JP4070744B2 - 同期制御装置 - Google Patents
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Description
従来、この複数の可動軸間で同期関係をチェックするのに、各可動軸の指令に対する遅れ量である位置偏差量の値が最大値を超えていないか、すなわち、指令通りに各可動軸が動作しているかをチェックしていた。
又、位置偏差量は指令に対する逸脱量を表すもので、通常最大値を超過すると、アラームとなり、プログラムが停止するため、回避動作などをすぐに実行できないという問題がある。
図1は、本発明の一実施形態の同期制御装置100の要部ブロック図である。CPU11は同期制御装置100を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、ROM12に格納されたシステムプログラムを、バス19を介して読み出し、該システムプログラムに従って同期制御装置全体を制御する。RAM13には一時的な計算データや表示データ及びCRTや液晶等で構成される表示器とキーボード等で構成される手動入力手段とからなる表示器/手動入力ユニット20を介してオペレータが入力した各種データが格納される。CMOSメモリ14は図示しないバッテリでバックアップされ、同期制御装置100の電源がオフされても記憶状態が保持される不揮発性メモリとして構成される。CMOSメモリ14中には、インターフェイス15を介して読み込まれた動作プログラムや表示器/手動入力ユニット20を介して入力された動作プログラム、後述する同期関係情報等が設定入力され記憶されている。
機械の各可動軸に対する軸制御回路30-1〜30-nはCPU11からの各可動軸の移動指令と各可動軸の各々のサーボモータ50-1〜50-nに設けられた位置・速度検出器60-1〜60-nからの位置、速度フィードバック信号とにより、位置・速度のフィードバック制御を行い、各可動軸の指令をサーボアンプ40-1〜40-nに出力する。サーボアンプ40-1〜40-nはこの指令を受けて、機械(制御対象物)の各可動軸のサーボモータ50-1〜50-nを駆動する。なお、この同期制御装置100の構成は、従来から公知の数値制御装置の構成とほぼ同一である。
(1)基準となるマスタ軸を指定する。(図2の例ではX軸(例えば第1のサーボモータ50-1で駆動される軸)を指定している。)
(2)マスタ軸と同期するスレーブ軸で同期関係の確認が必要となる可動軸を指定する。図2では1つの軸を指定しているが、複数を指定してもよいものである。(図2の例では、Y軸(第2のサーボモータ50-2で駆動される可動軸)を指定している。)
(3)マスタ軸/スレーブ軸の同期関係を確認する区間を指定する。この区間は複数指定することもできる。(図2の例では、X軸10.000〜20.000でY軸20.000〜50.000を区間1として指定している。)
(4)前記各同期関係確認区間をつなぐ関係式を指定する。各2点間をつなぐ関係式を指定することで、同期関係の理想的軌跡を定義する。上記(3)、(4)により、点列(区間)とそれをつなぐ式を定義し、理想的な軌跡を指定することができる。図2で示す例ではY=3×X−10.0が関係式として定義され設定されている。
(5)各同期関係確認区間における許容ずれ量を指定する。マスタ軸の位置に対して、上記(4)で指定された関係式で求まるスレーブ軸の位置に対する、実際のY軸の許容ずれ量を指定する。なお、図2の例では、定数で範囲を指定しているが、式によって指定してもよい。
(7)本同期関係情報が呼び出された場合の同期関係確認処理の開始条件を指定する。指令が入力されると『即時開始』、『マスタ軸がある区間に来たら開始』『スレーブ軸がある区間に来たら開始』『指定された信号が指定された状態になったら開始』などの条件が選択できる。(図2では、マスタ軸の位置が10.000〜11.000の区間に来たらチェックを開始するような指定をしている。)
(8)本同期関係情報を使用して同期関係確認中に、同期関係確認処理を終了する条件を指定する。『マスタ軸がある区間に来たら終了』『スレーブ軸がある区間に来たら終了』『指定された信号が指定された状態になったら終了』などの条件が選択できる。(図2では、マスタ軸の位置が20.000以上になったら同期関係確認処理を終了するような指定をしている。)
(9)本同期関係チェック中に許容ずれ量を超過した場合の動作を指定する。動作としては、『指定信号オン』『指定信号オフ』『プログラム中止』『マスタ軸の減速』『指定プログラムの実行』『軸停止』など必要な条件を1つ又は複数呼び出すことができる。例えば、『プログラムの停止』と『指定プログラムの実行』を指定し、指定プログラムに退避プログラムを登録しておけば、チェックエラー検出時に現在の動作プログラムを中止して退避プログラムを実行することが可能となる。(図2では、マスタ軸、スレーブ軸を軸停止し、信号OUT1を”1”にすることによりアラーム状態を信号で知らせるような指定をしている。)
上記同期関係情報の設定記憶に基づいて、同期関係確認処理の開始条件と終了条件で指定した区間であって同期関係で指定した区間において、その区間に対して設定された関係式で求められる同期制御される可動軸の関係(位置関係)が、設定許容ずれ量内か確認されるものである。
図3は、図2に示した例のような同期関係情報を設定した場合のチェックされる区間について図示したものである。(X,Y)= (+10.000, +20.000) 〜 (+20.000, +50.000)の区間において図の網掛けで示された部分が許容される動作範囲であることを示している。図4は、逆に通ってはいけない領域を網掛けした図である。網掛け部を通過した場合、例えば物損などを起こし危険であるようなことを想定している。よって、網掛け以外のところはどういう経路で移動しても問題ないので、例えば、図4の経路Aでも経路Bでも動作上問題ないこととなる。
先ず、同期関係確認処理の起動が受け付けられると、図2のようにあらかじめ登録された複数の同期関係情報の中から指定された同期関係情報を選択する(ステップA1)。次にその同期関係情報にて指定されている開始条件が満たされたかをチェックする(ステップA2)。開始条件が満たされていない場合には、満たされるまで待つ。開始条件が満たされると同期関係のチェックが開始される。同期情報に指定されているマスタ軸/スレーブ軸の各位置情報を取得する(ステップA3)。同期関係情報に登録された区間情報のうち取得したマスタ軸の位置が属する区間を選択し、マスタ軸の位置情報とその選択区間においての同期関係情報に登録された関係式からスレーブ軸の理想的な位置を算出する(ステップA4)。算出されたスレーブ軸の位置に対するステップA3で取得したスレーブ軸の位置のずれ量を求め、このずれ量が、その区間においての同期関係情報に登録された許容ずれ量以内におさまっているかをチェックする(ステップA5)。許容ずれ量以内であれば、同期関係チェック終了条件が満たされたかをチェックする(ステップA6)。同期関係確認処理終了条件が満たされていない場合は、再度、ステップA3から繰り返し実行する。
例えば、図10のN100を実行することで、前述の同期関係確認処理が起動され、軸移動指令と同期関係確認処理が並列で動作することとなる。
50-1〜50-n サーボモータ
60-1〜60-n 位置・速度検出器
Claims (12)
- 1つの可動軸を基準に、他の少なくとも1つの可動軸を同期軸として、少なくとも2つの可動軸を同期制御する同期制御装置において、
時々刻々各可動軸の位置を求める位置検出手段と、
前記同期制御を行う可動軸間の位置の同期関係、許容ずれ量、同期関係の確認開始条件、同期関係の確認終了条件および許容ずれ量超過時の動作の情報を1組以上記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶した前記情報の中から1組の情報を選択する選択手段と、
前記選択手段にて選択した前記情報の同期関係の確認開始条件を満たしているかどうかを判断する同期関係確認開始判断手段と、
前記同期関係確認開始判断手段にて同期関係の確認が開始された後に、前記位置検出手段で求められた前記基準とした可動軸の位置に対して、前記選択手段で選択された1組の情報での対応する前記同期関係により求められる他の可動軸の位置と、前記位置検出手段で求められた当該他の軸の位置との間のずれが、前記許容ずれ量の範囲内にあるかを検出するずれ検出手段と、
前記ずれ検出手段にて異常を検出したとき、前記許容ずれ量超過時の動作を実行する異常時動作手段と、
同期関係の確認が開始された後に同期関係確認の終了条件を満たしているかどうかを判断し、条件が満たされた場合、同期関係が正常状態か否かの確認を終了する同期関係確認終了手段と、
を有することを特徴とする同期制御装置。 - 前記同期制御と、同期関係の確認を並行して実行することを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。
- 前記同期制御と並行して実行される同期関係の確認は、信号入力、またはプログラム指令の何れかによって実行されることを特徴とする請求項2記載の同期制御装置。
- 前記同期制御を行う可動軸間の位置の同期関係には、区間と該区間における可動軸間の同期関係式で構成されている請求項1に記載の同期制御装置。
- 前記区間は、1以上設定記憶されている請求項4に記載の同期制御装置。
- 前記記憶手段に記憶される前記同期関係の確認開始条件、同期関係の確認終了条件は、相対あるいは絶対時刻、指令された1以上の軸の位置、信号状態の何れか1つ以上の条件を指定することを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。
- 各可動軸の速度を検出する速度検出手段を備え、前記記憶手段に記憶される前記同期関係の確認開始条件、同期関係の確認終了条件は、該速度検出手段で検出される速度を指定することを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。
- 前記記憶手段に記憶される前記可動軸間の位置の同期関係は、実際の可動軸の位置情報、指令位置情報、時間情報の何れかが指定可能であることを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。
- 前記記憶手段に記憶される前記可動軸間の位置の同期関係は、同期関係のある各軸の位置情報を点列で指定し、該点列をつなぐ式で指定することで軌跡を指定することを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。
- 前記点列において、各々の2点間での許容ずれ量を距離情報または関係式として指定することを特徴とする請求項9に記載の同期制御装置。
- 前記異常時動作手段での動作はプログラム指令であって、該指令に基づいて設定記憶されている制御プログラムを実行することを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。
- 同期関係の確認を実行中に、信号あるいはプログラムにより同期関係確認を中止可能であることを特徴とする請求項1に記載の同期制御装置。
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