JP4059251B2 - 光源装置、およびプロジェクタ - Google Patents
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Description
このようなプロジェクタに用いられる光源装置としては、メタルハライドランプや高圧水銀ランプ等の高輝度で発光する放電型発光管にリフレクタを取り付けたものがあり、近年では、反射面が楕円面状の楕円リフレクタを使用したものが知られている(例えば、特許文献1)。
この楕円リフレクタでは、楕円リフレクタの光束射出後方側となる楕円第1焦点の位置に発光管の発光中心を配置し、光束射出前方側となる第2焦点の位置に反射光束を収束させる。楕円リフレクタとともに副反射鏡を備えた光源装置は、楕円リフレクタの第1焦点と第2焦点とを近づけ、集光量に対して開口径を小さく、すなわち、浅くできるとともに、低出力光源でも効率よく集光できる。したがって、光源装置が組み込まれるプロジェクタの小型化や高輝度化を促進できる。
このような透明部材は、保持部材によって所定の光軸上に保持されており、この保持部材を楕円リフレクタの光束射出前方端部から透明部材の外周部分まで覆うように設け、光学的に制御できずに不使用光となってしまう迷光の漏出を防止するのが好ましい。
ここで、この保持部材は、発光管からの放射光束の照射を受けて熱劣化しやすい。そのため、この保持部材にはアルミニウム等の金属材料を使用した遮光部材を設けて、耐熱性を高めていた。
一方、ファン送風等によって発光管を冷却する場合、迷光を遮光している保持部材に大きな開口を形成することができないので、十分に冷却するのが難しい。また、ファンを大型化したり、回転数を上げたりすると騒音化につながってしまう。
また、保持部材には、空気を導入する吸気口および空気を排出する排気口が形成されているので、吸気口から外部の空気が導入され、発光管をより低温化できる。
この発明によれば、ファンとルーバとを備えることによって、ファンにより供給されかつルーバによって整流された空気によって発光管が効率良く冷却されるので、発光管をより一層低温化できる。
また、本発明の光源装置では、前記ファンは、空気流を吐出する吐出口を備え、前記保持部材の前記吸気口と前記ファンの前記吐出口とがダクトにより接続されていることが好ましい。
したがって、冷却された吸収部材によって、発光管から照射された光を十分に吸収できるので、発光管の低温化を一層促進できる。
なお、吸気口は保持部材の任意の部分に設けられているが、ルーバの複数の羽根部材は吸収部材の内周面にほぼ沿って延びているため、楕円リフレクタの中心軸をほぼ中心に廻る冷却空気の流れがルーバによって妨げられることはない。
この発明によれば、上述したような吸収部材の光吸収により、特に楕円リフレクタから突出する発光管の封止部の突端部分で十分な低温化を図ることができるので、羽根部材の傾きを発光部に向かうように設定し、外部からの導入空気を発光部に向けて流すことにより、発光管全体を一層効率よく、満遍なく低温化できる。さらに、導入する空気の風量は発光部が充分に冷却される風量だけで済むので、ファンの消費電力を抑制できるとともに、低騒音化が可能である。
この発明によれば、吸収部材と羽根部材とが一体化されていることにより、外部からの導入空気がルーバを通過する際に、羽根部材が外部空気によって冷却されるとともに、光の吸収熱で過熱しやすい吸収部材の冷却も図られる。また、羽根部材が吸収部材と同材料で形成されるため、ルーバ部分でも光源光が吸収される。
したがって、冷却された吸収部材および羽根部材により、発光管から照射された光を十分に吸収でき、発光管の低温化をより一層促進できる。
また、プレス等により、板金材料から切り起こし加工によって羽根部材を形成すれば、ルーバを別途用意するコストや組み立てる工程が省け、低コスト化を実現できる。
この発明によれば、本発明の光源装置が前述のような作用及び効果を具備するため、同様の作用及び効果を享受でき、プロジェクタの小型化および低騒音化にも対応できる。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ1の光学系を表す模式図が示されている。このプロジェクタ1は、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調して光学像を形成し、スクリーン上に拡大投写する光学機器であり、光源装置としての光源ランプユニット10、均一照明光学系20、色分離光学系30、リレー光学系35、光学装置40、及び投写光学系50を備えて構成され、光学系20〜35を構成する光学素子は、所定の照明光軸Xが設定された光学部品用筐体2内に位置決め調整されて収納されている。
なお、プロジェクタ1は複数のファンを備え、光源ランプユニット10および光学系20〜35を対象とする冷却機構が構成されているが、ここでは説明を省略する。
そして、光源ランプ11から放射された光束は、楕円リフレクタ12により装置前方側に収束された収束光として射出され、平行化凹レンズ14によって平行化され、均一照明光学系20に射出される。
第1レンズアレイ21は、光源ランプ11から射出された光束を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、照明光軸Xと直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えて構成され、各小レンズの輪郭形状は、後述する光学装置40を構成する液晶パネル42R、42G、42Bの画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。
第2レンズアレイ22は、前述した第1レンズアレイ21により分割された複数の部分光束を集光する光学素子であり、第1レンズアレイ21と同様に照明光軸Xに直交する面内にマトリクス状に配列される複数の小レンズを備えた構成であるが、集光を目的としているため、各小レンズの輪郭形状が液晶パネル42R、42G、42Bの画像形成領域の形状と対応している必要はない。
このPBSアレイ23は、図示を略したが、照明光軸Xに対して傾斜配置される偏光分離膜及び反射ミラーを交互に配列した構成を具備する。偏光分離膜は、各部分光束に含まれるP偏光光束及びS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。反射された他方の偏光光束は、反射ミラーによって曲折され、一方の偏光光束の射出方向、すなわち照明光軸Xに沿った方向に射出される。射出された偏光光束のいずれかは、PBSアレイ23の光束射出面に設けられる位相差板によって偏光変換され、すべての偏光光束の偏光方向が揃えられる。このようなPBSアレイ23を用いることにより、光源ランプ11から射出される光束を、一方向の偏光光束に揃えることができるため、光学装置40で利用する光源光の利用率を向上することができる。
このコンデンサレンズ24から射出された光束は、反射ミラー25で曲折されて色分離光学系30に射出される。
ダイクロイックミラー31、32は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子であり、光路前段に配置されるダイクロイックミラー31は、赤色光を透過し、その他の色光を反射するミラーである。光路後段に配置されるダイクロイックミラー32は、緑色光を反射し、青色光を透過するミラーである。
そして、クロスダイクロイックプリズム43から射出されたカラー画像は、投写光学系50によって拡大投写され、図示を略したスクリーン上で大画面画像を形成する。
光源ランプユニット10は、前述した光源ランプ11、楕円リフレクタ12、副反射鏡13、及び平行化凹レンズ14のほかに、平行化凹レンズを保持する保持部材16と、ランプハウジング15とを備えて構成されている。
発光管としての光源ランプ11は、中央部が球状に膨出した石英ガラス管から構成され、中央部分が発光部111、この発光部111の両側に延びる部分が封止部112とされている。
この光源ランプ11には、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプのいずれかが採用されており、当該ランプは、高輝度であるとともに、強い紫外線を含んで発光する。
封止部112の内部には、発光部111の電極113と電気的に接続されるモリブデン製の金属箔114が挿入され、封止部112はガラス材料等で封止されている。そして、この金属箔114に接続されたリード線115に電圧を印加すると、一対の電極113間でアーク放電が生じ、発光部111が発光する。
首状部121には、中央に挿入孔123が形成されており、この挿入孔123に封止部112が配置される。
反射部122の楕円曲面状のガラス面には、金属薄膜蒸着によって増反射膜である誘電体多層膜が成膜された反射面124(図3)が構成されている。なお、耐熱性の点で、この反射面124は、例えば、タンタル化合物とSiO2の交互積層、又はハフニウム化合物とSiO2の交互積層等から構成されるのが好ましい。
また、この反射面124は、可視光を反射して赤外線および紫外線を透過するコールドミラーが形成された仕様となっている。
光源ランプ11は、この反射部122の内部に配置され、発光部111内の電極113間の発光中心O(図3)が反射面124の楕円曲面の第1焦点F1位置となるように配置される。
そして、光源ランプ11を点灯すると、図3に示されるように、発光部111から放射された光束は反射面124で反射され、楕円曲面の第2焦点F2位置に収束する収束光となる。
また、反射部122の光軸方向寸法は、光源ランプ11の長さ寸法よりも短くなっていて、前述のように楕円リフレクタ12に光源ランプ11を固定すると、光源ランプ11の光束射出前方側の封止部112が楕円リフレクタ12の光束射出開口から突出する。
この副反射鏡13の反射面131は、発光部111の球面に倣う凹曲面状に形成され、楕円リフレクタ12の反射面124と同様に、増反射膜である誘電体多層膜が成膜されている。この反射面131も、可視光のみを反射させ、赤外線および紫外線を透過させるコールドミラーとなっている。
また、発光部111の発光中心Oから楕円リフレクタ12とは反対側に放射される光束L2は、副反射鏡13の反射面131によって楕円リフレクタ12側に反射され、さらに楕円リフレクタ12の反射面124で反射されて楕円リフレクタ12から第2焦点F2位置に向かって収束するように射出される。
つまり、副反射鏡13が設けられていることによって、発光部111から楕円リフレクタ12とは反対側(前方側)に放射された光束を、光源ランプ11から楕円リフレクタ12の反射面124に直接入射した光束と同様に、楕円リフレクタ12の第2焦点F2位置に収束させることができる。
しかし、副反射鏡13を設けることによって、光源ランプ11から楕円リフレクタ12とは反対側(光束射出前方側)に射出された光束を副反射鏡13にて楕円リフレクタ12の反射面124に入射するように反射させることができるので、反射面124の楕円曲面すなわち反射部122が小さくても、発光部111から射出された光束をほとんどすべて一定位置に収束するように射出でき、楕円リフレクタ12の光軸方向寸法および開口径を小さくすることができる。したがって、光源ランプユニット10やプロジェクタ1を小型化でき、光源ランプユニット10をプロジェクタ1内に組込むレイアウトも容易になる。
このことから、比較的低出力の光源ランプ11が採用可能となり、光源ランプ11および光源ランプユニット10の低温化を図ることも可能である。
水平部151は、光学部品用筐体2の壁部と係合し、光源ランプユニット10を光学部品用筐体2内に隠蔽して光漏れが出ないようにする部分である。また、図示を省略したが、この水平部151には、光源ランプ11を外部電源と電気的に接続するための端子台が設けられており、この端子台には、光源ランプ11に接続されたリード線115が接続される。
また、このような水平部151及び垂直部152には、突起および凹部が形成されており、これらの突起・凹部が光学部品用筐体2内に形成された凹部・突起とそれぞれ係合することにより、光源ランプ11の発光中心Oが光学部品用筐体2の照明光軸X上に配置される。
このような平行化凹レンズ14の光束入射面141には、反射防止膜(ARコート・Anti Reflection Coating)が施されている。このようにすることで、光の利用効率を向上させることができる。さらに、平行化凹レンズ14の光束射出面142には、紫外線カット膜が形成されている。この紫外線カット膜は、紫外線を反射させることにより、紫外線の透過を防止するものであり、これにより、光源ランプユニット10から紫外線が射出されることを防止することができる。
この保持部材16は、外側に設けられた保持部材本体163と、その内側に設けられた吸収部材164との二重構造となっている。
この外側の保持部材本体163は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やベクトラ(LCP)等の合成樹脂射出成形品であり、一体成形された筒部161および保持部162で構成されている。筒部161は、内部に光源ランプ11を覆っている。保持部162は、この筒部161の光束射出側端面を塞ぐように設けられ、平行化凹レンズ14が嵌め込まれる開口162Aが形成されている。
上述のように、光源ランプ11の封止部112が楕円リフレクタ12から光束射出前方に突出しており、突出した封止部112が保持部材16に覆われている。
なお、アルミニウムの無垢基板の反射率は約80%であるが、この黒アルマイト処理によって反射率が約20%以下に抑えられ、吸収部材164に入射した光束が確実に吸収・遮光される。
このような吸収部材164の黒アルマイト処理に基く耐食性および光吸収作用により、保持部材本体163が保護され、熱劣化や、シロキサン等の有害なガスの発生を防止できる。
また、吸収部材164により保持部材16全体としての耐熱性が確保できるので、保持部材本体163の材料の選択肢が広がり、軽量化や低コスト化、成形の容易化に応じることができる。
つまり、図4に示すように、光源ランプ11から楕円リフレクタ12に射出された赤外線IR1および紫外線UV1は、反射部122から楕円リフレクタ12の基材を突き抜け、光源ランプユニット10の外部に射出する。これにより、楕円リフレクタ12の反射部122の裏側に熱が逃げ、光源ランプ11を熱線である赤外線、および紫外線から保護できる。なお、楕円リフレクタ12を突き抜けた赤外線IR1および紫外線UV1は、光源ランプユニットを覆っている光学部品用筐体2によって遮光され外部へ漏出しない。
このように、保持部材16によって遮光された赤外線IR2,IR3は、保持部材16内側に設けられている吸収部材164によって大部分が吸収され、照り返しを十分に低減できる。
また、図4に示されるように、副反射鏡13を透過した赤外線IR3が、最初に入射した保持部162部分の吸収部材164で十分に吸収しきれず、残りの光が筒部161に向かって反射されたとしても、筒部161部分の吸収部材164で十分に吸収できる。したがって、発熱部である発光部111近辺への照り返しをほとんど無くせるので、発光部111もまた低温化できる。
上述したように光源ランプ11が満遍なく低温化されるので、ランプ寿命を延ばせる。
なお、副反射鏡13は、紫外線をも透過する仕様であり、紫外線UV2,UV3も赤外線IR2,IR3と略同様に副反射鏡13を透過し、吸収部材164によって吸収されるため、光源ランプ11の過熱の問題を解決できる。本実施形態の光源ランプ11からは紫外線が多く射出されているが、上述した赤外線と同様に吸収部材164によって熱吸収されるため、光源ランプ11の低温化の効果を高くできる。
なお、吸気口90と排気口95には、光源ランプ11の破裂時にランプの破片が飛散しないようにメッシュ(図示しない)が備えられている。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、既に説明した実施形態と同様の構成については、同一符号を付して、説明を省略もしくは簡略化する。
第1実施形態では、吸収部材164による光の吸収によって、光源ランプ11が低温化されていた。
第2実施形態では、さらに、ファン送風によって光源ランプユニット10に外部空気が導入されており、この外部空気によっても光源ランプ11が低温化されている。以下、具体的に説明する。
本実施形態は、前記実施形態では説明を省略した冷却機構の構成に特徴があり、プロジェクタ1は、筐体Rの内部に発生する熱を外部へと放出する冷却ユニット60を備えて構成されている。
プロジェクタ1の筐体Rは、前面に、プロジェクタ1内の空気を排出するための排気口2B,2Cが形成されている。また、底面には、光学装置40に対応する位置に、外部から冷却空気を吸入するための図示しない吸気口が形成されている。
そして、吸気口621から吸入した冷却空気は、前屈多翼部材でかき回され、遠心力によって外側方向に拡がるように、吐出口622から吹き出される。
光学装置冷却系Aは、筐体Rの下面に形成される図示しない吸気口と、この吸気口の上方に配置される軸流吸気ファン61と、光学部品用筐体2の底面において軸流吸気ファン61の上方に形成される開口部2Dとを備える。
なお、光源ランプユニット80の冷却機構についてはこの後詳述する。
図6は、光源ランプユニット80の側面の一部を切り欠いて示す図であり、図7は、光源ランプユニット80を上方から見た図である。
光源ランプユニット80は保持部材86を備え、この保持部材86の筒部861の一方の側面には、保持部材本体863および吸収部材864が矩形状に切り欠かれて吸気口90が形成され、他方の側面には、吸気口90に応じた位置に排気口95が形成されている。そして、吸気口90とシロッコファン62の吐出口622との位置関係は、光源ランプユニット80の光軸にほぼ平行な直線上に揃えられており、ダクト100によって吸気口90とシロッコファン62の吐出口622とが接続されている。また、排気口95は、光学系20〜35下方のダクト62Aに接続されている(図5)。
このルーバ91の各羽根部材911は、吸気口90の開口面に対して傾斜配置されており、吸気口90から吹き込まれた外部の空気を発光部111ないし反射部122側の封止部112に向けて整流し、冷却の効率化を図っている。
ここで、これらの各羽根部材911は、吸収部材864のプレス切り起こし加工によって、吸収部材864と一体形成された切り起こし片となっており、冷却空気がルーバ91を通過する際に、羽根部材911が冷却されると同時に、光の吸収熱で過熱しやすい吸収部材864も冷却される。
しかも、各羽根部材911は吸収部材864と同材料で形成されているから、ルーバ91の部分でも光吸収による遮光が可能となる。
上述のように吸気口90から導入した冷却空気は、羽根部材911の傾きを発光部111に向かうように設定し、この冷却空気を発光部111ないし反射部122側の封止部112に向けて流すことにより、光源ランプ11全体を満遍なく、一層効果的に低温化できる。
さらに、冷却空気がルーバ91を通過する際に、吸収部材864の光吸収熱が冷却空気によって吸収され、このように冷却された吸収部材864によって、光源ランプ11から照射された光を十分に吸収できるので、光源ランプ11の一層の低温化、ひいては、光源ランプユニット10全体の低温化を図ることができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
第2実施形態では、光源ランプユニット80の吸気口90とシロッコファン62の吐出口622とを接続するダクト100は、光源ランプユニット80の光軸にほぼ平行な直線上に沿って設けられていたが、本実施形態では、ダクト180の形状および取り付けられる向きが相違する。以下、具体的に説明する。
図8は、本実施形態に係る光源ランプユニット170の側面図である。
光源ランプユニット170の吸気口90と、シロッコファン62の吐出口622との位置関係は、光源ランプユニット170の光軸に平行な直線上に揃えられていない。光源ランプユニット170の吸気口90は、シロッコファン62から吹き出される空気の拡がりに応じた位置に(ここでは、吐出口622よりも上方に)配置されている。
また、前記実施形態と同様に、シロッコファン62が光源ランプユニット170の側方に沿って、光束射出前方側から光源ランプユニット170とはす向かいに配置されていることから、吐出口622からダクト180を介して吹き出す冷却空気の流路を延長すると、筒部861の上方に対応する吸収部材864の内周面に沿うことになる。
そのため、回転による遠心力を伴ってシロッコファン62から吹き出す空気が一方の開口181からダクト180内に滑らかに流入するとともに、ダクト180の他方の開口182から吸気口90を介し、吸収部材864の筒部861の内周面に沿ってよどみなく流れることになる。
つまり、ダクト両端である開口181,182での風量損失および風圧損失が抑制され、シロッコファン62から吸収部材864の内周面まで、空気が勢い良く吹き付けられる。この吸収部材864の内周面に沿って吹き込まれる冷却空気は、吸収部材864の上方(図8中のY方向)に沿った方向を含んで吹き込まれるので、上方に滞留しがちな高温空気が冷却空気によって一掃され、冷却空気は楕円リフレクタ12内を上方から下方へ、さらに筒部861の下方から上方へ、また上方から下方へと廻るように流れながら、排気口95(図6参照)から光源ランプユニット170外部へと排出される。
なお、吸気口90にあるルーバ91の整流方向をX方向とすると、吸収部材864の内周面はY方向にほぼ沿っているため、筒部861の内周面沿いに廻る空気の流れがルーバ91によって妨げられることはない。
すなわち、このように冷却された吸収部材864によって、光源ランプ11から照射された光を十分に吸収できるので、光源ランプ11の一層の温度上昇を抑制し低温化に寄与できる。
前記各実施形態では、発光管として、メタルハライドランプ、高圧ないし超高圧水銀ランプが採用されていたが、これらの代わりにハロゲンランプ、キセノンランプ等も採用することができ、このような発光管についても、本発明によって十分低温化することができる。
また、吸収部材は、金属製に限らず、セラミックス等も採用できる。
さらに、吸収部材が配設される範囲については、前記各実施形態のように保持部材本体163の全体でなくても、副反射鏡を透過して光束が射出する一定範囲に配設することによって、全体に配設した場合とほぼ同様に、光源ランプの低温化を図ることができる。
なお、保持部材によって、楕円リフレクタの光束射出前方を密閉してもよい。
前記実施形態では、光源ランプユニット10に平行化凹レンズ14を備える構成を説明したが、それに限られず、例えばガラス部材等の透明部材を採用できる。
前記実施形態では、3つの液晶パネル42R,42G,42Bを用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、光入射面と光射出面とが異なる透過型の液晶パネルを用いていたが、光入射面と光射出面とが同一となる反射型の液晶パネルを用いてもよい。
前記実施形態では、光変調装置として液晶パネルを用いていたが、マイクロミラーを用いたデバイスなど、液晶以外の光変調装置を用いてもよい。この場合は、光束入射側および光束射出側の偏光板は省略できる。
前記実施形態では、スクリーンを観察する方向から投射を行うフロントタイプのプロジェクタの例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投射を行うリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
前記実施形態では、プロジェクタに本発明の光源装置を採用していたが、本発明はこれに限らず、他の光学機器に本発明の光源装置を適用してもよい。
その他、本発明の実施に際して、具体的な構造及び形状等については、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等とすることができる。
Claims (7)
- 電極間で放電発光が行われる発光部、及びこの発光部の両側に設けられる封止部を有する発光管と、略楕円面状の反射面を有し前記発光管から放射された光束を一定位置に収束して射出する楕円リフレクタと、反射面がこの楕円リフレクタの反射面と対向配置されるとともに、前記発光管の前記発光部の光束射出前方を覆って前記発光管から放射された光束を前記楕円リフレクタに反射する副反射鏡と、前記楕円リフレクタの光束射出前方に設けられ、光束を透過させる透明部材とを備える光源装置であって、
前記楕円リフレクタの光束射出前方端部に設けられ、前記透明部材の外周端部を保持する保持部材を備え、
前記楕円リフレクタの反射部の光軸方向寸法は、前記発光管の前記光軸方向寸法より短く、前記封止部のうち前記光束射出前方側の封止部が前記楕円リフレクタから突出しており、
前記副反射鏡は、可視光を反射し、赤外線及び紫外線を透過させ、
前記保持部材は、前記光束射出前方側の前記楕円リフレクタから突出する前記封止部を覆うように対向配置され、その側面に空気を導入する吸気口および前記空気を排出する排気口が形成されており、
前記保持部材は、前記副反射鏡を透過した赤外線及び紫外線を吸収する吸収部材が内側に配設された二重構造とされていることを特徴とする光源装置。 - 請求項1に記載の光源装置において、
前記吸気口に空気を供給するファンを有するとともに、
前記吸気口には導入された空気を整流する複数の羽根部材を有するルーバが設けられていることを特徴とする光源装置。 - 請求項2に記載の光源装置において、
前記吸収部材は、略円筒形の筒部を含んで形成され、
前記ファンから送風される空気流は、前記吸収部材の内周面に沿った向きで前記保持部材の前記吸気口に導入され、前記吸気口から導入された空気流は、前記楕円リフレクタおよび/または前記吸収部材の内周面に沿って廻るように流れることを特徴とする光源装置。 - 請求項2または請求項3に記載の光源装置において、
前記ファンは、空気流を吐出する吐出口を備え、
前記保持部材の前記吸気口と前記ファンの前記吐出口とがダクトにより接続されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項2から請求項4のいずれかに記載の光源装置において、
前記羽根部材は、前記吸気口の開口面に対し、該吸気口から前記発光部に向かって傾斜するように配置されていることを特徴とする光源装置。 - 請求項2から請求項5のいずれかに記載の光源装置において、
前記羽根部材は、前記吸収部材を切り起こした切り起こし片として、前記吸収部材と一体に形成されていることを特徴とする光源装置。 - 光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、拡大投写するプロジェクタであって、
請求項1から請求項6のいずれかに記載の光源装置を備えることを特徴とするプロジェクタ。
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