JP3777056B2 - 自動送り込み装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、横延伸装置等の、フィルムの両側をクリップで固定しつつ搬送する装置へ、フィルムを送り込む自動送り込み装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ウェブ状のフィルムをクリップで把持して巾方向に延伸する横延伸装置は、オーブンとオーブン内を走行する多数のクリップとで構成されている。そして、連続的に送られてくるフィルムは、オーブン入口前で両側のクリップに噛み込まれて把持され、クリップの走行にともなってオーブン内で巾方向に延伸された後、出口で解放されて次の工程に送られる。
【0003】
従来、このような横延伸装置へフィルムを送り込んでクリップで把持する技術としては、特公昭57−57260号公報、特開昭63−15727号公報等に開示されているように、複数のコンベアベルトを組み合わせた機構を用い、手動又は半自動で横延伸装置のクリップにフィルムを送り込むものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の横延伸装置へフィルムを送り込む技術では、フィルムのカールによる搬送不良が発生したり、フィルムの幅が広い場合フィルムの両側にクリップを噛み込ませることが困難であった。また、コンベア類がフィルム上下に位置するため、ゴミ等の落下によりフィルムが汚染される場合があった。さらに、装置が複雑であるので、製作が面倒で、かつフィルム幅を変更することもガイド板、ベルトの位置変更等が必要となり面倒であり、また非常に危険を伴う作業であった。
【0005】
本発明は、以上の問題点を解決し、簡単な装置でフィルムを確実にクリップに送り込むことができ、フィルムにゴミ等が落下することがなく、かつ、フィルム幅の変更も容易にできる自動送り込み装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたもので、本発明の自動送り込み装置は、フィルムの両側を複数のクリップで把持しつつ搬送する装置の上流側に設けられるものであって、フィルムの幅方向に移動自在に設けられたフィルム裁断手段と、該裁断手段で形成された小幅フィルム部を一方のクリップへ案内するガイドシューターと、該ガイドシューター内でフィルムを搬送するフィルム搬送手段とを具備し、前記ガイドシューターは、幅方向に進退自在なシューター本体と、該シューター本体の側方の開口部を開閉する側板とからなっていることを特徴として構成されている。
【0007】
また、本発明のフィルムの自動送り込み方法は、フィルムの先端部に一方の側端を有しかつフィルム全幅より狭い小幅フィルム部を形成し、該小幅フィルム部を、フィルムの両側を複数のクリップで把持しつつ搬送する装置の一方のクリップに送り込みその外側の側端をクリップで把持し、その後小幅フィルム部と反対側のフィルムの側端を他方のクリップで把持することを特徴として構成されている。
【0008】
本発明は、フィルムを、フィルムの両側を複数のクリップで把持しつつ搬送する装置に送り込む際、まずフィルム先端部に小幅フィルム部を形成し、この小幅フィルム部の外側端をクリップに把持させ、その後小幅フィルム部に続く全幅のフィルムの他の外側端をクリップに把持させることにより、簡単な装置で極めて容易にフィルムをクリップに把持させる。
【0009】
【発明の実施の形態】
フィルム裁断手段は、フィルムを裁断できるものであればよく、例えば、レーザーによる裁断、超高圧水、糸ノコギリ、熱線等が考えられる。
【0010】
ガイドシューターは、小幅フィルムを案内するもので、フィルムの上下左右方向の動きを規制できるものであればよい。
【0011】
フィルム搬送手段は、ガイドシューター内でフィルムを搬送するためのもので、ロール、ベルト、これらを組み合わせたもの等、各種搬送手段を採ることができる。
【0012】
フィルムの両側を複数のクリップで把持しつつ搬送する装置としては、例えば、横延伸装置、乾燥装置等があげられる。
【0013】
本発明の自動送り込み装置に適用できるフィルムは、熱可塑性樹脂からなるフィルムで、厚さ400μm以上のものが好ましく、厚さ600μm以上のものが特に好ましい。
【0014】
本発明の自動送り込み装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は自動送り込み装置の全体構成を示す斜視図、図2はレーザヘッド部分の拡大側面図、図3はガイドシューターの断面図、図4はガイドシューターの側方から見た断面図、図5はガイドシューターの上方から見た断面図、図6はレーザの動作を示す模式図、図7はフィルムの裁断状態を示すフィルムの平面図である。
【0016】
図1において、符号1は自動送り込み装置、符号2は、自動送り込み装置1によりフィルム3が送り込まれる横延伸装置である。
【0017】
自動送り込み装置1は、上流側(フィルム3が搬送されて来る側、以後同様)に駆動ニップロール4と従動パスロール5とが設けられるとともに、下流側(フィルム3が搬送されて行く側、以後同様)に少しの距離を隔てて同様に駆動ニップロール6と従動パスロール7が設けられ、また、これらの間には、図2に示すように、2個の上側レーザガイド8、8と下側レーザガイド9が上下動自在に対向して設けられ、さらに上側レーザガイド8、8の間にはレーザヘッド10が幅方向(フィルムの搬送方向と直角方向、以後同様)に移動自在に設けられている。また、下側レーザガイド9のレーザヘッド10に対向する位置には、煙排出用の溝9aが形成され、さらにこの溝9aから煙を吸引するサクションホース11が設けられている。
【0018】
従動パスロール7の近傍には、フィルム3を回収側へ向かわせる振り分けロール12及びレーザーで切断されたフィルム3のバリ等による、振り分け不良を除去する振り分け用プッシュロール13が略上下方向に回動自在に設けられ、振り分けロール12には従動パスロール7まで略達するガイド板14が取付けられている。この振り分けロール12の斜め下方には、フィルム3を横延伸装置2側へ向かわせるテンター振り分けロール15が略上下方向に回動自在に設けられるとともに、このテンター振り分けロール15の下方に、引取用駆動ロール16及び引取用従動ニップロール17が設けられている。この引取用従動ロール17は、エアシリンダ(図示せず)で引取用駆動ロール16に圧着自在に設けられており、またゴムで形成され、その表面には溝が穿設されている。
【0019】
また、振り分けロール12及び振り分け用プッシュロール13近傍に、ガイドシューター18の上流側端部が位置し、このガイドシューター18は途中で逆Z状に折り返された後その下流側端部が横延伸装置2の搬入側端部に隣接している。
【0020】
ガイドシューター18は、小幅フィルム3aが入り込む上流側端部がラッパ状に広く形成されており、すなわち、上流側端部は300mmの幅に形成されるとともに、それより下流側は約230mmの幅に形成されている。また、このガイドシューター18は、図3に示すように、シューター本体18aと、このシューター本体18aに回動自在に設けられて側方の開口部を開閉する側板18bとからなり、この側板18bはエアシリンダ18cで駆動されるようになっている。そして、シューター本体18aは位置決め用エアハイドロシリンダ18dに連結され、幅方向に進退するようになっている。
【0021】
また、ガイドシューター18は、図5に示すように、複数に分割されて構成され、その各ガイドシューター18を構成する部材は、小幅フィルム3aが引っ掛からないように上流側端部が広くなったラッパ状に形成されている。そして、ガイドシューター18の高さは約50mm(20〜80mmの範囲で可能)に形成されている。
【0022】
ガイドシューター18は、図4に示すように、略密閉状態に形成されているが、各種ロール19、21、20、23、25が設けられた個所には、小幅フィルム3aが入り込まないようにMCナイロン等からなる柔らかい材質で形成された巻き込み防止部18eが設けられている。また、シューター本体18aの内面は、摩擦抵抗を軽減させるために、略半球状の滑り部18fが所定間隔で設けられている。なお、半球状の滑り部18fを設ける代わりにテフロンシートを貼ったり、ニタックス処理を行ってもよい。
【0023】
このガイドシューター18の逆Z字状に折り返された部分には、上流側から下流側へ行くにしたがって、クラッチ付ロール19、クラッチ付ロール20、クラッチ付ロール21及びこのロール21に着脱自在なガイドベルト22、クラッチ付ロール23及びこのロール23に着脱自在なガイドベルト24並びにクラッチ付ロール25が順次設けられている。このガイドベルト22、24は、ロールに傷のつけにくいシームレスベルト等でフィード力のあるものが好ましい。
【0024】
横延伸装置2は、両側にクリップチェーン30、30が設けられ、このクリップチェーン30、30の先端近傍にクリップクローザー31、31が設けられている。また、クリップチェーン30、30の先端両側に隣接して、幅方向に進退自在なEPCヘッド32、32が設けられ、さらに、ガイドシューター18に対応する側には、サクションコンベア33及びこのサクションコンベア33にフィルム3を押しつけるガイド付押付けロール34が設けられ、また、反対側にはガイド板35が設けられている。
【0025】
次に、以上のような自動送り込み装置でフィルムを横延伸装置に送り込む方法に付いて説明する。
【0026】
まず、フィルム3が回収方向に搬送されているとする。このとき、フィルム3は駆動ニップロール4、6を通り回収系への振り分けロール12で下方に曲げられた後、引取用駆動ロール16及び引取用従動ニップロール17を通って回収されている。また、レーザーガイド板8、9は上下方向に移動させられて離れた状態にあり、ガイドシューター18はフィルム3の搬送路から側方に離れた位置に移動させられている。さらに、ガイドベルト22、24は各クラッチ付ロール21、23から離脱した状態にある。
【0027】
以上のようなフィルム3が回収系に搬送させられている状態から、フィルム3を横延伸装置2に送り込むには、まず、フィルム3より離れた位置に待機させていたガイドシューター18を、フィルム3巾に対応して側方に水平移動させ、そして停止させる。このとき、ガイドシューター18の移動はエアハイドロシリンダー、モーター等(図示せず)で行い、停止位置はリミットスイッチ、光電管等(図示せず)で検出する。ガイドシューター18の位置が決まると、それと同時にクラッチ付ロール19、21、20、23のクラッチが入り、クリップチェーン30より約10〜50%速いスピードでモーター(図示せず)により回転するとともに、離脱していたガイドベルト22、24が駆動され、移動して回転しているクラッチ付ロール21、23に圧着状態となる。
【0028】
また、フィルム3の両側端の位置に合わせてクリップチェーン30の位置を決める。テンターのレール巾はフィルム巾に対し、手動もしくは自動により設定する。べース巾よりも20%、好ましくは10%狭く位置を決める。さらに、ガイド板付サクションコンベア33を下方より上昇させ、テンタークリップチェーン30の噛み込み高さにセットし、その後運転状態にする。このサクションコンベア33の速度は、クリップチェーン30の速度の約10%速い速度に調整してある。また、クリップクローザー31、31はセットされ、EPCヘッド32、32は側方へ待避した状態となっている。
【0029】
以上のような状態で、振り分けロール12を上方へ逃がすとともに、テンター振り分けロール15を上昇させ、フィルム3を横延伸装置2方向へ切り換える。次に、上側レーザーガイド板8と下側レーザーガイド板9をフィルム3に接近させ、下側レーザーガイド板9をフィルム3に接触させてフィルム3の波打ちによるレーザーの裁断時の焦点の変動を防止できるようにする。
【0030】
そして、レーザーヘッド6を図6に示すように移動させてフィルム3を裁断する。すなわち、図6において、a点はフィルム3の進行方向に向かって右側端(図1中左側端)を表し、c点はフィルム3の進行方向に向かって左側端(図1中右側端)を表し、b点は中間点を表している。まず、ビームONの状態でa点からb点まで移動させ、図7に示すように裁断線dを形成し、次にビームON状態のままでb点で所定時間停止させ、図6に示すように、裁断線eを形成する。これにより、小幅フィルム部3aが形成される。この小幅フィルム部3aは、ガイドシューター18に振り分けられ、クラッチ付ロール21、23等でフィードされガイドシューター18内を通ってサクションコンベア33上に搬送される。サクションコンベア33は、クリップチェーン30に対し噛み入れる方向になるよう角度を付けられており、確実にクリップに噛み込まれる。このとき、フィルム3の小幅フィルム3a以外の部分は、従来通り引取用駆動ロール16で回収系へ搬送されている。
【0031】
小幅フィルム部3aがクリップチェーン30に噛み込まれた後、レーザーヘッド10をビームONの状態でb点からc点まで移動させ、図7に示すように、裁断線fを形成し、フィルム3の全幅とする。この時、ガイドシューター18の側板18bは開いた状態になっている。
【0032】
フィルム3が搬送されて他方の側端部がクリップチェーン30に噛み込まれたらサクションコンベア33を下げ、EPCヘッド32を自動とする。また、レーザーガイド板8、9は離脱するとともにレーザーヘッド10は元のa点へ復帰し、かつ、振り分けロール15も下降する。
【0033】
次に、横延伸装置2が停止する等して、自動送り込み装置1を停止させる場合について説明する。
【0034】
もし、横延伸装置2が停止した場合、フィルム3は、自動送り込み装置1で連続的に搬送されている状態にあるので、テンデンシロール25と横延伸機の間で弛んで来る(なお、ロール5の上流に弛み吸収用のダンサーロールを設けてもよいが、ニップロール4、6が素早く入り、フィルム3の蛇行等を妨げればダンサーロールを設けなくてもよい。)。このような状態になった時、まず、振り分けロール12を下降させてフィルム3の流れを回収系へ変更し、同時に回収系のスリッター及び粉砕機(図示せず)を運転させる。
【0035】
次に、レーザーガイド板8、9をフィルム3に接近させ、ビームONにしてレーザーヘッド10を約40m/sec.で走行させる。すると、下流側のフィルム3はロール7とロール19で張力をかけられているので、横延伸機2へ送られるが、上流側のフィルム3は、裁断された先頭の三角形の個所が振り分けロール12と一体になっているガイド板により、回収系へと連続的に振り分けられ、引取ロール16、17を介して回収系スリッター、粉砕機等へ振り分けられる。また、このとき、振り分けプッシュロール13により、レーザーによる溶着バリ等による振分不良を防止する。
【0036】
この振り分けが終了したら、振り分けロール12を上昇させ、レーザーヘッド10を初期のa点に戻し、レーザーガイド板8、9も離脱させる。そして、ロール19、21は所定時間回転した後停止する。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、フィルムを、フィルムの両側を複数のクリップで把持しつつ搬送する装置のクリップに確実に把持させることができ、かつ、フィルムがゴミ等で汚れることがなく、また、簡単な構造であるので、製造が容易でかつ幅の変更も極めて簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動送り込み装置の一実施例の全体構成を示す斜視図。
【図2】 本発明の自動送り込み装置の一実施例に用いられたレーザーヘッド部分の側面図。
【図3】 本発明の自動送り込み装置の一実施例に用いられたガイドシューターの断面図。
【図4】 本発明の自動送り込み装置の一実施例に用いられたガイドシューターの側方から見た断面図。
【図5】 本発明の自動送り込み装置の一実施例に用いられたガイドシューターの上方から見た断面図。
【図6】 レーザーによる裁断方法を示す図。
【図7】 レーザーによる裁断方法を示す図。
【符号の説明】
1……自動送り込み装置
2……横延伸装置
3……フィルム
3a…小幅フィルム部
10…レーザーヘッド
12…振り分けロール
15…テンター振り分けロール
18…ガイドシューター
30…クリップチェーン
Claims (2)
- フィルムの両側を複数のクリップで把持しつつ搬送する装置の上流側に設けられるものであって、フィルムの幅方向に移動自在に設けられたフィルム裁断手段と、該裁断手段で形成された小幅フィルム部を一方のクリップへ案内するガイドシューターと、該ガイドシューター内でフィルムを搬送するフィルム搬送手段とを具備し、前記ガイドシューターは、幅方向に進退自在なシューター本体と、該シューター本体の側方の開口部を開閉する側板とからなっていることを特徴とする自動送り込み装置
- 該フィルム裁断手段とフィルムをクリップへ案内する該ガイドシューターとの間に、該ガイドシューター又は回収系へのフィルム搬送経路を変更できる振り分け手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のフィルムの自動送り込み装置
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Family Applications (1)
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JP30432798A Expired - Lifetime JP3777056B2 (ja) | 1998-10-26 | 1998-10-26 | 自動送り込み装置 |
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