JP4025894B2 - Photopolymerizable composition, photopolymerizable lithographic printing plate, and image forming method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光重合性画像形成材料及び画像形成方法に関する。更に詳しくは、650〜1300nmの波長域の光線、特に、半導体レーザーやYAGレーザー等を用いた直接製版に好適であり、支持体上に光重合性組成物層と保護層を積層した光重合性画像形成材料及びその画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ画像処理技術の進歩に伴い、デジタル画像情報から、銀塩マスクフィルムへの出力を行わずに、レーザー光等により、直接レジスト画像を形成する感光ダイレクト製版システムが注目されている。
レーザー光としては遠紫外からマイクロ波まで種々の光源が知られているが、レーザー出力、安定性、コスト、感光能力等の観点からリソグラフィーに利用できるレーザー光はArイオンレーザー、YAGレーザー、FD−YAGレーザー、ヘリウムネオンレーザー、半導体レーザー等可視光から赤外光を発するものが有力である。このため、可視〜赤外光にかけて感光性を有する種々の組成物が検討されている。
【0003】
中でも、赤外レーザー光に感光性を有する画像形成材料が有望である。赤外レーザーに感じる重合性組成物としては、カチオン染料とボレート錯体を組み合わせたもの(特開平6−59450号公報、特開平5−216227号公報、特開平5−247110号公報、特開平5−265204号公報、特開平6−33217号公報)、光熱変換物質とオニウム塩を組み合わせたもの(特開平9−34110号公報、特開平9−134009号公報)等が知られている。
【0004】
しかしながら、赤外レーザー光にて反応速度の比較的速い重合性組成物を走査露光する際にレーザーヘッドからの微弱な漏れ光があると問題になってしまう。
つまり反応速度が速いために微弱な漏れ光によって、スジ状の不必要な画像が形成されてしまうことがあり、結果として画像再現性に支障を来す(本明細書中では、この現象をバンディングと称する)という重合系故の宿命的な課題を抱えているのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記課題を解決し、赤外レーザーの漏れ光によるバンディング現象を押さえた光重合性組成物、及び該光重合性組成物を支持体上に設けてなる光重合性平版印刷版を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上記光重合性平版印刷版をもちいて、バンディング現象を低減した画像を形成する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意検討した結果、赤外レーザーにて画像形成可能な光重合性組成物において、最高感度を示す時の組成に、更に加えて、漏れ光による画像の不良形成防止剤(以下、バインディング抑制剤と称す)を添加することにより、バンディングを大幅に抑制することが出来ることを見いだし本発明に至った。
即ち、本発明の要旨は、(A)エチレン性単量体、(B)650〜1300nmの範囲の光を吸収する増感色素、(C)ラジカル発生剤、及び(D)650〜1300nmの光を吸収するバンディング抑制剤を含有する光重合性組成物において、(B)650〜1300nmの範囲の光を吸収する増感色素の含有量が、光重合性組成物において該増感色素が最高感度を示す量(Wmax)の90重量%以上110重量%未満の範囲であり、(B)650〜1300nmの範囲の光を吸収する増感色素と(D)650〜1300nmの光を吸収するバンディング抑制剤との合計量が、Wmaxの110重量%以上1000重量%以下の範囲である光重合性組成物に存する。
【0007】
本発明の別の要旨は、支持体上に、上記の光重合性組成物を設けてなる光重合性平版印刷版に存する。
また、本発明の別の要旨は、上記の光重合性平版印刷版を650〜1300nmの範囲のレーザー光により画像露光し、アルカリ現像液にて非露光部を溶解して画像を形成することを特徴とする画像形成方法に存する。
【0008】
本発明の光重合性組成物は、必須成分として(A)エチレン性単量体、(B)650〜1300nmの範囲の光を吸収する増感色素、(C)ラジカル発生剤、及び(D)650〜1300nmの光を吸収するバンディング抑制剤を含有している。
【0009】
本発明に用いられる(A)エチレン性単量体は、エチレン性二重結合を一個以上有する化合物であり、エチレン性二重結合を一個有する化合物としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン、エチレン性不飽和結合を一個有するカルボン酸と多(単)価アルコールのモノエステル等が挙げられる。エチレン性単量体として1分子中にエチレン性二重結合を二個以上有する多官能エチレン性化合物を含有することが望ましい。
かかる多官能エチレン性化合物の例としては、例えば脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルなどが挙げられる。
【0010】
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルは限定されないが、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスルトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートグリセロールアクリレート等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
【0011】
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。
不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸ならびに多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物ではないが代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等がある。
【0012】
その他、本発明に用いられる多官能エチレン性単量体の例としては、ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルまたはポリイソシアネート化合物とポリオールおよび水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させて得られる様なウレタン(メタ)アクリレート類;多価エポキシ化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸との付加反応物のようなエポキシアクリレート類:エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が有用である。
【0013】
これら多官能エチレン性単量体の内、ウレタン(メタ)アクリレート類を含有する事が望ましい。
更に、本発明に用いられる好ましいエチレン性単量体として、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物(以下、「リン酸エステル化合物」と略す)が挙げられるが、該リン酸エステル化合物を含有する場合、耐刷性及び非画線部の抜け性改良の点で特に有用である。該化合物は、リン酸の水酸基の少なくとも一部がエステル化された化合物であり、しかも、(メタ)アクリロイル基を有する限り特に限定はされないが、具体的には例えば下記一般式(1)、(2)で示される化合物が挙げられる。
【0014】
【化1】
【0015】
(一般式(1)、(2)中、R1及びR2は夫々水素原子又はメチル基を表し、nは1〜25の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。)
【0016】
一般式(1)、(2)で表される化合物の内、nが1〜10、特に1〜4であるものが特に好ましい。一般式(1)、(2)で表される化合物の内、特に好ましい化合物の具体例としては、メタアクリルオキシエチルフォスフェート、ビス(メタアクリルオキシエチル)フォスフェート、メタアクリルオキシエチレングリコールフォスフェート等が挙げられる。
【0017】
本発明で使用するリン酸エステル化合物は単独でも、複数の化合物の混合物でも良い。リン酸エステル化合物を含有する場合、その含有量は、エチレン性単量体中、1〜60重量%が好ましく、特に5〜50重量%が好ましい。
【0018】
次に、本発明に用いられる光重合性組成物層中に含まれる(B)650〜1300nmの範囲の光を吸収する増感色素(以下、単に増感色素と称することがある)は、650〜1300nmの範囲の光照射を受けたときに励起(電子遷移)され、その電子遷移エネルギーを(C)成分のラジカル発生剤に受け渡す役割を担う化合物である。
本発明に用いられる増感色素は、650〜1300nmの範囲の光照射によって、電子遷移する化合物であればいずれも用いることができる。
【0019】
本発明において、これらの色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造を基本構造とするものであり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造を基本構造とする広義の所謂シアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、シアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリメチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所謂ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム系、チアピリリウム系等のシアニン系色素、及びポリメチン系色素が好ましい。
【0020】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0021】
【化2】
【0022】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1 は(1)色素分子中で共鳴して、オキソニウムカチオンを生じるエーテル結合、又はスルホニウムカチオンを生じるチオエーテル結合を有する置換基を少なくとも有するトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示すか、又は(2)該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上に少なくとも2つの置換基を有し、該2つの置換基が、色素分子中で共鳴して、オキソニウムカチオンを生じるエーテル結合、又はスルホニウムカチオンを生じるチオエーテル結合で結合されて環状構造を形成する。該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0023】
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1 及びR2 がアルキル基であるときの炭素数は、通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は、通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における前記エーテル結合又はチオエーテル結合を有する置換基以外の置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0024】
又、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0025】
【化3】
【0026】
〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は(1)置換基として、色素分子中で共鳴して、オキソニウムカチオンを生じるエーテル結合、又はスルホニウムカチオンを生じるチオエーテル結合を有する置換基を少なくとも有するトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示すか、又は(2)該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上に少なくとも2つの置換基を有し、該2つの置換基が、色素分子中で共鳴して、オキソニウムカチオンを生じるエーテル結合、又はスルホニウムカチオンを生じるチオエーテル結合で結合されて環状構造を形成する。該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0027】
ここで、式(II)中のR3 及びR4 がアルキル基であるときの炭素数は、通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は、通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 における前記エーテル結合又はチオエーテル結合で置換された置換基以外の置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、縮合ベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0028】
又、ピリリウム系、及びチアピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IIIa)、(IIIb)、又は(IIIc)で表されるものが好ましい。
【0029】
【化4】
【0030】
〔式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中、Z1 及びZ2 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R5 とR7 、及びR6 とR8 が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L3 は(1)置換基として、色素分子中で共鳴して、オキソニウムカチオンを生じるエーテル結合、又はスルホニウムカチオンを生じるチオエーテル結合を有する置換基を少なくとも有するモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示すか、又は(2)該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上に少なくとも2つの置換基を有し、該2つの置換基が、色素分子中で共鳴して、オキソニウムカチオンを生じるエーテル結合、又はスルホニウムカチオンを生じるチオエーテル結合で結合されて環状構造を形成する。該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0031】
ここで、式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中のR5 、R6 、R7 、及びR8 がアルキル基であるときの炭素数は、通常1〜15、好ましくは1〜10であり、L3 における前記エーテル結合又はチオエーテル結合で置換された置換基以外の置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基等のアリール基等が挙げられる。
【0032】
又、ポリメチン系色素としては、特に、下記一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0033】
【化5】
【0034】
〔式(IV)中、R9 、R10、R11、及びR12は各々独立して、アルキル基を示し、R13及びR14は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L4は(1)置換基として、色素分子中で共鳴して、オキソニウムカチオンを生じるエーテル結合、又はスルホニウムカチオンを生じるチオエーテル結合で置換された置換基を少なくとも有するモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示すか、又は(2)該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上に少なくとも2つの置換基を有し、該2つの置換基が、色素分子中で共鳴して、オキソニウムカチオンを生じるエーテル結合、又はスルホニウムカチオンを生じるチオエーテル結合で結合されて環状構造を形成する。該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。Xa - は対アニオンを示す。〕
【0035】
ここで、式(IV)中のR9 、R10、R11、及びR12のアルキル基の炭素数は、通常1〜15、好ましくは1〜10、R13及びR14がアリール基であるときの炭素数は、通常6〜20、好ましくは6〜15であり、R13及びR14として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L4 における前記エーテル結合又はチオエーテル結合で置換された置換基以外の置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0036】
尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜c)、及び(IV)における対アニオンXa - としては、具体的には、例えば、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF6 - 、SbF6 - 、AsF6 - 、及び、BF4 - 、BCl4 - 等の無機硼素酸等の無機酸アニオン、並びに、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼素酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0037】
また、本発明に用いられる増感色素は、分子内塩を形成しているものでもよい。分子内塩を形成している増感色素としては、例えば、下記式(V)で表される化合物が挙げられる。
【0038】
【化6】
【0039】
(式(V)中、Y1、Y2、R3、R4は、前記式(II)におけるものと同義である。また、L4は、トリ−、ペンタ−、ヘプタ−、ノナ−、又はウンデカメチンから選ばれるポリメチン基を示し、該ポリメチン基上に下記式(V−2)で表されるバルビツル酸残基又はチオバルビツル酸残基を有する。)
【0040】
【化7】
【0041】
(式(V−2)中、Xは、酸素原子または硫黄原子を示す。また、R15及びR16は各々独立して水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基、置換基を有していても良いアルコキシ基、又は置換基を有していても良いフェニル基を示す。)
【0042】
以上の前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチアピリリウム系等のシアニン系色素、及び前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素の中で、本発明においては、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系色素が特に好ましい。
【0043】
又、前記各式におけるL1 、L2 、L3 、及びL4 を含めたポリメチン鎖として、波長域700〜850nmに対してはヘプタメチン鎖であるものが、波長域850〜950nmに対してはノナメチン鎖であるものが、波長域950〜1300nmに対してはウンデカメチン鎖であるものが、それぞれ好ましい。
本発明の光重合性組成物を構成する(C)成分の光重合開始剤は、(B)成分の前記色素との共存下で光照射されたときに、活性ラジカルを発生するラジカル発生剤であって、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特許第2764769号等の各公報、及び、Kunz,Martin "Rad Tech'98.Proceeding April 19-22,1998,Chicago" 等に記載される有機硼素酸塩、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号各公報等に記載されるチタノセン化合物、特公平6−29285号公報等に記載されるヘキサアリールビイミダゾール化合物、及び、ジアリールヨードニウム塩、有機過酸化物等が挙げられ、本発明においては、ハロゲン化炭化水素誘導体、及び有機硼素酸塩が好ましい。
【0044】
ここで、ハロゲン化炭化水素誘導体としては、好適には、少なくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中でも、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のビス(トリハロメチル)−s−トリアジン化合物が経時安定性に優れ好ましい。
【0045】
又、その他のハロゲン化炭化水素誘導体としては、例えば、特開昭53−133428号公報、特開昭62−58241号公報、独国特許第3337024号明細書、M.P.Hutt,E.F.Flslager,L.M.Werbel "Jurnal of Heterocyclic Chemistry" Vol.7,No.3(1970)等に記載されるものが挙げられる。
【0046】
又、有機硼素酸塩としては、特に、下記一般式(VI)で表されるものが好ましい。
【0047】
【化8】
【0048】
〔式(VI)中、R17、R18、R19、及びR20は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は複素環基を示し、これらは互いに連結して環状構造を形成していてもよく、これらのうち少なくとも一つは置換基を有していてもよいアルキル基である。Xb + は対カチオンである。〕
【0049】
ここで、式(VI)中のR17、R18、R19、及びR20がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5、アリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15、複素環基であるときの炭素数は通常4〜20、好ましくは4〜15であり、それらにおける置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基等が挙げられる。
【0050】
これらの式(VI)で表される有機硼素塩の有機硼素アニオンとしては、具体的には、例えば、n−ブチル−メチル−ジフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−メトキシフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(m−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−クロロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(トリフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリルフェニル)−硼素アニオン、n−ブチル−トリス(3−フルオロ−4−メチルフェニル)−硼素アニオン等が挙げられる。
【0051】
又、対カチオンXb + としては、例えば、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン等のオニウム化合物、及び、ピリリウムカチオン、チアピリリウムカチオン、インドリウムカチオン等を挙げることができるが、テトラアルキルアンモニウム等の有機アンモニウムカチオンが好ましい。
【0052】
上記の(C)成分の中では、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジン化合物、又は有機硼素酸塩を使用する場合、特に高感度で好ましい。
本発明において、前記(B)成分の色素と前記(C)成分の光重合開始剤としての有機硼素酸塩を光重合性組成物中に存在させるには、前記色素の色素カチオンと適宜選択した対アニオンとの塩と、前記有機硼素酸塩の有機硼素アニオンと適宜選択した対カチオンとの塩とを配合する通常の方法の他、前記色素の色素カチオンと前記有機硼素酸塩の有機硼素アニオンとで形成された塩を配合する方法も採ることができ、本発明においては、この後者方法が好適である。
【0053】
次に、本発明の特徴である(D)650〜1300nmの光を吸収するバンディング抑制剤(以下、単にバンディング抑制剤と称する)は、上記範囲に吸収域を有する化合物である。
本発明におけるバンディング抑制剤の機能は以下のように推定している。
赤外光にて画像形成可能な光重合性組成物において、増感色素の量は、通常、該光重合性組成物が最高感度を示す様に設定される。ここで、光重合性組成物における最高感度を示す増感色素の量は、(A)エチレン性単量体、(C)ラジカル発生剤、その他の光重合性組成物に含まれる成分の量比を一定にし、増感色素の量比のみ変更して感度を測定することによって求めることができる。
【0054】
増感色素は、通常光重合性組成物(光重合性平版印刷版であれば、光重合性組成物層)にほぼ均等に分布しており、該光重合性組成物が最高感度を示す増感色素の量であると、照射された光が、ほぼ全て増感色素によって吸収され最大の増感作用を表しているものと考えられる。
増感色素の量が少な過ぎると、照射した光が、光重合性組成物層の最深部に到達するまでに増感色素で吸収されきれず、効率が低下する。また、一方増感色素が多すぎると、光重合性組成物層の表面部に存在する増感色素によって全ての照射光が吸収されてしまい、光が光重合性組成物層の深部まで到達せず、そのため深部での光重合が起こらず、かえって感度が低下する。
【0055】
そこで、増感色素の量は、通常、該光重合性組成物が最高感度を示す様に設定される。 しかしながら、光重合性組成物の場合、感度が非常に高いため、レーザーから出る漏れ光によっても感光するというという問題を生じる場合がある。レーザーの漏れ光の原因は定かではないが、レーザー光照射装置の端部から通常の光強度の10分の1程度の光が、本来レーザー光を照射しないという信号を受けているにも係わらず、印刷版面に向かって照射される現象である。
【0056】
漏れ光は、通常の露光強度よりもかなり弱いため、光重合性組成物中の光吸収剤で吸収することにより、漏れ光による重合を防ぐことができる。
ここで、650〜1300nmの光を吸収する物質をバンディング抑制剤と称するが、これは通常のレーザー光も吸収するため、光重合性組成物の感度はその分低下することとなる。従って、バンディング抑制剤をあまり量が多すぎると感度が低下しすぎて画像形成が困難となるため、その添加量は、増感色素との合計として、通常、最高感度の110%〜1000%であり、好ましくは110%〜500%であり、更に好ましくは110%〜250%である。
この様に配合することにより、通常のレーザー露光による感度の低下を最小限に押さえると共に、漏れ光による光重合を防ぐことができる。
【0057】
このようなバンディング抑制剤は、650nm〜1300nmの範囲の光を吸収することができる化合物、即ち、650nm〜1300nmの範囲の一部または全部に吸収域を有する化合物で有ればいずれも使用できるが、吸収効率の観点から、650〜1300nmに極大吸収を有する化合物を含むことが好ましい。また、実際的な観点からは、露光波長の光を吸収する化合物が良く、現状の画像形成材料用のレーザー露光装置が、830nm及び1016nmであるので、これらのいずれかの波長を吸収するものが好ましい。これらの両方に吸収域を有する化合物で有れば、いずれの露光波長用の画像形成材料にも使用できる。
【0058】
次に、バンディング抑制剤の具体的添加方法について説明する。
本発明の光重合性組成物のうち、650nm〜1300nmに吸収域がある化合物は、増感色素またはバンディング抑制剤のいずれかに分類することができるが、上述の通り、バンディング抑制剤の添加量は、好ましくは増感色素との合計として、通常、増感色素が最高感度を示す量の110%〜1000%である。従って、増感色素Aという化合物が最高感度を示した時の量をWmaxとした場合に、本発明の光重合性組成物に配合する増感色素Aの実際の配合量a、バンディング抑制剤Bの配合量b、及びWmaxとの関係は、好ましくは、1.1Wmax≦a+b≦10Wmaxの範囲であり、更に好ましくは1.1Wmax≦a+b≦5Wmaxの範囲であり、特に好ましくは1.1Wmax≦a+b≦2.5Wmaxの範囲である。また、増感色素が少なすぎては、感度が低下しすぎるので、増感色素Aの実際の配合量aは、0.9Wmax≦a≦1.1Wmaxの範囲であるのが好ましい。
【0059】
ここで、本発明に用いられる増感色素もまた、650nm〜1300nmの範囲の光を吸収することができるので、増感色素自体をバンディング抑止剤として用いても良い。この場合は、増感色素の配合量aは、通常、1.1Wmax≦a≦10Wmax、の範囲であり、好ましくは、1.1Wmax≦a≦5Wmaxの範囲である。
本発明に用いられるバンディング抑制剤としては、具体的には上記の増感色素の他、チタンブラック等の赤外吸収性の無機顔料、無置換のフタロシアニン等の赤外吸収性の有機顔料、カーボンブラック等が挙げられる。また、バンディング抑制剤は、単独でしようしても複数の化合物を混合して使用してもよい。
【0060】
次に、本発明に用いられる光重合性組成物には、必要に応じて(D)高分子結合材を含むことができる。
高分子結合材は、公知の樹脂であればいずれも使用可能であるが、好ましいものとしては具体例には、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等の単独もしくは共重合体、その他、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、またはポリビニルブチラール等が挙げられる。
【0061】
これらの内、アルカリ性現像液に対する溶解性の点で分子内にカルボキシル基を有する高分子結合材が好ましく、中でも(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも一種と(メタ)アクリル酸を共重合成分として含有する共重合体が好ましい。 (メタ)アクリル酸エステルのエステルを構成する基としては、特に限定されないが、C1〜C16程度の脂肪族又は芳香族炭化水素基が一般的である。分子内にカルボキシル基を有する高分子結合材の好ましい酸価の値は10〜250であり、好ましい重量平均分子量(以下Mwと略す)は5千から100万である。これらの高分子結合材は、側鎖に不飽和結合を有する事が望ましい。
不飽和結合の中でも、アクリロイル基又はメタアクリロイル基が好ましく、これらの不飽和結合を高分子結合材の側鎖に導入する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
【0062】
(不飽和結合を有する高分子結合材の合成法)
分子内にカルボキシル基を有する高分子結合材の不活性有機溶剤溶液(例えばアルコール系、エステル系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系等が挙げられる。)とエポキシ基含有不飽和化合物とを約80〜120℃、約1〜50時間の反応条件で反応させることにより合成する方法。エポキシ基含有不飽和化合物と反応させるカルボキシル基の割合は本発明の効果を達成しうる範囲であれば特に限定されないが、全カルボキシル基に対して5〜90mol%を反応させるのが好ましく、より好ましくは20〜80モル%、更に好ましくは30〜70モル%である。上記範囲であると現像性が良好であると共に接着性が良好である。
【0063】
側鎖に不飽和基を有するエチレン性高分子結合材の製造に用いるエポキシ基含有不飽和化合物は、一分子中に少なくとも一つの付加重合可能な不飽和結合と、エポキシ基とを有する化合物である。エポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルグリシジルアクリレート、クロトニルグリシジルエーテル、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、イタコン酸モノアルキルエステルモノグリシジルエステル、フマール酸モノアルキルエステルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルエステルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物および下記一般式(VII)で示される脂環式エポキシ基含有不飽和化合物が挙げられる。
【0064】
【化9】
【0065】
(式(VII)中、R21は、水素原子またはメチル基を示す。また、R22は、炭素数1〜6の脂肪族飽和炭化水素を示す。)
【0066】
以上、本発明に用いられる光重合性組成物の主要構成成分について詳述してきたが、それ等の好適な使用比率は(A)エチレン性単量体100重量部に対して(B)増感色素が、好ましくは0.01〜20重量部、特に好ましいのは0.05〜10重量部、(C)ラジカル活性剤が好ましくは0.1〜80重量部、特に好ましいのは0.5〜60重量部、また(D)高分子結合材が、好ましくは10〜400重量部、特に好ましくは20〜200重量部の範囲である。
【0067】
本発明に用いられる光重合性組成物は前記の成分の他に、その目的に応じて更に他の物質を含有することができる。例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤;有機又は無機の染顔料からなる着色剤;ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤、三級アミンやチオールのような感度特性改善剤、その他色素前駆体等の添加剤も加えることができる。
【0068】
また、本発明に用いられる光重合性組成物は、塗布性改良剤として界面活性剤を含有することが出来る。その中でも特に好ましいのはフッ素系界面活性剤である。以上述べた添加剤の好ましい添加量は、エチレン性単量体100重量部に対して熱重合防止剤2重量部以下、着色剤20重量部以下、可塑剤40重量部以下、色素前駆体30重量部以下、界面活性剤10重量部以下の範囲である。
【0069】
以上述べた光重合性組成物は、適当な溶媒で希釈して、支持体上に塗布・乾燥し感光層を形成することにより、画像形成材料となる。
画像形成材料が、感光性平版印刷版の場合、支持体として表面を粗面化した後、陽極酸化処理したアルミニウム支持体が好適に使用し得る。粗面化の方法としては、一般に公知のブラシ研磨法、ボール研磨法、電解エッチング法、化学エッチング法、液体ホーニング法、サンドブラスト法等の方法及びこれらの組み合わせが挙げられ、好ましくはブラシ研磨法、ボール研磨法、電解エッチング法、化学エッチング法、液体ホーニング法が挙げられる。更に粗面化処理が施されたアルミニウム板は、必要に応じて酸またはアルカリ水溶液にてデスマット処理される。
【0070】
こうして得られたアルミニウム板は、通常、陽極酸化処理されるが、特に好ましくは、硫酸を含む電解液で処理する方法が挙げられる。硫酸を含む電解液で陽極酸化する方法は、従来公知の方法、例えば特開昭58−213894号公報に記載の方法等に準じて行われる。具体的には、例えば硫酸濃度5〜50重量%、好ましくは15〜30%の硫酸が用いられ、温度は5〜50℃程度、好ましくは15〜35℃であり、電流密度1〜60A/dm2で5秒〜60秒間程度で行なわれる。また、更に必要に応じて珪酸ソーダ等の珪酸アルカリや熱水による処理、その他カチオン性4級アンモニウム基を有する樹脂やポリビニルホスホン酸等の水性高分子化合物を含有する水溶液への浸漬等による表面処理を行うことができる。
【0071】
光重合性組成物の塗布方法としては、ディップコート、コーティングロッド、スピナーコート、スプレーコート、ロールコート等の周知の方法により塗布することが可能である。更に、前述の感光層の上には、酸素による重合禁止作用を防止するために酸素遮断層を設けることができる。その具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、セルロース等の水溶性高分子が挙げられる。この内、特に酸素ガスバリア性の高いポリビニルアルコールを含むものが好ましい。
【0072】
本発明の画像形成材料に適用し得る露光光源としては、特に限定されないが例えば、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、ヘリウムカドミウムレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、ヘリウムネオンレーザーらが特に好適に使用し得る。
【0073】
本発明の光重合性組成物は、かかる光源にて画像露光を行った後、界面活性剤とアルカリを含有する水溶液を用いて現像すれば支持体上に画像を形成することができる。この水溶液には、更に有機溶剤、緩衝剤、染料または顔料を含有することができる。適当なアルカリ剤としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の無機アルカリ剤、及びトリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン類などの有機アミン化合物などが挙げられ、これらは単独もしくは組み合わせて使用できる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能である。また、有機溶剤としては例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等を必要により含有させることが可能である。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
<結合剤の合成>
メチルメタクリレート/メタアクリル酸=80/20mol%(仕込み比)の共重合体、Mw=5万(以下「結合材−1」と略す。)を38.9重量部、下記脂環式エポキシ含有不飽和化合物7.28重量部、
【0075】
【化10】
【0076】
p−メトキシフェノール0.044重量部、テトラブチルアンモニウムクロライド0.17重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート87.4重量部を反応容器中に加え、110℃、24時間空気中で攪拌反応させてエチレン性高分子結合材(酸価53、結合材−1のメタアクリル酸成分全体の5割に不飽和基が反応。以下「結合材−2」と略す。)溶液を得た。
【0077】
<アルミニウム支持体の製造>
アルミニウム板を3%水酸化ナトリウムにて脱脂し、これを11.5g/l塩酸浴中で25℃、80A/dm2の電流密度で11秒電解エッチングし、水洗後30%硫酸浴中で30℃、11.5A/dm2の条件で15秒間陽極酸化し、水洗、乾燥して平版印刷版用アルミニウム板(以下「支持体−1」と略す。)を得た。
【0078】
上記支持体−1上に、下記の光重合性組成物塗布液−1をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとメトキシプロパノール(重量比で1:9)に固形分が8.5wt%になるように溶解し、バーコーターを用いて乾燥膜厚2g/m2となるように塗布乾燥した。更にこの上に、下記の保護層水溶液−1をバーコーターを用いて乾燥膜厚3g/m2となるように第1表のように塗布乾燥し感光性平版印刷板を作製した。
【0079】
【表1】
光重合性組成物塗布液−1
光重合開始剤−1 5 重量部
増感剤−1 第1表記載の重量部
バンディング抑制剤−1 第1表記載の重量部
バンディング抑制剤−2 第1表記載の重量部
エチレン性単量体−1 22 重量部
エチレン性単量体−2 22 重量部
エチレン性単量体−3 11 重量部
高分子結合材−2 45 重量部
エチルバイオレット 7.5 重量部
エマルゲン104P(花王社製) 2 重量部
S−381(フッ素系界面活性剤) 0.3 重量部
【0080】
【化11】
【0081】
【化12】
【0082】
【化13】
【0083】
保護層−1
ポリビニルアルコール(日本合成化学社製GL−03)5gおよび、ポリビニルピロリドン(BASF社製、Luviskol K−30)5gを水90gに溶解し、界面活性剤(ダイノール604 エアープロダクツジャパン社)を固形分に対して0.2wt%になるように添加して作成した保護層水溶液。
得られた感光性平版印刷版について以下の評価を行った。
【0084】
<感度評価>
Creo社製Trendsetter(830 nm IRレーザー照射装置)にて、表面にステップタブレット(コニカ社製。)を貼り付けた状態で60mj/cm2照射した。露光後、現像処理し、ステップにて完全に感光層が除去された段数を読みとり、感度評価とした。
尚、現像処理はAケイ酸カリウムを3重量%、ペレックスNBL(花王(株)社製)5重量%を含む水溶液中に、25℃で30秒浸漬後スポンジで1回擦ることにより行った。
【0085】
<バンディング評価>
Creo社性Trendsetter(830nm IRレーザー照射装置)にて露光量を50mj,60mj,70mj,80mj,90mj/cm2へと段階的に10mj/cm2刻みで振って50%画像を露光、現像した。バンディングがはっきりと見られる物を×、バンディングがやや見られる状態を△、バンディングが全く見られない物を○とした。
【0086】
【表2】
実施例1、実施例2および実施例3は、参考例である。
【0087】
【表3】
【0088】
【発明の効果】
本発明により、レーザー光によって露光される光重合性組成物において、レーザーの漏れ光によるバンディングを押さえ、しかも感度が高い光重合性組成物及び光重合性平版印刷版を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a photopolymerizable image forming material and an image forming method. More specifically, it is suitable for direct plate making using a light having a wavelength range of 650 to 1300 nm, particularly a semiconductor laser, a YAG laser, etc., and is photopolymerizable in which a photopolymerizable composition layer and a protective layer are laminated on a support. The present invention relates to an image forming material and an image forming method thereof.
[0002]
[Prior art]
With the progress of computer image processing technology, a photosensitive direct plate making system that directly forms a resist image by laser light or the like without outputting digital image information to a silver salt mask film has attracted attention.
Various light sources from far ultraviolet to microwave are known as laser light. From the viewpoint of laser output, stability, cost, photosensitivity, etc., laser light that can be used for lithography is Ar ion laser, YAG laser, FD- Those that emit infrared light from visible light, such as YAG laser, helium neon laser, and semiconductor laser, are prominent. For this reason, various compositions having photosensitivity to visible to infrared light have been studied.
[0003]
Among them, an image forming material having photosensitivity to infrared laser light is promising. As a polymerizable composition that is sensitive to an infrared laser, a combination of a cationic dye and a borate complex (Japanese Patent Laid-Open Nos. 6-59450, 5-216227, 5-247110, and 5- No. 265204, JP-A-6-33217), a combination of a photothermal conversion substance and an onium salt (JP-A-9-34110, JP-A-9-134209) and the like are known.
[0004]
However, there is a problem if there is weak leakage light from the laser head when the polymerizable composition having a relatively high reaction rate is scanned and exposed with infrared laser light.
In other words, because the reaction speed is fast, unwanted light in the form of streaks may be formed due to weak light leakage, resulting in hindrance to image reproducibility (this phenomenon is called banding in this specification). The present situation is that it has a fatal problem due to the polymerization system.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to solve the above-mentioned problems, a photopolymerizable composition that suppresses the banding phenomenon caused by infrared laser leakage light, and a photopolymerizable lithographic printing comprising the photopolymerizable composition provided on a support. To provide a version.
Another object of the present invention is to provide a method for forming an image with reduced banding phenomenon using the photopolymerizable lithographic printing plate.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of diligent study, the present inventors have determined that in the photopolymerizable composition capable of forming an image with an infrared laser, in addition to the composition when exhibiting the highest sensitivity, an image defect formation preventive agent due to leaked light (hereinafter, By adding a binding inhibitor), it was found that banding can be significantly suppressed, and the present invention has been achieved.
That is, the gist of the present invention is (A) an ethylenic monomer, (B) a sensitizing dye that absorbs light in the range of 650 to 1300 nm, (C) a radical generator, and (D) light of 650 to 1300 nm. In the photopolymerizable composition containing a banding inhibitor that absorbs light, (B) the content of the sensitizing dye that absorbs light in the range of 650 to 1300 nm is such that the sensitizing dye has the highest sensitivity in the photopolymerizable composition. Indicating the amount (WmaxThe total amount of (B) a sensitizing dye that absorbs light in the range of 650 to 1300 nm and (D) a banding inhibitor that absorbs light in the range of 650 to 1300 nm. But WmaxThe photopolymerizable composition is in the range of 110 wt% to 1000 wt%.
[0007]
Another gist of the present invention resides in a photopolymerizable lithographic printing plate obtained by providing the above-mentioned photopolymerizable composition on a support.
Another gist of the present invention is that the above-mentioned photopolymerizable lithographic printing plate is image-exposed with a laser beam in a range of 650 to 1300 nm, and an unexposed portion is dissolved with an alkali developer to form an image. The image forming method is characterized.
[0008]
The photopolymerizable composition of the present invention comprises (A) an ethylenic monomer, (B) a sensitizing dye that absorbs light in the range of 650 to 1300 nm, (C) a radical generator, and (D) as essential components. Contains a banding inhibitor that absorbs light between 650 and 1300 nm.
[0009]
The (A) ethylenic monomer used in the present invention is a compound having one or more ethylenic double bonds. Examples of the compound having one ethylenic double bond include (meth) acrylic acid and (meth) acrylic. Examples thereof include alkyl esters of acids, acrylonitrile, styrene, monoesters of carboxylic acids having one ethylenically unsaturated bond and poly (mono) hydric alcohols. It is desirable to contain a polyfunctional ethylenic compound having two or more ethylenic double bonds in one molecule as the ethylenic monomer.
Examples of such polyfunctional ethylenic compounds include, for example, esters of aliphatic polyhydroxy compounds and unsaturated carboxylic acids; esters of aromatic polyhydroxy compounds and unsaturated carboxylic acids; aliphatic polyhydroxy compounds and aromatic polyhydroxys. Examples thereof include esters obtained by esterification reaction of polyvalent hydroxy compounds such as compounds with unsaturated carboxylic acids and polyvalent carboxylic acids.
[0010]
The ester of the aliphatic polyhydroxy compound and the unsaturated carboxylic acid is not limited, but ethylene glycol diacrylate, triethylene glycol diacrylate, trimethylol propane triacrylate, trimethylol ethane triacrylate, pentaerythritol diacrylate, pentaerythritol tris. Acrylate esters of aliphatic polyhydroxy compounds such as acrylate, pentaerythritol tetraacrylate, dipentaerythritol tetraacrylate, dipentaerythritol pentaacrylate, dipentaerythritol pentaacrylate, dipentaerythritol hexaacrylate glycerol acrylate, etc. Methacrylic acid ester with acrylate replaced with methacrylate, as well Itaconic acid esters instead Takoneto, maleic acid esters, and the like was replaced with crotonic acid ester or maleate was replaced Kuroneto.
[0011]
Examples of the ester of an aromatic polyhydroxy compound and an unsaturated carboxylic acid include acrylic acid esters and methacrylic acid esters of aromatic polyhydroxy compounds such as hydroquinone diacrylate, hydroquinone dimethacrylate, resorcin diacrylate, resorcin dimethacrylate, pyrogallol triacrylate and the like. Etc.
The ester obtained by the esterification reaction of unsaturated carboxylic acid and polyvalent carboxylic acid and polyvalent hydroxy compound is not necessarily a single substance, but typical examples include acrylic acid, phthalic acid, and ethylene glycol. Examples include condensates, condensates of acrylic acid, maleic acid and diethylene glycol, condensates of methacrylic acid, terephthalic acid and pentaerythritol, condensates of acrylic acid, adipic acid, butanediol and glycerin.
[0012]
In addition, as an example of the polyfunctional ethylenic monomer used in the present invention, a polyisocyanate compound and a hydroxyl group-containing (meth) acrylate ester or a polyisocyanate compound and a polyol and a hydroxyl group-containing (meth) acrylate ester are reacted. Urethane (meth) acrylates as obtained; epoxy acrylates such as addition reaction product of polyvalent epoxy compound and hydroxy (meth) acrylate or (meth) acrylic acid: acrylamides such as ethylenebisacrylamide; diallyl phthalate Allyl esters such as: vinyl group-containing compounds such as divinyl phthalate are useful.
[0013]
Among these polyfunctional ethylenic monomers, it is desirable to contain urethane (meth) acrylates.
Furthermore, preferred examples of the ethylenic monomer used in the present invention include a phosphoric acid ester compound containing at least one (meth) acryloyl group (hereinafter abbreviated as “phosphoric acid ester compound”). When the ester compound is contained, it is particularly useful in terms of improving the printing durability and the non-image area removal property. The compound is a compound in which at least a part of the hydroxyl group of phosphoric acid is esterified, and is not particularly limited as long as it has a (meth) acryloyl group. Specifically, for example, the following general formulas (1), ( The compound shown by 2) is mentioned.
[0014]
[Chemical 1]
[0015]
(In the general formulas (1) and (2), R1And R2Represents a hydrogen atom or a methyl group, n represents an integer of 1 to 25, and m represents an integer of 1 to 3, respectively. )
[0016]
Of the compounds represented by the general formulas (1) and (2), those in which n is 1 to 10, particularly 1 to 4 are particularly preferable. Specific examples of particularly preferable compounds among the compounds represented by the general formulas (1) and (2) include methacryloxyethyl phosphate, bis (methacryloxyethyl) phosphate, and methacryloxyethylene glycol phosphate. Etc.
[0017]
The phosphate ester compound used in the present invention may be a single compound or a mixture of a plurality of compounds. When the phosphoric acid ester compound is contained, the content thereof is preferably 1 to 60% by weight, particularly preferably 5 to 50% by weight, in the ethylenic monomer.
[0018]
Next, sensitizing dye (B) contained in the photopolymerizable composition layer used in the present invention that absorbs light in the range of 650 to 1300 nm (hereinafter sometimes simply referred to as sensitizing dye) is 650. It is a compound that is excited (electron transition) when receiving light irradiation in the range of ˜1300 nm and plays a role of transferring the electron transition energy to the radical generator of component (C).
As the sensitizing dye used in the present invention, any compound can be used as long as it undergoes an electron transition upon irradiation with light in the range of 650 to 1300 nm.
[0019]
In the present invention, as these dyes, a hetero atom such as a nitrogen atom, an oxygen atom, or a sulfur atom is polymethine (—CH═).nA structure in which a chain is bonded is a basic structure. Typically, the heteroatom forms a heterocyclic ring, and the structure in which the heterocyclic ring is bonded through a polymethine chain is a so-called broad structure. Cyanine dyes, specifically, for example, quinoline (so-called cyanine), indole (so-called indocyanine), benzothiazole (so-called thiocyanine), pyrylium, thiapyrylium, squarylium, croconium And so-called polymethine dyes having a structure in which an acyclic heteroatom is bonded via a polymethine chain, among which quinoline, indole, benzothiazole, pyrylium, thiapyrylium Cyanine dyes such as those and polymethine dyes are preferred.
[0020]
In the present invention, among the cyanine dyes, those represented by the following general formula (Ia), (Ib), or (Ic) are particularly preferable as the quinoline dyes.
[0021]
[Chemical 2]
[0022]
[In formulas (Ia), (Ib), and (Ic), R1And R2Each independently has an alkyl group which may have a substituent, an alkenyl group which may have a substituent, an alkynyl group which may have a substituent, or a substituent. Represents a good phenyl group, L1(1) represents a tri, penta, hepta, nona, or undecametine group having at least a substituent having an ether bond that generates an oxonium cation or a thioether bond that generates a sulfonium cation, in resonance in the dye molecule, or (2) an ether bond or a sulfonium cation having at least two substituents on the penta, hepta, nona, or undecametine group, and the two substituents resonating in the dye molecule to generate an oxonium cation To form a cyclic structure. Two substituents on the penta, hepta, nona, or undecametin group are connected to each other to form a C5-C7 cycloalkene ring, cycloalkenone ring, cycloalkenedione ring, or cycloalkenethione ring. In addition, the quinoline ring may have a substituent, and in this case, two adjacent substituents may be connected to each other to form a condensed benzene ring. Xa -Represents a counter anion. ]
[0023]
Where R in the formulas (Ia), (Ib), and (Ic)1And R2When C is an alkyl group, the carbon number is usually 1 to 15, preferably 1 to 10, and when it is an alkenyl group or an alkynyl group, the carbon number is usually 2 to 15, preferably 2 to 10, and a phenyl group As those substituents including those, an alkoxy group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms, a phenoxy group, a hydroxy group, a phenyl group, or the like can be given.1Examples of the substituent other than the substituent having an ether bond or thioether bond in the above include an alkyl group having the same carbon number, an amino group, or a halogen atom, and the substituent in the quinoline ring is an alkyl group having the same carbon number. And an alkoxy group having the same number of carbon atoms, a nitro group, or a halogen atom.
[0024]
Further, as the indole and benzothiazole dyes, those represented by the following general formula (II) are particularly preferable.
[0025]
[Chemical 3]
[0026]
[In formula (II), Y1And Y2Each independently represents a dialkylmethylene group or a sulfur atom;ThreeAnd RFourEach independently has an alkyl group which may have a substituent, an alkenyl group which may have a substituent, an alkynyl group which may have a substituent, or a substituent. Represents a good phenyl group, L2(1) A tri, penta, hepta, nona, or undecametine group having at least a substituent having an ether bond that generates an oxonium cation or a thioether bond that generates a sulfonium cation as a substituent. Or (2) an ether bond having at least two substituents on the penta, hepta, nona, or undecametine group, wherein the two substituents resonate in the dye molecule to produce an oxonium cation Or linked by a thioether bond that produces a sulfonium cation to form a cyclic structure. Two substituents on the penta, hepta, nona, or undecametin group are connected to each other to form a C5-C7 cycloalkene ring, cycloalkenone ring, cycloalkenedione ring, or cycloalkenethione ring. Alternatively, the condensed benzene ring may have a substituent, and in this case, two adjacent substituents may be connected to each other to form a condensed benzene ring. Xa -Represents a counter anion. ]
[0027]
Here, R in the formula (II)ThreeAnd RFourWhen C is an alkyl group, the carbon number is usually 1 to 15, preferably 1 to 10, and when it is an alkenyl group or an alkynyl group, the carbon number is usually 2 to 15, preferably 2 to 10, and a phenyl group As those substituents including those, an alkoxy group having 1 to 15 carbon atoms, preferably 1 to 10 carbon atoms, a phenoxy group, a hydroxy group, a phenyl group, or the like can be given.2Examples of the substituent other than the substituent substituted by the ether bond or thioether bond in the above include an alkyl group having the same carbon number, an amino group, or a halogen atom, and the substituent in the condensed benzene ring is the same as the above carbon number. An alkyl group of the above, an alkoxy group having the same carbon number, a nitro group, or a halogen atom.
[0028]
Further, as the pyrylium-based and thiapyrylium-based dyes, those represented by the following general formula (IIIa), (IIIb), or (IIIc) are particularly preferable.
[0029]
[Formula 4]
[0030]
[In the formulas (IIIa), (IIIb), and (IIIc), Z1And Z2Each independently represents an oxygen atom or a sulfur atom, and RFive, R6, R7And R8Each independently represents a hydrogen atom or an alkyl group, or RFiveAnd R7And R6And R8May be linked to each other to form a cycloalkene ring having 5 or 6 carbon atoms.Three(1) represents a mono-, tri-, penta-, or heptamethine group having at least a substituent having an ether bond that generates an oxonium cation or a thioether bond that generates a sulfonium cation as a substituent. Or (2) an ether linkage having at least two substituents on the penta, hepta, nona, or undecametine group, wherein the two substituents resonate in the dye molecule to produce an oxonium cation, or They are linked by a thioether bond that produces a sulfonium cation to form a cyclic structure. Two substituents on the tri, penta, or heptamethine group may be linked to each other to form a C5-C7 cycloalkene ring, cycloalkeneone ring, cycloalkenedione ring, or cycloalkenethione ring. , The pyrylium ring and the thiapyrylium ring may have a substituent, and in this case, two adjacent substituents may be connected to each other to form a condensed benzene ring. Xa -Represents a counter anion. ]
[0031]
Where R in formulas (IIIa), (IIIb), and (IIIc)Five, R6, R7And R8Carbon number when is an alkyl group is usually 1-15, preferably 1-10, and LThreeExamples of the substituent other than the substituent substituted by the ether bond or thioether bond in the above include an alkyl group having the same carbon number, an amino group, or a halogen atom, and the substituent in the pyrylium ring and the thiapyrylium ring is phenyl. And aryl groups such as groups.
[0032]
Further, as the polymethine dye, those represented by the following general formula (IV) are particularly preferable.
[0033]
[Chemical formula 5]
[0034]
[In formula (IV), R9, RTen, R11And R12Each independently represents an alkyl group, R13And R14Each independently represents an aryl group, a furyl group or a thienyl group which may have a substituent, and LFour(1) As a substituent, a mono, tri, penta, or heptamethine group having at least a substituent substituted with an ether bond that generates an oxonium cation or a thioether bond that generates a sulfonium cation by resonance in a dye molecule Or (2) an ether bond having at least two substituents on the penta, hepta, nona, or undecametine group, wherein the two substituents resonate in the dye molecule to produce an oxonium cation Or linked by a thioether bond that produces a sulfonium cation to form a cyclic structure. Two substituents on the tri, penta, or heptamethine group may be linked to each other to form a C5-C7 cycloalkene ring, cycloalkeneone ring, cycloalkenedione ring, or cycloalkenethione ring. The quinone ring and the benzene ring may have a substituent. Xa -Represents a counter anion. ]
[0035]
Here, R in the formula (IV)9, RTen, R11And R12The carbon number of the alkyl group is usually 1-15, preferably 1-10, R13And R14The number of carbons when is an aryl group is usually 6-20, preferably 6-15, and R13And R14Specifically, a phenyl group, a 1-naphthyl group, a 2-naphthyl group, a 2-furyl group, a 3-furyl group, a 2-thienyl group, a 3-thienyl group, and the like can be mentioned. An alkyl group having the same carbon number, an alkoxy group having the same carbon number, a dialkylamino group, a hydroxy group, or a halogen atom;FourExamples of the substituent other than the substituent substituted by the ether bond or thioether bond in the above include an alkyl group having the same carbon number, an amino group, or a halogen atom, and the substituents in the quinone ring and the benzene ring are the same as above. Examples thereof include an alkyl group having a carbon number, an alkoxy group having the same carbon number, a nitro group, and a halogen atom.
[0036]
The counter anions X in the general formulas (Ia to c), (II), (IIIa to c), and (IV)a -Specifically, for example, Cl-, Br-, I-, ClOFour -, PF6 -, SbF6 -, AsF6 -And BFFour -, BClFour -Inorganic acid anions such as inorganic boric acid, and the like, as well as benzenesulfonic acid, toluenesulfonic acid, naphthalenesulfonic acid, acetic acid, and methyl, ethyl, propyl, butyl, phenyl, methoxyphenyl, naphthyl, fluorophenyl, difluorophenyl, Mention may be made of organic acid anions such as organoboric acids having an organic group such as pentafluorophenyl, thienyl, pyrrolyl and the like.
[0037]
Further, the sensitizing dye used in the present invention may form an inner salt. Examples of the sensitizing dye forming the inner salt include a compound represented by the following formula (V).
[0038]
[Chemical 6]
[0039]
(In formula (V), Y1, Y2, RThree, RFourIs as defined in the formula (II). LFourRepresents a polymethine group selected from tri-, penta-, hepta-, nona-, and undecamethine, and a barbituric acid residue or a thiobarbituric acid residue represented by the following formula (V-2) is present on the polymethine group. Have. )
[0040]
[Chemical 7]
[0041]
(In formula (V-2), X represents an oxygen atom or a sulfur atom.15And R16Each independently has a hydrogen atom, an alkyl group which may have a substituent, an alkenyl group which may have a substituent, an alkoxy group which may have a substituent, or a substituent. An optionally substituted phenyl group is shown. )
[0042]
The quinoline series represented by the above general formula (Ia to c), the indole series or benzothiazole series represented by the above general formula (II), the pyrylium series or thiapyrylium represented by the above general formula (IIIa to c) In the present invention, indole or benzothiazole dyes represented by the above general formula (II) are particularly preferred among the cyanine dyes such as the above systems and the polymethine dyes represented by the above general formula (IV). .
[0043]
In addition, L in each of the above formulas1, L2, LThree, And LFourAs a polymethine chain including those having a heptamethine chain for a wavelength range of 700 to 850 nm, a nonamethine chain for a wavelength range of 850 to 950 nm, and an undecametin chain for a wavelength range of 950 to 1300 nm Are preferred respectively.
The photopolymerization initiator of component (C) constituting the photopolymerizable composition of the present invention is a radical generator that generates active radicals when irradiated with light in the presence of component (B). For example, halogenated hydrocarbon derivatives, JP-A-62-143044, JP-A-62-1050242, JP-A-9-188865, JP-A-9-188686, JP-A-9-188710, Patent No. No. 2,764,769, etc., and organoborates described in Kunz, Martin “Rad Tech'98. Proceeding April 19-22, 1998, Chicago”, etc., JP-A-59-152396, JP-A-61 -151197, titanocene compounds described in each publication, hexaarylbiimidazole compounds described in Japanese Patent Publication No. 6-29285, and diaryl iodonium salts, organic peroxides, etc. In the halogenated hydrocarbon derivative, and an organic boron salt is preferred.
[0044]
Here, the halogenated hydrocarbon derivative is preferably an s-triazine derivative in which at least one mono, di, or trihalogen-substituted methyl group is bonded to the s-triazine ring, specifically, for example, 2, 4,6-tris (monochloromethyl) -s-triazine, 2,4,6-tris (dichloromethyl) -s-triazine, 2,4,6-tris (trichloromethyl) -s-triazine, 2-methyl- 4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2-n-propyl-4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2- (α, α, β-trichloroethyl) -4,6 -Bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2-phenyl-4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2- (p-methoxyphenyl) -4,6-bis ( Lichloromethyl) -s-triazine, 2- (3,4-epoxyphenyl) -4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2- (p-chlorophenyl) -4,6-bis (trichloromethyl)- s-triazine, 2- [1- (p-methoxyphenyl) -2,4-butadienyl] -4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2-styryl-4,6-bis (trichloromethyl) -S-triazine, 2- (p-methoxystyryl) -4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2- (pi-propyloxystyryl) -4,6-bis (trichloromethyl)- s-triazine, 2- (p-tolyl) -4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2- (4-methoxynaphthyl) -4,6-bis (trichloro) Til) -s-triazine, 2-phenylthio-4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2-benzylthio-4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2,4,6-tris (Dibromomethyl) -s-triazine, 2,4,6-tris (tribromomethyl) -s-triazine, 2-methyl-4,6-bis (tribromomethyl) -s-triazine, 2-methoxy-4 , 6-bis (tribromomethyl) -s-triazine and the like, among which 2-methyl-4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2-phenyl-4,6-bis (trichloromethyl) ) -S-triazine, 2- (p-methoxyphenyl) -4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2- (3,4-epoxyphenyl) -4,6-bi (Trichloromethyl) -s-triazine, 2- [1- (p-methoxyphenyl) -2,4-butadienyl] -4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2- (p-methoxystyryl) ) -4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine, 2- (pi-propyloxystyryl) -4,6-bis (trichloromethyl) -s-triazine and the like bis (trihalomethyl) -s -Triazine compounds are preferred because of their excellent stability over time.
[0045]
Other halogenated hydrocarbon derivatives include, for example, JP-A-53-133428, JP-A-62-58241, German Patent No. 3333724, MPHutt, EFFlslager, LMWerbel " Examples include those described in “Jurnal of Heterocyclic Chemistry” Vol. 7, No. 3 (1970).
[0046]
Further, as the organic borate, those represented by the following general formula (VI) are particularly preferable.
[0047]
[Chemical 8]
[0048]
[In formula (VI), R17, R18, R19And R20Each independently represents an alkyl group which may have a substituent, an alkenyl group which may have a substituent, an alkynyl group which may have a substituent, or a substituent. A preferable aryl group or heterocyclic group, which may be linked to each other to form a cyclic structure, and at least one of them may be an alkyl group which may have a substituent. Xb +Is a counter cation. ]
[0049]
Here, R in the formula (VI)17, R18, R19And R20The number of carbons when is an alkyl group is usually 1-15, preferably 1-5, the number of carbons when an alkenyl group or alkynyl group is usually 2-15, preferably 2-5, when an aryl group. Carbon number is 6-20 normally, Preferably it is 6-15, Carbon number is 4-20 normally when it is a heterocyclic group, Preferably it is 4-15, As a substituent in them, a halogen atom, an alkyl group, Examples include an alkoxy group, a trifluoromethyl group, and a trimethylsilyl group.
[0050]
Specific examples of the organic boron anion of the organic boron salt represented by the formula (VI) include n-butyl-methyl-diphenyl boron anion, n-butyl-triphenyl boron anion, n-butyl- Tris (2,4,6-trimethylphenyl) boron anion, n-butyl-tris (p-methoxyphenyl) boron anion, n-butyl-tris (p-fluorophenyl) boron anion, n-butyl-tris (m- Fluorophenyl) boron anion, n-butyl-tris (2,6-difluorophenyl) boron anion, n-butyl-tris (2,4,6-trifluorophenyl) boron anion, n-butyl-tris (2,3 , 4,5,6-pentafluorophenyl) boron anion, n-butyl-tris (p-chlorophenyl) boron anion, n-butyl Ru-tris (trifluorophenyl) boron anion, n-butyl-tris (2,6-difluoro-3-pyrrolylphenyl) -boron anion, n-butyl-tris (3-fluoro-4-methylphenyl) -boron Anion etc. are mentioned.
[0051]
Also, counter cation Xb +Examples thereof include onium compounds such as alkali metal cations, ammonium cations, phosphonium cations, sulfonium cations, iodonium cations, and pyryllium cations, thiapyrylium cations, indolium cations, and the like. Organic ammonium cations such as are preferred.
[0052]
Among the above components (C), when a bis (trihalomethyl) -s-triazine compound or an organic borate is used, it is particularly preferable because of high sensitivity.
In the present invention, in order for the organic boronic acid salt as the photopolymerization initiator of the component (B) and the photopolymerization initiator of the component (C) to be present in the photopolymerizable composition, the dye cation of the pigment is appropriately selected. In addition to the usual method of blending a salt with a counter anion, an organic boron anion of the organoborate and a salt of an appropriately selected counter cation, the dye cation of the dye and the organoboron anion of the organoborate A method of blending the salt formed in the above can also be employed, and the latter method is preferred in the present invention.
[0053]
Next, (D) a banding inhibitor that absorbs light of 650 to 1300 nm (hereinafter simply referred to as a banding inhibitor), which is a feature of the present invention, is a compound having an absorption region in the above range.
The function of the banding inhibitor in the present invention is estimated as follows.
In the photopolymerizable composition capable of forming an image with infrared light, the amount of the sensitizing dye is usually set so that the photopolymerizable composition exhibits the highest sensitivity. Here, the amount of the sensitizing dye exhibiting the highest sensitivity in the photopolymerizable composition is the amount ratio of (A) the ethylenic monomer, (C) the radical generator, and other components contained in the photopolymerizable composition. And the sensitivity can be determined by changing only the amount ratio of the sensitizing dye.
[0054]
The sensitizing dye is usually distributed almost evenly in the photopolymerizable composition (in the case of a photopolymerizable lithographic printing plate, the photopolymerizable composition layer), and the photopolymerizable composition has the highest sensitivity. When the amount is the amount of the sensitizing dye, it is considered that almost all of the irradiated light is absorbed by the sensitizing dye and exhibits the maximum sensitizing action.
If the amount of the sensitizing dye is too small, the irradiated light cannot be absorbed by the sensitizing dye before reaching the deepest part of the photopolymerizable composition layer, and the efficiency is lowered. On the other hand, if there are too many sensitizing dyes, all of the irradiated light is absorbed by the sensitizing dye present on the surface portion of the photopolymerizable composition layer, and the light cannot reach the deep part of the photopolymerizable composition layer. Therefore, photopolymerization in the deep part does not occur, and the sensitivity is rather lowered.
[0055]
Therefore, the amount of the sensitizing dye is usually set so that the photopolymerizable composition exhibits the highest sensitivity. However, in the case of a photopolymerizable composition, since the sensitivity is very high, there may be a problem that the photopolymerizable composition is exposed to light leaked from a laser. The cause of the laser leakage light is not clear, but the light of about one-tenth of the normal light intensity is received from the end of the laser light irradiation device in spite of receiving a signal that the laser light is not originally emitted. This is a phenomenon of irradiation toward the printing plate surface.
[0056]
Since the leakage light is considerably weaker than the normal exposure intensity, it is possible to prevent the polymerization due to the leakage light by absorbing it with the light absorbent in the photopolymerizable composition.
Here, a substance that absorbs light of 650 to 1300 nm is referred to as a banding inhibitor. However, since this also absorbs ordinary laser light, the sensitivity of the photopolymerizable composition is reduced accordingly. Therefore, if the amount of the banding inhibitor is too large, the sensitivity is too low and image formation becomes difficult. Therefore, the amount added is usually 110% to 1000% of the maximum sensitivity as a sum of the sensitizing dye. Yes, preferably 110% to 500%, more preferably 110% to 250%.
By blending in this way, a decrease in sensitivity due to normal laser exposure can be minimized, and photopolymerization due to leakage light can be prevented.
[0057]
Any of these banding inhibitors can be used as long as they are compounds capable of absorbing light in the range of 650 nm to 1300 nm, that is, compounds having an absorption region in part or all of the range of 650 nm to 1300 nm. From the viewpoint of absorption efficiency, it is preferable to include a compound having a maximum absorption at 650 to 1300 nm. From a practical point of view, a compound that absorbs light having an exposure wavelength is good, and the current laser exposure apparatuses for image forming materials are 830 nm and 1016 nm. preferable. Any compound having an absorption region in both of them can be used for an image forming material for any exposure wavelength.
[0058]
Next, a specific method for adding a banding inhibitor will be described.
Among the photopolymerizable compositions of the present invention, compounds having an absorption region at 650 nm to 1300 nm can be classified as either sensitizing dyes or banding inhibitors.RuHowever, as described above, the addition amount of the banding inhibitor is usually 110% to 1000% of the amount that the sensitizing dye exhibits the maximum sensitivity, preferably as the sum of the sensitizing dye. Therefore, the amount when the compound called sensitizing dye A shows the highest sensitivity is expressed as WmaxThe actual blending amount a of the sensitizing dye A blended in the photopolymerizable composition of the present invention, the blending amount b of the banding inhibitor B, and WmaxIs preferably 1.1 Wmax≦ a + b ≦ 10WmaxAnd more preferably 1.1 Wmax≦ a + b ≦ 5WmaxAnd particularly preferably 1.1 Wmax≦ a + b ≦ 2.5WmaxRange. Further, if the amount of the sensitizing dye is too small, the sensitivity is too low. Therefore, the actual blending amount a of the sensitizing dye A is 0.9 W.max≦ a ≦ 1.1WmaxIt is preferable that it is the range of these.
[0059]
Here, since the sensitizing dye used in the present invention can also absorb light in the range of 650 nm to 1300 nm, the sensitizing dye itself may be used as a banding inhibitor. In this case, the blending amount a of the sensitizing dye is usually 1.1 W.max≦ a ≦ 10Wmax, Preferably 1.1 Wmax≦ a ≦ 5WmaxRange.
Specific examples of the banding inhibitor used in the present invention include the above-described sensitizing dyes, infrared-absorbing inorganic pigments such as titanium black, infrared-absorbing organic pigments such as unsubstituted phthalocyanine, and carbon. Black etc. are mentioned. Further, the banding inhibitor may be used alone or as a mixture of a plurality of compounds.
[0060]
Next, the photopolymerizable composition used in the present invention can contain (D) a polymer binder as necessary.
Any polymer binder can be used as long as it is a known resin, but preferred examples include (meth) acrylic acid, (meth) acrylic acid ester, (meth) acrylamide, malee. Homo or copolymers such as acid, (meth) acrylonitrile, styrene, vinyl acetate, vinylidene chloride, maleimide, polyethylene oxide, polyvinyl pyrrolidone, polyamide, polyurethane, polyester, polyether, polyethylene terephthalate, acetyl cellulose, or polyvinyl butyral Etc.
[0061]
Among these, a polymer binder having a carboxyl group in the molecule is preferable from the viewpoint of solubility in an alkaline developer, and among them, at least one (meth) acrylic acid ester and (meth) acrylic acid are contained as a copolymerization component. A copolymer is preferred. Although it does not specifically limit as group which comprises ester of (meth) acrylic acid ester, The aliphatic or aromatic hydrocarbon group of about C1-C16 is common. The preferred acid value of the polymer binder having a carboxyl group in the molecule is 10 to 250, and the preferred weight average molecular weight (hereinafter abbreviated as Mw) is 5,000 to 1,000,000. These polymer binders desirably have an unsaturated bond in the side chain.
Among the unsaturated bonds, an acryloyl group or a methacryloyl group is preferable, and examples of a method for introducing these unsaturated bonds into the side chain of the polymer binder include the following methods.
[0062]
(Synthesis of polymer binders with unsaturated bonds)
An inert organic solvent solution of a polymer binder having a carboxyl group in the molecule (for example, alcohol-based, ester-based, aromatic hydrocarbon-based, aliphatic hydrocarbon-based, etc.) and an epoxy group-containing unsaturated compound; Is synthesized under the reaction conditions of about 80 to 120 ° C. for about 1 to 50 hours. The proportion of the carboxyl group to be reacted with the epoxy group-containing unsaturated compound is not particularly limited as long as the effect of the present invention can be achieved, but it is preferable to react 5 to 90 mol% with respect to the total carboxyl groups, more preferably. Is 20 to 80 mol%, more preferably 30 to 70 mol%. Within the above range, developability is good and adhesiveness is good.
[0063]
The epoxy group-containing unsaturated compound used for the production of the ethylenic polymer binder having an unsaturated group in the side chain is a compound having at least one addition-polymerizable unsaturated bond and an epoxy group in one molecule. . Epoxy group-containing unsaturated compounds include glycidyl (meth) acrylate, allyl glycidyl ether, α-ethyl glycidyl acrylate, crotonyl glycidyl ether, glycidyl crotonate, glycidyl isocrotonate, itaconic acid monoalkyl ester monoglycidyl ester, fumaric acid Examples thereof include aliphatic epoxy group-containing unsaturated compounds such as monoalkyl ester monoglycidyl ester and maleic acid monoalkyl ester monoglycidyl ester, and alicyclic epoxy group-containing unsaturated compounds represented by the following general formula (VII).
[0064]
[Chemical 9]
[0065]
(In the formula (VII), Rtwenty oneRepresents a hydrogen atom or a methyl group. Rtwenty twoRepresents an aliphatic saturated hydrocarbon having 1 to 6 carbon atoms. )
[0066]
As mentioned above, although the main structural component of the photopolymerizable composition used for this invention was explained in full detail, those suitable use ratios are (B) sensitization with respect to (A) 100 weight part of ethylenic monomers. The dye is preferably 0.01 to 20 parts by weight, particularly preferably 0.05 to 10 parts by weight, and the (C) radical activator is preferably 0.1 to 80 parts by weight, and particularly preferably 0.5 to 60 parts by weight and (D) the polymer binder is preferably in the range of 10 to 400 parts by weight, particularly preferably in the range of 20 to 200 parts by weight.
[0067]
The photopolymerizable composition used in the present invention may further contain other substances in addition to the above components depending on the purpose. For example, thermal polymerization inhibitors such as hydroquinone, p-methoxyphenol, 2,6-di-t-butyl-p-cresol; colorants comprising organic or inorganic dyes and pigments; dioctyl phthalate, didodecyl phthalate, tricresyl Additives such as plasticizers such as phosphates, sensitivity property improvers such as tertiary amines and thiols, and other dye precursors can also be added.
[0068]
Moreover, the photopolymerizable composition used in the present invention can contain a surfactant as a coating property improving agent. Of these, fluorine surfactants are particularly preferred. The preferred addition amount of the additives described above is 2 parts by weight or less for the thermal polymerization inhibitor, 20 parts by weight or less for the colorant, 40 parts by weight or less for the plasticizer, and 30 parts by weight for the dye precursor with respect to 100 parts by weight of the ethylenic monomer. Parts or less and 10 parts by weight or less of the surfactant.
[0069]
The photopolymerizable composition described above is diluted with an appropriate solvent, and coated and dried on a support to form a photosensitive layer, thereby forming an image forming material.
In the case where the image forming material is a photosensitive lithographic printing plate, an aluminum support that has been roughened and then anodized as a support can be suitably used. Examples of the roughening method include generally known brush polishing methods, ball polishing methods, electrolytic etching methods, chemical etching methods, liquid honing methods, sandblasting methods, and combinations thereof, preferably brush polishing methods, Examples include a ball polishing method, an electrolytic etching method, a chemical etching method, and a liquid honing method. Furthermore, the aluminum plate that has been subjected to the surface roughening treatment is desmutted with an acid or alkaline aqueous solution as necessary.
[0070]
The aluminum plate thus obtained is usually anodized, and a method of treating with an electrolytic solution containing sulfuric acid is particularly preferable. A method of anodizing with an electrolytic solution containing sulfuric acid is performed in accordance with a conventionally known method, for example, the method described in JP-A No. 58-213894. Specifically, for example, sulfuric acid having a sulfuric acid concentration of 5 to 50% by weight, preferably 15 to 30% is used, the temperature is about 5 to 50 ° C., preferably 15 to 35 ° C., and the current density is 1 to 60 A / dm.2In about 5 to 60 seconds. Further, if necessary, surface treatment by treatment with an alkali silicate such as sodium silicate or hot water, immersion in an aqueous solution containing a resin having a cationic quaternary ammonium group or an aqueous polymer compound such as polyvinylphosphonic acid, etc. It can be performed.
[0071]
The photopolymerizable composition can be applied by a known method such as dip coating, coating rod, spinner coating, spray coating, or roll coating. Furthermore, an oxygen blocking layer can be provided on the above-mentioned photosensitive layer in order to prevent the polymerization inhibition action by oxygen. Specific examples thereof include water-soluble polymers such as polyvinyl alcohol, polyvinyl pyrrolidone, polyethylene oxide, and cellulose. Of these, those containing polyvinyl alcohol having a high oxygen gas barrier property are particularly preferable.
[0072]
The exposure light source that can be applied to the image forming material of the present invention is not particularly limited, for example, carbon arc, high pressure mercury lamp, xenon lamp, metal halide lamp, fluorescent lamp, tungsten lamp, halogen lamp, helium cadmium laser, argon ion laser, A YAG laser, a helium neon laser, or the like can be used particularly preferably.
[0073]
The photopolymerizable composition of the present invention can form an image on a support by performing image exposure with such a light source and then developing with an aqueous solution containing a surfactant and an alkali. This aqueous solution can further contain an organic solvent, a buffer, a dye or a pigment. Suitable alkali agents include inorganic alkalis such as sodium silicate, potassium silicate, sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide, tribasic sodium phosphate, dibasic sodium phosphate, sodium carbonate, potassium carbonate, sodium bicarbonate and the like. And organic amine compounds such as trimethylamine, diethylamine, isopropylamine, n-butylamine, monoethanolamine, diethanolamine, and triethanolamine can be used alone or in combination. Examples of the surfactant include nonionic surfactants such as polyoxyethylene alkyl ethers, polyoxyethylene alkyl aryl ethers, polyoxyethylene alkyl esters, sorbitan alkyl esters, monoglyceride alkyl esters; and alkylbenzene sulfonic acids. Anionic surfactants such as salts, alkylnaphthalene sulfonates, alkyl sulfates, alkyl sulfonates, and sulfosuccinate esters; amphoteric surfactants such as alkylbetaines and amino acids can be used. In addition, as the organic solvent, for example, isopropyl alcohol, benzyl alcohol, ethyl cellosolve, butyl cellosolve, phenyl cellosolve, propylene glycol, diacetone alcohol and the like can be contained as necessary.
[0074]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example and a comparative example demonstrate this invention further more concretely, this invention is not limited by these Examples.
<Synthesis of binder>
A copolymer of methyl methacrylate / methacrylic acid = 80/20 mol% (preparation ratio), Mw = 50,000 (hereinafter abbreviated as “Binder-1”), 38.9 parts by weight, the following alicyclic epoxy-containing copolymer 7.28 parts by weight of a saturated compound,
[0075]
[Chemical Formula 10]
[0076]
Add 0.044 parts by weight of p-methoxyphenol, 0.17 parts by weight of tetrabutylammonium chloride, and 87.4 parts by weight of propylene glycol monomethyl ether acetate to the reaction vessel, and stir and react in air at 110 ° C. for 24 hours. An unsaturated group reacted with 50% of the total methacrylic acid component of the binding material-1 (acid value 53, binding material-1, hereinafter abbreviated as “binding material-2”).
[0077]
<Manufacture of aluminum support>
The aluminum plate was degreased with 3% sodium hydroxide, and this was removed in a 11.5 g / l hydrochloric acid bath at 25 ° C. and 80 A / dm.2Electrolytic etching for 11 seconds at a current density of 1, 30 A in a 30% sulfuric acid bath after washing with water, 11.5 A / dm2Were subjected to anodic oxidation for 15 seconds, washed with water and dried to obtain an aluminum plate for lithographic printing plate (hereinafter abbreviated as “support-1”).
[0078]
On the above support-1, the following photopolymerizable composition coating solution-1 was dissolved in propylene glycol monomethyl ether acetate and methoxypropanol (1: 9 by weight) so that the solid content was 8.5 wt%. Dry film thickness 2g / m using a bar coater2The coating was dried so that Further, on this, the following protective layer aqueous solution-1 was dried with a bar coater at a film thickness of 3 g / m.2As shown in Table 1, coating and drying were performed to prepare a photosensitive lithographic printing plate.
[0079]
[Table 1]
Photopolymerizable composition coating solution-1
Photopolymerization initiator-1 5 parts by weight
Sensitizer-1 parts by weight listed in Table 1
Banding inhibitor-1 parts by weight listed in Table 1
Banding inhibitor-2 parts by weight listed in Table 1
Ethylene monomer-1 22 parts by weight
22 parts by weight of ethylenic monomer-2
Ethylenic monomer-3 11 parts by weight
Polymer binding material-2 45 parts by weight
Ethyl violet 7.5 parts by weight
Emulgen 104P (made by Kao Corporation) 2 parts by weight
S-381 (Fluorosurfactant) 0.3 parts by weight
[0080]
Embedded image
[0081]
Embedded image
[0082]
Embedded image
[0083]
Protective layer-1
5 g of polyvinyl alcohol (GL-03 manufactured by Nippon Synthetic Chemical Co., Ltd.) and 5 g of polyvinyl pyrrolidone (BASF Corp., Luviskol K-30) are dissolved in 90 g of water, and a surfactant (Dynol 604 Air Products Japan) is added to the solid content. Protective layer aqueous solution prepared by adding to 0.2 wt%.
The obtained photosensitive lithographic printing plate was evaluated as follows.
[0084]
<Sensitivity evaluation>
With a Trendsetter (830 nm IR laser irradiation device) manufactured by Creo, 60 mj / cm 2 was irradiated with a step tablet (manufactured by Konica) attached to the surface. After exposure, development processing was performed, and the number of steps from which the photosensitive layer was completely removed in the step was read, and the sensitivity was evaluated.
The development processing was performed by immersing in an aqueous solution containing 3% by weight of A potassium silicate and 5% by weight of PELEX NBL (manufactured by Kao Corporation) at 25 ° C. for 30 seconds and rubbing once with a sponge.
[0085]
<Banding evaluation>
The exposure dose is 50mj, 60mj, 70mj, 80mj, 90mj / cm with Creo's Trendsetter (830nm IR laser irradiation device)210mj / cm step by step2Shake in increments to expose and develop 50% images. An object in which banding was clearly seen was rated as “X”, a state in which banding was slightly seen was indicated as “△”, and an object in which no banding was observed was marked as “◯”.
[0086]
[Table 2]
Examples 1, 2 and 3 are reference examples.
[0087]
[Table 3]
[0088]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a photopolymerizable composition and a photopolymerizable lithographic printing plate having high sensitivity while suppressing banding due to laser leakage light in a photopolymerizable composition exposed by laser light.
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