JP4088430B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法、並びに前記方法により製造された半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び前記方法に用いるための半導体封止用エポキシ樹脂組成物の混練装置に関する。また、本発明は前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物により封止された素子を備えた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体封止用樹脂組成物は、電気特性、耐熱性、量産性等に優れるエポキシ樹脂とその硬化剤、触媒、離型剤、難燃剤、着色剤等の添加剤及び、組成比で70〜95重量%を占める充填材から構成されている。また、その製造方法としては、樹脂組成物を構成する成分を所定量配合、混合後、ロール、1軸押出機、1軸押出機とロールの組み合わせ、または2軸押出機により混練を行い、混練物をシート状に圧延、冷却後粉砕を行い、必要に応じて円柱状のタブレットに加工するといった工程がとられている。これらの工程中、混練工程においては生産性に優れた2軸混練機が使われることが多い。
【0003】
ここで、図を用いて従来の2軸混練機について簡単に説明する。図3,4は、従来の混練装置の一態様である2軸混練機100の幅方向と長手方向の断面図をそれぞれ表わしている。従来の2軸混練機は、混練機内部で回転する軸部品110a,110bと、混練機の胴体を形成するジャケット115と、前記ジャケットの内部に取り付けられ、前記軸部品との間に混練部を形成する内部壁111とからなる。
【0004】
ここで、前記ジャケット115は混練部の樹脂組成物を加熱、または冷却することにより温度調整を行うものである。また、軸部品110a,110bはスクリューと混練部品からなる。
【0005】
前記混練機100の略中心に断面形状が略正三角形状の軸部品110a,110bが2本平行に配置されている。これら軸部品110a,110bはそれぞれ同方向に回転する構成をとっている。また、前記軸部品110a、110bを取り囲むように内部壁111が嵌め込み式に設けられることにより混練部112が形成されている。この内部壁111は、樹脂組成物の無機充填剤として用いられるシリカによる磨耗を防ぐために耐磨耗材で作られると共に、磨耗がある程度進んだ段階で交換可能とするために着脱自在に嵌め込み式に構成されている。さらに、前記内部壁111の外周には混練部112の樹脂組成物を加熱又は冷却するための温熱媒体を流すジャケット115が設けられている。このジャケット115は前記内部壁111の外周に設けられており、胴体の内部構成部材113と、外部構成部材114と、軸方向部材118とから形成されている。ネジ122により、内部壁111が軸方向部材118に固定されるジャケット115は、軸方向の仕切り119で仕切られ、仕切られたジャケットに温調媒体の入出口121が設けられジャケット毎に温調される。また、樹脂組成物の送り方向の上手と下手にそれぞれ供給口116と吐出口117が設けられている。前記ジャケット115と内部壁111は、上下2分割され、内部壁の交換、混練部の清掃が行える構成となっている。
【0006】
このように構成されていることより、前記混練部に樹脂組成物を供給し、前記軸部品110a,110bを回転させると樹脂が混練されると共に、その際に生じる摩擦熱により樹脂が溶融されて混練が促進されることとなる。また、前記ジャケット115を用いて樹脂組成物を加熱することで樹脂の溶融がさらに促進されることとなる。そして、この加熱溶融された前記樹脂は軸部品110a,110bの回転運動に従って混練されると共に、軸部品110a,110bの軸方向に沿って送り出されて最終的に吐出口117から吐き出されることとなる。
【0007】
ところで、近年、LSI、IC等の半導体素子は、集積度の向上と共に素子サイズの大型化、パッケージの小型化、薄型化が進み、同時にパッケージの基板への取り付けも表面実装方式が主流となりつつある。特に表面実装型のパッケージは基板へのはんだ付けを行う時に、パッケージ自体が200℃以上の高温に曝されることになる。この時パッケージ中に含有される水分は気化し、ここで発生する蒸気圧は樹脂と素子、リードフレーム等のインサートの界面において剥離応力として働き、樹脂とインサート間で剥離を発生させ、さらにはクラックに至ってしまう。こうしたパッケージにおいては剥離、クラックの発生に伴い信頼性の低下を招く可能性が大きい。これらの剥離、クラックの対策としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂を含有し且つ充填材量を最大90%とした樹脂組成物が提案されている。(特開平4−50257号、特開平3−116953号公報等)。このように最近は無機充填材含量が増加する傾向にあることから、樹脂組成物の粘度が増加し、混練部での溶融がさらに難しくなってきている。そのため、樹脂組成物の溶融を促進し樹脂組成物を効率的に混練する方法が強く求められていた。
【0008】
しかしながら、従来の混練機100の内部壁111は嵌め込み式の構成をとっていたことより、内部壁111とジャケット115の胴体の内部構成部材113との間に設計上不可避的な空気層としての隙間が生じ、その隙間とジャケットの内側構成部材が大きな伝熱抵抗となって樹脂の十分な加熱を困難にしていた。そのため樹脂の溶融が不十分となり、その結果混練不足による半導体封止用エポキシ樹脂組成物のバリ長さが長くなっていた。
【0009】
前記問題の解決手段として、従来、樹脂組成物の混練量を減少させて樹脂組成物の加熱による溶融を促進させる方法が取られていた。また、2軸混練機のジャケットの温度設定を工夫するなどの方法が取られていた。例えば、特開平06―226736号公報の特許請求の範囲には「混練部分のジャケットを30〜150℃に加熱又は保温しながら混練する」ことを特徴とする半導体封止用樹脂組成物の製造方法が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記方法によれば半導体封止用エポキシ樹脂組成物のバリ性の問題は改善されるものの生産性が悪く、工業上実施する上でさらに改善すべき余地が残されていた。
【0011】
即ち、樹脂組成物の混練量を減少させる方法にあっては、樹脂組成物に熱が伝わりやすくなるものの半導体封止用エポキシ樹脂組成物を大量に生産することが困難であった。
【0012】
また、混練機のジャケットの温度設定を工夫する方法にあっては、内部壁の温度を100℃以上に設定するには装置が大掛かりになりしかも設備投資代がかかっていた。
【0013】
そこで、本発明は前記従来の問題点を解決するために、流動特性及びバリ特性が改善された半導体封止用エポキシ樹脂組成物を生産性良く製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は前記方法により製造された半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びその用途、並びに前記方法に用いるための半導体封止用エポキシ樹脂組成物の混練装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究した結果、加熱部を所定の位置に設けて樹脂を加熱溶融することにより、流動特性及びバリ特性が改善された半導体封止用エポキシ樹脂封止材が生産性良く製造されることを知見し本発明を完成したのである。
【0015】
即ち、第1の態様として、本発明は、混練装置を用いて半導体封止用エポキシ樹脂組成物を混練するに際し、前記混練装置の供給口近傍に設けられた加熱部による加熱により溶融が促進された樹脂を混練することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法に関する。
【0016】
この場合、前記加熱部は内部壁と密着して設けられていることが好ましい。前記加熱部は内部壁の外側に設けられていることがより好ましい。また、前記混練装置の加熱部により加熱される内部壁は80℃以上200℃以下に設定されていることが都合がよい。
【0017】
第2の態様として、本発明は、前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法により得られたことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0018】
この場合、前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物はエポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、及び無機充填剤を含有することが好ましい。前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物中の無機充填剤の配合量が組成物全体の70重量%以上95重量%以下であることがより好ましい。
【0019】
第3の態様として、本発明は、前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物により封止された半導体装置に関する。
【0020】
第4の態様として、本発明は、混練部と、前記混練部の周囲に設けられた内部壁と、を備える半導体封止用エポキシ樹脂組成物の混練装置であって、前記混練装置の供給口近傍にエポキシ樹脂組成物の加熱溶融を促進するための加熱手段が備えられていることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物の混練装置に関する。
【0021】
この場合、前記加熱手段は、ヒータであることが好ましい。また、前記加熱手段は、前記内部壁と密着して設けられていることが好ましい。前記加熱手段は内部壁の外側に設けられていることがより好ましい。
【0022】
前記混練装置の加熱部により加熱される内部壁は80℃以上200℃以下に設定されることが好ましい。また、無機充填剤を70重量%以上95重量%以下含有するエポキシ樹脂組成物を混練することが都合がよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明していく。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物としては、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂の硬化剤を含有するもので、線膨張係数低減の観点からさらに無機充填剤を含有することが好ましい。
【0024】
まず本発明に用いられるエポキシ樹脂について説明する。
本発明で用いられるエポキシ樹脂としては、半導体封止用エポキシ樹脂組成物で一般に使用されている、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール類とアルデヒド類から合成されるノボラック樹脂をエポキシ化したエポキシ樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換ビスフェノール等のグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのポリアミンとエピクロロヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、ナフトールアラキル樹脂のエポキシ化物、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレフィン縮合を過酢酸などの過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、及び脂肪族エポキシ樹脂等を併用してもよい。
【0025】
また、上記エポキシ樹脂の硬化剤としては、半導体封止用エポキシ樹脂組成物で一般に使用されているもので、フェノール、クレゾール、レジルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類またはα―ナフトール、β―ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合または共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。尚、これらの硬化剤は単独または2種以上併用して用いることができる。エポキシ樹脂に対する硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂中のエポキシ基数/硬化剤中の水酸基の比を0.7〜1.3の範囲に設定することが好ましい。
【0026】
本発明で用いられる無機充填剤としては、特に限定はないが、溶融シリカ粉末、結晶シリカ粉末、アルミナ、ジルコン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア等の粉体、またはこれらを球形化したビーズ、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ等の単結晶繊維、ガラス繊維等を1種類以上配合して用いることができる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛等が挙げられ、これらを単独または併用して用いることができる。尚、無機充填剤の配合量は、吸湿性、線膨張係数の低減の点から組成物全体の70〜95重量%、好ましくは80〜93重量%である。
【0027】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤、難燃剤、離型剤、着色剤、カップリング剤、シリコーン系応力緩和剤あるいはイオントラップ剤等の各種添加剤を用いることができる。
【0028】
次に、本発明に用いられる混練装置について説明する。図1,2は、本発明に用いられる混練装置の1実施形態として2軸混練機1の幅方向と長手方向の断面図をそれぞれ表わしている。尚、図3,4において説明したものと同一の機能を有するものについては、下二桁が同一の符号を付してその説明を省略する。
【0029】
本発明に用いられる混練機は、図1,2に示されるように、2本の軸部品10a,10bと、前記軸部品の周囲に設けられる内部壁11と、前記軸部品と内部壁の間に形成される混練部12と、ジャケット15と、さらに、加熱手段としての平板状のヒータ20と、から主に構成されている。
【0030】
2本の軸部品10a、10bを取り囲むように内部壁11が嵌め込み式に設けられることにより混練部12が形成されている。また、ジャケット15は前記内部壁11の外周に、胴体の内部構成部材13と外部構成部材14の間に設けられている。内部構成部材13と外部構成部材14が軸方向部材18に溶接され、胴体を形成している。内部壁11は、ネジ22により、軸方向部材18に固定されている。さらに、樹脂の送り方向の上手と下手にそれぞれ供給口16と吐出口17が設けられている。前記樹脂の供給口16近傍には、樹脂を加熱して溶融を促進させるための加熱領域を形成するべく、前記内部壁の外側を覆うように平板状のヒータ20が配置されている。
【0031】
このように構成したことから、この混練機の供給口16を介して樹脂を供給すると、供給口近傍に設けられたヒータ20により樹脂が効率的に加熱溶融されることとなる。また、ヒータ20を覆うようにジャケット15を設けたことで、ヒータ20の熱が逃げることを防止することとなり、何らヒータの効果を妨げるものではない。そして、この加熱溶融された前記樹脂は軸部品10a,10bの回転運動に従って混練されると共に、軸部品10a,10bの軸方向に沿って送り出されて最終的に吐出口17から吐き出されることとなる。
【0032】
混練装置1の樹脂の供給速度、軸部品の回転速度、ヒータの加熱温度を適宜調整することにより所望のエポキシ樹脂組成物が得られることとなる。
【0033】
本発明に用いられる混練装置は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物を混練できるものであり、かつ加熱手段を取り付けることができるものであれば特に限定されるものではない。従って、従来公知の混練装置に加熱手段を設けた混練装置を用いることができる。本発明に用いられる混練装置として、例えば、1軸混練機、2軸混練機等の軸部品を胴体で覆った連続混練機を用いることが好ましい。このうち生産効率の観点から、2軸混練機を用いることが特に好ましい。これらは、例えば、商品名KRCニーダー((株)栗本鐵工所製)など、商業的に入手可能なものである。
【0034】
本発明に用いられる加熱手段は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物を加熱溶融しうるものであれば特に限定されることはない。具体的には、混練装置の内部壁を80〜200℃に加熱可能なものが用いられる。
【0035】
これらの加熱手段は、図1、2に示されるように、混練機の供給口近傍に配置される。加熱手段を混練機の供給口近傍に配置することで効率的に樹脂組成物が溶融されその後の混練が促進されるからである。この場合、内部壁と密着するように配置することが好ましい。加熱手段を内部壁に密着させることでより内部壁と加熱手段との間の空隙がなくなり伝熱効果が高まるからである。
【0036】
また、加熱手段の温度調節を行うことにより内部壁の温度を80℃以上200℃以下に設定する。80℃未満だと樹脂の溶融が促進されず、また、200℃より温度が高いと得られる溶融効果が同じであるにもかかわらず経済的に不利になるからである。好ましくは内部壁の温度を90℃以上180℃以下に設定する。
【0037】
加熱手段としては特に制限はないが、伝熱効率、入手容易性及び取り付け容易性の観点からヒータが好ましく、特に平板状ヒータがより好ましい。
【0038】
本発明の別の態様として、本発明の製造方法により得られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物が提供される。好ましくは、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤、及び無機充填剤を含有することを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び無機充填剤の配合量が組成物全体の70重量%以上95重量%以下である半導体封止用エポキシ樹脂組成物が提供される。
【0039】
また、本発明の製造方法により得られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、流動性や、バリ特性に優れていることより、本発明のさらに別の態様として、前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物により封止された素子を備えた半導体装置が提供される。
【0040】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が以下の実施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0041】
(実施例1,2及び比較例1,2)
(1)エポキシ樹脂組成物の調製
エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹種(ジャパン・エポキシ・レジン株式会社製の商品名YX−4000H)4.3重量部、エポキシ等量75、軟化点80℃、臭素含量48重量%のビスフェノールA型ブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製の商品名ESB−400T)0.8重量部、軟化点80℃のフェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製商品名H−1)4.8重量部、トリフェニルホスフィン0.2重量部、平均粒径17.5μm、比表面積3.8m/gの球状溶融シリカ88重量部、三酸化アンチモン0.3重量部、モンタン酸エステル(クラリアント社製)0.2重量部、カーボンブラック(三菱化学株式会社製の商品名MA−100)0.2重量部、及びγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシランカップリング剤)0.5重量部を混合し、予備混練(ドライブレンド)した後、下記(2)に示す通り、2軸混練機を用いて混練を行い、半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
【0042】
(2)混練実験
図1,2で示される2軸混練機を用いて混練実験を行った。この2軸混練機は、図1,2に示されるように、(株)栗本鉄工所製KRCニーダーT5型混練機の内部壁の外側表面を覆うように、かつ樹脂組成物の供給口近傍に平板状のヒータを配置したものである。この混練機の供給口を介して前記予備混合したエポキシ樹脂組成物を供給し、表1に示される実験条件に従って加熱混練して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。
次に、得られた樹脂組成物の流動性と、バリ特性を下記(3)の評価方法に従って評価した。
【0043】
(3)評価方法
スパイラルフロー(流動性の指標):EMM11−66(ASTM D3123)に準拠したスパイラルフロー金型を使用して、180℃、6.9MPaの条件下で半導体エポキシ樹脂機組成物を成形し、流動長さ(cm)を測定した。 バリ特性:EMMI規格に準拠した2μm、5μm、10μm、20μm、30μmの各スリット厚を持つ金型を使用して、180℃、6.9MPaの条件下で半導体封止用エポキシ樹脂組成物を成形し、各スリットに流出した距離(mm)を測定し、その最大値をバリ長さの値とした。
【0044】
表1に実験条件と実験結果をまとめて示す。
【0045】
【表1】
Figure 0004088430
実施例1,2共に良好な試験結果が得られた。特に実施例2において混練量を増加したにかかわらずバリ長さは短かった。これは、溶融開始部をヒータで加熱することにより、樹脂組成物の溶融が促進されて十分に混練されたものと考えられる。
【0046】
一方、従来の方法である比較例1ではバリ長さが短かったが、比較例2において混練量を増加させるとバリ長さが長くなった。これは、混練量を増加させたことで、溶融開始部での溶融が不十分となり、混練不足によりバリ長さが長くなったものと考えられる。
【0047】
(4)連続運転実験
また、本発明に係る混練装置としての信頼性と安定性を確認するために混練装置の連続運転実験を行った。すると、実施例1、2のいずれの条件下においても本発明に係る混練機を80時間以上連続運転させることが可能であった。さらに、実施例1、2の条件下で混練機を120時間連続運転させた後に得られた樹脂組成物の流動性とバリ特性を前記と同様に評価したところ、前記実施例1、2の実験結果と同様の良好な結果が得られた。
【0048】
従って、本発明に係る半導体封止用エポキシ樹脂組成物の混練装置によれば、良好な半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られることの他に、装置の信頼性と安定性の向上を図ることが可能になることが確認された。
【0049】
以上本発明について説明してきたが、本発明は上記発明に限定されるものではない。従って、実施例においては2軸混練機を用いたが、1軸混練機等を用いてもかまわない。
【0050】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成を有することより、生産性良く、流動特性及びバリ特性が改善された半導体封止用エポキシ樹脂組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に用いら2軸混練機の幅方向の断面図を示す。
【図2】図2は、本発明に用いら2軸混練機の長手方向の断面図を示す。
【図3】図3は、従来の2軸混練機の幅方向の断面図を示す。
【図4】図4は、従来の2軸混練機の長手方向の断面図を示す。
【符号の説明】
1 2軸混練機(混練装置)
10a,10b 軸部品
11 内部壁
12 混練部
13 胴体の内部構成部材
14 胴体の外部構成部材
15 ジャケット
16 供給口
17 吐出口
18 軸方向部材
19 仕切り
20 ヒータ(加熱手段)
21 温調媒体の入出口

Claims (7)

  1. 混練部と、前記混練部の周囲に設けられた内部壁と、前記内部壁の外周に設けられた温度調整を行なうジャケットとを備える連続混練装置を用いる半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法であって、
    前記連続混練装置の供給口近傍の前記ジャケットと前記内部壁との間に前記内部壁と密着して設けられたヒータを用いて前記エポキシ樹脂組成物の溶融を促進する工程と、
    溶融が促進された前記エポキシ樹脂組成物を混練する工程と、を含み、
    前記内部壁は着脱自在に嵌め込み式に構成されていることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記連続混練装置のヒータにより加熱される内部壁は80℃以上200℃以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記ヒータは供給口の下流側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の製造方法。
  4. 混練部と、前記混練部の周囲に設けられた内部壁と、を備える半導体封止用エポキシ樹脂組成物の連続混練装置であって、
    前記内部壁の外周に設けられた温度調整を行なうジャケットと、
    前記連続混練装置の供給口近傍の前記ジャケットと前記内部壁との間に前記内部壁と密着して設けられた、エポキシ樹脂組成物の加熱溶融を促進するヒータと、を備え、
    前記内部壁は着脱自在に嵌め込み式に構成されていることを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物の連続混練装置。
  5. 前記連続混練装置のヒータにより加熱される内部壁は80℃以上200℃以下に設定されることを特徴とする請求項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の連続混練装置。
  6. 無機充填剤を70重量%以上95重量%以下含有するエポキシ樹脂組成物を混練することを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の連続混練装置。
  7. 前記ヒータは供給口の下流側に設けられていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の連続混練装置。
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