JP3904074B2 - Polymer latex, process for producing the same, and composition for paper coating - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合体ラテックス、その製造方法および紙塗被用組成物に関し、さらに詳しくは、表面強度と耐ブリスター性とのバランスに優れる塗工紙を与え得る重合体ラテックス、該重合体ラテックスを重合時に微細凝集物の発生を抑制しながら製造し得る製造方法および該重合体ラテックスを含む紙塗被用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、塗工機の高速化や塗工紙の高強度化を図るために、粒子径が100nm以下の小粒子径の紙塗被用共役ジエン単量体/エチレン性不飽和カルボン酸単量体共重合体ラテックスの需要が増加している。粒子径を制御するために、目的とする重合体ラテックスの粒子径より小さい粒子径の重合体ラテックス粒子をシードラテックス粒子として用いて重合する方法が汎用されている。
【0003】
例えば、特開平2−235906号公報には、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、架橋性単量体およびこれらと共重合可能な他の単量体を共重合して得られる架橋型重合体ラテックス粒子をシードラテックス粒子として用いて重合する方法が、また、特開平5−32710号公報には、エチレン性不飽和カルボン酸単量体を1〜20重量%含む単量体混合物を共重合して得られる、粒子径が10〜30nmの重合体ラテックス粒子をシードラテックス粒子として用いて重合する方法が、開示されている。
しかしながら、同一粒子径のシードラテックス粒子を用いて、目的とする重合体ラテックスの粒子径をより小さくしようとすると、得られた重合体ラテックス粒子におけるシードラテックス粒子の構成割合が増加して、得られた重合体ラテックスを用いて製造される塗工紙の表面強度が低下したり、耐ブリスター性が悪化したりする問題があった。
【0004】
一方、シードラテックス粒子を用いずに、比較的多量の界面活性剤を用いて、粒子径が100nm以下の重合体ラテックスを、直接製造することもできる。しかしながら、このような方法で得られた重合体ラテックスを用いると、得られた塗工紙は、耐ブリスター性に優れるものの、界面活性剤の影響で、特に湿潤状態での表面強度(ウェットピック強度)に劣る傾向がある。また、重合体ラテックスの製造時に、重合安定性が不十分なため、微細凝集物が生成し、これが、塗工の際に不具合を発生する原因となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、表面強度と耐ブリスター性とのバランスに優れる塗工紙を与え得る重合体ラテックス、重合時に微細凝集物の発生を抑制しながら製造し得る該重合体ラテックスの製造方法および該重合体ラテックスを含む紙塗被用組成物が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、シードラテックス粒子を用いなくても、それぞれ特定量の単量体と過硫酸塩とを、特定の方法で、反応器に連続的に添加すると、上記の課題が達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして本発明によれば、0.1〜5重量部の過硫酸塩を用いて、単量体100重量部を乳化重合するに際し、重合に使用する全過硫酸塩量の30重量%以上について、その添加を連続的に行なうことを必須とし、かつ、少なくとも反応器に添加される過硫酸塩の累積量が重合に使用する全過硫酸塩量の10重量%に達した後、30重量%に至る期間において、単量体と過硫酸塩とをそれぞれ連続的に反応器に添加し、かつ、この期間における過硫酸塩の単位時間あたりの添加速度に対する単量体の単位時間あたりの添加速度の比が1を超え、50未満の範囲にあるように、両者の添加速度を調整することを特徴とする重合体ラテックスの製造方法が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、上記の方法で製造されてなる重合体ラテックスが提供される。
さらに、本発明によれば、上記の重合体ラテックスおよび顔料を含んでなる紙塗被用組成物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の重合体ラテックスの製造方法においては、0.1〜5重量部の過硫酸塩を用いて、単量体100重量部を乳化重合する。
【0010】
本発明に用いる単量体としては、特に限定されないが、例えば、共役ジエン単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、芳香族ビニル単量体およびこれらと共重合可能な他の単量体が挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0011】
共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン及びクロロプレン等を挙げることができる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、1,3−ブタジエンが好ましく使用できる。
【0012】
共役ジエン単量体の使用量は、特に限定されないが、好ましくは全単量体の10〜70重量%、より好ましくは15〜65重量%、特に好ましくは20〜50重量%である。共役ジエン単量体をこの範囲で使用すると、紙塗被用に使用した場合に、表面強度と耐ブリスター性のバランスに優れた塗工紙が得られる。
【0013】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのエチレン性不飽和モノカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不飽和多価カルボン酸;マレイン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどのエチレン性不飽和多価カルボン酸の部分エステル化物などが挙げられる。これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸が好ましく使用できる。
【0014】
エチレン性不飽和カルボン酸単量体の使用量は、特に限定されないが、好ましくは全単量体の0.5〜25重量%、より好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは1.5〜10重量%である。エチレン性不飽和カルボン酸単量体をこの範囲で使用すると、重合中での微細凝集物の発生が抑制される傾向があり、また、得られた重合体ラテックスの粘度が適度で取り扱い易く、攪拌したり移送したりする際の粗大凝集物の多量発生も抑制される。
【0015】
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等が挙げられる。なかでも、スチレンが好ましく使用できる。
【0016】
芳香族ビニル単量体の使用量は、特に限定されないが、好ましくは全単量体の5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15〜45重量%である。芳香族ビニル単量体をこの範囲で使用すると、紙塗被用に使用した場合に、表面強度と耐ブリスター性のバランスに優れた塗工紙が得られる。
【0017】
上記の単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体、エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体、エチレン性不飽和ニトリル単量体及び架橋性単量体が挙げられる。
【0018】
エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸テトラフルオロプロピル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸メチルが好ましい。
【0019】
エチレン性不飽和カルボン酸アミド単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリルアミドが好ましい。
【0020】
エチレン性不飽和ニトリル単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロニトリルが好ましい。
【0021】
架橋性単量体の具体例としては、例えば、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】
共役ジエン単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体および芳香族ビニル単量体と共重合可能な他の単量体の使用量は、特に限定されないが、好ましくは全単量体の0〜60重量%である。この使用量をこの範囲にすると、紙塗被用に使用した場合に、表面強度、耐ブリスター性、インキ着肉性などの物性バランスに優れる塗工紙が得られる。
【0023】
本発明に用いる過硫酸塩としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。なかでも、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムおよび過硫酸アンモニウムが好ましく使用できる。これらの過硫酸塩は、重合開始剤として作用するが、重亜硫酸ナトリウム、第1鉄塩、ソジウムホルムアルデヒドスルフォキシレートなどの還元剤を併用して、レドックス系重合開始剤として使用してもよい。
【0024】
過硫酸塩の使用量は、重合に使用する全単量体100重量部あたり、0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜4重量部、より好ましくは0.5〜3重量部である。この量が少ないと、重合時に微細凝集物が発生しやすく、紙塗被用に使用した場合に、塗工紙の表面強度に劣り、逆に多いと、紙塗被用に使用した場合に、塗工紙の耐ブリスター性に劣る。
【0025】
本発明の方法においては、重合に使用する全過硫酸塩量の30重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上について、その添加を連続的に行なうことを必須とする。
【0026】
また、本発明の方法においては、少なくとも反応器に添加される過硫酸塩の累積量が重合に使用する全過硫酸塩量の10重量%に達した後、30重量%に至る期間において、過硫酸塩を反応器に連続的に添加することが必須である。
【0027】
重合に使用する過硫酸塩のうち、連続的に添加する以外の部分は、重合反応を停止するまでに、反応器への添加を完了すればよい。反応器に連続的に添加する部分以外の過硫酸塩は、過硫酸塩の連続添加が完了した後に、反応器に添加することが好ましい。この添加の方法は、一括でも分割でもよい。
【0028】
過硫酸塩を連続添加している間の添加速度は、連続添加の開始から完了に亘り、ほぼ一定でも、連続的または段階的に変化させてもよい。
【0029】
過硫酸塩の添加は、反応器に添加された単量体の累積量が、重合に使用する全単量体量の15重量%、好ましくは10重量%に達する以前に、開始することが好ましい。反応器に添加された単量体の累積量が、重合に使用する全単量体量の15重量%を超えた後に、過硫酸塩の添加を開始すると、重合時に微細凝集物が発生しやすい傾向にある。
【0030】
本発明の方法においては、少なくとも反応器に添加される過硫酸塩の累積量が重合に使用する全過硫酸塩量の10重量%に達した後、30重量%に至る期間において、単量体を反応器に連続的に添加することが必須である。即ち、この期間においては、過硫酸塩と単量体の両者が連続的に反応器に添加される。
【0031】
本発明の方法においては、反応器に添加される過硫酸塩の累積量が重合に使用する全過硫酸塩量の10重量%に達した後、30重量%に至る期間において、過硫酸塩の単位時間あたりの添加速度に対する単量体の単位時間あたりの添加速度の比が1を超え、50未満の範囲にあることが必須である。ここで、単位時間とは、1分間を目安とする。
この比は、2〜40の範囲にあることが好ましく、3〜35の範囲にあることがより好ましい。この比が小さいても大きくても、重合時に微細凝固物が発生しやすく、紙塗被用に使用した場合に、塗工紙の表面強度と耐ブリスター性のバランスに劣る。
【0032】
単量体は、重合に使用する全単量体の50重量%以上、好ましくは70重量%以上を、反応器に連続的に添加することが好ましい。
反応器に連続的に添加される部分以外の単量体は、単量体の連続添加を開始する前に、予め反応器に添加しても、単量体の連続添加が完了した後に、一括または分割で反応器に添加しても、さらに、単量体の連続添加を開始する前に、予め、その一部を反応器に添加し、単量体の連続添加が完了した後に、さらにその残りを反応器に添加してもよい。
【0033】
単量体を連続添加している間の添加速度は、連続添加の開始から完了に亘り、ほぼ一定であることが好ましいが、連続的または段階的に変化させてもよい。また、単量体を添加する際の単量体組成は、均一でも、連続的または段階的に変化させてもよい。
【0034】
単量体の添加の開始と過硫酸塩の添加の開始は、ほぼ同時とすることが好ましいが、前述の条件を満足する限り、単量体の添加の開始より先に過硫酸塩の添加を開始しても、過硫酸塩の添加の開始より先に単量体の添加を開始してもよい。
【0035】
単量体の添加の完了時期と過硫酸塩の添加の完了時期の早晩は、特に限定されず、単量体の添加の完了より先に過硫酸塩の添加を完了しても、過硫酸塩の添加の完了より先に単量体の添加を完了してもよい。
【0036】
本発明の製造方法においては、本発明の効果を本質的に損なわない限り、シードラテックス粒子を用いてもよい。この場合、シードラテックス粒子を、重合に使用する単量体100重量部に対して、固形分で5重量部以下、好ましくは2重量部以下の比率で用いるのが好ましく、通常、重合反応を開始する前に反応器に添加する。しかしながら、得られる塗工紙の表面強度と耐ブリスター性のバランスをより改善できる点で、シードラテックス粒子を使用しないで、単量体を乳化重合することが特に好ましい。
【0037】
界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤;ポリエチレングリコールアルキルエーテル型、ポリエチレングリコールアルキルエステル型、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル型などのノニオン性界面活性剤;などを挙げることができる。これらの界面活性剤は、それぞれ単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、アニオン性界面活性剤が好ましく使用できる。
【0038】
界面活性剤の使用量は、使用する界面活性剤の種類により異なるが、全単量体100重量部に対して、好ましくは0.2〜4重量部、より好ましくは0.3〜3重量部である。この量が少ないと、重合時に微細凝固物が発生しやすい傾向があり、紙塗被用に用いた場合、塗工紙の表面強度に劣る傾向があり、逆に多いと、紙塗被用組成物を調製した際に泡立ちが多い等の新たな問題が発生する。
【0039】
界面活性剤の使用方法は、反応器に全量を添加した後、過硫酸塩の添加を開始しても、反応器に重合に使用する界面活性剤の一部を添加した後、過硫酸塩の添加を開始し、その後、残部を反応器に添加しても、過硫酸塩の添加を開始した後に全量を添加してもよい。
なかでも、反応器に重合に使用する界面活性剤の一部を添加した後、過硫酸塩の添加を開始し、その後、残部を反応器に添加することが好ましい。この場合、反応器に、重合に使用する単量体100重量部に対して、界面活性剤0.2〜2.5重量部、好ましくは0.3〜1.5重量部を添加した後、過硫酸塩の添加を開始することが好ましい。このような方法を採用すると、重合時の微細凝集物の発生を抑制して、得られた重合体ラテックスを塗被用に用いた場合、表面強度と耐ブリスターとのバランスにより優れる塗工紙が得られる。
【0040】
過硫酸塩の添加を開始した後に、添加する界面活性剤は、連続的に添加しても、一括でまたは分割で添加してもよい。また、連続的に添加する場合、単量体とは別に添加しても、単量体、水および界面活性剤とからなる単量体乳化物の形態で添加してもよい。
【0041】
本発明の製造方法においては、上記の添加方法を除き、乳化重合において従来用いられる方法を採用すればよい。
【0042】
本発明の製造方法においては、重合体ラテックスを構成する重合体のテトラヒドロフラン不溶解分の量を調節する目的で、分子量調整剤を使用することが好ましい。
【0043】
分子量調整剤としては、例えば、α−メチルスチレンダイマー;t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、塩化メチレン、臭化メチレン等のハロゲン化炭化水素;テトラエチルチウラムダイサルファイド、ジペンタメチレンチウラムダイサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンダイサルファイド等の含硫黄化合物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種類以上組み合わせて併用することもできる。なかでも、α−メチルスチレンダイマーおよびt−ドデシルメルカプタンが好ましく使用できる。
分子量調整剤の使用量は、重合に使用する全単量体100重量部あたり、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.4〜4重量部である。この範囲で使用すると、紙塗被用に使用した場合、表面強度と耐ブリスター性のバランスにより優れる塗工紙が得られる。
【0044】
分子量調整剤の使用方法としては、連続的に、一括でまたは分割で、反応器に添加する方法が採用できる。なかでも、反応器に連続添加する方法が好ましく、連続添加する単量体に混合して、反応器に連続添加する方法がより好ましく採用できる。
【0045】
重合開始剤としては、本発明の効果を本質的に損なわない限り、上記の過硫酸塩以外のものを併用してもよい。その具体例としては、例えば、過リン酸カリウム、過酸化水素などの等の過硫酸塩以外の無機過酸化物;t−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレートなどの有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチルなどのアゾ化合物;が挙げられる。
無機過酸化物および有機過酸化物は、重亜硫酸ナトリウム、第1鉄塩、ソジウムホルムアルデヒドスルフォキシレート等の還元剤と組み合わせて、レドックス系重合開始剤として使用することもできる。
【0046】
乳化重合に用いる水の量は、単量体100重量部に対して、通常、50〜500重量部、好ましくは60〜300重量部、より好ましくは70〜200重量部である。この量が少ないと、重合時に微細凝集物が発生しやすくなる傾向にあり、逆に多いと重合体ラテックスの生産性に劣る傾向がある。
【0047】
本発明の製造方法においては、必要に応じて、酸素捕捉剤、キレート剤、分散剤、pH調整剤等の従来公知の重合副資材を用いることができ、これらは種類、使用量とも特に限定されない。
【0048】
重合温度は、通常、0〜95℃、好ましくは40〜90℃である。
【0049】
上記のように単量体を重合した後、重合反応を停止し、所望により、未反応の単量体を除去し、pHおよび固形分濃度を調整して、重合体ラテックスを得る。重合反応を停止する際の重合転化率は、重合に使用する全単量体に対して、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上である。
【0050】
本発明の製造方法は、重量平均粒子径が150nm以下、好ましくは40〜120nm、より好ましくは50〜95nmの重合体ラテックスを製造するのに好適に使用できる。
また、本発明の製造方法は、重合体ラテックスを構成する重合体のテトラヒドロフラン不溶解分の量が20〜95重量%、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜85重量%の重合体ラテックスを製造するのに好適に使用できる。
【0051】
本発明の重合体ラテックスは、上記の方法で製造されてなる。
【0052】
本発明の重合体ラテックスには、さらに、所望により、分散剤、老化防止剤、消泡剤、防腐剤、抗菌剤、紫外線吸収剤などを添加してもよい。
【0053】
本発明の重合体ラテックスは、例えば、紙塗被用、カーペットバックサイジング用、不織布や人工皮革などの繊維結合用、または、各種材料の粘接着剤用のバインダー成分として使用できる。なかでも、紙塗被用のバインダー成分として好適に使用できる。
【0054】
本発明の紙塗被用組成物は、上記の重合体ラテックスおよび顔料を含んでなる。
顔料としては、例えば、クレー、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、サチンホワイト等などの無機顔料;中空プラスチックピグメント、密実プラスチックピグメント、バインダーピグメントなどの有機顔料などが挙げられる。
重合体ラテックスと顔料との比率は、顔料100重量部に対して、重合体ラテックスの固形分量が、通常、1重量部以上、好ましくは3〜25重量部の範囲にある。
【0055】
紙塗被用組成物には、必要に応じて、さらに水溶性高分子、pH調整剤、顔料分散剤、耐水化剤、消泡剤、染料、滑剤、有機溶剤などを配合することができる。
【0056】
通常、上記紙塗被用組成物を紙に塗工し、乾燥して塗工紙を得る。塗工できる紙としては、板紙、洋紙いずれでもよい。また、紙の形態は、連続的に塗工できる点から、帯状に巻いた形状のものが好適である。
塗工は、紙の片面のみ、または両面に施される。また、2層以上の多層塗工を施してもよい。
【0057】
塗工の方法は特に限定されず、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、ショートドウェルコーターなどの塗工装置を用いて塗工する。
紙塗工用組成物の塗工量は、固形分換算で、通常、片面あたり、3〜30g/m2、好ましくは5〜25g/m2になる範囲である。
【0058】
【実施例】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例、比較例における部及び%は、特に断りがない限り、重量基準である。
【0059】
重合時の凝集物発生量、重合体ラテックスの数平均粒子径およびテトラヒドロフラン不溶解分の量は以下の方法で測定した。
(凝集物量)
固形分重量300gに相当する量の重合後の重合体ラテックスを400メッシュの金網で濾過した後、凝集物を脱イオン水で洗浄する。凝集物を105℃の乾燥機内に入れて2時間乾燥させる。乾燥後、凝集物の重量を測定し、濾過前の重合体ラテックスの固形分重量に対する百万分率(ppm)で示す。
【0060】
(重量平均粒子径)
透過型電子顕微鏡を用いて、重合体ラテックス粒子200個の粒子径を測定して、その重量平均値(nm)で示す。
(重合体のテトラヒドロフラン[THF]不溶解分の量)
重合体ラテックスのpHを8に調整した後、枠付きガラス板に流延し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室に48時間放置して乾燥してフィルムを得た。このフィルム0.3gを80メッシュの金網のかごに入れて、それを20℃のテトラヒドロフラン100mlに48時間浸漬した後、金網のかごに残るフィルムを100℃で減圧乾燥し、残存割合(%)を求め、THF不溶解分の量とする。
【0061】
塗工紙の評価方法は以下のとおりである。
(ドライピック強度)
印刷インク(タック値20)0.4cm3をRI印刷試験機(明石製作所社製)のゴムロールに付着させた後、このRI印刷試験機(明石製作所社製)を用いて塗工紙に4回重ね刷りした。紙面の剥がれ(ピッキング)状態を観察し5点法で評価し。点数が高いほど、ドライピック強度に優れる。
【0062】
(ウェットピック強度)
塗工紙に、モルトンロールで水を塗布し、次に印刷インク(タック値14)0.4cm3をゴムロールに付着させたRI印刷試験機を用いてベタ刷りした。紙面の剥がれ(ピッキング)状態をドライピック強度の評価方法と同様にして5点法で評価した。点数が高いほど、ウェットピック強度に優れる。
【0063】
(耐ブリスター性)
RI印刷試験機を用いて塗工紙の両面に、それぞれ、印刷インク(大日本インキ化学工業(株)製、Web Zett黄)0.3cm3をベタ刷りした。この塗工紙を温度25℃、相対湿度65%の雰囲気下に12時間放置した後、適当な大きさに裁断して試験片とした。この試験片を、5℃刻みの所定温度に加熱したシリコンオイルバスに浸漬して、ブリスターが発生する最低温度を測定した。この温度が高いほど、耐ブリスター性に優れる。
【0064】
(実施例1)
耐圧容器に、脱イオン水47部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(ペレックスSS−H;花王(株)製)0.3部、1,3−ブタジエン48部、スチレン15部、メタクリル酸メチル9部、アクリロニトリル24部、アクリル酸1.3部、アクリルアミド1.2部、t−ドデシルメルカプタン0.8部、α−メチルスチレンダイマー1.2部を添加し、混合して、単量体乳化物(重合に使用する単量体全量の98.5重量%の単量体を含む。)を調製した。
耐圧反応器に、脱イオン水80部、イタコン酸1.5部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(ペレックスSS−H;花王(株)製)0.7部を添加し、攪拌しながら、70℃に昇温した後、70℃を維持しながら、上記の単量体乳化物を270分間にわたり、均一の添加速度で反応器に連続添加した。
単量体乳化物の連続添加を開始して5分間経過した後、過硫酸カリウム0.7部(重合に使用する全過硫酸塩量の70重量%に相当する。)を含有する水溶液を、15分間にわたり、均一の添加速度で反応器に連続添加(過硫酸塩の第1段連続添加)した。
ここで、反応器に連続添加された過硫酸塩の累積量が重合に使用する全過硫酸塩量の10重量%から30重量%に至る期間(過硫酸塩の連続添加の開始後、約2分間経過した時点から、約4分間の時間に相当する。)において、過硫酸塩の連続添加速度に対する単量体の連続添加速度の比は、7.8であった。
【0065】
過硫酸塩の第1段連続添加が終了した後、引き続き、過硫酸カリウム0.3部(重合に使用する全過硫酸塩量の30重量%に相当する。)を含有する水溶液を、250分間にわたり、均一の添加速度で反応器に連続添加(過硫酸塩の第2段連続添加)した。
単量体乳化物の連続添加が終了した後、反応温度を85℃に昇温し、さらに4時間反応させた。その後、室温まで冷却し、重合反応を停止した。この時の重合転化率は97%であった。重合後の重合体ラテックス中の凝集物量を測定し、結果を表1に示す。
【0066】
次いで、未反応単量体を除去した後、pHと固形分濃度を調整し、ラテックスpH8、固形分濃度50%の重合体ラテックスAを得た。このラテックスの重量平均粒子径とテトラヒドロフラン不溶解分を測定し、結果を表1に示す。
【0067】
(実施例2および3)
重合処方を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様に行い、重合体ラテックスBおよびCを得た。結果を表1に示す。なお、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムとしては、ネオペレックスG−25(花王(株)製)を用いた。
【0068】
(比較例1)
重合処方を表1に示すように変更し、単量体乳化物の連続添加を開始して5分間経過した後、過硫酸カリウム1部(重合に使用する過硫酸塩の全量)を含有する水溶液を、270分間にわたり、均一の添加速度で反応器に連続添加(過硫酸塩の第1段連続添加)する以外は、実施例1と同様に行い、重合体ラテックスDを得た。
ここで、反応器に連続添加された過硫酸塩の累積量が重合に使用する全過硫酸塩量の10重量%から30重量%に至る期間(過硫酸塩の連続添加の開始後、27分間経過した時点から、54分間の時間に相当する。)において、過硫酸塩の連続添加速度に対する単量体の連続添加速度の比は、98.6であった。
結果を表1に示す。
【0069】
(比較例2)
重合処方を表1に示すように変更し、単量体乳化物の連続添加を開始して5分間経過した後、過硫酸カリウム1部(重合に使用する過硫酸塩の全量)を含有する水溶液を、2分間にわたり、均一の添加速度で反応器に連続添加(過硫酸塩の第1段連続添加)する以外は、実施例1と同様に行い、重合体ラテックスEを得た。
ここで、反応器に連続添加された過硫酸塩の累積量が重合に使用する過硫酸塩の10重量%から30重量%に至る期間(過硫酸塩の連続添加の開始後、12秒間経過した時点から、24秒間の時間に相当する。)、過硫酸塩の連続添加速度に対する単量体の連続添加速度の比は、0.73であった。
結果を表1に示す。
【0070】
(比較例3)
以下に示すように、重合に使用する単量体、過硫酸塩およびその他の原料の全量を反応器に仕込んだ後、重合反応を開始した。
耐圧反応器に、脱イオン水180部、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ネオペレックスG−25;花王(株)製)4.5部、1,3−ブタジエン28部、スチレン17部、メタクリル酸メチル35部、アクリロニトリル15部、イタコン酸3.7部、アクリルアミド1.3部、t−ドデシルメルカプタン0.7部、α−メチルスチレンダイマー1.8部、および過硫酸カリウム1部を添加し、攪拌しながら、55℃に昇温して重合反応を開始した。
重合転化率が50%に達した後、反応温度を70℃に昇温し、次いで、重合転化率が75%に達した後、反応温度を85℃に昇温し、さらに5時間反応させた。
その後、室温まで冷却し、重合反応を停止した。この時の重合転化率は97%であった。重合後の重合体ラテックス中の凝集物量を測定したところ、2580ppmであった。
【0071】
次いで、未反応単量体を除去した後、pHと固形分濃度を調整し、ラテックスpH8、固形分濃度50%の重合体ラテックスFを得た。このラテックスの数平均粒子径は60nm,テトラヒドロフラン不溶解分は65%であった。
【0072】
【表1】
【0073】
(実施例4)
前記重合体ラテックスAを固形分として10部、1級クレー(エンゲルハルド社製、ウルトラホワイト90)40部、2級クレー(エンゲルハルド社製、ウルトラコート)30部、重質炭酸カルシウム(ECC社製、Carbital−90)30部、分散剤(東亜合成社製、アロンT−40)0.2部、水酸化ナトリウム0.15部及び酸化デンプン3部を混合して攪拌し、固形分濃度65%、pH10に調整して紙塗被用組成物を得た。
この紙塗被用組成物を上質紙に塗工量が片面あたり15g/m2となるように両面に塗工し、それぞれ、塗工直後に120℃の熱風で10秒間乾燥し、温度20℃、相対湿度65%の恒温恒湿室内に一夜放置した。その後、温度50℃、線圧100Kg/cmの条件で2回スーパーカレンダー処理を行って塗工紙を得た。この塗工紙の評価結果を表2に示す。
【0074】
(実施例5および6)
重合体ラテックスAに代えて、それぞれ重合体ラテックスBおよびCを用いた以外は、実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
【0075】
(比較例4〜6)
重合体ラテックスAに代えて、それぞれ重合体ラテックスD〜Fを用いた以外は、実施例4と同様に行った。結果を表2に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
以上の実施例および比較例から以下のようなことがわかる。
過硫酸塩の連続添加速度に対する単量体の連続添加速度の比が本発明で規定する範囲より大きい比較例1は、重合時の微細凝固物の発生量が多く、得られた重合体ラテックスDを用いて製造した比較例4の塗工紙は、表面強度と耐ブリスター性とのバランスに劣る。
過硫酸塩の連続添加速度に対する単量体の連続添加速度の比が本発明で規定する範囲より小さい比較例2は、重合時の微細凝固物の発生量が多く、重合体ラテックスの数平均粒子径が大きくなっており、得られた重合体ラテックスEを用いて製造した比較例5の塗工紙は、表面強度と耐ブリスター性とのバランスに劣る。
単量体、過硫酸塩およびその他の原料を反応器に全量添加した後、重合を開始する比較例3は、重合時の微細凝固物の発生量が極めて多く、得られた重合体ラテックスFを用いて製造した比較例6の塗工紙は、表面強度と耐ブリスター性とのバランスに劣る。
【0078】
これらの比較例に比べ、本発明で規定する範囲内で製造する実施例1〜3は、重合時の微細凝固物の発生量が極めて少なく、得られた重合体ラテックスA〜Cを用いて製造した実施例4〜6の塗工紙は、表面強度と耐ブリスター性とのバランスに優れている。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、表面強度と耐ブリスター性とのバランスに優れる塗工紙を与え得る重合体ラテックス、重合時に微細凝集物の発生を抑制しながら製造し得る該重合体ラテックスの製造方法および該重合体ラテックスを含む紙塗被用組成物が提供される。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polymer latex, a method for producing the same, and a paper coating composition, and more specifically, a polymer latex capable of providing a coated paper having an excellent balance between surface strength and blister resistance, and the polymer latex. The present invention relates to a production method that can be produced while suppressing the occurrence of fine aggregates during polymerization, and a paper coating composition containing the polymer latex.
[0002]
[Prior art]
In recent years, a conjugated diene monomer / ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer for paper coating having a small particle diameter of 100 nm or less in order to increase the speed of the coating machine and increase the strength of the coated paper. There is an increasing demand for copolymer latex. In order to control the particle size, a method of polymerizing using polymer latex particles having a particle size smaller than that of the target polymer latex as seed latex particles is widely used.
[0003]
For example, JP-A-2-235906 discloses a cross-linked polymer obtained by copolymerizing an ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer, a cross-linkable monomer and other monomers copolymerizable therewith. A method of polymerizing using latex particles as seed latex particles is disclosed in JP-A-5-32710 in which a monomer mixture containing 1 to 20% by weight of an ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer is copolymerized. A method of polymerizing by using polymer latex particles having a particle diameter of 10 to 30 nm obtained as seed latex particles is disclosed.
However, using seed latex particles of the same particle size, if the particle size of the target polymer latex is made smaller, the composition ratio of the seed latex particles in the obtained polymer latex particles increases, resulting in There are problems that the surface strength of coated paper produced using the polymer latex decreases and blister resistance deteriorates.
[0004]
On the other hand, a polymer latex having a particle diameter of 100 nm or less can be directly produced using a relatively large amount of a surfactant without using seed latex particles. However, when the polymer latex obtained by such a method is used, the obtained coated paper is excellent in blister resistance, but the surface strength in the wet state (wet pick strength) due to the influence of the surfactant. ). In addition, since the polymerization stability is insufficient during the production of the polymer latex, fine agglomerates are generated, which causes problems during coating.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, a polymer latex capable of providing a coated paper having a good balance between surface strength and blister resistance, a method for producing the polymer latex capable of being produced while suppressing the occurrence of fine aggregates during polymerization, and the polymer latex There has been a need for a paper coating composition comprising:
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have obtained a specific amount of monomer and persulfate in a specific method, without using seed latex particles. It was found that the above-mentioned problems can be achieved by continuously adding to the present invention, and the present invention has been completed based on this finding.
[0007]
Thus, according to the present invention, when 0.1 to 5 parts by weight of persulfate is used for emulsion polymerization of 100 parts by weight of monomer, about 30% by weight or more of the total amount of persulfate used for polymerization, It is essential that the addition be performed continuously, and at least after the cumulative amount of persulfate added to the reactor reaches 10% by weight of the total persulfate used in the polymerization, it is reduced to 30% by weight. In each period, monomer and persulfate are continuously added to the reactor, and the addition rate of monomer per unit time relative to the addition rate of persulfate per unit time in this period There is provided a method for producing a polymer latex, wherein the addition rate of both is adjusted so that the ratio is in the range of more than 1 and less than 50.
[0008]
Moreover, according to this invention, the polymer latex manufactured by said method is provided.
Furthermore, according to this invention, the composition for paper coating which comprises said polymer latex and a pigment is provided.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
In the method for producing a polymer latex of the present invention, 100 parts by weight of a monomer is emulsion polymerized using 0.1 to 5 parts by weight of a persulfate.
[0010]
Although it does not specifically limit as a monomer used for this invention, For example, a conjugated diene monomer, an ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer, an aromatic vinyl monomer, and other single monomer copolymerizable with these The body is mentioned. These can be used alone or in combination of two or more.
[0011]
Examples of the conjugated diene monomer include 1,3-butadiene, isoprene, 2,3-dimethyl-1,3-butadiene, 2-ethyl-1,3-butadiene, 1,3-pentadiene and chloroprene. be able to. These can be used alone or in combination of two or more. Of these, 1,3-butadiene can be preferably used.
[0012]
Although the usage-amount of a conjugated diene monomer is not specifically limited, Preferably it is 10 to 70 weight% of all the monomers, More preferably, it is 15 to 65 weight%, Especially preferably, it is 20 to 50 weight%. When the conjugated diene monomer is used within this range, a coated paper having an excellent balance between surface strength and blister resistance can be obtained when used for paper coating.
[0013]
Examples of the ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer include ethylenically unsaturated monocarboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, and crotonic acid; and ethylenically unsaturated monomers such as fumaric acid, maleic acid, itaconic acid, and butenetricarboxylic acid. Examples thereof include polycarboxylic acids; partially esterified products of ethylenically unsaturated polyvalent carboxylic acids such as monoethyl maleate and monomethyl itaconate. These can be used alone or in combination of two or more. Of these, acrylic acid, methacrylic acid and itaconic acid can be preferably used.
[0014]
The amount of the ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer used is not particularly limited, but is preferably 0.5 to 25% by weight of the total monomer, more preferably 1 to 20% by weight, and particularly preferably 1.5 to 10% by weight. When the ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer is used within this range, the generation of fine aggregates during polymerization tends to be suppressed, and the viscosity of the obtained polymer latex is moderate and easy to handle, and stirring is performed. The generation of large amounts of coarse agglomerates at the time of transporting or transporting is also suppressed.
[0015]
Examples of the aromatic vinyl monomer include styrene, vinyl toluene, chlorostyrene, hydroxymethylstyrene, and the like. Of these, styrene can be preferably used.
[0016]
Although the usage-amount of an aromatic vinyl monomer is not specifically limited, Preferably it is 5 to 60 weight% of all the monomers, More preferably, it is 10 to 50 weight%, Especially preferably, it is 15 to 45 weight%. When the aromatic vinyl monomer is used within this range, a coated paper having an excellent balance between surface strength and blister resistance can be obtained when used for paper coating.
[0017]
Examples of other monomers copolymerizable with the above monomers include, for example, ethylenically unsaturated carboxylic acid ester monomers, ethylenically unsaturated carboxylic acid amide monomers, and ethylenically unsaturated nitrile monomers. And a crosslinkable monomer.
[0018]
Specific examples of the ethylenically unsaturated carboxylic acid ester monomer include, for example, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, propyl (meth) acrylate, butyl (meth) acrylate, and (meth) acrylic. 2-ethylhexyl acid, trifluoroethyl (meth) acrylate, tetrafluoropropyl (meth) acrylate, dibutyl maleate, dibutyl fumarate, diethyl maleate, methoxymethyl (meth) acrylate, ethoxy (meth) acrylate Examples include ethyl, methoxyethoxyethyl (meth) acrylate, 2-cyanoethyl (meth) acrylate, hydroxyethyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, and the like. Of these, methyl (meth) acrylate is preferred.
[0019]
Specific examples of the ethylenically unsaturated carboxylic acid amide monomer include (meth) acrylamide, N-methylol (meth) acrylamide, N, N-dimethyl (meth) acrylamide, N-methoxymethyl (meth) acrylamide and the like. Is mentioned. Of these, (meth) acrylamide is preferred.
[0020]
Specific examples of the ethylenically unsaturated nitrile monomer include (meth) acrylonitrile, fumaronitrile, α-chloroacrylonitrile and the like. Of these, (meth) acrylonitrile is preferable.
[0021]
Specific examples of the crosslinkable monomer include divinylbenzene, polyethylene glycol di (meth) acrylate, polypropylene glycol di (meth) acrylate, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, and the like. Can be mentioned.
[0022]
The amount of the other monomer copolymerizable with the conjugated diene monomer, the ethylenically unsaturated carboxylic acid monomer and the aromatic vinyl monomer is not particularly limited, but is preferably 0% of all monomers. ~ 60% by weight. When the amount used is within this range, a coated paper having an excellent balance of physical properties such as surface strength, blister resistance, and ink adhesion when used for paper coating can be obtained.
[0023]
Examples of the persulfate used in the present invention include potassium persulfate, sodium persulfate, lithium persulfate, and ammonium persulfate. Of these, sodium persulfate, potassium persulfate and ammonium persulfate can be preferably used. Although these persulfates act as polymerization initiators, they may be used as redox polymerization initiators in combination with reducing agents such as sodium bisulfite, ferrous salts, and sodium formaldehyde sulfoxylate. Good.
[0024]
The amount of persulfate used is 0.1 to 5 parts by weight, preferably 0.2 to 4 parts by weight, more preferably 0.5 to 3 parts by weight per 100 parts by weight of the total monomers used for the polymerization. is there. When this amount is small, fine agglomerates are likely to occur during polymerization, and when used for paper coating, the surface strength of the coated paper is inferior, and conversely, when it is large, when used for paper coating, Inferior blister resistance of coated paper.
[0025]
In the method of the present invention, it is essential to continuously add 30% by weight or more, preferably 50% by weight or more, more preferably 70% by weight or more of the total amount of persulfate used for polymerization. .
[0026]
Further, in the method of the present invention, at least during the period from when the cumulative amount of persulfate added to the reactor reaches 10% by weight of the total amount of persulfate used for the polymerization, it reaches 30% by weight. It is essential to add the sulfate continuously to the reactor.
[0027]
Of the persulfate used for the polymerization, the portion other than that added continuously may be added to the reactor before the polymerization reaction is stopped. The persulfate other than the portion continuously added to the reactor is preferably added to the reactor after the continuous addition of the persulfate is completed. This addition method may be batch or divided.
[0028]
The rate of addition during the continuous addition of persulfate may be approximately constant, or may be varied continuously or stepwise from the start to the end of the continuous addition.
[0029]
The persulfate addition is preferably initiated before the cumulative amount of monomer added to the reactor reaches 15% by weight, preferably 10% by weight of the total monomer used in the polymerization. . When the addition of persulfate is started after the cumulative amount of monomers added to the reactor exceeds 15% by weight of the total amount of monomers used for polymerization, fine aggregates are likely to be generated during polymerization. There is a tendency.
[0030]
In the method of the present invention, at least the cumulative amount of persulfate added to the reactor reaches 10% by weight of the total amount of persulfate used for the polymerization and then reaches 30% by weight. It is essential to continuously add to the reactor. That is, during this period, both persulfate and monomer are continuously added to the reactor.
[0031]
In the process of the present invention, after the cumulative amount of persulfate added to the reactor reaches 10% by weight of the total amount of persulfate used in the polymerization, it reaches 30% by weight. It is essential that the ratio of the addition rate per unit time of monomer to the addition rate per unit time is in the range of more than 1 and less than 50. Here, the unit time is 1 minute as a guide.
This ratio is preferably in the range of 2-40, more preferably in the range of 3-35. Whether the ratio is small or large, fine coagulated products are easily generated during polymerization, and when used for paper coating, the balance between the surface strength of the coated paper and the blister resistance is poor.
[0032]
It is preferable that the monomer is continuously added to the reactor in an amount of 50% by weight or more, preferably 70% by weight or more based on the total monomers used for the polymerization.
Monomers other than the part continuously added to the reactor may be added to the reactor in advance before starting the continuous addition of monomers, Alternatively, even if it is added to the reactor in a divided manner, a part of the monomer is added to the reactor in advance before starting the continuous addition of the monomer, and after the continuous addition of the monomer is completed, The rest may be added to the reactor.
[0033]
The addition rate during continuous addition of the monomer is preferably substantially constant from the start to the end of continuous addition, but may be changed continuously or stepwise. Moreover, the monomer composition at the time of adding a monomer may be uniform, or may be changed continuously or stepwise.
[0034]
The start of monomer addition and the start of persulfate addition are preferably almost simultaneous, but as long as the above conditions are satisfied, the addition of persulfate should be started prior to the start of monomer addition. Even if it starts, the addition of the monomer may be started before the start of the addition of the persulfate.
[0035]
There is no particular limitation on the completion time of the addition of the monomer and the early time of the completion time of the addition of the persulfate, and even if the addition of the persulfate is completed prior to the completion of the addition of the monomer The monomer addition may be completed prior to the completion of the addition.
[0036]
In the production method of the present invention, seed latex particles may be used unless the effects of the present invention are essentially impaired. In this case, it is preferable to use the seed latex particles in a ratio of 5 parts by weight or less, preferably 2 parts by weight or less in terms of solid content with respect to 100 parts by weight of the monomer used for the polymerization, and usually the polymerization reaction is started. Add to reactor before starting. However, it is particularly preferable to emulsion-polymerize the monomer without using seed latex particles in that the balance between the surface strength and blister resistance of the coated paper obtained can be further improved.
[0037]
Examples of the surfactant include anionic surfactants such as alkyl benzene sulfonate, alkyl diphenyl ether disulfonate, aliphatic sulfonate, and sulfate ester of higher alcohol; polyethylene glycol alkyl ether type, polyethylene glycol alkyl ester type And nonionic surfactants such as polyethylene glycol alkylphenyl ether type. These surfactants can be used alone or in combination of two or more. Among these, an anionic surfactant can be preferably used.
[0038]
The amount of the surfactant used varies depending on the type of the surfactant to be used, but is preferably 0.2 to 4 parts by weight, more preferably 0.3 to 3 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the total monomers. It is. If this amount is small, fine coagulation tends to occur during polymerization, and when used for paper coating, the surface strength of the coated paper tends to be inferior. When a product is prepared, new problems such as a lot of foaming occur.
[0039]
The surfactant can be used after adding the entire amount to the reactor and then adding the persulfate, or after adding a portion of the surfactant used for polymerization to the reactor, The addition may be started and then the remainder may be added to the reactor or the entire amount may be added after the start of persulfate addition.
Especially, after adding a part of surfactant used for superposition | polymerization to a reactor, it is preferable to start addition of persulfate, and add the remainder to a reactor after that. In this case, after adding 0.2 to 2.5 parts by weight, preferably 0.3 to 1.5 parts by weight of a surfactant to 100 parts by weight of the monomer used for polymerization, It is preferable to start the addition of persulfate. When such a method is adopted, the occurrence of fine aggregates during polymerization is suppressed, and when the obtained polymer latex is used for coating, a coated paper that is superior in balance between surface strength and blister resistance can be obtained. can get.
[0040]
After the start of the persulfate addition, the surfactant to be added may be added continuously, or may be added all at once or in divided portions. Moreover, when adding continuously, you may add separately from a monomer, and may add in the form of the monomer emulsion which consists of a monomer, water, and surfactant.
[0041]
In the production method of the present invention, a method conventionally used in emulsion polymerization may be adopted except for the above addition method.
[0042]
In the production method of the present invention, it is preferable to use a molecular weight modifier for the purpose of adjusting the amount of the tetrahydrofuran-insoluble component of the polymer constituting the polymer latex.
[0043]
Examples of the molecular weight modifier include α-methylstyrene dimer; mercaptans such as t-dodecyl mercaptan, n-dodecyl mercaptan, octyl mercaptan; halogenated hydrocarbons such as carbon tetrachloride, methylene chloride, and methylene bromide; tetraethylthiuram. And sulfur-containing compounds such as disulfide, dipentamethylene thiuram disulfide, and diisopropylxanthogen disulfide. These may be used alone or in combination of two or more. Of these, α-methylstyrene dimer and t-dodecyl mercaptan can be preferably used.
The amount of the molecular weight modifier used is usually 0.1 to 10 parts by weight, preferably 0.2 to 5 parts by weight, more preferably 0.4 to 4 parts by weight per 100 parts by weight of all monomers used for the polymerization. Part. When used in this range, when used for paper coating, a coated paper having an excellent balance between surface strength and blister resistance can be obtained.
[0044]
As a method of using the molecular weight modifier, a method of adding to the reactor continuously, collectively or in a divided manner can be adopted. Especially, the method of adding continuously to a reactor is preferable, and the method of mixing with the monomer added continuously and adding continuously to a reactor can employ | adopt more preferably.
[0045]
As a polymerization initiator, unless the effect of this invention is impaired essentially, you may use things other than said persulfate. Specific examples thereof include inorganic peroxides other than persulfates such as potassium perphosphate and hydrogen peroxide; t-butyl peroxide, cumene hydroperoxide, p-menthane hydroperoxide, di- t-butyl peroxide, t-butyl cumyl peroxide, acetyl peroxide, isobutyryl peroxide, octanoyl peroxide, benzoyl peroxide, 3,5,5-trimethylhexanoyl peroxide, t-butylperoxyisobuty Organic peroxides such as azo compounds; azo compounds such as azobisisobutyronitrile, azobis-2,4-dimethylvaleronitrile, azobiscyclohexanecarbonitrile, and methyl azobisisobutyrate.
Inorganic peroxides and organic peroxides can also be used as redox polymerization initiators in combination with reducing agents such as sodium bisulfite, ferrous salts, and sodium formaldehyde sulfoxylate.
[0046]
The amount of water used for emulsion polymerization is usually 50 to 500 parts by weight, preferably 60 to 300 parts by weight, and more preferably 70 to 200 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the monomer. If this amount is small, fine aggregates tend to be generated during polymerization, and conversely if it is large, the productivity of polymer latex tends to be poor.
[0047]
In the production method of the present invention, conventionally known polymerization auxiliary materials such as an oxygen scavenger, a chelating agent, a dispersant, and a pH adjuster can be used as needed, and these are not particularly limited in terms of type and amount used. .
[0048]
The polymerization temperature is usually 0 to 95 ° C, preferably 40 to 90 ° C.
[0049]
After polymerizing the monomer as described above, the polymerization reaction is stopped, and if desired, the unreacted monomer is removed, and the pH and solid content concentration are adjusted to obtain a polymer latex. The polymerization conversion rate when the polymerization reaction is stopped is preferably 90% by weight or more, more preferably 95% by weight or more based on the total amount of monomers used for the polymerization.
[0050]
The production method of the present invention can be suitably used for producing a polymer latex having a weight average particle diameter of 150 nm or less, preferably 40 to 120 nm, more preferably 50 to 95 nm.
In addition, the production method of the present invention is a polymer in which the amount of insoluble tetrahydrofuran in the polymer constituting the polymer latex is 20 to 95% by weight, preferably 30 to 90% by weight, more preferably 40 to 85% by weight. It can be suitably used to produce a latex.
[0051]
The polymer latex of the present invention is produced by the above method.
[0052]
If desired, the polymer latex of the present invention may further contain a dispersant, an anti-aging agent, an antifoaming agent, an antiseptic, an antibacterial agent, an ultraviolet absorber and the like.
[0053]
The polymer latex of the present invention can be used, for example, as a binder component for paper coating, carpet back sizing, fiber bonding such as nonwoven fabric or artificial leather, or adhesive for various materials. Especially, it can be conveniently used as a binder component for paper coating.
[0054]
The paper coating composition of the present invention comprises the above polymer latex and a pigment.
Examples of the pigment include inorganic pigments such as clay, barium sulfate, calcium carbonate, talc, titanium oxide, and satin white; organic pigments such as a hollow plastic pigment, a solid plastic pigment, and a binder pigment.
The ratio of the polymer latex to the pigment is such that the solid content of the polymer latex is usually 1 part by weight or more, preferably 3 to 25 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the pigment.
[0055]
If necessary, the composition for paper coating can further contain a water-soluble polymer, a pH adjuster, a pigment dispersant, a water-resistant agent, an antifoaming agent, a dye, a lubricant, an organic solvent, and the like.
[0056]
Usually, the paper coating composition is applied to paper and dried to obtain a coated paper. The paper that can be coated may be either paperboard or western paper. Moreover, the form of the paper is preferably a shape wound in a belt shape from the viewpoint that it can be applied continuously.
The coating is applied to only one side or both sides of the paper. Moreover, you may give multilayer coating of two or more layers.
[0057]
The coating method is not particularly limited. For example, the coating is performed using a coating apparatus such as a blade coater, a roll coater, an air knife coater, or a short dwell coater.
The coating amount of the paper coating composition is usually 3 to 30 g / m per side in terms of solid content. 2 , Preferably 5 to 25 g / m 2 It is a range to become.
[0058]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples. In addition, the part and% in an Example and a comparative example are a basis of weight unless there is particular notice.
[0059]
The amount of aggregates generated during polymerization, the number average particle diameter of the polymer latex, and the amount of insoluble tetrahydrofuran were measured by the following methods.
(Aggregate amount)
The polymer latex after polymerization in an amount corresponding to a solid content of 300 g is filtered through a 400-mesh wire mesh, and the aggregate is washed with deionized water. The agglomerates are placed in a dryer at 105 ° C. and dried for 2 hours. After drying, the weight of the agglomerate is measured and expressed in parts per million (ppm) with respect to the solid content weight of the polymer latex before filtration.
[0060]
(Weight average particle diameter)
Using a transmission electron microscope, the particle diameter of 200 polymer latex particles is measured and indicated by its weight average value (nm).
(Amount of polymer insoluble in tetrahydrofuran [THF])
After adjusting the pH of the polymer latex to 8, the polymer latex was cast on a framed glass plate and left in a constant temperature and humidity chamber at a temperature of 20 ° C. and a relative humidity of 65% for 48 hours to obtain a film. After 0.3 g of this film was put into an 80-mesh wire mesh basket and immersed in 100 ml of tetrahydrofuran at 20 ° C. for 48 hours, the film remaining in the wire mesh cage was dried under reduced pressure at 100 ° C. to determine the remaining ratio (%). Determine the amount insoluble in THF.
[0061]
The evaluation method of the coated paper is as follows.
(Dry pick strength)
Printing ink (tack value 20) 0.4cm Three Was attached to a rubber roll of an RI printing tester (manufactured by Akashi Seisakusho Co., Ltd.), and overprinted four times on coated paper using this RI printing tester (manufactured by Akashi Seisakusho Co., Ltd.). Observe the state of peeling (picking) of the paper and evaluate it using the 5-point method. The higher the score, the better the dry pick strength.
[0062]
(Wet pick strength)
Water is applied to the coated paper with a molton roll, and then printing ink (tack value 14) 0.4 cm Three Was solid-printed using a RI printing tester with a rubber roll attached thereto. The peeled (picking) state of the paper surface was evaluated by the 5-point method in the same manner as the dry pick strength evaluation method. The higher the score, the better the wet pick strength.
[0063]
(Blister resistance)
Printing ink (Dainippon Ink Chemical Co., Ltd., Web Zett Yellow) 0.3cm on both sides of coated paper using RI printing tester Three Was printed solid. The coated paper was allowed to stand for 12 hours in an atmosphere at a temperature of 25 ° C. and a relative humidity of 65%, and then cut into an appropriate size to obtain a test piece. This test piece was immersed in a silicon oil bath heated to a predetermined temperature in increments of 5 ° C., and the lowest temperature at which blisters were generated was measured. The higher this temperature, the better the blister resistance.
[0064]
Example 1
In a pressure vessel, 47 parts of deionized water, 0.3 parts of alkyl diphenyl ether disulfonate (Perex SS-H; manufactured by Kao Corporation), 48 parts of 1,3-butadiene, 15 parts of styrene, 9 parts of methyl methacrylate, 24 parts of acrylonitrile, 1.3 parts of acrylic acid, 1.2 parts of acrylamide, 0.8 part of t-dodecyl mercaptan and 1.2 parts of α-methylstyrene dimer are added and mixed to form a monomer emulsion (polymerization). 98.5% by weight of monomer based on the total amount of monomers used in the above.
To a pressure-resistant reactor, 80 parts of deionized water, 1.5 parts of itaconic acid, 0.7 parts of alkyl diphenyl ether disulfonate (Perex SS-H; manufactured by Kao Corporation) were added and the mixture was stirred at 70 ° C. After raising the temperature, the above monomer emulsion was continuously added to the reactor at a uniform addition rate over 270 minutes while maintaining 70 ° C.
After 5 minutes from the start of continuous addition of the monomer emulsion, an aqueous solution containing 0.7 part of potassium persulfate (corresponding to 70% by weight of the total amount of persulfate used for the polymerization) Over 15 minutes, continuous addition (persulfate first stage addition of persulfate) was made to the reactor at a uniform addition rate.
Here, a period in which the cumulative amount of persulfate continuously added to the reactor reaches 10 to 30% by weight of the total amount of persulfate used for the polymerization (after the start of continuous addition of persulfate, about 2%). The ratio of the continuous addition rate of the monomer to the continuous addition rate of the persulfate was 7.8 at a time corresponding to a time of about 4 minutes from the time when the minute passed.
[0065]
After the first-stage continuous addition of persulfate was completed, an aqueous solution containing 0.3 part of potassium persulfate (corresponding to 30% by weight of the total amount of persulfate used for polymerization) was continuously added for 250 minutes. Over the course of the reactor (continuous addition of persulfate in the second stage) at a uniform addition rate.
After the continuous addition of the monomer emulsion was completed, the reaction temperature was raised to 85 ° C. and further reacted for 4 hours. Then, it cooled to room temperature and stopped the polymerization reaction. The polymerization conversion rate at this time was 97%. The amount of aggregates in the polymer latex after polymerization was measured, and the results are shown in Table 1.
[0066]
Next, after removing the unreacted monomer, the pH and solid content concentration were adjusted to obtain a polymer latex A having a latex pH of 8 and a solid content concentration of 50%. The latex was measured for weight average particle size and tetrahydrofuran insoluble matter, and the results are shown in Table 1.
[0067]
(Examples 2 and 3)
Polymer latexes B and C were obtained in the same manner as in Example 1 except that the polymerization formulation was changed as shown in Table 1. The results are shown in Table 1. In addition, as a sodium alkylbenzene sulfonate, Neoperex G-25 (manufactured by Kao Corporation) was used.
[0068]
(Comparative Example 1)
An aqueous solution containing 1 part of potassium persulfate (total amount of persulfate used for polymerization) after 5 minutes have passed after the polymerization recipe was changed as shown in Table 1 and continuous addition of the monomer emulsion was started. Was carried out in the same manner as in Example 1 except that continuous addition to the reactor was performed at a uniform addition rate over the 270 minutes (persulfate first-stage continuous addition) to obtain a polymer latex D.
Here, a period in which the cumulative amount of persulfate continuously added to the reactor reaches 10 to 30% by weight of the total amount of persulfate used for the polymerization (27 minutes after the start of continuous addition of persulfate) In this case, the ratio of the continuous addition rate of the monomer to the continuous addition rate of persulfate was 98.6.
The results are shown in Table 1.
[0069]
(Comparative Example 2)
An aqueous solution containing 1 part of potassium persulfate (total amount of persulfate used for polymerization) after 5 minutes have passed after the polymerization recipe was changed as shown in Table 1 and continuous addition of the monomer emulsion was started. Was carried out in the same manner as in Example 1 except that continuous addition to the reactor was carried out at a uniform addition rate for 2 minutes (persulfate first-stage continuous addition) to obtain a polymer latex E.
Here, a period in which the cumulative amount of persulfate continuously added to the reactor reaches from 10 wt% to 30 wt% of the persulfate used for the polymerization (12 seconds have elapsed after the start of the continuous addition of persulfate. From the time point, this corresponds to a time of 24 seconds.) The ratio of the continuous monomer addition rate to the persulfate continuous addition rate was 0.73.
The results are shown in Table 1.
[0070]
(Comparative Example 3)
As shown below, after the monomers, persulfate and other raw materials used for the polymerization were charged into the reactor, the polymerization reaction was started.
In a pressure-resistant reactor, 180 parts of deionized water, 4.5 parts of alkylbenzene sulfonate (Neopelex G-25; manufactured by Kao Corporation), 28 parts of 1,3-butadiene, 17 parts of styrene, 35 parts of methyl methacrylate , 15 parts of acrylonitrile, 3.7 parts of itaconic acid, 1.3 parts of acrylamide, 0.7 part of t-dodecyl mercaptan, 1.8 parts of α-methylstyrene dimer, and 1 part of potassium persulfate are added with stirring. The temperature was raised to 55 ° C. to initiate the polymerization reaction.
After the polymerization conversion rate reached 50%, the reaction temperature was raised to 70 ° C., and after the polymerization conversion rate reached 75%, the reaction temperature was raised to 85 ° C. and reacted for 5 hours. .
Then, it cooled to room temperature and stopped the polymerization reaction. The polymerization conversion rate at this time was 97%. When the amount of aggregates in the polymer latex after polymerization was measured, it was 2580 ppm.
[0071]
Subsequently, after removing the unreacted monomer, the pH and the solid content concentration were adjusted to obtain a polymer latex F having a latex pH of 8 and a solid content concentration of 50%. The latex had a number average particle size of 60 nm and an insoluble content of tetrahydrofuran of 65%.
[0072]
[Table 1]
[0073]
Example 4
10 parts of the polymer latex A as a solid content, 40 parts of primary clay (manufactured by Engelhard, Ultra White 90), 30 parts of secondary clay (manufactured by Engelhard, Ultracoat), heavy calcium carbonate (ECC) , Carbital-90) 30 parts, dispersant (Toa Gosei Co., Ltd., Aron T-40) 0.2 part, sodium hydroxide 0.15 part and oxidized starch 3 parts are mixed and stirred, solid content concentration 65 %, PH 10 was adjusted to obtain a paper coating composition.
The coating amount of this paper coating composition on fine paper is 15 g / m per side. 2 Each was coated on both sides, dried immediately with hot air at 120 ° C. for 10 seconds immediately after coating, and left overnight in a constant temperature and humidity chamber at a temperature of 20 ° C. and a relative humidity of 65%. Thereafter, a super calender treatment was performed twice under the conditions of a temperature of 50 ° C. and a linear pressure of 100 kg / cm to obtain a coated paper. The evaluation results of this coated paper are shown in Table 2.
[0074]
(Examples 5 and 6)
It carried out similarly to Example 4 except having replaced with the polymer latex A and using polymer latex B and C, respectively. The results are shown in Table 2.
[0075]
(Comparative Examples 4-6)
It replaced with polymer latex A and carried out similarly to Example 4 except having used polymer latex D-F, respectively. The results are shown in Table 2.
[0076]
[Table 2]
[0077]
The following can be seen from the above examples and comparative examples.
In Comparative Example 1 in which the ratio of the continuous addition rate of the monomer to the continuous addition rate of persulfate is larger than the range specified in the present invention, the amount of fine coagulum generated during the polymerization is large, and the obtained polymer latex D The coated paper of Comparative Example 4 produced by using is inferior in the balance between surface strength and blister resistance.
Comparative Example 2 in which the ratio of the continuous addition rate of the monomer to the continuous addition rate of the persulfate is smaller than the range specified in the present invention is large in the amount of fine coagulum generated during polymerization, and the number average particle size of the polymer latex The diameter of the coated paper of Comparative Example 5 produced using the obtained polymer latex E is inferior in the balance between surface strength and blister resistance.
In Comparative Example 3 in which the polymerization is started after all the monomers, persulfate and other raw materials are added to the reactor, the amount of fine coagulum generated during the polymerization is extremely large. The coated paper of Comparative Example 6 produced by using it is inferior in the balance between surface strength and blister resistance.
[0078]
Compared to these comparative examples, Examples 1 to 3 produced within the range specified in the present invention produced very little amount of fine coagulum during polymerization, and were produced using the obtained polymer latexes A to C. The coated papers of Examples 4 to 6 are excellent in balance between surface strength and blister resistance.
[0079]
【The invention's effect】
According to the present invention, a polymer latex capable of providing a coated paper having an excellent balance between surface strength and blister resistance, a method for producing the polymer latex capable of being produced while suppressing generation of fine aggregates during polymerization, and the method A paper coating composition comprising a polymer latex is provided.
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