JP4056342B2 - Laminated film with reduced curl - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層フィルムに関する。さらに詳しくは、高分子フィルム上に透明導電膜等の無機薄膜を有する、カールが低減され、透過率を向上させた積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
各種表示素子或いは薄膜太陽電池の電極部には透明導電膜が用いられている。また、一般にそのような透明導電膜を有した透明電極基板にはガラスが用いられている。一方、近年の携帯移動端末の小型化・軽量化に伴って、透明電極基板にもさらなる軽量な部材が要求されている。また、素子の形状に自由度を持たせたいという要望が強まりつつある。そのため、基板材料としてはガラスに比べてより軽量で、且つ加工性に富む透明な高分子フィルムが用いられつつある。例えば、携帯電話や情報携帯端末には、透明な高分子フィルム上に透明導電膜が形成、加工された透明導電性積層体を用いて作成されたフィルム液晶が使用されている、或いは透明導電積層体を用いて作成されたタッチパネルが入力インターフェイスとして用いられている。また、高分子フィルムを基板として用いる有機EL素子や、電子ペーパーの開発も盛んに行われている。さらには、薄膜太陽電池においても透明導電膜を積層した透明導電積層体が用いられつつある。
【0003】
このような、高分子フィルム上に透明導電膜を形成されてなる透明導電性積層体は、かかるフィルム液晶素子やタッチパネル等の高次加工に際し様々な工程を経る。その際、透明導電性積層体が強くカールしていると、各種素子の作成が困難になり、特に透明導電積層体どうしを貼り合せる工程において、貼り合わせたフィルムが剥がれてしまうという事態が発生しかねない。このため、透明導電性積層体のカールは極力低減させることが好ましい。その一方で、線膨張係数の大きく異なる透明導電膜と高分子フィルムが熱を受けている状態を鑑みれば、カールが発生することは否めないが、問題は熱を受けた後にカールが残る点にある。これは、線膨張係数の差のみならず、何か別の要因が作用していると考えられるが、その本質については係る現在においても明確にはされていない。我々は種々の要因が複合的に作用して生じるというのが、カールの現状であると考えている。
【0004】
特許文献1には、高分子フィルム上に微粒子を含むハードコート層が形成された積層フィルムに関する発明が記載されている。微粒子の添加によりフィルムとハードコート層の密着性を高め、さらにハードコートの硬さとカールを改善することが開示されている。さらに、少なくとも2種類の有機または無機からなる微粒子を導入することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、無機酸窒化物からなる微粒子が混入された下地層が高分子フィルムと透明導電膜の間に形成された発明が記載されており、該下地層の効果として透明導電膜の密着性が改善され、耐擦傷性が向上すると記載されている。
【0006】
しかしながら、これらの特許文献には表示デバイス用の意図した透明導電膜を形成するということについての示唆・開示は無く、単にコート中に微粒子が混入されているものである。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−220487号公報(段落0005〜0009)
【0008】
【特許文献2】
特開2002−196871号公報(段落0007〜0008)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、高分子フィルムを基板としてその上に透明導電膜を積層するには、透明導電膜と高分子フィルムとの間に密着性を向上させるための、コート層が重要である。しかし、無機物である透明導電膜と有機物が主体となっている高分子フィルムでは十分な密着性が十分には確保できなかったのが現状である。
【0010】
そこで本発明は、高分子フィルム上に例えば透明導電膜などの無機薄膜を有する積層フィルムにおいて、カールが低減した積層フィルムを提供することを目的とする。
【0011】
特に、高分子フィルム上にコート層を介して設けられた透明導電膜を有してなる、カールが小さく、透明性が良好で、密着耐久性に優れた透明導電積層体を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、複合的な要因で発生すると考えられるカールについて、いくつかのモデルを立て、その中の一つである、透明導電膜とコート層との密着性に着目した。透明導電性積層体のカールは、種々の要因の複合的な表現として現れると考えることとする。その要因は全てが明らかになっているわけではないが、一つは、透明導電膜の形成時に発生する応力に起因していると考えられる。また、この応力が面内に均一に分布しているのではなく、透明導電膜が、通常該透明導電膜と高分子フィルムの間にあるコート層と密着が十分とはいえないために応力が不均一に高分子フィルムへ伝達されカールが発生していると考えた。そしてカール低減のためには透明導電膜とそのコート層の間の強い密着性並びに均一な応力伝達を達成できる均一な密着性が重要であると推察した。
【0013】
そして、透明導電膜とコート層との密着性がカール量の大小に密接な関係を持つことを知見した。
【0014】
一方、近年平均粒径が数十ナノメーターである無機酸化物超微粒子がその分散状態の改善により非常に実用性を増してきている。本発明者らはこの無機酸化物超微粒子を適用することを考えた。つまり、透明導電膜がその上に形成されてなるコート層中に分散させることで有機・無機の積層を有機・有機無機混合・無機という積層体とすることで透明導電膜とコート層の密着性が著しく改善されるのではないかと考えた。
【0015】
そして、無機酸化物超微粒子を透明導電膜と接するコート層表面に偏析させることにより、カールが低減し、かつ透明導電膜との密着性が向上することを見いだし、本発明を完成したものである。
【0016】
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
【0017】
高分子フィルムの少なくとも一方の面に無機薄膜が形成された積層フィルムにおいて、(i)当該高分子フィルムの一方の面と無機薄膜との間にあり、そして一次粒径が100nm未満である無機酸化物超微粒子、および、エネルギー線硬化型樹脂に対して0.01〜1.0phr(phrは固形分重量分率)の界面活性剤を含エネルギー線硬化型樹脂からなるコート層が該無機薄膜に接するようにして形成されてなり、かつ(ii)当該無機酸化物超微粒子が該無機薄膜と接するコート層の表面に偏析していることを特徴とする積層フィルム、である。
【0018】
このように、無機酸化物超微粒子がコート層の表面に偏析するということは、その無機酸化物超微粒子の膜(層)が形成されることに対応すると考えている。そして無機酸化物超微粒子の材料を適宜選択することにより、光線透過率を偏析させない場合に比べて高くすることができるという効果が副次的に発生した。また、密着性の向上に伴い、透明導電膜層の表面抵抗が低減するという効果も副次的に発生した。
【0019】
このような効果は、通常の0.1μm以上の一次粒径を持つ微粒子、一般的にはフィラーと呼ばれるようなサイズの微粒子においては観測できていなかった。これは、フィラーのサイズが大きいため、形成されてなるコート層の表面の凹凸が大きくなるためと思われる。と同時に、透明導電膜の膜厚の不均一さをもたらしていたために、透明導電膜とフィラーを添加されてなるコート層との密着性がむしろ悪化する傾向にあったと考えている。
【0020】
一方、一次粒径のサイズが従来の上記フィラーに比較して小さい本発明においては、単にコート層に無機酸化物超微粒子を分散させるのみならず、驚くべきことに界面活性剤を同時に添加することにより、コート層の表面エネルギーを改質し、その結果として無機酸化物超微粒子をコート層表面に偏析させることに成功したものである。そして、フィラーにて形成される表面に対して、極めて凹凸の小さな表面を無機酸化物超微粒子により形成することにより、透明導電膜との密着性を高めカールの低減に成功し、本発明を完成させるに至った。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について順次説明していく。
【0022】
本発明に使用される高分子フィルムを構成する高分子材料としては、熱可塑性高分子、硬化性高分子が挙げられる。中でも、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレートといったポリエステル系高分子、ポリオレフィン系高分子や、ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート等の熱可塑性高分子が挙げられる。これらは2種類以上併用してもよい。また光学的機能または熱力学的機能を付与するために、これらの高分子に第二、第三成分を共重合した、共重合高分子を用いることができる。
【0023】
特に、液晶表示素子のような光学用途にはビスフェノール成分を有する透明性が良好な芳香族ポリカーボネイトが望ましい。芳香族ポリカーボネイトの製法は特に限定されないが、はホスゲン法で重合し、溶液流延法によって作成されたフィルムが透明性、光学等方性等が良好である。
【0024】
かかるビスフェノール成分としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを挙げることができる。
【0025】
これらは2種類以上組み合わせてもよい。即ちかかる芳香族ポリカーボネイトは共重合ポリカーボネイトでもブレンド体でもよい。
【0026】
これらの高分子は、耐熱性の指標となるガラス転移温度が高いことが望ましい。例えばビスフェノールAタイプ(ビスフェノールAをビスフェノール成分としたもの)の芳香族ポリカーボネイトでは、150℃の耐熱温度がある。さらに9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンや9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを例えばビスフェノールAと共重合した芳香族ポリカーボネイトでは、共重合組成にもよるが、200℃近い耐熱温度がある。成形性、透明性、経済性等を考慮すると、共重合組成としては、ビスフェノールAが20〜70モル%であることが好ましい。このような高耐熱性を有する光学等方性の高分子フィルムは、液晶表示素子や有機発光ダイオウド素子、電子ペーパーの製造工程における熱履歴に対し安定であることから、これらの用途に好適である。
【0027】
さらに、新規機能を発現させるために複数の高分子をブレンドした高分子を用いることもできる。さらには、本発明に用いる高分子フィルムは、多層の共押出し高分子フィルムを用いることもできる。
【0028】
また、高分子フィルムの厚みとしては、0.01〜0.4mmのものを使用することができるが、0.1〜0.2mm程度が液晶等の光学用途としては視認性の観点より望ましい。また、0.01mm程度の高分子フィルムに形成した後、他の厚さの大きい高分子フィルムに粘着剤を介して貼り合わせて用いても構わない。
【0029】
さらに高分子フィルムは光学等方性が優れるものが好ましく、リターデーデョンが30nm以下、好ましくは15nm以下のものが好適である。
【0030】
本発明の積層フィルムは高分子フィルムとその少なくとも一方の面に無機酸化物超微粒子を含むエネルギー線硬化型樹脂層をコート層として設けてなるが、以下に該コート層について詳述する。
【0031】
エネルギー線硬化型樹脂に添加されてなる無機酸化物超微粒子としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウムおよび酸化セリウムからなる群より選ばれる1種類以上の無機超微粒子が挙げられる。これらは2種類以上併用することができる。
【0032】
上記無機酸化物超微粒子の一次粒径とは、平均粒子の大きさ(径)である。一次粒径は100nm未満である。一次粒径が100nm以上では、無機酸化物超微粒子の凹凸がコーティング層の表面に反映され、アンチグレア効果やアンチニュートンリング効果を呈すが、本発明の目的であるカールの低減には効果的ではない。無機酸化物超微粒子の一次粒径は小さいほど本発明の目的であるカール低減の効果はあるものの、無機酸化物超微粒子の分散が困難になる。無機酸化物超微粒子の一次粒径は、5nm程度が下限であると考えられる。しかし、分散技術が進歩することにより、さらに一次粒径を低減させることが可能になると考えられる。
【0033】
また、本発明における無機酸化物超微粒子は、エネルギー線硬化型樹脂に対して、固形分重量分率、すなわち硬化した樹脂の重量を基準にして5〜30phr含まれることが望ましい。5phrより少量の無機酸化物超微粒子が添加されると、カールの低減の効果が少ない。また、30phrより多量の無機酸化物超微粒子が添加されると20%以上の高いヘーズを発生することがある。好適には、10〜25phrである。
【0034】
本発明においては、エネルギー線硬化型樹脂からなるコート層中の無機酸化物超微粒子は、コート層表面に偏析した構造をとる。偏析した無機酸化物超微粒子の存在が、その上に形成されてなる透明導電膜等の無機薄膜との密着性を確保し、その結果、エネルギー硬化型樹脂等からなるコート層単体の上に無機薄膜を形成したときに比較してカールが小さくなっているものと考えている。無機酸化物超微粒子の偏析作用は、所謂ドライプロセスで無機酸化物層を形成するのとほぼ同じ効果があり、上記コート層とは異なる屈折率を持つことになる。この結果、典型的な有機物の屈折率より低い屈折率層をもうけることに相当し、この場合透過率が向上するという効果が得られている。そして、そのような効果は酸化ケイ素の無機酸化物超微粒子を用いるときに特に顕著に発現できる。
【0035】
本発明では、無機酸化物超微粒子がコート層の表面に偏析しているが、偏析とは、コート層の全膜厚の30%の厚みの表層領域において、無機酸化物超微粒子が略一列に配列している状態をいう。表面という見方をすれば、無機酸化物超微粒子がコート層の表面を埋め尽くすように整然と配列している状態を指している。
【0036】
上記のような無機酸化物超微粒子が偏析する構造は、エネルギー線硬化型樹脂に対して固形分重量分率、すなわち硬化した樹脂の重量を基準として、0.01〜1.0phrの界面活性剤が含まれていることによって発現することができる。かかる界面活性剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤を挙げることができる。特に、シリコン系、フッ素系の界面活性剤が望ましい。界面活性剤が0.01phrを下回ると無機酸化物超微粒子のエネルギー線硬化型樹脂中での分散が悪くなる。一方、1.0phrを越えると、界面活性剤が表面に高濃度に析出し、無機薄膜、特に透明導電膜との密着性が悪くなってしまう。より好適には0.03〜0.7phrである。かかる界面活性剤はコート層形成時にエネルギー線硬化型樹脂中に添加混合することができる。
【0037】
本発明では、エネルギー線硬化型樹脂を用いてコート層を形成しているが、これらは、放射線、紫外線、電子線、X線、ガンマ線、熱線からなる群の少なくとも1種類以上の線によって硬化させることができる樹脂である。このような樹脂は単独で使用しても良いし、複数を混合して使用しても良い。主として、紫外線や電子線によって硬化させることができる樹脂としては、紫外線硬化性アクリル樹脂等を挙げることができる。熱線によって硬化させることができる樹脂としては、エポキシ樹脂、有機ポリシロキサン系樹脂のような珪素含有樹脂を挙げることができる。広義にはメラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルコキシド樹脂等も含むことが可能である。樹脂層を用いて形成されるコート層は膜厚を0.1〜10μmとするのが望ましい。特に望ましいのは1〜5μmである。
【0038】
本発明におけるコート層は高分子フィルムの少なくとも片方の面に形成することができるが、無論両面に形成することが可能である。このとき、無機薄膜を形成する面には無機酸化物超微粒子を好ましくは界面活性剤とともに添加したコート層を形成するのであるが、高分子フィルムを挟んで反対側の無機薄膜を形成しない面側のコート層はこれらの構成要件を満たしていなくても構わない。即ち無機酸化物超微粒子が添加されていないエネルギー線硬化型樹脂層が形成されても良い。さらに無機薄膜を形成しない面に形成されてなるエネルギー線硬化型樹脂層にはフィルムの滑り性を確保するために、0.1〜10μmの大きさのフィラーが入っていても構わない。フィラーは透明性と滑り性が確保できれば、有機物・無機物の種類を問わない。
【0039】
本発明における無機薄膜は、用途や機能に応じて適宜選択することができる。例えば、表示体の電極などに用いる場合は透明導電膜が好適である。水や酸素等の透過を抑える場合はバリア膜として機能する膜が好適である。かかる透明導電膜としては酸化インジウムを主たる材料とするものが透明性、導電性、成形性等に優れている。
【0040】
該透明導電膜は、酸化錫を3〜20重量%含む透明導電膜を用いることができる。酸化錫の量が3重量%より小さくなると、結晶化が進みすぎてクラックが入ることが多くなる。また、20重量%より多くなると、酸化錫に由来する黄色味が著しく強くなる。より好ましくは3〜10重量%である。
【0041】
あるいは上記透明導電膜では、酸化インジウムを主たる材料として酸化亜鉛を5〜20重量%添加させた透明導電膜を用いることもできる。酸化亜鉛を含んだ透明導電膜は、酸化亜鉛の量が7.5〜20重量%の範囲で非晶質の透明導電膜になる。また、この膜の結晶転移温度は200℃以上であり、実用的な高分子基板の温度範囲において非晶質を維持することができる。酸化インジウムに酸化錫を添加するか酸化亜鉛を添加するかは、透明導電積層体の使用される用途によって決定される。特に耐熱性が必要な工程を含む素子形成に際しては酸化インジウムに酸化亜鉛を添加した透明導電膜を用いることが望ましい。
【0042】
バリア膜としての無機薄膜としては、例えばSi、Al,In、Zn、Ti、Ta、SiAl合金、等の酸化物、窒化物、酸窒化物からなるものが挙げられる。具体的には、酸化ケイ素、窒化珪素、酸窒化珪素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム等が経済性、成形性、透明性が良好である。
【0043】
本発明における、透明導電膜等の無機薄膜の形成手法としては、例えばDCマグネトロンスパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレーザーデポジション法、これらを複合した物理的形成法等を用いることができるが、大面積に対して均一な膜厚の透明導電膜を形成するという工業生産性に着目すると、DCマグネトロンスパッタリング法が望ましい。なお、バリア膜の場合は、上記物理的形成法のほかに、Chemical Vapor Deposition(以下CVD)、ゾルゲル法などの化学的形成法を用いることもできる。
【0044】
スパッタリングに用いるターゲットは酸化物焼結ターゲットを用いることが望ましいが、金属インジウムに金属錫または金属亜鉛を添加した合金ターゲットを用いる、反応性スパッタ法を用いても構わない。
【0045】
本発明では、酸化物焼結ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタリング法により上記透明導電膜を製膜する場合は、該透明導電膜を製膜する真空槽中の圧力(背圧)を一旦1.3×10-4Pa以下とし、次いで不活性ガス及び酸素を導入する製造方法にて形成することができる。透明導電膜を製膜する真空槽中の圧力は一旦1.3×10-4Pa以下にすることが、真空槽中に残留し、且つ透明導電膜の特性に影響を与えることが懸念される分子種の影響を低減できるので望ましい。より望ましくは、5×10-5Pa以下、さらに望ましくは2×10-5Pa以下である。
【0046】
次いで導入される不活性ガスとしては、例えばHe、Ne、Ar、Kr、Xeを用いることができ、原子量の大きな不活性ガスほど形成される膜へのダメージが少なく表面平坦性が向上すると言われている。しかし、コスト面を考えるとArが望ましい。この不活性ガスには膜中に取り込まれる酸素濃度を調整するために、分圧に換算して1.3×10-4〜7×10-2Pa台の酸素を添加しても構わない。さらに、酸素の他にO3、N2、N2O、H2O、NH3等を目的に応じて用いることができる。
【0047】
また、本発明では、透明導電膜を製膜する真空槽中の水の分圧を1.3×10-4Pa以下とし、次いで不活性ガス及び酸素を導入する製造方法にて形成することができる。水の分圧は、より望ましくは、4×10-5Pa以下、さらに望ましくは2×10-5Pa以下に制御できる。しかし、非晶質での状態を変化させるために、水を意図的に1.3×10-4〜3×10-2Paの範囲で導入しても構わない。この調整は、一旦真空を形成した後に、バリアブルリークバルブやマスフローコントローラーを用いて水を導入することで行っても良い。また、真空槽の背圧を制御することによっても実施することができる。
【0048】
本発明における水分圧を決定するときには、差動排気型のインプロセスモニターを用いても良い。またはダイナミックレンジが広く、0.1Pa台の圧力下においても計測が可能な四重極質量分析計を用いても良い。また、一般的に、1.3×10-5Pa程度の真空度においては、その圧力を形成しているのは水である。よって、真空計によって計測された値をそのまま水分圧と考えても構わない。
【0049】
本発明においては、基板として高分子フィルムを用いるため、基板温度を当該高分子フィルムの軟化点温度より上昇させることはまずできない。よって、無機薄膜を形成するためには、高分子フィルムの温度は室温以下程度から軟化点温度以下とする必要がある。代表的な高分子フィルムであるポリエチレンテレフタレートの場合、特別な処理を行わないときは基板温度を80℃以下の温度に保ったまま導電膜等の無機薄膜を形成することが望ましい。より望ましくは50℃以下の基板温度にて、さらに望ましくは20℃以下である。また、耐熱高分子の上であっても、高分子フィルムからのアウトガスの制御という観点より80℃以下、より望ましくは50℃以下、さらに望ましくは20℃以下に設定した基板温度で形成することが望ましい。
【0050】
本発明のエネルギー線硬化型樹脂よりなるコート層は高分子フィルムとの密着性を向上させるために、アンカー層を設けることができる。アンカー層には、紫外線硬化性アクリル樹脂、エポキシ樹脂、有機ポリシロキサン系樹脂のような珪素含有樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルコキシド樹脂を用いることができる。アンカー層の膜厚は0.01〜5μmにすることが望ましい。5μmを超えると、高分子フィルムとの密着性が逆に悪くなってしまう。0.01μm以下では均一な膜形成ができなくなってしまう。特に望ましいのは、0.1〜3μmである。あるいはアンカー層としては、無機物または有機物またはそれらの複合材料とすることができ、アンカー層の形成にはコーターを用いた塗布法や、スプレー法、スピンコート法、インラインコート法等が用いられることが多いが、この限りではない。また、スパッタ法、蒸着法といった、物理的形成法、CVDの手法が用いられても構わない。物理的形成法、CVDの手法を用いた場合では、例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物や、窒化珪素、窒化チタン、窒化タンタル等の窒化物、酸化窒化珪素のような酸窒化物、あるいは、弗化マグネシウム、弗化カルシウム等の弗化物を単体あるいは混合したものを形成して用いることができる。無論、光学特性としてレターデーションが低く、尚且つ透過率が高いことが望ましい。
【0051】
上記説明からあきらかなように、本発明の好適な実施の態様は次のとおりである。
【0052】
高分子フィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜が形成された積層フィルムにおいて、(i)当該高分子フィルムの一方の面と透明導電膜との間にあり、そして一次粒径が100nm未満である無機酸化物超微粒子、および、エネルギー線硬化型樹脂に対して0.01〜1.0phr(phrは固形分重量分率)の界面活性剤を含エネルギー線硬化型樹脂からなるコート層が該透明導電膜に接するようにして形成されてなり、かつ(ii)当該無機酸化物超微粒子が該透明導電膜と接するコート層の表面に偏析している透明導電積層体であり、該透明導電膜が、酸化インジウムを主成分としたものである透明導電積層体である。
【0053】
【実施例】
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0054】
透明導電膜の比抵抗は、四端子抵抗計である三菱化学製LorestaMP MCP−T350を用いて表面抵抗を測定し、蛍光X線法で測定した膜厚の積として計算で求めた。
【0055】
全光線透過率、濁度は、日本電色社製A300で測定した。
【0056】
透過型電子顕微鏡写真は、高分子フィルムの断面方向の切片を日本電子社製JEM−2010にて観察した。
【0057】
カールは、次の方法で定義し測定した。まず、作成された透明導電積層体を10cm×10cmの正方形に切り出し、水平を保った平坦な台の上に透明導電膜を下側になるように静置する。このとき、透明導電膜を凸にするように透明導電積層体が撓んでいれば、カール量を正とし、透明導電膜を凹にするように透明導電積層体が撓んでいればカール量を負と定義した。そして、正方形の4角が台から浮いている量、即ち4角の台からの高さを測定し、それら4点の平均値をカール量として定義した。
【0058】
密着性は、クロスカット法を用いて測定した。積層体表面にカッターによって1mm×1mmの升目を100個作製し、その上にセロテープ(ニチバン社製)を貼り付けた後、該セロテープを剥がしたときに積層体の一部がフィルム基材に残った升目の数を計測することで評価した。即ち100/100が最もよく、0/100は全部剥がれてしまうことを意味すると定義した。
【0059】
[実施例1]
基板として、ビスフェノールA(1モル)と9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(1モル)を定法により共重合して得た共重合ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解させ、溶液流延法により厚さ120μmのポリカーボネイトフィルムを作成した。このフィルムの両面に、無機酸化物超微粒子として一次粒径が20nmの酸化ケイ素を20phr含み、界面活性剤としてSH28PA(東レダウコーニング社製)を0.3phr含むアクリル系紫外線硬化型樹脂を3μmの厚みで形成しコート層を作成した。無機酸化物超微粒子の使用量および界面活性剤の使用量は、硬化したときの樹脂の重量を基準としてその添加量を決定した(以下の実施例も同様)。
【0060】
このように作成したフィルムをスパッタリングチャンバーに投入し、到達真空度を1.3E−5Pa以下とした後、酸素を5.3E−3Pa導入した。そこへ、プロセスガスとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。そして、5wt%の酸化錫を含む酸化インジウム焼結ターゲットに2W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、このフィルムのコート層上に透明導電膜を125nm積層し、積層フィルムとして透明導電積層体を得た。
【0061】
この積層体の、成膜直後の比抵抗は5.7E−4Ω・cmであり、全光線透過率は87%であった。この透明導電積層体のカール量は+10mmであった。
【0062】
この積層体に130℃2時間の熱処理を実施した。その結果、比抵抗は5.1E−4Ω・cmになり、全光線透過率は89%であった。透明導電積層体のカール量は+21mmであった。
【0063】
実施例、比較例での無機酸化物超微粒子及び界面活性剤の添加量、カール量は、表1にも示した。
【0064】
[実施例2]
基板として、ビスフェノールA(1モル)と9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(1モル)を定法により共重合して得た共重合ポリカーボネートを塩化メチレンに溶解させ、溶液流延法により厚さ120μmのポリカーボネイトフィルムを作成した。このフィルムの両面に、無機酸化物超微粒子として一次粒径が20nmの酸化ケイ素を20phr含み、界面活性剤としてSH28PA(東レダウコーニング社製)を0.1phr含むアクリル系紫外線硬化型樹脂を3μmの厚みで形成しコート層を作成した。
【0065】
このように作成したフィルムをスパッタリングチャンバーに投入し、到達真空度を1.3E−5Pa以下とした後、酸素を5.3E−3Pa導入した。そこへ、プロセスガスとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。そして、5wt%の酸化錫を含む酸化インジウム焼結ターゲットに2W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、このフィルムのコート層上に透明導電膜を125nm積層し、透明導電積層体を得た。
【0066】
この積層体の、成膜直後の比抵抗は5.4E−4Ω・cmであり、全光線透過率は87%であった。この透明導電積層体のカール量は+9mmであった。
【0067】
この積層体に130℃2時間の熱処理を実施した。その結果、比抵抗は4.5E−4Ω・cmになり、全光線透過率は89%であった。透明導電積層体のカール量は+20mmであった。
【0068】
[実施例3]
基板として、厚さ120μmのポリカーボネイトフィルム(ピュアエース:帝人製)の両面に、無機酸化物超微粒子として一次粒径が20nmの酸化ケイ素を20phr含み、界面活性剤としてSH28PA(東レダウコーニング社製)を0.5phr含むアクリル系紫外線硬化型樹脂を3μmの厚みで形成しコート層を作成した。
【0069】
このように作成したフィルムをスパッタリングチャンバーに投入し、到達真空度を1.3E−5Pa以下とした後、酸素を5.3E−3Pa導入した。そこへ、プロセスガスとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。そして、5wt%の酸化錫を含む酸化インジウム焼結ターゲットに2W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、このフィルムのコート層上に透明導電膜を125nm積層し、透明導電積層体を得た。
【0070】
この積層体の、成膜直後の比抵抗は5.6E−4Ω・cmであり、全光線透過率は88%であった。この透明導電積層体のカール量は+12mmであった。
【0071】
この積層体に130℃2時間の熱処理を実施した。その結果、比抵抗は4.0E−4Ω・cmになり、全光線透過率は89%であった。透明導電積層体のカール量は+19mmであった。
【0072】
[実施例4]
基板として、厚さ120μmのポリカーボネイトフィルム(ピュアエース:帝人製)の両面に、無機酸化物超微粒子として一次粒径が20nmの酸化ケイ素を20phr含み、界面活性剤としてSH28PA(東レダウコーニング社製)を0.3phr含むアクリル系紫外線硬化型樹脂を3μmの厚みで形成しコート層を作成した。図1に、透過型電子顕微鏡による透明導電膜形成前のフィルムの断面写真を示した。無機酸化物超微粒子が、コート層の表面に偏析している様子が確認できている。
【0073】
このように作成したフィルムをスパッタリングチャンバーに投入し、到達真空度を1.3E−5Pa以下とした後、酸素を5.3E−3Pa導入した。そこへ、プロセスガスとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。そして、5wt%の酸化錫を含む酸化インジウム焼結ターゲットに2W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、このフィルムのコート層上に透明導電膜を125nm積層し、透明導電積層体を得た。
【0074】
この積層体の、成膜直後の比抵抗は5.4E−4Ω・cmであり、全光線透過率は88%であった。この透明導電積層体のカール量は+9mmであった。
【0075】
この積層体に130℃2時間の熱処理を実施した。その結果、比抵抗は3.9E−4Ω・cmになり、全光線透過率は89%であった。透明導電積層体のカール量は+17mmであった。透明導電膜の密着性をクロスカット法で評価したところ100/100であり剥がれはなかった。
【0076】
[実施例5]
基板として、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートの両面に、無機酸化物超微粒子として一次粒径が20nmの酸化ケイ素を20phr含み、界面活性剤としてSH28PA(東レダウコーニング社製)を0.3phr含むアクリル系紫外線硬化型樹脂を3μmの厚みで形成しコート層を作成した。
【0077】
このように作成したフィルムをスパッタリングチャンバーに投入し、到達真空度を1.3E−5Pa以下とした後、酸素を5.3E−3Pa導入した。そこへ、プロセスガスとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。そして、5wt%の酸化錫を含む酸化インジウム焼結ターゲットに2W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、このフィルムのコート層上に透明導電膜を125nm積層し、透明導電積層体を得た。
【0078】
この積層体の、成膜直後の比抵抗は6.0E−4Ω・cmであり、全光線透過率は88%であった。この透明導電積層体のカール量は+5mmであった。
【0079】
この積層体に130℃2時間の熱処理を実施した。その結果、比抵抗は4.9E−4Ω・cmになり、全光線透過率は89%であった。透明導電積層体のカール量は+9mmであった。
【0080】
[実施例6]
基板として、厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートの両面に、無機酸化物超微粒子として一次粒径が50nmの酸化亜鉛を20phr含み、界面活性剤としてSH28PA(東レダウコーニング社製)を0.3phr含むアクリル系紫外線硬化型樹脂を3μmの厚みで形成しコート層を作成した。
【0081】
このように作成したフィルムをスパッタリングチャンバーに投入し、到達真空度を1.3E−5Pa以下とした後、酸素を5.3E−3Pa導入した。そこへ、プロセスガスとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。そして、5wt%の酸化錫を含む酸化インジウム焼結ターゲットに2W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、このフィルムのコート層上に透明導電膜を125nm積層し、透明導電積層体を得た。
【0082】
この積層体の、成膜直後の比抵抗は5.4E−4Ω・cmであり、全光線透過率は87%であった。この透明導電積層体のカール量は+6mmであった。
【0083】
この積層体に130℃2時間の熱処理を実施した。その結果、比抵抗は4.4E−4Ω・cmになり、全光線透過率は88%であった。透明導電積層体のカール量は+10mmであった。
【0084】
[比較例1]
基板として、厚さ120μmのポリカーボネイト(ピュアエース:帝人製)の両面に、アクリル系紫外線硬化型樹脂を3μmの厚みで形成しコート層を作成した。
【0085】
このように作成したフィルムをスパッタリングチャンバーに投入し、到達真空度を1.3E−5Pa以下とした後、酸素を5.3E−3Pa導入した。そこへ、プロセスガスとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。そして、5wt%の酸化錫を含む酸化インジウム焼結ターゲットに2W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、このフィルムのコート層上に透明導電膜を125nm積層し、透明導電積層体を得た。
【0086】
この積層体の、成膜直後の比抵抗は7.1E−4Ω・cmであり、全光線透過率は86%であった。この透明導電積層体のカール量は+18mmであった。
【0087】
この積層体に130℃2時間の熱処理を実施した。その結果、比抵抗は5.1E−4Ω・cmになり、全光線透過率は87%であった。透明導電積層体のカール量は+24mmであった。またコート層にクラックが発生し、透明導電膜にもクラックが発生し始めていた。
【0088】
[比較例2]
基板として、厚さ120μmのポリカーボネイト(ピュアエース:帝人製)の両面に、無機酸化物超微粒子として一次粒径が20nmの酸化ケイ素を20phr含むアクリル系紫外線硬化型樹脂を3μmの厚みで形成しコート層を作成した。このフィルムの断面の透過型電子顕微鏡写真像を図2に示した。実施例である図1と異なりコート層表面に無機酸化物超微粒子の偏析層が形成されていない。
【0089】
このように作成したフィルムをスパッタリングチャンバーに投入し、到達真空度を1.3E−5Pa以下とした後、酸素を5.3E−3Pa導入した。そこへ、プロセスガスとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。そして、5wt%の酸化錫を含む酸化インジウム焼結ターゲットに2W/cm2の電力密度で電力を投入し、DCマグネトロンスパッタリング法により、このフィルムのコート層上に透明導電膜を125nm積層し、透明導電積層体を得た。
【0090】
この積層体の、成膜直後の比抵抗は6.9E−4Ω・cmであり、全光線透過率は85%であった。この透明導電積層体のカール量は+17mmであった。
【0091】
この積層体に130℃2時間の熱処理を実施した。その結果、比抵抗は5.8E−4Ω・cmになり、全光線透過率は86%であった。透明導電積層体のカール量は+23mmであった。また、コート層にクラックが発生し、透明導電膜にもクラックが発生し始めていた。また、透明導電膜層の密着性をクロスカット法にて評価したところ、100/100で完全な剥がれは無かったものの、エッジ剥がれが若干観測された。
【0092】
【表1】

Figure 0004056342
共重合PC:共重合ポリカーボネート
PC:ポリカーボネート
PET:ポリエチレンテレフタレート
【0093】
【発明の効果】
本発明の積層フィルム、特に透明導電積層体は、透明導電膜を形成した際に発生し問題となるカールを抑制し、コート層と当該透明導電膜との密着性も良好であり、液晶表示素子・タッチパネル・有機発光ダイオウド素子・各種電子ペーパーの基板として好適な透明導電積層体を供給するができる。
【0094】
さらに本発明の積層フィルムはカールを低減するだけでなく、光線透過率が高く透明性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4におけるコート層断面の透過型電子顕微鏡の写真である。
【図2】比較例2におけるコート層断面の透過型電子顕微鏡の写真である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a laminated film. More specifically, the present invention relates to a laminated film having an inorganic thin film such as a transparent conductive film on a polymer film, with reduced curl and improved transmittance.
[0002]
[Prior art]
A transparent conductive film is used for electrode portions of various display elements or thin film solar cells. In general, glass is used for a transparent electrode substrate having such a transparent conductive film. On the other hand, with the recent reduction in size and weight of portable mobile terminals, a further lightweight member is also required for the transparent electrode substrate. In addition, there is an increasing demand for a degree of freedom in the element shape. Therefore, a transparent polymer film that is lighter and more workable than glass is being used as a substrate material. For example, a cellular phone or an information portable terminal uses a film liquid crystal formed by using a transparent conductive laminate in which a transparent conductive film is formed and processed on a transparent polymer film, or a transparent conductive laminate. A touch panel created using a body is used as an input interface. In addition, organic EL elements using a polymer film as a substrate and electronic paper have been actively developed. Furthermore, a transparent conductive laminate in which a transparent conductive film is laminated is also being used in a thin film solar cell.
[0003]
Such a transparent conductive laminate formed by forming a transparent conductive film on a polymer film undergoes various processes in the high-order processing of such a film liquid crystal element and a touch panel. At that time, if the transparent conductive laminate is strongly curled, it becomes difficult to create various elements, and in particular, in the process of bonding the transparent conductive laminates, a situation occurs in which the bonded film is peeled off. It might be. For this reason, it is preferable to reduce the curl of the transparent conductive laminate as much as possible. On the other hand, in view of the state where the transparent conductive film and the polymer film having greatly different linear expansion coefficients are subjected to heat, it cannot be denied that curling occurs, but the problem is that the curl remains after receiving heat. is there. This is considered to be caused by not only a difference in linear expansion coefficient but also some other factor, but its essence is not clarified even at present. We think that the current situation of Karl is that various factors act in a complex manner.
[0004]
Patent Document 1 describes an invention relating to a laminated film in which a hard coat layer containing fine particles is formed on a polymer film. It is disclosed that the adhesion between the film and the hard coat layer is improved by adding fine particles, and further the hardness and curl of the hard coat are improved. Furthermore, it describes that at least two kinds of fine particles made of organic or inorganic are introduced.
[0005]
Patent Document 2 describes an invention in which a base layer mixed with fine particles of inorganic oxynitride is formed between a polymer film and a transparent conductive film. It is described that adhesion is improved and scratch resistance is improved.
[0006]
However, in these patent documents, there is no suggestion / disclosure about forming an intended transparent conductive film for a display device, and only fine particles are mixed in the coat.
[0007]
[Patent Document 1]
JP 2002-220487 A (paragraphs 0005 to 0009)
[0008]
[Patent Document 2]
JP 20021966871 (paragraphs 0007 to 0008)
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in order to laminate a transparent conductive film on a polymer film as a substrate, a coat layer for improving adhesion between the transparent conductive film and the polymer film is important. However, the present situation is that sufficient adhesion cannot be sufficiently secured with a polymer film mainly composed of a transparent conductive film which is an inorganic substance and an organic substance.
[0010]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a laminated film having reduced curl in a laminated film having an inorganic thin film such as a transparent conductive film on a polymer film.
[0011]
In particular, an object of the present invention is to provide a transparent conductive laminate having a transparent conductive film provided on a polymer film via a coating layer, having small curl, good transparency, and excellent adhesion durability. And
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The inventors of the present invention made several models for curls that are considered to be caused by complex factors, and focused on the adhesion between the transparent conductive film and the coating layer, which is one of them. The curl of the transparent conductive laminate is considered to appear as a complex expression of various factors. Not all of the factors have been clarified, but one is considered to be due to the stress generated during the formation of the transparent conductive film. In addition, this stress is not uniformly distributed in the plane, but the transparent conductive film usually does not have sufficient adhesion with the coat layer between the transparent conductive film and the polymer film, so the stress is It was thought that curls were generated due to non-uniform transmission to the polymer film. In order to reduce the curl, it was inferred that strong adhesion between the transparent conductive film and the coating layer and uniform adhesion capable of achieving uniform stress transmission are important.
[0013]
And it discovered that the adhesiveness of a transparent conductive film and a coating layer had a close relationship with the magnitude of curl amount.
[0014]
On the other hand, inorganic oxide ultrafine particles having an average particle diameter of several tens of nanometers have recently been highly practical due to the improved dispersion state. The present inventors considered to apply these inorganic oxide ultrafine particles. In other words, the adhesion between the transparent conductive film and the coating layer is achieved by making the organic / inorganic laminate into an organic / organic / inorganic mixed / inorganic laminate by dispersing the transparent conductive film in the coating layer formed thereon. I thought that it might be remarkably improved.
[0015]
The present invention has been completed by finding that curling is reduced and adhesion with the transparent conductive film is improved by segregating the inorganic oxide ultrafine particles on the surface of the coating layer in contact with the transparent conductive film. .
[0016]
That is, the present invention is as follows.
[0017]
In a laminated film in which an inorganic thin film is formed on at least one surface of a polymer film, (i) an inorganic oxide that is between one surface of the polymer film and the inorganic thin film and has a primary particle size of less than 100 nm Ultrafine particles And 0.01 to 1.0 phr (phr is a solid content weight fraction) surfactant for the energy ray curable resin Including Mu A coating layer made of an energy beam curable resin is formed in contact with the inorganic thin film; and (ii) the inorganic oxide ultrafine particles are segregated on the surface of the coating layer in contact with the inorganic thin film. It is the laminated film characterized.
[0018]
Thus, it is thought that that the inorganic oxide ultrafine particles segregate on the surface of the coating layer corresponds to the formation of a film (layer) of the inorganic oxide ultrafine particles. Then, by appropriately selecting the material of the inorganic oxide ultrafine particles, an effect that the light transmittance can be increased as compared with the case where the light transmittance is not segregated is generated as a secondary effect. Moreover, the effect that the surface resistance of a transparent conductive film layer reduced with the improvement of adhesiveness also generate | occur | produced secondary.
[0019]
Such an effect could not be observed for fine particles having a primary particle diameter of 0.1 μm or more, generally fine particles having a size called a filler. This seems to be because the unevenness of the surface of the formed coating layer increases because the size of the filler is large. At the same time, since the film thickness of the transparent conductive film is non-uniform, it is considered that the adhesion between the transparent conductive film and the coating layer to which the filler is added tends to deteriorate.
[0020]
On the other hand, in the present invention in which the size of the primary particle size is smaller than that of the conventional filler, not only the inorganic oxide ultrafine particles are simply dispersed in the coating layer, but also a surfactant is added at the same time. As a result, the surface energy of the coating layer was modified, and as a result, the inorganic oxide ultrafine particles were successfully segregated on the surface of the coating layer. And by forming the surface with extremely small irregularities with the inorganic oxide ultrafine particles with respect to the surface formed by the filler, the adhesion with the transparent conductive film was improved and curl was successfully reduced, and the present invention was completed. I came to let you.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described sequentially.
[0022]
Examples of the polymer material constituting the polymer film used in the present invention include thermoplastic polymers and curable polymers. Among them, for example, polyester polymers such as polyethylene terephthalate and polyethylene 2,6 naphthalate, polyolefin polymers, and thermoplastic polymers such as polycarbonate, polyethersulfone, and polyarylate are exemplified. Two or more of these may be used in combination. In order to impart an optical function or a thermodynamic function, a copolymerized polymer obtained by copolymerizing these polymers with the second and third components can be used.
[0023]
In particular, an aromatic polycarbonate having a bisphenol component and good transparency is desirable for optical applications such as liquid crystal display elements. The production method of the aromatic polycarbonate is not particularly limited, but the film prepared by the phosgene method and prepared by the solution casting method has good transparency, optical isotropy, and the like.
[0024]
Examples of the bisphenol component include 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (bisphenol A), 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane (bisphenol Z), and 1,1-bis (4- Hydroxyphenyl) -3,3,5-trimethylcyclohexane, 9,9-bis (4-hydroxyphenyl) fluorene, 9,9-bis (3-methyl-4-hydroxyphenyl) fluorene.
[0025]
Two or more of these may be combined. That is, the aromatic polycarbonate may be a copolymer polycarbonate or a blend.
[0026]
These polymers desirably have a high glass transition temperature, which is an index of heat resistance. For example, an aromatic polycarbonate of the bisphenol A type (with bisphenol A as a bisphenol component) has a heat resistant temperature of 150 ° C. Furthermore, in the aromatic polycarbonate in which 9,9-bis (4-hydroxyphenyl) fluorene or 9,9-bis (3-methyl-4-hydroxyphenyl) fluorene is copolymerized with, for example, bisphenol A, it depends on the copolymer composition. There is a heat resistant temperature close to 200 ° C. In consideration of moldability, transparency, economy, etc., the copolymer composition is preferably 20 to 70 mol% of bisphenol A. Such an optically isotropic polymer film having high heat resistance is suitable for these applications because it is stable against the thermal history in the manufacturing process of liquid crystal display elements, organic light emitting diode elements, and electronic paper. .
[0027]
Furthermore, a polymer obtained by blending a plurality of polymers can be used in order to develop a new function. Furthermore, a multilayer coextruded polymer film can be used as the polymer film used in the present invention.
[0028]
Moreover, as a thickness of a polymer film, a film having a thickness of 0.01 to 0.4 mm can be used, but about 0.1 to 0.2 mm is desirable from the viewpoint of visibility for optical applications such as liquid crystal. Further, after forming a polymer film of about 0.01 mm, it may be used by being bonded to another polymer film having a large thickness via an adhesive.
[0029]
Furthermore, the polymer film preferably has excellent optical isotropy, and a retardation of 30 nm or less, preferably 15 nm or less is suitable.
[0030]
The laminated film of the present invention is provided with a polymer film and an energy ray curable resin layer containing inorganic oxide ultrafine particles as a coating layer on at least one surface thereof. The coating layer will be described in detail below.
[0031]
Examples of the inorganic oxide ultrafine particles added to the energy ray curable resin include one or more inorganic ultrafine particles selected from the group consisting of silicon oxide, aluminum oxide, titanium oxide, zinc oxide, germanium oxide, and cerium oxide. Is mentioned. Two or more of these can be used in combination.
[0032]
The primary particle diameter of the inorganic oxide ultrafine particles is the average particle size (diameter). The primary particle size is less than 100 nm. When the primary particle size is 100 nm or more, the irregularities of the inorganic oxide ultrafine particles are reflected on the surface of the coating layer and exhibit an antiglare effect and an anti-Newton ring effect, but are not effective for curling reduction, which is the object of the present invention. . The smaller the primary particle diameter of the inorganic oxide ultrafine particles, the more effective curling reduction is the purpose of the present invention, but the dispersion of the inorganic oxide ultrafine particles becomes difficult. The primary particle size of the inorganic oxide ultrafine particles is considered to be about 5 nm as the lower limit. However, it is considered that the primary particle size can be further reduced as the dispersion technology advances.
[0033]
In addition, it is desirable that the inorganic oxide ultrafine particles in the present invention be contained in an amount of 5 to 30 phr based on the solid content weight fraction, that is, the weight of the cured resin, with respect to the energy ray curable resin. When an amount of ultrafine inorganic oxide particles of less than 5 phr is added, the curl reduction effect is small. In addition, when a large amount of ultrafine inorganic oxide particles of more than 30 phr is added, a high haze of 20% or more may be generated. Preferably, it is 10-25 phr.
[0034]
In the present invention, the inorganic oxide ultrafine particles in the coating layer made of the energy beam curable resin have a structure segregated on the surface of the coating layer. The presence of segregated inorganic oxide ultrafine particles ensures adhesion to an inorganic thin film such as a transparent conductive film formed thereon, and as a result, the inorganic layer is formed on a single coat layer made of an energy curable resin. The curl is considered to be smaller than when the thin film is formed. The segregation action of the inorganic oxide ultrafine particles has almost the same effect as the formation of the inorganic oxide layer by a so-called dry process, and has a refractive index different from that of the coating layer. As a result, this corresponds to forming a refractive index layer lower than the refractive index of a typical organic substance, and in this case, the effect of improving the transmittance is obtained. Such an effect can be particularly prominent when using inorganic oxide ultrafine particles of silicon oxide.
[0035]
In the present invention, the inorganic oxide ultrafine particles are segregated on the surface of the coat layer. In the segregation, the inorganic oxide ultrafine particles are substantially aligned in a surface layer region of 30% of the total thickness of the coat layer. The state of arrangement. From the viewpoint of the surface, it indicates a state where the inorganic oxide ultrafine particles are arranged in an orderly manner so as to fill the surface of the coat layer.
[0036]
The above-described structure in which the ultrafine inorganic oxide particles are segregated is 0.01 to 1.0 phr of surfactant based on the weight fraction of the solid content with respect to the energy ray curable resin, that is, the weight of the cured resin. Can be expressed. Examples of such surfactants include anionic surfactants, cationic surfactants, amphoteric surfactants, and nonionic surfactants. In particular, a silicon-based or fluorine-based surfactant is desirable. When the surfactant is less than 0.01 phr, the dispersion of the inorganic oxide ultrafine particles in the energy ray curable resin becomes worse. On the other hand, when it exceeds 1.0 phr, the surfactant is deposited at a high concentration on the surface, and the adhesion to an inorganic thin film, particularly a transparent conductive film, is deteriorated. More preferably, it is 0.03-0.7 phr. Such a surfactant can be added and mixed in the energy ray curable resin when forming the coat layer.
[0037]
In the present invention, the coating layer is formed using the energy ray curable resin, but these are cured by at least one kind of rays in the group consisting of radiation, ultraviolet rays, electron beams, X rays, gamma rays, and heat rays. It is a resin that can. Such resins may be used alone or in combination. Examples of the resin that can be cured mainly by ultraviolet rays or electron beams include ultraviolet curable acrylic resins. Examples of the resin that can be cured by heat rays include silicon-containing resins such as epoxy resins and organic polysiloxane resins. In a broad sense, melamine resin, urethane resin, alkoxide resin, and the like can also be included. The coat layer formed using the resin layer preferably has a thickness of 0.1 to 10 μm. Particularly desirable is 1 to 5 μm.
[0038]
The coating layer in the present invention can be formed on at least one side of the polymer film, but it is possible to form it on both sides. At this time, a coating layer in which inorganic oxide ultrafine particles are preferably added together with a surfactant is formed on the surface on which the inorganic thin film is formed, but the surface side on which the opposite inorganic thin film is not formed across the polymer film The coat layer may not satisfy these constituent requirements. That is, an energy ray curable resin layer to which inorganic oxide ultrafine particles are not added may be formed. Furthermore, the energy ray curable resin layer formed on the surface on which the inorganic thin film is not formed may contain a filler having a size of 0.1 to 10 μm in order to ensure the slipperiness of the film. The filler can be any organic or inorganic material as long as transparency and slipperiness can be secured.
[0039]
The inorganic thin film in this invention can be suitably selected according to a use or a function. For example, a transparent conductive film is suitable for use as an electrode of a display body. In order to suppress permeation of water, oxygen, etc., a film that functions as a barrier film is suitable. As such a transparent conductive film, a material mainly composed of indium oxide is excellent in transparency, conductivity, moldability, and the like.
[0040]
As the transparent conductive film, a transparent conductive film containing 3 to 20% by weight of tin oxide can be used. If the amount of tin oxide is less than 3% by weight, crystallization proceeds excessively and cracks often occur. Moreover, when it exceeds 20 weight%, the yellowishness derived from a tin oxide will become remarkably strong. More preferably, it is 3 to 10% by weight.
[0041]
Or in the said transparent conductive film, the transparent conductive film which added the zinc oxide 5 to 20weight% as a main material can also be used. The transparent conductive film containing zinc oxide becomes an amorphous transparent conductive film when the amount of zinc oxide is 7.5 to 20% by weight. Further, the crystal transition temperature of this film is 200 ° C. or higher, and it can be kept amorphous in the temperature range of a practical polymer substrate. Whether to add tin oxide or zinc oxide to indium oxide is determined by the application in which the transparent conductive laminate is used. In particular, when forming an element including a process that requires heat resistance, it is desirable to use a transparent conductive film obtained by adding zinc oxide to indium oxide.
[0042]
Examples of the inorganic thin film as the barrier film include those made of oxides, nitrides, oxynitrides such as Si, Al, In, Zn, Ti, Ta, and SiAl alloys. Specifically, silicon oxide, silicon nitride, silicon oxynitride, aluminum oxide, aluminum nitride, aluminum oxynitride, and the like have good economic efficiency, moldability, and transparency.
[0043]
Examples of the method for forming an inorganic thin film such as a transparent conductive film in the present invention include, for example, a DC magnetron sputtering method, an RF magnetron sputtering method, an ion plating method, a vacuum deposition method, a pulse laser deposition method, and a physical formation combining these. A DC magnetron sputtering method is desirable from the viewpoint of industrial productivity in which a transparent conductive film having a uniform film thickness is formed over a large area. In the case of the barrier film, in addition to the above physical formation method, a chemical formation method such as a chemical vapor deposition (hereinafter referred to as CVD) or a sol-gel method can also be used.
[0044]
The target used for sputtering is preferably an oxide sintered target, but a reactive sputtering method using an alloy target obtained by adding metal tin or metal zinc to metal indium may be used.
[0045]
In this invention, when forming the said transparent conductive film by DC magnetron sputtering method using an oxide sintering target, the pressure (back pressure) in the vacuum chamber which forms this transparent conductive film is once 1.3 times. × 10 -Four It can be formed by a manufacturing method in which the pressure is set to Pa or less and then an inert gas and oxygen are introduced. The pressure in the vacuum chamber for forming the transparent conductive film is 1.3 × 10 once. -Four Setting it to Pa or less is desirable because it can reduce the influence of molecular species remaining in the vacuum chamber and fearing to affect the characteristics of the transparent conductive film. More desirably, 5 × 10 -Five Pa or less, more desirably 2 × 10 -Five Pa or less.
[0046]
As the inert gas introduced next, for example, He, Ne, Ar, Kr, and Xe can be used, and it is said that an inert gas having a larger atomic weight causes less damage to the formed film and improves surface flatness. ing. However, Ar is desirable in terms of cost. In order to adjust the oxygen concentration taken into the film, this inert gas is converted into partial pressure of 1.3 × 10 -Four ~ 7 × 10 -2 You may add oxygen on the order of Pa. In addition to oxygen, O Three , N 2 , N 2 O, H 2 O, NH Three Etc. can be used according to the purpose.
[0047]
Moreover, in this invention, the partial pressure of the water in the vacuum chamber which forms a transparent conductive film is set to 1.3x10. -Four It can be formed by a manufacturing method in which the pressure is set to Pa or less and then an inert gas and oxygen are introduced. The partial pressure of water is more desirably 4 × 10. -Five Pa or less, more desirably 2 × 10 -Five It can be controlled to Pa or less. However, in order to change the amorphous state, water is intentionally 1.3 × 10 -Four ~ 3x10 -2 You may introduce in the range of Pa. This adjustment may be performed by introducing water using a variable leak valve or a mass flow controller after forming a vacuum once. Moreover, it can implement also by controlling the back pressure of a vacuum chamber.
[0048]
When determining the water pressure in the present invention, a differential exhaust type in-process monitor may be used. Alternatively, a quadrupole mass spectrometer having a wide dynamic range and capable of measurement even under a pressure of 0.1 Pa level may be used. In general, 1.3 × 10 -Five In a degree of vacuum of about Pa, it is water that forms the pressure. Therefore, the value measured by the vacuum gauge may be considered as the moisture pressure as it is.
[0049]
In the present invention, since a polymer film is used as the substrate, the substrate temperature cannot be raised above the softening point temperature of the polymer film. Therefore, in order to form the inorganic thin film, the temperature of the polymer film needs to be about room temperature or lower to the softening point temperature or lower. In the case of polyethylene terephthalate, which is a typical polymer film, it is desirable to form an inorganic thin film such as a conductive film while keeping the substrate temperature at 80 ° C. or lower when no special treatment is performed. More desirably, the substrate temperature is 50 ° C. or lower, and more desirably 20 ° C. or lower. Further, even on a heat-resistant polymer, it can be formed at a substrate temperature set to 80 ° C. or lower, more desirably 50 ° C. or lower, and further desirably 20 ° C. or lower from the viewpoint of controlling outgas from the polymer film. desirable.
[0050]
The coat layer made of the energy beam curable resin of the present invention can be provided with an anchor layer in order to improve the adhesion to the polymer film. For the anchor layer, a silicon-containing resin such as an ultraviolet curable acrylic resin, an epoxy resin, or an organic polysiloxane resin, a melamine resin, a urethane resin, or an alkoxide resin can be used. The thickness of the anchor layer is preferably 0.01 to 5 μm. If it exceeds 5 μm, the adhesion to the polymer film will be adversely affected. If the thickness is 0.01 μm or less, a uniform film cannot be formed. Particularly desirable is 0.1 to 3 μm. Alternatively, the anchor layer can be an inorganic or organic material or a composite material thereof, and the anchor layer can be formed by a coating method using a coater, a spray method, a spin coating method, an in-line coating method, or the like. Many, but not limited to this. Further, a physical formation method such as sputtering or vapor deposition or a CVD method may be used. In the case of using the physical formation method and the CVD method, for example, oxides such as magnesium oxide, aluminum oxide, silicon oxide, calcium oxide, barium oxide, tin oxide, indium oxide, tantalum oxide, titanium oxide, and zinc oxide And nitrides such as silicon nitride, titanium nitride and tantalum nitride, oxynitrides such as silicon oxynitride, or fluorides such as magnesium fluoride and calcium fluoride formed or used in combination. it can. Of course, it is desirable that the optical properties have low retardation and high transmittance.
[0051]
As is clear from the above description, preferred embodiments of the present invention are as follows.
[0052]
In the laminated film in which the transparent conductive film is formed on at least one surface of the polymer film, (i) the polymer film is between one surface of the polymer film and the transparent conductive film, and the primary particle size is less than 100 nm. Inorganic oxide ultrafine particles And 0.01 to 1.0 phr (phr is a solid content weight fraction) surfactant for the energy ray curable resin Including Mu A coating layer made of an energy ray curable resin is formed so as to be in contact with the transparent conductive film, and (ii) the inorganic oxide ultrafine particles are segregated on the surface of the coating layer in contact with the transparent conductive film. It is a transparent conductive laminate, and the transparent conductive film is mainly composed of indium oxide. is there It is a transparent conductive laminate.
[0053]
【Example】
Examples are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0054]
The specific resistance of the transparent conductive film was obtained by calculation as a product of the film thickness measured by the fluorescent X-ray method by measuring the surface resistance using LorestaMP MCP-T350 manufactured by Mitsubishi Chemical, which is a four-terminal resistance meter.
[0055]
Total light transmittance and turbidity were measured with A300 manufactured by Nippon Denshoku.
[0056]
In the transmission electron micrograph, a section in the cross-sectional direction of the polymer film was observed with JEM-2010 manufactured by JEOL.
[0057]
The curl was defined and measured by the following method. First, the produced transparent conductive laminate is cut into a square of 10 cm × 10 cm, and the transparent conductive film is placed on the flat base that is kept horizontal so that it is on the lower side. At this time, if the transparent conductive laminate is bent so that the transparent conductive film is convex, the curl amount is positive. If the transparent conductive laminate is bent so that the transparent conductive film is concave, the curl amount is negative. Defined. Then, the amount of the four squares floating from the table, that is, the height from the four corners was measured, and the average value of these four points was defined as the curl amount.
[0058]
Adhesion was measured using a cross-cut method. After making 100 squares of 1 mm x 1 mm with a cutter on the surface of the laminate, and attaching cello tape (manufactured by Nichiban Co., Ltd.) on it, a part of the laminate remains on the film base when the cello tape is peeled off It was evaluated by measuring the number of squares. That is, 100/100 was the best, and 0/100 was defined to mean that all would peel off.
[0059]
[Example 1]
As a substrate, a copolymerized polycarbonate obtained by copolymerizing bisphenol A (1 mol) and 9,9-bis (3-methyl-4-hydroxyphenyl) fluorene (1 mol) by a conventional method is dissolved in methylene chloride, and a solution is obtained. A polycarbonate film having a thickness of 120 μm was prepared by a casting method. On both sides of this film, 3 μm of an acrylic ultraviolet curable resin containing 20 phr of silicon oxide having a primary particle diameter of 20 nm as inorganic oxide ultrafine particles and 0.3 phr of SH28PA (manufactured by Toray Dow Corning) as a surfactant. A coat layer was formed by forming with a thickness. The amount of the inorganic oxide ultrafine particles and the amount of the surfactant used were determined based on the weight of the resin when cured (the same applies to the following examples).
[0060]
The film prepared in this manner was put into a sputtering chamber, the ultimate vacuum was set to 1.3E-5 Pa or less, and oxygen was introduced into 5.3E-3Pa. There, Ar was introduced as a process gas, and the total pressure was 0.4 Pa. Then, 2 W / cm is applied to the indium oxide sintered target containing 5 wt% tin oxide. 2 The transparent conductive film was laminated | stacked 125 nm on the coating layer of this film by DC magnetron sputtering method by DC magnetron sputtering, and the transparent conductive laminated body was obtained as a laminated film.
[0061]
The specific resistance of this laminate immediately after film formation was 5.7E-4 Ω · cm, and the total light transmittance was 87%. The curl amount of this transparent conductive laminate was +10 mm.
[0062]
This laminated body was heat-treated at 130 ° C. for 2 hours. As a result, the specific resistance was 5.1E-4 Ω · cm, and the total light transmittance was 89%. The curl amount of the transparent conductive laminate was +21 mm.
[0063]
Table 1 also shows the added amount and curl amount of the inorganic oxide ultrafine particles and the surfactant in Examples and Comparative Examples.
[0064]
[Example 2]
As a substrate, a copolymerized polycarbonate obtained by copolymerizing bisphenol A (1 mol) and 9,9-bis (3-methyl-4-hydroxyphenyl) fluorene (1 mol) by a conventional method is dissolved in methylene chloride, and a solution is obtained. A polycarbonate film having a thickness of 120 μm was prepared by a casting method. On both sides of this film, 3 μm of an acrylic ultraviolet curable resin containing 20 phr of silicon oxide having a primary particle size of 20 nm as inorganic oxide ultrafine particles and 0.1 phr of SH28PA (manufactured by Toray Dow Corning) as a surfactant A coat layer was formed by forming with a thickness.
[0065]
The film prepared in this manner was put into a sputtering chamber, the ultimate vacuum was set to 1.3E-5 Pa or less, and oxygen was introduced into 5.3E-3Pa. There, Ar was introduced as a process gas, and the total pressure was 0.4 Pa. Then, 2 W / cm is applied to the indium oxide sintered target containing 5 wt% tin oxide. 2 The transparent conductive film was laminated | stacked 125 nm on the coating layer of this film by DC magnetron sputtering method, and the transparent conductive laminated body was obtained.
[0066]
The laminate had a specific resistance immediately after film formation of 5.4E-4 Ω · cm and a total light transmittance of 87%. The curl amount of this transparent conductive laminate was +9 mm.
[0067]
This laminated body was heat-treated at 130 ° C. for 2 hours. As a result, the specific resistance was 4.5E-4 Ω · cm, and the total light transmittance was 89%. The curl amount of the transparent conductive laminate was +20 mm.
[0068]
[Example 3]
The substrate contains 20 phr of silicon oxide with a primary particle size of 20 nm as an inorganic oxide ultrafine particle on both sides of a 120 μm-thick polycarbonate film (Pure Ace: manufactured by Teijin), and SH28PA (manufactured by Toray Dow Corning) as a surfactant. An acrylic ultraviolet curable resin containing 0.5 phr was formed to a thickness of 3 μm to form a coat layer.
[0069]
The film prepared in this manner was put into a sputtering chamber, the ultimate vacuum was set to 1.3E-5 Pa or less, and oxygen was introduced into 5.3E-3Pa. There, Ar was introduced as a process gas, and the total pressure was 0.4 Pa. Then, 2 W / cm is applied to the indium oxide sintered target containing 5 wt% tin oxide. 2 The transparent conductive film was laminated | stacked 125 nm on the coating layer of this film by DC magnetron sputtering method, and the transparent conductive laminated body was obtained.
[0070]
The laminate had a specific resistance immediately after film formation of 5.6E-4 Ω · cm and a total light transmittance of 88%. The curl amount of this transparent conductive laminate was +12 mm.
[0071]
This laminated body was heat-treated at 130 ° C. for 2 hours. As a result, the specific resistance was 4.0E-4 Ω · cm, and the total light transmittance was 89%. The curl amount of the transparent conductive laminate was +19 mm.
[0072]
[Example 4]
The substrate contains 20 phr of silicon oxide with a primary particle size of 20 nm as an inorganic oxide ultrafine particle on both sides of a 120 μm-thick polycarbonate film (Pure Ace: manufactured by Teijin), and SH28PA (manufactured by Toray Dow Corning) as a surfactant. An acrylic ultraviolet curable resin containing 0.3 phr was formed to a thickness of 3 μm to form a coat layer. In FIG. 1, the cross-sectional photograph of the film before transparent conductive film formation by a transmission electron microscope was shown. It has been confirmed that the inorganic oxide ultrafine particles are segregated on the surface of the coating layer.
[0073]
The film prepared in this manner was put into a sputtering chamber, the ultimate vacuum was set to 1.3E-5 Pa or less, and oxygen was introduced into 5.3E-3Pa. There, Ar was introduced as a process gas, and the total pressure was 0.4 Pa. Then, 2 W / cm is applied to the indium oxide sintered target containing 5 wt% tin oxide. 2 The transparent conductive film was laminated | stacked 125 nm on the coating layer of this film by DC magnetron sputtering method, and the transparent conductive laminated body was obtained.
[0074]
The laminate had a specific resistance immediately after film formation of 5.4E-4 Ω · cm and a total light transmittance of 88%. The curl amount of this transparent conductive laminate was +9 mm.
[0075]
This laminated body was heat-treated at 130 ° C. for 2 hours. As a result, the specific resistance was 3.9E-4 Ω · cm, and the total light transmittance was 89%. The curl amount of the transparent conductive laminate was +17 mm. When the adhesiveness of the transparent conductive film was evaluated by a cross-cut method, it was 100/100 and was not peeled off.
[0076]
[Example 5]
Acrylic system containing 20 phr of silicon oxide with a primary particle size of 20 nm as ultrafine inorganic oxide particles and 0.3 phr of SH28PA (manufactured by Toray Dow Corning) on both sides of polyethylene terephthalate having a thickness of 188 μm as a substrate. A UV curable resin was formed to a thickness of 3 μm to form a coat layer.
[0077]
The film prepared in this manner was put into a sputtering chamber, the ultimate vacuum was set to 1.3E-5 Pa or less, and oxygen was introduced into 5.3E-3Pa. There, Ar was introduced as a process gas, and the total pressure was 0.4 Pa. Then, 2 W / cm is applied to the indium oxide sintered target containing 5 wt% tin oxide. 2 The transparent conductive film was laminated | stacked 125 nm on the coating layer of this film by DC magnetron sputtering method, and the transparent conductive laminated body was obtained.
[0078]
The laminate had a specific resistance immediately after film formation of 6.0E-4 Ω · cm and a total light transmittance of 88%. The curl amount of this transparent conductive laminate was +5 mm.
[0079]
This laminated body was heat-treated at 130 ° C. for 2 hours. As a result, the specific resistance was 4.9E-4 Ω · cm, and the total light transmittance was 89%. The curl amount of the transparent conductive laminate was +9 mm.
[0080]
[Example 6]
Acrylic system containing 20 phr of zinc oxide having a primary particle size of 50 nm as an inorganic oxide ultrafine particle on both sides of polyethylene terephthalate having a thickness of 188 μm as a substrate and 0.3 phr of SH28PA (manufactured by Toray Dow Corning) as a surfactant. A UV curable resin was formed to a thickness of 3 μm to form a coat layer.
[0081]
The film prepared in this manner was put into a sputtering chamber, the ultimate vacuum was set to 1.3E-5 Pa or less, and oxygen was introduced into 5.3E-3Pa. There, Ar was introduced as a process gas, and the total pressure was 0.4 Pa. Then, 2 W / cm is applied to the indium oxide sintered target containing 5 wt% tin oxide. 2 The transparent conductive film was laminated | stacked 125 nm on the coating layer of this film by DC magnetron sputtering method, and the transparent conductive laminated body was obtained.
[0082]
The laminate had a specific resistance immediately after film formation of 5.4E-4 Ω · cm and a total light transmittance of 87%. The curl amount of this transparent conductive laminate was +6 mm.
[0083]
This laminated body was heat-treated at 130 ° C. for 2 hours. As a result, the specific resistance was 4.4E-4 Ω · cm, and the total light transmittance was 88%. The curl amount of the transparent conductive laminate was +10 mm.
[0084]
[Comparative Example 1]
As a substrate, an acrylic ultraviolet curable resin having a thickness of 3 μm was formed on both sides of a polycarbonate (pure ace: manufactured by Teijin) having a thickness of 120 μm to form a coat layer.
[0085]
The film prepared in this manner was put into a sputtering chamber, the ultimate vacuum was set to 1.3E-5 Pa or less, and oxygen was introduced into 5.3E-3Pa. There, Ar was introduced as a process gas, and the total pressure was 0.4 Pa. Then, 2 W / cm is applied to the indium oxide sintered target containing 5 wt% tin oxide. 2 The transparent conductive film was laminated | stacked 125 nm on the coating layer of this film by DC magnetron sputtering method, and the transparent conductive laminated body was obtained.
[0086]
The laminate had a specific resistance immediately after film formation of 7.1E-4 Ω · cm and a total light transmittance of 86%. The curl amount of this transparent conductive laminate was +18 mm.
[0087]
This laminated body was heat-treated at 130 ° C. for 2 hours. As a result, the specific resistance was 5.1E-4 Ω · cm, and the total light transmittance was 87%. The curl amount of the transparent conductive laminate was +24 mm. In addition, cracks occurred in the coating layer, and cracks began to occur in the transparent conductive film.
[0088]
[Comparative Example 2]
As a substrate, an acrylic ultraviolet curable resin containing 20 phr of silicon oxide having a primary particle size of 20 nm as an inorganic oxide ultrafine particle is formed on both sides of a 120 μm thick polycarbonate (Pure Ace: manufactured by Teijin) with a thickness of 3 μm. Created a layer. A transmission electron micrograph image of the cross section of this film is shown in FIG. Unlike FIG. 1 which is an example, the segregation layer of inorganic oxide ultrafine particles is not formed on the surface of the coating layer.
[0089]
The film prepared in this manner was put into a sputtering chamber, the ultimate vacuum was set to 1.3E-5 Pa or less, and oxygen was introduced into 5.3E-3Pa. There, Ar was introduced as a process gas, and the total pressure was 0.4 Pa. Then, 2 W / cm is applied to the indium oxide sintered target containing 5 wt% tin oxide. 2 The transparent conductive film was laminated | stacked 125 nm on the coating layer of this film by DC magnetron sputtering method, and the transparent conductive laminated body was obtained.
[0090]
This laminate had a specific resistance immediately after film formation of 6.9E-4 Ω · cm and a total light transmittance of 85%. The curl amount of this transparent conductive laminate was +17 mm.
[0091]
This laminated body was heat-treated at 130 ° C. for 2 hours. As a result, the specific resistance was 5.8E-4 Ω · cm, and the total light transmittance was 86%. The curl amount of the transparent conductive laminate was +23 mm. In addition, cracks occurred in the coating layer, and cracks began to occur in the transparent conductive film. Moreover, when the adhesiveness of the transparent conductive film layer was evaluated by a cross-cut method, edge peeling was slightly observed although there was no complete peeling at 100/100.
[0092]
[Table 1]
Figure 0004056342
Copolymer PC: Copolycarbonate
PC: Polycarbonate
PET: Polyethylene terephthalate
[0093]
【The invention's effect】
The laminated film of the present invention, particularly the transparent conductive laminate, suppresses curling that occurs when a transparent conductive film is formed, has good adhesion between the coat layer and the transparent conductive film, and a liquid crystal display element A transparent conductive laminate suitable as a substrate for touch panels, organic light emitting diode elements, and various electronic papers can be supplied.
[0094]
Furthermore, the laminated film of the present invention not only reduces curl, but also has high light transmittance and good transparency.
[Brief description of the drawings]
1 is a transmission electron microscope photograph of a cross section of a coating layer in Example 4. FIG.
2 is a transmission electron microscope photograph of a cross-section of a coating layer in Comparative Example 2. FIG.

Claims (4)

高分子フィルムの少なくとも一方の面に無機薄膜が形成された積層フィルムにおいて、
(i)当該高分子フィルムの一方の面と無機薄膜との間にあり、そして一次粒径が100nm未満である無機酸化物超微粒子、および、エネルギー線硬化型樹脂に対して0.01〜1.0phr(phrは固形分重量分率)の界面活性剤を含エネルギー線硬化型樹脂からなるコート層が該無機薄膜に接するようにして形成されてなり、かつ
(ii)当該無機酸化物超微粒子が該無機薄膜と接するコート層の表面に偏析していることを特徴とする積層フィルム。
In a laminated film in which an inorganic thin film is formed on at least one surface of a polymer film,
(I) 0.01 to 1 with respect to the inorganic oxide ultrafine particles and the energy ray curable resin that are between one surface of the polymer film and the inorganic thin film and have a primary particle size of less than 100 nm. .0phr (phr solids weight fraction) coating layer comprising the surface active agent from including radiation-curable resin is formed so as to contact with the inorganic thin film, and (ii) the inorganic oxide exceeds A laminated film, wherein fine particles are segregated on the surface of a coating layer in contact with the inorganic thin film.
無機薄膜が、酸化インジウムを主成分とした透明導電膜である、請求項1記載の積層フィルム。  The laminated film according to claim 1, wherein the inorganic thin film is a transparent conductive film containing indium oxide as a main component. 無機酸化物超微粒子が酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウムおよび酸化セリウムからなる群より選ばれる1種類以上の超微粒子である請求項1または2に記載の積層フィルム。The laminated film according to claim 1 or 2 , wherein the inorganic oxide ultrafine particles are one or more types of ultrafine particles selected from the group consisting of silicon oxide, aluminum oxide, titanium oxide, zinc oxide, germanium oxide, and cerium oxide. 無機酸化物超微粒子がエネルギー線硬化型樹脂に対して5〜30phr(phrは固形分重量分率)含まれる請求項1〜のいずれかに記載の積層フィルム。The laminated film according to any one of claims 1 to 3 , wherein the ultrafine inorganic oxide particles are contained in an amount of 5 to 30 phr (phr is a solid weight fraction) with respect to the energy beam curable resin.
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