JP3664385B2 - Fine metal composite hollow sphere and method for producing the same - Google Patents

Fine metal composite hollow sphere and method for producing the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真球度合が小さく、表面粗さ度が小さく、耐熱温度が高い微小金属複合中空球体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、微小な金属の球体を製造する方法としては、1種以上の金属塩を含む溶液を噴霧して液滴にし、該液滴を該金属塩の分解温度より高く、また酸化物を生成する場合には、該酸化物の分解温度より高く、かつ該金属塩を構成する金属の融点より低い温度で加熱することを特徴とする噴霧熱分解製造方法が提案されている(特開平8−170112)。
【0003】
また、金属の中空球体の製造方法としては、金属板を塑性変形することにより金属の中空球体を形成する方法が提案されている(特開平8−66731)。
【0004】
また、芯材に球状の高分子有機物を用い、その表面に金属を被覆し、加熱することにより芯材の高分子有機物を分解し、ガス化し、金属の中空球体を形成する方法が提案されている(特開平6−7670)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような金属のみで構成される微小な金属の中空体ではなく、無機物の天然ガラスからなる焼成発泡体を芯材とし、該芯材に金属を被覆してなる、真球度合が小さく、表面粗さ度が小さく、耐熱温度が高い新規な微小金属複合中空球体およびその製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の微小金属複合中空球体は、無機物の天然ガラスからなる焼成発泡体を芯材とし、該芯材に金属を単層もしくは多層に被覆してなる、真球度合が小さく、表面粗さ度が小さく、耐熱温度が高い中空の球状微粒子である。
【0007】
その真球度合は、0.5〜5%、好ましくは1〜2%であり、その表面粗さ度は、0.001〜0.2%、好ましくは0.01〜0.1%である。
【0008】
また、その粒径は、100〜2000μm、好ましくは100〜1000μmであり、金属の被覆厚は、粒径の1〜40%でかつ5μm以上、好ましくは2〜20%でかつ5μm以上である。
【0009】
さらに被覆する金属の主成分は、ニッケル、鉄、銀、銅、金、パラジウム、アルミニウム、好ましくはニッケル、銀、銅、金、アルミニウム、さらに好ましくはニッケル、銅である。
【0010】
耐熱温度は、被覆する金属の溶融温度未満である。
【0011】
本発明の微小金属複合中空球体は、無機物の天然ガラスからなる焼成発泡体の芯材に金属を被覆し、該金属被覆芯材を芯材の軟化温度以上、被覆した金属の溶融温度未満で加熱し、球状に形成し、さらに被覆した金属の溶融温度以上で空中で加熱する2段階加熱によって製造する。また、別の方法として、芯材に金属を被覆し、該金属被覆芯材を被覆した金属の溶融温度以上で空中で加熱する1段階加熱によって製造する方法であってもよい。また、上記の製造方法により得られるすべての製造物も含まれる。
【0012】
本発明の微小金属複合中空球体は、無機物の天然ガラスからなる焼成発泡体を芯材とし、該芯材に金属を被覆してなる中空の球状微粒子である。芯材は、無機物の天然ガラスを原料とし、これを加熱し、発泡させた焼成発泡体である。前記芯材の原料となる天然ガラスは、火山噴出物が堆積したものであり、塊状のものや、粒状のものがある。塊状のものは松脂岩、黒曜岩、真珠岩などがあり、粉砕することで芯材の原料になる。また粒状のものはシラスがあり、そのまま芯材の原料となる。さらにこの粒状のシラスを粉砕したものも芯材の原料となる。
【0013】
焼成発泡体は、上記原料を加熱し、発泡させたもので、パーライト、シラスバルーン、微粒シラスバルーンなどがある。パーライトは、前記塊状のものを粉砕し、加熱し、発泡させたものである。シラスバルーンは、前記粒状のシラスを加熱し、発泡させたものである。微粒シラスバルーンは、前記粒状のシラスを粉砕し、加熱し、発泡させたもののうち、特に20μm以下の粒径のものである。
【0014】
焼成発泡体は、流動層式加熱炉や電気炉を用いて、芯材の原料を高温で加熱し発泡させて製造する。ただし、これらの方法に限定されるものではない。流動層式加熱炉とは、特許第849394号または特許第3028474号に開示してあるような流動焼成炉のことである。砂またはセラミックスボールを流動媒体として、原料を流動化ガスに同伴させて流動層底部のガス分散板を通して供給し、製品は排ガス中からサイクロンにより分離回収する。焼成に必要な熱量は、流動化ガスである空気に燃料ガスを混合して流動層に吹き込み、流動層内で燃焼する内燃方式によって供給する。
【0015】
特に発明者らは、原料に粒状のシラスまたは粒状のシラスを粉砕したものを用い、これを加熱し、発泡させたシラスバルーンまたは微粒シラスバルーンの製造に関して特許を有しており、この方法で芯材を容易に製造することができる(特許第2562788号、特許第3028474号)。
【0016】
金属被覆芯材とは、芯材に金属を被覆したものをいう。
【0017】
真球度合とは、次のような方法により真球度を測定し、これと粒子直径との比とする。初めに、真球度の測定は、JIS B 1501に玉軸受用鋼球の測定方法として規定されている。これによると真球度は、測定する鋼球1個を真円度測定器で互いに90°をなす2又は3赤道平面上の鋼球表面の輪郭を測定し、それぞれの最小外接円から鋼球表面までの半径方向の距離の最大の値として求めるとある。また、その鋼球の大きさが0.3mm以上のものについて規定してある。
【0018】
本発明の微小金属複合中空球体は微小で、0.3mm未満のものもあるため、上記のJISに準拠した次の方法で真球度を測定した。電子顕微鏡により粒子画像を得て、1赤道平面についてのみ、その真円度を画像処理により測定し、真球度の値とした。そして、これと粒子直径との比を真球度合とした。ここで真円度とは、被測定物の輪郭を、その被測定物の重心を中心とした二つの幾何学的円で挟んだとき、同心二円の間隔が最小となる場合の二円の半径差で表す。
【0019】
具体的には、先ず微小金属複合中空球体のデジタル画像を、電界放射走査電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM−6330F)を用いて、一つの点が256階調以上の分解能で得る。また、前記デジタル画像に表示される粒子画像は、少なくともその直径が500個以上の点で表示されるような解像度で得る。
【0020】
次にSobelのエッジ検出法を用いて、画像の階調が著しく変化する粒子画像と背景との境界、すなわち輪郭線を強調する。Sobelのエッジ検出法は、ある任意の点と、この点の縦横の走査方向に隣接する2点との階調差をそれぞれ2乗し、その2つの解の和をとり、その平方根を前記任意の点の新しい階調とするものである。任意の点の階調をd(i,j)、これに縦横の走査方向に隣接する2点の階調をd(i+1,j)とd(i,j+1)としたとき、前記任意の点の新しい階調D(i,j)は数1により求める。
【0021】
【数1】

Figure 0003664385
(i:デジタル画像のX座標、j:デジタル画像のY座標)
【0022】
次に2値化して粒子画像の輪郭線を得る。ここで、明らかに輪郭線を構成する点でないものは削除する。次に得られた輪郭線に囲まれている領域の重心を求める。
この重心と、円の外周を構成する各点との距離を測定する。得られた距離で最長のものを、前記同心2円の外側の円の半径Rmaxとする。また、最短のものを、前記同心2円の内側の円の半径Rminとする。真球度合は数2により求める。
【0023】
【数2】
Figure 0003664385
真球のものは、その真球度合が0%となる。
【0024】
表面粗さ度とは、次のような方法によりJIS B 0601に規定されている算術平均粗さRaを測定し、これと粒子直径との比とする。算術平均粗さRaは、基準面に対する高さの凹凸の度合い表すものである。
【0025】
算術平均粗さRaを、光波干渉を利用した表面構造解析顕微鏡(zygo製 New View 5032、ソフトウェア:MetroPro バージョン7.3.4)を用いて測定する。基準面は、例えば本発明の微小金属複合中空球体の場合、これの高周波成分である表面粗さ成分を除去した球体の曲面となる。使用する表面構造解析顕微鏡では、特に設定しない限り、基準面は被測定物を設置するステージと平行で、かつ被測定物と少なくとも一部分が重なる平面に設定されている。このため、基準面を球体表面の曲面に変更する必要がある。これを実現するために、表面構造解析顕微鏡の”Removed”というパラメータを”Sphere”に設定する。
【0026】
表面構造解析顕微鏡のシステムの倍率は1000倍である。平面のX軸とY軸の分解能は、それぞれ0.64μmである。また垂直軸方向の分解能は0.1nmである。測定範囲は、微小金属複合中空球体を設置したときに、高さが一番高い所を中心とした半径20μmの円の内部とする。表面粗さ度は、算術平均粗さをRa(単位:μm)、微小金属複合中空球体の半径をr(単位:μm)で表したとき、数3により求める。
【0027】
【数3】
Figure 0003664385
【0028】
耐熱温度とは、被覆した金属の溶融温度未満であり、微小金属複合中空球体を加熱したときに、中空であることが保持される上限の温度である。好ましくは、芯材が溶融する温度未満であり、さらに好ましくは芯材が軟化する温度未満である。
【0029】
無機物の天然ガラスからなる芯材の溶融温度は、1200〜1300℃である。また、その軟化温度は900〜1000℃である。
【0030】
微小金属複合中空球体の製造工程フローチャートは、図1に示すA法、B法がある。先ずA法について説明する。
【0031】
原料a−1は、無機物の天然ガラスである。この天然ガラスは、火山噴出物が堆積したもので、塊状のものや、粒状のものがある。塊状のものは、松脂岩、黒曜岩、真珠岩などがあり、粉砕することで原料a−1となる。また粒状のものは、シラスがあり、そのまま原料a−1となる。さらにこの粒状のシラスを粉砕したものも原料a−1となる。前記原料a−1を、ふるいを用いて所望の粒径に選別する。
【0032】
加熱工程1は、原料a−1を加熱し、原料a−1に含有される水分をガス化し、発泡させて、芯材a−2を得るものである。例えば、発明者らが有する特許(特許第2562788号、特許第3028474号)に記載の方法を用いる。これは、流動層式加熱炉を用い、原料a−1を900℃〜1200℃で加熱し、芯材a−2を製造するものである。
【0033】
芯材a−2に被覆する金属は、特に制限されないが、具体的にはニッケル、鉄、銀、銅、金、パラジウム、アルミニウムから選ばれた少なくとも1つからなる金属または合金など、取り扱いの容易な金属を用いる。また、これらの金属または合金の酸化物、水素化物、窒化物などでもよい。
【0034】
芯材a−2に金属を被覆する方法は、真空下で金属を被覆するPVD法またはCVD法あるいはドライブレンディングマイクロカプセル化法あるいは無電界メッキ法があげられる。例えば、無電界メッキ法により、ニッケルとリンの合金を被膜する場合は、以下のように行う。
【0035】
先ず少量の3−アミノプロピルトリエトキシシランをエタノールに溶解させた溶液を、芯材a−2に添加し撹拌する。これを濾過した後、付着している溶液を除去するため、エタノールで洗浄する。その後、凝集を避けるため、エタノールを添加し、そのまま110℃で一昼夜乾燥する。
【0036】
次に塩化パラジウムと塩酸を蒸留水に溶解させた溶液を、上記処理を施した芯材a−2に添加し、撹拌する。これを濾過した後、付着している溶液を除去するため、蒸留水で洗浄する。さらに、次亜リン酸ナトリウムを蒸留水に溶解させた溶液を添加し、撹拌し、濾過し、洗浄する。
【0037】
上記処理を施した芯材a−2を、メッキ浴に投入する。このメッキ浴は、リンゴ酸、コハク酸、硫酸ニッケル6水塩および水酸化ナトリウムを蒸留水に溶解した溶液で、常に任意の温度に制御している。芯材a−2を投入したメッキ浴を攪拌しながら、還元剤を定量ポンプで供給する。還元剤は、次亜リン酸ナトリウムを蒸留水に溶解した溶液である。メッキ処理中は、pH調整液を添加して、設定したpHに制御する。pH調整液は、水酸化ナトリウムを蒸留水に溶解させた溶液である。pHの値が変化しなくなるまで反応させた後、濾過して金属被覆芯材a−3を得る。これを蒸留水で洗浄した後、エタノールを添加し、そのまま一昼夜乾燥する。
【0038】
ここで被覆する金属の厚さは、例えば、上記の無電界メッキの場合は、金属被覆工程における芯材a−2の投入量や、メッキ浴濃度で制御する。例えば、投入量で制御する場合は、あらかじめ芯材a−2を一定量投入した場合の被覆した金属の厚さを把握しておく。芯材a−2の投入量が倍になると、芯材a−2の一粒に被覆される金属の量は、約半分になる。このことより、芯材a−2の粒径を考慮すれば、被覆する金属の厚さを制御できる。
【0039】
さらに、上記の金属被覆工程を、異なる金属種で複数回行うことにより、複数金属の多層構造を構築することが可能である。
【0040】
加熱工程2は、金属被覆芯材a−3を、加熱することにより、内部の気体に膨張力を発生させ、球状に形成し、金属被覆球体a−4を得るものである。加熱する方法として、流動層式加熱炉や電気炉などを用いる方法がある。また、金属被覆芯材a−3は、脱落のおそれがない物の上に置く方法や、空間を落下させる方法や、空間を横方向に移動させる方法などにより加熱する。例えば、縦型の電気炉を用いて空間を落下させ、加熱する方法の概念図を図2に示し以下に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
先ず記録用熱電対44を、炉本体43が最も高温になる高温域50に設置する。設置した記録用熱電対44が所望の温度になるように、加熱器46の温度を制御用熱電対45により制御する。その後、記録用熱電対44を内壁近傍に移動し設置する。この場所で高温域50の温度変化を監視し、一定になるように加熱器46の温度を制御用熱電対45によって制御する。上記の温度制御により、高温域50の温度を芯材の軟化温度以上、被覆した金属の溶融温度未満に設定する。
【0042】
次にガス供給路47から不活性ガスを供給して、炉内を不活性雰囲気に置換する。供給するガスは、アルゴンガス、窒素ガスなどである。供給するガスは、外部からの酸素が入り込まない程度の流量で供給する。供給するガスは、特に限定されないが、常温で供給する。このため、炉本体43のガス供給路47近傍は低温域51となる。供給したガスは、ガス排出路49から排出する。
【0043】
前記金属被覆工程で得られた金属被覆芯材a−3を、原料投入ホッパー41に投入する。スクリューフィーダ42から金属被覆芯材a−3を炉本体43の上部から高温域50の温度が変化しない程度で定量的に供給する。炉本体43に投入した金属被覆芯材a−3は、炉本体43の高温域50を通過する際に加熱される。このため金属被覆芯材a−3の内部に存在する気体に、膨張力が発生する。この膨張力は、被覆した金属を塑性変形させ、球状に形成する。この作用は、芯材の外殻が軟化して、内部の膨張力を、被覆した金属にほぼ均等に分散させることによるものである。被覆した金属は溶融しないため、表面はそれほど滑らかにはならない。上記の加熱により形成された金属被覆球体a−4は、炉内を落下し、低温域51で冷却され、製品回収ホッパー48に落下して回収される。
【0044】
加熱工程3は、金属被覆球体a−4を、再度加熱することにより、内部の気体に膨張力を発生させ、真球状に形成するとともに、被覆した金属のすべて、あるいは被覆した金属の表面の溶融により、表面を滑らかに形成し、微小金属複合中空球体a−5を得るものである。
【0045】
加熱する方法として、加熱工程2と同様に流動層式加熱炉や電気炉などを用いる方法がある。また、金属被覆球体a−4は、空間を落下させる方法や、空間を横方向に移動させる方法などにより加熱する。例えば、縦型の電気炉を用いて空間を落下させ、加熱する方法の概念図を図2に示し以下に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
先ず記録用熱電対44を、炉本体43が最も高温になる高温域50に設置する。設置した記録用熱電対44が所望の温度になるように、加熱器46の温度を制御用熱電対45により制御する。その後、記録用熱電対44を内壁近傍に移動し設置する。この場所で高温域50の温度変化を監視し、一定になるように加熱器46の温度を制御用熱電対45によって制御する。上記の温度制御により、高温域50の温度を被覆した金属の溶融温度以上に設定する。
【0047】
次にガス供給路47から不活性ガスを供給して、炉内を不活性雰囲気に置換する。供給するガスは、アルゴンガス、窒素ガスなどである。供給するガスは、外部からの酸素が入り込まない程度の流量で供給する。供給するガスは、特に限定されないが、常温で供給する。このため、炉本体43のガス供給路47近傍は低温域51となる。供給したガスは、ガス排出路49から排出する。
【0048】
加熱工程2で得られた金属被覆球体a−4を、原料投入ホッパー41に投入する。スクリューフィーダ42から金属被覆球体a−4を炉本体43の上部から定量的に供給する。このとき、炉内で金属被覆球体a−4同士の接触ができるだけ起こらない程度の速度で供給する。炉本体43に投入された金属被覆球体a−4は、炉本体43の高温域50を通過する際に加熱される。このため金属被覆球体a−4の内部に存在する気体に、加熱工程2で発生する以上の膨張力が発生する。この膨張力は、被覆した金属を更に塑性変形させ、真球状に形成する。この作用は、芯材の外殻が軟化して、芯材の内部の強い膨張力を、被覆した金属にほぼ均等に分散させることによるものである。また同時に、被覆した金属のすべて、あるいは被覆した金属の表面が溶融し、表面を滑らかに形成する。加熱された金属被覆球体a−4は、炉内を落下し、炉の内壁に接触する前に低温域51で冷却され凝固し微小金属複合中空球体a−5となる。微小金属複合中空球体a−5は、さらに落下し、製品回収ホッパー48にて回収される。
【0049】
次にB法について説明する。金属被覆芯材b−3を製造するところまでは、A法と同じである。加熱工程4は、金属被覆芯材b−3を加熱することにより、内部の気体に膨張力を発生させ、真球状に形成させるとともに、被覆した金属のすべて、あるいは被覆した金属の表面を溶融し、表面を滑らかに形成し、微小金属複合中空球体b−4を得るものである。
【0050】
加熱する方法として、加熱工程2、3と同様に流動層式加熱炉や電気炉などを用いる方法がある。また、金属被覆芯材b−3は、空間を落下させる方法や、空間を横方向に移動させる方法などにより加熱する。例えば、縦型の電気炉を用いて空間を落下させ、加熱する方法の概念図を図2に示し以下に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
先ず記録用熱電対44を、炉本体43が最も高温になる高温域50に設置する。設置した記録用熱電対44が所望の温度になるように、加熱器46の温度を制御用熱電対45により制御する。その後、記録用熱電対44を内壁近傍に移動し設置する。この場所で高温域50の温度変化を監視し、一定になるように加熱器46の温度を制御用熱電対45によって制御する。上記の温度制御により、高温域50の温度を被覆した金属の溶融温度以上に設定する。
【0052】
次にガス供給路47から不活性ガスを供給して、炉内を不活性雰囲気に置換する。供給するガスは、アルゴンガス、窒素ガスなどである。供給するガスは、外部からの酸素が入り込まない程度の流量で供給する。供給するガスは、特に限定されないが、常温で供給する。このため、炉本体43のガス供給路47近傍は低温域51となる。供給したガスは、ガス排出路49から排出する。
【0053】
金属被覆芯材b−3を、原料投入ホッパー41に投入する。スクリューフィーダ42から金属被覆芯材b−3を炉本体43の上部から定量的に供給する。このとき、炉内で金属被覆芯材b−3同士の接触ができるだけ起こらない程度の速度で供給する。炉本体43に投入された金属被覆芯材b−3は、炉本体43の高温域50を通過する際に加熱される。このため金属被覆芯材b−3の内部に存在する気体に大きな膨張力が発生する。この膨張力は、被覆した金属を塑性変形させ、真球状に形成する。この作用は、芯材の外殻が軟化して、芯材の内部の強い膨張力を、被覆した金属にほぼ均等に分散させることによるものである。また同時に、被覆した金属のすべて、あるいは被覆した金属の表面が溶融し、表面を滑らかに形成する。加熱された金属被覆芯材b−3は、炉内を落下し、炉の内壁に接触する前に低温域51で冷却され凝固し微小金属複合中空球体b−5となる。微小金属複合中空球体b−5は、さらに落下し、製品回収ホッパー48にて回収される。
【0054】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
実施例1
原料のシラスは、清新産業(株)製のAS−60を用意した。これを、JIS Z 8801における呼び寸法が45μmと53μmのふるいを用いて選別した。得られたシラス100gを、特許第3028474号に開示の製造方法により、流動層式加熱炉を用いて1200℃で加熱した。得られたシラスバルーンを、水をはった容器に投入し、浮揚するもののみを回収した。得られたシラスバルーンをJIS Z 8801における呼び寸法が75μmと95μmのふるいを用いて、水をかけながら選別した。凝集を避けるために、得られたシラスバルーンにエタノール200mlを添加し、そのまま110℃で一昼夜乾燥した。得られたシラスバルーンの電子顕微鏡による粒子写真を図3に示す。
【0056】
実施例2
実施例1で得られたシラスバルーン0.2gを用いた。先ず3−アミノプロピルトリエトキシシラン1gをエタノールに溶解させて1000mlにした。この溶液20mlに、シラスバルーンを入れ、10分間撹拌した。これを濾過した後、付着している溶液を除去するため、エタノール20mlで3回濾過洗浄した。その後、凝集をさけるため、20mlのエタノールを添加し、そのまま110℃で一昼夜乾燥した。
【0057】
次に塩化パラジウム25mgと塩酸0.25mlを蒸留水に溶解させ1000mlにした。この溶液20mlに、前処理を施したシラスバルーンを入れ、10分間撹拌した。これを濾過した後、付着している溶液を除去するため、蒸留水50mlで3回濾過洗浄した。さらに、次亜リン酸ナトリウム2gを蒸留水20mlに溶解させた溶液に入れて10分撹拌し、濾過した。
【0058】
上記処理を施したシラスバルーンをメッキ浴に投入した。このメッキ浴は、リンゴ酸30g、コハク酸30g、硫酸ニッケル6水塩25gおよび水酸化ナトリウム37gを蒸留水に溶解して1000mlにした溶液である。メッキ浴の温度は80℃に制御した。シラスバルーンを投入したメッキ浴を、300rpmで攪拌した。還元剤は、次亜リン酸ナトリウム30gを蒸留水に溶解して1200mlにした溶液であり、毎分4mlでメッキ浴に供給した。メッキ処理中は、pH調整液を添加してpHの値を6に制御した。pH調整液は、水酸化ナトリウム20gを蒸留水に溶解させ1000mlにした溶液である。
【0059】
pHの値が変化しなくなるまで約7時間反応させた。反応終了後に、濾過し、蒸留水1000mlで濾過洗浄した。その後、凝集を避けるため100mlのエタノールを添加し、そのまま110℃で一昼夜乾燥した。回収されたニッケルとリンの合金メッキを施したシラスバルーンは、5.8gであり、被覆された金属の厚さは、平均31.0μmであった。真球度合は平均16.7%で、表面粗さ度は0.41%であった。得られたニッケルとリンの合金を被覆したシラスバルーンの電子顕微鏡による粒子写真を図4に示す。
【0060】
実施例3
実施例2で得られた、ニッケルとリンの合金を被覆した金属被覆芯材5gを用いた。加熱する方法は、炉本体43の断面直径が5.2cmで、加熱器の長さが70cmである縦型の電気炉を用いた。また、金属被覆芯材は、空間を落下させる方法により加熱した。
【0061】
先ず金属被覆芯材を、原料投入ホッパー41に投入し、スクリューフィーダ42から毎分2gで炉本体43の上部から定量的に供給した。炉本体43の高温域50は、950℃に設定した。また、ガス供給路47には毎時2立方メートルの流量でアルゴンガスを供給した。製品回収ホッパー48から回収された金属被覆球体は4.5gであった。回収した金属被覆球体の電子顕微鏡による粒子写真を図5に示す。被覆した金属が溶融しないため、表面はそれほど滑らかではないが、金属の塑性変形により球状に形成されていた。
【0062】
さらに、回収した金属被覆球体を、原料投入ホッパー41に再度投入し、スクリューフィーダ42から毎分0.3gで炉本体43の上部から定量的に供給した。炉本体43の高温域50は、1200℃に設定した。また、ガス供給路47には、毎時2立方メートルの流量でアルゴンガスを供給した。製品回収ホッパー48から回収された微小金属複合中空球体は3.9gであった。粒径は平均154μmで、金属の厚さは平均24.8μmで粒径の16.1%であった。また、真球度合は1.21%で、表面粗さ度は0.0055%であった。得られた微小金属複合中空球体の電子顕微鏡による粒子外観写真を図6に、粒子断面写真を図7に示す。また、フィールドエミッション形オージェマイクロプローブ(日本電子(株)製 JAMP−7800)で成分を分析したところ、ニッケル:リンの組成比が、8:2(重量比)であった。
【0063】
実施例4
太平洋セメント(株)製のアサノパーライト4号を用意し、これをJIS Z 8801における呼び寸法が1.4mmと1.7mmのふるいで選別したものを芯材に用いた。これに実施例2と同様の方法で銅を28.3μmの厚さ被覆し、電気炉に投入する金属被覆芯材とした。加熱する方法は、実施例3と同様の電気炉を用いた。また、金属被覆芯材は、空間を落下させる方法により加熱した。
【0064】
先ず金属被覆芯材を、原料投入ホッパー41に投入し、スクリューフィーダ42から毎分0.3gで炉本体43の上部から定量的に供給した。炉本体43の高温域50は、1100℃に設定した。また、ガス供給路47には、毎時2立方メートルの流量でアルゴンガスを供給した。製品回収ホッパー48から回収された金属被覆球体の粒径は平均1774μmで、金属の厚さは平均23.5μmで粒径の1.32%であった。また、表面粗さ度は0.0013%であった。
【0065】
実施例5
フヨーライト(株)製フヨーライト1号を用意し、これをJIS Z 8801における呼び寸法が1mmと850μmのふるいで選別したものを芯材に用いた。これに実施例2と同様の方法で銀を29μmの厚さ被覆し、電気炉に投入する金属被覆芯材とした。炉本体43の高温域50を1100℃に設定した以外は、実施例4と同様の方法を用いて微小金属複合中空球体を得た。粒径は平均945μmで、金属の厚さは平均20.9μmで粒径の2.21%であった。また、真球度合は4.72%で、表面粗さ度は0.012%であった。
【0066】
実施例6
実施例1で得られた芯材に、実施例2と同様の方法でニッケルとリンの合金を被覆し、さらにこの表面に実施例2と同様の方法で鉄を被覆したものを、電気炉に投入する金属被覆芯材とした。炉本体43の高温域50を1600℃に設定した以外は、実施例4と同様の方法を用いて微小金属複合中空球体を得た。粒径は平均171μmで、金属の厚さは平均33.8μmで粒径の19.8%であった。また、真球度合は1.9%で、表面粗さ度は0.082%であった。
【0067】
実施例7
実施例1と同様の原料を粉砕したものを用い、実施例1と同様の方法で20μmから25μmの芯材を得た。実施例2と同様の方法で金を被覆したものを用い、電気炉に投入する金属被覆芯材とした。炉本体43の高温域50を1100℃に設定した以外は、実施例4と同様の方法を用いて微小金属複合中空球体を得た。粒径は平均103μmで、金属の厚さは平均38.3μmで、粒径の37.1%であった。また、真球度合は0.62%で、表面粗さ度は0.19%であった。
【0068】
実施例8
実施例1で得られた芯材に実施例2と同様の方法でアルミニウムを被覆したものを用い、電気炉に投入する金属被覆芯材とした。炉本体43の高温域50を900℃に設定した以外は、実施例4と同様の方法を用いて微小金属複合中空球体を得た。粒径は平均152μmであった。
【0069】
実施例9
実施例1で得られた芯材に実施例2と同様の方法でパラジウムを被覆したものを用い、電気炉に投入する金属被覆芯材とした。炉本体43の高温域50を1600℃に設定した以外は、実施例4と同様の方法を用いて微小金属複合中空球体を得た。粒径は平均121μmであった。
【0070】
実施例10
実施例3で得られた微小金属複合中空球体を、窒素ガス雰囲気の電気炉で700℃に加熱し、冷却後マイクロスコープで外観を観察した。その結果、加熱前の外観を保持しており、少なくとも700℃の耐熱温度を有していることを確認した。
【0071】
【発明の効果】
本発明は、無機物の天然ガラスからなる焼成発泡体を芯材とし、該芯材に金属を被覆して、これを加熱することで、真球度合が小さく、表面粗さ度が小さく、耐熱温度が高い新規な微小金属複合中空球体およびその製造方法を提供するものである。
【0072】
芯材の原料となる無機物の天然ガラスは、自然界に豊富に存在する。例えばシラスなどは南九州に大量に賦存しており、安価に入手できる。また発明者らは、これを発泡させて芯材を製造する技術を有しており、芯材の大量生産が可能である。またこの芯材は、溶融温度は1200〜1300℃で、軟化温度は900〜1000℃と耐熱性に優れている。
【0073】
また金属の被覆は、PVD法またはCVD法あるいはドライブレンディングマイクロカプセル化法あるいは無電界メッキ法などを利用することで可能になる。
本発明では、微小なものに金属の被覆が可能で、一度に大量に処理でき、表面状態も比較的滑らかに仕上がる無電界メッキが特に適している。
【0074】
本発明の最大のポイントは、金属を被覆した芯材を加熱することで、真球状に、かつ表面を滑らかに形成することである。流動層式加熱炉や電気炉等を用いて加熱することで、芯材の内部に存在する気体に膨張力を発生させ、被覆した金属を塑性変形させることで真球状に形成する。この作用は、芯材の外殻が軟化して、芯材の内部の膨張力を、被覆した金属にほぼ均等に分散させることによるものである。このため、芯材の形状は特に真球状である必要はなく、芯材の選別が簡素化できる。また同時に、被覆した金属のすべて、あるいは被覆した金属の表面を溶融させ、表面を滑らかに形成するため、加熱前の金属の表面の凹凸が加熱後は小さくなる。
【0075】
このように真球度合が小さく、表面粗さ度が小さく、耐熱温度が高い高付加価値で新規な微小金属複合中空球体を提供することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造工程のフローチャートである。
【図2】粒子が上から下へ移動する加熱工程の概念図である。
【図3】シラスバルーンの、電子顕微鏡による粒子写真である。(実施例1)
【図4】ニッケルとリンを被覆したシラスバルーンの、電子顕微鏡による粒子写真である。(実施例2)
【図5】芯材の軟化温度以上、被覆した金属の溶融温度未満で加熱した金属被覆球体の、電子顕微鏡による粒子写真である。(実施例3)
【図6】被覆した金属の溶融温度以上で加熱した微小金属複合中空球体の、電子顕微鏡による粒子外観写真である。(実施例3)
【図7】被覆した金属の溶融温度以上で加熱した微小金属複合中空球体の、電子顕微鏡による粒子断面写真である。(実施例3)
【符号の説明】
a−1:原料
a−2:芯材
a−3:金属被覆芯材
a−4:金属被覆球体
a−5:微小金属複合中空球体
b−1:原料
b−2:芯材
b−3:金属被覆芯材
b−4:微小金属複合中空球体
41 :原料投入ホッパー
42 :スクリューフィーダー
43 :炉本体
44 :記録用熱電対
45 :制御用熱電対
46 :加熱器
47 :ガス供給路
48 :製品回収ホッパー
49 :ガス排出路
50 :高温域
51 :低温域[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fine metal composite hollow sphere having a small sphericity, a small surface roughness, and a high heat resistant temperature, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a method for producing a fine metal sphere, a solution containing one or more metal salts is sprayed into droplets, and the droplets are higher than the decomposition temperature of the metal salt, and oxides are generated. In this case, there is proposed a spray pyrolysis production method characterized by heating at a temperature higher than the decomposition temperature of the oxide and lower than the melting point of the metal constituting the metal salt (Japanese Patent Laid-Open No. Hei 8-170112). ).
[0003]
Further, as a method for producing a metal hollow sphere, a method of forming a metal hollow sphere by plastic deformation of a metal plate has been proposed (Japanese Patent Laid-Open No. 8-66731).
[0004]
In addition, a method has been proposed in which a spherical polymer organic material is used as a core material, a metal is coated on the surface, and the polymer organic material in the core material is decomposed and heated to gasify to form a metal hollow sphere. (JP-A-6-7670).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is not a fine metal hollow body composed only of the metal as described above, but a true sphere formed by using a fired foam made of inorganic natural glass as a core material and coating the core material with the metal. The present invention provides a novel fine metal composite hollow sphere having a small degree, a small surface roughness, and a high heat resistant temperature, and a method for producing the same.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The fine metal composite hollow sphere of the present invention comprises a fired foam made of inorganic natural glass as a core material, and the core material is coated with a single layer or multiple layers of metal. Is a hollow spherical fine particle having a small and high heat resistance temperature.
[0007]
Its sphericity is 0.5 to 5%, preferably 1 to 2%, and its surface roughness is 0.001 to 0.2%, preferably 0.01 to 0.1%. .
[0008]
The particle diameter is 100 to 2000 μm, preferably 100 to 1000 μm, and the metal coating thickness is 1 to 40% of the particle diameter and 5 μm or more, preferably 2 to 20% and 5 μm or more.
[0009]
Further, the main component of the metal to be coated is nickel, iron, silver, copper, gold, palladium, aluminum, preferably nickel, silver, copper, gold, aluminum, more preferably nickel, copper.
[0010]
The heat resistant temperature is lower than the melting temperature of the metal to be coated.
[0011]
The fine metal composite hollow sphere of the present invention is obtained by coating a metal on a core material of a fired foam made of inorganic natural glass, and heating the metal-coated core material at a temperature equal to or higher than the softening temperature of the core material and lower than the melting temperature of the coated metal. Then, it is formed into a spherical shape, and is further manufactured by two-stage heating in which the coated metal is heated in the air above the melting temperature. As another method, a method may be used in which the core material is coated with a metal and manufactured by one-step heating in which the metal is coated at a temperature higher than the melting temperature of the metal coated core material. Moreover, all the products obtained by the above production method are also included.
[0012]
The fine metal composite hollow sphere of the present invention is a hollow spherical fine particle obtained by using a fired foam made of inorganic natural glass as a core and coating the core with a metal. The core material is a fired foam obtained by using inorganic natural glass as a raw material and heating and foaming it. The natural glass used as the raw material for the core material is one in which volcanic products are deposited, and there are massive ones and granular ones. There are lumps, obsidian, and pearlite, etc., which can be crushed and used as the core material. The granular material has a shirasu, and is used as a raw material for the core as it is. Further, a material obtained by pulverizing the granular shirasu is also a raw material for the core material.
[0013]
The fired foam is obtained by heating and foaming the above raw material, and includes pearlite, shirasu balloon, fine shirasu balloon and the like. Perlite is obtained by pulverizing, heating, and foaming the lump. The shirasu balloon is obtained by heating and foaming the granular shirasu. The fine shirasu balloon is one having a particle diameter of 20 μm or less among those obtained by pulverizing, heating and foaming the granular shirasu.
[0014]
The fired foam is produced by heating and foaming the core material at a high temperature using a fluidized bed type heating furnace or an electric furnace. However, it is not limited to these methods. The fluidized bed type heating furnace is a fluidized firing furnace as disclosed in Japanese Patent No. 8439394 or Japanese Patent No. 3028474. Using sand or ceramic balls as the fluid medium, the raw material is entrained in the fluidizing gas and supplied through the gas dispersion plate at the bottom of the fluidized bed, and the product is separated and recovered from the exhaust gas by a cyclone. The amount of heat required for firing is supplied by an internal combustion system in which fuel gas is mixed with air, which is a fluidizing gas, blown into the fluidized bed, and burned in the fluidized bed.
[0015]
In particular, the inventors have a patent on the production of a granular shirasu balloon or a granular shirasu balloon that is heated and foamed using a granular shirasu or crushed granular shirasu as a raw material. The material can be easily manufactured (Patent Nos. 2562788 and 3028474).
[0016]
The metal-coated core material means a metal material coated on the core material.
[0017]
The degree of sphericity is the ratio of the sphericity measured by the following method to the particle diameter. First, the measurement of sphericity is defined in JIS B 1501 as a measuring method for steel balls for ball bearings. According to this, the sphericity is measured by measuring the contour of the surface of a steel ball on two or three equator planes that form 90 ° of each steel ball with a roundness measuring instrument. It is calculated as the maximum value of the radial distance to the surface. In addition, the steel ball is defined as having a size of 0.3 mm or more.
[0018]
Since the fine metal composite hollow spheres of the present invention are minute and may be less than 0.3 mm, the sphericity was measured by the following method based on the above JIS. A particle image was obtained with an electron microscope, and the circularity of only one equator plane was measured by image processing to obtain a sphericity value. And the ratio of this and particle diameter was made into the sphericity degree. Here, the roundness is the two circles when the distance between two concentric circles is the minimum when the contour of the object to be measured is sandwiched between two geometric circles centered on the center of gravity of the object to be measured. Expressed in radius difference.
[0019]
Specifically, first, a digital image of a fine metal composite hollow sphere is obtained with a resolution of 256 gradations or more using a field emission scanning electron microscope (JSM-6330F, manufactured by JEOL Ltd.). In addition, the particle image displayed on the digital image is obtained with a resolution such that at least the diameter is displayed at 500 or more points.
[0020]
Next, using the Sobel edge detection method, the boundary between the particle image and the background, in which the gradation of the image changes significantly, that is, the outline is emphasized. Sobel's edge detection method squares the gradation difference between an arbitrary point and two points adjacent to this point in the vertical and horizontal scanning directions, takes the sum of the two solutions, and calculates the square root of the arbitrary point. This is a new gradation of the point. When the gradation of an arbitrary point is d (i, j) and the gradations of two points adjacent to this in the vertical and horizontal scanning directions are d (i + 1, j) and d (i, j + 1), The new gradation D (i, j) at the arbitrary point is obtained by Equation 1.
[0021]
[Expression 1]
Figure 0003664385
(i: Digital image X coordinate, j: Digital image Y coordinate)
[0022]
Next, binarization is performed to obtain a contour line of the particle image. Here, those that are clearly not points constituting the contour line are deleted. Next, the center of gravity of the region surrounded by the obtained outline is obtained.
The distance between this center of gravity and each point constituting the circumference of the circle is measured. The longest distance obtained is the radius Rmax of the outer circle of the two concentric circles. The shortest is the radius Rmin of the inner circle of the two concentric circles. The degree of sphericity is obtained from Equation 2.
[0023]
[Expression 2]
Figure 0003664385
For a true sphere, the true sphere degree is 0%.
[0024]
With respect to the surface roughness, the arithmetic average roughness Ra defined in JIS B 0601 is measured by the following method, and is defined as the ratio of this to the particle diameter. The arithmetic average roughness Ra represents the degree of unevenness in height relative to the reference surface.
[0025]
The arithmetic average roughness Ra is measured using a surface structure analysis microscope (new View 5032, software: MetroPro version 7.3.4, manufactured by zygo) using light wave interference. For example, in the case of the fine metal composite hollow sphere of the present invention, the reference surface is a curved surface of a sphere from which the surface roughness component, which is a high-frequency component, is removed. In the surface structure analysis microscope to be used, unless otherwise specified, the reference plane is set to be a plane that is parallel to the stage on which the object to be measured is placed and at least partially overlaps the object to be measured. For this reason, it is necessary to change the reference surface to a curved surface of the sphere. To achieve this, the parameter “Removed” of the surface structure analysis microscope is set to “Sphere”.
[0026]
The magnification of the surface structure analysis microscope system is 1000 times. The resolution of the X-axis and Y-axis in the plane is 0.64 μm. The resolution in the vertical axis direction is 0.1 nm. The measurement range is the inside of a circle with a radius of 20 μm centered on the highest height when the fine metal composite hollow sphere is installed. The surface roughness is obtained by Equation 3 when the arithmetic average roughness is represented by Ra (unit: μm) and the radius of the fine metal composite hollow sphere is represented by r (unit: μm).
[0027]
[Equation 3]
Figure 0003664385
[0028]
The heat resistant temperature is lower than the melting temperature of the coated metal, and is the upper limit temperature at which it is kept hollow when the fine metal composite hollow sphere is heated. Preferably, it is below the temperature at which the core material melts, more preferably below the temperature at which the core material softens.
[0029]
The melting temperature of the core material made of inorganic natural glass is 1200 to 1300 ° C. Moreover, the softening temperature is 900-1000 degreeC.
[0030]
The manufacturing process flowchart of the fine metal composite hollow sphere includes the A method and the B method shown in FIG. First, the method A will be described.
[0031]
The raw material a-1 is an inorganic natural glass. This natural glass is a deposit of volcanic ejecta, and can be agglomerated or granular. There are lumps, obsidian, pearlite, and the like, which are used as raw material a-1 by pulverization. Moreover, a granular thing has shirasu and becomes raw material a-1 as it is. Further, a material obtained by pulverizing the granular shirasu becomes the raw material a-1. The raw material a-1 is screened to a desired particle size using a sieve.
[0032]
In the heating step 1, the raw material a-1 is heated, the moisture contained in the raw material a-1 is gasified and foamed to obtain the core material a-2. For example, a method described in patents (Patent Nos. 2562788 and 3028474) owned by the inventors is used. In this method, a fluidized bed heating furnace is used to heat the raw material a-1 at 900 ° C. to 1200 ° C. to produce the core material a-2.
[0033]
The metal to be coated on the core material a-2 is not particularly limited. Specifically, it is easy to handle, such as a metal or alloy made of at least one selected from nickel, iron, silver, copper, gold, palladium, and aluminum. Use a suitable metal. Further, oxides, hydrides, nitrides, and the like of these metals or alloys may be used.
[0034]
As a method for coating the core material a-2 with a metal, a PVD method, a CVD method, a drive lending microencapsulation method, or an electroless plating method for coating the metal under vacuum can be used. For example, when coating an alloy of nickel and phosphorus by an electroless plating method, it is performed as follows.
[0035]
First, a solution in which a small amount of 3-aminopropyltriethoxysilane is dissolved in ethanol is added to the core material a-2 and stirred. After this is filtered, it is washed with ethanol to remove the attached solution. Thereafter, in order to avoid aggregation, ethanol is added and the mixture is dried at 110 ° C. for a whole day and night.
[0036]
Next, a solution obtained by dissolving palladium chloride and hydrochloric acid in distilled water is added to the core material a-2 subjected to the above treatment and stirred. After filtering this, it is washed with distilled water to remove the adhering solution. Further, a solution of sodium hypophosphite dissolved in distilled water is added, stirred, filtered and washed.
[0037]
The core material a-2 subjected to the above treatment is put into a plating bath. This plating bath is a solution in which malic acid, succinic acid, nickel sulfate hexahydrate and sodium hydroxide are dissolved in distilled water, and is always controlled at an arbitrary temperature. The reducing agent is supplied by a metering pump while stirring the plating bath in which the core material a-2 is charged. The reducing agent is a solution in which sodium hypophosphite is dissolved in distilled water. During the plating process, a pH adjusting solution is added to control the set pH. The pH adjusting solution is a solution in which sodium hydroxide is dissolved in distilled water. After reacting until the pH value does not change, filtration is performed to obtain a metal-coated core material a-3. After washing this with distilled water, ethanol is added and dried as it is overnight.
[0038]
For example, in the case of the above-described electroless plating, the thickness of the metal to be coated is controlled by the amount of the core material a-2 introduced in the metal coating step and the plating bath concentration. For example, when controlling by the input amount, the thickness of the coated metal when a predetermined amount of the core material a-2 is input is grasped in advance. When the input amount of the core material a-2 is doubled, the amount of metal covered with one grain of the core material a-2 is approximately halved. From this, the thickness of the metal to be coated can be controlled by considering the particle diameter of the core material a-2.
[0039]
Furthermore, it is possible to construct a multilayer structure of a plurality of metals by performing the above metal coating step a plurality of times with different metal species.
[0040]
In the heating step 2, the metal-coated core material a-3 is heated to generate an expansion force in the internal gas, thereby forming a spherical shape, thereby obtaining a metal-coated sphere a-4. As a heating method, there is a method using a fluidized bed type heating furnace or an electric furnace. Further, the metal-coated core material a-3 is heated by a method of placing it on an object that is not likely to drop off, a method of dropping the space, a method of moving the space in the lateral direction, or the like. For example, a conceptual diagram of a method of dropping and heating a space using a vertical electric furnace is shown in FIG. 2 and described below, but the present invention is not limited to these.
[0041]
First, the recording thermocouple 44 is installed in the high temperature region 50 where the furnace body 43 is at the highest temperature. The temperature of the heater 46 is controlled by the control thermocouple 45 so that the installed recording thermocouple 44 has a desired temperature. Thereafter, the recording thermocouple 44 is moved and installed near the inner wall. The temperature change of the high temperature region 50 is monitored at this location, and the temperature of the heater 46 is controlled by the control thermocouple 45 so as to be constant. By the above temperature control, the temperature of the high temperature region 50 is set to be equal to or higher than the softening temperature of the core material and lower than the melting temperature of the coated metal.
[0042]
Next, an inert gas is supplied from the gas supply path 47 to replace the inside of the furnace with an inert atmosphere. The gas to be supplied is argon gas, nitrogen gas, or the like. The gas to be supplied is supplied at a flow rate such that oxygen from the outside does not enter. Although the gas to supply is not specifically limited, it supplies at normal temperature. For this reason, the vicinity of the gas supply path 47 of the furnace body 43 is a low temperature region 51. The supplied gas is discharged from the gas discharge path 49.
[0043]
The metal-coated core material a-3 obtained in the metal coating step is charged into the raw material charging hopper 41. The metal-coated core material a-3 is quantitatively supplied from the screw feeder 42 from the upper part of the furnace body 43 to the extent that the temperature of the high-temperature region 50 does not change. The metal-coated core material a-3 charged into the furnace body 43 is heated when passing through the high temperature region 50 of the furnace body 43. For this reason, an expansion force is generated in the gas present inside the metal-coated core material a-3. This expansion force causes the coated metal to plastically deform and form a sphere. This effect is due to the outer shell of the core material being softened and the internal expansion force being distributed almost evenly over the coated metal. Since the coated metal does not melt, the surface is not very smooth. The metal-coated sphere a-4 formed by the above heating falls in the furnace, is cooled in the low temperature region 51, and falls into the product collection hopper 48 and is collected.
[0044]
In the heating step 3, when the metal-coated sphere a-4 is heated again, an expansion force is generated in the internal gas to form a true sphere, and all of the coated metal or the surface of the coated metal is melted. Thus, the surface is smoothly formed to obtain the fine metal composite hollow sphere a-5.
[0045]
As a heating method, there is a method using a fluidized bed type heating furnace, an electric furnace, or the like as in the heating step 2. The metal-coated sphere a-4 is heated by a method of dropping the space, a method of moving the space in the horizontal direction, or the like. For example, a conceptual diagram of a method of dropping and heating a space using a vertical electric furnace is shown in FIG. 2 and described below, but the present invention is not limited to these.
[0046]
First, the recording thermocouple 44 is installed in the high temperature region 50 where the furnace body 43 is at the highest temperature. The temperature of the heater 46 is controlled by the control thermocouple 45 so that the installed recording thermocouple 44 has a desired temperature. Thereafter, the recording thermocouple 44 is moved and installed near the inner wall. The temperature change of the high temperature region 50 is monitored at this location, and the temperature of the heater 46 is controlled by the control thermocouple 45 so as to be constant. By the above temperature control, the temperature of the high temperature region 50 is set to be equal to or higher than the melting temperature of the coated metal.
[0047]
Next, an inert gas is supplied from the gas supply path 47 to replace the inside of the furnace with an inert atmosphere. The gas to be supplied is argon gas, nitrogen gas, or the like. The gas to be supplied is supplied at a flow rate such that oxygen from the outside does not enter. The gas to be supplied is not particularly limited, but is supplied at room temperature. For this reason, the vicinity of the gas supply path 47 of the furnace body 43 is a low temperature region 51. The supplied gas is discharged from the gas discharge path 49.
[0048]
The metal-coated sphere a-4 obtained in the heating step 2 is charged into the raw material charging hopper 41. The metal-coated sphere a-4 is quantitatively supplied from the screw feeder 42 from the upper part of the furnace body 43. At this time, the metal-coated spheres a-4 are supplied at such a speed that the metal-coated spheres a-4 do not contact each other as much as possible. The metal-coated sphere a-4 charged into the furnace body 43 is heated when passing through the high temperature region 50 of the furnace body 43. For this reason, more expansion force than that generated in the heating step 2 is generated in the gas present inside the metal-coated sphere a-4. This expansion force causes the coated metal to further plastically deform and form a true sphere. This effect is due to the outer shell of the core material being softened and the strong expansion force inside the core material being distributed almost evenly over the coated metal. At the same time, all of the coated metal or the surface of the coated metal melts to form a smooth surface. The heated metal-coated sphere a-4 falls in the furnace and is cooled and solidified in the low temperature region 51 before coming into contact with the inner wall of the furnace to become a fine metal composite hollow sphere a-5. The fine metal composite hollow sphere a-5 further falls and is recovered by the product recovery hopper 48.
[0049]
Next, the method B will be described. The process up to the production of the metal-coated core material b-3 is the same as the method A. In the heating step 4, the metal-coated core material b-3 is heated to generate an expansion force in the internal gas to form a true sphere, and all the coated metal or the surface of the coated metal is melted. The surface is smoothly formed to obtain a fine metal composite hollow sphere b-4.
[0050]
As a heating method, there is a method using a fluidized bed type heating furnace, an electric furnace, or the like as in the heating steps 2 and 3. Further, the metal-coated core material b-3 is heated by a method of dropping the space, a method of moving the space in the horizontal direction, or the like. For example, a conceptual diagram of a method of dropping and heating a space using a vertical electric furnace is shown in FIG. 2 and described below, but the present invention is not limited to these.
[0051]
First, the recording thermocouple 44 is installed in the high temperature region 50 where the furnace body 43 is at the highest temperature. The temperature of the heater 46 is controlled by the control thermocouple 45 so that the installed recording thermocouple 44 has a desired temperature. Thereafter, the recording thermocouple 44 is moved and installed near the inner wall. The temperature change of the high temperature region 50 is monitored at this location, and the temperature of the heater 46 is controlled by the control thermocouple 45 so as to be constant. By the above temperature control, the temperature of the high temperature region 50 is set to be equal to or higher than the melting temperature of the coated metal.
[0052]
Next, an inert gas is supplied from the gas supply path 47 to replace the inside of the furnace with an inert atmosphere. The gas to be supplied is argon gas, nitrogen gas, or the like. The gas to be supplied is supplied at a flow rate such that oxygen from the outside does not enter. The gas to be supplied is not particularly limited, but is supplied at room temperature. For this reason, the vicinity of the gas supply path 47 of the furnace body 43 is a low temperature region 51. The supplied gas is discharged from the gas discharge path 49.
[0053]
The metal-coated core material b-3 is charged into the raw material charging hopper 41. The metal-coated core material b-3 is quantitatively supplied from the upper part of the furnace body 43 from the screw feeder. At this time, the metal-coated core material b-3 is supplied at a speed that does not cause contact as much as possible in the furnace. The metal-coated core material b-3 charged into the furnace body 43 is heated when passing through the high temperature region 50 of the furnace body 43. For this reason, a large expansion force is generated in the gas present inside the metal-coated core material b-3. This expansion force causes the coated metal to plastically deform and form a true sphere. This effect is due to the outer shell of the core material being softened and the strong expansion force inside the core material being distributed almost evenly over the coated metal. At the same time, all of the coated metal or the surface of the coated metal melts to form a smooth surface. The heated metal-coated core material b-3 falls in the furnace and is cooled and solidified in the low temperature region 51 before coming into contact with the inner wall of the furnace to become a fine metal composite hollow sphere b-5. The fine metal composite hollow sphere b-5 further falls and is recovered by the product recovery hopper 48.
[0054]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples, but the present invention is not limited thereto.
[0055]
Example 1
As a raw material Shirasu, AS-60 manufactured by Seishin Sangyo Co., Ltd. was prepared. This was selected using sieves having nominal sizes of 45 μm and 53 μm in JIS Z 8801. 100 g of the obtained shirasu was heated at 1200 ° C. using a fluidized bed type heating furnace by the production method disclosed in Japanese Patent No. 3028474. The obtained shirasu balloon was put into a container filled with water, and only those floating were collected. The obtained shirasu balloon was selected using a sieve having nominal sizes of 75 μm and 95 μm in JIS Z 8801 while applying water. In order to avoid aggregation, 200 ml of ethanol was added to the resulting shirasu balloon and dried at 110 ° C. for a whole day and night. A particle photograph of the obtained shirasu balloon with an electron microscope is shown in FIG.
[0056]
Example 2
0.2 g of the shirasu balloon obtained in Example 1 was used. First, 1 g of 3-aminopropyltriethoxysilane was dissolved in ethanol to make 1000 ml. Shirasu balloon was put into 20 ml of this solution and stirred for 10 minutes. After filtering this, in order to remove the adhering solution, it was washed by filtration three times with 20 ml of ethanol. Thereafter, in order to avoid aggregation, 20 ml of ethanol was added and the mixture was dried at 110 ° C. for a whole day and night.
[0057]
Next, 25 mg of palladium chloride and 0.25 ml of hydrochloric acid were dissolved in distilled water to make 1000 ml. To 20 ml of this solution, a pretreated shirasu balloon was added and stirred for 10 minutes. After filtering this, in order to remove the adhering solution, it was washed by filtration three times with 50 ml of distilled water. Further, 2 g of sodium hypophosphite was placed in a solution of 20 ml of distilled water, stirred for 10 minutes, and filtered.
[0058]
The shirasu balloon subjected to the above treatment was put into a plating bath. This plating bath is a solution prepared by dissolving 30 g of malic acid, 30 g of succinic acid, 25 g of nickel sulfate hexahydrate and 37 g of sodium hydroxide in distilled water to 1000 ml. The temperature of the plating bath was controlled at 80 ° C. The plating bath into which the shirasu balloon was charged was stirred at 300 rpm. The reducing agent was a solution made up to 1200 ml by dissolving 30 g of sodium hypophosphite in distilled water, and was supplied to the plating bath at 4 ml per minute. During the plating process, a pH adjusting solution was added to control the pH value to 6. The pH adjusting solution is a solution prepared by dissolving 20 g of sodium hydroxide in distilled water to 1000 ml.
[0059]
The reaction was continued for about 7 hours until the pH value did not change. After completion of the reaction, the mixture was filtered and washed with 1000 ml of distilled water. Then, in order to avoid aggregation, 100 ml of ethanol was added and dried at 110 ° C. for a whole day and night. The recovered Shirasu balloon with nickel-phosphorus alloy plating was 5.8 g, and the average thickness of the coated metal was 31.0 μm. The average sphericity was 16.7% and the surface roughness was 0.41%. FIG. 4 shows a particle photograph taken by an electron microscope of a shirasu balloon coated with the obtained nickel-phosphorus alloy.
[0060]
Example 3
5 g of the metal-coated core material obtained in Example 2 and coated with an alloy of nickel and phosphorus was used. As a heating method, a vertical electric furnace having a furnace body 43 having a sectional diameter of 5.2 cm and a heater length of 70 cm was used. The metal-coated core material was heated by a method of dropping the space.
[0061]
First, the metal-coated core material was charged into the raw material charging hopper 41 and quantitatively supplied from the screw feeder 42 from the upper portion of the furnace main body 43 at a rate of 2 g / min. The high temperature region 50 of the furnace body 43 was set to 950 ° C. Further, argon gas was supplied to the gas supply path 47 at a flow rate of 2 cubic meters per hour. The metal-coated sphere recovered from the product recovery hopper 48 was 4.5 g. FIG. 5 shows a particle photograph of the recovered metal-coated sphere by an electron microscope. Since the coated metal does not melt, the surface is not so smooth, but was formed into a spherical shape due to plastic deformation of the metal.
[0062]
Further, the recovered metal-coated spheres were charged again into the raw material charging hopper 41, and quantitatively supplied from the top of the furnace body 43 from the screw feeder 42 at a rate of 0.3 g / min. The high temperature region 50 of the furnace body 43 was set to 1200 ° C. Further, argon gas was supplied to the gas supply path 47 at a flow rate of 2 cubic meters per hour. The fine metal composite hollow sphere recovered from the product recovery hopper 48 was 3.9 g. The average particle size was 154 μm, and the metal thickness averaged 24.8 μm and was 16.1% of the particle size. The degree of sphericity was 1.21%, and the surface roughness was 0.0055%. A particle appearance photograph of the obtained micro metal composite hollow sphere by electron microscope is shown in FIG. 6, and a particle cross-sectional photograph is shown in FIG. Further, when components were analyzed with a field emission type Auger microprobe (JAMP-7800, manufactured by JEOL Ltd.), the composition ratio of nickel: phosphorus was 8: 2 (weight ratio).
[0063]
Example 4
Asanoperlite No. 4 manufactured by Taiheiyo Cement Co., Ltd. was prepared, and this was selected as a core material by screening with nominal sizes of 1.4 mm and 1.7 mm in JIS Z 8801. This was coated with copper to a thickness of 28.3 μm in the same manner as in Example 2 to obtain a metal-coated core material to be put into an electric furnace. As the heating method, the same electric furnace as in Example 3 was used. The metal-coated core material was heated by a method of dropping the space.
[0064]
First, the metal-coated core material was charged into the raw material charging hopper 41 and quantitatively supplied from the top of the furnace main body 43 at a rate of 0.3 g / min from the screw feeder 42. The high temperature region 50 of the furnace body 43 was set to 1100 ° C. Further, argon gas was supplied to the gas supply path 47 at a flow rate of 2 cubic meters per hour. The average particle diameter of the metal-coated spheres recovered from the product recovery hopper 48 was 1774 μm, and the average thickness of the metal was 23.5 μm, which was 1.32% of the particle diameter. The surface roughness was 0.0013%.
[0065]
Example 5
Fuyolite No. 1 manufactured by Fuyolite Co., Ltd. was prepared and used as a core material, which was selected with sieves having nominal sizes of 1 mm and 850 μm in JIS Z 8801. This was coated with silver to a thickness of 29 μm in the same manner as in Example 2 to obtain a metal-coated core material to be put into an electric furnace. A fine metal composite hollow sphere was obtained using the same method as in Example 4 except that the high temperature region 50 of the furnace body 43 was set to 1100 ° C. The average particle size was 945 μm, the metal thickness was 20.9 μm on average and 2.21% of the particle size. The degree of sphericity was 4.72% and the surface roughness was 0.012%.
[0066]
Example 6
The core material obtained in Example 1 was coated with an alloy of nickel and phosphorus in the same manner as in Example 2, and this surface was further coated with iron in the same manner as in Example 2 for an electric furnace. The metal-coated core material to be charged was used. A fine metal composite hollow sphere was obtained using the same method as in Example 4 except that the high temperature region 50 of the furnace body 43 was set to 1600 ° C. The average particle size was 171 μm, and the metal thickness averaged 33.8 μm, which was 19.8% of the particle size. The degree of sphericity was 1.9%, and the surface roughness was 0.082%.
[0067]
Example 7
A core material having a diameter of 20 μm to 25 μm was obtained in the same manner as in Example 1, using the same raw material as in Example 1. What coated gold | metal | money by the method similar to Example 2 was used, and it was set as the metal covering core material thrown into an electric furnace. A fine metal composite hollow sphere was obtained using the same method as in Example 4 except that the high temperature region 50 of the furnace body 43 was set to 1100 ° C. The average particle size was 103 μm, and the metal thickness was 38.3 μm on average, 37.1% of the particle size. Further, the degree of sphericity was 0.62%, and the surface roughness was 0.19%.
[0068]
Example 8
The core material obtained in Example 1 was coated with aluminum in the same manner as in Example 2 to obtain a metal-coated core material to be put into an electric furnace. A fine metal composite hollow sphere was obtained using the same method as in Example 4 except that the high temperature region 50 of the furnace body 43 was set to 900 ° C. The average particle size was 152 μm.
[0069]
Example 9
The core material obtained in Example 1 was coated with palladium in the same manner as in Example 2 to obtain a metal-coated core material to be put into an electric furnace. A fine metal composite hollow sphere was obtained using the same method as in Example 4 except that the high temperature region 50 of the furnace body 43 was set to 1600 ° C. The average particle size was 121 μm.
[0070]
Example 10
The fine metal composite hollow sphere obtained in Example 3 was heated to 700 ° C. with an electric furnace in a nitrogen gas atmosphere, and after cooling, the appearance was observed with a microscope. As a result, it was confirmed that the appearance before heating was maintained and that it had a heat-resistant temperature of at least 700 ° C.
[0071]
【The invention's effect】
The present invention uses a fired foam made of inorganic natural glass as a core material, coats the core material with a metal, and heats the core material to reduce the degree of sphericity, the surface roughness, and the heat resistance temperature. The present invention provides a novel fine metal composite hollow sphere and a method for producing the same.
[0072]
Inorganic natural glass, which is the raw material for the core material, is abundant in nature. For example, Shirasu and the like are present in large quantities in South Kyushu and are available at low cost. Further, the inventors have a technique for producing a core material by foaming it, and mass production of the core material is possible. Further, this core material has excellent heat resistance with a melting temperature of 1200 to 1300 ° C. and a softening temperature of 900 to 1000 ° C.
[0073]
The metal coating can be performed by using a PVD method, a CVD method, a drive lending microencapsulation method, an electroless plating method, or the like.
In the present invention, electroless plating which can be coated with a metal on a minute object, can be processed in a large amount at once, and has a relatively smooth surface state is particularly suitable.
[0074]
The greatest point of the present invention is to form a spherical shape and a smooth surface by heating the core material coated with metal. By heating using a fluidized bed type heating furnace, an electric furnace or the like, an expansion force is generated in the gas present in the core material, and the coated metal is plastically deformed to form a spherical shape. This effect is due to the outer shell of the core material softening and the expansion force inside the core material dispersed almost uniformly in the coated metal. For this reason, the shape of the core material does not have to be particularly spherical, and the selection of the core material can be simplified. At the same time, since all of the coated metal or the surface of the coated metal is melted to form a smooth surface, the unevenness of the surface of the metal before heating becomes small after heating.
[0075]
As described above, it is possible to provide a high value-added novel micro metal composite hollow sphere having a small sphericity, a small surface roughness, and a high heat resistance temperature.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart of a manufacturing process.
FIG. 2 is a conceptual diagram of a heating process in which particles move from top to bottom.
FIG. 3 is an electron micrograph of a shirasu balloon. (Example 1)
FIG. 4 is an electron micrograph of a shirasu balloon coated with nickel and phosphorus. (Example 2)
FIG. 5 is a particle photograph taken with an electron microscope of a metal-coated sphere heated above the softening temperature of the core and below the melting temperature of the coated metal. (Example 3)
FIG. 6 is a photograph of the appearance of particles by an electron microscope of a fine metal composite hollow sphere heated above the melting temperature of a coated metal. (Example 3)
FIG. 7 is a cross-sectional photograph of a particle by an electron microscope of a fine metal composite hollow sphere heated above the melting temperature of a coated metal. (Example 3)
[Explanation of symbols]
a-1: Raw material a-2: Core material a-3: Metal-coated core material a-4: Metal-coated sphere a-5: Fine metal composite hollow sphere b-1: Raw material b-2: Core material b-3: Metal-coated core material b-4: Fine metal composite hollow sphere 41: Raw material charging hopper 42: Screw feeder 43: Furnace main body 44: Recording thermocouple 45: Control thermocouple 46: Heater 47: Gas supply path 48: Product Recovery hopper 49: Gas discharge path 50: High temperature region 51: Low temperature region

Claims (13)

無機物の天然ガラスからなる焼成発泡体である芯材に金属を被覆し、加熱した微小金属複合中空球体であって、下記式1で求められる真球度合が0.5〜5%と小さく、下記式2で求められる表面粗さ度が0.001〜0.2%と小さく、耐熱温度が高い微小金属複合中空球体。
式1 ((Rmax−Rmin)/(2×Rmax))×100 (Rmax:粒子の2次元デジタル画像から輪郭線を得て、その輪郭に囲まれた領域の重心と輪郭線を構成する点との距離が最長のもの、Rmin:同最短のもの)
式2 ((Ra)/(2×r))×100 (Ra:算術平均粗さ、r:粒子半径)
Metal is coated on the core material is a sintered foam made of natural glass inorganics a heated fine metal composite hollow spheres, sphericity degree obtained by the following equation 1 is as small as 0.5% to 5%, below A fine metal composite hollow sphere having a small surface roughness required by Equation 2 of 0.001 to 0.2% and a high heat resistance temperature.
Formula 1 ((Rmax−Rmin) / (2 × Rmax)) × 100 (Rmax: a contour line is obtained from a two-dimensional digital image of a particle, and the center of gravity and the contour line of the region surrounded by the contour are formed. Longest distance, Rmin: shortest distance)
Formula 2 ((Ra) / (2 × r)) × 100 (Ra: arithmetic average roughness, r: particle radius)
金属が複数種の多層構造を有することを特徴とする請求項1の微小金属複合中空球体。 2. The fine metal composite hollow sphere according to claim 1, wherein the metal has a plurality of types of multilayer structures . 金属の被覆厚が、粒径の1〜40%で、5μm以上である請求項1または請求項の何れかに記載の微小金属複合中空球体。 3. The fine metal composite hollow sphere according to claim 1, wherein the coating thickness of the metal is 1 to 40% of the particle diameter and is 5 μm or more. 金属の被覆厚が、粒径の2〜20%で、5μm以上である請求項1または請求項の何れかに記載の微小金属複合中空球体。 3. The fine metal composite hollow sphere according to claim 1, wherein the coating thickness of the metal is 2 to 20% of the particle size and 5 μm or more. 被覆した金属の主成分が、ニッケル、鉄、銀、銅、金、パラジウム、アルミニウムである請求項1から請求項の何れかに記載の微小金属複合中空球体。The fine metal composite hollow sphere according to any one of claims 1 to 4 , wherein the main component of the coated metal is nickel, iron, silver, copper, gold, palladium, or aluminum. 被覆した金属の主成分が、ニッケル、銀、銅、金、アルミニウムである請求項1から請求項の何れかに記載の微小金属複合中空球体。The fine metal composite hollow sphere according to any one of claims 1 to 4 , wherein the main component of the coated metal is nickel, silver, copper, gold, or aluminum. 被覆した金属の主成分が、ニッケル、銅である請求項1から請求項の何れかに記載の微小金属複合中空球体。The fine metal composite hollow sphere according to any one of claims 1 to 4 , wherein the main component of the coated metal is nickel or copper. 粒径が、100〜2000μmである請求項1から請求項の何れかに記載の微小金属複合中空球体。The fine metal composite hollow sphere according to any one of claims 1 to 7 , wherein the particle diameter is 100 to 2000 µm. 耐熱温度が、被覆する金属の溶融温度未満である請求項1から請求項の何れかに記載の微小金属複合中空球体。The fine metal composite hollow sphere according to any one of claims 1 to 8 , wherein the heat resistant temperature is lower than a melting temperature of a metal to be coated. 無機物の天然ガラスからなる焼成発泡体の芯材に金属を被覆し、該金属被覆芯材を芯材の軟化温度以上、被覆した金属の溶融温度未満で加熱し、球状に形成し、さらに被覆した金属の溶融温度以上で空中で加熱することからなる請求項1から請求項の何れかに記載の微小金属複合中空球体の製造方法。 A core of a fired foam made of inorganic natural glass is coated with a metal, and the metal-coated core is heated to a temperature above the softening temperature of the core and below the melting temperature of the coated metal to form a spherical shape, and further coated The method for producing a fine metal composite hollow sphere according to any one of claims 1 to 9 , comprising heating in the air at a temperature equal to or higher than a melting temperature of the metal. 無機物の天然ガラスからなる焼成発泡体の芯材に金属を被覆し、該金属被覆芯材を被覆した金属の溶融温度以上で空中で加熱することからなる請求項1から請求項の何れかに記載の微小金属複合中空球体の製造方法。Metal is coated on the core material of the sintered foam made of natural glass inorganics to any of claims 1 to 9 which comprises heating in air at a temperature above the melting metals coated with the metal coating the core material The manufacturing method of the micro metal composite hollow sphere of description. 無機物の天然ガラスからなる焼成発泡体の芯材に金属を被覆し、該金属被覆芯材を芯材の軟化温度以上、被覆した金属の溶融温度未満で加熱し、球状に形成し、さらに被覆した金属の溶融温度以上で空中で加熱する製造方法により得られる微小金属複合中空球体。The core material of the fired foam made of inorganic natural glass is coated with metal, and the metal-coated core material is heated above the softening temperature of the core material and less than the melting temperature of the coated metal, formed into a spherical shape, and further coated A fine metal composite hollow sphere obtained by a production method of heating in the air above the melting temperature of a metal. 無機物の天然ガラスからなる焼成発泡体の芯材に金属を被覆し、該金属被覆芯材を被覆した金属の溶融温度以上で空中で加熱する製造方法により得られる微小金属複合中空球体。A fine metal composite hollow sphere obtained by a production method in which a core of a fired foam made of inorganic natural glass is coated with a metal and heated in the air at a temperature equal to or higher than the melting temperature of the metal coated with the metal-coated core.
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