JP3999160B2 - 易重合性物質の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、易重合性物質の製造方法に関する。より詳しくは、生産量を安定確保して各種の用途に有用な易重合性物質を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
易重合性物質は、熱等により重合反応を起しやすい重合性を有する物質であり、各種の化合物や重合体を形成する製造原料等として工業的に有用なものである。易重合性物質の中で、工業的に特に有用な単量体としては、(メタ)アクリル酸が挙げられ、アクリル繊維共重合体や、エマルジョン等の粘接着剤を形成するために広く用いられる他、塗料、繊維加工、皮革、建築用材等の分野においても有用であり、多くの化学分野において欠かすことのできないものとなっている。
【0003】
このような易重合性物質の製造においては、多くの需要に対応するために、製造設備の大型化が求められている。例えば、(メタ)アクリル酸の製造においては、プロピレン等の接触気相酸化反応による製造方法が、廉価な製造原料を使用することができる等の利点を有し、工業的に有利である。この場合、(メタ)アクリル酸の他に、低沸点物質、高沸点物質等が副生するため、蒸留塔等により構成される精製系によりこれらの副生物やその他の不純物を分離除去し、精製された高品質の(メタ)アクリル酸が供給されている。
【0004】
このような(メタ)アクリル酸等の易重合性物質の生産量を増加させる場合、1つの反応器では作製限界があることから、複数の反応器で製造する方法が考えられる。この場合、複数の反応器で得られた生成物が精製系に供給されることになるが、生成物を別々に精製系に供給すると、易重合性物質が精製系における製造装置の内部で重合し、製造を停止しなければならない場合が生じるおそれがあった。このような工業的な製造において、製造停止が起こると、生産量を安定確保することができず、各種の分野において有用な(メタ)アクリル酸等の易重合性物質の供給に支障が生じることとなる。したがって、易重合性物質の生産量を増加する場合に、精製系の安定稼働を実現し、精製された高品質の製品を安定して供給することができるようにするための工夫の余地があった。
なお、(メタ)アクリル酸等の易重合性物質を複数の反応器で得る際に、精製系の安定稼働を実現するための技術を記載した先行技術文献情報は見当たらない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、易重合性物質を複数の反応器で製造する際に、精製系の安定稼働を実現することが可能であり、製造停止を回避して生産量を安定確保することができる易重合性物質の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、易重合性物質を精製装置に供給して精製された易重合性物質を製造する方法について種々検討したところ、複数の反応器を用いて製造すると、多くの需要に対応して生産量を確保することができるが、この場合、複数の反応器から精製系に供給される液組成の変動が生じることに着目した。これに起因して精製系における製造装置の内部で易重合性物質が重合し、製造を停止しなければならない場合が生じるおそれがあったが、複数の反応器で得られる易重合性物質を予め混合し、精製装置に供給すると、精製系に供給される液組成の変動が小さくなることにより、精製系の安定稼働を実現することが可能となり、上記課題をみごとに解決することができることに想到した。
また易重合性物質の混合が少なくとも1つの混合器で行われたり、混合器が貯槽であり、該貯槽での滞留時間が充分に確保されたりすると、本発明の作用効果がより充分に発揮されることを見いだすとともに、本発明の易重合性物質の製造方法が(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸等の製造に特に好適であり、これら各種の用途において有用な化合物の生産量を安定確保しつつ、精製された高品質な製品として供給することができることも見いだし、本発明に到達したものである。
【0007】
すなわち本発明は、複数の反応器で得られる易重合性物質を予め混合し、精製装置に供給する易重合性物質の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明の易重合性物質の製造方法においては、複数の反応器で得られる易重合性物質を精製装置に供給するに際し、該易重合性物質を予め混合することになる。本発明においては、連続的に精製された易重合性物質を製造することになる連続製造方法とすることが好ましい。複数の反応器で得られる易重合性物質、すなわち精製装置に供給する前の易重合性物質は、通常では易重合性物質とともに未反応物や副生物等の不純物を含有する組成物であり、精製装置で処理された後に得られる易重合性物質は、該不純物が充分に減少されたものである。
上記複数の反応器は、同一の反応器を複数用いてもよく、異なる反応器を複数用いてもよい。複数の反応器を用いることにより、易重合性物質の生産量を増加させることが可能となる。なお、複数の反応器で易重合性物質を得るとは、易重合性物質を最終的に生成する反応器が複数あることを意味する。したがって、1つの反応器により易重合性物質が最終的に生成する場合には、そのような反応器の複数により易重合性物質が生成されることとなり、直列に配置された複数の反応器により易重合性物質が最終的に生成することになる場合には、最終的に易重合性物質が生成される反応器が並列に複数基配列されることとなる。
上記反応器としては、酸化反応器では、多管式熱交換器が好ましく、特にアクリル酸のような二段接触気相酸化反応では、図1、3に示すような中間管板で複数に仕切られた反応器や、図2のように前段反応で得られたガスに必要に応じて空気、酸素、水蒸気等を追加することのできる多管式反応器が好ましい。
【0009】
本発明において、精製装置に供給される易重合性物質は、その一部又は全部が予め混合されることになればよいが、全部が混合されるようにすることが好ましい。また、易重合性物質の全部が混合されるようにすることが好ましく、これにより、複数の反応器で得られる反応生成物の差による組成の差がなくなり、均一化された易重合性物質含有液が得られることとなる。
このような製造方法の好ましい形態としては、上記易重合性物質の混合が少なくとも1つの混合器で行われる形態が挙げられる。複数の混合器を用いる場合には、同一の混合器を複数用いてもよく、異なる混合器を複数用いてもよい。
上記混合器としては、貯槽、静止型混合機、インジェクター等を用いることが好適である。貯槽は、液状の物質を貯めることができる製造設備であればよく、通常の工業的な製造設備で用いられる貯槽の他、本発明においては、塔形状の製造設備を用いる場合には、塔底の液溜まりも混合器に含まれるものとする。貯槽を用いる場合には、貯槽に混合機を設置してもしなくてもよいが、混合機を設置する場合には、回転翼を有する混合機や静止型混合機を設置することにより複数の反応器で得られる易重合性物質を混合することができる。また、混合を配管で行うこともできるが、混合を効率的に、また配管を最短にするためにも配管での混合の際には、静止型混合機を設置することが好ましい。
静止型混合機は、回転部分をもたない混合機であり、ラインミキサー等を用いることができる。
【0010】
上記混合器を用いる場合には、上記混合器が貯槽であり、該貯槽での滞留時間が10分以上であることが好ましい。この場合の好ましい形態としては、貯槽に混合機を設置せずに滞留時間を10分以上とすることである。これにより、精製系に供給される液組成の変動がより小さくなり、本発明の作用効果である精製系の安定稼働をより充分に実現することが可能となる。なお、上記滞留時間や混合方法等は、易重合性物質の状態により、精製系に供給される液組成の変動が小さくなるように適宜設定することが好ましい。このように、複数の反応器で得られる易重合性物質を精製系に供給する場合において、精製系に供給される液組成の変動が小さくなるように、貯槽での滞留時間や混合方法等を適宜設定して製造する方法は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
本発明において、精製には、蒸留、吸収、放散、抽出、晶析等の操作が挙げられる。これらの操作において、易重合性物質を予め混合し、精製系に供給する形態としては、易重合性物質を予め液状で混合し、精製系に供給してもよく、また、ガス状態で混合した後、溶剤に捕集して液状にして精製系に供給してもよく、特に限定されるものではない。
本発明において、精製装置は1系列以上であればよく、反応器基数と精製系系列数が異なるときにより効果が発揮されることとなる。
【0011】
本発明は、精製装置において重合するおそれがある易重合性物質に適用されることになる。該易重合性物質は、熱や光等により重合反応を起しやすい重合性を有する物質であり、例えば、ラジカル重合性の二重結合を有する単量体等が好適である。より好ましくは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル及びマレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種である。本発明が最も好ましく適用されるのは、製造停止を回避して生産量を安定確保する必要性が高い易重合性物質であるアクリル酸である。
以下では、本発明の易重合性物質の製造方法について、易重合性物質がアクリル酸の場合について、図を用いて説明する。
【0012】
本発明の製造方法において、アクリル酸を製造する場合、廉価な製造原料を使用することができる等の点より、プロピレン等の原料ガスの接触気相酸化反応により製造することが好ましい。この場合、原料ガスとしては、プロピレン、プロパン、アクロレイン等を原料物質として用いることが好ましく、このような原料物質の他に、分子状酸素及び不活性ガスを含むガスを用いることができる。
このような製造方法においては、原料物質の濃度を1容量%以上、15容量%以下とし、分子状酸素を原料物質に対して1倍以上、3倍以下とし、残りは二酸化炭素、水蒸気等の不活性ガスとした組成のガスを用いることができる。
【0013】
図1は、本発明の易重合性物質の製造方法において、上記のようにアクリル酸を製造する場合の工業設備を概念的に示したものである。
図1においては、原料ガス1が2つ並列に設置された接触気相酸化反応器10に導入され、反応器10によりアクリル酸を含むガスが生成することになる。このように生成したガスは捕集塔20に供給され、水で捕集されて液状となる。この場合には、2つの反応器10により生成するガスの組成は変動するが、捕集塔20の内部で、混合されて組成の変動が小さくなる。また、捕集塔20の塔底の液溜まりが本発明における混合器の1つである貯槽となる。
次いで、必要に応じて蒸留塔22に供給されて不要な低沸点物質が除去された後、蒸留塔22の塔底液がポンプ23によって冷却器24及びタンク25に移送され、精製装置の1つである共沸脱水塔30に供給されることとなる。これにより、共沸脱水塔30に供給されるアクリル酸を含む液組成の変動が小さくなり、本発明の作用効果が充分に発揮されることとなる。
なお、冷却器24で冷却することにより、オリゴマー等の不純物の生成量を抑制することが可能となる。
【0014】
上記タンク25は、捕集塔20と共沸脱水塔30の間に設置される中間タンクであり、本発明における貯槽に該当することとなる。これにより、これ以降の液組成の変動をより小さくし、精製系の安定稼働をより充分に実現することができることとなる。このように、中間タンクを設置することにより、仮に精製系で不具合が発生した場合においても、反応器10で得られる精製物を中間タンクに貯めておくことができることとなる。接触気相酸化反応を行う場合には、反応器の停止が生産性に与える影響は大きいことから、製造停止を回避するためにもこのような中間タンクを設置しておくことが好ましい。
このような中間タンクにおける滞留時間を10分以上とすることが好ましいが、このようにアクリル酸を製造する場合には、該滞留時間を20分以上とすることがより好ましい。更に好ましくは、40分以上である。共沸脱水塔30では、冷却器24及びタンク25から供給される蒸留塔22の塔底液から水が除かれることとなる。この際、重合防止剤を供給することが好ましい。重合防止剤を供給することにより、塔内での重合反応を防止することができることとなる。
【0015】
次いで、共沸脱水塔30の塔底液がポンプ34によって冷却器35及びタンク36に移送され、精製装置である高沸点物質分離塔40に供給される。ここで精製されたアクリル酸が塔頂液として得られることとなる。共沸脱水塔30と高沸点物質分離塔40の間に冷却器35及びタンク36を設置して共沸脱水塔30の塔底液を冷却することにより、オリゴマー等の不純物の生成量を抑制することが可能となり、アクリル酸の収率の低下を防止したり、重合反応の発生による製造停止を充分に回避したりすることができることとなる。
上記アクリル酸オリゴマー及びマレイン酸を含有する高沸点物質分離塔40の塔底液は、マレイン酸分離塔46の塔底に供給される。マレイン酸分離塔46の塔頂液として得られるアクリル酸の一部は、共沸脱水塔30に供給されるとともに、アクリル酸オリゴマー含有液を薄膜蒸発器50で濃縮した後、熱分解槽51で熱分解することにより、精製されたアクリル酸が得られることとなる。マレイン酸分離塔46の塔頂液の一部を共沸脱水塔30に供給することは、アクリル酸の収率向上の点から好ましい。また、高沸点物質分離塔40には、重合防止剤を供給することが好ましく、これにより重合反応を防止してアクリル酸の収率を向上させることができることとなる。
【0016】
図3は、本発明には該当しない製造方法によりアクリル酸を製造する場合であり、複数の反応器10で得られるアクリル酸を含む物質を予め混合しないで、精製装置に供給する場合における製造工程の概念図である。
図3においては、図1において説明した反応器10、捕集塔20、蒸留塔22、ポンプ23、冷却器24及びタンク25を組み合わせた製造工程が2つ併設され、2つの反応器10で得られるガスを別捕集し、これら2つの工程により得られる生成物が共沸脱水塔30に別々に供給されることとなる。この場合においては、共沸脱水塔30において液供給段における液組成が変動し、不安定となり、精製系の安定稼働を実現することができず、精製装置において重合物が生じることとなる。本発明においては、精製系の安定稼働を実現し、製造停止を回避して生産量を安定確保することができるように、このような重合物の発生を充分に抑制することが可能である。
【0017】
本発明においては、アクリル酸からアクリル酸エステルを製造することが可能であり、この場合には、上記図1に示したような工程の後に、下記図4において示されるような工程を実施することができる。このような形態は、本発明の好ましい実施形態の1つである。
図4は、図1に示すアクリル酸製造工程で得られたアクリル酸からアクリル酸エステルを製造する製造工程の概略図である。
図4においては、図1の製造工程により得られたアクリル酸をアルコール等とともにエステル化反応器60に供給してエステルを生成させ、タンク61で一定時間滞留させた後、酸分離塔80でアクリル酸エステル、未反応アルコール、水等の軽沸点物質を除き、アクリル酸エステルを含む油相81と、水相82とに分離させる。油相81を軽沸物分離塔100に供給し、塔底から抜き出した液を精製塔110で精製して、精製されたアクリル酸エステルを得ることとなる。
【0018】
図1の製造方法において、反応器10としては、反応効率に優れる点で多管式反応器を用いることが好ましく、中間管板で複数に仕切られた多管式反応器が特に好ましい。例えば、アクロレインを原料物質として使用する場合には、一段接触気相酸化反応によって、また、プロピレンを原料物質とする場合には、二段接触気相酸化反応によって製造することができる。
上記二段接触気相酸化反応においては、反応率を高めることができることから、触媒の存在下で行われることが好ましく、前段、後段に触媒を用いることができる。上記前段触媒としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物等が好適である。
【0019】
【化1】
【0020】
上記一般式(1)中、Mo、Bi及びFeは、それぞれモリブデン、ビスマス及び鉄を表す。Aは、ニッケル(Ni)及びコバルト(Co)から選ばれる少なくも一種の元素を表す。Bは、アルカリ金属及びタリウム(Tl)から選ばれる少なくとも1種の元素を表す。Cは、リン(P)、ニオブ(Nb)、マンガン(Mn)、セリウム(Ce)、テルル(Te)、タングステン(W)、アンチモン(Sb)及び鉛(Pb)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表す。Dは、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)及びチタニウム(Ti)からなる群より選ばれる少なくとも1種の元素を表す。Oは、酸素原子を表す。a、b、c、d、e、f、g及びxは、それぞれMo、Bi、Fe、A、B、C、D及びOの原子比を表し、a=12としたとき、b=0.1〜10、c=0.1〜10、d=2〜20、e=0.001〜5、f=0〜5、g=0〜30であり、xは、各元素の酸化状態により定まる値である。
【0021】
上記後段触媒としては、下記一般式(2)で表される化合物等が好適である。
【0022】
【化2】
【0023】
上記一般式(2)中、Mo、V、W及びCuは、それぞれモリブデン、バナジウム、タングステン及び銅を表す。Aはアンチモン、ビスマス、スズ、ニオブ、コバルト、鉄、ニッケル及びクロム(Cr)から選ばれる少なくも一種の元素を表す。Bはアルカリ金属、アルカリ土類金属及びタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を表す。Cはケイ素、アルミニウム、ジルコニウム及びセリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を表す。Oは酸素原子を表す。a、b、c、d、e、f、g及びxは、それぞれMo、V、W、Cu、A、B、C及びOの原子比を表し、a=12としたとき、b=2〜14、c=0〜12、d=0.1〜5、e=0〜5、f=0〜5、g=0〜20であり、xは各元素の酸化状態により定まる値である。
【0024】
上記図1においては、接触気相酸化反応により、アクリル酸は、ガス状で得られ、該アクリル酸含有ガスは、捕集塔20に供給される。この場合、捕集方法としては、溶剤21を捕集塔20に供給して溶剤により捕集することができるが、溶剤としては、安価であり、このような製造工程から排出される排水を再利用できる利点を有する水性溶剤を用いることが好ましく、特に水を用いることが好ましい。
上記アクリル酸含有ガスに未反応の原料物質が含まれる場合には、蒸留や放散等により原料物質を除去した後に、捕集塔20に供給してもよい。なお、捕集効率が向上することから、アクリル酸含有ガスを冷却した後に捕集塔20に供給することが好ましい。
【0025】
上記捕集塔20としては、棚段塔、充填塔、濡れ壁塔、スプレー塔等の捕集塔を用いることができるが、通常、棚段塔又は充填塔を用いることが好ましい。充填塔は、その内部に、表面積が大きく、通気性のある充填物が規則的に又は不規則的に詰め込まれたものである。充填塔を用いる場合には、アクリル酸含有ガスを捕集塔(充填塔)20に導入し、該充填塔の上部から塔内に導入したアクリル酸を吸収する捕集溶剤を充填層の表面で向流接触させることにより、アクリル酸が捕集溶剤に吸収されることとなる。捕集条件としては、ガスの温度や単位時間あたりの供給量、捕集塔体積等によって適宜設定すればよく、例えば、捕集塔の塔頂温度は、40℃以上、85℃以下であることが好ましい。40℃より低いと、冷却エネルギーが必要となり、また、低い沸点を有する物質の凝縮が多くなり、製品純度を低下させる原因となるおそれがある。80℃を超えると、捕集塔塔頂からのアクリル酸の損失が増加し、製品収率が低下するおそれがある。
【0026】
上記捕集塔20の塔頂圧力は、塔頂からガスを排出をできる圧力である限り限定はされないが、0〜30kPa(ゲージ圧)であることが好ましい。0kPa(ゲージ圧)より低いと、減圧装置が必要となり、30kPa(ゲージ圧)より高いと、接触気相酸化反応器へ原料ガスを供給するためのブロワーを大型化する必要が生じることとなる。塔頂からの排出ガスは、図1の反応器10に循環させることにより、希釈ガスや未反応原料成分等を再度反応に利用することができる。
【0027】
上記捕集塔20における濡れ液量は、塔断面積に対して0.3m3/m2・h以上となる条件とすることが好ましい。より好ましくは、1m3/m2・h以上である。この条件を満たすと、捕集塔20内が適切な濡れ液量で確実に濡れた状態であるために、気液接触装置上に適切な量の液体を貯めることができ、また同時に、気体や液体の偏流や滞留を確実に回避することができる。なお、「濡れ液量」とは、1枚の棚段上に供給される単位時間当たりの液量[m3]を塔断面積で除した値である。
【0028】
上記捕集塔20の塔底液、すなわちアクリル酸含有水溶液には、アクリル酸以外に、未反応の反応原料、反応によって生成する副生物、及び、重合防止剤等が存在するが、この塔底液を塔底部に附属させた冷却器によって塔底液を冷却した後に捕集塔に循環させることで塔底液のアクリル酸濃度を増加させることができる。
【0029】
上記捕集溶剤として水性捕集溶剤を用いる場合、水性捕集溶剤としては、アクリル酸含有ガスを吸収することができるものである限り限定されないが、水を80〜100質量%含有することが好ましく、例えば、アクリル酸0.1〜5.0質量%、酢酸0.1〜10質量%、水80〜99.8質量%であることが好ましい。捕集溶剤は、予め上記の組成のものを調整して使用してもよく、例えば、共沸脱水塔30に付属させた油水分離器内水相32をアクリル酸の捕集溶剤として捕集塔に循環して使用することもできる。
【0030】
上記捕集溶剤21の温度は、アクリル酸含有ガスを吸収することができる限り限定されないが、捕集率が高くなることから温度が低い方が好ましく、0〜35℃の範囲で一定温度で供給することが好ましい。より好ましくは、5〜30℃の範囲で一定温度で供給することである。また、溶剤量は、供給ガス量(m3)に対する溶剤量(L)比で示される液ガス比が、好ましくは2〜15L/m3、より好ましくは3〜12L/m3、更に好ましくは5〜10L/m3となるように設定されることである。アクリル酸を捕集するこの工程においては、アクリル酸が重合反応することが考えられ、アクリル酸と水との質量割合が50:50程度の場合が最もアクリル酸の重合が発生しやすくなるが、供給ガス量に対する溶剤量比を上記範囲とすることで、重合を防止しつつアクリル酸を効率的に捕集することができる。
上記捕集溶剤21においては、アクリル酸の重合を防止するために、捕集溶剤21に重合防止剤を含むことが好ましい。重合防止剤含有溶液の供給場所や投与方法としては、捕集塔のいずれから投入してもよい。
【0031】
次に捕集塔20のアクリル酸含有水溶液を必要に応じて蒸留塔22に供給して不要な低沸点物質を除去してから塔底液をポンプ23によって冷却器24に移送し、ここでアクリル酸含有水溶液を冷却する。この冷却によって、高温部の滞留時間を減少することができ、オリゴマーの生成量を抑制することが可能となる。冷却器としては、多管式熱交換器やプレート式熱交換器、スパイラル式熱交換器等を用いることができる。なお、図1の製造方法において、「低沸点物質」とは、標準状態においてアクリル酸よりも沸点が低い物質をいい、「高沸点物質」とは、標準状態においてアクリル酸よりも沸点が高い物質をいう。
【0032】
アクリル酸含有水溶液は、次にタンク25に供給されるが、このタンクで一定時間滞留させることが好ましい。このタンクで一定時間滞留させることで、水溶液が充分に混合され、組成が均一化するため、精製系の安定稼働が可能となるとともに、製造停止を回避して生産量の安定を確保することが可能となる。なお、捕集塔20の塔底液は蒸留塔22を経ずにタンク25へ移送後、ポンプ23によって冷却器24に移送し、次いでタンク25に循環するとともに次工程へ液を移送してもよい。蒸留塔22で除去できる低沸点物質は、後の工程の共沸脱水塔30でも除去することができ、また他に設けた低沸点物質分離塔等によっても低沸点物質の分離を行なうことができる。すなわち、図1の製造方法におけるアクリル酸含有水溶液とは、捕集塔塔底液とその後に蒸留した後の塔底液等、後の工程である共沸脱水塔30に移行する前の水を含むアクリル酸を広く含む。なお、タンク内のアクリル酸含有水溶液の冷却温度は20℃以上50℃以下とすることが好ましい。より好ましくは、20℃以上40℃以下とすることである。
【0033】
次いで、タンク25内のアクリル酸含有水溶液を共沸脱水塔30に供給し、共沸溶剤を供給して共沸蒸留する。共沸脱水塔30には、棚段塔、充填塔、濡れ壁塔、スプレー塔等を用いることができる。共沸脱水塔30としては、上記捕集塔20と同様に、通常、棚段塔又は充填塔が好ましい。なお、共沸脱水塔30の好ましい理論段数は、3段以上30段以下である。より好ましくは、5段以上25段以下である。
【0034】
上記共沸溶剤の使用量は、上記共沸脱水塔30に供給するアクリル酸含有水溶液に含まれる水分含有量や、用いる共沸溶剤の種類によって異なるが、共沸用途に用いる従来公知の割合で使用することができる。アクリル酸の重合を防止する観点からは共沸溶剤量が多い方が好ましいが、多ければ蒸留エネルギーが多量に必要となることとなる。
【0035】
上記共沸脱水塔30の塔頂温度は、供給されるアクリル酸含有水溶液の水分量や混在する副生物量、単位時間あたりの供給液量、供給液温度、目的とする脱水の程度、分離すべき他の成分の種類や含有量、アクリル酸の精製工程に導入される蒸留塔の種類等によって適宜設定すればよいが、塔頂圧力は20〜200hPa(abs.)であることが好ましい。塔頂温度は、この塔頂圧力に応じて決まる共沸組成で決定される。この共沸脱水塔30には、油水分離器を設置して塔頂部からの留出物をこれに導入し、油水分離器内溶媒相31と油水分離器内水相32とに分離し、油相31は共沸脱水塔30に還流比0.5〜10で還流し、水相32は、捕集塔20に循環させて捕集溶剤21として使用することが効率の点から好ましい。これによって共沸脱水塔30の塔底液は、水分量0.05質量%以下、酢酸濃度は、0.02〜3質量%の組成となる。なお、図1の製造方法のアクリル酸の製造方法においては、共沸脱水塔の塔底におけるアクリル酸オリゴマー(アクリル酸の二量体及び三量体)の濃度を5重量%以下、好ましくは3重量%以下にして、製造効率をより向上させることができる。
なお、(abs.)は、絶対圧力である。
【0036】
上記共沸脱水塔30では、アクリル酸の重合を防止する目的で重合防止剤を適宜加えることが好ましい。この際、共沸脱水塔30に重合防止剤として上記重合防止剤をアクリル酸含有溶液に溶解させたものを供給すると、製品の品質を向上させ、重合防止剤析出を防止できる点で好適である。
【0037】
上記共沸脱水塔30による共沸脱水処理によって、アクリル酸含有水溶液に含まれる水と低沸点物質が除去されることとなるが、図1の製造方法においては、水分離工程と低沸点物質分離工程を別々に行なってもよい。一般には、脱水処理の後に、高沸点物質分離工程、その他従来公知の精製方法を単独又は組み合わせて更に精製することができる。精製する方法としては、蒸留方法に限らず、晶析してアクリル酸を精製してもよい。
【0038】
上記共沸脱水工程及び/又は低沸点物質分離工程の後、高沸点物質分離塔40の前に冷却器及び/又はタンクを配置してアクリル酸を冷却することが好ましい。高沸点物質分離塔40は、タンクから供給されたアクリル酸を加熱し、精製されたアクリル酸を蒸留塔の塔頂部から留出させる工程であり、熱効率的には供給される液の温度が高い方が好ましい。しかし、アクリル酸は高温になるほどオリゴマー生成速度が大きくなり、重合反応が発生しやすくなることから、高沸点物質分離塔内で重合物が発生し、精製されたアクリル酸の収率が低下するおそれがあるだけでなく、重合物の発生によって連続運転に支障が生ずる場合がある。一方、アクリル酸の温度が20℃を下回ると、凝固点に近づき凍結の危険があり、また、高沸点物質除去工程で多くの加熱量が必要となる。そこで、共沸脱水処理と高沸点物質処理との間で、処理液を冷却する場合、冷却後のアクリル酸の温度を20〜50℃とすることが好ましい。図1の製造方法においては、共沸脱水処理と高沸点物質処理との間で、処理液を冷却すると最も収率を向上させることができることとなる。冷却方法としては、例えば、共沸脱水塔30の塔底液をポンプ34によって冷却器35に移送し、ここで冷却したアクリル酸をタンク36に貯蔵する方法がある。この場合、タンク25への移送の場合と同様に、液を冷却することにより、高温部の滞留時間を減少することができ、オリゴマーの生成量を抑制することが可能となる。なお、冷却器としては、多管式熱交換器やプレート式熱交換器、スパイラル式熱交換器等を用いることができる。
【0039】
上記高沸点物質分離塔40としては、棚段塔、充填塔、濡れ璧塔、スプレー塔等を用いることができる。この高沸点物質分離塔は、上記共沸脱水塔30と同様に、塔内装物として充填物・棚段をもつ棚段塔又は充填塔が好ましい。また、理論段数は3〜30段であることが好ましい。より好ましくは5〜20段である。
上記高沸点物質分離塔40の蒸留条件は、従来公知の蒸留条件を使用することができ、例えば、塔頂圧20〜200bPa(abs.)、塔底温度120℃以下で行うことができる。
【0040】
また高沸点物質分離塔40でも上記共沸脱水塔30と同様に、アクリル酸の重合を防止する目的で、重合防止剤を適宜加えることが好ましい。
図1の製造方法においては、重合防止剤は、いずれの蒸留塔においても塔のいずれから投入してもよい。より好ましくは原料供給段と還流液供給段の間の何れかから高沸点物質分離塔の塔内組成に応じ、アクリル酸含有溶液とともに予め蒸留塔に取り付けた1以上の噴霧用ノズルから噴霧して重合防止剤を投与することである。噴霧によって蒸留塔内部に広範囲に重合防止剤含有溶液を散布することができ、効果的に重合を防止することができる。原料供給段及び/又は還流液供給段から投入する場合も、重合防止剤を原料、還流液とは別の専用の噴霧用ノズルで投入することもできるが、予め原料、還流液と重合防止剤を混合し、混合液を噴霧用ノズルで投入することもできる。この際、アクリル酸としては、塔頂からの留出液の一部を使用することが好ましい。高沸点物質分離塔は、精製されたアクリル酸を得る装置であるため、塔頂からの留出液は実質的に充分に精製されたアクリル酸である高純度アクリル酸と同品質であり、この塔頂からの留出液を使用することで、製品品質が安定することとなる。また、この塔頂からの留出液とともに塔頂部から排出される留出ガスを凝縮して得られるアクリル酸含有凝縮液の一部を共沸脱水塔30に供給してもよい。
【0041】
上記高沸点物質分離塔40の塔底液には、重合防止剤、アクリル酸オリゴマー、その他の高沸点物質が含まれる。この塔底液に含まれるアクリル酸オリゴマーを熱分解してアクリル酸を回収する工程を行なうことが好ましい。
アクリル酸オリゴマーの熱分解は、熱分解槽51で行う。熱分解槽51の形式については特に制限はないが、高沸点物質分離塔40から供給される塔底液は、粘度が高く、場合によっては固形物の析出が見られ液性状が悪いため、液抜出口に向かって傾斜をもち、タンク内での組成が均一化できるよう液循環及び/又は撹拌機を設置したものが好ましい。熱分解温度は通常120℃〜220℃の範囲が好ましく、120〜160℃の範囲がより好ましい。滞留時間(熱分解槽保有液量/廃油量)は熱分解温度により異なるが、通常20〜50時間程度が必要である。このため、熱分解槽51には加熱手段が必要となるが、槽に外套及び/又は内部(又は外部)に熱交換器を設置し、分解温度を維持してもよい。また、この熱分解によって得られる分解液に含まれるマレイン酸の濃度を5質量%以下、好ましくは0〜3質量%、より好ましくは0〜1質量%とすることがよい。
【0042】
上記分解液を得るには、該分解槽51上部にマレイン酸分離塔46等の蒸留設備を設置することが好ましい。高沸点物質分離塔40から供給される塔底液をマレイン酸分離塔46に供給し、マレイン酸分離塔46から得られる塔底液を薄膜蒸発器50で濃縮し、熱分解槽51に供給してオリゴマーを分解する。薄膜蒸発器50としては、高粘度液であっても濃縮ができる点で、多管式熱交換器より好ましく、横型・縦型のいずれの形式のものも用いることができる。図1の製造方法では、熱分解槽51から得た液を再度薄膜蒸発器50で濃縮し、熱分解して得られたアクリル酸を回収する。なお、該薄膜蒸発器50内ではアクリル酸が蒸発するため、マレイン酸分離塔46の塔頂部から該アクリル酸を回収することもできる。
上記マレイン酸分離塔46における蒸留時の条件としては、理論段数が1〜10段であることが好ましく、より好ましくは1〜5段であって、塔頂圧力が10〜150hPa(abs.)、塔底温度120℃以下で蒸留することが好ましい。また、マレイン酸分離塔46、薄膜蒸発器50や熱分解槽51における熱分解において、重合防止剤を添加してもよい。効率的に重合が防止できかつ熱分解が促進される場合がある。
【0043】
上記該オリゴマーを熱分解して回収したアクリル酸は、脱水工程に供給することが好ましい。上述のように、これにより次工程以降で含まれる水等の不純物を精製することができ、かつ重合防止剤を有効に利用することができる。すなわち、製品中の水分を低下させることによる製品品質の向上及び重合防止剤の析出防止の両面で好適である。
【0044】
上記捕集塔20、共沸脱水塔30及び高沸点物質分離塔40で用いられる重合防止剤としては、N−オキシル化合物、フェノール化合物、酢酸マンガン等のマンガン塩、ジブチルチオカルバミン酸銅等のジアルキルジチオカルバミン酸銅塩、ニトロソ化合物及びアミン化合物、フェノチアジンからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有することが好ましい。なお、ニトロソ化合物の中には、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン又はその塩、例えばN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩、p−ニトロソフェノール、N−ニトロソジフェニルアミン及びこれらのアンモニウム塩等のように該化合物が分解し、分解成分がアクリル酸に対する重合抑制効果を発揮する物質がある。
【0045】
N−オキシル化合物については、特に制限はなく、一般にビニル化合物の重合防止剤として知られているいずれのN−オキシル化合物も用いることができるが、これらのなかでも、下記一般式(3)で表される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル類が好適に用いられる。
【0046】
【化3】
【0047】
上記一般式(3)中、R1はCH2、CHOH、CHCH2OH、CHCH2CH2OH、CHOCH2OH、CHOCH2CH2OH、CHCOOH又はC=Oを表す。R2は水素原子又はCH2OHを表す。
【0048】
上記N−オキシル化合物の中でも、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4,4’,4’’−トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル)フォスファイトのうち1種又は2種以上を用いることが好ましい。より好ましくは、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル又は4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシルを用いることである。この場合には、成分中に金属を含まなくても安定剤系となるため、安定剤による設備の金属腐食の恐れがなくなり、廃液の処理も容易になる。
【0049】
上記重合防止剤としては、N−オキシル化合物に加え、N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物及び/又は2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物を併用することができる。
N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物の例としては、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等を挙げることができる。これらN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物は1種又は2種以上を用いることができる。
【0050】
上記2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物の例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。なお、N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物や2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物は、市販されるN−オキシル化合物製品中に不純物として含有される場合があるが、このような場合には市販のN−オキシル化合物の使用によって、併せてN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物や2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物を併用したことになる。
【0051】
上記フェノール化合物の例としては、ハイドロキノン、メトキノン(p−メトキシフェノール)を挙げることができるが、N−オキシル化合物及びフェノチアジン化合物と組合せて使用した際の重合防止効果がハイドロキノンより優れていることから、メトキノンが好ましい。また、これらのフェノール化合物は1種又は2種以上を用いることができる。
【0052】
上記フェノチアジン化合物の例としては、フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン等を挙げることができる。
【0053】
上記銅塩化合物としては、 特に制限されず、無機塩、有機塩のいずれであってもよいが、例えばジアルキルジチオカルバミン酸銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、アクリル酸銅、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅等が挙げられる。これらの銅塩化合物は一価、二価のいずれのものも用いることができる。上記銅塩化合物の中では、効果等の点からジアルキルジチオカルバミン酸銅が好ましい。
【0054】
上記ジアルキルジチオカルバミン酸銅としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジフェニルジチオカルバミン酸銅、メチルエチルジチオカルバミン酸銅、メチルプロピルジチオカルバミン酸銅、メチルブチルジチオカルバミン酸銅、メチルペンチルジチオカルバミン酸銅、メチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、メチルフェニルジチオカルバミン酸銅、エチルプロピルジチオカルバミン酸銅、エチルブチルジチオカルバミン酸銅、エチルペンチルジチオカルバミン酸銅、エチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、エチルフェニルジチオカルバミン酸銅、プロピルブチルジチオカルバミン酸銅、プロピルペンチルジチオカルバミン酸網、プロピルヘキシルジチオカルバミン酸銅、プロピルフェニルジチオカルバミン酸銅、ブチルペンチルジチオカルバミン酸銅、ブチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、ブチルフェニルジチオカルバミン酸銅、ペンチルヘキシルジチオカルバミン酸網、ペンチルフェニルジチオカルバミン酸銅、ヘキシルフェニルジチオカルバミン酸銅等が挙げられる。これらのジアルキルジチオカルバミン酸銅は、一価の銅塩であってもよく、二価の銅塩であってもよい。これらの中で、効果及び入手し易さ等の点からジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅及びジブチルジチオカルバミン酸銅が好ましく、ジブチルジチオカルバミン酸銅がより好ましい。
【0055】
上記マンガン塩化合物としては、アルキル基が同一若しくは異なってメチル、エチル、プロピル、ブチルのいずれかであるジアルキルジチオカルバミン酸マンガン、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン、蟻酸マンガン、酢酸マンガン、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、過マンガン酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸のマンガン塩化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0056】
上記重合防止剤の量は、操作条件等に応じて適宜調整され、特に限定はされないが、用いられる重合防止剤の総量を捕集される反応ガス中のアクリル酸の質量に対して3〜3500ppm(質量基準)とすることが好ましい。個々の重合防止剤の好ましい使用量は、N−オキシル化合物は反応ガス中のアクリル酸の質量に対し1〜500ppm、マンガン塩化合物、あるいは銅塩化合物は反応ガス中のアクリル酸の質量に対し1〜200ppm、ニトロソ化合物の場合は1〜500ppm、フェノール化合物の場合は、1〜500ppm、フェノチアジン化合物の場合は1〜500ppm、N−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン化合物の場合は1〜500ppm、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物の場合は1〜500ppmである。
【0057】
上記重合防止剤は、溶媒に溶解して重合防止剤含有溶液として供給されることが好ましい。重合防止剤含有溶液として供給すると、重合防止剤が塔内で均一に分散されるため、重合防止効果が高くなる利点を有する。重合防止剤を溶解する溶剤としては、アクリル酸含有溶液が好適である。重合防止剤をアクリル酸とともに供給すると、例えば、共沸蒸留塔20に供給した場合に、蒸留塔20のアクリル酸含有ガス供給段より上部では水や溶剤は蒸発するがアクリル酸は蒸発せずに塔底側に移行するため、アクリル酸が存在すると、この中に重合防止剤も同伴され重合防止剤の析出を防止できる利点も有する。なお、アクリル酸としてアクリル酸オリゴマーの熱分解物を使用すると、アクリル酸の有効利用となり、製造効率を向上させることができる。例えば、捕集溶剤21にアクリル酸が含まれる場合には該捕集溶剤21を、又は、他の工程で得たアクリル酸の一部や、後記するアクリル酸オリゴマーを熱分解した後の溶液を、また、捕集塔の塔底液をアクリル酸含有溶液として使用することができる。該捕集塔20では、特にアクリル酸製造工程で使用する蒸気エゼクタからの廃液をアクリル酸含有溶液として使用することが好ましい。蒸気エゼクタからの廃液は、アクリル酸を含有する水溶液であり、その組成比は、捕集塔塔内の液組成と大差ないため、これにより捕集塔内における吸収効率の低下を防ぐことができる。捕集塔内のアクリル酸組成よりも使用するアクリル酸物質含有溶液のアクリル酸濃度が高い場合には、吸収効率の低下を引き起こしたり、重合を引き起こす場合がある。なお、本発明において、オリゴマーとは、下記一般式(4)で表されるアクリル酸のミカエル型付加物をいう。
【0058】
【化4】
【0059】
上記一般式(4)中、−X−は−CH2CH2−又は−CH(CH3)−を表す。nは1〜5の整数を表す。但し、nが2以上の場合、複数の−X−は同一であっても異なっていてもよい。
【0060】
またマレイン酸分離塔46、薄膜蒸発器50及び熱分解槽51で用いられる熱分解促進作用のある重合防止剤としては、上記捕集塔20等に使用できる重合防止剤のうち、4,4’,4”−トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル)フォスファイトならびに下記一般式(3)で表される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル類:
【0061】
【化5】
【0062】
(上記一般式(3)中、R1はCH2、CHOH、CHCH2OH、CHCH2CH2OH、CHOCH2OH、CHOCH2CH2OH、CHCOOH又はC=Oを表し、R2は水素原子又はCH2OHを表す。)の1種又は2種以上、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物の1種以上を併用することができる。
【0063】
また、上記共沸脱水塔30で使用する共沸溶剤としては、ヘプタン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、キシレン及びそれらの混合物より選ばれる少なくとも1種を含む溶剤;ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ビニル、アクリル酸n−プロピル、酢酸アリル、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸プロピル、クロトン酸メチル、吉草酸メチル、酪酸エチル、ジブチルエーテル及びそれらの混合物より選ばれる少なくとも1種を含む溶剤;ヘプタン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、キシレン及びそれらの混合物より選ばれる少なくとも1種を含む溶剤と、ジエチルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−t−ブチルケトン、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ビニル、アクリル酸n−プロピル、酢酸アリル、酢酸イソプロペニル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸プロピル、クロトン酸メチル、吉草酸メチル、酪酸エチル、ジブチルエーテル及びそれらの混合物より選ばれる1種以上を含む溶剤との混合溶剤が挙げられる。
【0064】
上記共沸脱水塔30で使用する共沸溶剤としては、上記に例示した化合物の中でも、ヘプタン、トルエン及びそれらの混合物より選ばれる少なくとも1種を含む溶剤;メタクリル酸エチル、メチルイソブチルケトン、アクリル酸n−プロピル、酢酸n−ブチル及びそれらの混合物より選ばれる少なくとも1種を含む溶剤;ヘプタン、トルエン及びそれらの混合物より選ばれる少なくとも1種を含む溶剤と、メタアクリル酸エチル、メチルイソブチルケトン、アクリル酸n−プロピル、酢酸n−ブチル及びそれらの混合物より選ばれる少なくとも1種を含む溶剤が好ましい。
【0065】
上記図4のアクリル酸エステルの製造方法においては、触媒として強酸性陽イオン交換樹脂を充填させたエステル化反応器60に、図1の高沸点物質分離塔40で得た精製されたアクリル酸を供給し、アルコールその他を投与してエステル化反応を行う。次いで、生成したアクリル酸エステルを含む反応溶液をタンク61に移送し、一定時間滞留させる。これにより、反応器による反応生成物の組成差が均一化され、酸分離塔80に供給されるアクリル酸エステルを含む反応溶液の液組成の変動を小さくし、上述したアクリル酸の製造工程の場合と同様の作用効果を得ることが可能となる。タンクでの滞留時間は、20分以上が好ましい。より好ましくは、40分以上である。次いで、タンクの反応溶液を酸分離塔80に導入する。塔頂からアクリル酸エステル、未反応アルコール、水等の軽沸点物質を留出させた後、酸分離塔80の塔頂からの留出物を油水分離器に導入させ、アクリル酸エステルを含む油相81と水やアルコール等を主成分とする水相82とに分離させる。該水相82を水分離塔70塔頂留出物の油水分離器内水相72とともにアルコール回収塔90に移送し、油相81を軽沸物分離塔100に供給する。この際、油相81の一部は、酸分離塔80に還流してもよい。軽沸物分離塔100の塔底から抜き出したアクリル酸エステルを精製塔110へ供給し、塔頂から精製されたアクリル酸エステル111を留出させる。なお、アルコール回収塔90の塔頂から留出させたアルコールは、酸分離塔80に附属する油水分離器内油相81に供給してもよい。また、軽沸物分離塔100の塔頂から留出した水、アルコールその他の軽沸点物質は、エステル化反応器60の上部に備えた蒸留塔70を介してエステル化反応器60に循環させる。
【0066】
上記アクリル酸エステルの製造工程において、酸分離塔80の塔底液には、アクリル酸等の原料成分、アクリル酸二量体やアクリル酸二量体のエステル、及び、下記一般式(5)で示されるアルコキシプロピオン酸及びアルコキシプロピオン酸エステル等のミカエル型付加物が含まれている。このため、図4に示すように酸分離塔80の塔底液をエステル化反応器60に供給してもよく、又は、別個に設けた薄膜蒸発器及び分解槽に供給して含まれるアクリル酸オリゴマーを分解してもよい。これにより、該塔底液に含まれる成分が分解され、薄膜蒸発器への導入によってアルコール、アクリル酸、アクリル酸エステルとなるため、これを再度エステル化反応器60等に導入することでアクリル酸エステルの収率を向上させることが可能となる。なお、該塔底液の分解においても、上記N−オキシル化合物等を添加することで、分解反応を促進することができる。
【0067】
【化6】
【0068】
上記一般式中、mは1〜5の整数を表す。R1及びR2は同一若しくは異なって水素原子又はアルキル基を表す。−X−は−CH2CH2−又は−CH(CH3)−を表す。但し、mが2以上の場合、複数の−X−は同一であっても異なっていてもよい。
【0069】
上記アクリル酸エステルの製造方法は、アクリル酸とアルコールとを脱水反応させてエステルを得る方法であり、好ましいアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、イソオクタノール、2−エチルヘキサノール、イソノニルアルコール、ラウリルアルコール等の各種アルコールを挙げることができる。これらは直鎖状のものであっても分岐を有するものであってもよい。また、これらは1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、上記各工程の反応条件、蒸留条件等は従来公知の条件を採用することができる。
【0070】
一方、図1の高沸点物質分離塔40から得た精製されたアクリル酸を蒸留又は晶析することにより高純度アクリル酸を得ることができる。蒸留をする場合、蒸留塔に精製されたアクリル酸とともに、例えば、ヒドラジンヒドラート、フェニルヒドラジン等の公知の1級アミン及び/又はその塩を含有アルデヒド1モルに対し1.0〜10.0モル、より好ましくは1.0〜5.0モル添加し、処理剤添加後にミストセパレータ付きのフラッシュカラム等の蒸留塔等で塔頂圧10〜150hPa(abs.)、塔頂温度35〜90℃等の条件で減圧蒸留する等の方法を用いることができる。この処理によって、フルフラール、アクロレイン、ベンズアルデヒド等のアルデヒド類の含有量が10質量ppm以下の高純度アクリル酸を得ることができる。また、晶析装置を用いて晶析することにより、同等の高純度アクリル酸を得ることもできる。アクリル酸から吸水性樹脂を製造する場合、その用途によっては、上記アクリル酸が含有する不純物に起因する臭気や皮膚への刺激等が好ましくない場合があるため、このような高純度アクリル酸を使用することが好ましい。
【0071】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「wt%」は「質量%」を意味し、「vol%」は、「容量%」を意味するものとする。
【0072】
実施例1
図1に示すフローに従って、アクリル酸を製造した。まず、プロピレンを酸化触媒の存在下に分子状酸素ガスにより中間管板で複数に仕切られた多管式反応器で接触気相酸化してアクリル酸7.1vol%、酢酸0.3vol%、水14.7vol%を含む混合ガスを得た。このガスを吸収塔(捕集塔)(カスケード ミニリング3P 10m)へ導入し、塔底液を得た。この吸収塔は、塔頂部の圧力1100hPa abs.、温度62℃で運転され、塔頂より重合防止剤としてのハイドロキノンとともに、共沸脱水塔から発生する分離水及び蒸留塔真空発生装置から発生する廃水の一部と水とを調合したアクリル酸1.5wt%、酢酸5.4wt%を含有する水を捕集水として供給した。また、塔頂の排ガスの一部は、酸化反応器(接触気相酸化反応器)へ循環し、残りは系外へ廃ガスとして放出した。吸収塔塔底液は、更に蒸留され、アクリル酸70wt%、酢酸3.4wt%、マレイン酸0.3wt%を含有するアクリル酸水溶液を得た。
【0073】
得られたアクリル酸水溶液は、水分離塔(共沸脱水塔)との間に設置されたタンクに付属する冷却器を通じ40℃まで冷却後(塔・タンクでの滞留時間2時間)、マレイン酸分離塔の塔頂液の一部とともに、50段の無堰多孔板を備える水分離塔の中段へ供給した。水分離塔は塔頂の圧力190hPa(abs.)、還流比1.0(単位時間当たりの還流液の全モル数/単位時間当たりの溜出液の全モル数)で、トルエンを用いて共沸分離運転を行った。該水分離塔の塔頂液は真空発生装置である蒸気エゼクタの廃水ととも貯槽に導き、有機相と水相に分離した。該塔の重合防止剤としてジブチルジチオカルバミン酸銅塩、ハイドロキノンモノメチルエーテルを予め還流液に溶解し、還流液と混合して、また水に溶解したハイドロキノンをアクリル酸水溶液供給段と還流液供給段の間からマレイン酸分離塔の塔頂液の一部とともにスプレーで投入した。塔底液は、更に、高沸分離塔(高沸点物質分離塔)との間に設置されたタンクに付属する冷却器を通じ40℃まで冷却後、45段の無堰多孔板を備える高沸分離塔の中段へ供給した。該塔は、塔頂45hPa(abs.)、還流比1.4で運転した。塔頂からはアクリル酸が得られた。該塔の塔底液は、アクリル酸オリゴマーが31wt%、マレイン酸5wt%を含有し、これを5段の無堰多孔板を備えるマレイン酸分離塔の塔底に供給した。該塔は、塔底に薄膜蒸発器及び熱分解槽を備え、45hPa(abs.)、還流比0.5で運転し、塔頂よりマレイン酸0.5wt%を含有するアクリル酸を得た。一方、薄膜蒸発器からの缶液は、熱分解槽に導入し、温度150℃、滞留時間40時間で熱分解を行い、缶液の一部を薄膜蒸発器に循環させた。高沸分離塔及びマレイン酸分離塔へは、重合防止剤として、ジブチルジチオカルバミン酸銅塩及びハイドロキノンモノメチルエーテルをアクリル酸に溶解して凝縮器にスプレーで投入した。廃液は、熱分解槽からアクリル酸5.5wt%、アクリル酸オリゴマーが39wt%の組成で廃棄した。約3ヶ月の安定稼働の後、装置を停止し、内部点検を行ったが特に問題なかった。
【0074】
実施例2
実施例1で水分離塔へ供給する前のタンクを使用しない(塔での滞留時間30分)以外は実施例1と同じ運転を行った。約3ヶ月の安定稼働の後、装置を停止し、内部点検を行ったが特に問題なかった。
【0075】
実施例3
実施例1で水分離塔へ供給する前のタンクを使用しない(塔での滞留時間8分)以外は実施例1と同じ運転を行った。水分離塔での塔内温度に多少乱れが見られ、約3ヶ月の稼働の後、装置を停止し、内部点検を行ったところ該塔に少量の重合物が確認された。
【0076】
比較例2
図3に示すフローに従って、アクリル酸を製造した。塔・タンクでの滞留時間2時間で、それぞれの中間管板で複数に仕切られた多管式反応器で得られたアクリル酸水溶液を別々に水分離塔へ供袷する以外は実施例1と同じ運転を行った。水分離塔での塔内温度に乱れが見られ、約1ヶ月の稼働の後、装置を停止し、内部点検を行ったところ該塔に重合物が確認された。
【0077】
実施例4
図4に示すフローに従って、アクリル酸ブチルを製造した。アクリル酸とn−ブタノールとのエステル化反応を円筒型反応器で反応溶液を撹拌しながら行った。該反応の触媒には、強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名「ダイヤイオンPK208」)を使用して、温度80℃、圧力20kPa(絶対圧力)の反応条件にて反応を行った。得られた反応液をタンクを経由して(タンク滞留時間30分)酸分離塔へ供給し、順次精製工程を経て製品を得た。約4ヶ月の安定稼働の後、装置を停止し、内部点検を行ったが特に問題なかった。
【0078】
比較例3
反応液を貯槽を経由せず、別々に直接酸分離塔へ供給する以外は実施例4と同じ運転を行った。約4ヶ月の安定稼働の後、装置を停止し、内部点検を行ったところ少量の重合物が確認された。
【0079】
【発明の効果】
本発明の易重合性物質の製造方法は、上述のような構成よりなるため、易重合性物質を複数の反応器で製造する際に、精製系の安定稼働を実現することが可能であり、製造停止を回避して生産量を安定確保することができることから、各種の化合物や重合体を形成する製造原料等として工業的に有用なものである易重合性物質の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 複数の反応器で得られるアクリル酸を予め混合し、精製装置に供給する工程を含むアクリル酸製造工程の概略を示すフロー図である。
【図2】 複数の反応器で得られるアクリル酸を予め混合し、精製装置に供給する工程を含むアクリル酸製造工程の概略を示すフロー図である。なお、並列に配置された2組の反応器は、それぞれ前段と後段とに直列に配置された2つの反応器により構成され、前段反応で得られたガスに必要に応じて空気、酸素、水蒸気等を追加することのできるものである。
【図3】 複数の反応器で得られたアクリル酸を別々に水分離塔へ供給する工程を含むアクリル酸製造工程の概略を示すフロー図である。
【図4】 図1〜図3に示すアクリル酸製造工程で得られたアクリル酸からアクリル酸エステルを製造する工程の概略を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 原料ガス
2 追加ガス
10 接触気相酸化反応器(酸化反応器)
11 酸化触媒
20 捕集塔(吸収塔)
21 捕集溶剤
22 蒸留塔
23 ポンプ
24 冷却器
25 タンク(中間タンク)
30 共沸脱水塔(水分離塔)
31 油水分離器内溶媒相
32 油水分離器内水相
34 ポンプ
35 冷却器
36 タンク
37 重合防止剤
40 高沸点物質分離塔(高沸分離塔)
45 重合防止剤
46 マレイン酸分離塔
50 薄膜蒸発器
51 熱分解槽
60 エステル化反応器
61 タンク
70 蒸留塔
71 油水分離器内油相
72 油水分離器内水相
80 酸分離塔
81 油相
82 水相
90 アルコール回収塔
100 低沸点物質分離塔
110 精製塔
111 精製されたアクリル酸エステル
Claims (4)
- 複数の反応器で得られる易重合性物質を予め混合し、精製装置に供給する
ことを特徴とする易重合性物質の製造方法。 - 前記易重合性物質の混合が少なくとも1つの混合器で行われる
ことを特徴とする請求項1記載の易重合性物質の製造方法。 - 前記混合器が貯槽であり、該貯槽での滞留時間が10分以上であることを特徴とする請求項2記載の易重合性物質の製造方法。
- 前記易重合性物質が(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル及びマレイン酸からなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の易重合性物質の製造方法。
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