JP4016925B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置に関し、特に、封止部材の封止時の加圧力が発光素子に付与されることに起因して生じる発光素子のバンプの変形、バンプ間短絡等を防止できるようにした発光装置に関する。
LED(light-Emitting Diode:発光ダイオード)を光源とする発光装置の代表的な構造として、LED素子及びリード部の所定範囲を透光性を有する封止材料で覆うものがある。この封止材料には、エポキシやシリコン等の樹脂やガラスがあるが、成形性、量産性、及びコストの面から、一般に樹脂が用いられている。
LED素子を封止樹脂で封止することにより、発光装置の設計自由度や生産性に優れる反面、LED素子から放射される光によって、封止樹脂の光学的特性及び化学的特性が劣化し、その結果、発光装置の発光効率を低下させることが問題視されている。
封止用の樹脂材(例えば、エポキシ樹脂)は、LED素子から放射される強い光を受けることによって次第に黄変し、樹脂材に着色を生じることが知られている。この様な着色が生じると、LED素子から放射される光が吸収されて発光装置の光出力を低下させ、また、出力光に着色の影響が現れるという問題がある。
かかる問題を解決するものとして、耐湿性を有するガラス層でLED素子を封止し、他の部分を樹脂で封止した発光装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
図6は、特許文献1に示された発光装置を示す。この発光装置200は、配線導体201及び202と、配線導体202に形成されるカップ部203と、カップ部203内の底部203Aに接着されるLED素子204と、LED素子204の電極部(図示せず)と配線導体201及び202の所定部位とを電気的に接続するワイヤ205と、カップ部203内に設けられるLED素子204を封止するガラス層206と、ガラス層206に含有される蛍光物質206Aと、砲弾形に成形されて全体を封止するとともに光透過性を有する封止樹脂207とを有する。蛍光物質206Aは、波長変換を行うためにガラス層206に混入されており、LED素子204から放射された光が蛍光物質206Aによって波長変換される。
このような構成によると、LED素子204がカップ部203に注入されたガラス層206によって包囲されるので、黄変や着色による光の減衰を低減することができる。また、水分の透過が防止されて蛍光体の劣化を防ぐことができる。
近年、高出力のLEDの開発が進められており、すでに数ワットの大出力タイプも製品化されている。LEDは発熱の少ないことが特徴であるが、高出力(高輝度)タイプのLED素子は大電流が流れるため、無視できないレベルの発熱が生じる。このため、封止部材を従来の樹脂材に代え、耐熱性に優れる封止材、例えばガラス材にする必要がある。
特開平11−204838号公報(第1図)
しかし、従来の発光装置によると、封止部材をガラス材にした場合、ガラス材は樹脂材に比べて粘度が高いため、その封止には高温による加圧プレスを用いているが、これにより、封止加工時にはLED素子に加圧力や応力が付与され、LED素子がパンプにより接続される構成では、パンプに変形(潰れ等)や移動を生じ、或いはパンプ間の短絡等を生じ易くなる。
従って、本発明の目的は、封止時における封止部材の加圧力等が発光素子に付与されることに起因して生じる発光素子のバンプの変形、移動、バンプ間短絡等を防止できるようにした発光装置を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するため、フリップタイプの発光素子と、前記発光素子が上面にバンプを介して搭載された給電部材と、前記給電部材と前記発光素子との間に設けられ、前記発光素子及び前記バンプを固定して前記バンプが短絡することを防ぎ、セラミックからなる耐熱性絶縁体と、前記耐熱性絶縁体の露出面、前記給電部材の前記上面及び前記発光素子を封止する透光性ガラスからなる単一層の封止部材と、を有し、前記耐熱性絶縁体は、アルコキシドから形成されるセラミックである発光装置を製造するにあたり、前記給電部材上に前記バンプを介して前記発光素子を配設し、前記給電部材と前記発光素子との間に前記アルコキシドを滴下又は充填により形成し、前記耐熱性絶縁体の露出面、前記給電部材の前記上面及び前記発光素子を、所定の温度雰囲気及びガラスシートを用いた加圧プレスにより、前記封止部材で封止することを特徴とする発光装置の製造方法を提供する
本発明の発光装置によれば、発光素子のバンプ装着面側に絶縁層が充填されていることにより、LED素子に封止時に付与される圧力が絶縁層によって阻止されるため、発光素子のバンプの変形、移動、バンプ間の短絡等を防止できるようになる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。この発光装置10は、給電部材としての基板部11と、電源供給用の少なくとも一対のAuからなるバンプ12a,12bを有すると共に基板部11の上面に搭載されるLED素子12と、LED素子12の下面と基板部11の間に充填される絶縁層13と、LED素子12及び基板部11の上面を覆うように形成された封止部材14とを備えて構成される。
基板部11は、セラミック基板11aと、セラミック基板11aの上面に所定のパターンで形成された配線層11b,11c,11d,11eと、セラミック基板11aの下面に所定のパターンで形成された配線層11f,11gと、配線層11cの表面に被覆されたAuメッキ膜11hと、配線層11dの表面に被覆されたAuメッキ膜11iと、配線層11fの表面に被覆されたAuメッキ膜11jと、配線層11gの表面に被覆されたAuメッキ膜11kと、配線層11bと配線層11fを接続するスルーホール11lと、配線層11dと配線層11gを接続するスルーホール11mとを備えている。
セラミック基板11aは、例えば、ガラス含有Al23材(熱膨張率:13.2×10-6/℃)が用いられる。配線層11c,11d,11f,11gは、電源を供給するための電極として機能する。また、Auメッキ膜11h,11i,11j,11kは、接続性、導電性、及び耐腐食性を向上させるために設けられている。なお、基板部11は、LED素子12を搭載する前に、配線層11b〜11g、Auメッキ膜11h,11i,11j,11k、及びスルーホール11l,11mは予めセラミック基板11aに形成される。
LED素子12は、例えば、GaN、AlInGaP等の半導体を用いて構成されており、そのチップサイズは、0.3×0.3mm(標準サイズ)、1×1mm(ラージサイズ)等である。また、LED素子12は、下面に電源用の電極12a,12bを有し、この電極12a,12bが基板部11の所定の配線層上に半田付けされる。
絶縁層13は、シリコン系材料、又はダイヤモンド、BN、SiC、あるいはAlNの粉末を含む絶縁材で形成されている。シリコン系材料としてシリコン樹脂を用いた場合、封止部材14の封止に伴う高温により、化学結合が切れることでSiO2になり、耐熱性を有する絶縁体として機能する。また、シリコン樹脂によって形成されるSiO2に代えてSi系やTi系等のアルコキシドによって形成されるセラミックを用いることもできる。なお、ダイヤモンドは高い熱伝導性を有する。BN、SiC、AlNはダイヤモンドと比べて熱伝導性は劣るが廉価である。また、ダイヤモンド、BN、SiCは透明あるいは白色であり、光吸収が少ないという特徴を有している。
封止部材14は、透光性で低融点の特性を有するガラス材を用いて形成されており例えば、住田光学ガラス株式会社製の「PSK100」(熱膨張率:11.4×10-6/℃)を用いることができる。なお、発明者らの実験では、セラミックとガラスとの良好な接合を得るためにはセラミック基板11aと封止部材14とを略同等の熱膨張率(熱膨張率差の比が15%以内)とする必要があり、ここでは熱膨張率の比は0.86である。
以下に、発光装置10の組み立てについて説明する。
Auのバンプ12a,12bが配線層11c,11dに載るように位置決めし、基板部11上にLED素子12を配設した後、滴下、充填等により絶縁層13を形成する。
次に、LED素子12、絶縁層13の露出面及び基板部11の露出面にガラス材による封止部材14を封止する。封止部材14の封止には金型を用い、所定の温度雰囲気及び加圧プレスにより図1のように半円型に成形する。この封止の際、絶縁層13としてのシリコン材がSiO2化され、LED素子12の下面、及びバンプ12a,12bが固定された状態になるため、バンプ12a,12bの変形やバンプ間短絡等が回避される。以上により、発光装置10が完成する。
この発光装置10では、例えば、配線層11fがLED素子12のアノード側であるとすると、配線層11fに直流電源(図示せず)のプラス側が接続され、配線層11gにはマイナス側が接続される。LED素子12に対して、図示しないp型電極及びn型電極に電気的に接続されたバンプ2を介して順方向の電圧を印加すると、LED素子12の活性層においてホール及びエレクトロンのキャリア再結合が発生して発光し、出力光がLED素子12の外部へ放射される。この光の殆どは封止部材14内を透過して封止部材14の外へ出光し、一部は内面反射をして封止部材14の外へ出光する。
上記した第1の実施の形態によると、以下の効果が得られる。
(1)ガラス材による封止部材14で全体を封止したことにより、樹脂封止で問題になった黄変や着色による光の減衰を低減することができる。
(2)LED素子12の下側に耐熱性を有する絶縁層13を設けたことにより、封止部材14の封止時に、バンプ12a,12bを封止部材14が高熱で押圧してLED素子12にダメージを及ぼすことがなくなる。すなわち、封止部材14の高熱及び高圧力によりバンプ12a,12bが変形したり、破損したりしてバンプ間で短絡を生じることを防止できる。
(3)ダイヤモンド、BN、SiC、あるいはAlNの粉末を含む絶縁材を用いた場合、LED素子12の発する熱を放熱する効果を期待できるため、放熱性の向上を図ることができる。
図2は、第2の実施の形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。この発光装置20は、サブマウント22を用いてリードフレームに搭載される金属リードタイプであり、実装面にバンプ21a,21bが設けられたLED素子21と、このLED素子21が搭載されるサブマウント22と、このサブマウント22が搭載される給電部材としてのリード部23a,23bと、リード部23a,23bの上面とLED素子21の下面との間に充填される絶縁層24と、絶縁層24の端部及びLED素子21の表面を含むリード部23a,23bの先端部を封止するための透光性ガラスによる封止部材25とを有する。
サブマウント22は、例えば、高熱伝導のAlN(窒化アルミニウム)が用いられ、バンプ21aの一方に接続される配線層22aが上面、側面、及び下面にかけてコの字形を成すように形成されており、反対側にはバンプ21bに接続される配線層22bが上面、側面、及び下面かけてコの字形を成すように形成されている。
また、サブマウント22は、必要に応じて素子破壊防止用のツェナーダイオード等の回路を内蔵させることもできる。また、配線層22a,22bに代えて、上下面に設けた電極と、その上下の電極相互を連通させるスルーホールとによる組み合わせによる配線手段を用いても良い。
リード部23a,23bは、銅系や鉄系の金属からなり、図示しないリードフレームの一部として両側の帯状部分より内側に所定の間隙で向かい合うように形成されており、1個のLED素子に対して一対が割り当てられている。リード部23a,23bの先端部の一部は、段差が形成されるように薄厚に作られており、この段差部分にサブマウント22が載置される。
絶縁層24は、第1の実施の形態における絶縁層13と同様に、シリコン材、又はダイヤモンドやAlNの粉末を含む絶縁材を用いることができる。封止部材25の封止時に化学結合が切れてシリコン材がSiO2になる生成過程、及びダイヤモンド、BN、SiC、あるいはAlNの粉末を含む絶縁材を用いた場合の放熱効果等は絶縁層13の場合と同様である。
封止部材25には、上記した上記実施の形態と同様に、透光性で低融点の特性を有するガラス材が用いられる。
この発光装置20では、リード部23aが正(+)電源供給端子であるとすると、リード部23aに供給された電流は、リード部23a、配線層22a、及びバンプ21aを経てLED素子21のアノードに流れ、さらに、LED素子21のカソードを出た電流は、バンプ21b、配線層22bを経てリード部23bに流れることにより、LED素子21が発光する。
以下に、発光装置20の組み立てについて説明する。
まず、配線層22a,22bが予め形成済みのサブマウント22を準備する。このサブマウント22上の所定位置にバンプ21a,21bを形成し、そこへLED素子21を搭載し、バンプ21aと配線層22a、及びバンプ21bと配線層22bを電気的に接続すると共に機械的に固定する。
次に、サブマウント22に搭載されたLED素子21をリード部23a,23bの先端部の窪み内に通電方向を合致させて配置する。なお、LED素子21をサブマウント22に搭載した後、このサブマウント22をリード部23a,23bに搭載する順序であっても良い。
次に、絶縁層24としてのシリコーン材をLED素子21の下面とサブマウント22の上面との間に充填する(この充填は、サブマウント22をリード部23a,23bに搭載する前に行っても良い。)。この状態のまま金型内に搬入し、封止部材25を形成するためのガラスシート(図示せず)をLED素子21の上方及び下方に配置し、所定の温度及び加圧プレスにより半球状に成形する。この封止の際、シリコーン材がSiO2化されて絶縁層24となり、LED素子21の下面及びバンプ12a,12bを固定するため、バンプ12a,12bの変形やバンプ間短絡等が回避される。以上により、発光装置20が完成する。最終的には、図示しないリードフレームからリード部23a,23bの他端を分離することにより、個々の発光装置20に個別化される。
上記した第2の実施の形態によると、ガラス材との密着性に優れるリード部23a,23bを用いるとともにLED素子21の下側に絶縁層24を設けたことにより、封止部材25の封止時に、封止部材25がLED素子21にダメージを及ぼすことがなくなるので、バンプ21a,21bに変形、移動、短絡等が生じるのを防止することができる。さらに、ガラス材による封止部材25で全体を封止したことにより、封止部材が樹脂材のときのような黄変や着色による光の減衰が生じるのを防止することができる。
図3は、第3の実施の形態に係る発光装置を示す断面図である。この発光装置30は、第2の実施の形態と同様に、サブマウントを用いてリードフレームに搭載される金属リードタイプである。ここでは、図2と同様に、主要部の構成のみを図示し、更に、サブマウント32は非断面の状態で図示している。本実施の形態が第2の実施の形態と異なるところは、サブマウントの構造と、絶縁層の構成及び形成範囲にある。
この発光装置30は、実装面にバンプ31a,31bが設けられたLED素子31と、このLED素子31が搭載されるサブマウント32と、このサブマウント32が先端部に搭載される給電部材としてのリード部33a,33bと、蛍光体34aが混合されていると共にLED素子31の全面を覆うように充填又は滴下される絶縁層34と、LED素子31の上面を含むリード部33a,33bの先端部を封止する透光性ガラスによる封止部材35とを有する。
サブマウント32は、例えば高熱伝導のAlN(窒化アルミニウム)が用いられ、バンプ31a,31bに接続される電極32a,32bがLED素子31の実装面側に形成されており、反対側の面(リードフレーム側の面)には一対のリード部33a,33bに接続するための電極32c,32dが形成されている。電極32aと電極32c、及び電極32cと電極32dとを接続するために、サブマウント32内にはスルーホール32e,32fが設けられている。
リード部33a,33bは、銅系や鉄系の金属からなり、図示しないリードフレームの一部として両側の帯状部分より内側に所定の間隙で対向するように形成され、1個のLED素子に対して一対が割り当てられている。リード部33a,33bの先端部の一部は、段差が生じるように薄厚に作られており、この段差部分にサブマウント32が載置される。
絶縁層34は、シリコーン材を主体とし、これに蛍光体34aが混合されている。なお、封止部材25の封止時にシリコーン材の化学結合が切れてSiO2になる生成過程、及びダイヤモンドやAlNの粉末を含む絶縁材を用いた場合の放熱効果等は、絶縁層13の場合と同様である。
蛍光体34aは、例えば、LED素子21が青色発光である場合、この青色光によって励起されることにより黄色光を放射する特性を有するCe(セリウム):YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)を用いる。
封止部材35は、上記した各実施の形態と同様に、透光性で低融点の特性を有するガラス材が用いられる。
この発光装置30では、リード部33aが正(+)電源供給端子であるとすると、リード部33aに供給された電流は、リード部33a、電極32c、スルーホール32e、電極32a、及びバンプ31aを経てLED素子31のアノードに流れ、さらに、LED素子31のカソードを出た電流は、バンプ31b、電極32b、スルーホール32f、及び電極32dを経てリード部33bに流れることにより、LED素子31が発光する。
以下に、発光装置30の組み立てについて説明する。
まず、電極32a〜32d、及びスルーホール32e,32fが予め形成済みのサブマウント32を準備する。このサブマウント32上の所定位置に、バンプ31a,31bを形成し、LED素子31を搭載する。これによってLED素子31をバンプ31a,31bを介して電極32a,32bと電気的に接続し、同時に機械的に固定する。
次に、サブマウント32に搭載されたLED素子31をリード部33a,33bの先端部の窪み内に通電方向を合致させて配置する。或いは、サブマウント32をリード部33a,33bに搭載した後、サブマウント32にLED素子31を実装する手順であっても良い。
次に、サブマウント32の上面、側面、及び上面に及ぶように蛍光体34aを混入済みの絶縁層34を滴下又は充填する。
次に、金型内に搬入し、封止部材35を形成するためのガラスシート(図示せず)をLED素子31の上方及び下方に配置し、所定の温度のもとで加圧プレスにより半球状に成形すれば、発光装置30が完成する。この封止の際、シリコン材がSiO2化されて絶縁層34となり、LED素子31の下面及びバンプ31a,31bが固定された状態になるため、バンプ12aの変形やバンプ間短絡等が回避される。最終的には、リードフレームからリード部33a,33bの他端が分離され、個々の発光装置に個別化される。
上記した第3の実施の形態によると、以下の効果が得られる。
(1)絶縁層34を設けたことにより、封止部材35の封止時に、封止部材35がLED素子31にダメージを及ぼすことがなくなるので、バンプ31a,31bに変形、移動、短絡等が生じるのを防止することができる。
(2)絶縁層34に蛍光体34aが混入されているため、リード部上の電極(又は、サブマウント上の配線層)による光の吸収を低減することができる。通常、電極や配線層にはAuメッキが施されている。このAuメッキは、青又は紫の光の吸収率が高いが、蛍光体入りの絶縁層34を設けることにより、LED素子側面から放射される光を波長変換することができ、Auメッキ面における光吸収を防止することができる。
(3)LED素子31の上面から放射される光に対しても波長変換をすることができる。また、ガラス材による封止部材35で全体を封止したことにより、封止部材が樹脂材のときのような黄変や着色による光の減衰を防止することができる。
なお、サブマウント32は、これに代えて図2に示した"コ"の字形の配線層22a,22bを有するサブマウント22を用いても良い。逆に、図2のサブマウント22に代えて、図3に示したサブマウント32を用いても良い。
図4は、標準サイズのLED素子のバンプ形成面を示す平面図である。このLED素子31は、0.3mm角のLED素子であり、n電極に接続されたパンプ41を搭載する小パターン42と、p電極に接続された大パターン43と、この大パターン43に搭載されたパンプ44a,44bとが設けられている。LED素子31は高出力型になるほど大電流が流れる。そこで、p電極側のパンプ数を複数にし、大きな電流容量に対応できるようにしている。
図5は、ラージサイズのLED素子のバンプ形成面を示す平面図である。このLED素子31は、1mm角のLED素子であり、バンプ52a,52bを設けられる配線パターン54と、バンプ53a〜53pを設けられる配線パターン55とを有する。ラージサイズのLED素子は標準サイズよりも発光面積が大になるため、更に大電流が流れる。そこで、発光面での均一発光を図るために配線パターン54、55の形状面積に応じて、電極接点となるそれぞれのバンプを複数個にしている。
図4及び図5に示すように、バンプを介して電気的接続を行うLED素子では、ガラス封止時の温度および圧力によってバンプが圧潰し易くなる。特に、図5に示すように、多数のバンプ53a〜53pを有するものでは、各バンブ間の距離が接近するために、バンブに変形が生じるとより短絡が生じ易くなる。このようなLED素子31に対し、絶縁層34は、バンプ形成面を覆ってバンプ間の絶縁を確保するとともに、ガラス封止時の圧力に耐えることでバンプ53a〜53pの変形を抑制する。その結果、ガラス材による封止部材35の形成が可能になる。
なお、上記した各実施の形態では、Auからなるバンプ12a、12bとして説明したが、Auに限定されず、半田で形成されるバンプとしても良い。また、バンプに限らず、電極に形成された半田めっきであっても良い。住田光学ガラス株式会社製の「PSK100」では400℃を超える温度での封止加工で、かつ、加工時のガラス粘度も高いためにAuバンプでも潰れが生じる。一方、無機有機混合をハイブリッド低融点ガラスでは、更に低い温度での封止加工が可能であるが、はんだバンプのように融点が封止加工温度より低ければ、小さな圧力でも電極間の短絡が生じる。これに対しても本発明は有効である。
また、上記した各実施の形態では、封止部材14,25,35内のLED素子12,32の上部に、波長変換のための蛍光体層を形成することもできる。
更に、上記した各実施の形態においては、1つの封止部材内に配設されるLED素子の個数は1個であるとしたが、LED素子が2個以上のマルチ発光型の発光装置にすることもできる。搭載する複数のLED素子は、異なる発光色のLED素子を複数設ける構成でも、同一発光色のLED素子を複数設ける構成でも良い。更に、LED素子の駆動形態としては、複数のLED素子の全部を並列接続し又はグループ単位で並列接続しても、複数単位に直列接続し又は全数を直列接続しても良い。
また、封止部材14,25,35の形状として、ドーム状の構成を示したが、本発明は図示した形状に限定されるものではなく、レンズ部を有しない形状、多角形、円柱形等、任意の形状にすることができる。
更に、封止部材14,25,35の成形に際しては、ガラスシートを用いた加圧プレスによる成形方法に限定されるものではなく、他の封止方法を用いても良い。
本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。 第2の実施の形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。 第3の実施の形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。 標準サイズのLED素子のバンプ形成面を示す平面図である。 ラージサイズのLED素子のバンプ形成面を示す平面図である。 従来の発光装置の構成を示す断面図である。
符号の説明
2、バンプ 10、発光装置 11、基板部
11a、セラミック基板 11l,11m、スルーホール
11h,11i,11j,11k、メッキ膜
11b,11c,11d,11e,11f,11g、配線層
12、LED素子 12a,12b、バンプ 13、絶縁層
14、封止部材 14,25,35、封止部材 20、発光装置
21、LED素子 21a,21b、バンプ 22、サブマウント
22a,22b、配線層 23a,23b、リード部
24、絶縁層 25、封止部材 30、発光装置
31、LED素子 31a,31b、バンプ 32、サブマウント
32a,32b,32c,32d、電極
32e,32f、スルーホール
33a,33b、リード部 34、絶縁層 4a、蛍光体
35、封止部材 41、パンプ 42、小パターン 43、大パターン
44a,44b、パンプ 52a,52b、バンプ
53a〜53p、バンプ 54、配線パターン 55、配線パターン
200、発光装置 201、配線導体 202、配線導体 203、カップ部
203A、底部 204、LED素子 205、ワイヤ
206、ガラス層 206A、蛍光物質 207、封止樹脂

Claims (1)

  1. フリップタイプの発光素子と、
    前記発光素子が上面にバンプを介して搭載された給電部材と、
    前記給電部材と前記発光素子との間に設けられ、前記発光素子及び前記バンプを固定して前記バンプが短絡することを防ぎ、セラミックからなる耐熱性絶縁体と、
    前記耐熱性絶縁体の露出面、前記給電部材の前記上面及び前記発光素子を封止する透光性ガラスからなる単一層の封止部材と、を有し、
    前記耐熱性絶縁体は、アルコキシドから形成されるセラミックである発光装置を製造するにあたり、
    前記給電部材上に前記バンプを介して前記発光素子を配設し、
    前記給電部材と前記発光素子との間に前記アルコキシドを滴下又は充填により形成し、
    前記耐熱性絶縁体の露出面、前記給電部材の前記上面及び前記発光素子を、所定の温度雰囲気及びガラスシートを用いた加圧プレスにより、前記封止部材で封止することを特徴とする発光装置の製造方法。
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