JP3643937B2 - Vane pump - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ベーンポンプに関し、特に、各種の油圧作動機器における作動油圧の発生源として自動車に搭載して用いられるベーンポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の自動車は、動力舵取装置、自動変速機等、油圧により作動する各種の機器を備えており、これらの機器における作動油圧の発生源として各種の油圧ポンプを搭載している。この種の油圧ポンプとして、従来から、回転容積形ポンプの一種として公知のベーンポンプが広く用いられている。
【0003】
ベーンポンプは、その内周に略等配をなして複数か所(2〜3か所)の凹部を有する偏肉環状のカムリングの両側を一対のサイドプレートにより閉塞し、これらの内側に、前記カムリングと略同幅の短寸円筒形をなし、周方向に略等配をなす位置に半径方向への進退自在に複数枚のベーンを備えるロータを配し、該ロータと前記カムリングとの嵌合周上の前記凹部の対応位置の夫々にポンプ室を並設した構成となっている。
【0004】
前記ロータは、軸心部に嵌着された駆動軸の回転により、カムリングの内側にて同軸上に回転するようになしてある。ロータに備えられた各ベーンは、半径方向外向きに付勢され、カムリングの内周面に押し付けられており、該内周面の凹凸に追随して進退操作しつつ前記ロータの回転に伴って回転するようになしてある。またロータの外側に並ぶポンプ室の夫々には、該ロータの回転方向の上流側に開口する吸入ポートと、同じく下流側に開口する吐出ポートとが形成されている。
【0005】
而して、カムリングの内側にてロータが回転した場合、前記ポンプ室の夫々においては、一側の吸入ポートから吸い込まれた作動油(作動流体)を、該吸入ポートを挾んで相隣する2枚のベーン間に受け入れ、これらのベーン間に閉じ込めた状態で回転せしめて昇圧し、両ベーン間の閉じ込め空間内に前記吐出ポートが開口する回転位置にて該吐出ポートから吐き出すポンプ動作が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上の如きベーンポンプは容積形のポンプであり、前述したポンプ動作が連続的に行われないことにより、吐出側に接続された配管系に脈動が生じ、これに起因する耳障りな運転音が発生するという問題があり、この問題を解消すべく、特開昭57−108484号公報、特開昭58−170868号公報、及び特開昭59-49385号公報等には、ポンプ室の外壁を形成するカムリング内周の凹部の形状を工夫したベーンポンプが開示されている。
【0007】
ところが、これらの開示内容は、前記凹所の局所的な曲率半径及び角度を細かく規定するものである一方、自動車の油圧作動機器の油圧源として用いられるベーンポンプにおいては、駆動源となるエンジンの近くへの配設に支障を来さないために可及的な小型化が要求され、近年においては、ロータの外径及びカムリングの内径が30mm前後となる小型のベーンポンプが採用されており、このサイズのベーンポンプにおいて前述した開示内容を精度良く実現するには多大の困難を伴い、運転音の抑制効果が低いという問題があった。
【0008】
更に、自動車の油圧作動機器の油圧源として用いられるベーンポンプは、前述した小型化を達成しつつ、対象機器の動作に必要な圧力及び流量を得るために高速度にて回転駆動される必要があり、回転速度の高速化に伴って運転音もまた増大する傾向にあり、運転音の抑制は重要な課題となっている。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、小型化の如何に拘らず実現可能な簡素な構成により運転音の発生を有効に低減でき、高速度での静粛な運転が可能なベーンポンプを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るベーンポンプは、周方向に略等配された複数枚のベーンを半径方向への進退自在に備える短寸円筒形のロータを偏肉環状をなすカムリングの内側に配し、両者の嵌合周上に複数のポンプ室を形成してなり、周方向の一側から各ポンプ室に吸い込まれる流体を相隣するベーン間に閉じ込め、ロータの回転により回転せしめて昇圧し、各ポンプ室の他側から吐き出すベーンポンプにおいて、前記ベーン間での流体の閉じ込め空間となるべき周方向位置にて前記複数のポンプ室を相互に連通する連通路を具備することを特徴とする。
【0011】
【作用】
本発明においては、カムリングとロータとの間に形成された複数のポンプ室同士を、これらの内部の流体が周方向両側の吸入ポート及び吐出ポートの夫々から遮断されて相隣するベーン間に閉じ込められることになる周方向位置にて相互に連通させ、夫々の閉じ込め空間の内圧の均等化を図り、ロータの周方向の圧力の不均等に起因する音の発生を抑制することにより、運転音の発生を効果的に低減する。
【0012】
【実施例】
以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るベーンポンプの一実施例を示す側断面図、図2は、図1のII−II線による横断面図である。
【0013】
図中1は、短寸円筒形のロータであり、該ロータ1は、平板状をなす複数枚のベーン10,10…を、周方向に略等配をなす位置に半径方向への進退自在に備えている。また2は、ロータ1よりもやや大径の円に2か所の凹部を周方向に略等配してなる内周面と、これよりも十分に大きい円形の外周面とを有する偏肉環状のカムリングであり、該カムリング2は、一側に重ねた厚肉円板形のプレッシャプレート3と共に、該プレッシャプレート3を内奥側としてハウジング4に形成された空洞部40に内嵌され、図2に示す如く、この嵌合部分に打設された固定ピン30,30により周方向に位置決めされている。
【0014】
このようにカムリング2を内包するハウジング4の空洞部40は、該空洞部40の開口側周縁に複数本の固定ボルト51,51…にて固定したエンドプレート5により閉塞されており、前記ロータ1は、プレッシャプレート3及びエンドプレート5により両側を挾まれたカムリング2の内側空間に収納され、プレッシャプレート3の軸心部を貫通して前記空間内に突出するロータ軸6にスプライン結合されている。
【0015】
ハウジング4は、前記空洞部40と同軸上にて他側に貫通する軸支孔41を備えている。ロータ軸6は、ロータ1の嵌着位置の一側を、前記軸支孔41に嵌着された玉軸受42により支持され、同じく他側を、エンドプレート5の軸心位置に固定された軸受ブッシュ50により支持されて、軸支孔41の外側に適長突出させてあり、この突出端に嵌着されたVベルト車60を介して図示しない駆動源に連結されており、ロータ軸6にスプライン結合されたロータ1は、前記駆動源からの伝動によりカムリング2の内側にて同軸的に回転するようになしてある。
【0016】
以上の構成により、ロータ1の外周面とカムリング2の内周面との間には、後者の周方向に略等配された前記凹部の形成位置の夫々に、図2に示す如き形状を有する2つのポンプ室P,Pが、プレッシャプレート3とエンドプレート5とにより両側を閉塞して形成されたことになる。両ポンプ室P,Pの一側を塞ぐエンドプレート5には、ハウジング4の外周に固設された吸込管Sに連なる吸込油路20が形成してあり、該吸込油路20は、図2に示す如く、ロータ1の回転方向の上流側に開口する各別の吸入ポート21,21により、各ポンプ室P,Pの内部に連通させてある。
【0017】
ロータ1に保持された前記ベーン10,10…は、例えば、半径方向への案内のための各別の案内溝に導入された圧油により半径方向外向きに付勢され、夫々の先端をカムリング2の内周面に押し付けており、ロータ軸6と共にロータ1が回転するとき、カムリング2の内周面の形状変化に追随して各別に進退動作しつつロータ1と共に回転するようになしてある。
【0018】
この回転により両ポンプ室P,Pの内部には、吸込管Sを経て吸込油路20に供給される作動油が、各別の吸入ポート21,21を経て吸い込まれ、この作動油は、周方向に相隣するベーン10,10間に受け入れられ、ロータ1の回転に伴って回転せしめられて昇圧する。
【0019】
一方、両ポンプ室P,Pの他側を塞ぐプレッシャプレート3には、図2中に2点鎖線より示す如く、前記吸入ポート21,21の形成位置の逆側、即ち、ロータ1の回転方向の下流側にて各ポンプ室P,Pの内部に開口する吐出ポート22,22が貫通形成してあり、両ポンプ室P,Pは、これらの吐出ポート22,22によりプレッシャプレート3の背面側に形成された圧力室23に連通されている。
【0020】
而して、各ポンプ室P,Pの内部において相隣するベーン10,10と共に回転する作動油は、吐出ポート22,22を経て圧力室23に吐き出され、更に、該圧力室23に連通する弁室24を経て外部に送出される。なお弁室24の内部には、図示しない流量制御弁が内蔵されており、弁室24に導入された吐出油の一部は、流量制御弁の動作により吸込油路20に還流せしめられ、外部への送出油量が略一定に保たれるようになしてある。
【0021】
以上の如き動作をなす本発明に係るベーンポンプは、カムリング2の内側に並ぶ2つのポンプ室P,Pを相互に連通する連通路7を備えている。この連通路7は、図2中に示す如く、カムリング2のプレッシャプレート3との合わせ面に、ポンプ室P,Pの外側を略半周に亘って巡り、両端部において半径方向内向きに曲げられ、各ポンプ室P,Pと夫々の略中央位置にて連通する態様に設けられている。
【0022】
図3は、連通路7の形成部位を拡大して示す横断面図であり、本図に示す如く連通路7は、カムリング2の端面に刻設された凹溝7aの開口部を、該端面に密着するプレッシャプレート3により閉止した閉通路として構成されており、このような連通路7は、焼結によるカムリング2の成形段階での前記凹溝7aの同時形成により容易に得ることができる。また、プレッシャプレート3側に同様の凹溝を形成し、該凹溝の開口部をカムリング2の端面により閉止した閉通路として連通路7を得ることも可能である。
【0023】
また、プレッシャプレート3には、前述した如く吐出口22,22が開口し、カムリング2及びプレッシャプレート3の外周部分には、ハウジング4への固定のための固定ピン30が打設されており、前記連通路7の形成は、これらの対応部位を避けて行われる必要があるが、このこともまた、図3に示す態様での連通路7の形成により容易に達成される。
【0024】
図4は、前述の如く行われるポンプ動作の説明のためのポンプ室Pの平面展開図である。ロータ1に保持された複数枚のベーン10,10…の内、特定の2枚のベーン10,10間の空間Aに着目すると、この空間Aは、ロータ1の回転に伴ってポンプ室Pの内部での相対位置を逐次変え、図4(a)に示す如く吸入ポート21の開口部に連通する周方向位置にあるとき作動油を受け入れ、図4(c)に示す如く吐出ポート22の開口部と連通する周方向位置にあるとき吐き出す。
【0025】
このような吐き出しに際して所定の油圧を得るには、図4(a),(c)との間の中間位置にて、図4(b)に示す如く、ベーン10,10間の空間Aが吸入ポート21及び吐出ポート22のいずれとも連通することなく作動油を閉じ込める閉じ込め空間A′となる必要があり、このような閉じ込め空間A′がロータ1の周方向に並ぶ複数のベーン10,10…間に順次形成されることにより前述したポンプ動作が行われる。
【0026】
このように行われるポンプ動作の間、図4(a)の位置にある空間Aは、吸入ポート21に連通する吸込油路20を介して、また、図4(c)の位置にある空間Aは、吐出ポート22に連通する圧力室23を介して、他のポンプ室Pの同種の空間と夫々連通されており、両ポンプ室P,P間での圧力バランスは良好に保たれている。これに対し、図4(b)の位置にある閉じ込め空間A′は、ポンプ室Pの内部にて完全に独立した空間であり、該閉じ込め空間A′の内圧は、ポンプ室Pの形状を支配するカムリング2の内面形状の影響を受け、両ポンプ室P,Pの対応位置でのカムリング2の内面形状のわずかな相違により異なる。
【0027】
前述した如く形成された連通路7は、両ポンプ室P,Pの略中央位置、即ち、両ポンプ室P,Pの内部において前述した閉じ込め空間A′となるべき部分同士を相互連通しており、このような連通路7を備える本発明に係るベーンポンプにおいては、両ポンプ室P,P内に夫々形成される閉じ込め空間A′の内圧が連通路7を介して均等化される。従って、ロータ1の周方向の各位置での圧力バランスを良好に保つことができ、ロータ1の回転に際し圧力バランスの不均衡によるガタ付きが発生せず、この回転に伴う発生音、即ち、ベーンポンプの運転音を効果的に低減することができる。
【0028】
図5は、以上の如く構成された本発明に係るベーンポンプと連通路7を備えない従来のベーンポンプとの運転音の比較結果を示すグラフである。本図に示す如く、吐出圧を種々に変更して行われた各運転状態において、本発明に係るベーンポンプの運転音は、従来のベーンポンプにおける運転音に比して大幅に低下しており、連通路7の形成による運転音の低減効果は明らかである。
【0029】
このような運転音の低減効果は、ロータ1の周方向に並ぶポンプ室P,Pを夫々の中央位置近傍にて連通する連通路7の形成により得られるものであり、前記特開昭57−108484号公報、特開昭58−170868号公報、及び特開昭59-49385号公報等に運転音の低減を目的として開示されたベーンポンプの如く、カムリング2の内面形状を細かく限定するものではなく、容易に実現できる。
【0030】
前記連通路7は、本実施例中に示すカムリング2とプレッシャプレート3との合わせ面に限らず、カムリング2とエンドプレート5との合わせ面においても全く同様に形成できる。このように形成された連通路7は、カムリング2の内周面においてポンプ室Pの内部に開口するが、カムリング2の内周面は、ロータ1と共に回転する複数のベーン10,10…の摺接面であり、連通路7(凹溝7a)の開口端は、各ベーン10の摺接を阻害しないよう、図6に示す如く、ベーン10の幅に比して十分に小さいサイズを有して絞った形状とするのが望ましい。
【0031】
また、前記連通路7の形成は、ロータ1及び該ロータとプレッシャプレート3又はエンドプレート5との境界面を利用して形成することもできる。図7及び図8は、このような連通路7の形成態様を示す説明図であり、図7は、ロータ1の平面図、図8は、プレッシャプレート3の平面図である。
【0032】
図7及び図8の表示面は、他方との対向面となっており、図7中に破線により示す如くロータ1には、複数枚のベーン10,10…の夫々の間に、外周面の幅方向略中央に開口を有して半径方向内向きに縦孔7b,7b…が穿設され、また、各縦孔7b,7b…の先端に連続してロータ1を幅方向に貫通する横孔7c,7c…が穿設されており、これらの横孔7c,7c…は、プレッシャプレート3との対向面となるロータ1の端面においてロータ軸6の軸心を中心とする所定直径の円Cの周上に開口を有して並設されている。
【0033】
一方、図8に示す如くプレッシャプレート3の端面には、ロータ1における前記横孔7c,7c…の並設円Cと対応する円C′の周上に等配をなす2か所に一端を配して半径方向に外向きに延びる短寸の縦溝7d,7dと、これらの外端を連結する環状溝7eとが形成されている。前記縦溝7d,7dの位置は、図8中に2点鎖線にて示すカムリング2の内周形状との対照により明らかな如く、該カムリング2の内側におけるポンプ室P,Pの略中央位置に対応させてある。
【0034】
而して、図7に示すロータ1と図8に示すプレッシャプレート3とを、図1に示す如く組み立ててなるベーンポンプにおいては、ロータ1が回転したとき、該ロータ1に形成された横孔7c,7c…の内、周方向に対向する位置にある横孔7c,7cがプレッシャプレート3の縦溝7d,7dの端部に順次整合し、前記横孔7c,7cの夫々に連続する縦孔7b,7bの開口位置を、縦溝7d,7d及び環状溝7eを介して連通する連通路7が構成される。
【0035】
前述の如く縦溝7d,7dの形成位置は、ポンプ室P,Pの略中央位置に対応させてあるから、ロータ1の回転に伴って逐次形成される連通路7は、その時点においてポンプ室P,Pの略中央、即ち、前記閉じ込め空間A′同士を相互に連通することになる。このように構成された連通路7は、ロータ1における縦孔7b,7b…及び横孔7c,7c…の形成のための機械加工を必要とするが、各ポンプ室P,Pの内側への開口端がロータ1側にあり、ベーン10,10…の摺接面となるカムリング2の内周面に開口を有しないことから、各ベーン10の摺接を阻害しないための図6に示す如き対策は不要であり、確実な連通状態が得られる。
【0036】
なお本実施例は、ロータ1及びカムリング2の周方向に2つのポンプ室P,Pを備えるベーンポンプへの適用例について述べたが、3つ以上のポンプ室を備える構成においても本発明の適用は可能であり、更に、自動車の油圧作動機器の油圧発生源として用いるベーンポンプに限らず、各種の流体の昇圧のためのベーンポンプへの適用も可能であり、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係るベーンポンプにおいては、カムリングとロータとの間の複数のポンプ室を相隣するベーン間の閉じ込め空間となるべき周方向位置にて連通する連通路を形成し、これらの閉じ込め空間の内圧の不均衡を解消したから、小型化の如何に拘らず実現可能な簡素な構成により運転音の発生を効果的に低減することができ、高速度での静粛な運転が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベーンポンプの全体構成を示す側断面図である。
【図2】図1のII−II線による横断面図である。
【図3】連通路の形成態様を示す拡大断面図である。
【図4】ポンプ動作の説明のためのポンプ室の平面展開図である。
【図5】本発明に係るベーンポンプによる運転音の低減効果を示す図である。
【図6】ポンプ室内への連通路の開口端近傍の拡大図である。
【図7】連通路の他の形成態様の説明のためのロータの平面図である。
【図8】連通路の他の形成態様の説明のためのプレッシャプレートの平面図である。
【符号の説明】
1 ロータ
2 カムリング
3 プレッシャプレート
4 ハウジング
5 エンドプレート
7 連通路
7a 凹溝
7b 縦孔
7c 横孔
7d 縦溝
7e 環状溝
10 ベーン
21 吸入ポート
22 吐出ポート
P ポンプ室[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a vane pump, and more particularly, to a vane pump that is used by being mounted on an automobile as a source of operating hydraulic pressure in various hydraulic operating devices.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Recent automobiles are equipped with various devices that operate by hydraulic pressure, such as power steering devices and automatic transmissions, and are equipped with various hydraulic pumps as a source of operating hydraulic pressure in these devices. As this type of hydraulic pump, conventionally known vane pumps are widely used as a kind of rotary positive displacement pumps.
[0003]
The vane pump closes both sides of an uneven cam ring having a plurality of (two to three) recesses at substantially equal intervals on the inner periphery with a pair of side plates. A rotor having a plurality of vanes that can be moved back and forth in the radial direction at substantially equal positions in the circumferential direction, and a fitting circumference between the rotor and the cam ring. The pump chambers are arranged in parallel at the corresponding positions of the concave portion.
[0004]
The rotor rotates coaxially inside the cam ring by the rotation of the drive shaft fitted to the shaft center portion. Each vane provided in the rotor is urged outward in the radial direction and is pressed against the inner peripheral surface of the cam ring. It is designed to rotate. Each of the pump chambers arranged outside the rotor is formed with a suction port that opens to the upstream side in the rotational direction of the rotor and a discharge port that also opens to the downstream side.
[0005]
Thus, when the rotor rotates inside the cam ring, in each of the pump chambers, the working oil (working fluid) sucked from the suction port on one side passes through the suction port and is adjacent to each other. A pump operation is performed in which the pressure is received between the vanes of the sheet, and the pressure is increased by rotating in a state of being confined between the vanes, and the air is discharged from the discharge port at a rotational position where the discharge port opens in the confinement space between the vanes. .
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The vane pump as described above is a positive displacement pump, and the above-described pump operation is not continuously performed, so that pulsation occurs in the piping system connected to the discharge side, and an unpleasant operation sound due to this pulsation occurs. In order to solve this problem, JP-A-57-108484, JP-A-58-170868, and JP-A-59-49385 disclose the outer wall of the pump chamber. There is disclosed a vane pump in which the shape of a recess on the inner periphery of a cam ring to be formed is devised.
[0007]
However, these disclosures finely define the local radius of curvature and angle of the recess. On the other hand, in the vane pump used as the hydraulic power source of the hydraulic operating device of the automobile, near the engine serving as the driving source. In recent years, small vane pumps with an outer diameter of the rotor and an inner diameter of the cam ring of around 30 mm have been adopted. In the vane pump, there is a problem in that the disclosed contents described above are realized with great difficulty, and the effect of suppressing the operation noise is low.
[0008]
Furthermore, a vane pump used as a hydraulic power source of a hydraulic operation device of an automobile needs to be rotated at a high speed in order to obtain the pressure and flow rate necessary for the operation of the target device while achieving the above-described miniaturization. As driving speed increases, driving noise tends to increase, and suppression of driving noise is an important issue.
[0009]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of such circumstances, and a vane pump capable of effectively reducing the generation of operation noise and capable of quiet operation at high speed with a simple configuration that can be realized regardless of downsizing. The purpose is to provide.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The vane pump according to the present invention has a short cylindrical rotor provided with a plurality of vanes arranged substantially equally in the circumferential direction so as to be movable back and forth in the radial direction inside the cam ring having an uneven annular shape. A plurality of pump chambers are formed on the circumference, and the fluid sucked into each pump chamber from one side in the circumferential direction is confined between adjacent vanes, and the pressure is increased by rotating the rotor by rotating the rotor. The vane pump that discharges from the other side includes a communication path that connects the plurality of pump chambers to each other at a circumferential position that should become a confinement space for fluid between the vanes.
[0011]
[Action]
In the present invention, a plurality of pump chambers formed between the cam ring and the rotor are confined between adjacent vanes by shutting off the fluid inside them from the suction ports and the discharge ports on both sides in the circumferential direction. By communicating with each other at the circumferential position to be generated, equalizing the internal pressure of each confined space, and suppressing the generation of sound due to uneven pressure in the circumferential direction of the rotor, Effectively reduce the occurrence.
[0012]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the drawings illustrating embodiments thereof. FIG. 1 is a side sectional view showing an embodiment of a vane pump according to the present invention, and FIG. 2 is a transverse sectional view taken along line II-II in FIG.
[0013]
In the figure,
[0014]
In this way, the
[0015]
The
[0016]
With the above configuration, between the outer peripheral surface of the
[0017]
The
[0018]
As a result of this rotation, the hydraulic oil supplied to the
[0019]
On the other hand, the
[0020]
Thus, the hydraulic oil that rotates together with the
[0021]
The vane pump according to the present invention that operates as described above includes a
[0022]
FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view showing a portion where the
[0023]
Further, as described above, the
[0024]
FIG. 4 is a plan development view of the pump chamber P for explaining the pump operation performed as described above. When attention is paid to a space A between two
[0025]
In order to obtain a predetermined oil pressure during such discharge, the space A between the
[0026]
During the pump operation performed in this way, the space A at the position of FIG. 4 (a) passes through the
[0027]
The
[0028]
FIG. 5 is a graph showing a comparison result of operation sound between the vane pump according to the present invention configured as described above and a conventional vane pump not including the
[0029]
Such an effect of reducing the operating noise is obtained by forming the
[0030]
The
[0031]
The
[0032]
The display surface of FIGS. 7 and 8 is the surface facing the other, and as shown by the broken line in FIG. 7, the
[0033]
On the other hand, as shown in FIG. 8, the end surface of the
[0034]
Thus, in the vane pump in which the
[0035]
As described above, the formation positions of the vertical grooves 7d and 7d correspond to the substantially central position of the pump chambers P and P. Therefore, the
[0036]
In addition, although the present Example described the application example to the vane pump provided with the two pump chambers P and P in the circumferential direction of the
[0037]
【The invention's effect】
As described in detail above, in the vane pump according to the present invention, a plurality of pump chambers between the cam ring and the rotor are formed with communication passages that communicate with each other at circumferential positions that should be confined spaces between adjacent vanes. Since the internal pressure imbalance in the confined space has been eliminated, the generation of driving noise can be effectively reduced with a simple configuration that can be realized regardless of the miniaturization, and quiet operation at high speed is possible. Thus, the present invention has excellent effects.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side sectional view showing an overall configuration of a vane pump according to the present invention.
2 is a cross-sectional view taken along the line II-II in FIG.
FIG. 3 is an enlarged cross-sectional view showing a form of forming a communication path.
FIG. 4 is a plan development view of a pump chamber for explaining a pump operation.
FIG. 5 is a diagram illustrating an operation noise reduction effect by the vane pump according to the present invention.
FIG. 6 is an enlarged view of the vicinity of the open end of the communication path into the pump chamber.
FIG. 7 is a plan view of a rotor for explaining another formation mode of the communication path.
FIG. 8 is a plan view of a pressure plate for explaining another embodiment of the communication path.
[Explanation of symbols]
1
7a Groove
7b Vertical hole
7c Horizontal hole
7d vertical groove
7e annular groove
10 Vane
21 Suction port
22 Discharge port P Pump room
Claims (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07907395A JP3643937B2 (en) | 1995-04-04 | 1995-04-04 | Vane pump |
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