JP4072724B2 - 自動分注装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、薬物代謝試験などで検体や試薬、酵素などの分注に用いられる自動分注装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
薬物代謝試験に限らず、検体や試薬を分注する作業は頻繁に実施されており、その作業は膨大傾向にあって、手作業による人的ミスを排除したいという要望もあり、人手に依る作業から自動化へと移行しつつある。
【0003】
自動化に当たっては、分注チップの装着および取り外しのミスを無くすこと、更には、分注チップの装着および取り外しのミスを確実に検出することが必要である。
【0004】
従来の技術としては、XYZ軸からなるロボットの先端に分注チップ1本を着脱可能で、分注チップ装着位置および分注チップ廃棄位置にそれぞれ分注チップの有無を検出するセンサを備えた自動分注装置が考案されている。(特許文献1)
また、他の従来技術としては、分注チップ容器内に分注チップの有無を検出するセンサを備え、分注チップ装着動作後に分注チップ容器内に分注チップが残存しているかチェックすることによって、分注チップの装着ミスを検出する方法を備えた自動分注装置が考案されている。(特許文献2)
【特許文献1】
特開2001−59848号公報
【特許文献2】
特開平11−295323号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した特開2001−59848号公報の手法では、分注チップが1本のため高速に多くの試験を処理できないという欠点がある。薬物代謝試験の工程では、マイクロプレートの複数のウェルに同時に分注することが必要不可欠であり、複数の分注チップを同時に着脱可能でなければならない。
【0006】
また、従来この種の試験を行う場合、分注チップ容器の整列穴の全てに分注チップをセットすれば良いという訳ではなく、予め、オペレータが分注チップ配置の適切な位置を決定して分注チップを配置するという作業が必要になり、分注チップ容器へセットする分注チップの配置を演算してオペレータへ知らせるといった自動分注装置の制御装置も考案されている。
【0007】
特開平11−295323号公報の手法では、複数の分注チップを着脱することが可能であるが、分注チップの残存が無ければ分注チップ装着が成功したと判断することになる。そのため、オペレータが適切な位置に分注チップを配置しなかった場合でも、分注チップの残存さえ無ければ分注チップ装着が成功したと判断し、不必要なウェルにまで分注作業を行ったり、分注されるべきウェルに分注されなかったりという不具合が生じてしまう。また、分注チップ外しを行った後に全ての分注チップが正常に取り外しできたことを検出していないため、分注チップの取り外しが失敗したときに、分注ヘッドに分注チップが装着された状態のまま、新たな分注チップを装着する動作を行い、装置または分注チップを破損してしまう。
【0008】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、分注ヘッドの所定位置に分注チップが装着されているか否かを確実に検出できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
上記した目的は、複数の分注チップと、該分注チップを収納するための分注チップ容器と、該分注チップ容器内に収納された分注チップの複数が横向きあるいは縦向きに並べ所定位置にいずれの向きでも装着できるように構成され、分注チップにより液体の吸引及び吐出が可能な分注ヘッドと、該分注ヘッドを移動させるための移送手段と、前記分注チップが前記分注ヘッドに装着されているか否かを検出するための検出手段と、試薬が入った試薬容器と、複数のウェルを有するマイクロプレート、前記分注ヘッドの吸引及び吐出動作、並びに前記移送手段による分注ヘッドの移動を制御するための制御装置を備え、前記制御装置に入力された作業工程により、前記マイクロプレートに複数の試薬を注入するように構成される自動分注装置において、前記検出手段を、発光部及び受光部からなる光学式センサにより構成し、該光学式センサの光軸が前記分注ヘッドの移動方向に対して平行かつ垂直でない斜め方向とすると共に分注チップの並び方向に分注ヘッドを移動させる過程で分注ヘッドの所定位置に分注チップが装着されているか否かを検出することにより達成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明の自動分注装置1の斜視図であり、自動分注装置本体2とそれを制御する制御装置3、例えば汎用のパーソナル・コンピュータから構成され、LAN(Local Area Network)などの通信ケーブル4で接続されている。自動分注装置本体2は、3次元空間を移動して位置決めが可能な移送手段であるロボット5と、ロボット5の先端に設けた分注ヘッド6と、制御装置3に入力された条件をもとに、自動分注装置本体2を駆動させる回路部7が設けられている。
【0010】
ロボット5は、各軸互いに直交に構成されたX軸・Y軸・Z軸を有し、図示していないステッピングモータによって駆動され位置決めされるようになっている。ロボット5の駆動モータはサーボモータなどであっても良い。分注ヘッド6は、一列に並んで配置された複数の分注チップ8が着脱可能であって、該分注チップ8を装着することにより液体の吸引及び吐出を可能としている。例えば前記分注ヘッド12連のシリンジ(図示せず)が1つのステッピングモータで駆動されるように構成され、そのシリンジ個々の間隔はマイクロプレート11のウェル間隔と同じ9mmピッチで配置されており、分注チップ8を装着してシリンジを駆動することにより液体の吸引及び吐出動作を実行する。
【0011】
ロボット5に取り付けられた分注ヘッド6の可動範囲の下方には、分注チップ8が分注ヘッド6に装着でき、且つマイクロプレート11のウェル間隔と同じ9mmピッチで配置できる分注チップ容器9と、試薬が入った試薬容器10と、試験の対象となる供試物が入ったマイクロプレート11と、使用済みの分注チップ8を廃棄する廃棄容器14を配置している。
【0012】
マイクロプレート11は複数個のウェルが縦n個横m個あって格子状に配置されるようて形成されており、例えば8×12の96ウェルを有する。また、分注ヘッド6は90度旋回できるようになっており、マイクロプレート11の縦・横どちらの方向からも分注動作ができるように構成してある。
廃棄容器14の上部には、発光部19aと受光部19bからなる分注チップ有無検出センサ19が設けられ、分注ヘッド6に装着可能な12本の分注チップ8がすべて装着された状態のとき、すべての分注チップ8が単独で分注チップ有無検出センサ19の光路を遮光可能なロボット5の可動範囲内に配置される。
【0013】
更に、図2に示すように分注チップ有無検出センサ19の発光部19aと受光部19bの取付位置関係は、分注ヘッド6に装着された分注チップ8が縦向きの場合および、横向きの場合であっても分注チップ8が1本づつ検出することができるよう斜め(例えば45°)に取付られていても良く、発光部19aと受光部19bの取付間隔(19D)は分注チップ8が通過するだけの間隔があれば良い。
また、他の実施例としては分注ヘッド6が一方向からのみ分注チップ有無検出センサ19の光路を遮光するような位置に発光部19aと受光部19bを取付けても良い。
【0014】
分注チップ有無検出センサ19の出力信号は、自動分注装置本体2の回路部7に接続され、通信ケーブル4を介して制御装置3にセンサの状態が伝えられる。分注チップ有無検出センサ19は発光部19aと受光部19bからなるものでなくてもよく、反射板を用いた光電センサであっても構わない。また、レーザーや超音波を用いたセンサであっても構わない。
【0015】
自動分注装置本体2には天井部分と側面部分にカバー15が設けられており、また前面には図示されていないドアが設けてあるので、前記ドアを開けて試薬や供試物などの準備をし、動作実行時はドアを閉じて自動分注装置1を動作させる。人体への安全を確保するため、ドアには開閉を検出するリードスイッチ16を設けてあり、ドア開時はリードスイッチ16の接点が開いて、電気的に各軸のモータを駆動する電源ラインが遮断されてロボット5が停止するようになっている。
【0016】
図2は、上空から各容器の配置を示した図であり、左側に分注チップ8を整列して収容する分注チップ容器9a、9b、中央に試薬容器10a、10b、右側にマイクロプレート11と廃棄容器14を配置している。試薬容器10aは試薬を注入するエリアがA列〜H列まで分かれており、また試薬容器10bは試薬を注入するエリアが1列〜12列まで分かれているので、試薬容器10a及び試薬容器10bの各エリアには別々の試薬を注入することができる。
【0017】
縦方向の向きの場合の分注ヘッド6aは分注チップ容器9aと試薬容器10aを使用し、横方向の向きの場合の分注ヘッド6bは分注チップ容器9bと試薬容器10bを使用する。廃棄容器14は分注ヘッド6が縦向きでも横向きでも廃棄可能な大きさにしてある。廃棄容器14上部には、分注チップ有無検出センサ19が備えられている。この実施例では、分注チップ有無検出センサ19に光電センサを用い、発光側19aと受光側19bで形成される光軸方向を分注ヘッド6の旋回方向が縦方向の場合と、横方向の場合のどちらの方向でも検出可能であるように、分注ヘッド6に対して45度の角度で配置している。
【0018】
図2に示す配置は一例を示した物であり、これらの容器の配置は、試験内容に応じて自由に配置しても良い。但し、配置の情報は予め制御装置3に入力して記憶させる必要がある。
【0019】
試薬反応試験を実施する場合は、試薬は一般的に保冷するため、図1に示すように試薬容器10の下にクーラー12を配置して試薬を例えば4℃に保冷し、また、試薬注入後は、温度を一定に保ちながら振盪させる、いわゆるインキュベート動作を実行するため、マイクロプレート11は一定温度で振盪するシェーカー13に載せてある。
【0020】
制御装置3は、ロボット5を制御して所望の位置へ分注ヘッド6を位置決めし、分注ヘッド6を制御して液体の吸引及び吐出動作を実行する。更には分注チップ有無検出センサ19の光路を、分注ヘッド6に装着された分注チップ8が単独で遮光するようにロボット5の制御を行い、分注チップ有無検出センサ19の出力を取り込んで分注チップ8の有無チェックを行う。
また、制御装置3には、図4に示すような例えば試薬反応試験などの工程(プロトコール)が入力できるようになっている。制御装置3からの工程の入力は、入力部A(キーボード)17や入力部B(マウス)18を使って行なわれる。
【0021】
図4に工程を作成する時の作成画面の一例を示す。工程を作成する時は、左側の編集メニュー32の中から実行したい工程を一つ選択して工程欄33へ移動する。例えば、編集メニュー32の分注を選択して工程欄33に移動すると、分注作業に必要な情報入力画面34が表れ、試薬の選択37や分注量の設定38、分注先のウェルの範囲指定35、分注方向36(例えば分注方向36の→の記号はマイクロプレート11のA列目からH列目の方向に向って分注作業を行うことを表し、また↑の記号はマイクロプレート11の1行目から12行目の方向に向って分注作業を行うことを表している。)などを入力すれば良い。
【0022】
図4の右側は“インキュベート→停止液分注”の情報入力画面34であり、反応停止試薬を注入するまでの時間を設定できる時間設定手段30が設けられている。また、反応停止試薬を注入するマイクロプレート11のウェルの範囲35は、所望の範囲で設定できるようになっており、ウェル1個や列毎の設定も可能としている。更に、制御装置3にはマイクロプレート11の各列毎に試薬を分注した直後から時間を計測する計時手段31が設けられている。制御装置3は工程を実行する際、予め時間設定手段30に設定された反応停止試薬を注入するまでの時間と、反応開始試薬を分注した直後から時間を計測する計時時間31を比較して、計時時間が設定された時間に達した時、反応停止試薬を注入する動作を実行する。
【0023】
また、制御装置3は、分注や希釈などの工程の詳細な情報から分注チップ容器9へセットすべき分注チップ8の配置を演算する分注チップ配置演算手段70(図7、説明は後述)と、試薬の使用量と試薬容器への試薬の配置を演算する試薬使用量演算手段80(説明は後述)を備えている。分注チップ配置演算手段70は、マイクロプレート11のウェルの分注範囲35と分注方向36の指定された情報から、分注チップ容器9へセットすべき分注チップ8の配置を演算して表示し、オペレータへ表示などにより知らせる。
【0024】
更に、制御装置3は、図示されていない記憶装置に分注チップ8の配置を記憶しておき、実際に分注チップ装着動作を行った後の分注チップ有無検出時の比較する対象とする。
【0025】
また、試薬使用量演算手段80は、所定の試薬37と、マイクロプレート11の1つのウェルに対する試薬の所望の分注量38と、マイクロプレート11のウェルの分注範囲35と、分注方向36の情報から、指定された試薬の使用量を演算すると共に試薬容器への試薬の配置を決定して表示し、オペレータへ表示などにより知らせる、と共に図示されていない記憶装置に、前記分注チップ8の配置同様記憶される。こうすることにより、同一条件の場合には、再計算させることなく記憶されている演算結果を呼び出すことができ、計算に要する時間を省くことができる。
【0026】
更に、制御装置3は、予め入力された試薬反応試験の工程から、工程を実行する時間をシミュレーションして、自動分注装置1が時間設定手段30から入力された時間通りの動作を実行できるか否かを判断してオペレータへ知らせる自己判断機能40(説明は後述)を備えている。
【0027】
上述した制御装置3が有する各機能を実行する時の流れについて、図7に示したフローチャートに従い、その手順を説明する。処理ステップ61において、オペレータが実施したい工程を入力する。次に、分注チップ配置演算70と試薬使用量演算80を実行する。更に、自己判断機能40の処理において、自動分注装置1が時間設定手段30から入力された時間通りの動作を実行できるか否かを判断し動作不能であれば、アラームを発して再度工程を入力するようにオペレータへ知らせる。実行可能であれば図9に示すような分注チップ8の配置と試薬の配置、及び試薬の使用量が表示され、オペレータはこの画面の指示に基づき各々をセットする。ここまでの準備作業を終えて、オペレータは作成した工程を実行させる(処理ステップ62)。
【0028】
以下に、分注チップ8の配置を演算する分注チップ配置演算手段70について、図8に示すフローチャートと図10に示す工程表を参照しながら説明する。分注チップ8の配置を演算する際の前提条件として、分注チップ容器9aは左側のA行からH行方向へ、また分注チップ容器9bは手前の1列から12列方向へ分注チップ8を整列させることとする。
【0029】
先ず、処理ステップ71に示す初期化処理において、列カウンタに1、行カウンタにAをセットする。図10に示す工程番号1において、分注する方向が↑なので、処理ステップ72では上下と判断して処理ステップ76へ進む。処理ステップ76では、分注範囲が第1列のA〜Eなので、列カウンタが示す1列の該当範囲A〜Eへマークする。
【0030】
具体的には、図2に示す分注チップ容器9bの第1列のA〜Eに分注チップ8をセットしてくださいという意味を表すマークを付ける。その後、処理ステップ77において、列カウンタをカウントアップして列カウンタの値は2となる。次に、工程が終了かを判断して(処理ステップ75)次工程がある場合は、次の工程内容を調べるため、処理ステップ72へジャンプする。
【0031】
次工程となる工程番号2では分注の方向が→なので、処理ステップ73へ移行する。処理ステップ73では、マイクロプレート11の分注範囲がウェルを示す点(A,2)から点(E,12)で囲まれた範囲なので、列方向の第2〜12の範囲を選択し、分注チップ容器9aを表すA行の第2〜12へマークする。その後、処理ステップ74において、行カウンタをカウントアップして行カウンタの値はBとなる。以後、処理ステップ75で工程終了かを判断して、更に次工程がある場合には、工程番号3の内容を調べる。
【0032】
以下、上述した処理を行い、工程番号3で使用する分注チップ8の配置は、分注チップ容器9bを表す第2列のA〜Eにマークされる。このようにして、工程番号10まで1列若しくは1行づつ処理し、表示部に表示したものが、図9に示す分注チップ8の配置90である。尚、配置90のおける分注チップの配置マークを、各工程毎に使用する分注チップ毎に色分けして表示しても良く、このような表示をすることにより更に分注チップ8の配置ミスがなくなる。なお、各工程毎の表示方法は記号や番号または文字であっても良い。
【0033】
制御装置3は、上記分注チップ8の配置を記憶しておき、実際に分注チップ装着動作を行った後の分注チップ有無検出時の比較する対象とする。分注チップ有無検出時に比較する分注チップ8のデータは、必ずしも分注チップ配置演算手段70で演算されたデータである必要は無く、別の手段(例えば入力部Aまたは入力Bから手動で分注チップ8の配置位置を入力する。)であっても制御装置3に予め記憶されていればよい。
【0034】
次に、試薬の使用量と試薬の配置を演算する試薬使用量演算手段80について、以下説明する。試薬の使用量については、設定された分注量と指定されたウェル数を乗じたものである。例えば、工程番号1においては、分注量が144μLで、ウェル数が5個なので、乗じると720μLとなる。工程番号2においては、分注量が100μLで、ウェル数が11×5個なので、これらを乗じると5500μLとなる。別の工程で試薬が重複する場合は合計すれば良い。
【0035】
次に、試薬の配置については、図8に示したフローチャートと同様の処理を実行する。具体的には、分注する方向によって試薬容器10aにセットするか、試薬容器10bにセットするかを判断し、指定された試薬から順番に配置を決定する。特に、反応停止試薬などは他の試薬とのコンタミネーションを避けたいため、オペレータが列を離して特別に配置を決定することができる。このようにして、試薬の使用量と試薬の配置を決定したものが、図9に示す試薬▲1▼〜▲8▼の配置91と試薬の使用量92である。なお、オペレータは試薬の使用量92を参照し、デッドボリューム分を考慮して少し多めに試薬を注入する。
【0036】
尚、配置91においても、各工程毎に使用される試薬毎に色分けして表示しても良く、このような表示をすることにより更に試薬の配置ミスがなくなる。尚、各工程毎の表示方法は記号や番号または文字であっても良い。また、同じ試薬を複数回使用する場合は、表示位置を分割して表示するば良い。
【0037】
続いて自己判断機能40について説明する。上記したように、オペレータは実施したい試験工程、例えば図10に示すような工程表を作成し、それらの内容を制御装置3に入力する。制御装置3は、その入力された工程から実際の動作時間を計算する機能を有している。具体的には、図6に示すように、ロボット5を台形の加減速のパルス列制御で動作させるため、所定の加減速の傾き、最高速度、移動距離などから移動時間や分注動作時間などが計算できる。当然ながら、複数軸が同時に動作する場合は移動時間が長い物を選択する。
【0038】
図6に示す例では、X軸とY軸が同時に移動してY軸の位置決めが完了した後にZ軸を駆動し、その後シリンジ軸を駆動するようにしてあり、これらの移動時間を計算する。また、一つ一つの動作は通信によって制御されるが、通信データ数と通信速度から通信時間が計算できる。よって、一つの工程を実行する各動作に要する時間と通信時間を合算することで、その工程の所要時間はシミュレーションできる。例えば、図10に示す工程番号1の場合は、分注チップ8を装着して、試薬1を吸引しマイクロプレート11へ分注する。その後分注チップ8を廃棄するといった各動作の時間と、動作命令に要した通信時間をそれぞれ計算して求め、それらを合計することにより、工程番号1の動作時間を求める。このようにして、図10の所要時間の欄に示してあるように、制御装置3は各工程の運転時間を計算することができる。制御装置3に設けた自己判断機能40は計算して求めた運転時間から、所望の運転が設定された時間通りに運転できるか否かを判断し、オペレータへ知らせる。具体的には、図5に示すフローチャートのように、自己判断機能40は、工程の入力作業(処理段階41)の後、動作時間のシミュレーションを実行する(処理段階42)。その結果、時間設定手段30に設定された時間内に工程を実行することが可能かを判断し(処理段階43)、動作可能であれば“OK”を画面へ出力し(処理段階44)、動作不可能であれば“アラーム”を表示して(処理段階45)、オペレータへ知らせる。
【0039】
次に分注チップ有無検出手段について図2と図10に示す工程を用いて説明する。まず、実際の運転を行う前に、分注チップ有無検出を行うためのロボット5のXYZ座標基準位置を設定する必要がある。設定する座標は、分注ヘッド6の旋回方向が縦・横のいずれの場合も、一番端の分注チップ8が分注チップ有無検出センサ19の光路を遮光する位置とする。
【0040】
つまり、分注ヘッド6の旋回方向が縦方向の場合、図2において、一番手前側の位置に分注チップ8が装着された状態で、分注チップ有無検出センサ19の光路(19C)を遮光する位置、即ち分注チップ有りと検出する位置をXYZ座標基準位置とする(6a)。また、分注ヘッド6の旋回方向が横方向の場合、図2において、一番左側の位置に分注チップ8が装着された状態で、分注チップ有無検出センサ19の光路を遮光する位置、即ち分注チップ有りと検出する位置をXYZ座標基準位置とする(6b)。
【0041】
なお、分注ヘッド6の旋回方向が縦方向の場合と、旋回方向が横方向の場合とで、分注チップ有無検出センサ19の光路を遮光する位置が同一であるが、分注ヘッド6の向きが縦方向の場合と横方向の場合で、違う位置で光路を遮光しても良い。
【0042】
上記の通り、分注チップ有無検出センサ19の光路が遮光されているとき、制御装置3は分注ヘッド6に分注チップ8が装着されていると判断し、遮光されていないとき分注チップ8が装着されていないと判断する。分注ヘッド6の下方に装着される分注チップ8は、マイクロプレート11と同じく、9mm間隔で装着されるため、上記設定位置を基準として、例えば9mm間隔でロボット5を動作させることによって、12本の分注チップ8を装着可能な分注ヘッド6のどの位置に装着されているのか、また装着されていないか検出することが可能となる。
【0043】
実際の運転時には、分注チップ装着後に行なう分注チップ有無検出と、分注チップ外し後に行なう分注チップ無し検出の2通りの検出方法があり、それぞれ分注ヘッド6の旋回方向に応じた動作を行う。
【0044】
まず、分注チップ装着後のチップ有無検出について説明する。分注チップ配置演算手段70で説明した通り、試薬反応試験の工程においては分注チップ容器9のすべてに分注チップ8を配置すれば良いというわけではなく、工程に応じて適切な位置に分注チップ8が配置されており、分注チップ配置のデータは予め制御装置3に記憶される。分注チップ容器9に配置された分注チップ8が分注ヘッド6に装着された後、予め記憶された分注チップ配置のデータと、実際の分注チップ装着状態の比較を行う。
【0045】
例えば、図10に示す工程番号1の場合、分注ヘッド6を図示していない旋回機構により横方向に旋回させてから、分注チップ容器9bにセットされた第1列のA〜Eの分注チップを5個、分注ヘッド6に装着する。即ち分注ヘッド6は最大12本の分注チップ8を装着可能であるが、工程1の場合、図2における分注ヘッド6bの左端から数えて3〜7本目の位置に5本の分注チップ8が装着された状態が正常な状態となる。ロボット5は、分注チップ8の装着が完了した後、分注ヘッド6の旋回方向が横方向の場合のXYZ基準位置6bへ移動させる。
【0046】
そこで、まず分注ヘッド6の一番左端の位置に分注チップ8が装着されていないかチェックを行う。分注チップが装着されていると判断した場合、制御装置3はオペレータに対してアラームを表示し、動作を停止する。分注チップ8が装着されていないと判断した場合、ロボット5は分注ヘッド6を左方向に9mm移動させ、左から2番目の位置に分注チップが装着されていないことをチェックする。分注チップ8が装着されていると判断した場合、制御装置3はオペレータに対してアラームを表示し、動作を停止する。分注チップ8が装着されていないと判断した場合、ロボット5は分注ヘッド6を左方向に9mm移動させ、左から3番目の位置に分注チップが装着されていることをチェックする。分注チップが装着されていないと判断した場合、制御装置3はオペレータに対してアラームを表示し、動作を停止する。分注チップ8が装着されていると判断した場合、ロボット5は分注ヘッド6を左方向に9mm移動させる。
【0047】
以下同様に左端から数えて3〜7本目まではチップ8が装着、それ以外の位置は分注チップ8が装着されていないことをチェックし、異常時は制御装置3がオペレータに対してアラームを表示して動作を停止する。正常時は次の運転工程である試薬吸引動作を行う。上記説明は、分注ヘッド6の旋回方向が横方向の場合について説明しているが、旋回方向が縦方向の場合でも、ロボット5の移動する方向が縦横異なるだけで、分注チップ8の有無を検出する方法は同様である。
【0048】
次に、チップ外し後の分注チップ無し検出について説明する。自動分注装置1は、分注作業を行ったあと、分注ヘッド6に装着されている分注チップ8を、図示していない分注チップ外し機構を用いて廃棄容器14に廃棄する。その後、全ての分注チップ8が分注ヘッド6から取り外されたことをチェックする。ロボット5は、分注チップ取り外し動作を行ったときの旋回方向に応じて、分注ヘッド6を分注チップチェック基準位置6aまたは6bへと移動させる。ここでは、旋回方向が縦方向であるときの分注チップ無し検出について説明する。
【0049】
分注チップ外し動作を行った後、ロボット5は分注ヘッド6の旋回方向が縦方向の場合のXYZ基準位置6aへ移動させる。そこで、まず分注ヘッド6の一番手前端の位置に分注チップ8が装着されていないかチェックを行う。分注チップが装着されていると判断した場合、制御装置3はオペレータに対してアラームを表示し、動作を停止する。分注チップ8が装着されていないと判断した場合、ロボット5は分注ヘッド6を手前方向に9mm移動させ、手前から2番目の位置に分注チップが装着されていないことをチェックする。
【0050】
以下同様にすべての位置に分注チップ8が装着されていないことをチェックし、異常時は制御装置がオペレータにアラームを表示して動作を停止する。正常時は次の動作を行う。分注ヘッド6の旋回方向が縦方向の場合について説明しているが、旋回方向が横方向の場合でも、ロボット5の移動する方向が縦横異なるだけで、分注チップ無し検出の方法は同様である。
【0051】
上記説明の中で、分注チップ有無チェックで異常と判断したときに、制御装置3はオペレータに対してアラームを表示して動作を停止しているが、動作を停止せずに、全ての運転が終了した後に異常が発生した工程番号と分注チップ有無の異常内容を表示することも、予め設定しておくことによって可能である。
また、分注ヘッド6に装着されていない部分がある場合には、分注チップ8を一本ずつ装着できるような分注チップ容器を用意しておき、そこから補充するようにし、また、分注チップ8が余分に装着されている場合には、分注チップ8を一本ずつ取外すことのできる分注チップ外しで、強制的に取外すことにより予定通りの運転することができる。
【0052】
また、XYZ基準位置から9mm間隔で縦・横方向に移動させているが、試薬容器10bおよびマイクロプレート11に分注チップ8が衝突してしまう場合には、必ずしも9mm間隔で移動させる必要は無く、分注チップ有無検出センサ19の光路を分注チップ8が単独で遮光するようにロボット5を駆動すればよい。
【0053】
更に、XYZ基準位置から移動させてから分注チップ8の検出を行い、正常であれば更に次の検出位置に移動させるという方法を説明しているが、例えば、分注ヘッド6を基準位置から分注チップ12本分の距離を定速で移動させ、そのときの分注チップ有無検出センサ19の出力をON/OFFのパルス列で格納し、所望のパルス列と一致するかチェックを行うという方法も可能である。
【0054】
以下に、図10に示す工程を例にして実際の動作について説明する。先ず、オペレータは、マイクロプレート11の第1列のA〜Eのウェルに手作業で予め供試物を6μL添加し、シェーカ13にセットしてドアを閉じ、制御装置3に組み込まれた工程をスタートさせる。
工程番号1において、自動分注装置1は、分注チップ容器9bにセットされた第1列のA〜Eの分注チップ8を5個装着して分注チップ有無チェックを行い、試薬容器10bの試薬1を144μL吸引し、シェーカー13上に置かれたマイクロプレート11の第1列A〜Eのウェルへ分注する。なお、シェーカー13の振幅は約±1mm程で、マイクロプレート11のウェルの直径約8mmに対して十分小さいので、インキュベート動作しながらでも分注動作は可能である。分注動作が終了するとコンタミネーションを避けるため、分注チップ8は廃棄容器14へ廃棄し、分注チップ無しチェックを行う。
【0055】
工程番号2において、自動分注装置1は分注チップ容器9aにセットされたA列の第2〜12分注チップ8を11個装着して分注チップ有無チェックを行う。この動作の前に分注ヘッド6は90度向きを変えて旋回動作を完了しておく。試薬容器10aのAに入っている試薬2から100μL吸引し、シェーカー13上のマイクロプレート11のA列第2〜12のウェルへ分注する。その後、再び試薬容器10aのAから試薬2を100μL吸引し、次はB列の第2〜12のウェルへ分注する。この動作を繰返し行い、マイクロプレート11のE列まで実行して分注チップ8を廃棄し、分注チップ無しチェックを行う。
【0056】
なお、分注ヘッド6の旋回方法は例えばステッピングモータやソレノイドなどのアクチュエータを用いて旋回させても良い。あるいは、円形部材を分注ヘッドに設け、それと当接可能となる位置に当接部材を本体に設け、円形部材と当接部材を接触させながらX軸又はY軸に移動させることにより回転させるようにしても良い。回転軸は分注ヘッド6の中心と一致させている。
【0057】
工程番号3における希釈は、先ず分注ヘッド6を旋回させて分注チップ容器9bにセットされた第2列のA〜Eの分注チップ8を装着して分注チップ有無チェックを行う。シェーカー13上のマイクロプレート11の第1列へ移動し、第1列A〜Eのウェルの液に分注チップ8を浸し、液を吸って吐くピペッティング(攪拌)動作を5回繰り返す。その後に50μL吸引し、隣の第2列A〜Eのウェルへ50μL吐出し、液を吸って吐くピペッティング(攪拌)動作を5回繰り返する。同様に第2列から第3列へ50μL分注し、攪拌して希釈する。
【0058】
このような操作を第8列まで繰り返して行い、第8列より吸引した50μLと一緒に分注チップ8を廃棄容器14へ廃棄し、分注チップ無しチェックを行う。この工程によって、マイクロプレート11の第1列から第8列まで、希釈された供試物が生成される。
【0059】
工程番号4では、マイクロプレート11を一定の温度、例えば37℃で10分間振盪させるインキュベートを実行する。制御装置3は10分間インキュベートした後に次の工程を実行する。
【0060】
工程番号5〜9は、マイクロプレート11のA〜E列に反応開始試薬を注入する工程であり、マイクロプレート11の各列毎に設けたタイマA〜タイマEが、試薬の注入した時点から時間を計測するようになっており、以下説明する。
【0061】
工程番号5では、分注ヘッド6の向きを90°旋回させA列の向きに旋回して、分注チップ容器9aにセットされたB列第1〜12の分注チップ8を装着して分注チップ有無チェックを行う。次に試薬容器10aのBに入っている試薬3から100μL吸引し、シェーカー13上のマイクロプレート11のA列第1〜12のウェルへ分注する。その直後から、制御装置3はタイマAを0クリアしてタイマAを起動(カウントアップ)させる。タイマAは例えば1000分の1秒単位でカウントアップする。分注後、12個の分注チップ8は廃棄容器14へ廃棄し、分注チップ無しチェックを行う。
【0062】
工程番号6では、工程番号5と同様に、試薬容器10aのCに入っている試薬4を100μL吸引して、マイクロプレート11のB列第1〜12のウェルへ分注する。その直後から、制御装置3はタイマBを0クリアしてタイマBを起動する。
以後、工程番号9まで同様な動作を実行し、マイクロプレート11のC〜Eのそれぞれの列に試薬5〜7を分注して、タイマC、タイマD、タイマEを起動する。
分注作業に要する所要時間は各50秒なので、タイマAに対してタイマBは50秒遅れてスタートし、タイマCはタイマBに対して50秒遅れてスタートする。タイマD、Eも同様である。
【0063】
工程番号10においては、試薬が注入されたマイクロプレート11を37℃で30分間インキュベートした後に、停止試薬75μLをA〜Eの列に分注する。先ず、分注チップ容器9aのG列から分注チップ8を装着して分注チップ有無チェックを行い、試薬容器10aのHにセットされた反応停止試薬である試薬8を75μL吸入する。時間設定手段30に設定された所望の反応時間である30分、つまり1800秒とタイマAの時間を比較しながらインキュベート動作を実行する。タイマAが所望の時間1800秒に達すると、試薬8をマイクロプレート11のA列へ注入する。
【0064】
注入後は再び試薬8を吸引して、マイクロプレート11のB列で待機し、タイマBが1800秒に達するとB列へ試薬8を注入する。以後同じ動作を繰り返し実行し、E列まで試薬8を注入して、各A〜E列の試薬反応を停止させる。制御装置3は、それぞれのタイマA〜タイマEで計測した時間、つまり、反応開始試薬を分注した直後から反応停止試薬を注入するまでの実際の時間を計測する。その時間はディスプレイに表示したり、図示していない記憶媒体やプリンタなどに記録することができる。
【0065】
なお、分注ヘッド6の反応時間が経過するまでの待機位置は必ずしもウェル上空で待機する必要はなく、分注チップ8内に吸引した反応停止試薬が滴下しても支障のない位置で待機させても良い。また、温度管理が厳しい停止試薬の場合は、分注チップ8内に停止試薬を吸引したまま放置すると、周囲温度により停止試薬の温度が変化してしまうので、反応時間が経過する直前で試薬容器10aのHから吸引するようにすれば良い。
【0066】
以後の作業は、オペレータがマイクロプレート11を取り出して、反応生成物の蛍光強度を蛍光プレートリーダ(図示せず)などで測定する。
【0067】
上述した時間設定手段30は、“インキュベート→停止液分注”の情報入力画面34に設けたが、時間管理が必要な試薬を分注する工程の情報入力画面34に設けても良い。反応開始試薬を注入して分注直後から時間を計測する計時手段31をマイクロプレート11の各列毎に設けてあるので、上述した動作と同様の運転が可能である事は容易に理解できる。
【0068】
前記した工程例では、反応停止試薬を注入するまでの時間が30分であったが、この時間が例えば3分であった場合は、工程番号5を実行してから工程番号9を実行するまでの間に時間が経過してしまう。このような場合は、前述した自己判断機能40により、作成された工程から実際の工程時間をシミュレーションして、運転が可能かを確認することができる。つまり、例えば工程番号5の動作から反応停止試薬を注入するまでの時間に、次の作成された工程を実行しても間に合うかどうかが判断できる。
【0069】
また、上記した工程例では別々の試薬を同じ反応時間で試験するものであったが、同じ試薬を供試物に添加して、列毎に別々の時間を設けて試験することも可能である。その場合は、試薬を対象となる範囲に注入した後に、各列毎に“インキュベート→停止液分注”で異なる時間を設定して実行させれば良い。このような試験の場合、もし工程実行の途中で、装置に不具合が発生したり、やむを得ない理由で装置を停止させてしまっても、工程終了後は、試薬を分注した直後から反応停止試薬を注入するまでの実際の時間を計時手段31が測定しているので、供試物の試験結果を活用できる。
【0070】
なお、上記した実施例では、分注チップ8を廃棄しながら実施する例について説明したが、洗浄しながら使用する固定分注チップであっても構わない。また、96ウェルのマイクロプレート11を用いた例を記述したが、更に微量を扱う384ウェル、1536ウェルのマイクロプレート11を対象とした分注ヘッド6を使用すれば、本発明の適用は容易である。
【0071】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、分注ヘッドの所定位置に分注チップが装着されているか否かを確実に検出できるようになり、工程に応じた分注チップの装着状態、び分注チップを外した状態を検出可能な自動分注装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である自動分注装置の斜視図である。
【図2】 分注チップ容器、試薬容器、マイクロプレート、廃棄容器の配置例と、分注チップ有無検出センサの配置例、および分注チップ検出時の分注ヘッドの基準位置を示す図である。
【図3】 分注チップ有無検出センサの配置例の斜視図
【図4】 本発明の一実施例である工程を作成する時の工程作成画面と計時手段を示す図である。
【図5】 本発明の一実施例である自己判断機能を表すフローチャートである。
【図6】 実行時間を計算する時のロボット動作の一例を示した図である。
【図7】 工程入力から工程実行までの作業の手順を表したフローチャートである。
【図8】 本発明の一実施例である分注チップ配置演算方法を表すフローチャートである。
【図9】 本発明の一実施例である分注チップと試薬の配置及び試薬の使用量を示した図である。
【図10】 代謝試験の工程表の一例である。
【符号の説明】
1は自動分注装置、2は自動分注装置本体、3は制御装置、4は通信ケーブル、5は移送手段、6は分注ヘッド、7は回路部、8は分注チップ、9は分注チップ容器、10は試薬容器、11はマイクロプレート、19は分注チップ有無検出センサ、30は時間設定手段、31は計時手段、34は情報入力画面、35は分注先のウェルの範囲指定、36は分注方向、37は試薬の設定・選択、38は分注量の設定、40は自己判断機能、70は分注チップ配置演算手段、80は試薬使用量演算手段である。

Claims (5)

  1. 複数の分注チップと、該分注チップを収納するための分注チップ容器と、該分注チップ容器内に収納された分注チップの複数が横向きあるいは縦向きに並べ所定位置にいずれの向きでも装着できるように構成され、分注チップにより液体の吸引及び吐出が可能な分注ヘッドと、該分注ヘッドを移動させるための移送手段と、前記分注チップが前記分注ヘッドに装着されているか否かを検出するための検出手段と、試薬が入った試薬容器と、複数のウェルを有するマイクロプレート、前記分注ヘッドの吸引及び吐出動作、並びに前記移送手段による分注ヘッドの移動を制御するための制御装置を備え、前記制御装置に入力された作業工程により、前記マイクロプレートに複数の試薬を注入するように構成される自動分注装置において、
    前記検出手段を、発光部及び受光部からなる光学式センサにより構成し、該光学式センサの光軸が前記分注ヘッドの移動方向に対して平行かつ垂直でない斜め方向とすると共に分注チップの並び方向に分注ヘッドを移動させる過程で分注ヘッドの所定位置に分注チップが装着されているか否かを検出することを特徴とする自動分注装置。
  2. 前記分注ヘッドに前記分注チップを装着した後、および前記分注チップを取り外した後に、前記検出手段によって前記分注チップの有無を検出することを特徴とする請求項1記載の自動分注装置。
  3. 前記分注ヘッドに装着される前記分注チップの本数および位置を予め記憶する手段を備え、前記分注チップの装着状態と前記記憶されている状態とを比較することを特徴とする請求項1記載の自動分注装置。
  4. 前記分注チップの装着状態と前記記憶されている状態とを比較し、一致していない時に、前記記憶されている状態に前記分注チップの装着状態を調整することを特徴とする請求項3記載の自動分注装置。
  5. 前記分注ヘッドを90度旋回可能とし、分注ヘッドに複数の分注チップを横向きあるいは縦向きに選択的に並べられるようにしたことを特徴とする請求項記載の自動分注装置。
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