JP3911671B2 - モータ - Google Patents

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Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車のエンジンルームへの搭載等に適した密閉構造のモータに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、自動車のエンジンルームに搭載されてエンジンの吸排気制御等を行うステッピングモータは、必要な精度を確保することはもちろん、高温、低温、粉塵、水分、油分にさらされる過酷な環境での使用に耐え、かつ、車載性を考慮して小型であることが要求される。そこで、従来から、モータのステータ、ロータ等を収容するケースを密閉構造とし、また、ケースの側面部に外部結線用のコネクタを一体的に取付けた構造の車載用モータが種々提案されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
近年、自動車の低エミッション化、省燃費化の更なる要請によって、エンジン制御装置等の車載機器は、ますます複雑、高度化しており、車載モータに対する高精度化、小型化の要求は、より厳しいものとなってきており、また、一方では、製造コストの低減をも要求されている。
【０００４】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、小型化、高精度化を達成するとともに、組立性を高めることができる車載に適した密閉構造のモータを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明に係るモータは、有底円筒状のケースと、該ケース内に収容され、コイルに結線された中継端子を有する環状のステータと、該ステータに挿入され、一対の軸受によって前記ケースに対して回転可能に軸支されるロータと、外部に臨むコネクタピンを有し、前記ケースの開口端に嵌合されて前記ケース内を密閉すると共に前記コネクタピンを前記中間端子に係合させるコネクタブッシュと、前記ケースの底部に設けられ、前記ステータの一端側内周部及び前記ロータの一方の軸受の外周部に嵌合して、これらを位置決めするインロー部と、前記コネクタブッシュによって支持され、前記ステータの他端側内周部及び前記ロータの他方の軸受の外周部に嵌合して、これらを位置決めするインロー部材と、前記ロータの他方の軸受と前記インロー部材との間に介装された第 1 ばね手段と、前記インロー部材と前記コネクタブッシュとの間に介装された第 2 ばね手段と備え、
前記コネクタブッシュを前記ケースの開口部に嵌合することにより、前記第 2 ばね手段を介して前記インロー部材を押圧して前記ステータを固定すると共に、前記第 1 ばね手段によって前記一対の軸受に予圧を付与することを特徴とする。
このように構成したことにより、コネクタブッシュをケースに嵌合することによって、モータ内部が密閉され、中継端子を介してコイルとコネクタピンが結線され、ステータが固定され、また、軸受に予圧が付与される。このとき、インロー部及びインロー部材によって、ステータの内周部を基準として軸受すなわちロータが位置決めされる。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について、図1ないし図3を参照して説明する。図1ないし図3に示すように、本実施形態に係るステッピングモータ1は、有底円筒状のケース2内に、ステータ3と、シャフト4を有するロータ5と、軸受ブッシュ6とを収容し、ケース2の開口端にコネクタブッシュ7を嵌合してケース2内を密閉した構造となっている。
【０００７】
ケース2内には、その底部のシャフト4を挿通させる開口の周囲に円筒状の支持部8が突出されている。この支持部8内には、ボールベアリング9(軸受)が嵌合されている。なお、ケース2は、磁路形成を考慮してアルミダイキャスト等の非磁性体で形成されている。
【０００８】
ステータ3は、磁性体からなる薄板を積層して円筒状に形成したステータコア10を含み、ステータコア10の内周部には、所定数の磁極が放射状に配置されており、さらに各磁極の先端部には、円周方向に沿って所定数の小歯が所定のピッチで形成されている。ステータコア10には、合成樹脂等の絶縁体からなるコイルボビン11,12が装着され、各磁極にコイルボビン11,12を介してコイル13が巻線されている。一方のコイルボビン11には、軸方向に沿って延びる所定数の中継端子14が立設されており、各磁極に巻線されたコイル13が励磁相毎に対応する中間端子14に結線されている。
【０００９】
ステータ3は、ケース2内に挿入されて、一端部がケース2の内周面の段部15に当接して軸方向に位置決めさている。また、ステータ3の一端内周部は、ケース2の支持部8(インロー部)の外周部16に嵌合されて径方向に位置決めされている。
【００１０】
ロータ5は、ケース2の支持部8内に嵌合されたボールベアリング9および軸受ブッシュ6に嵌合されたボールベアリング17(軸受)に支持されたシャフト4に、ブッシュ18を介して2つのロータコア19,20及びこれらの間に挟まれたリング状のマグネット28が取付けられている。ロータコア19,20の外周部には、ステータ3の磁極の小歯に対向するこれと同ピッチの小歯が形成されており、2つのロータコア19,20の小歯は、互いに1／2ピッチずらして配置されている。ステータコア10とロータコア19,20とのギャップは、40〜50μm程度となっている。
【００１１】
軸受ブッシュ6は、略円筒状の部材で、一端側の内周部にシャフト4を支持するボールベアリング17が嵌合されている。ボールベアリング17と軸受ブッシュ6の内周の段部との間には、ボールベアリング17を予圧するためのスプリングシム21( 第 1 ばね手段 )が介装されている。軸受ブッシュ6(インロー部材)は、その一端部外周の段部がステータコア10の内周部および端部に当接して径方向及び軸方向に位置決めされている。軸受ブッシュ6は、磁路形成を考慮してアルミダイキャスト、合成樹脂等の非磁性体で形成されている。
【００１２】
コネクタブッシュ7は、ケース2の開口端に嵌合される有底円筒状の円筒部22と略矩形の断面を有する筒状のコネクタ23とを合成樹脂等の絶縁体で一体に形成したものである。円筒部22は、ケース2内に嵌合されて、ピン24によって固定されており、円筒部22の先端部がステータコア10の端部に当接してステータ3を固定し、また、円筒部22の底部がスプリングシム25( 第 2 ばね手段 )を介して軸受ブッシュ6に当接して、軸受ブッシュ6を軸方向に位置決めしている。ケース2とコネクタブッシュ7との間は、Oリング26によってシールされている。
【００１３】
コネクタブッシュ7には、その底部を貫通して円筒部22内およびコネクタ23内に突出する所定数(図示のものでは4つ)のコネクタピン27が設けられている。円筒部22内に突出するコネクタピン27は、ステータ3の中継端子14に対向させて配置されており、円筒部22をケース2内に嵌合させることにより、コネクタピン27が中継端子14に係合するようになっている。コネクタピン27は、コネクタブッシュ7の本体を成形した後、これに取付けることができ、あるいは、コネクタブッシュ7の本体を成形する際にインサートすることもできる。
【００１４】
なお、ケース2とシャフト4との間には、ケース2を装着する装置によってシールされることを想定して、シール手段を設けていないが、別途、Oリング等のシール手段を設けてもよい。
【００１５】
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
車載のワイヤリングハーネス等の配線側コネクタ(図示せず)をコネクタ23に接続し、コネクタピン27を介してステータ3のコイル13に通電し、ステータ3の磁極を励磁し、励磁相を順次切換えることにより、ロータ5すなわちシャフト4を小歯のステップで回転させることができる。
【００１６】
コネクタブッシュ7をケース2に嵌合することにより、ケース2の内部を密閉することができ、粉塵、水分等の侵入を防止することができる。また、コネクタブッシュ7にコネクタ23を一体に形成したので、ステッピングモータ1の端部にコネクタ23を一体に配置してステッピングモータ1の小型化を図ることができる。
【００１７】
次に、ステッピングモータ1の組立手順について説明する。ボールベアリング9をセットしたケース2内に、ステータ3およびロータ5を挿入し、さらに、スプリングシム21及びボールベアリング17をセットした軸受ブッシュ6をシャフト4およびステータ3に組付け、その後、スプリングシム25およびOリング26をセットしたコネクタブッシュ7をケース2に嵌合するとともに、コネクタピン27をステータ3の中間端子14に係合させ、ピン24によってコネクタブッシュ7を固定する。このようにして、ステッピングモータを容易に組立てることができる。
【００１８】
このとき、ロータ5のシャフト4を支持するボールベアリング9,17と、ステータコア10の内周部とをケース2の支持部8(インロー部)および軸受ブッシュ6(インロー部材)の同一部材によって径方向に位置決めしているので、位置決め精度を高めることができ、ロータ5とステータ3とのギャップを充分小さくすることができステッピングモータの停止精度を高めることができる。また、スプリングシム21,25によって、ボールベアリング9,17および軸受ブッシュ6を予圧することにより、ステータ3およびロータ5の軸方向の位置決め精度を高めることができる。なお、ステータコア10は、ケース2の内周面との嵌合によって、径方向に位置決めするようにすることもできる。
【００２２】
なお、上記実施形態では、いずれも本発明をステッピングモータに適用した場合について説明しているが、本発明はこれに限らず、他の種類のモータにも同様に適用することができる。
【００２３】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係るモータによれば、コネクタブッシュをケースに嵌合することによって、モータ内部が密閉され、中継端子を介してコイルとコネクタピンが結線され、ステータが固定され、また、軸受に予圧が付与される。このとき、インロー部及びインロー部材によって、ステータの内周部を基準として軸受すなわちロータが位置決めされる。
その結果、モータの小型化を図ると共に、モータの組立を容易に行うことができる。また、インロー部及びインロー部材によって、ステータの内周部を基準としてロータが位置決めされるので、ステータとロータとの位置決め精度を高めることができ、これらの間のギャップを小さくすることが可能となり、また、モータの回転精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第1実施形態に係るステッピングモータの図2におけるA-A線による縦断面図である。
【図２】図1に示すステッピングモータのコネクタ側の端面図である。
【図３】図1に示すステッピングモータのシャフト側の端面図である。
【符号の説明】
1 モータ
2 ケース
3 ステータ
5 ロータ
6 軸受ブッシュ(インロー部材)
7 コネクタブッシュ
8 支持部(インロー部)
9,17 ボールベアリング(軸受)
14 中継端子
21 スプリングシム ( 第 1 ばね手段 )
23 コネクタ
25 スプリングシム ( 第 2 ばね手段 )
27 コネクタピン

Claims (1)

  1. 有底円筒状のケースと、該ケース内に収容され、コイルに結線された中継端子を有する環状のステータと、該ステータに挿入され、一対の軸受によって前記ケースに対して回転可能に軸支されるロータと、外部に臨むコネクタピンを有し、前記ケースの開口端に嵌合されて前記ケース内を密閉すると共に前記コネクタピンを前記中間端子に係合させるコネクタブッシュと、前記ケースの底部に設けられ、前記ステータの一端側内周部及び前記ロータの一方の軸受の外周部に嵌合して、これらを位置決めするインロー部と、前記コネクタブッシュによって支持され、前記ステータの他端側内周部及び前記ロータの他方の軸受の外周部に嵌合して、これらを位置決めするインロー部材と、前記ロータの他方の軸受と前記インロー部材との間に介装された第 1 ばね手段と、前記インロー部材と前記コネクタブッシュとの間に介装された第 2 ばね手段と備え、
    前記コネクタブッシュを前記ケースの開口部に嵌合することにより、前記第 2 ばね手段を介して前記インロー部材を押圧して前記ステータを固定すると共に、前記第 1 ばね手段によって前記一対の軸受に予圧を付与することを特徴とするモータ。
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