JP3629988B2 - 電気抵抗式灰溶融炉の電力制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、三相交流による電気抵抗式灰溶融炉の電力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみ、あるいは産業廃棄物などの焼却装置からは大量の灰が排出される。これらの灰は以前は単に埋め立てに用いられていたが、埋め立て地の立地が困難となる中で、近年、灰の溶融処理が開発されている。
【0003】
例えば、特開平8−8060号公報には、三相アーク式灰溶融炉の電力制御方法が提案されている。この技術は、電極ごとに発熱量を所要に応じて分配するため、電極ごとに目標とするインピーダンスを定め、電極を昇降させるというものである。
【0004】
また、特開平9−105507号公報には、電気抵抗式灰溶融炉内の溶融スラグレベルを検知して、最適かつ安定な運転方法を提供する灰溶融炉の運転方法が提案されている。この方法は、灰溶融炉の炉蓋に垂直方向に設置された溶融スラグレベル検出器により、炉内のスラグレベルを検知することで、灰供給量及び電力投入量を制御して最適かつ安定な運転を図るというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術には次のような問題点がある。
【0006】
まず、特開平8−8060号公報記載の技術では、電極ごとに目標とするインピーダンスを定めるので、各電極の電流は必ずしも一定とならない。一般に、三相交流の使用に当っては、三相の各相が不平衡とならないよう、各相の電流を一定にすることが望ましい。
【0007】
この従来技術では、三相交流の各相の電流は不平衡であり、一部のケーブルに過大な電流が流れたり、投入電力の加熱効率が低下する。また、三相交流の中性点が、炉心からずれて炉壁に近づくと、その部分の炉壁が高温の溶融スラグと接触し損傷し易くなるという問題がある。
【0008】
また、この従来技術のようにアーク式加熱方法を用いる場合、電流が被加熱物(溶融スラグ)の表面に集中するので、炉内の温度分布を均一にし難いと言う問題がある。また、アーク式加熱炉一般に特有の問題として高調波の発生があり、制御機器やコンピュータへの悪影響、騒音あるいは近隣への電波障害等の原因となる。
【0009】
特開平9−105507号公報記載の技術は、直流電気抵抗式灰溶融炉を前提としており、これを三相交流を用いる三相電気抵抗式灰溶融炉に、適用することは簡単にはできない。特に、電源設備により投入電力量を制御すると記載されているが、三相交流の場合、電源設備により、個々の相に対して別々に投入電力量を制御することは困難である。
【0010】
一般に、電気抵抗加熱方式の場合、電極位置の調節による電力制御については、制御可能な範囲に制限がある。電力を電極が基準位置にある場合の値より増加させるには、電極をさらに深く挿入する必要がある。しかし、電気抵抗加熱方式における電極は、被加熱物(溶融した灰)の中に深く挿入されており、基準位置から炉底までの移動可能な余裕は僅かである。
【0011】
このように電気抵抗加熱方式では、電極の最適な位置は狭い範囲に限られることから、アーク式加熱のように、電極位置により電力を大幅に変化させることはできない。このように、電気抵抗加熱方式では、電極位置の調節により電力を制御することには限界がある。
【0012】
さらに、電力制御のためにインピーダンスを変化させると、電源と負荷のインピーダンスマッチングがとれなくなり、電極に供給可能な電力が低下する。また、電極のインピーダンスを操業上の最適値に設定できなくなるという問題もある。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、各相の電流の平衡を保ちつつ投入電力量を大幅に制御することが可能であり、また電極のインピーダンスを最適値にして操業できる三相交流による電気抵抗式灰溶融炉の電力制御方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、次の発明により解決される。
【0015】
その発明は、三相交流による電気抵抗式灰溶融炉の電力制御方法において、各電極についての電流および電圧を測定し、測定した電流および電圧から各電極についてのインピーダンスおよび電力を演算し、三相電力の各相の電流が平衡するように、各電極の昇降により各電極のインピーダンスを制御するとともに、全体の電力を炉電源トランスのタップ切替えにより制御することを特徴とする電気抵抗式灰溶融炉の電力制御方法である。
【0016】
ここで、各電極についてのインピーダンスおよび電力は、各電極の電圧Eと電流Iを測定することにより容易に得られる。例えば、インピーダンスZは、Z=E/Iとなる。なお、これらの変数は位相を含むベクトル表示で表してある。
【0017】
インピーダンスの大きさZ0は、電圧Eと電流Iの実効値をそれぞれE0,I0とすると、Z0=E0/I0となる。ここで、抵抗RとリアクタンスXは、電圧Eと電流Iの位相差をδとすると、
Z=R+jX=Z0(cosδ+jsinδ)
であるから、
R=Z0cosδ
X=Z0sinδ
と表される。
【0018】
電力は、電力の実効値をP0とすると、
P0=E0I0cosδ
となる。なお、cosδは力率を表す。
【0019】
この発明では、炉電源トランスのタップ切替えにより全体の電力を制御している。これにより、従来技術と異なり、電極の昇降だけでは制御できない電力の制御を可能としている。また、インピーダンスは操業上最適な値に保持した状態で、電力を制御することが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態を示すブロック図である。電源トランス1より3本の電極2に電力が供給される。各電極2は電極昇降装置21(一部の電極2については、図示を省略)により支持され、灰溶融炉3の中の溶融状態の灰(溶融スラグ)9の内部に挿入されている。
【0021】
それぞれの電極2については、電流計41と電圧計42により(一部の電極2については、図示を省略)、電流と電圧が計測される。ここで、電圧計42により計測されるのは、各電極2とアース間の電圧である。これらの計測結果は電力調整装置5に送信され、信号処理される。
【0022】
電力調整装置5では、各電極2についてインピーダンスを算出し、予め与えられた設定値と比較する。比較結果に基づきある電極2のインピーダンスを増減する場合は、電力調整装置5の中の電極昇降指令手段51が、その電極2を支持する電極昇降装置21に上昇・下降の指令信号を送信する。電極昇降装置21は、送信された指令に基づき電極2を上昇・下降させて、電極2のインピーダンスを設定値になるよう調整する。
【0023】
また、電力調整装置5では、各電極2の電流と電圧から各電極の電力を算出する。これらの値を合計して灰溶融炉3全体の電力を算出し、別途与えられた電力設定値と比較する。ここで、電力設定値は灰溶融炉3の操業サイクルや灰の装入量等から設定される値で、手動・自動いずれで設定してもよい。
【0024】
比較結果に基づき灰溶融炉3全体の電力を増減する場合は、電力調整装置5の中のタップ切替指令手段52が、電源トランス1のタップ切替手段11にタップ切替の指令信号を送信する。タップ切替手段11は、送信された指令に基づき電源トランス1のタップを切替え、各電極2に供給する電力を増減させる。
【0025】
【発明の効果】
この発明により、三相電力の各相の電流の平衡を保ちつつ投入電力量を大幅に制御することが可能となる。またその際、電極のインピーダンスを最適値に保持したままで、操業することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 電源トランス
2 電極
3 灰溶融炉
5 電力調整装置
9 灰(溶融スラグ)
11 タップ切替手段
21 電極昇降装置
41 電流計
42 電圧計
51 電極昇降指令手段
52 タップ切替指令手段
Claims (1)
- 三相交流による電気抵抗式灰溶融炉の電力制御方法において、
各電極についての電流および電圧を測定し、測定した電流および電圧から各電極についてのインピーダンスおよび電力を演算し、三相電力の各相の電流が平衡するように、各電極の昇降により各電極のインピーダンスを制御するとともに、全体の電力を炉電源トランスのタップ切替えにより制御することを特徴とする電気抵抗式灰溶融炉の電力制御方法。
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JP33130598A JP3629988B2 (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | 電気抵抗式灰溶融炉の電力制御方法 |
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