JP3763169B2 - プッシュスイッチ付き回転操作型電子部品およびその製造方法 - Google Patents
プッシュスイッチ付き回転操作型電子部品およびその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてオーディオ機器、ビデオ機器等における音量調整、タイマー調整用の回転操作型電子部品と回路切換用プッシュスイッチの組合せ等、操作軸を回転操作と上下動操作するプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品およびその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、電子機器の小形・高性能化に伴い、使用される電子部品も小形で高精度のものが求められており、従来のこの種の電子部品の技術を、小形のプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダを例として、図６〜図９により説明する。
【０００３】
図６において、１は金属棒からなる操作軸で、軸受２の円形孔２Ａに上端から挿入されて、回転運動および上下動が可能なようにその中間円形部１Ａが嵌合保持されている。
【０００４】
一方、３は成形樹脂製の回転接点体で、下面に平面接点４を有する円板部３Ａと、その中心に垂直に立てられた円筒部３Ｂからなり、円筒部３Ｂが軸受２の円形孔２Ａに下端から挿入されて、回転運動が可能なようにその外径が嵌合保持されている。
【０００５】
そして、円筒部３Ｂの非円形貫通孔３Ｃには、上記操作軸１の下方の非円形細径部１Ｂが回転運動は伝達されるが上下動は伝わらないように嵌合され、円板部３Ａの下側に出た操作軸１の溝部１Ｄに、図７に示すＣ形成形ワッシャ５が下端部１Ｃのテーパ部から挿入されて操作軸１の抜け止め部となっている。
【０００６】
また、回転接点体３の円板部３Ａの下面には、図６のＢ−Ｂ線における断面図である図８に示すように、中心円部４Ａとこれから放射状に伸ばされた複数個の直線状部４Ｂからなる平面接点４がインサート成形して設けられ、所定の間隔をあけて対向した下方の固定基板６から伸ばされた三本の弾性脚７Ａおよび７Ｂ，７Ｃの先端弾性接点８Ａおよび８Ｂ，８Ｃが各々この平面接点４の中心円部４Ａおよび直線状部４Ｂに弾接して回転部品部（エンコーダ部）９を構成しており、弾性接点８Ｂ，８Ｃの位置は回転方向に少しずれるように設定されている。
【０００７】
さらに、固定基板６の下方にはスイッチ基板１０が配設され、その上面には上記操作軸１と同心位置の中央固定接点１１Ａおよび外周位置の外周固定接点１１Ｂがインサート成形により固定されており、外周固定接点１１Ｂ上には弾性金属板製のドーム状可動接点１２の外周下端が載せられて、プッシュスイッチ部１３を構成していると共に、ドーム状可動接点１２の上部には、プッシュ板１４を介して上記操作軸１の下端部１Ｃが当接している。
【０００８】
そして、上記の軸受２、固定基板６およびスイッチ基板１０を重ね合わせて、軸受２の上方からコの字形取付金具１５の脚部で挟み込み、スイッチ基板１０の裏面で脚部先端１５Ａを折り曲げることにより全体が連結固定されている。
【０００９】
次に、このプッシュスイッチ付き回転操作形エンコーダの動作について説明すると、まず操作軸１の上方先端部１Ｅを回転操作することにより、操作軸１の回転運動に伴って回転接点体３が回転させられ、その下面の平面接点４に対し三つの弾性接点８Ａおよび８Ｂ，８Ｃが中心円部４Ａおよび直線状部４Ｂ上を摺動していき、各々の接点に接続された端子１６Ａおよび１６Ｂ，１６Ｃの１６Ａ−１６Ｂ間および１６Ａ−１６Ｃ間にパルス信号を出力して回転部品部（エンコーダ部）９として機能する。
【００１０】
また、この回転操作時には操作軸１は上下方向には動かず、プッシュスイッチ部１３は動作しないように構成されている。
【００１１】
次に、図９に矢印で示すように、操作軸１の上方先端部１Ｅに押力を加えて操作軸１を下方に動かすと、その下方先端部１Ｃがプッシュ板１４を介してドーム状可動接点１２を押してプッシュスイッチ部１３を動作させる。
【００１２】
この時、回転部品部（エンコーダ部）９の回転接点体３は下方へは動かず、勿論回転もしないので、回転部品部９は動作しないように構成されている。
【００１３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品（プッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダ）では、Ｃ形成形ワッシャ５を操作軸１の下方の溝部１Ｄに挿入することにより操作軸１の抜け止め部を組立形成しているが、この方式はＣ形成形ワッシャ５を必要とすると共に、その挿入作業は回転接点体３下面の凹部内で細径の溝部１ＤにＣ形成形ワッシャ５を挿入する作業であるため非常に難しく、さらにＣ形成形ワッシャ５の挿入状態を確認し難いという課題があった。
【００１４】
また、上記のプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品（プッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダ）では、プッシュスイッチ部１３を駆動するための操作軸１の上下動が回転接点体３に伝わらないようにするため、操作軸１の下方の非円形細径部１Ｂと回転接点体３の円筒部３Ｂの非円形貫通孔３Ｃの嵌合部は、図８に示すように、若干隙間を設けた嵌合となっており、このため、操作軸１を回転させて回転接点部（エンコーダ部）を駆動する際に、この嵌合部の隙間が操作軸１の回転方向に遊び角を生じ、特に回転方向を反転させる時、操作する人の手にガタツキを感じるという課題があった。
【００１５】
そして、この遊び角は、操作軸１と回転接点体３の嵌合部の隙間寸法が同じであれば、嵌合部の直径が小さいほど大きくなるものであり、上記従来のプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダのように、回転接点体３の円筒部３Ｂが軸受２の円形孔２Ａに挿入された構成では、円筒部３Ｂの非円形貫通孔３Ｃは軸受２の円形孔２Ａよりもかなり小さくなるため、操作軸１の回転方向の遊び角を小さくすることができないものであった。
【００１６】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、操作軸の引抜き止め部を容易に組立形成することができると共に、回転操作時の操作軸の回転方向の遊び角が小さいプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品は、上端が小径部でそれから下方が大径部に形成され、その小径部と大径部との間が段部となった円形の貫通孔を有する軸受に対し、下部が段部を介して軸受の貫通孔の上端小径部よりも大きな外径の太径部に形成された操作軸を下方から挿入して回転および上下動可能に貫通保持させると共に、操作軸の太径部下面の中心位置に細径軸を、また上記中心に対して対称の離れた位置の少なくとも二ヶ所に支柱部を各々下方に突出させて設けて、上記細径軸を回転接点体の中心孔に挿通させ、かつ、上記支柱部の全外周を隙間をもって囲む形状で上記回転接点体の円筒部の上部に設けられた凹部に上記支柱部を上下動可能に係合させることにより、軸受下方の回転部品部の回転接点体およびその下方のプッシュスイッチ部を各々回転操作およびプッシュ操作するように構成したものである。
【００１８】
この本発明により、操作軸の抜け止め部を容易に組立形成することができると共に、操作軸の回転方向の遊び角を小さくすることができる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１に記載の発明は、上端が小径部でそれから下方が大径部に形成され、その小径部と大径部との間が段部となった円形の貫通孔を有する軸受と、この軸受の貫通孔に上部の細径部が上方に突出するように貫通してはめ込まれて回転および上下動可能に保持されると共に、上記細径部の下部が段部を介して上記貫通孔上端の小径部よりも大きな外径の大径部に形成され、上記段部どうしが当接して抜け止めされ、上記太径部の下面には、中心から下方に細径軸が突出して設けられると共に、上記中心に対して対称の離れた位置の少なくとも二ヶ所に支柱部が下方に突出して設けられた操作軸と、円板部の上面に同心状に垂直に設けられた円筒部が、上記軸受の大径部下端に挿入されて回転可能に嵌合保持され、上記操作軸の回転運動は伝達されるが上下動は伝わらないように、上記操作軸の下面の細径軸が中心孔に貫通し、かつ、上記支柱部の全外周を隙間をもって囲む形状で上記円筒部の上部に設けられた凹部に上記支柱部が上下動可能に係合され、上記円板部下面に設けた固定接点が下部に配設された固定基板の弾性接点と摺接することにより回転部品部を構成する回転接点体と、上記回転部品部の下方に配置されて上記操作軸の下面の細径軸に押されることにより動作するプッシュスイッチ部からなる構成としたものであり、軸受の貫通孔に対して下方から操作軸を挿入するだけで操作軸の抜け止め部を容易に形成することができると共に、回転操作時の操作軸の回転方向の遊び角度を小さくできるという作用を有する。
【００２２】
請求項２に記載の発明は、上端が小径部で下方が大径部となった円形の貫通孔を有する軸受と、この軸受の貫通孔に上部の細径部が上方に突出するように貫通してはめ込まれて回転および上下動可能に保持されると共に、下部が上記貫通孔上端の小径部よりも大きな外径に形成された操作軸と、この操作軸の下面中央に設けられた細径軸に中心孔がはめ込まれることにより上記操作軸の回転運動は伝達されるが上下動は伝わらないように係合されて上記軸受の貫通孔の大径部の下端に回転可能に嵌合されると共に、下面に設けた固定接点が下部に配設された固定基板の弾性接点と摺接することにより回転部品部を構成する回転接点体と、上記回転部品部の下方に配置されて上記操作軸の下面の細径軸に押されることにより動作するプッシュスイッチ部からなるプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品の製造方法であって、プッシュスイッチ部の構成部品と回転部品部の固定基板を仮結合してスイッチブロックとし、コの字形取付金具を基準として、下方から軸受・操作軸・回転接点体・スイッチブロックを順次積み重ねて組み合わせた後、コの字形取付金具の脚部で全体を挟み込み、スイッチブロックの裏面で脚部先端を折り曲げることにより固定して組み立てを行うようにした製造方法としたものであり、プッシュスイッチ付き回転操作型電子部品を、コの字形取付金具を基準として一方向から組み立てることができるので、効率的な組立作業をすることができると共に、自動機による組み立ても容易であるという作用を有する。
【００２３】
以下、本発明の実施の形態について図１〜図５を用いて説明する。
なお、本実施の形態において、従来の技術の項で説明したものと同じ構成の部分については同じ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【００２４】
（実施の形態１）
図１は本発明の第１の実施の形態によるプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品を示すプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダの断面図であり、同図において、２１は金属ダイカスト等からなり、上端が小径部２２Ａでそれから下方は大径部２２Ｂとなった円形貫通孔２２を有する軸受で、２３は上部が細径部２３Ａ、下部が軸受け２１の円形貫通孔２２の上端の小径部２２Ａよりも大きい外径の太径部２３Ｂとなった操作軸で、上記軸受２１の円形貫通孔２２に下方から挿入されて細径部２３Ａが上方に突出した状態で回転および上下動可能に貫通保持されている。
【００２５】
一方、２４は成形樹脂製の回転接点体で、下面に平面接点板４を有する円板部２４Ａと、その上面に同心状に垂直に立てられた円筒部２４Ｂからなり、円筒部２４Ｂが上記軸受２１の円形貫通孔２２の大径部２２Ｂ下端に挿入されて回転可能なように嵌合保持されている。
【００２６】
この円筒部２４Ｂの中心孔２４Ｃには、上記操作軸２３の太径部２３Ｂ下面の中心から下方に突出した細径軸２３Ｃが上下動可能に嵌合すると共に、円筒部２４Ｂ外周の二ヶ所の凹部２４Ｄには、操作軸２３の太径部２３Ｂ下面の中心に対して対称位置の外周の二ヶ所に設けられた一定径の支柱部２３Ｄが上下動可能に嵌合している。
【００２７】
そして、回転接点体２４の円板部２４Ａの下面には、従来の技術と同様の平面接点板４がインサート成形にて設けられ、所定の間隔をあけて対向した下方の固定基板６から伸ばされた弾性脚７の弾性接点８が弾接して回転部品部（エンコーダ部）２５を形成していることは、従来の技術と同じである。
【００２８】
さらに、固定基板６の下方に配設されたスイッチ基板１０の上面に中央固定接点１１Ａおよび外周固定接点１１Ｂがインサート成形により固定され、外周固定接点１１Ｂの上に弾性金属板製のドーム状可動接点１２が載せられてプッシュスイッチ部２６を構成しており、このドーム状可動接点１２の上部には、上記操作軸２３の太径部２３Ｂ下面中心から突出して回転接点体２４の円筒部２４Ｂの中心孔２４Ｃを貫通した細径軸２３Ｃの先端がプッシュ板１４を介して当接している。
【００２９】
そして、この状態において、上記軸受２１の円形貫通孔２２の上端の小径部２２Ａと下方の大径部２２Ｂの間の段部２２Ｃに、操作軸２３の上部の細径部２３Ａと下部の太径部２３Ｂの間の段部２３Ｅが当接して操作軸２３の抜け止め部を形成すると共に、操作軸２３の上下方向のガタツキをなくすように設定されている。
【００３０】
なお、以上のように配設された軸受２１、固定基板６およびスイッチ基板１０を重ね合わせてコの字形取付金具１５で連結固定することは、従来の技術と同じである。
【００３１】
本実施の形態によるプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダは以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
【００３２】
まず、操作軸２３の上方の細径部２３Ａを回転操作することにより、操作軸２３の太径部２３Ｂ下面外周の二ヶ所の支柱部２３Ｄを介して回転接点体２４が回転させられ、その下面の平面接点板４に対して弾性接点８が弾接摺動する。
【００３３】
なお、この時、各々の接点に接続された端子１６間にパルス信号を出して回転部品部（エンコーダ部）２５として機能すること、および、この回転操作時に操作軸２３が上下方向に動かず、プッシュスイッチ部２６が動作しないように構成されていることは従来の技術と同様である。
【００３４】
そして、この回転操作時に、操作軸２３の回転運動を回転接点体２４に伝達する操作軸２３の太径部２３Ｂ下面外周の二ヶ所の支柱部２３Ｄと、これが嵌合する回転接点体２４の円筒部２４Ｂ外周の二ヶ所の凹部２４Ｄは、両者の間で回転運動は伝達するが上下動は伝わらないようにするため、図１のＡ−Ａ線における断面図である図２に示すように、若干隙間をあけた嵌合となっているが、この二ヶ所の支柱部２３Ｄと二ヶ所の凹部２４Ｄの位置は、回転中心から離れた位置であるため、両者の嵌合部の隙間寸法が、従来の技術における操作軸１の非円形細径部１Ｂと回転体３の非円形貫通孔３Ｃの嵌合部の隙間寸法と同じであっても、操作軸２３の回転方向の遊び角はずっと小さいものである。
【００３５】
また、上記の説明では、操作軸２３の支柱部２３Ｄおよび回転接点体２４の凹部２４Ｄが各々二ヶ所である場合を説明したが、回転接点体２４の直径が大きい場合等には、これを回転中心に対して対称な位置の三ヶ所、四ヶ所等にしてもよいことは勿論である。
【００３６】
次に、図３に矢印で示すように、操作軸２３の上方細径部２３Ａに押し力を加えて操作軸２３を下方に動かすと、その太径部２３Ｂ下面の中心から突出して回転接点体２４の中心孔２４Ｃを貫通した細径軸２３Ｃの先端がプッシュ板１４を介してドーム状可動接点１２を押し、プッシュスイッチ部２６を動作させる。
【００３７】
この時、操作軸２３の太径部２３Ｂ下面外周の二ヶ所の支柱部２３Ｄも回転接点体２４の円筒部２４Ｂ外周の二ヶ所の凹部２４Ｄ内で上下動するが、回転接点体２４は上下動も回転もしないので回転部品部２５は動作しないように構成されている。
【００３８】
（実施の形態２）
図４は本発明の第２の実施の形態によるプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダの製造方法を示す製造工程図であり、同図に示すように、コの字形取付金具１５を基準として、まず、その上面中央孔１５Ｂおよび対向する脚部１５Ｃ間に軸受２１の円筒部２１Ａおよび基部２１Ｂを、各々下方からはめ込み、続いて軸受２１の円形貫通孔２２に操作軸２３の上部の細径部２３Ａおよび太径部２３Ｂを下方から挿入嵌合させ、続いて操作軸２３の太径部２３Ｂ下面中心の細径軸２３Ｃおよび外周の支柱部２３Ｄに回転接点体２４の円筒部２４Ｂの中心孔２４Ｃおよび外周の二ヶ所の凹部２４Ｄを下方から嵌合させ、最後に、下方からスイッチブロック２７の固定基板６側を上にしてコの字形取付金具１５の対向する脚部１５Ｃ間にはめ込み、スイッチ基板１０の裏面で脚部先端１５Ａを折り曲げることにより、プッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダとして完成するものである。
【００３９】
なお、上記のスイッチブロック２７は、図５に示すように、スイッチ基板１０にドーム状可動接点１２、プッシュ板１４を載せた後、回転部品部２５の固定基板６を重ね合わせて、成形樹脂製の固定基板６の下面に設けたダボ６Ａをスイッチ基板１０に設けた段付き孔１０Ａに通し、スイッチ基板１０の裏面側の段付き孔１０Ａ内に突出した上記ダボ６Ａの先端をかしめることにより結合したものである。
【００４０】
このように、プッシュスイッチ部をあらかじめスイッチブロック化しておくことにより、プッシュスイッチ付き回転操作型電子部品をコの字形取付金具１５を基準として全部品を一方向から組み立てることができるので、効率的な組立作業ができると共に、自動機による組み立ても容易になるものである。
【００４１】
【発明の効果】
以上のように本発明によるプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品は、軸受の段部を備えた貫通孔に対して下方から細径部の下部が段部を介して太径部に形成された操作軸を挿入して上記段部どうしの当接で操作軸の抜け止め部を組立形成できると共に、他部品も同一方向から積み重ねることによって容易に組み立てられるものであり、さらに操作軸の太径部の下面外周位置に設けた支柱部を、上記支柱部の全外周を隙間をもって囲む形状で上記回転接点体の円筒部の上部に設けられた凹部に上下動可能に係合させて回転中心から離れた位置で回転接点体を回転駆動するものであるから、操作軸の回転方向の遊び角を小さくすることができるという有利な効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態によるプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品を示すプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダの正面断面図
【図２】同図１のＡ−Ａ線における断面図
【図３】同操作軸を押した状態の正面断面図
【図４】本発明の第２の実施の形態によるプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダの組立方法を説明する製造工程図
【図５】同プッシュスイッチ部をブロック化する方法を説明する製造工程図
【図６】従来のプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品を示すプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダの正面断面図
【図７】同Ｃ形成形ワッシャの斜視図
【図８】同図６のＢ−Ｂ線における断面図
【図９】同操作軸を押した状態の正面断面図
【符号の説明】
４ 平面接点板
６ 固定基板
６Ａ ダボ
７ 弾性脚
８ 弾性接点
１０ スイッチ基板
１０Ａ 段付き孔
１１Ａ 中央固定接点
１１Ｂ 外周固定接点
１２ ドーム状可動接点
１４ プッシュ板
１５ コの字形取付金具
１５Ａ 脚部先端
１５Ｂ 上面中央孔
１５Ｃ 脚部
１６ 端子
２１ 軸受
２１Ａ 円筒部
２１Ｂ 基部
２２ 円形貫通孔
２２Ａ 小径部
２２Ｂ 大径部
２２Ｃ，２３Ｅ 段部
２３ 操作軸
２３Ａ 細径部
２３Ｂ 太径部
２３Ｃ 細径軸
２３Ｄ 支柱部
２４ 回転接点体
２４Ａ 円板部
２４Ｂ 円筒部
２４Ｃ 中心孔
２４Ｄ 凹部
２５ 回転部品部（エンコーダ部）
２６ プッシュスイッチ部
２７ スイッチブロック
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてオーディオ機器、ビデオ機器等における音量調整、タイマー調整用の回転操作型電子部品と回路切換用プッシュスイッチの組合せ等、操作軸を回転操作と上下動操作するプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品およびその製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、電子機器の小形・高性能化に伴い、使用される電子部品も小形で高精度のものが求められており、従来のこの種の電子部品の技術を、小形のプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダを例として、図６〜図９により説明する。
【０００３】
図６において、１は金属棒からなる操作軸で、軸受２の円形孔２Ａに上端から挿入されて、回転運動および上下動が可能なようにその中間円形部１Ａが嵌合保持されている。
【０００４】
一方、３は成形樹脂製の回転接点体で、下面に平面接点４を有する円板部３Ａと、その中心に垂直に立てられた円筒部３Ｂからなり、円筒部３Ｂが軸受２の円形孔２Ａに下端から挿入されて、回転運動が可能なようにその外径が嵌合保持されている。
【０００５】
そして、円筒部３Ｂの非円形貫通孔３Ｃには、上記操作軸１の下方の非円形細径部１Ｂが回転運動は伝達されるが上下動は伝わらないように嵌合され、円板部３Ａの下側に出た操作軸１の溝部１Ｄに、図７に示すＣ形成形ワッシャ５が下端部１Ｃのテーパ部から挿入されて操作軸１の抜け止め部となっている。
【０００６】
また、回転接点体３の円板部３Ａの下面には、図６のＢ−Ｂ線における断面図である図８に示すように、中心円部４Ａとこれから放射状に伸ばされた複数個の直線状部４Ｂからなる平面接点４がインサート成形して設けられ、所定の間隔をあけて対向した下方の固定基板６から伸ばされた三本の弾性脚７Ａおよび７Ｂ，７Ｃの先端弾性接点８Ａおよび８Ｂ，８Ｃが各々この平面接点４の中心円部４Ａおよび直線状部４Ｂに弾接して回転部品部（エンコーダ部）９を構成しており、弾性接点８Ｂ，８Ｃの位置は回転方向に少しずれるように設定されている。
【０００７】
さらに、固定基板６の下方にはスイッチ基板１０が配設され、その上面には上記操作軸１と同心位置の中央固定接点１１Ａおよび外周位置の外周固定接点１１Ｂがインサート成形により固定されており、外周固定接点１１Ｂ上には弾性金属板製のドーム状可動接点１２の外周下端が載せられて、プッシュスイッチ部１３を構成していると共に、ドーム状可動接点１２の上部には、プッシュ板１４を介して上記操作軸１の下端部１Ｃが当接している。
【０００８】
そして、上記の軸受２、固定基板６およびスイッチ基板１０を重ね合わせて、軸受２の上方からコの字形取付金具１５の脚部で挟み込み、スイッチ基板１０の裏面で脚部先端１５Ａを折り曲げることにより全体が連結固定されている。
【０００９】
次に、このプッシュスイッチ付き回転操作形エンコーダの動作について説明すると、まず操作軸１の上方先端部１Ｅを回転操作することにより、操作軸１の回転運動に伴って回転接点体３が回転させられ、その下面の平面接点４に対し三つの弾性接点８Ａおよび８Ｂ，８Ｃが中心円部４Ａおよび直線状部４Ｂ上を摺動していき、各々の接点に接続された端子１６Ａおよび１６Ｂ，１６Ｃの１６Ａ−１６Ｂ間および１６Ａ−１６Ｃ間にパルス信号を出力して回転部品部（エンコーダ部）９として機能する。
【００１０】
また、この回転操作時には操作軸１は上下方向には動かず、プッシュスイッチ部１３は動作しないように構成されている。
【００１１】
次に、図９に矢印で示すように、操作軸１の上方先端部１Ｅに押力を加えて操作軸１を下方に動かすと、その下方先端部１Ｃがプッシュ板１４を介してドーム状可動接点１２を押してプッシュスイッチ部１３を動作させる。
【００１２】
この時、回転部品部（エンコーダ部）９の回転接点体３は下方へは動かず、勿論回転もしないので、回転部品部９は動作しないように構成されている。
【００１３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品（プッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダ）では、Ｃ形成形ワッシャ５を操作軸１の下方の溝部１Ｄに挿入することにより操作軸１の抜け止め部を組立形成しているが、この方式はＣ形成形ワッシャ５を必要とすると共に、その挿入作業は回転接点体３下面の凹部内で細径の溝部１ＤにＣ形成形ワッシャ５を挿入する作業であるため非常に難しく、さらにＣ形成形ワッシャ５の挿入状態を確認し難いという課題があった。
【００１４】
また、上記のプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品（プッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダ）では、プッシュスイッチ部１３を駆動するための操作軸１の上下動が回転接点体３に伝わらないようにするため、操作軸１の下方の非円形細径部１Ｂと回転接点体３の円筒部３Ｂの非円形貫通孔３Ｃの嵌合部は、図８に示すように、若干隙間を設けた嵌合となっており、このため、操作軸１を回転させて回転接点部（エンコーダ部）を駆動する際に、この嵌合部の隙間が操作軸１の回転方向に遊び角を生じ、特に回転方向を反転させる時、操作する人の手にガタツキを感じるという課題があった。
【００１５】
そして、この遊び角は、操作軸１と回転接点体３の嵌合部の隙間寸法が同じであれば、嵌合部の直径が小さいほど大きくなるものであり、上記従来のプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダのように、回転接点体３の円筒部３Ｂが軸受２の円形孔２Ａに挿入された構成では、円筒部３Ｂの非円形貫通孔３Ｃは軸受２の円形孔２Ａよりもかなり小さくなるため、操作軸１の回転方向の遊び角を小さくすることができないものであった。
【００１６】
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、操作軸の引抜き止め部を容易に組立形成することができると共に、回転操作時の操作軸の回転方向の遊び角が小さいプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明のプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品は、上端が小径部でそれから下方が大径部に形成され、その小径部と大径部との間が段部となった円形の貫通孔を有する軸受に対し、下部が段部を介して軸受の貫通孔の上端小径部よりも大きな外径の太径部に形成された操作軸を下方から挿入して回転および上下動可能に貫通保持させると共に、操作軸の太径部下面の中心位置に細径軸を、また上記中心に対して対称の離れた位置の少なくとも二ヶ所に支柱部を各々下方に突出させて設けて、上記細径軸を回転接点体の中心孔に挿通させ、かつ、上記支柱部の全外周を隙間をもって囲む形状で上記回転接点体の円筒部の上部に設けられた凹部に上記支柱部を上下動可能に係合させることにより、軸受下方の回転部品部の回転接点体およびその下方のプッシュスイッチ部を各々回転操作およびプッシュ操作するように構成したものである。
【００１８】
この本発明により、操作軸の抜け止め部を容易に組立形成することができると共に、操作軸の回転方向の遊び角を小さくすることができる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項１に記載の発明は、上端が小径部でそれから下方が大径部に形成され、その小径部と大径部との間が段部となった円形の貫通孔を有する軸受と、この軸受の貫通孔に上部の細径部が上方に突出するように貫通してはめ込まれて回転および上下動可能に保持されると共に、上記細径部の下部が段部を介して上記貫通孔上端の小径部よりも大きな外径の大径部に形成され、上記段部どうしが当接して抜け止めされ、上記太径部の下面には、中心から下方に細径軸が突出して設けられると共に、上記中心に対して対称の離れた位置の少なくとも二ヶ所に支柱部が下方に突出して設けられた操作軸と、円板部の上面に同心状に垂直に設けられた円筒部が、上記軸受の大径部下端に挿入されて回転可能に嵌合保持され、上記操作軸の回転運動は伝達されるが上下動は伝わらないように、上記操作軸の下面の細径軸が中心孔に貫通し、かつ、上記支柱部の全外周を隙間をもって囲む形状で上記円筒部の上部に設けられた凹部に上記支柱部が上下動可能に係合され、上記円板部下面に設けた固定接点が下部に配設された固定基板の弾性接点と摺接することにより回転部品部を構成する回転接点体と、上記回転部品部の下方に配置されて上記操作軸の下面の細径軸に押されることにより動作するプッシュスイッチ部からなる構成としたものであり、軸受の貫通孔に対して下方から操作軸を挿入するだけで操作軸の抜け止め部を容易に形成することができると共に、回転操作時の操作軸の回転方向の遊び角度を小さくできるという作用を有する。
【００２２】
請求項２に記載の発明は、上端が小径部で下方が大径部となった円形の貫通孔を有する軸受と、この軸受の貫通孔に上部の細径部が上方に突出するように貫通してはめ込まれて回転および上下動可能に保持されると共に、下部が上記貫通孔上端の小径部よりも大きな外径に形成された操作軸と、この操作軸の下面中央に設けられた細径軸に中心孔がはめ込まれることにより上記操作軸の回転運動は伝達されるが上下動は伝わらないように係合されて上記軸受の貫通孔の大径部の下端に回転可能に嵌合されると共に、下面に設けた固定接点が下部に配設された固定基板の弾性接点と摺接することにより回転部品部を構成する回転接点体と、上記回転部品部の下方に配置されて上記操作軸の下面の細径軸に押されることにより動作するプッシュスイッチ部からなるプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品の製造方法であって、プッシュスイッチ部の構成部品と回転部品部の固定基板を仮結合してスイッチブロックとし、コの字形取付金具を基準として、下方から軸受・操作軸・回転接点体・スイッチブロックを順次積み重ねて組み合わせた後、コの字形取付金具の脚部で全体を挟み込み、スイッチブロックの裏面で脚部先端を折り曲げることにより固定して組み立てを行うようにした製造方法としたものであり、プッシュスイッチ付き回転操作型電子部品を、コの字形取付金具を基準として一方向から組み立てることができるので、効率的な組立作業をすることができると共に、自動機による組み立ても容易であるという作用を有する。
【００２３】
以下、本発明の実施の形態について図１〜図５を用いて説明する。
なお、本実施の形態において、従来の技術の項で説明したものと同じ構成の部分については同じ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【００２４】
（実施の形態１）
図１は本発明の第１の実施の形態によるプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品を示すプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダの断面図であり、同図において、２１は金属ダイカスト等からなり、上端が小径部２２Ａでそれから下方は大径部２２Ｂとなった円形貫通孔２２を有する軸受で、２３は上部が細径部２３Ａ、下部が軸受け２１の円形貫通孔２２の上端の小径部２２Ａよりも大きい外径の太径部２３Ｂとなった操作軸で、上記軸受２１の円形貫通孔２２に下方から挿入されて細径部２３Ａが上方に突出した状態で回転および上下動可能に貫通保持されている。
【００２５】
一方、２４は成形樹脂製の回転接点体で、下面に平面接点板４を有する円板部２４Ａと、その上面に同心状に垂直に立てられた円筒部２４Ｂからなり、円筒部２４Ｂが上記軸受２１の円形貫通孔２２の大径部２２Ｂ下端に挿入されて回転可能なように嵌合保持されている。
【００２６】
この円筒部２４Ｂの中心孔２４Ｃには、上記操作軸２３の太径部２３Ｂ下面の中心から下方に突出した細径軸２３Ｃが上下動可能に嵌合すると共に、円筒部２４Ｂ外周の二ヶ所の凹部２４Ｄには、操作軸２３の太径部２３Ｂ下面の中心に対して対称位置の外周の二ヶ所に設けられた一定径の支柱部２３Ｄが上下動可能に嵌合している。
【００２７】
そして、回転接点体２４の円板部２４Ａの下面には、従来の技術と同様の平面接点板４がインサート成形にて設けられ、所定の間隔をあけて対向した下方の固定基板６から伸ばされた弾性脚７の弾性接点８が弾接して回転部品部（エンコーダ部）２５を形成していることは、従来の技術と同じである。
【００２８】
さらに、固定基板６の下方に配設されたスイッチ基板１０の上面に中央固定接点１１Ａおよび外周固定接点１１Ｂがインサート成形により固定され、外周固定接点１１Ｂの上に弾性金属板製のドーム状可動接点１２が載せられてプッシュスイッチ部２６を構成しており、このドーム状可動接点１２の上部には、上記操作軸２３の太径部２３Ｂ下面中心から突出して回転接点体２４の円筒部２４Ｂの中心孔２４Ｃを貫通した細径軸２３Ｃの先端がプッシュ板１４を介して当接している。
【００２９】
そして、この状態において、上記軸受２１の円形貫通孔２２の上端の小径部２２Ａと下方の大径部２２Ｂの間の段部２２Ｃに、操作軸２３の上部の細径部２３Ａと下部の太径部２３Ｂの間の段部２３Ｅが当接して操作軸２３の抜け止め部を形成すると共に、操作軸２３の上下方向のガタツキをなくすように設定されている。
【００３０】
なお、以上のように配設された軸受２１、固定基板６およびスイッチ基板１０を重ね合わせてコの字形取付金具１５で連結固定することは、従来の技術と同じである。
【００３１】
本実施の形態によるプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダは以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
【００３２】
まず、操作軸２３の上方の細径部２３Ａを回転操作することにより、操作軸２３の太径部２３Ｂ下面外周の二ヶ所の支柱部２３Ｄを介して回転接点体２４が回転させられ、その下面の平面接点板４に対して弾性接点８が弾接摺動する。
【００３３】
なお、この時、各々の接点に接続された端子１６間にパルス信号を出して回転部品部（エンコーダ部）２５として機能すること、および、この回転操作時に操作軸２３が上下方向に動かず、プッシュスイッチ部２６が動作しないように構成されていることは従来の技術と同様である。
【００３４】
そして、この回転操作時に、操作軸２３の回転運動を回転接点体２４に伝達する操作軸２３の太径部２３Ｂ下面外周の二ヶ所の支柱部２３Ｄと、これが嵌合する回転接点体２４の円筒部２４Ｂ外周の二ヶ所の凹部２４Ｄは、両者の間で回転運動は伝達するが上下動は伝わらないようにするため、図１のＡ−Ａ線における断面図である図２に示すように、若干隙間をあけた嵌合となっているが、この二ヶ所の支柱部２３Ｄと二ヶ所の凹部２４Ｄの位置は、回転中心から離れた位置であるため、両者の嵌合部の隙間寸法が、従来の技術における操作軸１の非円形細径部１Ｂと回転体３の非円形貫通孔３Ｃの嵌合部の隙間寸法と同じであっても、操作軸２３の回転方向の遊び角はずっと小さいものである。
【００３５】
また、上記の説明では、操作軸２３の支柱部２３Ｄおよび回転接点体２４の凹部２４Ｄが各々二ヶ所である場合を説明したが、回転接点体２４の直径が大きい場合等には、これを回転中心に対して対称な位置の三ヶ所、四ヶ所等にしてもよいことは勿論である。
【００３６】
次に、図３に矢印で示すように、操作軸２３の上方細径部２３Ａに押し力を加えて操作軸２３を下方に動かすと、その太径部２３Ｂ下面の中心から突出して回転接点体２４の中心孔２４Ｃを貫通した細径軸２３Ｃの先端がプッシュ板１４を介してドーム状可動接点１２を押し、プッシュスイッチ部２６を動作させる。
【００３７】
この時、操作軸２３の太径部２３Ｂ下面外周の二ヶ所の支柱部２３Ｄも回転接点体２４の円筒部２４Ｂ外周の二ヶ所の凹部２４Ｄ内で上下動するが、回転接点体２４は上下動も回転もしないので回転部品部２５は動作しないように構成されている。
【００３８】
（実施の形態２）
図４は本発明の第２の実施の形態によるプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダの製造方法を示す製造工程図であり、同図に示すように、コの字形取付金具１５を基準として、まず、その上面中央孔１５Ｂおよび対向する脚部１５Ｃ間に軸受２１の円筒部２１Ａおよび基部２１Ｂを、各々下方からはめ込み、続いて軸受２１の円形貫通孔２２に操作軸２３の上部の細径部２３Ａおよび太径部２３Ｂを下方から挿入嵌合させ、続いて操作軸２３の太径部２３Ｂ下面中心の細径軸２３Ｃおよび外周の支柱部２３Ｄに回転接点体２４の円筒部２４Ｂの中心孔２４Ｃおよび外周の二ヶ所の凹部２４Ｄを下方から嵌合させ、最後に、下方からスイッチブロック２７の固定基板６側を上にしてコの字形取付金具１５の対向する脚部１５Ｃ間にはめ込み、スイッチ基板１０の裏面で脚部先端１５Ａを折り曲げることにより、プッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダとして完成するものである。
【００３９】
なお、上記のスイッチブロック２７は、図５に示すように、スイッチ基板１０にドーム状可動接点１２、プッシュ板１４を載せた後、回転部品部２５の固定基板６を重ね合わせて、成形樹脂製の固定基板６の下面に設けたダボ６Ａをスイッチ基板１０に設けた段付き孔１０Ａに通し、スイッチ基板１０の裏面側の段付き孔１０Ａ内に突出した上記ダボ６Ａの先端をかしめることにより結合したものである。
【００４０】
このように、プッシュスイッチ部をあらかじめスイッチブロック化しておくことにより、プッシュスイッチ付き回転操作型電子部品をコの字形取付金具１５を基準として全部品を一方向から組み立てることができるので、効率的な組立作業ができると共に、自動機による組み立ても容易になるものである。
【００４１】
【発明の効果】
以上のように本発明によるプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品は、軸受の段部を備えた貫通孔に対して下方から細径部の下部が段部を介して太径部に形成された操作軸を挿入して上記段部どうしの当接で操作軸の抜け止め部を組立形成できると共に、他部品も同一方向から積み重ねることによって容易に組み立てられるものであり、さらに操作軸の太径部の下面外周位置に設けた支柱部を、上記支柱部の全外周を隙間をもって囲む形状で上記回転接点体の円筒部の上部に設けられた凹部に上下動可能に係合させて回転中心から離れた位置で回転接点体を回転駆動するものであるから、操作軸の回転方向の遊び角を小さくすることができるという有利な効果が得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態によるプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品を示すプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダの正面断面図
【図２】同図１のＡ−Ａ線における断面図
【図３】同操作軸を押した状態の正面断面図
【図４】本発明の第２の実施の形態によるプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダの組立方法を説明する製造工程図
【図５】同プッシュスイッチ部をブロック化する方法を説明する製造工程図
【図６】従来のプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品を示すプッシュスイッチ付き回転操作型エンコーダの正面断面図
【図７】同Ｃ形成形ワッシャの斜視図
【図８】同図６のＢ−Ｂ線における断面図
【図９】同操作軸を押した状態の正面断面図
【符号の説明】
４ 平面接点板
６ 固定基板
６Ａ ダボ
７ 弾性脚
８ 弾性接点
１０ スイッチ基板
１０Ａ 段付き孔
１１Ａ 中央固定接点
１１Ｂ 外周固定接点
１２ ドーム状可動接点
１４ プッシュ板
１５ コの字形取付金具
１５Ａ 脚部先端
１５Ｂ 上面中央孔
１５Ｃ 脚部
１６ 端子
２１ 軸受
２１Ａ 円筒部
２１Ｂ 基部
２２ 円形貫通孔
２２Ａ 小径部
２２Ｂ 大径部
２２Ｃ，２３Ｅ 段部
２３ 操作軸
２３Ａ 細径部
２３Ｂ 太径部
２３Ｃ 細径軸
２３Ｄ 支柱部
２４ 回転接点体
２４Ａ 円板部
２４Ｂ 円筒部
２４Ｃ 中心孔
２４Ｄ 凹部
２５ 回転部品部（エンコーダ部）
２６ プッシュスイッチ部
２７ スイッチブロック
Claims (2)
- 上端が小径部でそれから下方が大径部に形成され、その小径部と大径部との間が段部となった円形の貫通孔を有する軸受と、この軸受の貫通孔に上部の細径部が上方に突出するように貫通してはめ込まれて回転および上下動可能に保持されると共に、上記細径部の下部が段部を介して上記貫通孔上端の小径部よりも大きな外径の大径部に形成され、上記段部どうしが当接して抜け止めされ、上記太径部の下面には、中心から下方に細径軸が突出して設けられると共に、上記中心に対して対称の離れた位置の少なくとも二ヶ所に支柱部が下方に突出して設けられた操作軸と、円板部の上面に同心状に垂直に設けられた円筒部が、上記軸受の大径部下端に挿入されて回転可能に嵌合保持され、上記操作軸の回転運動は伝達されるが上下動は伝わらないように、上記操作軸の下面の細径軸が中心孔に貫通し、かつ、上記支柱部の全外周を隙間をもって囲む形状で上記円筒部の上部に設けられた凹部に上記支柱部が上下動可能に係合され、上記円板部下面に設けた固定接点が下部に配設された固定基板の弾性接点と摺接することにより回転部品部を構成する回転接点体と、上記回転部品部の下方に配置されて上記操作軸の下面の細径軸に押されることにより動作するプッシュスイッチ部からなるプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品。
- 上端が小径部で下方が大径部となった円形の貫通孔を有する軸受と、この軸受の貫通孔に上部の細径部が上方に突出するように貫通してはめ込まれて回転および上下動可能に保持されると共に、下部が上記貫通孔上端の小径部よりも大きな外径に形成された操作軸と、この操作軸の下面中央に設けられた細径軸に中心孔がはめ込まれることにより上記操作軸の回転運動は伝達されるが上下動は伝わらないように係合されて上記軸受の貫通孔の大径部の下端に回転可能に嵌合されると共に、下面に設けた固定接点が下部に配設された固定基板の弾性接点と摺接することにより回転部品部を構成する回転接点体と、上記回転部品部の下方に配置されて上記操作軸の下面の細径軸に押されることにより動作するプッシュスイッチ部からなるプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品の製造方法であって、プッシュスイッチ部の構成部品と回転部品部の固定基板を仮結合してスイッチブロックとし、コの字形取付金具を基準として、下方から軸受・操作軸・回転接点体・スイッチブロックを順次積み重ねて組み合わせた後、コの字形取付金具の脚部で全体を挟み込み、スイッチブロックの裏面で脚部先端を折り曲げることにより固定して組み立てを行うようにしたプッシュスイッチ付き回転操作型電子部品の製造方法。
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