JP3952156B2 - Biosensor - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多くの成分が混在する媒体から特定の成分を検出し測定するバイオセンサ、特に電流検出型電気化学的バイオセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
バイオセンサは、酵素、微生物、抗体、レセプターなどの生体触媒の基質特異性に着目し、これらの生物由来のものを変換素子として物理的デバイスであるトランスデューサとを組み合わせて、極めて多様な成分が存在する混合体から特定成分を検出し測定する。中でも酸化還元酵素と電気化学測定型トランスデューサとを組み合わせたバイオセンサはその感度の高さおよび測定の簡便さから、特に注目されている。そして、その代表的なものは過酸化水素生成型酸化還元酵素と過酸化水素電極とを組み合わせた、過酸化水素検出型バイオセンサである。
【0003】
電流測定型トランスデューサの一種である過酸化水素電極は、過酸化水素の外に、尿酸やアスコルビン酸などの還元性物質(以下、妨害成分という)に対しても応答し電流が発生する。したがって、これらの妨害成分が多く存在する生体関連試料をはじめとする試料中の成分を測定する場合、バイオセンサの測定精度を確保するために、妨害成分の影響除去が避けて通れない課題である。上記課題を解決するもっとも有効な手段は、電極表面またはその近辺に共存妨害物質を排除し過酸化水素を選択的にまたは優先的に透過させる、選択透過膜を設けることである。
【0004】
図21は、このタイプのバイオセンサの基本構造を示す図である。図21において、6は過酸化水素電極を有する基体、2は選択透過膜、1は過酸化水素生成酵素を含む生体触媒を固定化した酵素膜である。以下、原理を簡単に説明する。
【0005】
被測定媒体をセンサの表面に接触させると、標的成分、例えばグルコースが酵素膜1の中へ拡散し、そこに含まれる酵素、例えばグルコースオキシダーゼにより、酸化され過酸化水素が生成される。生成された過酸化水素は、選択透過膜2を通り越して基体6の電極表面に達し、そこで酸化されて電子情報に変換される。電子情報(例えば電流)と、酵素により酸化されたグルコースとは、直線的な相関関係を有するので、出力電流からグルコースの濃度を測定することができる。一方、共存妨害成分も、グルコースと同様に酵素膜1まで拡散するが、選択透過膜2により排除され、基体6の電極表面に到達できない。これにより出力電流が標的成分に由来するものであることを保証し、測定精度が確保される。
【0006】
従来、過酸化水素選択透過膜として、いろいろな材料と製法が提案されている。例えば、Yellow Spring Instruments Inc社のグルコースアナライザーに用いられるセンサでは、予め作成した酢酸セルロース選択透過膜、酵素膜、ポリカーボネートからなるサンドイッチ膜をO−リングなどで白金電極の表面に固定する手法を採っている(Special Publication,Royal Society of Chemistry,Vol.167,p71-88,1998)。また、特開平5−149911では、セルロース濾紙などの吸水体上にタンパク質を塗布して製造する選択透過膜が開示されている。
【0007】
また、特開平7−15936では、電極基体上に酢酸セルロース膜またはイオン交換樹脂膜からなる選択透過膜を直接形成するセンサが開示されている。特開平8−50112では、作用電極上に酢酸セルロース膜、グルコースオキシダーゼー光架橋ポリビニルアルコール混合物膜、パーフルロスルホン酸型イオン交換膜を順次積層したグルコースセンサが開示されている。
【0008】
なお、これらのセンサは、膜の密着性およびセンサ安定性を確保するために、上部に保護膜を付けたりする工夫がされている。膜の密着性を確保する別の方法として、特開2000−2683では、選択透過膜を、作用電極の表面のみを被覆する形状に形成し、その上の酵素膜をシランカップリング剤を介して基板表面に接合し、酵素膜によって選択膜を物理的に押え込む方法が開示されている。特公平2−35933では、アルブミン架橋膜を過酸化水素選択透過膜として直接電極表面に形成する方法が、また、特開平7−77509では、アルブミン架橋膜の下にさらに下地高分子膜を塗布する方法が、開示されている。アルブミンからなる選択透過膜は、酵素膜との間の密着性がよい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の技術においては、次のような課題が生じている。酢酸セルロース膜などを予め作成して電極表面に装着する場合は、一定の膜強度を得るために膜が厚く、また、電極との密着性が悪い。このため、情報の分散が発生して応答速度や検出感度が低下し、その結果、測定精度が低下する。検出感度を維持するには、面積の大きい電極を必要とする。また、この方式は製造の自動化が難しく、安価に量産するには不適である。
【0010】
一方、酢酸セルロース膜やイオン交換樹脂膜を直接電極表面に形成する場合は、予め膜を作成して電極表面に装着する場合に比べて薄膜化ができ、電極との間の密着性も改良されるが、選択透過膜と酵素膜との密着性が悪いことが課題として残る。その理由は、酢酸セルロースをはじめとする選択透過膜が疎水性であり、基体との密着性は例えば基体表面の疎水化処理などによりある程度向上させることができるが、酵素膜は一般的に親水性であり、疎水性の選択透過膜との密着性がなかなか得られにくいためである。このため、酵素膜を全面的に薄く塗布し、さらにその上に別の膜を設けることにより酵素膜を押さえてセンサの動作安定性を保つなどしている。しかし、このようなセンサは、特に分析の自動化・高速化を進める上で不可欠なフロータイプ測定装置では、キャリア液が流れる時の剪断力による膜剥離および脈流に伴う圧力変化による膜へのダメージが大きな問題になっている。
【0011】
また、特公平2−35933や特開平7−77509で示されたアルブミン架橋膜を選択透過膜とするセンサは、選択透過膜と酵素膜がほとんど同質なため、膜間の密着性がかなり強い。しかし、一定の選択性を達成するには選択透過膜を厚くする必要があること、膜材料が親水性のタンパク質であるため、長期間使用時の安定性に欠けること、などの問題がある。
【0012】
かかる現状を鑑み本発明の目的は、選択透過膜と酵素膜との間や、選択透過膜と電極との間の密着性が高く、高精度でかつ安定性が優れているバイオセンサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及びその作用・効果】
上記目的を達成するために請求項1は、過酸化水素電極を有する基体と、過酸化水素生成酵素を含む生体触媒を固定化した酵素膜とを備えたバイオセンサにおいて、前記基体と前記酵素膜との間に、セルロース誘導体、イオン交換樹脂からなる群から選択される物質(物質Aと呼ぶ)と、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基からなる群から選択される官能基を有する高分子物質(高分子Bと呼ぶ)と、からなる混合層が形成されていることとした。混合層中の物質Aは、主として共存妨害成分を除外し、過酸化水素を選択的にまたは優先的に透過させる役割を担う。一方、混合層中の高分子Bは、主に混合層と酵素膜および/または基体とを接着させる役割を果たす。すなわち混合層は、過酸化水素選択透過膜であると同時に、酵素膜を電極基体に付着させる機能も果たす。これにより、膜付着力の弱さが解消されるため、このバイオセンサは、高精度でかつ安定性が優れている。
【0014】
請求項2は、請求項1に記載のバイオセンサにおいて、前記混合層と前記酵素膜との接触面における前記混合層の前記高分子Bの露出割合が、表面積の20%以上であることとした。よって、高分子Bと酵素膜との接触機会が確保されるため、混合層と酵素膜との間に必要な付着力を得ることができる。
【0015】
請求項3は、請求項1若しくは請求項2に記載のバイオセンサにおいて、前記混合層中の高分子Bの含量は、前記酵素膜と接触する最表層部で最も多く、前記酵素膜から離れるにしたがってだんだん少なくなる、傾斜組成を有することとした。よって、少量の高分子Bで効率よく混合層と酵素膜の付着力を確保することができる。
【0016】
請求項4は、請求項1若しくは請求項2に記載のバイオセンサにおいて、前記混合層中の高分子Bの含量は、前記酵素膜および前記基体と接触する最表層部で最も多く、前記酵素膜および前記基体から離れるにしたがってだんだん少なくなる、傾斜組成を有することとした。よって、少量の高分子Bで効率よく混合層と酵素膜の付着力および混合層と基体の付着力を確保することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明によるバイオセンサの基本構造を示す図である。図1において、6は過酸化水素電極を有する基体、3は混合層、1は過酸化水素生成酵素を含む生体触媒を固定化した酵素膜である。混合層3は、セルロース誘導体、イオン交換樹脂からなる群から選択される物質(物質Aと呼ぶ)と、アルデヒド基(-CHO)、アミノ基(-NR2、R:水素またはアルキル基)、カルボキシル基(-COOH)、エポキシ基からなる群から選択される官能基を有する高分子物質(高分子Bと呼ぶ)と、の2成分からなる。
【0020】
物質Aは、主として共存妨害成分を除外し、過酸化水素を優先的に透過させる役割を担う。セルロース誘導体とイオン交換樹脂のいずれを選択するかは、センサの使用目的や、基体材質やその構造などの状況を勘案して決定されてよい。これらの物質は、過酸化水素選択膜の材料として有効であるが、酵素膜や基体との接着性が、一般的に弱い。
【0021】
セルロース誘導体の例としては、アセチル置換基を有する酢酸セルロースまたはその誘導体、ブチル置換基を有する酢酸酪酸セルロースまたは酪酸セルロース、ニトロ置換基を有するニトロセルロース、そしてエチルセルロース、などが挙げられる。中でも、酢酸セルロースを代表とするアセチル置換基を有する誘導体が、各種の膜の材料としての実績が多く、より好ましい。一方、イオン交換樹脂の好ましい例として、パーフルロスルホン酸を含むイオン交換樹脂であるデュポン社製のナフィオン(登録商標)が挙げられる。強いマイナス荷電を有するこの樹脂は、特にマイナスイオン性の妨害成分の除去に適している。なお物質Aは、一般的に反応性に乏しく、疎水性的傾向を有する。
【0022】
高分子Bは、主として物質Aの酵素膜または基体との付着力不足を補う役割を担う。高分子Bは、前記したアルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基からなる群から選択される官能基を有する高分子物質であれば、その材質や構造は問わない。好ましい例として、多糖類およびその誘導体、蛋白質などの天然由来高分子、ポリアミノ酸、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリル、エポキシ樹脂、などの合成高分子が挙げられる。これらの高分子は、一般的に反応性に富み、親水性傾向を有する。特に、酵素膜との間に高い親和性を示す。例えば、多糖類誘導体の一種として、アミノ置換基を有する多糖類誘導体であるキトサンがある。
【0023】
図2は、キトサンの基本構造を示す図である。図2において、Rが100%アセチル基(-COCH3)であるものがキチンであり、キトサンは、キチンの脱アセチル化によって製造される。一般的には、十から数十パーセントのアセチル基が残っている。キトサンは、反応性に富むと同時に、脱アセチル化の度合いに応じて、水と各種の有機溶媒からなる混合溶媒に溶解できることが特徴である。
【0024】
混合層は、過酸化水素選択透過膜として機能すると同時に、酵素膜を基体上に付着させる接着層として機能する。よって、混合層が上記2つの機能を果たす限り、その中に含まれる物質Aと高分子Bの存在形態は特に限定されない。存在形態の好ましい具体例としては、両者が化学的に結合することなく、物理的に混合されて存在する態様、あるいは両者の分子が接触する界面において、イオン結合、共有結合などによって部分的に結合されて存在する態様、が挙げられる。
【0025】
図3〜図6は、混合層中の物質Aと高分子Bの混合態様の例を示す図である。図中、物質Aを白色の領域または灰色の曲線で、高分子Bを黒色の領域または黒色の曲線で、それぞれ表わす。混合層における物質Aと高分子Bの混合態様の好ましい例として、図3に示すような、物質Aと高分子Bが互いに分散した粒子状になって混在する態様や、図4に示すような、物質Aと高分子Bがポリマー分子のレベルで混合している態様が挙げられる。また、別の好ましい例として、図5に示すような、物質Aと高分子Bがそれぞれの相を形成し相分離した構造や、図6に示すような、互いに相手の相へ侵入し合う、くし状界面構造を有する態様が挙げられる。なお、これらの混合態様は同時に存在してもよい。例えば図6が、図1における混合層3の部分を表わしているとすると、図6のC−C断面は、図5の構造を呈する。さらに、相界面のところを拡大して観察すると、図4または図5に示す構造が観察される。このような多様な混合態様により、物質Aと高分子Bが強く連結され、混合層が連続した膜となる。
【0026】
高分子Bは、酵素膜と混合層とを接着させる役割を担うので、酵素膜と接触する混合層表面において、高分子Bが露出することが必要である。露出の割合は、要求される膜付着力、物質Aおよび高分子Bの材質、および表面構造など、諸般状況を勘案して適宜決定されてよいが、表面積の20%以上であることが好ましい。これにより、高分子Bと酵素膜との接触機会が確保されるため、混合層と酵素膜との間に必要な付着力を得ることができる。
【0027】
一方、酵素膜との界面の場合と違って、基体との界面においては、物質Aだけで満足できる付着力を得るケースが多い。また、センサ膜(ここで、センサ膜とは、基体の上に形成されたすべての膜のことを言う)が一体となった場合、基体との間で密着していれば良く、強く接着を必要としないケースもある。このようなケースにおいては、混合層の基体側に面する表層部において、高分子Bを存在させる必要はなく、むしろ高分子Bが実質的に含まれない構造とすることが望ましい。その理由は、接着剤として機能する高分子Bは、一般的に過酸化水素選択透過性が乏しいので混合層の妨害物質除去機能に対する寄与が少なく、逆に拡散抵抗によりセンサの測定感度を低下させる作用があるからである。ここで「実質的」とは、既存の分析方法で、高分子Bの存在が検出できないレベルであることを意味する。
【0028】
図7は、上記のような混合層をもつバイオセンサの構造の例を示す図である。図7に示すように、混合層3の基体6と接触する側には、高分子Bが実質的に含まれない領域(すなわち実質的に物質Aのみの領域)があり、これにより、測定感度の低下を防いでいる。なお、図中「A+B」で示す格子模様の領域は、物質Aと高分子Bが同時に含まれていることを意味するもので、両者の割合を示すものではない。以下も同様である。
【0029】
上記の図7のケースと異なり、物質Aだけで十分な基体密着性を得られるものの付着力が十分ではない場合には、過酸化水素電極の作用電極表面およびその周辺の領域においてのみ高分子Bを実質的に含まないものとし、その他の領域に高分子Bを含ませて、基体に対する混合層の付着力を確保する方法を採ることができる。この態様を有するセンサは、絶縁性基板上に膜状導電体を形成したプレナー型過酸化水素電極の場合、特に望ましい。
【0030】
図8は、上記のような混合層をもつバイオセンサの構造の例を示す図である。図8において、7は絶縁基板、8はその上に形成された作用電極である。なお、対極や参照極が合わせて形成されることも多いが、この図では作用電極8を含む部分のみを表示している。図8に示すように、作用電極8の上方および周辺の混合層3には、高分子Bが実質的に含まれない領域があり、これにより図7の例と同様に測定感度の低下を防いでいる。同時に、高分子Bを有する外の領域では強い基体付着力を持つので、混合層全体の膜基体付着力が保たれる。
【0031】
図9は、別のバイオセンサの構造の例を示す図である。図7との違いは、混合層3の基体6と接触する側にも、物質Aと高分子Bが同時に含まれている領域「A+B1」があることである。なお、混合層3の酵素膜1と接触する側の領域は「A+B2」で示し、内部には、高分子Bが実質的に含まれない領域「A」がある。例えば、物質Aだけでは基体接着力が足りないケースなどでは、この態様を採用することで高分子B1により基体6との接着が実現され、基体密着性の強いセンサが得られる。ここで、高分子B1の基体6への露出の割合は、表面積の10%以上であることが好ましい。なお、高分子BをB1、B2と区別している理由は、これらが必ずしも同一成分である必要はないからである。一般的に、基体6と酵素膜1とでは材質などが異なるため、最適な接着性を実現するには異なった高分子を用いた方がよいケースがある。
【0032】
図7〜図9で示したような、混合層3の中に高分子Bが実質的に含まれない領域を有するセンサにおけるこの領域(「A」)の厚さは、要求されるセンサの性能、使用される膜の材質およびその製造方法、ならびに該部分の厚さ方向の上下部分における物質Aと高分子Bとの混合部分の組成と厚さなど、諸般状況を勘案して適宜決定される。想定される被検試料中の共存妨害成分の濃度が高く、測定精度を確保するには高い妨害成分除去率が要求される場合は、厚めにする。逆に妨害成分の影響よりも測定感度の精度への影響が強くなる場合は、妨害物質除去率と感度との兼ね合いから、該部分を適宜に薄くする。
【0033】
混合層を含む膜を基体へその場で直接形成するとともに、妨害成分排除機能の大部分を、高分子Bが実質的に含まれない領域に依存するケースにおいて、一般的に好ましい「A」の厚さの範囲は、その下限が100nmであり、上限は2000nmである。100nm以下では、ほとんどの材質において拡散制限の低下またはピンホールなどにより妨害物質除去率が低下し、尿など高濃度の妨害成分が存在する試料への適用が困難になる。また2000nm以上では、過酸化水素に対しても強い排除作用が出て、かえって測定精度の低下をもたらす。もちろん、「A」の部分の上下の混合部でもかなりの妨害成分機能を果たす場合は、この限りではない。
【0034】
すでに述べた通り、接着剤として機能する高分子Bは、一般的に過酸化水素選択透過性が乏しい。したがって、過酸化水素選択透過膜として効率的に機能させるには、必要とされる膜接着性を達成した上で、混合層中における高分子Bの割合をできるだけ小さく抑えた方が好ましい。この視点から、混合層中における高分子Bが表層部に集中的に存在していることが望ましい。このような好ましい態様として、混合層中における高分子Bの含量が一番外側(酵素膜および/または基体と接触する側)でもっとも多く、内部に向かってだんだん少なくなる、傾斜組成を有する態様が挙げられる。
【0035】
図10、図11は、上記のような構造を有する混合層中の表層部の例を示す模式図である。図中、黒い部分は高分子Bを、その他の部分は物質Aを意味する。図10、図11からわかるように、高分子Bは最表層部に最も多く存在しているので、必要な接着力を得るための高分子Bの使用量が少なくて済み、また内部においては物質Aの含量が多いので、妨害成分除去性能が高い。さらに、表層部から内部へ組成の変化が徐々に起きるので、物質Aと高分子Bとの一体感が保たれ、混合層全体としての強度が効率的に保たれる。なお、図11に示すように、最表層部において実質的に物質Aが含まれないものとしてもよい。このような傾斜組成は、混合層の片側または両側に存在するケースが考えられる。特に、基体との間では物質Aだけで十分な密着性または付着力が選られる場合は、傾斜組成は酵素膜と接触する側においてのみ形成すればよい。
【0036】
図12〜図15は、上記のような混合層をもつバイオセンサの構造の例を示す図である。図12の混合層3は、酵素膜1と接触する側で高分子Bの含量が最も多く、基体6側に向かってだんだん少なくなる、片方向傾斜組成を有している。図13の混合層3は、図12と同様な片方向傾斜組成を有するが、基体6側において高分子Bが実質的に含まれない領域がある。図14の混合層3は、酵素膜1側と基体6側の両外側で高分子Bの含量が最も多く、層内部に向かってだんだん少なくなる、両方向傾斜組成を有している。この場合、高分子Bの含量が最も少ない位置は、必ずしも膜厚方向での中心点にある必要はない。もちろん、基体6側と酵素膜1側とでは最表層部における高分子Bの含量が異なってもよく、また、両側で別々の成分を採用してもよい。さらに、図15に示すように、混合層3の内部において高分子Bが実質的に含まれない領域があってもよい。なお、以上述べた混合層の構造や、物質Aと高分子Bとの混合態様は、電子顕微鏡などの物理的な観察手段、およびX線光電子分光分析、二次イオン質量分析などの分析手段で確認することができる。
【0037】
以上、本発明によるバイオセンサの混合層について説明したが、次に、バイオセンサ全体の構造について説明する。過酸化水素電極を含む基体6と過酸化水素生成酵素が含まれる生体触媒を固定化した酵素膜1との間に、前記混合層3が位置する(図1参照)要件を満たせば、その構造については限定されない。図1に示した基本構造の他に、酵素膜1の上にさらに膜4を形成する構造(図16)が例として考えられる。
【0038】
酵素膜1の上に形成される膜4の役割としては、酵素膜1を外部試料から保護すること、または被測定成分の酵素膜1への到達を制限し、より高濃度の試料の測定に対応すること、などが挙げられる。前者の例として、血液中の成分を分析するセンサが考えられる。血液中には酵素膜の表面への付着によりセンサを劣化させるタンパク質などの高分子が多数含まれるので、保護膜を設けてこれらの成分の酵素膜への到達を阻止することによりセンサの測定精度や安定性を向上させることができる。また、後者の例として、尿中成分の測定や工業分野における製造プロセスのオンラインモニタリングの際、被検試料を希釈せずまたは数倍程度の希釈だけで広範囲の濃度測定に対応するためのセンサが挙げられる。
【0039】
また、酵素膜1が一層ではなく、複数層の膜からなる構造を有しても良い。図17に、酵素膜1が二層の例を示す。複数層の酵素膜1を設けたセンサの好ましい例としては、複数の酵素を利用して多段階の酵素反応より被測定成分を過酸化水素に変換する反応系を有するセンサの場合、酵素膜を積層した方がより効率よく変換できるケースがある。別の例としては、複数の酵素を利用して複数の成分を同時に検出する多機能バイオセンサが挙げられる。
【0040】
本発明によるバイオセンサは、主に過酸化水素生成酵素の基質になりうる成分、例えばグルコース、乳酸、アミノ酸、アルコールの分析に用いられる。さらに具体的に言えば、電極表面で過酸化水素と同様に酸化され電流信号を与える共存妨害物質が含まれる可能性のある媒体中の、過酸化水素生成酵素の基質になりうる成分の分析に用いられる。これらの媒体の例として、尿、血液、唾液などの生体関連液、産業分野における果汁や飲料水、生産プロセスにおける中間媒体などが挙げられる。これらの媒体中に含まれる共存妨害物質としては、アスコルビン酸、尿酸、アセトアミノフェンなどが挙げられるが、本発明によるバイオセンサは、これらの成分の影響を無視できる程度に抑えて標的成分を測定することができる。
【0041】
次に、本発明によるバイオセンサの製造方法について説明する。本発明によるバイオセンサは、使用される電極を含む基体、選択される膜の材料、およびセンサ膜構造などにより、様々な製造方法が考えられるが、予め膜を作成してから基体上に装着する方法と、膜材料から直接基体表面に膜を形成する方法に、大別することができる。ここでは、後者の直接基体表面に膜を形成する方法について、以下、詳細に説明する。
【0042】
まず、過酸化水素電極を含む基体を準備する。基体の形は問わないが、好ましくは平らな絶縁基板上に、作用電極を含む過酸化水素電極系を形成したものである。絶縁基板としてはガラス板、シリコンウェハー、セラミック板などが考えられる。絶縁基板上の電極系は、作用電極が含まれれば良いが、センサの製造コストおよびセンサを利用した測定システムの簡素化の視点から、作用電極と対極(2極系)、あるいは作用極、対極および参照極(3極系)をパターン化して基板上に形成したものが好ましい。図18に、セラミック基板上にスクリーン印刷技術で作成された3極系基体の一例を示す。
【0043】
次に基体への成膜に移るが、必要に応じて基体を前処理する。前処理の主な目的は、基体表面の洗浄および活性化である。洗浄の方法としては、水や酸による洗浄が考えられる。特に酸による洗浄は、汚れの除去と同時に表面の活性化が期待できるので、好ましい。酸種の好ましい例としては、硝酸、硫酸、塩酸などの強酸、または、リン酸、ぎ酸、コエン酸、酢酸などの弱酸が挙げられる。なお、酸で洗浄した後の基体は、水で洗浄する必要がある。洗浄を完了した基体は、必要に応じて乾燥させる。乾燥条件は特に限定されないが、一般的に好ましい温度としては20〜80℃、乾燥時間は5〜120分間、などが挙げられる。なお、次の工程が水溶液を用いて処理する工程の場合、乾燥を省略することができる。
【0044】
次に、必要に応じて基体の表面処理を行なう。表面処理の主目的は、混合層の基体付着力を向上させるための表面活性化(反応性官能基の導入)または/および基体と混合層との親和性の向上である。処理方法としては、汎用されている種々の方法、たとえばシラン化処理、プラズマ処理、電気化学的処理、またはコーティング材の塗布が利用できる。好ましい例として、シラン化処理が挙げられる。シラン化剤は、基体および選択透過膜の材質と官能基の種類などの状況を勘案して適宜選択されてよいが、一般的に好ましい例として、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、アルケン基、ハロゲン基、ビニル基などの官能基を含むものが望ましく、もっとも望ましくは、アミノ基およびエポキシ基を含むシラン化剤である。
【0045】
具体的な例を挙げれば、アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメチルシラン、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、クロロメチルトリメチルシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチルクロロシラン、ジメチルアミノトリメチルシラン、メチルクロロシラン、エトキシジメチルビニルシラン、エチルジクロロシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリメチルシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルビニルジクロロシラン、トリクロロビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、およびトリメチルビニルシランからなる群から選択される物質が挙げられる。中でも、3−アミノプロピルトリエトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが、それぞれ基体表面にアミノ基またはエポキシ基を効率的に導入する安価のシラン化剤としてもっとも好ましい。
【0046】
シラン化処理の方法と手順としては、まず、シラン化剤を溶媒で一定濃度に希釈してシラン化溶液を調整する。次に、基体表面をシラン化溶液に一定時間接触させてから、洗浄し又は洗浄せずに乾燥する。別の方法として、スピンコーターなどの成膜装置で、基体表面にシラン化溶液を塗布してから乾燥する方法を用いることもできる。なお、シラン化溶液と接触してから洗浄せず乾燥、あるいは成膜装置で塗布する方法では、基体表面にシラン化剤の薄膜が形成されることになる。
【0047】
続いて、混合層の形成に移る。混合層の形成法は、選定される材料および予定構造などの状況を勘案して、周知の膜形成法から選定して適宜決定されて良い。
【0048】
混合層を製造する第一の好ましい方法を、次に示す。まず、物質A(または高分子B)の単独膜を基体上に形成し、次に、物質A(または高分子B)を少なくとも部分的に溶解または膨潤させることができる溶媒の入った高分子B(または物質A)の原液をその上に適用し、一定時間保持してから溶媒を揮発させて乾燥する。例えば、図7や図12、図13に示した、高分子Bが酵素膜と接触する側に集中して存在する構造を有する混合層の場合は、次のように製造される。まず、物質Aの膜を基体上に形成し、次に、物質Aを少なくとも部分的に溶解または膨潤させることができる溶媒(溶媒αとする)の入った高分子Bの原液をその上に適用し、さらに、一定時間保持してから溶媒を揮発させて乾燥する。
【0049】
その原理は、以下の通りである。高分子Bの原液に含まれる溶媒αは、原液の下の物質Aを少なくとも部分的に溶解または膨潤させて、物質Aの少なくとも最表層部を流動性の高い状態に変える。これにより、流動性のある物質Aと高分子Bが互いに拡散し混合する。その後、溶媒が取り除かれるので、両成分が混合した状態で乾燥し、混合層が形成される。混合層の混合部の厚さ、構造および混合程度は、高分子Bの原液中に含まれる溶媒αの性質(特に沸点、物質Aに対する溶解性)および量、高分子Bの濃度、物質Aと高分子Bの原液との接触時間、環境要因(特に、気温、湿度)、およびその後の処理法によって制御される。
【0050】
その後の処理法とは、一定時間接触させた後、適用された原液をそのまま乾燥する方法、または部分的に取り除いて乾燥する方法、のいずれかを指す。適用された原液をそのまま乾燥する方法としては、高分子Bの原液を滴下した後一定時間かけて乾燥する方法(ドロップ法)や、物質Aの膜が形成された基体を高分子Bの原液の中にディッピングし一定時間経ってから引き上げてそのまま乾燥する方法、などが挙げられる。一方、適用された原液を部分的に除去する方法としては、スピンコート回転による膜の形成法が挙げられる。すなわち、原液を適用して予備回転などで基体物質Aの膜表面全体に広げた後、一定時間保持してから高速回転で余分な原液を除く。以上説明した方法のうち、引き上げ法やスピンコート法は、薄い膜を作成するのに適しており、ドロップ法は、少量の材料から厚い膜を作成するのに適している。なお、これらの膜形成法については後述する。
【0051】
また、図9や図14、図15に示した、高分子Bが酵素膜と接触する側および基体と接触する側の双方に集中して存在する構造を有する混合層の場合は、次のように製造される。まず、物質B1の膜を基体上に形成し、次に、高分子B1を少なくとも部分的に溶解または膨潤させることができる溶媒の入った物質Aの原液をその上に適用し、一定時間保持してから溶媒を揮発させて乾燥し、混合層の基体側混合部分を形成する。続いて、同様に高分子B2の原液を適用し、混合層の酵素膜と接触する側の混合部分を形成する。なお、高分子B1とB2が同じ材料であってもよい。
【0052】
混合層を製造する第二の好ましい方法としては、基体の上に、物質Aの膜→高分子Bの膜(あるいは高分子B1の膜→物質Aの膜→高分子B2)を順次形成してから、適宜な手段を施して混合層とする方法が挙げられる。この方法は、特に第一の方法では製造困難あるいは混合構造の形成が不十分な場合に、特に有効である。積層された物質Aと高分子Bとを混合させる手段としては、熱処理、加圧処理、両者を部分的に溶解させることができる溶媒と接触させる処理、などが例として挙げられる。
【0053】
熱処理は、物質Aおよび高分子Bの一方または両方の流動性が加熱により増大し、かつ材料自身の化学的性質が所定温度において安定している場合に適用される。この場合、高温で流動性の増した両物質が互いに相手側へ拡散侵入し、混合層が形成される。なお、この場合、温度および加熱時間が混合層の構造を制御する有効な手段となる。物質Aおよび高分子Bの材料としての安定性が保たれていれば、加熱温度は特に限定されないが、一般的に望ましい温度範囲として50℃〜200℃の範囲が挙げられる。一方、加圧処理は、材料に由来する安定性問題の制約をほとんど受けないが、加圧によって膜厚および膜密度に大きな変化が生じるので、具体的な条件は、材料の性質、要求されるセンサ仕様などの状況に応じて適宜決定する必要がある。また、溶媒で処理する方法による混合層の形成は、上記第一の製造方法と原理的に似ている。すなわち、溶媒による溶解または膨潤によって材料の流動性を高めて混合させるのである。なお、加熱、加圧、および溶媒の使用はそれぞれ単独で行なってもよく、組み合わせて行なってもよい。
【0054】
混合層を製造する第三の好ましい方法としては、両者を予め混合材料として一定の割合で調整してから、混合層を形成する方法が挙げられる。この場合、混合材料中の組成比を調整することにより、混合層の組成を制御する。一回の膜形成によって、混合層中の物質Aと高分子Bが層全体にわたって混合しているのが普通であるが、異なった混合比の混合材料を多段階にわたって積層することにより、混合層の構造を制御することができる。例えば、図7に示す構造を有する混合層を製造するには、基体上にまず物質Aのみの膜を形成し、次に物質Aと高分子Bの混合材料を用いて混合部分を作成する。
【0055】
以上、混合層中における物質Aと高分子Bの混合方法について説明したが、いずれの方法についても、バルクの材料から膜を作成する必要があるので、次に具体的な膜形成法について説明する。
【0056】
具体的な成膜法の好ましい例として、材料を溶媒で一定濃度の原液に調整したものを基体表面に層状に展開した後溶媒を蒸発させる方法、材料を溶媒で調整せずそのまま基体表面に成膜する方法、が挙げられる。混合層の主材料が有機物質である本発明においては、前者の、一定濃度の原液に調整してから膜を製造する方法がより好ましい。原液の調整に用いられる溶媒は、混合層材料や混合層を形成する具体的な方法など、種々の状況を勘案して適宜決定されてよい。
【0057】
アセチル基を含むセルロース誘導体を含む材料に適用する溶媒の好ましい例としては、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)、塩化エチレン、メタノール、エタノール、ホルムアルデヒド、および水などが挙げられる。また、パーフロロスルホン酸を有するイオン交換樹脂に適用される溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパンノール、2−プロパンノール、ホルムアルデヒド、および水などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は複数種類を混合して、用いることができる。
【0058】
高分子Bに適用される溶媒は、主に高分子Bおよび物質Aの両方に対する溶解性、混合層中における高分子Bと物質Aの両方を有する部分の製造方法、などを考慮して選択される。後述するように溶媒の選択は、混合層の形成方法に関係するだけではなく、混合層の過酸化水素選択膜としての性能や接着性能にも強い影響を与えるので、特に慎重に検討する。
【0059】
また、物質Aと高分子Bとの混合液を調整して混合層を製造する場合、両方の材料に対して溶解性を有する溶媒系の設計が望ましいが、片方が溶解されており、もう一方が分散された粒子の状態、あるいは両者をそれぞれの別の共溶しない溶媒に溶解したエマルジョンの状態にしてもよい。
【0060】
また、原液の濃度は、膜材料、溶液粘度、目標膜厚、塗布方法など、種々の状況を勘案して決定されてよく、特に限定されることはないが、一般的に、他の条件が同じであれば、膜厚は原液濃度と正の相関関係にあるので、原液濃度は膜厚を調整する重要なファクターとして検討されたらよい。一例を挙げると、電極を含む基体表面にスピン回転コート法で直接成膜する場合、原液の濃度が2〜10(w/v)%の範囲が望ましい。この例において、膜厚が、濃度と粘度との両方に正の相関関係にある。濃度が上がると、溶液粘度も急激に上がることから、小さな濃度変化で膜厚を大きく調整することが可能である。
【0061】
膜原液を基体表面に層状に展開する方法の好ましい例として、基体が静止状態下での滴下塗布、流延塗布、スピンコーターなどの成膜装置による回転塗布、基体を原液と接触させた後基体を引き上げる方法、などが挙げられる。電極を含む基体表面が平らな基板の場合、スピン回転による方法は、高精度の膜厚制御が可能で、均質の膜を製造するのに適している。別のより好ましい方法として、速度を一定に制御できる引き上げ装置によるディッピング塗布が挙げられる。引き上げ装置によるディッピング塗布は基体表面が平らではない場合でもかなり均一な膜ができる。
【0062】
物質Aや高分子Bの原液調整に使用された溶媒の揮発性が高い場合、塗布作業の完了と同時に膜が完成されることになるが、溶媒に揮発性の低いものが含まれる場合は、膜塗布完了後、乾燥工程に移す。乾燥は、基本的には特に雰囲気を制御することなく、室温でもよいが、場合によっては加熱や減圧などの措置を講じてもよい。一般的に妥当な乾燥時間として、数分間から数時間の範囲が挙げられる。
【0063】
混合層の製造が終了したら、次に酵素膜の製造に移る。酵素膜も、予め膜を作成してから混合層の表面に装着する方法、およびその場で直接成膜する方法が考えられるが、好ましくはその場で直接成膜する方法である。具体的な製造方法としては、上述した混合層の成膜方法とほほ同様な方法が適用できる。
【0064】
以上、基体表面上に混合層、酵素膜を順次形成するセンサの製造方法について述べたが、さらに膜4が必要な場合、後工程で続けて製造すればよいことは言うまでもない。なお、混合層を製造する前の基体洗浄や表面処理の一部または全部は、省略できることを改めて記述しておく。
【0065】
以上説明したように、本発明によれば、混合層中の物質Aが過酸化水素を優先的に透過させるとともに、混合層中の高分子Bが混合層と酵素膜や基体とを密着させるので、高精度でかつ安定性が優れたバイオセンサを実現できる。また、膜材料から直接基体表面に膜を形成する場合は、製造コストも低くて済む。
【0066】
【実施例】
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0067】
(実施例1)硝酸による基体表面の洗浄
ガラス容器に50mlの1Nの硝酸を加え、続いてセラミック電極基体(図18参照)を完全に液に沈めるように入れて、手で数回ゆっくり振蕩してから室温で30分間放置した。続いて、基体を取り出して大量の脱イオン水で洗浄した。
【0068】
(実施例2)3−アミノプロピルトリエトキシシランによる基体表面のシラン化処理
別のガラス容器に49.5mlの脱イオン水および0.5mlの3−アミノプロピルトリエトキシシランを加えて混合し、1%のアミノシラン溶液を調整した。続いて、実施例1で硝酸処理されたセラミック電極基体を前記溶液に浸すように入れて、手で数回ゆっくり振蕩してから室温で30分間放置した。続いて、基体を取り出して大量の脱イオン水で洗浄した。
【0069】
(実施例3)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランによる基体表面のシラン化処理
別のガラス容器に49.5mlのイソプロピルアルコールおよび0.5mlの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)を加えて混合し、1%のエポキシシラン溶液を調整した。続いて、容器をフタしてセラミック電極基体と一緒に75℃のインキューベーターに入れた。20分間保持した後、セラミック電極基体をエポキシシランの溶液に入れて5分間振動攪拌した。次に、電極基体をガラス容器から取り出して同温度雰囲気中で30分間乾燥放置した。最後に電極基体を出してイソプロピルアルコールで洗浄し、室温で乾燥した。
【0070】
(実施例4)酵素膜原液の調整
グルコースオキシダーゼ(EC1.1.3.4、シグマアルドリッチ製)2290ユニットを、0.7mlのリン酸ナトリウム緩衝溶液(100mM、pH6.0)で溶解し酵素溶液とした。また、牛血清アルブミン(BSA)を25mg秤量し、1.0mlの脱イオン水で溶解してBSA溶液を調整した。続いて調整されたBSA溶液0.2mlを取り、前記酵素溶液に加えて、均一に混ぜた。混ぜた後の混合液に2.0(v/v)%のグルタルアルデヒド水溶液を0.1ml加えて攪拌した。こうして酵素膜の原液を調整した。
【0071】
(実施例5)組成の異なった混合層の試作
まず、クロロホルム90対エタノール10(体積比、以下同)の溶媒で、置換度2.4の5(w/v)%酢酸セルロース溶液(溶液A)を調整した。同様に、水50対エタノール50の混合溶媒で、アセチル置換度が1.0でアルデヒド基含量が約4mmol/gの5%のアルデヒド化セルロース溶液(溶液B)を調整した。次に、実施例2の方法でアミノシラン化処理された電極基体をスピンコーターにセットして、上記両液を溶液A:溶液B=19:1の比率で混合し激しく攪拌してから、セットされた基体の上に素早く滴下し、スピンコートで混合層を作成した。同様に、溶液Aと溶液Bの混合比が9:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1の混合層を作成した。比較のために、溶液Aだけの膜も作成した。作成した混合層は、電子顕微鏡で観察したところ、サイズが数十ナノメートルの相分離構造を示すが、混合態様が層全体にわたって均一で、表層における両成分の露出面積は、溶液Aと溶液Bの混合比にほぼ一致していた。
【0072】
(実施例6)グルコースセンサの試作−その1
実施例3でエポキシシラン化処理された電極基体をスピンコーターにセットして、予め調整した置換度2.4の8(w/v)%酢酸セルロース溶液(溶媒アセトン)を原液として、酢酸セルロース膜を作成した。続いて、水60対アセトン40の混合溶媒で調整した3%のキトサン(酢酸0.75%を含む)溶液を、作用電極を覆うように滴下し、1分間保持してからスピンコートでキトサン膜を形成した。その後、実施例4で調整された酵素膜の原液10μlを、ピペットで作用電極の上にドロップし、35℃の雰囲気中で30分間乾燥して酵素膜を作成した。こうして作成したセンサは、図7や図12、図13に示すような、高分子Bが酵素膜と接触する側に集中的に存在する構造を有する。
【0073】
(実施例7)グルコースセンサの試作−その2
実施例3でエポキシシラン化処理された電極基体をスピンコーターにセットして、予め調整した置換度2.4の8(w/v)%酢酸セルロース溶液(溶媒アセトン)を原液として、酢酸セルロース膜を作成した。続いて、3%のキトサン(酢酸0.75%を含む)水溶液を作用電極を覆うように滴下し、スピンコートでキトサン膜を形成した。その後、基体をアセトン60対水40の溶媒に入れて3分間保持してから取り出して乾燥した。最後に、実施例4で調整された酵素膜の原液10μlを、ピペットで作用電極の上にドロップし、35℃の雰囲気中で30分間乾燥して酵素膜を作成した。こうして作成したセンサは、図7や図12、図13に示すような、高分子Bが酵素膜と接触する側に集中的に存在する構造を有する。
【0074】
(実施例8)グルコースセンサの試作−その3
実施例2でアミノシラン化処理された電極基体の作用電極の上に、3(w/v)%のパーフロロスルホン酸イオン交換樹脂(ナフィオン)溶液(溶媒イソプロピルアルコール85対水15)10μlをピペットで滴下し、ナフィオン膜を作成した。続いてスピンコートで、4%のポリエチレンイミン水溶液を用いてポリエチレンイミン膜を作成した。次に、イソプロピルアルコール60対水40の混合液の入ったトレーを準備し、基体を、液面から約10cm離れたトレーの上空に膜の付いた面が下向きになるようにセットして、80℃の雰囲気に制御した容器に入れて密閉し、30分間保持した。その後、基体を取り出して乾燥した。最後に、実施例4で調整された酵素膜の原液10μlを、ピペットで作用電極の上にドロップし、35℃の雰囲気中で30分間乾燥して酵素膜を作成した。こうして作成したセンサは、図7および図13に示すような、高分子Bが酵素膜と接触する側に集中的に存在する構造を有する。
【0075】
(実施例9)グルコースセンサの試作−その4
実施例5と同様の方法で、溶液Aと溶液Bとの混合比が9:1、5:1、4:1、3:1、2:1の混合層を電極基体上に作成し、その後、実施例4で調整された酵素膜の原液10μlを、ピペット作用電極の上にドロップし、35℃の雰囲気中で30分間乾燥して酵素膜を作成した。こうして作成したセンサは、全体にわたって組成がほぼ均一な混合層を有する。
【0076】
(実施例10)グルコースセンサの試作−その5
まず、クロロホルム90対エタノール10の溶媒で、置換度2.4の2(w/v)%酢酸セルロース溶液(溶液A)を調整した。同様に、水50対エタノール50の混合溶媒で、アセチル置換度が1.0でアルデヒド基含量が約4mmol/gの2%のアルデヒド化セルロース溶液(溶液B)を調整した。また、アセトンで置換度2.4の5(w/v)%酢酸セルロース溶液を調整した。次に、実施例2でアミノシラン化処理された電極基体をスピンコーターにセットして、上記溶液Aと溶液Bを混合比5:1の比率で混合し激しく攪拌してから、セットされた基体の上に素早く滴下し、スピンコート膜を作成した。続いて、アセトンで調整した5(w/v)%酢酸セルロース溶液を用いてスピンコートした。最後に、溶液Aと溶液Bの混合比が4:1の原液を調整し、スピンコートで成膜した。その後、実施例4で調整された酵素膜の原液10μlを、ピペットでドロップし、35℃の雰囲気中で30分間乾燥して酵素膜を作成した。こうして作成したセンサは、図9に示すような混合層を有する。
【0077】
(実施例11)グルコースセンサの試作−その6
実施例2でアミノシラン化処理された電極基体をスピンコーターにセットして、3%のキトサン(酢酸0.75%を含む)水溶液と、置換度2.4の8(w/v)%酢酸セルロース溶液(溶媒アセトン)を原液として、キトサン/酢酸セルロース/キトサンの三層積層膜を作成した。続いて、基体をアセトン60対水40の混合溶媒に入れて3分間保持してから、取り出して乾燥した。最後に、実施例4で調整された酵素膜の原液10μlを、ピペットで作用電極の上にドロップし、35℃の雰囲気中で30分間乾燥して酵素膜を作成した。こうして、表層部に物質Bの含量が多く、内部に物質Aの含量が多い混合層を有するセンサを製造した。
【0078】
(実施例12)グルコースセンサの試作−その7
実施例2でアミノシラン化処理された電極基体をスピンコーターにセットして、3%のキトサン(酢酸0.75%を含む)水溶液と、置換度2.4の8(w/v)%酢酸セルロース溶液(溶媒アセトン)を原液として、キトサン/酢酸セルロース/キトサンの三層積層膜を作成した。続いて、基体をアセトン60対水40の混合溶媒に入れて3分間保持してから、取り出した。次に、基体を0.75%の酢酸水溶液中に入れて、30分間振蕩培養した。その後、基体を取り出して乾燥した。最後に、実施例4で調整された酵素膜の原液10μlを、ピペットで作用電極の上にドロップし、35℃の雰囲気中で30分間乾燥して酵素膜を作成した。この実施例で作成したセンサの混合層は、酵素膜と接触する面において物質Aが部分的に露出している構造を有する。
【0079】
(比較例1)グルコースセンサの試作<実施例6との比較>
実施例3でエポキシシラン化処理された電極基体をスピンコーターにセットして、予め調整した置換度2.4の8(w/v)%酢酸セルロース溶液(溶媒アセトン)を原液として、酢酸セルロース膜を作成した。その後、実施例4で調整された酵素膜の原液10μlを、ピペットで作用電極の上にドロップし、35℃の雰囲気中で30分間乾燥して酵素膜を作成した。
【0080】
(比較例2)グルコースセンサの試作<実施例8との比較>
実施例2でアミノシラン化処理された電極基体の作用電極の上に、3(w/v)%のパーフロロスルホン酸イオン交換樹脂(ナフィオン)溶液(溶媒イソプロピルアルコール85対水15)10μlをピペットで滴下し、ナフィオン膜を作成した。続いてスピンコートで、4%のポリエチレンイミン水溶液を用いてポリエチレンイミン膜を作成した。最後に、実施例4で調整された酵素膜の原液10μlを、ピペットで作用電極の上にドロップし、35℃の雰囲気中で30分間乾燥して酵素膜を作成した。
【0081】
(比較例3)グルコースセンサの試作<実施例11との比較>
実施例2でアミノシラン化処理された電極基体をスピンコーターにセットして、3%のキトサン(酢酸0.75%を含む)水溶液と、置換度2.4の8(w/v)%酢酸セルロース溶液(溶媒アセトン)を原液として、キトサン/酢酸セルロース/キトサンの三層積層膜を作成した。最後に、実施例4で調整された酵素膜の原液10μlを、ピペットで作用電極の上にドロップし、35℃の雰囲気中で30分間乾燥して酵素膜を作成した。
【0082】
(比較例4)電極基体への酵素膜の直接成膜
セラミック電極基体を実施例1および実施例2に準じて処理した後、実施例4の方法で調整した酵素膜の原液で、作用電極の上に酵素膜を作成した。
【0083】
(実施例13)混合層の付着力評価
実施例5で作成した、基体に付着したままの混合層について、セロファンテーピング法で膜の基体付着力評価を行なった。普通の市販セロファンテープを、膜および周辺エリアを被覆するように貼り付けて、テープ表面に圧力を加えるように指で押さえて密着性を確かめてから、テープを剥がし、膜の剥離状況を目視で確認した。こうした作業を、膜が完全に剥離されるまで又は20回まで、繰り返し行なった。そして、1回のテーピングで膜が無傷のまま残っているものについては2点、部分剥離の場合は1点、完全剥離の場合は0点とし、合計点数を付着力として定量化した。その結果を図19に示す。
【0084】
実施例5ですでに説明したように、混合層の表層および内部での組成はほぼ均一なので、溶液の混合比率と、混合層の物質A:高分子Bの表面組成とは、ほぼ一致する。図19に示すように、アルデヒド化セルロース溶液(高分子B)を含む混合層の基体付着力は、酢酸セルロース溶液(物質A)のみの膜の基体付着力より、はるかに高い。また、混合層中のアルデヒド化セルロース(高分子B)の含量と、付着力との間には、ほぼ正の相関関係がある。ただし、物質A:高分子Bの表面組成が9:1を超えるほど高分子Bの含量が増えると(すなわち高分子Bの表面露出面積比が10%を超えると)、この傾向は顕著ではなくなる。
【0085】
(実施例14)センサ膜の観察
実施例6〜12、比較例1〜3で作成したセンサについて、乾燥後、膜剥離の有無を観察した。剥離していないセンサは、33mMのリン酸二水素カリウムとリン酸一水素ナトリウム(50mMの塩化カリウムを含む、pH6.8)緩衝溶液に入れて、一晩浸してから膜の観察を行なった。その結果を表1に示す。
【0086】
【表1】

Figure 0003952156
【0087】
なお、表1における各符号の意味は、次のとおりである。
<乾燥後>
×:剥離
△:周辺捲れ
○:きれいな膜
<緩衝液中>
×:すでに剥離か溶液の振蕩で剥離
△:溶液振蕩で剥離しないが、周辺膨潤またはピンセットで簡単に剥離
○:きれいな膜。ピンセットで引っ掻いた場合、ピンセットとの接触面よりも少し広い幅で膜が取れる
◎ピンセットで引っ掻いた場合、ピンセットと接触した部分だけ膜が取れる
【0088】
表1からわかるように、すべての実施例において、比較例より酵素膜の付着力が向上した。また、実施例9の5つの例の比較から、混合層中の高分子Bの含量が多いほど(すなわち高分子Bの表面露出面積比が大きいほど)、酵素膜の付着力が強いことが判った。より具体的には、高分子Bの比率が20%(物質A:高分子B=4:1)以上が望ましい。
【0089】
(実施例15)フローインジェクション分析装置によるセンサの評価
実施例6〜12で作成したセンサをフローセルに装着し、図20に示すフローインジェクション分析装置で、アスコルビン酸(ASA、100mM)、およびグルコース(10mM)の溶液に対する応答のピーク電流を測定した。測定条件を以下に示す。
・キャリア液:33mMのリン酸二水素カリウムとリン酸一水素ナトリウム、50mMの塩化カリウムを含む緩衝溶液。pH6.8。
・流速:1.0ml/min
・サンプル注入量:10μl
・チューブ:サンプラーのサンプルインジェクターからセンサまでのチューブ長が120cm、内径が0.8mm。
得られた結果を、単位濃度当たりの出力(感度)および選択比にまとめて、表2に示す。
【0090】
【表2】
Figure 0003952156
【0091】
表2から、混合層の材料および作成方法によりASA/グルコース選択比が大きく異なることが分かり、また、選択比が低いと感度も低い傾向が見られた。一般的にいうと、センサの感度が高いほど、また、選択比が低いほど、センサとしては望ましい。選択比の視点からは、混合層の中に確実に物質Aの含量が100%である部分を有するセンサ(例えば実施例10のセンサ)が望ましい。しかし、すでに述べたように、標的成分に比べて共存妨害成分の濃度が比較的低い試料を測定する場合など、選択比がある程度高くてもよいケースもあることから、実際の状況に応じて、適したタイプのセンサを選択すればよい。
【0092】
(比較例5)フローインジェクション分析装置によるセラミック基体電極の評価
上記実施例で用いたセラミック電極基体と同ロットのものを、表面に混合層を付けずにフローセルに装着し、図20に示すフローインジェクション分析装置で、実施例15と同じ条件で過酸化水素(HPO)およびASA(濃度は共通して2mM)に対する応答のピーク電流を測定した。その結果を表3に示す。電極はアスコルビン酸と過酸化水素に対して、ほぼ同程度の感度を示した。
【0093】
【表3】
Figure 0003952156
【0094】
(比較例6)フローインジェクション分析装置による混合層無しセンサの評価比較例4で製造したグルコースセンサをフローセルに装着し、図20に示すフローインジェクション分析装置で、実施例15と同じ条件でASAおよびグルコースの溶液(濃度は共通して5mM)に対する応答のピーク電流を測定した。その結果を表4に示す。センサは妨害成分のASAに対して、グルコースよりも2倍以上の応答を示した。
【0095】
【表4】
Figure 0003952156
【0096】
上記の実施例と比較例から明らかなように、本発明により、高精度でかつ安定性が優れたバイオセンサを実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるバイオセンサの基本構造を示す図
【図2】 キトサンの基本構造を示す図
【図3】 混合層中の物質Aと高分子Bの混合態様の例を示す図
【図4】 混合層中の物質Aと高分子Bの混合態様の例を示す図
【図5】 混合層中の物質Aと高分子Bの混合態様の例を示す図
【図6】 混合層中の物質Aと高分子Bの混合態様の例を示す図
【図7】 バイオセンサの構造の例を示す図
【図8】 バイオセンサの構造の例を示す図
【図9】 バイオセンサの構造の例を示す図
【図10】 混合層中の表層部の例を示す模式図
【図11】 混合層中の表層部の例を示す模式図
【図12】 バイオセンサの構造の例を示す図
【図13】 バイオセンサの構造の例を示す図
【図14】 バイオセンサの構造の例を示す図
【図15】 バイオセンサの構造の例を示す図
【図16】 バイオセンサの構造の例を示す図
【図17】 バイオセンサの構造の例を示す図
【図18】 セラミック基板上に作成した3極系基体の例を示す図
【図19】 混合層の物質A:高分子Bの表面組成と付着力との関係を示す図
【図20】 フローインジェクション分析装置を示す図
【図21】 従来のバイオセンサの基本構造を示す図
【符号の説明】
1…酵素膜
2…選択透過膜
3…混合層
4…膜
6…基体
7…絶縁基板
8…作用電極[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a biosensor that detects and measures a specific component from a medium in which many components are mixed, and more particularly to an electric current detection type electrochemical biosensor.
[0002]
[Prior art]
Biosensors focus on the substrate specificity of biocatalysts such as enzymes, microorganisms, antibodies, and receptors, and there are a wide variety of components in combination with transducers, which are physical devices, using these biological sources as conversion elements. A specific component is detected and measured from the mixture. In particular, biosensors combining an oxidoreductase and an electrochemical measurement type transducer are particularly attracting attention because of their high sensitivity and ease of measurement. A typical example is a hydrogen peroxide detection biosensor in which a hydrogen peroxide-generating oxidoreductase and a hydrogen peroxide electrode are combined.
[0003]
In addition to hydrogen peroxide, a hydrogen peroxide electrode, which is a type of current measurement transducer, responds to a reducing substance such as uric acid or ascorbic acid (hereinafter referred to as an interfering component) to generate a current. Therefore, when measuring components in samples such as biological samples that contain many of these interfering components, it is an inevitable task to eliminate the influence of interfering components in order to ensure the measurement accuracy of the biosensor. . The most effective means for solving the above-mentioned problem is to provide a permselective membrane that eliminates coexisting substances on the electrode surface or in the vicinity thereof and allows hydrogen peroxide to permeate selectively or preferentially.
[0004]
FIG. 21 is a diagram showing the basic structure of this type of biosensor. In FIG. 21, 6 is a substrate having a hydrogen peroxide electrode, 2 is a permselective membrane, and 1 is an enzyme membrane on which a biocatalyst containing a hydrogen peroxide producing enzyme is immobilized. The principle will be briefly described below.
[0005]
When the medium to be measured is brought into contact with the surface of the sensor, the target component, for example, glucose diffuses into the enzyme film 1, and is oxidized by the enzyme contained therein, for example, glucose oxidase, to generate hydrogen peroxide. The generated hydrogen peroxide passes through the permselective membrane 2 and reaches the electrode surface of the substrate 6 where it is oxidized and converted into electronic information. Since electronic information (for example, current) and glucose oxidized by an enzyme have a linear correlation, the concentration of glucose can be measured from the output current. On the other hand, the coexistence disturbing component also diffuses to the enzyme membrane 1 like glucose, but is excluded by the permselective membrane 2 and cannot reach the electrode surface of the substrate 6. This ensures that the output current is derived from the target component and ensures measurement accuracy.
[0006]
Conventionally, various materials and manufacturing methods have been proposed as a hydrogen peroxide selective permeable membrane. For example, in the sensor used in the glucose analyzer of Yellow Spring Instruments Inc, a technique is adopted in which a cellulose acetate permselective membrane, an enzyme membrane, and a sandwich membrane made of polycarbonate are fixed to the surface of the platinum electrode with an O-ring or the like. (Special Publication, Royal Society of Chemistry, Vol. 167, p71-88, 1998). Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-149911 discloses a permselective membrane manufactured by applying a protein on a water absorbent body such as cellulose filter paper.
[0007]
Japanese Patent Laid-Open No. 7-15936 discloses a sensor in which a permselective membrane made of a cellulose acetate membrane or an ion exchange resin membrane is directly formed on an electrode substrate. Japanese Patent Laid-Open No. 8-50112 discloses a glucose sensor in which a cellulose acetate film, a glucose oxidase-photocrosslinked polyvinyl alcohol mixture film, and a perfluorosulfonic acid ion exchange membrane are sequentially laminated on a working electrode.
[0008]
In addition, in order to ensure the adhesiveness of a film | membrane and sensor stability, these devices are devised to attach a protective film to the upper part. As another method for ensuring the adhesion of the membrane, in Japanese Patent Laid-Open No. 2000-2683, a permselective membrane is formed in a shape that covers only the surface of the working electrode, and the enzyme membrane thereon is interposed via a silane coupling agent. A method is disclosed in which a selective membrane is physically pressed by an enzyme membrane after bonding to the substrate surface. In JP-B-2-35933, an albumin crosslinked membrane is directly formed on the electrode surface as a hydrogen peroxide permselective membrane, and in JP-A-7-77509, a base polymer membrane is further applied under the albumin crosslinked membrane. A method is disclosed. The permselective membrane made of albumin has good adhesion with the enzyme membrane.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
In such a conventional technique, the following problems occur. When a cellulose acetate film or the like is prepared in advance and attached to the electrode surface, the film is thick in order to obtain a certain film strength, and adhesion with the electrode is poor. For this reason, dispersion | distribution of information generate | occur | produces, a response speed and detection sensitivity fall, and, as a result, measurement accuracy falls. In order to maintain detection sensitivity, an electrode having a large area is required. In addition, this method is difficult to automate manufacturing and is not suitable for mass production at low cost.
[0010]
On the other hand, when the cellulose acetate film or ion exchange resin film is directly formed on the electrode surface, it can be made thinner and the adhesion between the electrode can be improved compared to the case where the film is prepared in advance and mounted on the electrode surface. However, the poor adhesion between the permselective membrane and the enzyme membrane remains as a problem. The reason for this is that permselective membranes such as cellulose acetate are hydrophobic, and the adhesion to the substrate can be improved to some extent by, for example, hydrophobic treatment of the substrate surface, but enzyme membranes are generally hydrophilic. This is because it is difficult to obtain adhesion with a hydrophobic permselective membrane. For this reason, the enzyme film is thinly coated on the entire surface, and another film is further provided thereon to suppress the enzyme film and maintain the operational stability of the sensor. However, this type of sensor is particularly indispensable for the automation and speeding up of analysis. In the flow type measuring device, the membrane is peeled off by the shear force when the carrier liquid flows and the membrane is damaged by the pressure change caused by the pulsating flow. Has become a big problem.
[0011]
Further, in the sensor using an albumin cross-linked membrane as described in JP-B-2-35933 and JP-A-7-77509, the permselective membrane and the enzyme membrane are almost the same, so the adhesion between the membranes is quite strong. However, in order to achieve a certain selectivity, there is a problem that the permselective membrane needs to be thick, and since the membrane material is a hydrophilic protein, the stability during long-term use is lacking.
[0012]
In view of the present situation, an object of the present invention is to provide a biosensor having high adhesion, high accuracy and excellent stability between a selectively permeable membrane and an enzyme membrane, or between a selectively permeable membrane and an electrode. There is.
[0013]
[Means for solving the problems and their functions and effects]
In order to achieve the above object, claim 1 provides a biosensor comprising a substrate having a hydrogen peroxide electrode and an enzyme film on which a biocatalyst containing a hydrogen peroxide-producing enzyme is immobilized. And a substance selected from the group consisting of cellulose derivatives and ion exchange resins (referred to as substance A) and a functional group selected from the group consisting of aldehyde groups, amino groups, carboxyl groups, and epoxy groups. A mixed layer composed of a molecular substance (referred to as polymer B) was formed. Substance A in the mixed layer mainly eliminates coexistence hindering components and plays a role of selectively or preferentially permeating hydrogen peroxide. On the other hand, the polymer B in the mixed layer mainly serves to adhere the mixed layer to the enzyme film and / or the substrate. That is, the mixed layer is a hydrogen peroxide permselective membrane and at the same time functions to attach the enzyme membrane to the electrode substrate. As a result, the weakness of the film adhesion is eliminated, so that this biosensor is highly accurate and stable.
[0014]
The biosensor according to claim 1, wherein an exposure ratio of the polymer B in the mixed layer in a contact surface between the mixed layer and the enzyme film is 20% or more of a surface area. . Therefore, since the contact opportunity of the polymer B and the enzyme membrane is ensured, a necessary adhesion force can be obtained between the mixed layer and the enzyme membrane.
[0015]
According to a third aspect of the present invention, in the biosensor according to the first or second aspect, the content of the polymer B in the mixed layer is the highest in the outermost layer portion in contact with the enzyme film, and is away from the enzyme film. Therefore, the gradient composition is gradually reduced. Therefore, the adhesion between the mixed layer and the enzyme film can be efficiently secured with a small amount of polymer B.
[0016]
The biosensor according to claim 1 or 2, wherein the content of the polymer B in the mixed layer is the largest in the outermost layer portion in contact with the enzyme film and the substrate, and the enzyme film The gradient composition gradually decreases as the distance from the substrate increases. Therefore, the adhesive force between the mixed layer and the enzyme film and the adhesive force between the mixed layer and the substrate can be efficiently secured with a small amount of the polymer B.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0019]
FIG. 1 is a diagram showing a basic structure of a biosensor according to the present invention. In FIG. 1, 6 is a substrate having a hydrogen peroxide electrode, 3 is a mixed layer, and 1 is an enzyme membrane on which a biocatalyst containing a hydrogen peroxide-producing enzyme is immobilized. The mixed layer 3 is composed of a substance selected from the group consisting of cellulose derivatives and ion exchange resins (referred to as substance A), aldehyde group (—CHO), amino group (—NR 2, R: hydrogen or alkyl group), carboxyl group It consists of two components: (—COOH) and a polymer substance having a functional group selected from the group consisting of epoxy groups (referred to as polymer B).
[0020]
The substance A mainly removes coexistence interference components and plays a role of preferentially permeating hydrogen peroxide. Whether to select a cellulose derivative or an ion exchange resin may be determined in consideration of the purpose of use of the sensor, the substrate material, the structure thereof, and the like. These substances are effective as materials for hydrogen peroxide selective membranes, but generally have poor adhesion to enzyme membranes and substrates.
[0021]
Examples of the cellulose derivative include cellulose acetate having an acetyl substituent or a derivative thereof, cellulose acetate butyrate or cellulose butyrate having a butyl substituent, nitrocellulose having a nitro substituent, and ethyl cellulose. Among these, derivatives having an acetyl substituent represented by cellulose acetate are more preferable because they have many achievements as materials for various films. On the other hand, a preferred example of the ion exchange resin is Nafion (registered trademark) manufactured by DuPont, which is an ion exchange resin containing perflurosulfonic acid. This resin having a strong negative charge is particularly suitable for the removal of negative ionic interfering components. The substance A is generally poor in reactivity and has a hydrophobic tendency.
[0022]
The polymer B mainly plays a role of compensating for the insufficient adhesion of the substance A to the enzyme film or the substrate. The polymer B may be of any material or structure as long as it is a polymer substance having a functional group selected from the group consisting of the aldehyde group, amino group, carboxyl group, and epoxy group. Preferable examples include natural polymers such as polysaccharides and derivatives thereof, proteins, and synthetic polymers such as polyamino acids, polyamides, polyimides, polyacryls, and epoxy resins. These polymers are generally highly reactive and have a hydrophilic tendency. In particular, it shows high affinity with the enzyme membrane. For example, one type of polysaccharide derivative is chitosan, which is a polysaccharide derivative having an amino substituent.
[0023]
FIG. 2 is a diagram showing the basic structure of chitosan. In FIG. 2, R is 100% acetyl group (—COCH 3) is chitin, and chitosan is produced by deacetylation of chitin. Generally, 10 to several tens percent of acetyl groups remain. Chitosan is characterized by being rich in reactivity and being soluble in a mixed solvent composed of water and various organic solvents according to the degree of deacetylation.
[0024]
The mixed layer functions as a hydrogen peroxide permselective membrane and at the same time as an adhesive layer for attaching the enzyme membrane onto the substrate. Therefore, as long as the mixed layer fulfills the above two functions, the existence form of the substance A and the polymer B contained therein is not particularly limited. Preferable specific examples of the existence form include a mode in which both are present in a physically mixed state without being chemically bonded, or a partial bond by ionic bond, covalent bond, etc. at the interface where both molecules contact. And an embodiment that is present.
[0025]
3-6 is a figure which shows the example of the mixing aspect of the substance A and the polymer B in a mixed layer. In the figure, the substance A is represented by a white region or a gray curve, and the polymer B is represented by a black region or a black curve. As a preferable example of the mixing mode of the substance A and the polymer B in the mixed layer, as shown in FIG. 3, the mode in which the substance A and the polymer B are dispersed and mixed with each other, as shown in FIG. A mode in which the substance A and the polymer B are mixed at the level of the polymer molecule can be mentioned. Moreover, as another preferable example, as shown in FIG. 5, the structure in which the substance A and the polymer B form respective phases and phase-separate, or as shown in FIG. The aspect which has a comb-like interface structure is mentioned. In addition, these mixing aspects may exist simultaneously. For example, if FIG. 6 represents the part of the mixed layer 3 in FIG. 1, the CC cross section of FIG. 6 exhibits the structure of FIG. Furthermore, when the phase interface is magnified and observed, the structure shown in FIG. 4 or 5 is observed. By such various mixing modes, the substance A and the polymer B are strongly connected to form a continuous film.
[0026]
Since the polymer B plays a role of adhering the enzyme film and the mixed layer, the polymer B needs to be exposed on the surface of the mixed layer in contact with the enzyme film. The exposure ratio may be appropriately determined in consideration of various situations such as required film adhesion, materials of the substance A and the polymer B, and the surface structure, but is preferably 20% or more of the surface area. Thereby, since the contact opportunity of the polymer B and the enzyme membrane is ensured, a necessary adhesion force can be obtained between the mixed layer and the enzyme membrane.
[0027]
On the other hand, unlike the case of the interface with the enzyme film, at the interface with the substrate, there are many cases of obtaining a satisfactory adhesion force only with the substance A. In addition, when the sensor film (here, the sensor film refers to all films formed on the substrate) is integrated, it is sufficient that the sensor film is in close contact with the substrate and strongly adheres. There are cases where it is not necessary. In such a case, it is not necessary for the polymer B to be present in the surface layer portion facing the substrate side of the mixed layer, and it is desirable that the polymer B is not substantially contained. The reason is that polymer B, which functions as an adhesive, generally has poor hydrogen peroxide permselectivity, and therefore contributes little to the interfering substance removal function of the mixed layer, and conversely reduces the measurement sensitivity of the sensor due to diffusion resistance. This is because there is an effect. Here, “substantially” means that the presence of the polymer B cannot be detected by an existing analysis method.
[0028]
FIG. 7 is a diagram showing an example of the structure of a biosensor having the above mixed layer. As shown in FIG. 7, on the side of the mixed layer 3 in contact with the substrate 6, there is a region that does not substantially contain the polymer B (that is, a region that is substantially only the substance A). Is preventing the decline. In addition, the area | region of the lattice pattern shown by "A + B" in a figure means that the substance A and the polymer B are contained simultaneously, and does not show the ratio of both. The same applies to the following.
[0029]
Unlike the case of FIG. 7 described above, when sufficient adhesion to the substrate can be obtained with the substance A alone, but the adhesion is not sufficient, the polymer B only on the working electrode surface of the hydrogen peroxide electrode and its peripheral region. The polymer B can be included in other regions, and a method of ensuring the adhesion of the mixed layer to the substrate can be employed. A sensor having this aspect is particularly desirable in the case of a planar hydrogen peroxide electrode in which a film conductor is formed on an insulating substrate.
[0030]
FIG. 8 is a diagram illustrating an example of the structure of a biosensor having the mixed layer as described above. In FIG. 8, 7 is an insulating substrate, and 8 is a working electrode formed thereon. Although the counter electrode and the reference electrode are often formed together, only the portion including the working electrode 8 is shown in this figure. As shown in FIG. 8, the mixed layer 3 above and around the working electrode 8 has a region that does not substantially contain the polymer B, thereby preventing a decrease in measurement sensitivity as in the example of FIG. 7. It is out. At the same time, since the outer region having the polymer B has strong substrate adhesion, the film substrate adhesion of the entire mixed layer is maintained.
[0031]
FIG. 9 is a diagram illustrating an example of another biosensor structure. The difference from FIG. 7 is that there is a region “A + B1” in which the substance A and the polymer B are simultaneously contained on the side of the mixed layer 3 in contact with the substrate 6. Note that the region of the mixed layer 3 on the side in contact with the enzyme membrane 1 is indicated by “A + B2”, and there is a region “A” in which the polymer B is not substantially contained. For example, in a case where the substance A alone has insufficient substrate adhesive force, by adopting this mode, adhesion to the substrate 6 is realized by the polymer B1, and a sensor with strong substrate adhesion can be obtained. Here, the ratio of the polymer B1 exposed to the substrate 6 is preferably 10% or more of the surface area. The reason why the polymer B is distinguished from B1 and B2 is that they are not necessarily the same component. In general, since the substrate 6 and the enzyme film 1 are made of different materials, there are cases where it is better to use different polymers in order to achieve optimum adhesion.
[0032]
The thickness of this region (“A”) in a sensor having a region in which the polymer B is substantially not included in the mixed layer 3 as shown in FIGS. 7 to 9 is the required sensor performance. In addition, the material of the film to be used and the manufacturing method thereof, and the composition and thickness of the mixed portion of the substance A and the polymer B in the upper and lower portions in the thickness direction of the portion are appropriately determined in consideration of various situations. . If the concentration of the coexisting interference component in the sample to be tested is high and a high interference component removal rate is required to ensure measurement accuracy, the thickness is increased. On the contrary, when the influence on the accuracy of the measurement sensitivity becomes stronger than the influence of the disturbing component, the portion is appropriately thinned in view of the balance between the disturbing substance removal rate and the sensitivity.
[0033]
In the case where the film containing the mixed layer is formed directly on the substrate in situ and the majority of the interfering component elimination function depends on the region substantially free of the polymer B, the generally preferred “A” The lower limit of the thickness range is 100 nm, and the upper limit is 2000 nm. When the thickness is 100 nm or less, the removal rate of interfering substances decreases due to a decrease in diffusion restriction or pinholes in most materials, and it becomes difficult to apply to samples having a high concentration of interfering components such as urine. In addition, at 2000 nm or more, a strong exclusion action is produced against hydrogen peroxide, leading to a decrease in measurement accuracy. Of course, this is not the case when a considerable disturbing component function is achieved even in the mixing portion above and below the portion “A”.
[0034]
As already described, the polymer B that functions as an adhesive generally has poor hydrogen peroxide selective permeability. Therefore, in order to function efficiently as a hydrogen peroxide selective permeable membrane, it is preferable to achieve the required film adhesion and to keep the ratio of the polymer B in the mixed layer as small as possible. From this viewpoint, it is desirable that the polymer B in the mixed layer is concentrated in the surface layer portion. As such a preferred embodiment, there is an embodiment having a gradient composition in which the content of the polymer B in the mixed layer is the largest on the outermost side (side in contact with the enzyme membrane and / or the substrate) and gradually decreases toward the inside. Can be mentioned.
[0035]
10 and 11 are schematic views showing examples of the surface layer portion in the mixed layer having the structure as described above. In the figure, the black part means the polymer B, and the other part means the substance A. As can be seen from FIGS. 10 and 11, since the polymer B is present most in the outermost layer portion, the amount of the polymer B used for obtaining the necessary adhesive force can be reduced, and the substance is contained inside. Since the A content is large, the ability to remove interfering components is high. Further, since the composition change gradually occurs from the surface layer portion to the inside, the sense of unity between the substance A and the polymer B is maintained, and the strength of the entire mixed layer is efficiently maintained. In addition, as shown in FIG. 11, the substance A may be substantially not included in the outermost layer portion. Such a graded composition may be present on one side or both sides of the mixed layer. In particular, when sufficient adhesion or adhesive force is selected with the substance A alone with the substrate, the gradient composition may be formed only on the side in contact with the enzyme film.
[0036]
12-15 is a figure which shows the example of the structure of the biosensor which has the above mixed layers. The mixed layer 3 in FIG. 12 has a unidirectional gradient composition in which the content of the polymer B is the highest on the side in contact with the enzyme film 1 and gradually decreases toward the substrate 6 side. The mixed layer 3 in FIG. 13 has a unidirectional gradient composition similar to that in FIG. 12, but there is a region in which the polymer B is not substantially included on the base 6 side. The mixed layer 3 in FIG. 14 has a bi-directionally gradient composition in which the content of the polymer B is the largest on both the enzyme membrane 1 side and the substrate 6 side, and gradually decreases toward the inside of the layer. In this case, the position where the content of the polymer B is the smallest need not necessarily be at the center point in the film thickness direction. Of course, the content of the polymer B in the outermost layer portion may be different between the substrate 6 side and the enzyme membrane 1 side, and different components may be adopted on both sides. Furthermore, as shown in FIG. 15, there may be a region where the polymer B is not substantially contained in the mixed layer 3. The structure of the mixed layer and the mixing mode of the substance A and the polymer B described above can be achieved by physical observation means such as an electron microscope, and analysis means such as X-ray photoelectron spectroscopy and secondary ion mass spectrometry. Can be confirmed.
[0037]
The biosensor mixed layer according to the present invention has been described above. Next, the entire structure of the biosensor will be described. If the mixed layer 3 is located between the substrate 6 including the hydrogen peroxide electrode and the enzyme membrane 1 on which the biocatalyst including the hydrogen peroxide-producing enzyme is immobilized (see FIG. 1), the structure is satisfied. Is not limited. In addition to the basic structure shown in FIG. 1, a structure (FIG. 16) in which a film 4 is further formed on the enzyme film 1 can be considered as an example.
[0038]
The role of the film 4 formed on the enzyme film 1 is to protect the enzyme film 1 from an external sample, or to limit the arrival of the component to be measured to the enzyme film 1 and to measure a higher concentration sample. To respond. As an example of the former, a sensor that analyzes components in blood can be considered. Since blood contains many macromolecules such as proteins that degrade the sensor due to adhesion to the surface of the enzyme membrane, the measurement accuracy of the sensor can be prevented by providing a protective membrane to prevent these components from reaching the enzyme membrane. And stability can be improved. As an example of the latter, there is a sensor that can handle a wide range of concentration measurements without diluting the test sample or by diluting it several times during online measurement of urine components or manufacturing processes in the industrial field. Can be mentioned.
[0039]
Moreover, the enzyme film 1 may have a structure composed of a plurality of layers instead of a single layer. FIG. 17 shows an example in which the enzyme membrane 1 has two layers. As a preferable example of a sensor provided with a plurality of layers of enzyme membrane 1, in the case of a sensor having a reaction system that converts a component to be measured into hydrogen peroxide by a multi-stage enzyme reaction using a plurality of enzymes, There are cases where the layers can be converted more efficiently. Another example is a multifunctional biosensor that detects a plurality of components simultaneously using a plurality of enzymes.
[0040]
The biosensor according to the present invention is mainly used for analysis of components that can be substrates for hydrogen peroxide-producing enzymes, such as glucose, lactic acid, amino acids, and alcohols. More specifically, for analysis of components that can be substrates for hydrogen peroxide-producing enzymes in media that may contain coexisting interfering substances that oxidize on the electrode surface in the same manner as hydrogen peroxide and give a current signal. Used. Examples of these media include biological fluids such as urine, blood and saliva, fruit juice and drinking water in the industrial field, and intermediate media in production processes. Examples of coexistence hindering substances contained in these media include ascorbic acid, uric acid, acetaminophen, etc., but the biosensor according to the present invention measures the target component with negligible influence of these components. can do.
[0041]
Next, the manufacturing method of the biosensor according to the present invention will be described. The biosensor according to the present invention can be manufactured in various ways depending on the substrate including the electrode to be used, the material of the selected film, the sensor film structure, and the like. The method can be roughly divided into a method and a method of directly forming a film on a substrate surface from a film material. Here, the latter method of directly forming a film on the surface of the substrate will be described in detail.
[0042]
First, a substrate including a hydrogen peroxide electrode is prepared. The shape of the substrate is not limited, but a hydrogen peroxide electrode system including a working electrode is preferably formed on a flat insulating substrate. As the insulating substrate, a glass plate, a silicon wafer, a ceramic plate, or the like can be considered. The electrode system on the insulating substrate only needs to include a working electrode. From the viewpoint of manufacturing cost of the sensor and simplification of the measurement system using the sensor, the working electrode and the counter electrode (bipolar system), or the working electrode and the counter electrode It is also preferable that the reference electrode (tripolar system) is patterned and formed on the substrate. FIG. 18 shows an example of a tripolar base material produced by a screen printing technique on a ceramic substrate.
[0043]
Next, the process proceeds to film formation on the substrate, and the substrate is pretreated as necessary. The main purpose of the pretreatment is to clean and activate the substrate surface. As a cleaning method, cleaning with water or acid can be considered. In particular, cleaning with an acid is preferable because surface activation can be expected simultaneously with removal of dirt. Preferable examples of the acid species include strong acids such as nitric acid, sulfuric acid and hydrochloric acid, and weak acids such as phosphoric acid, formic acid, coenoic acid and acetic acid. In addition, it is necessary to wash | clean the base | substrate after wash | cleaning with an acid with water. The substrate that has been cleaned is dried as necessary. The drying conditions are not particularly limited, but generally preferable temperatures include 20 to 80 ° C., drying times of 5 to 120 minutes, and the like. In the case where the next process is a process using an aqueous solution, drying can be omitted.
[0044]
Next, surface treatment of the substrate is performed as necessary. The main purpose of the surface treatment is surface activation (introduction of a reactive functional group) for improving the adhesion of the mixed layer to the substrate or / and improvement of the affinity between the substrate and the mixed layer. As a treatment method, various commonly used methods such as silanization treatment, plasma treatment, electrochemical treatment, or application of a coating material can be used. A preferred example is silanization treatment. The silanizing agent may be appropriately selected in consideration of the situation such as the material of the substrate and the permselective membrane and the type of functional group, but generally preferred examples include amino groups, carboxyl groups, epoxy groups, alkene groups, Those containing a functional group such as a halogen group and a vinyl group are desirable, and the most desirable is a silanizing agent containing an amino group and an epoxy group.
[0045]
Specific examples include allyltrichlorosilane, allyltriethoxysilane, allyltrimethylsilane, 3- (2-aminoethylaminopropyl) trimethoxysilane, 3-aminopropyltrimethoxysilane, 3-aminopropyltriethoxysilane. Chloromethyldimethylchlorosilane, chloromethyltrimethylsilane, 3-chloropropyltrimethoxysilane, dimethoxymethylchlorosilane, dimethylaminotrimethylsilane, methylchlorosilane, ethoxydimethylvinylsilane, ethyldichlorosilane, 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane, 3 -Glycidoxypropylmethyldimethoxysilane, hydroxymethyltrimethylsilane, 3-methacryloxypropyltrimethoxysilane, 3-methacryloxypropi Methyl dimethoxy silane, methyl vinyl dichlorosilane, trichlorovinylsilane, triethoxy vinyl silane, trimethoxy vinyl silane, and material selected from the group consisting of trimethyl vinyl silane. Of these, 3-aminopropyltriethoxysilane and 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane are most preferable as inexpensive silanizing agents for efficiently introducing amino groups or epoxy groups onto the substrate surface.
[0046]
As a method and procedure of silanization treatment, first, a silanizing agent is diluted with a solvent to a certain concentration to prepare a silanization solution. Next, the substrate surface is brought into contact with the silanization solution for a certain period of time and then dried with or without washing. As another method, a method of applying a silanized solution to the surface of the substrate and drying it with a film forming apparatus such as a spin coater can be used. In addition, in the method of drying without applying cleaning after contact with the silanization solution or coating with a film forming apparatus, a thin film of silanizing agent is formed on the surface of the substrate.
[0047]
Subsequently, the mixed layer is formed. The formation method of the mixed layer may be appropriately selected by selecting from well-known film formation methods in consideration of the conditions such as the selected material and the planned structure.
[0048]
The first preferred method for producing the mixed layer is as follows. First, a single film of substance A (or polymer B) is formed on a substrate, and then polymer B containing a solvent capable of at least partially dissolving or swelling substance A (or polymer B). A stock solution of (or substance A) is applied thereon and held for a certain period of time before the solvent is evaporated and dried. For example, in the case of the mixed layer shown in FIGS. 7, 12, and 13 having a structure in which the polymer B is concentrated on the side in contact with the enzyme membrane, the mixed layer is manufactured as follows. First, a film of substance A is formed on the substrate, and then a stock solution of polymer B containing a solvent (referred to as solvent α) that can at least partially dissolve or swell substance A is applied thereon. Further, after holding for a certain period of time, the solvent is volatilized and dried.
[0049]
The principle is as follows. The solvent α contained in the stock solution of the polymer B at least partially dissolves or swells the substance A under the stock solution and changes at least the outermost layer portion of the substance A into a highly fluid state. Thereby, the fluid substance A and the polymer B are diffused and mixed with each other. Thereafter, since the solvent is removed, the mixture is dried in a mixed state to form a mixed layer. The thickness, structure, and degree of mixing of the mixing part of the mixing layer are the properties (particularly boiling point, solubility in substance A) and amount of solvent α contained in the polymer B stock solution, the concentration of polymer B, substance A and It is controlled by the contact time of the polymer B with the undiluted solution, environmental factors (particularly air temperature and humidity), and the subsequent processing method.
[0050]
The subsequent treatment method refers to either a method in which the applied undiluted solution is dried as it is after contacting for a certain time, or a method in which it is partially removed and dried. As a method of drying the applied stock solution as it is, a method of dropping the stock solution of polymer B and then drying it for a certain time (drop method), or a substrate on which the film of substance A is formed on the base solution of polymer B For example, there is a method of dipping inside and pulling it up after a certain period of time and drying it as it is. On the other hand, as a method for partially removing the applied stock solution, there is a method of forming a film by spin coating rotation. That is, after the stock solution is applied and spread over the entire film surface of the substrate material A by preliminary rotation or the like, the stock solution is retained for a certain period of time and then the excess stock solution is removed by high speed rotation. Among the methods described above, the pulling method and the spin coating method are suitable for forming a thin film, and the drop method is suitable for forming a thick film from a small amount of material. These film forming methods will be described later.
[0051]
Further, in the case of the mixed layer having a structure in which the polymer B is concentrated on both the side in contact with the enzyme membrane and the side in contact with the substrate, as shown in FIGS. To be manufactured. First, a film of the substance B1 is formed on the substrate, and then a stock solution of the substance A containing a solvent capable of at least partially dissolving or swelling the polymer B1 is applied thereon and held for a certain period of time. Then, the solvent is volatilized and dried to form a substrate-side mixed portion of the mixed layer. Subsequently, the polymer B2 stock solution is similarly applied to form a mixed portion on the side of the mixed layer in contact with the enzyme membrane. The polymers B1 and B2 may be the same material.
[0052]
A second preferred method for producing the mixed layer is to sequentially form a substance A film → polymer B film (or polymer B1 film → substance A film → polymer B2) on a substrate. Therefore, a method of forming a mixed layer by applying appropriate means can be mentioned. This method is particularly effective when it is difficult to produce by the first method or the formation of the mixed structure is insufficient. Examples of means for mixing the laminated substance A and polymer B include heat treatment, pressure treatment, and treatment with a solvent capable of partially dissolving both.
[0053]
The heat treatment is applied when the fluidity of one or both of the substance A and the polymer B is increased by heating, and the chemical properties of the material itself are stable at a predetermined temperature. In this case, both substances having increased fluidity at high temperatures diffuse into each other and form a mixed layer. In this case, temperature and heating time are effective means for controlling the structure of the mixed layer. If the stability as the material of the substance A and the polymer B is maintained, the heating temperature is not particularly limited, but a generally desirable temperature range is 50 ° C to 200 ° C. On the other hand, the pressure treatment is hardly restricted by the stability problem derived from the material, but since the film thickness and the film density are greatly changed by the pressure, specific conditions are required for the properties of the material. It is necessary to determine appropriately according to the situation such as sensor specifications. Further, the formation of the mixed layer by the method of treating with a solvent is similar in principle to the first production method. That is, the fluidity of the material is increased and mixed by dissolution or swelling with a solvent. In addition, heating, pressurization, and use of a solvent may be performed independently or in combination.
[0054]
As a third preferred method for producing the mixed layer, there is a method in which both are prepared as a mixed material in advance at a certain ratio and then the mixed layer is formed. In this case, the composition of the mixed layer is controlled by adjusting the composition ratio in the mixed material. Usually, the substance A and the polymer B in the mixed layer are mixed throughout the layer by forming the film once, but the mixed layer is formed by laminating mixed materials having different mixing ratios in multiple stages. Can be controlled. For example, in order to manufacture a mixed layer having the structure shown in FIG. 7, a film of only substance A is first formed on a substrate, and then a mixed portion is formed using a mixed material of substance A and polymer B.
[0055]
The method for mixing the substance A and the polymer B in the mixed layer has been described above. Since any method needs to form a film from a bulk material, a specific film forming method will be described next. .
[0056]
As a preferred example of a specific film formation method, a method in which a material is adjusted to a stock solution with a constant concentration with a solvent is spread on the surface of the substrate, and then the solvent is evaporated. A film forming method. In the present invention in which the main material of the mixed layer is an organic substance, the former method of producing a film after adjusting to a stock solution having a constant concentration is more preferable. The solvent used for adjusting the stock solution may be appropriately determined in consideration of various situations such as a mixed layer material and a specific method for forming the mixed layer.
[0057]
Preferable examples of the solvent applied to the material containing a cellulose derivative containing an acetyl group include acetone, methyl acetate, ethyl acetate, methyl ethyl ketone, methyl cellosolve, methyl cellosolve acetate, ethyl lactate, 4-hydroxy-4-methyl-2-pentanone (Diacetone alcohol), ethylene chloride, methanol, ethanol, formaldehyde, and water. Moreover, methanol, ethanol, 1-propanol, 2-propanol, formaldehyde, water, etc. are mentioned as a solvent applied to the ion exchange resin which has perfluorosulfonic acid. These solvents can be used alone or in admixture of plural kinds.
[0058]
The solvent applied to the polymer B is mainly selected in consideration of the solubility in both the polymer B and the substance A, the production method of the portion having both the polymer B and the substance A in the mixed layer, and the like. The As will be described later, the selection of the solvent is not only related to the formation method of the mixed layer, but also has a strong influence on the performance and adhesion performance of the mixed layer as a hydrogen peroxide selective film.
[0059]
In addition, when a mixed layer is prepared by adjusting a mixture of substance A and polymer B, it is desirable to design a solvent system that is soluble in both materials, but one is dissolved and the other is dissolved. May be in the form of dispersed particles, or in the form of an emulsion in which both are dissolved in separate solvents that do not co-dissolve.
[0060]
The concentration of the stock solution may be determined in consideration of various situations such as film material, solution viscosity, target film thickness, coating method, and the like, and is not particularly limited. If they are the same, the film thickness has a positive correlation with the stock solution concentration, so the stock solution concentration may be considered as an important factor for adjusting the film thickness. As an example, when the film is formed directly on the surface of the substrate including the electrode by the spin rotation coating method, the concentration of the stock solution is desirably in the range of 2 to 10 (w / v)%. In this example, the film thickness is positively correlated with both concentration and viscosity. As the concentration increases, the solution viscosity also increases abruptly, so that the film thickness can be largely adjusted with a small change in concentration.
[0061]
Preferable examples of the method of developing the film stock solution in a layered manner on the surface of the substrate include dropping coating, casting coating, spin coating with a film forming apparatus such as a spin coater while the substrate is stationary, and contacting the substrate with the stock solution. The method of pulling up is mentioned. In the case where the substrate surface including the electrode is a flat substrate, the spin rotation method can control the film thickness with high accuracy and is suitable for producing a homogeneous film. Another more preferable method is dipping coating with a lifting device that can control the speed to a constant level. Dipping coating by a lifting device can form a fairly uniform film even when the substrate surface is not flat.
[0062]
When the volatility of the solvent used to adjust the stock solution of substance A or polymer B is high, the film will be completed at the same time as the completion of the coating operation, but if the solvent contains a low volatility, After film coating is completed, the process proceeds to the drying process. Basically, drying may be performed at room temperature without particularly controlling the atmosphere, but in some cases, measures such as heating or decompression may be taken. Generally reasonable drying times include a range of minutes to hours.
[0063]
When the production of the mixed layer is completed, the process moves to the production of the enzyme membrane. As the enzyme film, a method of forming a film in advance and then attaching it to the surface of the mixed layer, and a method of directly forming a film on the spot can be considered, but a method of directly forming the film on the spot is preferable. As a specific manufacturing method, a method substantially similar to the above-described mixed layer forming method can be applied.
[0064]
As described above, the sensor manufacturing method in which the mixed layer and the enzyme film are sequentially formed on the substrate surface has been described. Needless to say, however, if the film 4 is further required, it may be manufactured in a subsequent process. It will be described again that some or all of the substrate cleaning and surface treatment prior to the production of the mixed layer can be omitted.
[0065]
As described above, according to the present invention, the substance A in the mixed layer preferentially permeates hydrogen peroxide, and the polymer B in the mixed layer adheres the mixed layer to the enzyme film or the substrate. A highly accurate and highly stable biosensor can be realized. Further, when the film is formed directly on the surface of the substrate from the film material, the manufacturing cost can be reduced.
[0066]
【Example】
The present invention will be described in more detail with reference to the following examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0067]
(Example 1) Cleaning of substrate surface with nitric acid
50 ml of 1N nitric acid was added to the glass container, and then the ceramic electrode substrate (see FIG. 18) was completely immersed in the liquid, and was gently shaken several times by hand and left at room temperature for 30 minutes. Subsequently, the substrate was taken out and washed with a large amount of deionized water.
[0068]
(Example 2) Silanization treatment of substrate surface with 3-aminopropyltriethoxysilane
In a separate glass container, 49.5 ml of deionized water and 0.5 ml of 3-aminopropyltriethoxysilane were added and mixed to prepare a 1% aminosilane solution. Subsequently, the ceramic electrode substrate treated with nitric acid in Example 1 was soaked in the solution, gently shaken several times by hand, and allowed to stand at room temperature for 30 minutes. Subsequently, the substrate was taken out and washed with a large amount of deionized water.
[0069]
(Example 3) Silanization treatment of substrate surface with 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane
In a separate glass container, 49.5 ml of isopropyl alcohol and 0.5 ml of 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane (epoxysilane) were added and mixed to prepare a 1% epoxysilane solution. Subsequently, the container was covered and placed in an incubator at 75 ° C. together with the ceramic electrode substrate. After holding for 20 minutes, the ceramic electrode substrate was placed in an epoxy silane solution and stirred with vibration for 5 minutes. Next, the electrode substrate was taken out of the glass container and left to dry in the same temperature atmosphere for 30 minutes. Finally, the electrode substrate was taken out, washed with isopropyl alcohol, and dried at room temperature.
[0070]
(Example 4) Preparation of enzyme membrane stock solution
Glucose oxidase (EC 1.1.3.4, Sigma-Aldrich) 2290 units was dissolved in 0.7 ml sodium phosphate buffer solution (100 mM, pH 6.0) to obtain an enzyme solution. Further, 25 mg of bovine serum albumin (BSA) was weighed and dissolved in 1.0 ml of deionized water to prepare a BSA solution. Subsequently, 0.2 ml of the prepared BSA solution was taken, added to the enzyme solution, and mixed uniformly. 0.1 ml of a 2.0% (v / v)% glutaraldehyde aqueous solution was added to the mixed solution after stirring and stirred. In this way, an enzyme membrane stock solution was prepared.
[0071]
(Example 5) Trial production of mixed layers having different compositions
First, a 5 (w / v)% cellulose acetate solution (solution A) having a substitution degree of 2.4 was prepared with a solvent of chloroform 90 to ethanol 10 (volume ratio, hereinafter the same). Similarly, a 5% aldehyde-modified cellulose solution (solution B) having a degree of acetyl substitution of 1.0 and an aldehyde group content of about 4 mmol / g was prepared with a mixed solvent of water 50 and ethanol 50. Next, the electrode substrate that has been aminosilanized by the method of Example 2 is set on a spin coater, and both the above solutions are mixed at a ratio of Solution A: Solution B = 19: 1 and stirred vigorously, and then set. The mixture was quickly dropped on the substrate and a mixed layer was formed by spin coating. Similarly, a mixed layer having a mixing ratio of the solution A and the solution B of 9: 1, 5: 1, 4: 1, 3: 1, 2: 1, and 1: 1 was prepared. For comparison, a film of only solution A was also prepared. When the prepared mixed layer was observed with an electron microscope, it showed a phase separation structure with a size of several tens of nanometers. The mixing ratio was almost the same.
[0072]
(Example 6) Trial manufacture of glucose sensor-Part 1
The electrode substrate treated with epoxy silanization in Example 3 was set on a spin coater, and a cellulose acetate film was prepared using an 8 (w / v)% cellulose acetate solution (solvent acetone) having a substitution degree of 2.4 adjusted in advance as a stock solution. It was created. Subsequently, a 3% chitosan (including 0.75% acetic acid) solution prepared with a mixed solvent of water 60 and acetone 40 was dropped so as to cover the working electrode, and held for 1 minute, and then the chitosan film was formed by spin coating. Formed. Thereafter, 10 μl of the enzyme membrane stock solution prepared in Example 4 was dropped onto the working electrode with a pipette and dried in an atmosphere at 35 ° C. for 30 minutes to prepare an enzyme membrane. The sensor produced in this way has a structure in which the polymer B is concentrated on the side in contact with the enzyme membrane as shown in FIG. 7, FIG. 12, and FIG.
[0073]
(Example 7) Trial manufacture of glucose sensor-Part 2
The electrode substrate treated with epoxy silanization in Example 3 was set on a spin coater, and a cellulose acetate film was prepared using an 8 (w / v)% cellulose acetate solution (solvent acetone) having a substitution degree of 2.4 adjusted in advance as a stock solution. It was created. Subsequently, a 3% chitosan (containing 0.75% acetic acid) aqueous solution was dropped so as to cover the working electrode, and a chitosan film was formed by spin coating. Thereafter, the substrate was placed in a solvent of acetone 60: water 40 and held for 3 minutes, then taken out and dried. Finally, 10 μl of the enzyme membrane stock solution prepared in Example 4 was dropped onto the working electrode with a pipette and dried in an atmosphere at 35 ° C. for 30 minutes to prepare an enzyme membrane. The sensor produced in this way has a structure in which the polymer B is concentrated on the side in contact with the enzyme membrane as shown in FIG. 7, FIG. 12, and FIG.
[0074]
(Example 8) Trial manufacture of glucose sensor-Part 3
Pipette 10 μl of 3 (w / v)% perfluorosulfonic acid ion exchange resin (Nafion) solution (solvent isopropyl alcohol 85 to water 15) on the working electrode of the electrode substrate treated with aminosilanization in Example 2. The Nafion film was prepared by dripping. Subsequently, a polyethyleneimine film was formed by spin coating using a 4% polyethyleneimine aqueous solution. Next, a tray containing a mixture of isopropyl alcohol 60 and water 40 is prepared, and the substrate is set so that the surface with the film faces downward on the tray about 10 cm away from the liquid surface. The container was sealed in a container controlled to an atmosphere of 0 ° C. and held for 30 minutes. Thereafter, the substrate was taken out and dried. Finally, 10 μl of the enzyme membrane stock solution prepared in Example 4 was dropped onto the working electrode with a pipette and dried in an atmosphere at 35 ° C. for 30 minutes to prepare an enzyme membrane. The sensor thus prepared has a structure in which the polymer B is concentrated on the side in contact with the enzyme membrane as shown in FIGS.
[0075]
(Example 9) Trial manufacture of glucose sensor-Part 4
In the same manner as in Example 5, a mixed layer having a mixing ratio of 9: 1, 5: 1, 4: 1, 3: 1, 2: 1 of solution A and solution B was formed on the electrode substrate, and then Then, 10 μl of the enzyme membrane stock solution prepared in Example 4 was dropped on the pipette working electrode and dried in an atmosphere at 35 ° C. for 30 minutes to prepare an enzyme membrane. The sensor thus produced has a mixed layer with a substantially uniform composition throughout.
[0076]
(Example 10) Trial manufacture of glucose sensor-Part 5
First, a 2 (w / v)% cellulose acetate solution (solution A) having a substitution degree of 2.4 was prepared with a solvent of chloroform 90 and ethanol 10. Similarly, a 2% aldehyde cellulose solution (solution B) having a acetyl substitution degree of 1.0 and an aldehyde group content of about 4 mmol / g was prepared with a mixed solvent of water 50 and ethanol 50. Further, a 5 (w / v)% cellulose acetate solution having a substitution degree of 2.4 was prepared with acetone. Next, the electrode substrate treated with aminosilanization in Example 2 was set on a spin coater, the solution A and the solution B were mixed at a mixing ratio of 5: 1 and vigorously stirred, and then the set substrate was mixed. A spin coat film was formed by dripping quickly onto the film. Subsequently, spin coating was performed using a 5 (w / v)% cellulose acetate solution prepared with acetone. Finally, a stock solution having a mixing ratio of solution A and solution B of 4: 1 was prepared, and a film was formed by spin coating. Thereafter, 10 μl of the enzyme membrane stock solution prepared in Example 4 was dropped with a pipette and dried in an atmosphere at 35 ° C. for 30 minutes to prepare an enzyme membrane. The sensor thus produced has a mixed layer as shown in FIG.
[0077]
(Example 11) Trial manufacture of glucose sensor-Part 6
The electrode substrate treated with aminosilanization in Example 2 was set on a spin coater, an aqueous solution of 3% chitosan (including 0.75% acetic acid), and 8 (w / v)% cellulose acetate having a substitution degree of 2.4. A three-layer laminated film of chitosan / cellulose acetate / chitosan was prepared using the solution (solvent acetone) as a stock solution. Subsequently, the substrate was placed in a mixed solvent of acetone 60: water 40 and held for 3 minutes, then taken out and dried. Finally, 10 μl of the enzyme membrane stock solution prepared in Example 4 was dropped onto the working electrode with a pipette and dried in an atmosphere at 35 ° C. for 30 minutes to prepare an enzyme membrane. In this way, a sensor having a mixed layer with a large content of substance B in the surface layer portion and a large content of substance A inside was manufactured.
[0078]
(Example 12) Trial manufacture of glucose sensor-Part 7
The electrode substrate treated with aminosilanization in Example 2 was set on a spin coater, an aqueous solution of 3% chitosan (including 0.75% acetic acid), and 8 (w / v)% cellulose acetate having a substitution degree of 2.4. A three-layer laminated film of chitosan / cellulose acetate / chitosan was prepared using the solution (solvent acetone) as a stock solution. Subsequently, the substrate was placed in a mixed solvent of acetone 60: water 40 and held for 3 minutes, and then taken out. Next, the substrate was placed in a 0.75% aqueous acetic acid solution and cultured with shaking for 30 minutes. Thereafter, the substrate was taken out and dried. Finally, 10 μl of the enzyme membrane stock solution prepared in Example 4 was dropped onto the working electrode with a pipette and dried in an atmosphere at 35 ° C. for 30 minutes to prepare an enzyme membrane. The mixed layer of the sensor prepared in this example has a structure in which the substance A is partially exposed on the surface in contact with the enzyme film.
[0079]
Comparative Example 1 Trial Production of Glucose Sensor <Comparison with Example 6>
The electrode substrate treated with epoxy silanization in Example 3 was set on a spin coater, and a cellulose acetate film was prepared using an 8 (w / v)% cellulose acetate solution (solvent acetone) having a substitution degree of 2.4 adjusted in advance as a stock solution. It was created. Thereafter, 10 μl of the enzyme membrane stock solution prepared in Example 4 was dropped onto the working electrode with a pipette and dried in an atmosphere at 35 ° C. for 30 minutes to prepare an enzyme membrane.
[0080]
Comparative Example 2 Trial Production of Glucose Sensor <Comparison with Example 8>
Pipette 10 μl of 3 (w / v)% perfluorosulfonic acid ion exchange resin (Nafion) solution (solvent isopropyl alcohol 85 to water 15) on the working electrode of the electrode substrate treated with aminosilanization in Example 2. The Nafion film was prepared by dripping. Subsequently, a polyethyleneimine film was formed by spin coating using a 4% polyethyleneimine aqueous solution. Finally, 10 μl of the enzyme membrane stock solution prepared in Example 4 was dropped onto the working electrode with a pipette and dried in an atmosphere at 35 ° C. for 30 minutes to prepare an enzyme membrane.
[0081]
Comparative Example 3 Trial Production of Glucose Sensor <Comparison with Example 11>
The electrode substrate treated with aminosilanization in Example 2 was set on a spin coater, an aqueous solution of 3% chitosan (including 0.75% acetic acid), and 8 (w / v)% cellulose acetate having a substitution degree of 2.4. A three-layer laminated film of chitosan / cellulose acetate / chitosan was prepared using the solution (solvent acetone) as a stock solution. Finally, 10 μl of the enzyme membrane stock solution prepared in Example 4 was dropped onto the working electrode with a pipette and dried in an atmosphere at 35 ° C. for 30 minutes to prepare an enzyme membrane.
[0082]
(Comparative Example 4) Direct deposition of enzyme membrane on electrode substrate
After treating the ceramic electrode substrate according to Example 1 and Example 2, an enzyme membrane was prepared on the working electrode with the enzyme membrane stock solution prepared by the method of Example 4.
[0083]
(Example 13) Evaluation of adhesion of mixed layer
For the mixed layer prepared in Example 5 and remaining attached to the substrate, the substrate adhesion of the film was evaluated by the cellophane taping method. Apply ordinary commercial cellophane tape to cover the membrane and surrounding area, press with your finger to apply pressure to the tape surface, check the adhesion, peel off the tape, and visually check the peeling status of the membrane. confirmed. These operations were repeated until the film was completely peeled off or up to 20 times. Then, 2 points were obtained for the film that remained intact after one taping, 1 point for partial peeling, and 0 point for complete peeling, and the total score was quantified as adhesion. The result is shown in FIG.
[0084]
As already described in Example 5, since the composition of the surface layer and the inside of the mixed layer is almost uniform, the mixing ratio of the solution and the surface composition of the substance A: polymer B of the mixed layer are almost the same. As shown in FIG. 19, the substrate adhesion force of the mixed layer containing the aldehyde cellulose solution (polymer B) is much higher than the substrate adhesion force of the film of the cellulose acetate solution (substance A) alone. In addition, there is a substantially positive correlation between the content of aldehyded cellulose (polymer B) in the mixed layer and the adhesive force. However, if the content of the polymer B increases as the surface composition of the substance A: the polymer B exceeds 9: 1 (that is, if the surface exposed area ratio of the polymer B exceeds 10%), this tendency is not significant. .
[0085]
(Example 14) Observation of sensor film
About the sensor created in Examples 6-12 and Comparative Examples 1-3, the presence or absence of film | membrane peeling was observed after drying. The non-peeled sensor was placed in a buffer solution containing 33 mM potassium dihydrogen phosphate and sodium monohydrogen phosphate (containing 50 mM potassium chloride, pH 6.8) and immersed overnight, and the film was observed. The results are shown in Table 1.
[0086]
[Table 1]
Figure 0003952156
[0087]
In addition, the meaning of each code | symbol in Table 1 is as follows.
<After drying>
X: peeling
Δ: Surrounding drowning
○: Clean membrane
<In buffer>
X: already peeled or peeled by shaking the solution
Δ: Not peeled by solution shaking, but easily peeled by peripheral swelling or tweezers
○: A clean film. When scratching with tweezers, the film can be removed with a width slightly wider than the contact surface with tweezers.
◎ When scratching with tweezers, only the part in contact with tweezers can be removed
[0088]
As can be seen from Table 1, in all examples, the adhesion of the enzyme film was improved as compared with the comparative example. Further, from the comparison of the five examples of Example 9, it was found that the greater the content of polymer B in the mixed layer (that is, the greater the surface exposed area ratio of polymer B), the stronger the adhesion of the enzyme film. It was. More specifically, the ratio of the polymer B is preferably 20% (substance A: polymer B = 4: 1) or more.
[0089]
(Example 15) Sensor evaluation by flow injection analyzer
The sensors prepared in Examples 6 to 12 were attached to a flow cell, and the peak current of the response to a solution of ascorbic acid (ASA, 100 mM) and glucose (10 mM) was measured with the flow injection analyzer shown in FIG. The measurement conditions are shown below.
Carrier solution: a buffer solution containing 33 mM potassium dihydrogen phosphate, sodium monohydrogen phosphate, and 50 mM potassium chloride. pH 6.8.
・ Flow rate: 1.0 ml / min
Sample injection volume: 10 μl
Tube: The tube length from the sample injector of the sampler to the sensor is 120 cm, and the inner diameter is 0.8 mm.
The obtained results are shown in Table 2 together with the output (sensitivity) per unit concentration and the selection ratio.
[0090]
[Table 2]
Figure 0003952156
[0091]
From Table 2, it can be seen that the ASA / glucose selection ratio varies greatly depending on the material of the mixed layer and the preparation method, and when the selection ratio is low, the sensitivity tends to be low. Generally speaking, the higher the sensitivity of the sensor and the lower the selection ratio, the better the sensor. From the viewpoint of the selection ratio, a sensor having a portion in which the content of the substance A is 100% in the mixed layer (for example, the sensor of Example 10) is desirable. However, as already mentioned, there are cases where the selectivity may be higher to some extent, such as when measuring a sample with a relatively low concentration of coexisting interference components compared to the target component, so depending on the actual situation, A suitable type of sensor may be selected.
[0092]
(Comparative Example 5) Evaluation of ceramic substrate electrode by flow injection analyzer
The same lot as the ceramic electrode substrate used in the above example was mounted on a flow cell without a mixed layer on the surface, and hydrogen peroxide (under the same conditions as in Example 15 was obtained using the flow injection analyzer shown in FIG. The peak currents of responses to HPO) and ASA (concentration 2 mM in common) were measured. The results are shown in Table 3. The electrode showed almost the same sensitivity to ascorbic acid and hydrogen peroxide.
[0093]
[Table 3]
Figure 0003952156
[0094]
(Comparative Example 6) Evaluation of sensor without mixed layer by flow injection analyzer The glucose sensor produced in Comparative Example 4 was attached to a flow cell, and the flow injection analyzer shown in FIG. The peak current of the response to the solutions (concentration is 5 mM in common) was measured. The results are shown in Table 4. The sensor responded more than twice as much to glucose as the interfering component ASA.
[0095]
[Table 4]
Figure 0003952156
[0096]
As is clear from the above Examples and Comparative Examples, the present invention has realized a biosensor with high accuracy and excellent stability.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the basic structure of a biosensor according to the present invention.
[Figure 2] Diagram showing the basic structure of chitosan
FIG. 3 is a view showing an example of a mixing mode of the substance A and the polymer B in the mixed layer.
FIG. 4 is a diagram showing an example of a mixing mode of a substance A and a polymer B in a mixed layer
FIG. 5 is a view showing an example of a mixing mode of the substance A and the polymer B in the mixed layer.
FIG. 6 is a diagram showing an example of a mixing mode of the substance A and the polymer B in the mixed layer.
FIG. 7 shows an example of the structure of a biosensor.
FIG. 8 is a diagram showing an example of the structure of a biosensor
FIG. 9 is a diagram showing an example of the structure of a biosensor.
FIG. 10 is a schematic diagram showing an example of a surface layer portion in a mixed layer.
FIG. 11 is a schematic diagram showing an example of a surface layer portion in a mixed layer.
FIG. 12 shows an example of the structure of a biosensor
FIG. 13 shows an example of the structure of a biosensor.
FIG. 14 shows an example of the structure of a biosensor.
FIG. 15 shows an example of the structure of a biosensor.
FIG. 16 shows an example of the structure of a biosensor.
FIG. 17 shows an example of the structure of a biosensor.
FIG. 18 is a diagram showing an example of a tripolar base body formed on a ceramic substrate.
FIG. 19 is a graph showing the relationship between the surface composition of the substance A: polymer B in the mixed layer and the adhesion force.
FIG. 20 shows a flow injection analyzer.
FIG. 21 shows a basic structure of a conventional biosensor.
[Explanation of symbols]
1 ... Enzyme membrane
2 ... Permselective membrane
3 ... Mixed layer
4 ... Membrane
6 ... Base
7 ... Insulating substrate
8 ... Working electrode

Claims (4)

過酸化水素電極を有する基体と、過酸化水素生成酵素を含む生体触媒を固定化した酵素膜とを備えたバイオセンサにおいて、前記基体と前記酵素膜との間に、セルロース誘導体、イオン交換樹脂からなる群から選択される物質(物質Aと呼ぶ)と、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基からなる群から選択される官能基を有する高分子物質(高分子Bと呼ぶ)と、からなる混合層が形成されていることを特徴とするバイオセンサ。  In a biosensor comprising a substrate having a hydrogen peroxide electrode and an enzyme membrane on which a biocatalyst containing a hydrogen peroxide-producing enzyme is immobilized, a cellulose derivative or an ion exchange resin is interposed between the substrate and the enzyme membrane. A substance selected from the group (referred to as substance A) and a polymer substance (referred to as polymer B) having a functional group selected from the group consisting of an aldehyde group, an amino group, a carboxyl group, and an epoxy group. A biosensor characterized in that a mixed layer is formed. 前記混合層と前記酵素膜との接触面における前記混合層の前記高分子Bの露出割合が、表面積の20%以上であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサ。  The biosensor according to claim 1, wherein an exposure ratio of the polymer B in the mixed layer at a contact surface between the mixed layer and the enzyme film is 20% or more of a surface area. 前記混合層中の高分子Bの含量は、前記酵素膜と接触する最表層部で最も多く、前記酵素膜から離れるにしたがってだんだん少なくなる、傾斜組成を有することを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のバイオセンサ。  The content of the polymer B in the mixed layer is the highest in the outermost layer portion in contact with the enzyme membrane, and has a gradient composition that gradually decreases as the distance from the enzyme membrane increases. Item 3. The biosensor according to Item 2. 前記混合層中の高分子Bの含量は、前記酵素膜および前記基体と接触する最表層部で最も多く、前記酵素膜および前記基体から離れるにしたがってだんだん少なくなる、傾斜組成を有することを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載のバイオセンサ。  The polymer B has a gradient composition in which the content of the polymer B in the mixed layer is the highest in the outermost layer portion in contact with the enzyme film and the substrate, and gradually decreases with distance from the enzyme film and the substrate. The biosensor according to claim 1 or 2.
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