JP3808119B2 - 1-Indanone production method - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、農薬、樹脂改質剤等の中間原料として有用な1−インダノン類をインダン類より効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1−インダノンの製造方法として、たとえば3−フェニルプロピオン酸クロライドを塩化アルミニウム存在下に閉環する方法、インデンに塩化水素ガスを通じて1−クロロインダンとした後、無水クロム酸で酸化する方法(Org.Synth.Coll.Vol.II,p−336)等が従来から知られている。しかし、これらの製法のうち、3−フェニルプロピオン酸クロライドを用いる方法は、その原料となる3−フェニルプロピオン酸の入手が難しいという問題点がある。またインデンに塩化水素ガスを通じる方法は、公害上問題となる無水クロム酸を使用すること、収率が低いという問題点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
最近石炭タール中に含まれるインデンが分離されるようになり、インデンを水素添加して得られるインダンを酸化して製造する方法が検討されている。たとえば、インダンをクロム塩、および相間移動触媒の存在下、アセトニトリルを溶媒として過炭酸ソーダにより酸化して1−インダノンを製造する方法が提案されている(Jacques Muzartら、Tetrahedron Letters,36,[32],5735(1995))。しかしこの方法は1−インダノンの選択率が高くないという問題点がある。また、インダンをシッフ(Shiff)塩基触媒の存在下、イソブチルアルデヒドを共存させて酸素酸化して1−インダノンを製造する方法が提案されている(Golak C.Maikapら,Synlett,[2],189(1995))。この方法は酸素を酸化剤として使用していること、収率も高いという利点はあるが、イソブチルアルデヒドを多量に消費するという問題点がある。また、インダンを酢酸溶媒下、コバルト等の重金属、および臭素化合物を触媒として分子状酸素で液相空気酸化する方法では、目的物1−インダノンよりも1−インダノールの生成率が高いため、1−インダノンの選択的製造方法とは言えない。この1−インダノン/1−インダノール比を改善する方法として、クロム(III) アセチルアセトナート触媒の存在下、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等を添加物とする方法が報告されている(水上富士夫、今村寿一、化学技術研究所報告、第79巻、第10号、1984年、516〜524頁)。この方法では、酸素加圧下(5〜20kg/cm2 G)、インダン転化率17〜28%で、78〜84%の選択率を示すが、更に転化率を上げようとすると、選択率が低下し、1−インダノンの選択的製造方法としてはなお問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題点を改善すべく種々の研究を行なった結果、特定の触媒を用いてインダン類を酸化することにより、1−インダノン類の選択率を低下させることなく、高い転化率で1−インダノン類を製造できることを見出した。
すなわち本発明はインダン類を、可溶性の重金属塩および一般式(1)
【化2】
(式中R1 およびR2 はアルキル基または両者で環を形成するアルキレン基である)で表されるN−モノアルキル酸アミドまたはラクタムとからなる触媒の存在下、分子状酸素により液相空気酸化することを特徴とする1−インダノン類の製造方法である。ここにインダン類とはインダンまたはそのベンゼン環置換体であり、また1−インダノン類とは1−インダノンまたはそのベンゼン環置換体を指す。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で原料として使用されるものはインダン類、すなわちインダンまたはそのベンゼン環置換体である。インダンのベンゼン環置換体とは、インダン骨格のベンゼン環側、すなわち4位、5位、6位、7位の少なくとも1つに置換基を有する化合物のことである。インダン類としては具体的にはインダン、5−アセチルインダン、4−メトキシインダン、5−アセトキシインダン、5−ブロモインダン、5−ニトロインダン等を例示することができるが、特にインダンが好ましい。
【0006】
本発明で使用するN−モノアルキル酸アミドまたはラクタムは、下記一般式(1)で表される。
【化3】
(式中R1 およびR2 はアルキル基または両者で環を形成するアルキレン基である)で表される。
【0007】
R1 およびR2 がともにアルキル基の場合はN−モノアルキル酸アミドであり、R1 とR2 とが環を形成するアルキレン基の場合は環状酸アミド、すなわちラクタムとなる。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシルなどが例示される。またR1 とR2 で環を形成したアルキレン基としてはトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンなどを挙げることができる。N−モノアルキル酸アミドとして、具体的にはN−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N−n−プロピルアセトアミド、N−イソプロピルアセトアミド、N−n−ブチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−エチルプロピオンアミドを、またラクタムとしては、2−ピロリドン、δ−バレロラクタム、ε−カプロラクタム等が例示されるが、これらの中で特にN−メチルアセトアミド、2−ピロリドンが反応成績、物性、価格等の点から好ましい。これらは1種だけでなく2種以上の混合物であっても良い。
【0008】
N−モノアルキル酸アミド及びラクタム(以下総称して酸アミドと呼ぶことがある)の使用量は、原料インダン類との重量比(酸アミド/インダン類)1/100〜20/1の範囲で用いられる。好ましくは1/20〜5/1の範囲である。
【0009】
本発明で用いる可溶性の重金属塩としては、クロム、コバルト、銅、マンガン、ニッケル、等の重金属の可溶性塩を例示することができるが、特にクロム塩、コバルト塩又は銅塩が好ましい。
【0010】
可溶性塩としてはβ−ジケトン錯体塩(アセチルアセトネート、ジベンゾイルメタネート等)、有機酸塩(酢酸塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩等)、ハロゲン化物(塩化物、臭化物等)、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物などであるが、その他の塩であっても反応溶液に可溶性の重金属塩であれば使用可能である。上記の可溶性の重金属塩の中でも、アセチルアセトネートのようなβ−ジケトン錯体塩、または酢酸塩のような有機酸塩が特に好ましい。
【0011】
可溶性の重金属塩の使用量は、0.0003グラム原子/リットル以上であり、好ましくは0.001〜0.05グラム原子/リットルの範囲である。重金属塩の使用量が少な過ぎる場合は、1−インダニルヒドロペルオキシドの生成量が増し、目的物である1−インダノンの選択率が低下する。また、重金属塩の使用量が多過ぎる場合は、特に利点はなく、逆に反応液中に沈澱物として析出し好ましくない。
【0012】
酸化剤として使用する分子状酸素含有ガスとしては、純酸素や工業排ガスも使用可能であるが、通常の空気または空気と工業排ガスとの混合ガスが適している。
【0013】
反応圧力については、特に制限は無く、常圧でも実施できるが、一般に加圧下の方が反応成績が良いため加圧下で実施するのが好ましい。また排ガスの酸素濃度が10%を越えると、反応容器気相部が爆発性混合気体を形成する可能性が強くなるため、安全対策面から排ガス中の酸素濃度は10%以下にするのが好ましい。
【0014】
反応温度は好ましくは30〜160℃、特に60〜130℃の範囲である。反応温度が低過ぎる場合は、反応速度が遅く生産性が低下し、反応温度維持に良質の冷却水が必要となり好ましくない。反応温度が高過ぎる場合は、副反応生成物が増加し、1−インダノンの選択率が低下する。
【0015】
本発明の方法は比較的高いインダン転化率においても高選択率で1−インダノンが得られるのが特長であるが、あまりインダンの転化率を上げ過ぎると1−インダノンの選択率が低下する傾向にあるので、通常転化率は95%以下、好ましくは85%以下に抑えるのが望ましい。
【0016】
本発明の反応形式は、回分式、連続式いずれも可能である。
酸化反応液からの1−インダノンの分離は、蒸留等公知の方法が適用出来る。
【0017】
【実施例】
[実施例1]
撹拌機、温度計、ガス吹き込み管、還流冷却器付きガス排出管を備えた内容積500ミリリットルのオートクレーブにインダン(純度98.6%)180g、N−メチルアセトアミド36.0g、クロム(III) アセチルアセトネート0.265gを仕込み、圧力5kg/cm2 G、反応温度100℃で、排ガス中の酸素濃度が6〜8%となるように空気を流して4.5時間反応させた。反応終了後冷却し、反応物をオートクレーブより取り出した。この反応物をガスクロマトグラフにより分析したところ、インダンの転化率は48.2%、1−インダノンの選択率は89.0モル%であった。また1−インダノールの選択率は2.85モル%、1−インダノン/1−インダノールモル比(以下ノン/ノール比と呼ぶ)は31であった。結果を表1に示す。
【0018】
[実施例2]
撹拌器、温度計、半溶融ガラスフィルター付きガス吹き込み管、還流冷却器付きガス排出管を備えた内容積100ミリリットルのフラスコにインダン(純度98.6%)60.0g、2−ピロリドン12.9g、クロム(III) アセチルアセトネート0.0883gを仕込み、常圧下、反応温度80℃で、空気を0.5リットル/分の流量で流して4.0時間反応させた。反応終了後冷却し、反応物をフラスコより取り出した。この反応物をガスクロマトグラフにより分析したところ、インダンの転化率は10.4%、1−インダノンの選択率は92.2モル%であった。また1−インダノールの選択率は7.71モル%、ノン/ノール比は12であった。結果を表1に示す。
【0019】
[実施例3]
実施例2と同様の反応容器にインダン(純度98.6%)60.0g、N−メチルアセトアミド12.0g、銅(II)アセチルアセトネート0.0658gを仕込み、常圧下、反応温度80℃で、空気を0.5リットル/分の流量で流して7.0時間反応させた。反応終了後冷却し、反応物をフラスコより取り出した。この反応物をガスクロマトグラフにより分析したところ、インダンの転化率は25.4%、1−インダノンの選択率は61.9モル%であった。また1−インダノールの選択率は12.0モル%、ノン/ノール比は5.2であった。結果を表1に示す。
【0020】
[実施例4]
重金属化合物の種類及び使用量をステアリン酸コバルト(II)0.157gとし、反応時間を12時間とした以外は実施例3と同様にしてインダンの酸化を実施した。得られた結果は、インダンの転化率が42.9%、1−インダノンの選択率は77.0モル%であった。また1−インダノールの選択率は5.18モル%、ノン/ノール比は15であった。結果を表1に示す。
【0021】
[実施例5]
重金属化合物として酢酸コバルト(II)0.0623gを用いた以外は実施例3と同様にしてインダンの酸化を実施した。得られた結果は、インダンの転化率が28.3%、1−インダノンの選択率は76.4モル%であった。また1−インダノールの選択率は6.71モル%、ノン/ノール比は11であった。結果を表1に示す。
【0022】
[実施例6]
重金属としてコバルト(II)アセチルアセトネート0.0651gを用いた以外は実施例5と同様にしてインダンの酸化を行なった。インダンの転化率は25.2%、1−インダノンの選択率は74.1モル%であった。また1−インダノールの選択率は6.94モル%、ノン/ノール比は11であった。結果を表1に示す。
【0023】
[実施例7]
酸アミドとしてN−メチルアセトアミドの代わりに2−ピロリドン42.5gを用い、反応圧力を30kg/cm2 G、排ガス中の酸素濃度を1〜4%、酸化時間を2.0時間に変更した以外は、実施例1と同様ににしてインダンの酸化を行なった。インダンの転化率は53.6%,1−インダノールの転化率は89.6モル%であった。また1−インダノールの選択率は4.26モル%、ノン/ノール比は21であった。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
各種触媒による1−インダノンの製造
触媒成分
Cr-A.A クロム(III) アセチルアセトネート
Cu-A.A 銅(II)アセチルアセトネート
Co-St ステアリン酸コバルト(II)
Co-Act 酢酸コバルト(II)
Co-A.A コバルト(II)アセチルアセトネート
N-MAA N−メチルアセトアミド
2-Pyr. 2−ピロリドン
【0025】
[実施例8]
インダンの重量を182gに、N−メチルアセトアミドの重量を33.4gに、反応温度を80℃に、排ガス中の酸素濃度を5〜6%に、酸化時間を5.0時間に変更した以外は実施例1と同様にしてインダンの酸化を行なった。得られた結果は、インダンの転化率が47.8%、1−インダノンの選択率は84.4モル%であった。また1−インダノールの選択率は4.42モル%、ノン/ノール比は19であった。実施例1の結果とともに結果を表2に示す。
【0026】
[実施例9]
反応圧力を30kg/cm2 Gに、反応温度を120℃に、排ガス中の酸素濃度を5〜7%に、酸化時間を1.0時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてインダンの酸化を行なった。得られた結果は、インダンの転化率が60.8%、1−インダノンの選択率は79.1モル%であった。また1−インダノールの選択率は4.01モル%、ノン/ノール比は20であった。実施例1の結果とともに表2に示し、反応温度の影響を調べたが、80〜120℃の温度でいずれも高転化率、高選択率を示した。
【0027】
【表2】
Cr-A.A/N-MAA 触媒
【0028】
[実施例10]
反応圧力を30kg/cm2 Gに、排ガス中の酸素濃度を3〜6%に、酸化時間を1.5時間に変更した以外は実施例1と同様にしてインダンの酸化を行なった。得られた結果は、インダンの転化率が61.8%、1−インダノンの選択率は82.8モル%であった。また1−インダノールの選択率は3.31モル%、ノン/ノール比は25であった。結果を表3に示す。
【0029】
[実施例11]
反応圧力を30kg/cm2 Gに、排ガス中の酸素濃度を2.5〜9.0%に、酸化時間を3.0時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてインダンの酸化を行なった。得られた結果は、インダンの転化率が80.6%、1−インダノンの選択率は77.7モル%であった。また1−インダノールの選択率は2.37モル%、ノン/ノール比は33であった。結果を表3に示す。
【0030】
[実施例12]
反応圧力を30kg/cm2 Gに、排ガス中の酸素濃度を2.7〜3.0%に、酸化時間を1.0時間に変更した以外は、実施例1と同様にしてインダンの酸化を行なった。得られた結果は、インダンの転化率が31.8%、1−インダノンの選択率は89.2モル%であった。また1−インダノールの選択率は3.98モル%、ノン/ノール比は22であった。結果を表3に示す。
【0031】
[実施例13]
排ガス中の酸素濃度を2.0〜2.8%に、酸化時間を1.3時間に変更した以外は、実施例12と同様にしてインダンの酸化を行なった。得られた結果は、インダンの転化率が48.8%、1−インダノンの選択率は85.0モル%であった。また1−インダノールの選択率は3.39モル%、ノン/ノール比は25であった。結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
Cr-A.A/N=MAA 触媒、圧力30Kg/cm2
【0033】
表3の各実施例では反応時間等の条件を変えて、インダン転化率を変化させ、1−インダノン選択率に与える影響を調べたが、転化率30〜80%の範囲で1−インダノン選択率には大きな変化はなく、いずれも高い選択率を示した。
【0034】
[実施例14]
撹拌器、温度計を備えた内容積50ミリリットルの三っ口フラスコに5−アセトキシインダン5.0ミリモル、N−メチルアセトアミド12.0g、クロム(III) アセチルアセトネート0.010gを仕込み、常圧下、反応温度80℃で空気雰囲気下で撹拌して8.0時間反応させた。反応終了後冷却し、反応物をガスクトマトグラフにより分析したところ、5−アセトキシインダノンが1.64%生成していた。しかし、5−アセトキシインダノールの生成は認められなかった。(なお、5−アセトキシインダノン、5−アセトキシインダノールの確認は、ガスクロマトグラフ質量分析計によった。)
【0035】
[実施例15]
実施例14と同様の反応容器に5−アセチルインダン5.0ミリモル、N−メチルアセトアミド12.0g、クロム(III) アセチルアセトネート0.010gを仕込み、常圧下、反応温度80℃で、空気雰囲気下で撹拌して8.0時間反応させた。反応終了後冷却し、反応物をガスクロマトグラフにより分析したところ、5−アセチルインダノンが1.07%生成していた。しかし、5−アセチルインダノールの生成は認められなかった。(なお、5−アセチルインダノン、5−アセチルインダノールの確認は、ガスクロマトグラフ質量分析計によった。)
【0036】
[比較例1]
酸アミドとしてN−メチルアセトアミドの代わりにN,N−ジエチルアセトアミド48.1gを用い、排ガス中の酸素濃度を2.7〜3.0%に変更した以外は、実施例15と同様にしてインダンの酸化を行なった。得られた結果は、インダンの転化率が55.0%、1−インダノンの選択率は73.9モル%であった。また1−インダノールの選択率は5.39モル%、ノン/ノール比は14であった。実施例13の結果とともに表4に示す。
【0037】
[比較例2]
酸アミドとしてN−メチルアセトアミドの代わりにN,N−ジエチルホルムアミド42.7gに、排ガス中の酸素濃度を2.4〜4.4%に変更した以外は、実施例15と同様にしてインダンの酸化を行なった。得られた結果は、インダンの転化率が41.9%、1−インダノンの選択率は76.4モル%であった。また1−インダノールの選択率は7.34モル%、ノン/ノール比は10であった。実施例15の結果とともに表4に示す。
【0038】
【表4】
圧力 30Kg/cm2G
反応温度 100℃
反応時間 1.3時間
N-MAA N−メチルアセトアミド
N,N-DEAA N,N’−ジエチルアセトアミド
N,N-DEFA N,N’−ジエチルホルムアミド
N−ジアルキル酸アミドを触媒成分とする比較例の方法に比べて本発明では高い選択率で1−インダノンが得られる。
【0039】
[比較例3]
酸アミドとして2−ピロリドンの代わりにN,N−ジエチルホルムアミド11.0gを用いた以外は、実施例2と同様に実験を行なった。得られた結果は、インダンの転化率が15.9%、1−インダノンの選択率は48.9モル%であった。また1−インダノールの選択率は18.1モル%、ノン/ノール比は2.7であった。実施例2の結果とともに表4に示す。
【0040】
[比較例4]
2−ピロリドンの代わりにN−メチル−2−ピロリドン14.9gを用いた以外は、実施例2と同様に実験を行なった。得られた結果は、インダンの転化率が21.4%、1−インダノンの選択率は54.4モル%であった。また1−インダノールの選択率は11.5モル%、ノン/ノール比は4.7であった。実施例2の結果とともに表5に示す。N−ジアルキル酸アミドあるいはN−アルキルラクタムを触媒成分とする比較例の方法に比べて、本発明の触媒では高い選択率で1−インダノンが得られる。
【0041】
【表5】
圧力 常圧
反応温度 80℃
反応時間 4時間
N,N-DEFA N,N’−ジエチルホルムアミド
2-Pyr. 2−ピロリドン
N-M-2-Pyr. N−メチル−2−ピロリドン
【0042】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、インダン類の酸化により、1−インダノン類の選択率を低下させることなく、高いインダン転化率で1−インダノン類が得られるので、インダンから1−インダノンを安価に、かつ効率良く工業的規模で製造することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for efficiently producing 1-indanones useful as intermediate raw materials for pharmaceuticals, agricultural chemicals, resin modifiers and the like from indanes.
[0002]
[Prior art]
As a method for producing 1-indanone, for example, a method in which 3-phenylpropionic acid chloride is closed in the presence of aluminum chloride, a method in which indene is converted to 1-chloroindane through hydrogen chloride gas and then oxidized with chromic anhydride (Org. Synth). Coll. Vol. II, p-336) and the like are conventionally known. However, among these production methods, the method using 3-phenylpropionic acid chloride has a problem that it is difficult to obtain 3-phenylpropionic acid as a raw material. Further, the method of passing hydrogen chloride gas through indene has problems of using chromic anhydride, which is a problem in terms of pollution, and a low yield.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
Recently, indene contained in coal tar has been separated, and a method of oxidizing and producing indane obtained by hydrogenating indene has been studied. For example, a method of producing 1-indanone by oxidizing indane with a chromium salt and sodium percarbonate using acetonitrile as a solvent in the presence of a phase transfer catalyst has been proposed (Jacques Muzart et al., Tetrahedron Letters, 36, [32 ], 5735 (1995)). However, this method has a problem that the selectivity of 1-indanone is not high. In addition, a method for producing 1-indanone by oxidizing oxygen with oxygen in the presence of a Schiff base catalyst in the presence of isobutyraldehyde has been proposed (Golak C. Maikap et al., Synlett, [2], 189). (1995)). This method has the advantage that oxygen is used as an oxidizing agent and that the yield is high, but there is a problem that a large amount of isobutyraldehyde is consumed. In the method of liquid phase air oxidation with molecular oxygen using a heavy metal such as cobalt and a bromine compound as a catalyst in a solvent of acetic acid in an acetic acid solvent, the production rate of 1-indanol is higher than that of the target 1-indanone. It cannot be said to be a selective production method of Indanone. As a method for improving the 1-indanone / 1-indanol ratio, a method using N, N-diethylformamide, N, N-diethylacetamide or the like as an additive in the presence of a chromium (III) acetylacetonate catalyst has been reported. (Fujio Mizukami, Toshikazu Imamura, Chemical Technology Research Institute, Vol. 79, No. 10, 1984, pp. 516-524). In this method, under oxygen pressure (5 to 20 kg / cm 2 G), the indan conversion rate is 17 to 28%, and the selectivity is 78 to 84%. However, when the conversion rate is further increased, the selectivity decreases. However, there is still a problem as a selective production method of 1-indanone.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
As a result of various studies to improve the above problems, the present inventors have obtained high conversion without reducing the selectivity of 1-indanones by oxidizing indanes using a specific catalyst. It has been found that 1-indanones can be produced at a high rate.
That is, the present invention relates to indan, soluble heavy metal salt and general formula (1)
[Chemical 2]
(Wherein R 1 and R 2 are an alkyl group or an alkylene group that forms a ring with both) and in the presence of a catalyst comprising an N-monoalkyl acid amide or lactam, liquid phase air is formed by molecular oxygen. It is a process for producing 1-indanones characterized by oxidation. Here, the indan is indane or a benzene ring substitution product thereof, and the 1-indanone refers to 1-indanone or a benzene ring substitution product thereof.
[0005]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
What is used as a raw material in the present invention is indanes, that is, indan or a benzene ring substitution product thereof. The indane benzene ring substituent is a compound having a substituent on at least one of the 4-position, 5-position, 6-position and 7-position of the indan skeleton. Specific examples of indanes include indane, 5-acetylindane, 4-methoxyindane, 5-acetoxyindane, 5-bromoindane, 5-nitroindane and the like, and indan is particularly preferable.
[0006]
The N-monoalkyl amide or lactam used in the present invention is represented by the following general formula (1).
[Chemical 3]
(Wherein R 1 and R 2 are an alkyl group or an alkylene group that forms a ring with both).
[0007]
When R 1 and R 2 are both alkyl groups, they are N-monoalkyl acid amides, and when R 1 and R 2 are alkylene groups forming a ring, they are cyclic acid amides, ie, lactams. Examples of the alkyl group include methyl, ethyl, propyl, butyl, cyclohexyl and the like. Examples of the alkylene group having a ring formed by R 1 and R 2 include trimethylene, tetramethylene and pentamethylene. Specific examples of N-monoalkyl amides include N-methylacetamide, N-ethylacetamide, Nn-propylacetamide, N-isopropylacetamide, Nn-butylacetamide, N-methylpropionamide, N-ethyl. Examples of propionamide and lactam include 2-pyrrolidone, δ-valerolactam, and ε-caprolactam. Among these, N-methylacetamide and 2-pyrrolidone are particularly preferable for reaction results, physical properties, price, etc. It is preferable from the point. These may be not only one type but also a mixture of two or more types.
[0008]
The use amount of N-monoalkyl acid amide and lactam (hereinafter sometimes collectively referred to as acid amide) is within a range of 1/100 to 20/1 by weight ratio (acid amide / indane) to raw material indan. Used. Preferably it is the range of 1 / 20-5 / 1.
[0009]
Examples of the soluble heavy metal salt used in the present invention include soluble salts of heavy metals such as chromium, cobalt, copper, manganese, nickel and the like, but chromium salts, cobalt salts or copper salts are particularly preferable.
[0010]
Soluble salts include β-diketone complex salts (acetylacetonate, dibenzoylmethanate, etc.), organic acid salts (acetate, naphthenate, octylate, etc.), halides (chloride, bromide, etc.), nitrates, Although sulfates, hydroxides, and the like, other salts can be used as long as they are heavy metal salts that are soluble in the reaction solution. Among the above-mentioned soluble heavy metal salts, β-diketone complex salts such as acetylacetonate or organic acid salts such as acetate are particularly preferable.
[0011]
The amount of the soluble heavy metal salt used is 0.0003 gram atom / liter or more, preferably in the range of 0.001 to 0.05 gram atom / liter. When the amount of heavy metal salt used is too small, the amount of 1-indanyl hydroperoxide produced increases and the selectivity for 1-indanone, which is the target product, decreases. Moreover, when there is too much usage-amount of heavy metal salt, there is no advantage in particular, and conversely, it precipitates in the reaction liquid as a precipitate, and is not preferable.
[0012]
As the molecular oxygen-containing gas used as the oxidant, pure oxygen or industrial exhaust gas can be used, but normal air or a mixed gas of air and industrial exhaust gas is suitable.
[0013]
There is no restriction | limiting in particular about reaction pressure, Although it can implement also at a normal pressure, since the reaction result is better in general under pressurization, it is preferable to implement under pressurization. If the oxygen concentration in the exhaust gas exceeds 10%, the gas phase part of the reaction vessel is more likely to form an explosive gas mixture. Therefore, it is preferable to set the oxygen concentration in the exhaust gas to 10% or less from the viewpoint of safety. .
[0014]
The reaction temperature is preferably in the range from 30 to 160 ° C, in particular from 60 to 130 ° C. If the reaction temperature is too low, the reaction rate is slow, productivity is lowered, and good quality cooling water is required to maintain the reaction temperature, which is not preferable. If the reaction temperature is too high, side reaction products increase and the selectivity for 1-indanone decreases.
[0015]
The method of the present invention is characterized in that 1-indanone can be obtained with high selectivity even at a relatively high indane conversion rate, but if the indane conversion rate is increased too much, the selectivity of 1-indanone tends to decrease. Therefore, it is usually desirable to keep the conversion rate to 95% or less, preferably 85% or less.
[0016]
The reaction mode of the present invention can be either batch or continuous.
A known method such as distillation can be applied to the separation of 1-indanone from the oxidation reaction solution.
[0017]
【Example】
[Example 1]
Indane (purity 98.6%) 180 g, N-methylacetamide 36.0 g, chromium (III) acetyl in an autoclave with an internal volume of 500 ml equipped with a stirrer, thermometer, gas blowing pipe, and gas discharge pipe with reflux condenser 0.265 g of acetonate was charged, and the reaction was carried out for 4.5 hours by flowing air so that the oxygen concentration in the exhaust gas would be 6-8% at a pressure of 5 kg / cm 2 G and a reaction temperature of 100 ° C. After completion of the reaction, the reaction mixture was cooled and the reaction product was taken out from the autoclave. When this reaction product was analyzed by gas chromatography, the conversion of indane was 48.2% and the selectivity of 1-indanone was 89.0 mol%. Further, the selectivity of 1-indanol was 2.85 mol%, and the 1-indanone / 1-indanol molar ratio (hereinafter referred to as “non / nor ratio”) was 31. The results are shown in Table 1.
[0018]
[Example 2]
Indane (purity 98.6%) 60.0 g, 2-pyrrolidone 12.9 g in a flask with an internal volume of 100 ml equipped with a stirrer, thermometer, gas blowing tube with semi-molten glass filter, and gas discharge tube with reflux condenser Then, 0.0883 g of chromium (III) acetylacetonate was charged, and the reaction was carried out for 4.0 hours under normal pressure at a reaction temperature of 80 ° C. and at a flow rate of 0.5 liter / min. After completion of the reaction, the reaction mixture was cooled and the reaction product was taken out from the flask. When this reaction product was analyzed by gas chromatography, the conversion of indane was 10.4% and the selectivity for 1-indanone was 92.2 mol%. The selectivity of 1-indanol was 7.71 mol%, and the non / nor ratio was 12. The results are shown in Table 1.
[0019]
[Example 3]
Into a reaction vessel similar to that in Example 2, 60.0 g of indane (purity 98.6%), 12.0 g of N-methylacetamide, and 0.0658 g of copper (II) acetylacetonate were charged, and the reaction temperature was 80 ° C. under normal pressure. Then, air was allowed to flow at a flow rate of 0.5 liters / minute for 7.0 hours. After completion of the reaction, the reaction mixture was cooled and the reaction product was taken out from the flask. When this reaction product was analyzed by gas chromatography, the conversion of indane was 25.4%, and the selectivity for 1-indanone was 61.9 mol%. The selectivity of 1-indanol was 12.0 mol%, and the non / nor ratio was 5.2. The results are shown in Table 1.
[0020]
[Example 4]
The indane was oxidized in the same manner as in Example 3 except that the type and amount of heavy metal compound used were 0.157 g of cobalt (II) stearate and the reaction time was 12 hours. As a result, the conversion of indane was 42.9%, and the selectivity of 1-indanone was 77.0 mol%. The selectivity of 1-indanol was 5.18 mol%, and the non / nor ratio was 15. The results are shown in Table 1.
[0021]
[Example 5]
Indane was oxidized in the same manner as in Example 3 except that 0.0623 g of cobalt (II) acetate was used as the heavy metal compound. As a result, the conversion of indane was 28.3%, and the selectivity of 1-indanone was 76.4 mol%. The selectivity of 1-indanol was 6.71 mol%, and the non / nor ratio was 11. The results are shown in Table 1.
[0022]
[Example 6]
Indane was oxidized in the same manner as in Example 5 except that 0.0651 g of cobalt (II) acetylacetonate was used as the heavy metal. The conversion of indane was 25.2%, and the selectivity for 1-indanone was 74.1 mol%. The selectivity of 1-indanol was 6.94 mol%, and the non / nor ratio was 11. The results are shown in Table 1.
[0023]
[Example 7]
Other than using 42.5 g of 2-pyrrolidone instead of N-methylacetamide as the acid amide, changing the reaction pressure to 30 kg / cm 2 G, the oxygen concentration in the exhaust gas to 1 to 4%, and the oxidation time to 2.0 hours In the same manner as in Example 1, indan was oxidized. The conversion of indane was 53.6%, and the conversion of 1-indanol was 89.6 mol%. The selectivity of 1-indanol was 4.26 mol%, and the non / nor ratio was 21. The results are shown in Table 1.
[0024]
[Table 1]
Production of 1-indanone with various catalysts
Catalyst component
Cr-AA Chromium (III) Acetylacetonate
Cu-AA Copper (II) acetylacetonate
Co-St Cobalt stearate (II)
Co-Act Cobalt acetate (II)
Co-AA Cobalt (II) acetylacetonate
N-MAA N-methylacetamide
2-Pyr. 2-pyrrolidone [0025]
[Example 8]
Except for changing the weight of indane to 182 g, the weight of N-methylacetamide to 33.4 g, the reaction temperature to 80 ° C., the oxygen concentration in the exhaust gas to 5-6%, and the oxidation time to 5.0 hours. Indane was oxidized in the same manner as in Example 1. As a result, the conversion of indane was 47.8%, and the selectivity of 1-indanone was 84.4 mol%. The selectivity of 1-indanol was 4.42 mol%, and the non / nor ratio was 19. The results are shown in Table 2 together with the results of Example 1.
[0026]
[Example 9]
Indane as in Example 1 except that the reaction pressure was changed to 30 kg / cm 2 G, the reaction temperature was changed to 120 ° C., the oxygen concentration in the exhaust gas was changed to 5 to 7%, and the oxidation time was changed to 1.0 hour. Was oxidized. As a result, the conversion of indane was 60.8%, and the selectivity for 1-indanone was 79.1 mol%. The selectivity of 1-indanol was 4.01 mol%, and the non / nor ratio was 20. Table 2 shows the influence of the reaction temperature together with the results of Example 1, and the high conversion and high selectivity were observed at temperatures of 80 to 120 ° C.
[0027]
[Table 2]
Cr-AA / N-MAA catalyst
[0028]
[Example 10]
Indane was oxidized in the same manner as in Example 1 except that the reaction pressure was changed to 30 kg / cm 2 G, the oxygen concentration in the exhaust gas was changed to 3 to 6%, and the oxidation time was changed to 1.5 hours. As a result, the conversion of indane was 61.8%, and the selectivity of 1-indanone was 82.8 mol%. The selectivity of 1-indanol was 3.31 mol%, and the non / nor ratio was 25. The results are shown in Table 3.
[0029]
[Example 11]
Indane oxidation was carried out in the same manner as in Example 1 except that the reaction pressure was changed to 30 kg / cm 2 G, the oxygen concentration in the exhaust gas was changed to 2.5 to 9.0%, and the oxidation time was changed to 3.0 hours. I did it. As a result, the conversion of indane was 80.6%, and the selectivity for 1-indanone was 77.7 mol%. The selectivity of 1-indanol was 2.37 mol%, and the non / nor ratio was 33. The results are shown in Table 3.
[0030]
[Example 12]
Indane was oxidized in the same manner as in Example 1 except that the reaction pressure was changed to 30 kg / cm 2 G, the oxygen concentration in the exhaust gas was changed to 2.7 to 3.0%, and the oxidation time was changed to 1.0 hour. I did it. As a result, the conversion of indane was 31.8%, and the selectivity for 1-indanone was 89.2 mol%. The selectivity of 1-indanol was 3.98 mol%, and the non / nor ratio was 22. The results are shown in Table 3.
[0031]
[Example 13]
Indane was oxidized in the same manner as in Example 12 except that the oxygen concentration in the exhaust gas was changed to 2.0 to 2.8% and the oxidation time was changed to 1.3 hours. As a result, the conversion of indane was 48.8%, and the selectivity of 1-indanone was 85.0 mol%. The selectivity of 1-indanol was 3.39 mol%, and the non / nor ratio was 25. The results are shown in Table 3.
[0032]
[Table 3]
Cr-AA / N = MAA catalyst, pressure 30Kg / cm 2
[0033]
In each Example of Table 3, the conditions such as reaction time were changed to change the indane conversion rate, and the influence on the 1-indanone selectivity was examined, but the 1-indanone selectivity was in the range of 30 to 80% conversion. There was no significant change in either, and all showed high selectivity.
[0034]
[Example 14]
A three-necked flask with an internal volume of 50 ml equipped with a stirrer and a thermometer was charged with 5.0 mmol of 5-acetoxyindane, 12.0 g of N-methylacetamide, and 0.010 g of chromium (III) acetylacetonate under normal pressure. The reaction was carried out at a reaction temperature of 80 ° C. in an air atmosphere for 8.0 hours. After completion of the reaction, the reaction mixture was cooled and analyzed by gas chromatography. As a result, 1.64% of 5-acetoxyindanone was produced. However, the formation of 5-acetoxyindanol was not observed. (Note that 5-acetoxyindanone and 5-acetoxyindanol were confirmed by a gas chromatograph mass spectrometer.)
[0035]
[Example 15]
A reaction vessel similar to Example 14 was charged with 5.0 mmol of 5-acetylindane, 12.0 g of N-methylacetamide, and 0.010 g of chromium (III) acetylacetonate, and at atmospheric pressure and at a reaction temperature of 80 ° C., in an air atmosphere. The reaction was stirred for 8.0 hours. After completion of the reaction, the reaction mixture was cooled, and the reaction product was analyzed by gas chromatography. As a result, 1.07% of 5-acetylindanone was produced. However, formation of 5-acetylindanol was not observed. (Confirmation of 5-acetylindanone and 5-acetylindanol was performed by a gas chromatograph mass spectrometer.)
[0036]
[Comparative Example 1]
Indan was used in the same manner as in Example 15 except that 48.1 g of N, N-diethylacetamide was used instead of N-methylacetamide as the acid amide, and the oxygen concentration in the exhaust gas was changed to 2.7 to 3.0%. Was oxidized. As a result, the conversion of indane was 55.0%, and the selectivity of 1-indanone was 73.9 mol%. The selectivity of 1-indanol was 5.39 mol%, and the non / nor ratio was 14. Table 4 shows the results of Example 13.
[0037]
[Comparative Example 2]
As in Example 15, except that the acid amide was changed to 42.7 g of N, N-diethylformamide instead of N-methylacetamide, and the oxygen concentration in the exhaust gas was changed to 2.4 to 4.4%. Oxidation was performed. As a result, the conversion of indane was 41.9%, and the selectivity of 1-indanone was 76.4 mol%. The selectivity of 1-indanol was 7.34 mol%, and the non / nor ratio was 10. Table 4 shows the results of Example 15 together with the results.
[0038]
[Table 4]
Pressure 30Kg / cm 2 G
Reaction temperature 100 ° C
Reaction time 1.3 hours
N-MAA N-methylacetamide
N, N-DEAA N, N'-diethylacetamide
Compared with the comparative method using N, N-DEFA N, N′-diethylformamide N-dialkylamide as a catalyst component, 1-indanone can be obtained with high selectivity in the present invention.
[0039]
[Comparative Example 3]
The experiment was performed in the same manner as in Example 2 except that 11.0 g of N, N-diethylformamide was used as the acid amide instead of 2-pyrrolidone. As a result, the conversion of indane was 15.9%, and the selectivity of 1-indanone was 48.9 mol%. The selectivity of 1-indanol was 18.1 mol%, and the non / nor ratio was 2.7. Table 4 shows the results of Example 2 together with the results.
[0040]
[Comparative Example 4]
The experiment was performed in the same manner as in Example 2 except that 14.9 g of N-methyl-2-pyrrolidone was used instead of 2-pyrrolidone. As a result, the conversion of indane was 21.4%, and the selectivity of 1-indanone was 54.4 mol%. The selectivity of 1-indanol was 11.5 mol%, and the non / nor ratio was 4.7. Table 5 shows the results of Example 2 together with the results. Compared with the method of the comparative example using N-dialkylamide or N-alkyllactam as a catalyst component, the catalyst of the present invention can give 1-indanone with high selectivity.
[0041]
[Table 5]
Pressure Normal pressure reaction temperature 80 ℃
Reaction time 4 hours
N, N-DEFA N, N'-diethylformamide
2-Pyr. 2-pyrrolidone
NM-2-Pyr. N-methyl-2-pyrrolidone [0042]
【The invention's effect】
According to the production method of the present invention, 1-indanones can be obtained at a high indan conversion rate without reducing the selectivity of 1-indanones by oxidation of indans. And can be efficiently produced on an industrial scale.
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