JP3994255B2 - Inkjet recording head and inkjet recording apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
【0003】
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
【0005】
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、特開平5−286131号公報に見られるように、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案されている。
【0006】
これによれば圧電素子を振動板に貼付ける作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、かつ簡便な手法で圧電素子を高密度に作り付けることができるばかりでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能になるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧電素子を高密度に配列したインクジェット式記録ヘッドでは、多数の圧電素子を同時に駆動して多数のインク滴を一度に吐出させると、電圧降下が発生して圧電素子の変位量が不安定となり、インク吐出特性が低下するという問題がある。
【0008】
また、外部配線が接続される接続部から遠い位置に設けられた圧電素子ほど印加される電圧が低くなり易い。このため、一列に並設された圧電素子であっても接続部からの距離によってインク吐出特性にばらつきが生じてしまうという問題がある。
【0009】
また、このように薄膜で形成された圧電素子の電極は、その膜厚が薄いため抵抗値が比較的高く、このような問題が特に生じやすい。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑み、インク吐出特性を良好に保持できると共に、均一化を図ることのできるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振動板を介して設けられて前記圧力発生室内に圧力変化を生じさせる圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッドにおいて、複数の圧電素子に共通する共通電極上に、前記圧電素子を駆動するための駆動回路に繋がる外部配線が接続される複数の接続部を有し、且つこれら複数の接続部が、前記共通電極上に形成され、当該共通電極よりも固有抵抗の小さい金属からなる配線電極によって接続され、前記配線電極が、前記圧電素子の個別電極が引き出される側とは反対側の前記圧力発生室の長手方向一端部の外側に、当該圧力発生室の並設方向に沿って且つ前記圧力発生室の長手方向一端部を跨ぐように延設され、前記配線電極の前記圧力発生室に対向する領域に当該圧力発生室の長手方向端部側に当該配線電極が除去された凹部を有し、該凹部の端面が略円形形状となっていると共に前記圧電素子の前記配線電極側の端面が前記凹部の端面と同心円である略円形形状に形成されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0012】
かかる第1の態様では、配線電極によって共通電極の抵抗値が実質的に低下するため、多数の圧電素子を同時に駆動しても電圧降下が生じることがなく、インク吐出特性が安定する。また、ヘッドを大型化することなく、共通電極上に配線電極を比較的容易に形成できる。また、圧電素子を駆動による応力が、圧力発生室の長手方向端部に集中するのを防止できる。さらに、圧電素子を駆動によって圧力発生室の長手方向端部にかかる応力が効果的に分散される。
【0013】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記圧電素子を構成する少なくとも前記共通電極が、薄膜及びリソグラフィ法により形成されたものであることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0014】
かかる第2の態様では、共通電極の抵抗値が比較的高いが、配線電極によって共通電極の抵抗値が効果的に低下する。
【0023】
本発明の第3の態様は、前記凹部の前記配線電極の端面での幅が、前記圧力発生室の幅よりも広い幅で形成され、且つ前記凹部の端面が、前記圧力発生室の幅方向端面に交差するように設けられていることを特徴とする第1又は2の態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0024】
かかる第3の態様では、圧電素子を駆動によって圧力発生室の長手方向端部にかかる応力が効果的に分散される。
【0031】
本発明の第4の態様は、前記配線電極の厚さが、1μm以上であることを特徴とする第1〜3の何れかの態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0032】
かかる第4の態様では、共通電極の抵抗を確実に低下し、電圧降下の発生がより確実に防止される。
【0033】
本発明の第5の態様は、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであることを特徴とする第1〜4の何れかの態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0034】
かかる第5の態様では、高密度のノズル開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ比較的容易に製造することができる。
【0035】
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0036】
かかる第6の態様では、インク吐出特性を安定させ、信頼性を向上したインクジェット式記録装置を実現することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0038】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1の断面図である。
【0039】
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなる。流路形成基板10としては、通常、150〜300μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは180〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。
【0040】
流路形成基板10の一方の面は開口面となり、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。
【0041】
一方、流路形成基板10の開口面には、シリコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、複数の隔壁11により区画された圧力発生室12が幅方向に並設され、その長手方向外側には、後述するリザーバ形成基板30のリザーバ部31と貫通孔51を介して連通され各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ110の一部を構成する連通部13が形成され、各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介して連通されている。
【0042】
ここで、異方性エッチングは、シリコン単結晶基板のエッチングレートの違いを利用して行われる。例えば、本実施形態では、シリコン単結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが出現し、(110)面のエッチングレートと比較して(111)面のエッチングレートが約1/180であるという性質を利用して行われる。かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室12を高密度に配列することができる。
【0043】
本実施形態では、各圧力発生室12の長辺を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板10をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングすることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12より浅く形成されており、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハーフエッチング)することにより形成されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行われる。
【0044】
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよい。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0045】
ここで、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要がある。
【0046】
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
【0047】
ここで、図3に示すように、圧電素子300の個別電極である各上電極膜80には、インク供給路14とは反対側の端部近傍から流路形成基板10の端部近傍まで延設される、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が接続され、このリード電極90の端部近傍は、圧電素子300を駆動するための駆動回路に繋がる外部配線(図示なし)が接続される接続部100となっている。
【0048】
また、圧電素子300の共通電極である下電極膜60は、圧力発生室12の並設方向に亘って連続的に延設され、且つ圧電素子300の一端部近傍でパターニングされている。すなわち、下電極膜60は、リード電極90が延設される領域を除く他の領域に連続的に設けられている。また、下電極膜60の圧力発生室12の並設方向端部近傍には、外部配線が接続される接続部100Aがそれぞれ設けられている。
【0049】
本実施形態では、下電極膜60上には導電材料からなる配線電極65が、圧力発生室12のリード電極90が引き出される側とは反対側の周壁上を介して圧力発生室12の列の外側まで延設され、配線電極65の両端部がそれぞれ接続部100Aとなっている。すなわち、下電極膜60の各接続部100Aは、配線電極65によって電気的に接続されている。
【0050】
また、この配線電極65の材質は、特に限定されないが、例えば、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等の比較的固有抵抗の小さい金属を用いることが好ましく、少なくとも下電極膜60よりも固有抵抗の小さい金属を用いることが望ましい。
【0051】
このような構成では、配線電極65によって、下電極膜60の抵抗値を実質的に低下させることができ、多数の圧電素子を同時に駆動しても電圧降下が生じることがない。したがって、常に所定の大きさのインク滴を吐出させることができ、印刷品質を常に良好に保持することができる。
【0052】
また、このような配線電極65は、図4に示すように、圧力発生室12の長手方向端部を跨ぐように延設されていることが好ましい。これにより、圧電素子300を駆動した際に、圧力発生室12の長手方向端部近傍に応力が集中するのを防止することができる。したがって、圧電素子300の繰り返し駆動によって、振動板に割れ等が発生することがなく、耐久性及び信頼性を向上することができる。
【0053】
さらに、図5(a)に示すように、配線電極65の圧力発生室12に対向する領域には、配線電極65の一部を除去した凹部66を設けることが好ましい。また、この凹部66は、配線電極65の端面での幅が圧力発生室12よりも広く形成されていることが好ましく、且つ凹部66の端面が圧力発生室12の幅方向端面に交差するように設けられていることが好ましい。
【0054】
このような凹部66の形状は、特に限定されないが、端面を略円形形状とすることが好ましい。この結果、凹部66の端面と圧力発生室12の幅方向端面とが交差し、平面視したときの凹部66の端面と圧力発生室12の幅方向端面とが、凹部65の内側においてなす角θが、90°以上となる。また、凹部66の端面を略円形形状とした場合には、図5(b)に示すように、圧電素子300の配線電極65側の端面300aを、凹部66の端面と略同心円である円形形状とすることが好ましい。
【0055】
配線電極65及び圧電素子300をこのような形状とすることにより、圧電素子300の駆動によって圧力発生室12の端部近傍にかかる応力が、一部に集中することなく分散される。したがって、振動板の破壊をより確実に防止することができる。
【0056】
なお、流路形成基板10の圧電素子300側には、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ110の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有するリザーバ形成基板30が接合されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、リザーバ形成基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、弾性膜50を貫通して設けられた貫通孔51を介して流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ110を構成している。
【0057】
このリザーバ形成基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
【0058】
また、リザーバ形成基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可能な圧電素子保持部32が設けられ、圧電素子300はこの圧電素子保持部32内に密封されている。
【0059】
また、リザーバ形成基板30には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンスルフィド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ110に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ110の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止され、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部33となっている。
【0060】
なお、このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ110からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、図示しない駆動回路からの記録信号に従い、外部配線を介して圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
【0061】
以下、このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの製造方法の一例について、図6及び図7を参照して説明する。なお、図6及び図7は、圧力発生室12の長手方向の一部を示す断面図である。
【0062】
まず、図6(a)に示すように、流路形成基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約1100℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性膜50を形成する。
【0063】
次に、図6(b)に示すように、スパッタリングで下電極膜60を弾性膜50の全面に形成後、下電極膜60をパターニングして全体パターンを形成する。この下電極膜60の材料としては、白金(Pt)等が好適である。これは、スパッタリング法やゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体層70は、成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわち、下電極膜60の材料は、このような高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧電体層70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ないことが望ましく、これらの理由から白金が好適である。
【0064】
次に、図6(c)に示すように、圧電体層70を成膜する。この圧電体層70は、結晶が配向していることが好ましい。例えば、本実施形態では、金属有機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いて形成することにより、結晶が配向している圧電体層70とした。圧電体層70の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使用する場合には好適である。なお、この圧電体層70の成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング法で形成してもよい。
【0065】
さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長させる方法を用いてもよい。
【0066】
何れにしても、このように成膜された圧電体層70は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向しており、且つ本実施形態では、圧電体層70は、結晶が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させた状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmである。
【0067】
次に、図6(d)に示すように、上電極膜80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料であればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態では、白金をスパッタリングにより成膜している。
【0068】
次に、図7(a)に示すように、圧電体層70及び上電極膜80のみをエッチングして圧電素子300のパターニングを行う。
【0069】
次いで、図7(b)に示すように、リード電極90を形成する。例えば、本実施形態では、金(Au)等からなるリード電極90となる膜を流路形成基板10の全面に亘って形成し、その後、この膜を圧電素子300毎にパターニングすることによって各リード電極90とした。
【0070】
次に、図7(c)に示すように、下電極膜60上に配線電極65を形成する。すなわち、流路形成基板10の全面に配線電極65を成膜後、エッチングすることによって所定パターンとする。この配線電極65は、上述したように下電極膜60よりも固有抵抗の小さい金属で形成することが好ましく、例えば、金、銅、アルミニウム等が挙げられる。本実施形態では、金をスパッタリングによって形成した。
【0071】
以上が膜形成プロセスである。このようにして膜形成を行った後、前述したアルカリ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エッチングを行い、図7(d)に示すように、圧力発生室12、連通部13及びインク供給路14等を形成し、その後、下電極膜60及び弾性膜50を貫通させて貫通孔51を形成する。
【0072】
なお、実際には、上述した一連の膜形成及び異方性エッチングによって一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割する。そして、分割した流路形成基板10に、リザーバ形成基板30及びコンプライアンス基板40を順次接着して一体化することによってインクジェット式記録ヘッドとする。
【0073】
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明の構成は上述したものに限定されるものではない。
【0074】
例えば、上述の実施形態では、共通電極である下電極膜60の接続部100Aを2カ所に設けているが、接続部の数は特に限定されず、勿論、3カ所以上に設けるようにしてもよい。
【0075】
また、例えば、上述の実施形態では、リード電極90の端部近傍が、圧電素子300の個別電極である上電極膜80の接続部100となっているが、下電極膜60の接続部100Aと同様に、リード電極90の接続部100となる領域に、例えば、配線電極65と同一の層からなる接続層を設けるようにしてもよい。
【0076】
また、例えば、上述の実施形態では、成膜及びリソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型のインクジェット式記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0077】
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図8は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
【0078】
図8に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
【0079】
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、共通電極上に設けた配線電極によって共通電極の抵抗値を実質的に低下させることができる。したがって、多数の圧電素子を同時に駆動しても電圧降下が発生することがなく、常に安定したインク吐出特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの配線パターンを示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの配線パターンの変形例を示す平面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの配線パターンの変形例を示す要部平面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板
12 圧力発生室
20 ノズルプレート
21 ノズル開口
30 リザーバ形成基板
40 コンプライアンス基板
60 下電極膜
65 配線電極
70 圧電体層
80 上電極膜
90 リード電極
100,100A 接続部
110 リザーバ
300 圧電素子[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
According to the present invention, a part of a pressure generating chamber communicating with a nozzle opening for ejecting ink droplets is constituted by a diaphragm, and a piezoelectric element is formed on the surface of the diaphragm, and ink droplets are ejected by displacement of the piezoelectric element. The present invention relates to an ink jet recording head and an ink jet recording apparatus.
[0002]
[Prior art]
A part of the pressure generation chamber communicating with the nozzle opening for discharging ink droplets is constituted by a vibration plate, and the vibration plate is deformed by a piezoelectric element to pressurize the ink in the pressure generation chamber to discharge ink droplets from the nozzle opening. Two types of ink jet recording heads have been put into practical use: those using a longitudinal vibration mode piezoelectric actuator that extends and contracts in the axial direction of the piezoelectric element, and those using a flexural vibration mode piezoelectric actuator.
[0003]
The former can change the volume of the pressure generation chamber by bringing the end face of the piezoelectric element into contact with the vibration plate, and it is possible to manufacture a head suitable for high-density printing, while the piezoelectric element is arranged in an array of nozzle openings. There is a problem that the manufacturing process is complicated because a difficult process of matching the pitch into a comb-like shape and an operation of positioning and fixing the cut piezoelectric element in the pressure generating chamber are necessary.
[0004]
On the other hand, the latter can flexibly vibrate, although a piezoelectric element can be built on the diaphragm by a relatively simple process of sticking a green sheet of piezoelectric material according to the shape of the pressure generation chamber and firing it. There is a problem that a certain amount of area is required for the use of, and high-density arrangement is difficult.
[0005]
On the other hand, in order to eliminate the inconvenience of the latter recording head, a uniform piezoelectric material layer is formed by a film forming technique over the entire surface of the diaphragm as seen in Japanese Patent Laid-Open No. 5-286131. A material in which a piezoelectric layer is formed so that a material layer is cut into a shape corresponding to a pressure generation chamber by a lithography method and is independent for each pressure generation chamber has been proposed.
[0006]
This eliminates the need to affix the piezoelectric element to the diaphragm, so that not only can the piezoelectric element be densely formed by a precise and simple technique called lithography, but also the thickness of the piezoelectric element can be reduced. There is an advantage that it can be made thin and can be driven at high speed.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in an ink jet recording head in which piezoelectric elements are arranged at high density, when a large number of piezoelectric elements are driven simultaneously to discharge a large number of ink droplets at once, a voltage drop occurs and the amount of displacement of the piezoelectric elements is unstable. As a result, there is a problem in that the ink ejection characteristics deteriorate.
[0008]
Moreover, the applied voltage tends to be lower as the piezoelectric element is located farther from the connection portion to which the external wiring is connected. For this reason, even if the piezoelectric elements are arranged in a line, there is a problem in that the ink ejection characteristics vary depending on the distance from the connecting portion.
[0009]
In addition, the electrode of the piezoelectric element formed in such a thin film has a relatively high resistance value because of its thin film thickness, and this problem is particularly likely to occur.
[0010]
In view of such circumstances, it is an object of the present invention to provide an ink jet recording head and an ink jet recording apparatus that can maintain good ink discharge characteristics and can achieve uniformity.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
According to a first aspect of the present invention for solving the above-described problem, a flow path forming substrate in which a pressure generation chamber communicating with a nozzle opening is formed, and a flow plate is provided on one surface side of the flow path forming substrate via a diaphragm. In an ink jet recording head including a piezoelectric element that causes a pressure change in the pressure generating chamber, an external wiring connected to a driving circuit for driving the piezoelectric element is connected to a common electrode common to the plurality of piezoelectric elements. A plurality of connecting portions, and the plurality of connecting portions are formed on the common electrode and connected by a wiring electrode made of a metal having a lower specific resistance than the common electrode, and the wiring electrode is On the outer side of one end in the longitudinal direction of the pressure generating chamber on the side opposite to the side from which the individual electrode of the piezoelectric element is drawn out, straddling the one end in the longitudinal direction of the pressure generating chamber along the juxtaposed direction of the pressure generating chamber Extending in the direction opposite to the pressure generation chamber of the wiring electrode, and having a recess from which the wiring electrode is removed on the longitudinal end side of the pressure generation chamber, and the end surface of the recess has a substantially circular shape And an end face of the piezoelectric element on the wiring electrode side is formed in a substantially circular shape concentric with the end face of the recess.
[0012]
In the first aspect, since the resistance value of the common electrode is substantially reduced by the wiring electrode, no voltage drop occurs even when a large number of piezoelectric elements are driven simultaneously, and the ink ejection characteristics are stabilized. Further, the wiring electrode can be formed on the common electrode relatively easily without increasing the size of the head. Further, it is possible to prevent stress due to driving the piezoelectric element from being concentrated on the end portion in the longitudinal direction of the pressure generating chamber. Further, the stress applied to the longitudinal end portion of the pressure generating chamber is effectively dispersed by driving the piezoelectric element.
[0013]
According to a second aspect of the present invention, there is provided the ink jet recording head according to the first aspect, wherein at least the common electrode constituting the piezoelectric element is formed by a thin film and a lithography method.
[0014]
In the second aspect, the resistance value of the common electrode is relatively high, but the resistance value of the common electrode is effectively reduced by the wiring electrode.
[0023]
According to a third aspect of the present invention, the width of the recess at the end face of the wiring electrode is wider than the width of the pressure generating chamber, and the end face of the recess is in the width direction of the pressure generating chamber. The ink jet recording head according to the first or second aspect is provided so as to intersect the end face.
[0024]
In the third aspect, the stress applied to the longitudinal end portion of the pressure generating chamber is effectively dispersed by driving the piezoelectric element.
[0031]
A fourth aspect of the present invention is the ink jet recording head according to any one of the first to third aspects, wherein the wiring electrode has a thickness of 1 μm or more.
[0032]
In the fourth aspect, the resistance of the common electrode is reliably reduced, and the occurrence of a voltage drop is more reliably prevented.
[0033]
According to a fifth aspect of the present invention, the pressure generation chamber is formed on a silicon single crystal substrate by anisotropic etching, and each layer of the piezoelectric element is formed by film formation and lithography. The ink jet recording head according to any one of the first to fourth aspects.
[0034]
In the fifth aspect, an ink jet recording head having high-density nozzle openings can be manufactured in a large amount and relatively easily.
[0035]
A sixth aspect of the present invention is an ink jet recording apparatus comprising the ink jet recording head according to any one of the first to fifth aspects.
[0036]
In the sixth aspect, it is possible to realize an ink jet recording apparatus that stabilizes ink ejection characteristics and improves reliability.
[0037]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on embodiments.
[0038]
(Embodiment 1)
1 is an exploded perspective view showing an ink jet recording head according to Embodiment 1 of the present invention, and FIG. 2 is a cross-sectional view of FIG.
[0039]
As shown in the drawing, the flow
[0040]
One surface of the flow
[0041]
On the other hand,
[0042]
Here, the anisotropic etching is performed by utilizing the difference in etching rate of the silicon single crystal substrate. For example, in this embodiment, when a silicon single crystal substrate is immersed in an alkaline solution such as KOH, the first (111) plane perpendicular to the (110) plane is gradually eroded, and the first (111) plane. And a second (111) plane that forms an angle of about 70 degrees with the (110) plane and an angle of about 35 degrees appears, and the (111) plane is compared with the etching rate of the (110) plane. This is performed using the property that the etching rate is about 1/180. By this anisotropic etching, precision processing can be performed based on the parallelogram depth processing formed by two first (111) surfaces and two oblique second (111) surfaces. The
[0043]
In the present embodiment, the long side of each
[0044]
Further, a
[0045]
Here, the size of the
[0046]
On the other hand, on the
[0047]
Here, as shown in FIG. 3, each
[0048]
In addition, the
[0049]
In the present embodiment, the
[0050]
The material of the
[0051]
In such a configuration, the resistance value of the
[0052]
In addition, as shown in FIG. 4, such a
[0053]
Further, as shown in FIG. 5A, it is preferable to provide a
[0054]
Although the shape of such a recessed
[0055]
By forming the
[0056]
A
[0057]
As the
[0058]
Further, in a region facing the
[0059]
A
[0060]
Note that such an ink jet recording head of this embodiment takes in ink from an external ink supply means (not shown), fills the interior from the
[0061]
Hereinafter, an example of a method for manufacturing the ink jet recording head of this embodiment will be described with reference to FIGS. 6 and 7 are cross-sectional views showing a part of the
[0062]
First, as shown in FIG. 6A, an
[0063]
Next, as shown in FIG. 6B, after the
[0064]
Next, as shown in FIG. 6C, the
[0065]
Furthermore, after forming a lead zirconate titanate precursor film by a sol-gel method or a sputtering method, a method of crystal growth at a low temperature by a high-pressure treatment method in an alkaline aqueous solution may be used.
[0066]
In any case, the
[0067]
Next, as shown in FIG. 6D, an
[0068]
Next, as shown in FIG. 7A, the
[0069]
Next, as shown in FIG. 7B,
[0070]
Next, as shown in FIG. 7C, the
[0071]
The above is the film forming process. After forming the film in this way, the above-described anisotropic etching of the silicon single crystal substrate with the alkali solution is performed, and as shown in FIG. 7D, the
[0072]
In practice, a large number of chips are simultaneously formed on a single wafer by the above-described series of film formation and anisotropic etching, and after the process is completed, a single chip-sized flow path is formed as shown in FIG. Divide each
[0073]
(Other embodiments)
As mentioned above, although one Embodiment of this invention was described, the structure of this invention is not limited to what was mentioned above.
[0074]
For example, in the above-described embodiment, the
[0075]
Further, for example, in the above-described embodiment, the vicinity of the end portion of the
[0076]
Further, for example, in the above-described embodiment, a thin film type ink jet recording head manufactured by applying a film forming and lithography process is taken as an example. However, the present invention is not limited to this. For example, a green sheet is used. The present invention can also be applied to a thick film type ink jet recording head formed by a method such as sticking.
[0077]
In addition, the ink jet recording head of each of these embodiments constitutes a part of a recording head unit including an ink flow path communicating with an ink cartridge or the like, and is mounted on the ink jet recording apparatus. FIG. 8 is a schematic view showing an example of the ink jet recording apparatus.
[0078]
As shown in FIG. 8, in the
[0079]
The driving force of the driving motor 6 is transmitted to the
[0080]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the resistance value of the common electrode can be substantially reduced by the wiring electrode provided on the common electrode. Therefore, even if a large number of piezoelectric elements are driven simultaneously, a voltage drop does not occur, and stable ink ejection characteristics can always be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view of an ink jet recording head according to a first embodiment of the invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of the ink jet recording head according to Embodiment 1 of the invention.
FIG. 3 is a plan view showing a wiring pattern of the ink jet recording head according to the first embodiment of the invention.
FIG. 4 is a plan view showing a modification of the wiring pattern of the ink jet recording head according to the first embodiment of the invention.
FIG. 5 is a plan view of a principal part showing a modification of the wiring pattern of the ink jet recording head according to the first embodiment of the invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view illustrating a manufacturing process of the ink jet recording head according to the first embodiment of the invention.
7 is a cross-sectional view showing a manufacturing process of the ink jet recording head according to the first embodiment of the invention. FIG.
FIG. 8 is a schematic view of an ink jet recording apparatus according to an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (6)
複数の圧電素子に共通する共通電極上に、前記圧電素子を駆動するための駆動回路に繋がる外部配線が接続される複数の接続部を有し、且つこれら複数の接続部が、前記共通電極上に形成され、当該共通電極よりも固有抵抗の小さい金属からなる配線電極によって接続され、
前記配線電極が、前記圧電素子の個別電極が引き出される側とは反対側の前記圧力発生室の長手方向一端部の外側に、当該圧力発生室の並設方向に沿って且つ前記圧力発生室の長手方向一端部を跨ぐように延設され、
前記配線電極の前記圧力発生室に対向する領域に当該圧力発生室の長手方向端部側に当該配線電極が除去された凹部を有し、該凹部の端面が略円形形状となっていると共に前記圧電素子の前記配線電極側の端面が前記凹部の端面と同心円である略円形形状に形成されていることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。A flow path forming substrate in which a pressure generating chamber communicating with the nozzle opening is formed, and a piezoelectric element that is provided on one side of the flow path forming substrate via a vibration plate and causes a pressure change in the pressure generating chamber. In the ink jet recording head provided,
A common electrode common to a plurality of piezoelectric elements has a plurality of connection parts to which external wiring connected to a drive circuit for driving the piezoelectric elements is connected, and the plurality of connection parts are provided on the common electrode. Connected by a wiring electrode made of a metal having a lower specific resistance than the common electrode,
The wiring electrode is disposed on the outside of one end in the longitudinal direction of the pressure generating chamber on the side opposite to the side from which the individual electrode of the piezoelectric element is drawn, along the parallel direction of the pressure generating chamber and It extends so as to straddle one end in the longitudinal direction,
A region of the wiring electrode facing the pressure generation chamber has a recess from which the wiring electrode is removed on the longitudinal end side of the pressure generation chamber, and the end surface of the recess has a substantially circular shape and An ink jet recording head, wherein an end face of the piezoelectric element on the wiring electrode side is formed in a substantially circular shape concentric with the end face of the recess.
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