Association Inc.のYear Book”であり、欧州ではThe European Tire and Rim Technical Technical OrganizaionのStandards Manral”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA Year Book”である。
【0015】
このように構成してなるタイヤでは、タイヤのランフラット走行に当り、とくには、タイヤのショルダ域に形成されて、位置、延在方向および深さを特定された周溝が、サイドウォール部の、路面に対する倒れ込みに対し、自身の溝幅縮小変形に基づいて、その倒れ込み変形に起因するトレッド部の変形を有効に抑制し、その倒れ込み変形によって生じるモーメントの、トレッド部への伝達を有効に緩和するので、図2に実線で示すように、トレッド部へのバックリングの発生を効果的に防止することができる。
【0016】
またここでは、周溝の内周側の繊維補強層をもって、その周溝、とくにはそれの溝底を保護することで、周溝の形成を原因とするランフラット耐久性の低下を十分に防止することができる。ここでこの繊維補強層は、所要の領域に帯状に配設することで、とくには、故障発生前のタイヤの、上下剛性の余剰なる増加を抑制して、車両への乗心地の低下を十分に防止し、また、タイヤ重量の不要な増加を防止することができる。
【0017】
ところで、ここにおける一対以上の周溝は、タイヤの故障前にはトレッド接地幅の外側に位置することになるので、周溝の存在がトレッドパターンの設計の妨げになることはない。
このような周溝につき、それの形成位置を、タイヤに最高空気圧を充填して最大負荷能力の1.1倍の負荷の作用下でなお、トレッド接地幅の外側とすることで、ランフラット走行に当り、その周溝の形成個所に、とくにすぐれたヒンジ機能を発揮させることができる。
【0018】
またその周溝の深さを、タイヤ総厚さの1/4以上として、周溝を含むショルダ部分の、横断面内での曲げ剛性を低域させ、周溝の、溝幅を減じる方向の変形に対する抵抗を十分小ならしめることにより、サイドウォール部の倒れ込み変形を、周溝をもってより有効に吸収して、その倒れ込み変形に起因するトレッド部の浮き上がり変形、ひいては、バックリングの発生を効果的に防止することができる。
【0019】
バックリングの防止に有効に機能するこのような周溝にあって、それの周りへの早期の故障の発生を防止するためには、周溝の円周方向に対する角度を0〜30°、好ましくは0°を越える角度として、周溝の溝底に生じる円周方向の剪断歪を、トレッド幅方向に幾分分散させることが好適である。なおこの場合、延在角度が30°を越えると、いわゆるヒンジ個所の、最適位置からのずれ量が無視出来ない程度となり、バックリングを有効に抑制できなくなるだけでなく、周溝の溝底部分への歪の集中に起因する故障核が溝底に生じ易くなる。
【0020】
かかるタイヤにおいて好ましくは、繊維補強層を、ラジアルカーカスの少なくとも外周側に配設する。この構成によれば、周溝の溝底クラック等の故障に対する繊維補強層の保護機能を、その補強層をカーカスの内周側に配設する場合に比してより効果的に発揮させることができる。
【0021】
また好ましくは、補強ゴム層の最大厚み部分の半径方向位置を、リム組みタイヤの内圧を大気圧まで低減させた姿勢で、周溝と、リムとタイヤとの離反点との間に位置させる。
ショルダ部分に、たとえば図2に示すような周溝を設けた場合には、ランフラット時のサイドウォール部の変形形態が、周溝を設けない、図1に示す場合とは相違することになり、変形姿勢のサイドウォール部の、曲率半径の最も小さい個所が、前者では、後者よりタイヤの半径方向外方で、周溝に極く近接して位置することになるとともに、その曲率半径Rが後者の曲率半径R0より小さくなるので、ショルダ部分に周溝を設けた前者のタイヤでは、補強層ゴム層の最大厚み部分を、曲率半径が最も小さくなる部分に対応させて位置させて曲率半径の過剰な減少を抑制することで、補強ゴム層それ自体の破壊故障を有利に防止することができる。
そこでここでは、その最大厚み部分を、上述したように、周溝と、リムとタイヤとの離反点との間、より好ましくは、なかでも周溝に近接した部位に位置させて、補強ゴム層の破壊をより有効に防止する。
【0022】
なおここで、繊維補強層の繊維は、無撚りのあるいは有撚りの有機もしくは無機繊維とすることができ、その繊維の延在の態様は、すだれ構造、三次元編上げ構造等とすることが可能であるが、繊維補強層は、レーヨン繊維を撚り合わせたコードを、たとえばほぼラジアル方向に延在させて配設してなる一方向繊維補強層とすることがとくに有効である。
すなわち、繊維補強層の最適なコード延在方向は、サイドウォール部の変形とトレッド部の変形とを分離することと、繊維補強層のコード端への歪の集中を回避することとの両者を考慮して決定されることになり、これがためにはラジアル方向もしくは、ラジアル方向に対して比較的小さな角度、たとえば0〜30°の範囲の角度をなす方向であることが好ましい。
【0023】
周溝はバックリングの抑制のためには有効であるも、ランフラット耐久性の向上のためには、周溝等への歪の集中に対してその周溝を保護することが必要である。ところで、周溝等の耐久性、とくには周溝の溝底クラックに関与する歪は、主には、周方向剪断歪であり、この歪の低減のためには、ラジアルカーカスの外周側で溝底と対応する領域に、繊維補強層を帯状に配設することが有効である。
【0024】
この場合、繊維補強層の繊維は、適正な溝底保護機能を発揮できる限りにおいて、有機材料もしくは無機材料のいずれにて形成しても良く、撚りが有っても無くても良い。そしてその繊維の配設構造は、すだれ構造、三次元編上げ構造、織物構造等とすることもできる。但し、ランフラット時の高温使用環境下での熱的安定性を考慮すると、レーヨン繊維を用いることが好ましく、また繊維内部のフィブリルの破壊性を考慮すると、レーヨン繊維の撚りコードをもって繊維補強層を構成することが好ましく、そして、周溝の周方向剪断歪から溝部分をより有効に保護するためには、コードの延在方向をほぼラジアル方向とすることが好ましい。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態を図面に示すところに基づいて説明する。
図3は、この発明の実施の形態をタイヤの半部について示す断面図である。
図中1は、トレッド部を、2は、トレッド部1の側部に連続して半径方向内方に延びるサイドウォール部を、3は、サイドウォール部2の内周側に連続するビード部をそれぞれ示し、4は、トレッド部1とサイドウォール部2との境界にあってバットレスとも呼ばれ、厚いゴム層をもってカーカスを保護する一方で、熱の発散を促進するショルダを示す。
【0026】
ここでは、ビード部3に配設した一対のビードコア5間に少なくとも一枚のカーカスプライをトロイダルに延在させるとともに、そのカーカスプライの側部部分をビードコア5の周りで半径方向外方に巻き返してラジアルカーカス6を形成し、このラジアルカーカス6のクラウン部の外周側に、ここでは、二層のベルト層からなるベルト7を、それらの層間でのベルト層コードの交差姿勢で配設し、そして、このベルト7の外周側に、実質的にトレッド円周方向に延在する、たとえば、有機繊維コードよりなる、ベルト幅より幾分広幅の一層以上のベルト補強層8を配設し、さらに、少なくともサイドウォール部2と対応する部分、図では、トレッド部1の側部域からビード部3にわたる領域で、ラジアルカーカス6と、その内周側のインナライナ9との間に、比較的硬質のゴムよりなるほぼ三日月状の補強ゴム層10を配設する。
【0027】
またここでは、図1、2に示すように、規定のリムrに組付けたタイヤへの最高空気圧の充填状態で、最大負荷能力の1.1倍の負荷を作用させてなおトレッド接地幅の外側に位置する一方で、タイヤ内圧を大気圧まで低下させて最大負荷能力に相当する質量を負荷させたときにはトレッド接地幅の内側に位置することとなる少なくとも左右一対、図では少なくとも一本の周溝11をショルダ域4の外周面に設け、この周溝11を、円周方向に対して0〜30°の範囲の角度で、直線状またはジグザグ状に連続させて形成する。なおこの図に示す周溝11は直線状に延在する。
このような周溝11の深さは、それの形成個所における、周溝形成前のタイヤ総厚さTの1/4以上として、ショルダ域4の断面内曲げ剛性の十分なる低減を実現する。
【0028】
そしてさらに、このような周溝11の内周側の位置で、その周溝11の一部もしくは全部と重なり合う領域、好ましくは、少なくとも溝底との重なり領域に、ラジアルカーカス6、ベルト7およびベルト補強層8その他の補強部材からは独立した繊維補強層12を帯状に配設し、好ましくは、この繊維補強層12を、レーヨン繊維を撚り合わせたコードを、ほぼラジアル方向に延在させて配設して形成した一方向繊維補強層により構成する。
【0029】
なおこの繊維補強層12は、図示のようにラジアルカーカス6の外周側に配設する他、図4に示すように、ラジアルカーカス6の内周に沿わせて配設することもできる。
また、繊維補強層12は、図5に示すように、ラジアルカーカス6の外周側にあって、周溝11に極く近接させて配設することもでき、さらには、ラジアルカーカス6を挟んでそれの内外両側に配設して、周溝補強機能を一層高めることもできる。
【0030】
図6はこの場合を例示する図であり、これは、サイドウォール部2の変形の、トレッド部1のバックリングに及ぼす影響をより一層少なくするために、各ショルダ域4に、周溝11に加えて他の一本の周溝13を設けたものであり、この場合には、周溝11、13およびその近傍部分の歪量が増えることから、ラジアルカーカス6を隔てた二層の繊維補強層12を配設することで、周方向剪断歪の十分なる低減を担保している。
【0031】
図7は他の実施形態を示し、これは、周溝11およびその近傍への歪の集中を抑えるために、周溝11の、横断面内の角部を曲線状とするとともに、ランフラット時の補強ゴム層10の破壊を防止して、すぐれたランフラット耐久性をもたらすべく、補強ゴム層10のトータル体積はそのままに、それの最大厚みを、繊維補強層12の半径方向内端と、ランフラット時のリムとタイヤとの離反点との間に位置させたものである。
すなわち、バックリングを防止したタイヤのランフラット時の、サイドウォール部の曲率半径が最も小さくなる個所は、繊維補強層12の半径方向内端より幾分ビード部よりに現われるので、補強ゴム層10の最大厚み部分をその個所に合わせることで、曲率半径の極端な減少を防止して、補強ゴム層それ自体の耐久性の低下を防ぐことができる。
【0032】
図8はさらに他の実施形態を示し、周溝11の横断面形状を、図7に示すものと同様に曲線状とするとともに、その周溝11を円周方向に対して30°以下の角度でジグザグ状に延在させて、溝底歪の分散を図ったものである。
【0033】
【実施例】
以下に、一般乗用車に供される、サイズ215/45R17のランフラットタイヤの、トラクション性能、ランフラット耐久性能および振動乗り心地に関する実施例について説明する。
このランフラットタイヤは、通常は230kPaの空気圧力で、4165Nの負荷荷重条件下で使用されるが、タイヤ内圧の、大気圧への低減状態での使用にも耐えるよう、ラジアルカーカスの内周側に、ゴム厚みの厚い補強ゴム層を具え、補強部材として、1650D/3のレーヨン繊維よりなるラジアルカーカスと、0.22mmのスチール製フィラメントを5本層状に撚り合わせたコードを並行に配置し、その軸線がタイヤ赤道方向と為す角度が15〜30°である互いに交錯した2層のスチールベルト層および、ベルトを半径方向外側より覆って配置され実質周方向に1層ないし複数層捲回されるリボン状芳香族ポリアミド繊維からなるベルト補強層を具える。
【0034】
図9に示す従来タイヤのショルダ域には、浅い装飾溝が彫刻されている。この装飾溝の形成位置における、溝形成前のタイヤ厚さは13mmであり該溝深さは2.2mmである。
図10に示す比較タイヤ1は、装飾溝位置より8mmトレッド寄りの位置(タイヤ厚さ14mm)に溝深さ4.0mmの周溝を設けたものだある。この溝はサイドウォール部剛性とトレッド部剛性を分離することによってバックリングモーメントを低減させる機能を発揮することができる。
図11に示す比較例タイヤ2は、ランフラット耐久テスト時に周溝近傍に生じる早期故障対策のためサイドウォール部の全体をレーヨン繊維よりなるすだれ状補強層にてラジアルカーカスの外側から周方向に捲回して補強したものである。
【0035】
図3に示す実施例タイヤ1は比較例タイヤ2で用いた繊維補強層の幅を縮小しカーカスプライの折り返し部と重複しないよう配置したものであり、図4に示す実施例タイヤ2は、周溝に対応する部分のみをラジアルカーカスの内側から補強したものである。そして図5に示す実施例タイヤ3は、ラジアルカーカスの外側で周溝の近傍を補強したものである。
【0036】
図6に示す実施例タイヤ4はサイドウォール部剛性のトレッドバックリング現象への影響を更に低減するべく周溝を二本にしたものである。この場合、周溝近傍の歪が増大するので該位置における繊維補強層を二層としている。
図7に示す実施例タイヤ5は、実施例タイヤ1をベースとし、周溝の断面内形状の適正化を図ってその近傍の歪集中を抑え、また、補強ゴム層の最大厚さ位置を、繊維補強層の半径方向内端と、リムとタイヤの離反点との間としたものである。
【0037】
図8に示す実施例タイヤ6も実施例タイヤ1をベースとし、周溝の断面内形状の適正化を図り、併せて、その周溝を、周方向に対して20°の振り角でジグザグ状に延在させたものである。
【0038】
これらのそれぞれのタイヤにつき、タイヤ内圧を大気圧まで低減させるとともに、4165Nの荷重を負荷したときのトラクション性能およびドラム耐久性能のそれぞれを測定し、併せて、タイヤ内圧を230kPa、負荷荷重を4165Nとしたときの上下軸力を測定して振動乗り心地を求めたところ、表1に指数をもって示す結果を得た。なお指数値は、大きいほどすぐれた結果を示すものとした。
【0039】
【表1】
【0040】
表1によれば、周溝の形成によって、ランフラット時のトレッド部のバックリングが抑制されて、トラクション性能が大きく向上することが明らかであり、また、繊維補強層により、ランフラット耐久性能が大きく向上することが明らかである。そして、このランフラット耐久性能は、補強ゴム層の最大厚み部分の位置を選択することでより一層向上することになる。
この一方で、タイヤの正常時の振動乗り心地は、繊維補強層を配設してなお、周溝による、横断面内での曲げ剛性の低減によって有利に向上されることが解る。
【0041】
【発明の効果】
かくしてこの発明によれば、通常はトレッド接地幅の外側に位置する少なくとも一対の周溝を設けることで、トレッドパターンの設計の自由度を挟めることなく、ランフラット時のトレッド部のバックリングを十分に防止することができ、同時に、周溝の形成に起因するランフラット耐久性の低下を、位置を選択して配設した繊維補強層によって十分に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 トレッド部へのバックリングの発生態様を例示する説明図である。
【図2】 バックリングの防止対策を例示する説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態をタイヤの半部について示す横断面図である。
【図4】 他の実施形態を示す同様の横断面図である。
【図5】 他の実施形態を示す同様の横断面図である。
【図6】 他の実施形態を示す同様の横断面図である。
【図7】 他の実施形態を示す同様の横断面図である。
【図8】 さらに他の実施形態を示す同様の横断面図である。
【図9】 従来タイヤを示す同様の図である。
【図10】 比較例タイヤ1を示す同様の図である。
【図11】 比較例タイヤ2を示す同様の図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビ−ド部
4 ショルダ部
5 ビ−ドコア
6 ラジアルカーカス
7 ベルト
8 ベルト補強層
9 インナライナ
10 補強ゴム層
11,13 周溝
12 繊維補強層
T タイヤ総厚み
r リム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a run-flat radial tire capable of ensuring safe driving even when the tire internal pressure leaks, and more particularly to a radial tire for a passenger car that is used at a relatively high speed and has an aspect ratio of 0.6 or less. In particular, it proposes a technology that effectively suppresses vibration under normal conditions of tire use, in addition to improving running durability under conditions of leakage of tire internal pressure, in other words, run-flat durability. It is.
[0002]
[Prior art]
For example, in a vehicle running at a high speed, in order to prevent the movement stability of the vehicle from being greatly impaired due to the tire internal pressure suddenly leaking or the like, resulting in the tire losing its load supporting ability, generally a high flexibility is required. The tire side wall is thickly reinforced with a rubber having a relatively large modulus, and even if the tire internal pressure drops to atmospheric pressure, the wheel load is not increased without significantly increasing the deformation of the side wall. Various types of run-flat tires have been proposed so far that can reduce the rolling radius of the tire and prevent the tire from being detached from the rim.
Such measures are particularly effective for tires having a low aspect ratio, especially 0.6 or less.
[0003]
However, in run-flat tires whose sidewalls have been reinforced with a reinforcing rubber layer in this way, it is inevitable that the vertical rigidity of the tire will increase under normal usage conditions before the tire has failed. Since the vibration of the tire is easily transmitted to the rim and thus to the upper side of the spring, for example, each component of the vibration transmission path is transmitted by transmitting the vibration of the tire caused by road surface unevenness from the suspension or the like to the body side. There was a problem that the durability of the steel was reduced.
[0004]
On the other hand, when the rigidity of the sidewall portion is significantly increased as compared with that of the tread portion, the central portion in the width direction of the tread surface is significantly raised from the road surface as the tire internal pressure leaks. The so-called buckling as shown in FIG. 2 occurs, and the tire is grounded only in its shoulder region, so that the ground contact area of the tire is reduced, and driving and braking performance, steering performance, etc. are greatly reduced. .
[0005]
That is, such a buckling in which the center part in the width direction of the tread surface is greatly lifted from the road surface has been examined for deformation in the contact area between the tire and the road surface and its vicinity during run flat. As shown in the half of the cross-section, before the failure of the tire, the cause is that the radially outward portion or the shoulder portion of the sidewall portion of the tire in contact with the ground as shown by the broken line in FIG. As described above, it has been clarified that this occurs based on the occurrence of a moment M in a direction to separate the central portion of the tread portion from the road surface.
This collapse deformation causes the point P existing outside the tread contact width before the failure of the tire to be drawn inside the tread contact width. This tendency is caused by the frictional force between the tire and the road surface. The smaller the size, the larger.
[0006]
By the way, when the moment M was analyzed, the moment M depends on the rigidity of each of the tread portion and the sidewall portion, the rigidity ratio thereof, the magnitude of the load, the above-described collapse deformation amount, It became clear that it depends directly on the bending stiffness in the cross section of the shoulder.
Therefore, one useful method for preventing buckling is to reduce the bending rigidity in the cross section of the shoulder portion and suppress the direct transmission of the moment M caused by the deformation of the sidewall portion to the tread portion. There is to do. In other words, the moment M usually increases according to the ratio of the sidewall rigidity to the tread rigidity, but a portion that functions as a hinge is provided in the shoulder portion that is grounded during run-flat. Thus, the occurrence of buckling can be effectively suppressed by eliminating the strong correlation between the deformation of the sidewall portion and the deformation of the tread portion.
[0007]
As a specific means for this, as shown in FIG. 2, it is conceivable to provide a circumferential groove G extending in the circumferential direction in the shoulder portion. Absorbing with deformation, the transmission of the deformation of the sidewall portion to the tread portion is suppressed. In other words, the moment M generated based on the deformation of the sidewall portion is relaxed by the circumferential groove G, and the tread portion The transmitted moment can be sufficiently reduced.
[0008]
In this regard, Japanese Patent Application Publication No. 2002-518231 discloses a tread having a tread rib disposed in a lateral direction, a contact surface with a drive surface during a run-flat operation, and a drive surface during a standard expansion pressure operation. Between the side wall ribs disposed in the vicinity of the outermost region in the radial direction of each side wall and the side wall ribs and the adjacent tread ribs in the circumferential direction. A pneumatic radial plastic comprising: a first separation groove disposed; and a second separation groove disposed in a circumferential direction between the tread rib and a tread central region adjacent thereto. An Iranian flat tire is disclosed.
[0009]
[Patent Document 1]
Japanese translation of PCT publication No. 2002-518231
[Problems to be solved by the invention]
However, the present invention requires the first and second separation grooves, and suppresses the transmission of bending force from the sidewall portion to the tread portion at the time of run flat under the cooperative action of both the grooves. In particular, the second separation groove present in the tread surface reduces the degree of freedom in designing the tread pattern, and because of the presence of the first separation groove, the run-flat durability of the tire is reduced. There was a problem that the decline could not be denied.
[0011]
The present invention has an object to solve such problems of the prior art, and the object of the present invention is to reduce the degree of freedom in designing the tread pattern without reducing the degree of freedom of the tread pattern. An object of the present invention is to provide a run-flat radial tire that can effectively prevent the occurrence of buckling and at the same time sufficiently prevent a decrease in run-flat durability caused by the formation of a circumferential groove.
[0012]
[Means for Solving the Invention]
A run-flat radial tire according to the present invention includes a tread portion, a pair of sidewall portions extending inward in the radial direction continuously to both side portions of the tread portion, and a bead portion continuing to the inner peripheral side of each sidewall portion. And a radial carcass composed of one or more carcass plies each having a side portion rolled back radially outwardly around a pair of bead cores disposed on each bead portion, and at least a sidewall portion In the corresponding part, it is provided with a reinforcing rubber layer arranged between the radial carcass and the inner liner on the inner periphery of the radial carcass. Under a posture with a load of 1x applied, it is located outside the tread contact width, while reducing the tire internal pressure to atmospheric pressure, corresponding to the maximum load capacity Under the mass-loaded posture, at least a pair of circumferential grooves that are located on the inner side of the tread ground contact width and are continuous in the circumferential direction are provided on the outer surface of the shoulder region, and the depth of each circumferential groove is set to The circumferential groove on the inner circumferential side of the circumferential groove is set to a quarter or more of the total tire thickness before the groove is formed, and the circumferential angle of the circumferential groove is in a range of 0 to 30 °. In addition to the carcass ply, an independent fiber reinforcing layer made of reinforcing members such as a belt layer and a circumferential reinforcing layer is disposed in a band shape in a region overlapping part or all of the belt. .
[0013]
Here, “rim” refers to the rim defined by the following standards, “maximum air pressure” refers to the air pressure corresponding to the maximum load capacity according to the following standards, and “maximum load capacity” The maximum mass allowed to be loaded on a tire according to the following standards.
Further, the “depth of the circumferential groove” here is ¼ of the total tire thickness measured from the smooth virtual extension line of the outer contour of the tire to the circumferential groove portion after the circumferential groove is formed. It can also be specified as above.
[0014]
The standard is an industrial standard effective in the region where tires are produced or used. For example, “Year Book of The Tire and Rim Association Inc.” in the United States, and The European Tire and Rim Technical Technical Organizaion in Europe. Standards Manral ”in Japan, and“ JATMA Year Book ”of the Japan Automobile Tire Association in Japan.
[0015]
In the tire configured as described above, when the tire is run flat, the circumferential groove formed in the shoulder region of the tire and having a specified position, extending direction, and depth is formed in the sidewall portion. In response to the falling on the road surface, the deformation of the tread due to the falling deformation is effectively suppressed based on its own groove width reduction deformation, and the transmission of the moment generated by the falling deformation to the tread is effectively reduced. Therefore, as shown by the solid line in FIG. 2, occurrence of buckling to the tread portion can be effectively prevented.
[0016]
Also, here, the fiber reinforced layer on the inner circumference side of the circumferential groove, and protecting the circumferential groove, especially the groove bottom, can sufficiently prevent the run-flat durability from being reduced due to the formation of the circumferential groove. can do. Here, this fiber reinforced layer is disposed in a belt shape in a required region, and in particular, it suppresses an excessive increase in vertical rigidity of the tire before the occurrence of the failure, and sufficiently reduces the riding comfort on the vehicle. In addition, an unnecessary increase in tire weight can be prevented.
[0017]
By the way, the pair of or more circumferential grooves here are positioned outside the tread contact width before the failure of the tire, so the presence of the circumferential grooves does not hinder the design of the tread pattern.
With respect to such circumferential grooves, the formation position thereof is set to be outside the tread contact width under the action of 1.1 times the maximum load capacity by filling the tire with the highest air pressure, so that run flat running In particular, an excellent hinge function can be exhibited at the location where the circumferential groove is formed.
[0018]
In addition, the depth of the circumferential groove is set to 1/4 or more of the total tire thickness, the bending rigidity of the shoulder portion including the circumferential groove in the cross section is lowered, and the width of the circumferential groove is reduced. By making the resistance to deformation sufficiently small, the falling deformation of the sidewall portion is more effectively absorbed by the peripheral groove, and the tread portion rising due to the falling deformation, and hence the occurrence of buckling, is effective. Can be prevented.
[0019]
In such a circumferential groove that functions effectively to prevent buckling, in order to prevent the occurrence of early failure around it, the angle of the circumferential groove with respect to the circumferential direction is preferably 0 to 30 °, preferably It is preferable that the shear strain in the circumferential direction generated at the groove bottom of the circumferential groove is somewhat dispersed in the tread width direction at an angle exceeding 0 °. In this case, if the extension angle exceeds 30 °, the amount of deviation from the optimum position of the so-called hinge is not negligible, and the buckling cannot be effectively suppressed, and the groove bottom portion of the circumferential groove Failure nuclei due to concentration of strain on the groove are likely to occur at the groove bottom.
[0020]
In such a tire, the fiber reinforcing layer is preferably disposed on at least the outer peripheral side of the radial carcass. According to this configuration, the protection function of the fiber reinforcement layer against failures such as groove bottom cracks in the circumferential groove can be more effectively exhibited as compared with the case where the reinforcement layer is disposed on the inner circumference side of the carcass. it can.
[0021]
Preferably, the radial position of the maximum thickness portion of the reinforcing rubber layer is positioned between the circumferential groove and the separation point between the rim and the tire in a posture in which the internal pressure of the rim-assembled tire is reduced to atmospheric pressure.
For example, when a circumferential groove as shown in FIG. 2 is provided in the shoulder portion, the modified form of the sidewall portion at the time of run flat is different from the case shown in FIG. 1 where no circumferential groove is provided. The portion of the sidewall portion of the deformed posture where the radius of curvature is the smallest is located in the former in the radial direction of the tire more closely to the circumferential groove than the latter, and the radius of curvature R is Since the latter is smaller than the radius of curvature R 0, in the former tire in which a circumferential groove is provided in the shoulder portion, the maximum thickness portion of the reinforcing layer rubber layer is positioned corresponding to the portion where the radius of curvature is the smallest, so that the radius of curvature is increased. By suppressing the excessive decrease of the reinforced rubber layer, it is possible to advantageously prevent the failure failure of the reinforced rubber layer itself.
Therefore, here, as described above, the maximum thickness portion is positioned between the circumferential groove and the separation point between the rim and the tire, more preferably, particularly in a portion close to the circumferential groove, and the reinforcing rubber layer More effectively prevent the destruction.
[0022]
Here, the fiber of the fiber reinforcing layer can be an untwisted or twisted organic or inorganic fiber, and the extending mode of the fiber can be a blind structure, a three-dimensional knitted structure, or the like. However, the fiber reinforcement layer is particularly effective as a unidirectional fiber reinforcement layer in which a cord formed by twisting rayon fibers is disposed so as to extend substantially in the radial direction, for example.
That is, the optimal cord extending direction of the fiber reinforcement layer is to separate both the deformation of the sidewall portion and the deformation of the tread portion and to avoid the concentration of strain on the cord end of the fiber reinforcement layer. For this purpose, it is preferable that the direction is a radial direction or a direction that forms a relatively small angle with respect to the radial direction, for example, an angle in the range of 0 to 30 °.
[0023]
Although the circumferential groove is effective for suppressing buckling, it is necessary to protect the circumferential groove against concentration of strain on the circumferential groove or the like in order to improve the run-flat durability. By the way, the durability involved in the circumferential groove, in particular, the strain related to the groove bottom crack of the circumferential groove is mainly the circumferential shear strain. In order to reduce this strain, the groove on the outer peripheral side of the radial carcass It is effective to dispose the fiber reinforcing layer in a band shape in a region corresponding to the bottom.
[0024]
In this case, the fibers of the fiber reinforcing layer may be formed of either an organic material or an inorganic material as long as an appropriate groove bottom protecting function can be exhibited, and may or may not be twisted. And the arrangement structure of the fibers can be a blind structure, a three-dimensional knitting structure, a woven structure, or the like. However, it is preferable to use rayon fibers in consideration of the thermal stability in a high temperature use environment at the time of run flat, and considering the destructibility of the fibrils inside the fibers, the fiber reinforcement layer is formed with the twist cord of the rayon fibers. In order to protect the groove portion more effectively from the circumferential shear strain of the circumferential groove, it is preferable that the extending direction of the cord is a substantially radial direction.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below based on the drawings.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing an embodiment of the present invention with respect to a half portion of the tire.
In the figure, 1 is a tread portion, 2 is a sidewall portion extending radially inward continuously to the side portion of the
[0026]
Here, at least one carcass ply is extended toroidally between a pair of
[0027]
In addition, here, as shown in FIGS. 1 and 2, in a state where the tires assembled to the specified rim r are filled with the highest air pressure, a load of 1.1 times the maximum load capacity is applied and the tread ground contact width is maintained. While located outside, when the tire internal pressure is reduced to atmospheric pressure and a mass corresponding to the maximum load capacity is applied, at least a pair of left and right, in the figure, at least one circumference will be located inside the tread contact width. The
Such a depth of the
[0028]
Further, the
[0029]
The
Further, as shown in FIG. 5, the
[0030]
FIG. 6 is a diagram exemplifying this case. This is because each of the
[0031]
FIG. 7 shows another embodiment. In order to suppress the concentration of strain in the
That is, the portion where the radius of curvature of the sidewall portion becomes the smallest at the time of run flat of the tire preventing buckling appears somewhat from the bead portion from the radially inner end of the
[0032]
FIG. 8 shows still another embodiment, and the cross-sectional shape of the
[0033]
【Example】
Below, the Example regarding the traction performance of the size 215 / 45R17 run flat tire used for a passenger car, the run flat durability performance, and the vibration riding comfort is described.
This run-flat tire is normally used under a load load of 4165 N at an air pressure of 230 kPa, but the inner circumference side of the radial carcass is also used to withstand use when the tire internal pressure is reduced to atmospheric pressure. In addition, a reinforcing rubber layer having a thick rubber thickness is provided, and as a reinforcing member, a radial carcass made of rayon fiber of 1650D / 3 and a cord twisted in five layers of 0.22 mm steel filaments are arranged in parallel, Two steel belt layers intersecting each other whose angle between the axis and the tire equator direction is 15 to 30 °, and the belt is arranged so as to cover the belt from the outside in the radial direction, and one or more layers are wound in the substantially circumferential direction. A belt reinforcing layer made of a ribbon-like aromatic polyamide fiber is provided.
[0034]
A shallow decorative groove is sculpted in the shoulder region of the conventional tire shown in FIG. The tire thickness before the groove formation at this decorative groove formation position is 13 mm, and the groove depth is 2.2 mm.
The
In the
[0035]
The
[0036]
The
The
[0037]
The
[0038]
For each of these tires, the tire internal pressure was reduced to atmospheric pressure, and the traction performance and drum durability performance when a load of 4165N was applied were measured. In addition, the tire internal pressure was 230 kPa and the load load was 4165N. When the vertical riding force was measured to determine the vibration ride comfort, the results shown in Table 1 with indices were obtained. It should be noted that the larger the index value, the better the result.
[0039]
[Table 1]
[0040]
According to Table 1, it is clear that the buckling of the tread portion at the time of run flat is suppressed by the formation of the peripheral groove, and the traction performance is greatly improved. It is clear that it is greatly improved. The run-flat durability performance is further improved by selecting the position of the maximum thickness portion of the reinforcing rubber layer.
On the other hand, it can be seen that the vibration ride comfort during normal operation of the tire can be advantageously improved by reducing the bending rigidity in the cross section due to the circumferential groove even when the fiber reinforcement layer is provided.
[0041]
【The invention's effect】
Thus, according to the present invention, by providing at least a pair of circumferential grooves that are usually positioned outside the tread ground contact width, the tread portion buckling at the time of run-flat can be sufficiently achieved without interposing a degree of freedom in designing the tread pattern. At the same time, a decrease in run-flat durability due to the formation of the circumferential groove can be sufficiently prevented by the fiber reinforcing layer arranged at a selected position.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view exemplifying a mode of occurrence of buckling to a tread portion.
FIG. 2 is an explanatory diagram illustrating buckling prevention measures;
FIG. 3 is a transverse sectional view showing an embodiment of the present invention about a half portion of a tire.
FIG. 4 is a similar cross-sectional view showing another embodiment.
FIG. 5 is a similar cross-sectional view showing another embodiment.
FIG. 6 is a similar cross-sectional view showing another embodiment.
FIG. 7 is a similar cross-sectional view showing another embodiment.
FIG. 8 is a similar cross-sectional view showing still another embodiment.
FIG. 9 is a similar view showing a conventional tire.
10 is a similar view showing a
11 is a similar view showing a
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (5)
リム組みタイヤに最高空気圧を充填して最大負荷能力の1.1倍の負荷を作用させた姿勢の下ではトレッド接地幅の外側に位置する一方、タイヤ内圧を大気圧まで低減させて最大負荷能力に相当する質量を負荷した姿勢の下ではトレッド接地幅の内側に位置して周方向に連続する少なくとも一対の周溝をショルダ域外表面に設け、各周溝の深さを、それの形成個所の、周溝の形成前のタイヤ総厚さの1/4以上とするとともに、その周溝の、円周方向に対する延在角度を0〜30°の範囲とし、周溝の内周側の、その周溝の一部もしくは全部と重なり合う領域に、他の補強部材から独立した繊維補強層を帯状に配設してなるランフラットラジアルタイヤ。A tread portion, a pair of side wall portions extending radially inward from both side portions of the tread portion, and a pair of bead cores arranged on each bead portion, the bead portion being continuous on the inner peripheral side of each side wall portion. A radial carcass composed of one or more carcass plies each having a side portion rolled back radially outward, and at least a portion corresponding to the side wall portion of the radial carcass and an inner liner on the inner periphery thereof. A run-flat radial tire having a reinforcing rubber layer disposed between and
Under the posture in which the rim-assembled tire is filled with the maximum air pressure and the load of 1.1 times the maximum load capacity is applied, the tire is located outside the tread contact width, while the tire internal pressure is reduced to the atmospheric pressure to maximize the load capacity. Under the posture loaded with a mass equivalent to the above, at least a pair of circumferential grooves that are located on the inner side of the tread contact width and are continuous in the circumferential direction are provided on the outer surface of the shoulder region, and the depth of each circumferential groove is determined according to the formation location thereof. In addition, the circumferential thickness of the tire is not less than 1/4 of the total thickness of the tire before the circumferential groove is formed, and the extending angle of the circumferential groove with respect to the circumferential direction is in a range of 0 to 30 °. A run-flat radial tire in which a fiber reinforcing layer independent of other reinforcing members is disposed in a band shape in a region overlapping a part or all of a circumferential groove.
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