JP3622584B2 - Oxygen concentration detector - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸素濃度検出装置に関し、特に、排気管壁面に付着した水分の飛散による空燃比センサの素子割れを防止する酸素濃度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の機関の空燃比制御においては、機関の排気系に空燃比センサと触媒とを配設し、触媒により排気ガス中の有害成分(HC、CO、NOx 等)を最大限浄化するため、空燃比センサにより検出される機関の排気空燃比が目標空燃比、例えば理論空燃比になるようにフィードバック制御されている。この空燃比センサとして、機関から排出される排気ガス中に含まれる酸素濃度から機関の排気空燃比がリッチかリーンを判定するZ特性を有するλ型酸素センサ(O2 センサと称する)、および機関から排出される排気ガス中に含まれる酸素濃度に比例して限界電流を出力する限界電流式酸素濃度検出素子が用いられている。限界電流式酸素濃度検出素子は、酸素濃度から機関の排気空燃比を広域かつリニアに検出するものであり、空燃比制御精度を向上させたり、リッチ〜理論空燃比(ストイキ)〜リーンの広域空燃比の間で機関の排気空燃比を目標空燃比にするよう制御するために有用である。
【0003】
これら空燃比センサ、すなわちO2 センサおよび限界電流式酸素濃度検出素子は、空燃比の検出精度を維持するため活性状態に保たれることが不可欠であり、通常、O2 センサまたは限界電流式酸素濃度検出素子に付設されたヒータを機関始動時から通電することによりこれらを加熱し、早期活性化させてこれらの活性状態を維持するようヒータの通電制御を行っている。
【0004】
特開平8−278279号公報開示の空燃比センサのヒータ制御装置は、ヒータへの通電初期に空燃比センサの素子の早期活性化のためヒータ温度が所定温度に達するまでは全電力、すなわち100%デューティ比でヒータに電力供給し、ヒータ温度が所定温度に達するとヒータ温度に応じた電力をヒータに供給し、空燃比センサの素子温度が所定温度に達したら空燃比センサの素子温度に応じた電力をヒータに供給する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平8−278279号公報開示の空燃比センサのヒータ制御装置において、機関の冷間始動時には、排気管内上流に設けられた触媒で凝縮した水分が排気管壁面に付着しており、機関の冷間始動時に空燃比センサを早期活性化するため電気的に加熱し空燃比センサの素子温度を高温にすると、排気管壁面に付着した水分が飛散し、排気管内触媒下流に配設された空燃比センサを囲むよう排気管に取付けられた保護カバーの小穴を通過して保護カバー内の空燃比センサ素子が被水し、空燃比センサ素子を急冷することになり、この結果ヒータ温度と空燃比センサの素子温度との温度差が急激に増大し、所謂サーマルショックによる空燃比センサの素子割れが生ずるという問題がある。
【0006】
それゆえ、本発明は上記問題を解決し、機関の冷間始動時または始動前の空燃比のプレヒート時に、空燃比センサ素子の被水に起因したサーマルショックによる空燃比センサの素子割れを防止する酸素濃度検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決する本発明による酸素濃度検出装置は、内燃機関の排気管に設けられた空燃比センサと、該空燃比センサを加熱するヒータと、該空燃比センサが活性化温度になるように該ヒータを通電するヒータ通電手段と、を備えた酸素濃度検出装置において、前記内燃機関の吸気管内へ流入する外気温度の検出手段と、前記内燃機関の排気管内の前記空燃比センサ下流に設けられた触媒の下流の第1排気温度を算出する第1算出手段と、前記外気温度と前記第1排気温度とに基づいて、前記空燃比センサ周辺の第2排気温度を算出する第2算出手段と、前記第2排気温度と前記排気管の熱伝達率とから前記空燃比センサ周辺の前記排気管の温度を算出する排気管温算出手段と、前記排気管温算出手段により算出された前記排気管の温度に基づいて、前記排気管の壁面に水分が付着しているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記排気管の壁面に水分が付着していると判断したとき、前記ヒータ通電手段による前記ヒータへの通電を制限する通電制限手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
上記構成により、排気管壁面に水分が付着したと判断されたときヒータへの通電を制限するので、空燃比センサの素子の被水が防止され、サーマルショックによる素子割れが防止される。ここで、排気管壁面に水分が付着したときは、水分が付着している可能性が高いことを含む。
また、上記構成により、排気管の壁面に水分が付着するのは、排気管内の水蒸気が結露するからであり、これを排気管温度から判断するので、排気管壁面に水分が付着したことの判断の精度が向上する。
上記酸素濃度検出装置において、前記判断手段が前記排気管の壁面に水分が付着していると判断したとき、前記内燃機関の排気の流速を抑制する流速抑制手段を備える。
【0009】
上記構成により、排気の流速を抑制するので、排気管壁面に付着した水分の飛散が抑制され、空燃比センサの素子への被水が減少し、サーマルショックによる素子割れの確率が低下する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明による酸素濃度検出装置の一実施形態の概略構成図である。図1以降、同一のものは同一符号で示す。図示しない内燃機関の排気管に配設され機関の排気空燃比を検出する空燃比(A/F)センサ1は、空燃比センサ素子(以下、センサ素子と記す)2とヒータ4とからなり、センサ素子2には空燃比(A/F)センサ回路(以下、センサ回路と記す)3から電圧が印加され、ヒータ2にはバッテリ5からヒータ制御回路6を介して電力が供給される。センサ回路3はマイクロコンピュータからなる空燃比制御ユニット(A/FCU)10からアナログの印加電圧をローパスフィルタ(LPF)7を介して受けセンサ素子2に印加する。
【0012】
A/FCU10は、センサ回路3、ヒータ制御回路6およびLPF7と共に電子制御ユニット(ECU)100の一部をなし、デジタルデータを内部に設けられたD/A変換器により矩形状のアナログ電圧に変換した後LPF7を介してセンサ回路3へ出力する。LPF7は矩形状のアナログ電圧信号の高周波成分を除去したなまし信号を出力し、高周波ノイズによるセンサ素子2の出力電流の検出エラーを防止している。このなまし信号の電圧のセンサ素子2への印加に伴いA/FCU10は被検出ガス中、すなわち排気ガス中の酸素濃度に比例して変化するセンサ素子2を流れる電流およびその時のセンサ素子2への印加電圧を検出する。A/FCU10はこれらの電流および電圧を検出するため内部にA/D変換器を設けており、これらのA/D変換器はセンサ回路3からセンサ素子2を流れる電流に相当するアナログ電圧およびセンサ素子2への印加電圧を受けデジタルデータに変換する。
【0013】
空燃比センサ1はセンサ素子2が活性状態にならないとその出力を空燃比制御に使用できない。このため、A/FCU10は機関始動時にバッテリ5からセンサ素子2に内蔵されたヒータ4へ電力供給してヒータ4を通電し、センサ素子2を早期活性化し、センサ素子2が活性化された後はその活性状態を維持するようヒータ4へ電力供給する。バッテリ5の電圧はA/FCU10の内部に設けられたA/D変換器によりデジタルデータに変換される。
【0014】
しかるに、センサ素子2の抵抗がセンサ素子2の温度に依存すること、すなわちセンサ素子温度の増大に連れて減衰することに着目し、センサ素子2の抵抗がセンサ素子2の活性状態を維持する温度に相当する抵抗値、例えば30Ωとなるようヒータ4へ電力供給することによりセンサ素子2の温度を目標温度、例えば700°Cに維持する制御が行われている。また、空燃比制御ユニット(A/FCU)10は、センサ素子2を加熱するヒータ制御回路6からヒータ4の電圧と電流に相当するアナログ電圧を受けデジタルデータに変換するA/D変換器を内部に設けている。これらのデジタルデータを用いて、例えばヒータ4の抵抗値を算出し、算出した抵抗値に基づき機関の運転状態に応じた電力供給をヒータ4に行うとともにヒータ4の過昇温(OT)を防止するようヒータ4の温度制御を行う。本発明の実施形態では、空燃比センサ1として限界電流式酸素濃度検出素子を使用する。しかしながら、本発明はこれに限定するものでなく、空燃比センサ1として、空燃比がリッチかリーンを判定するZ特性を有するλ型酸素センサ(O2 センサと称する)を用いた場合にも適用できる。
【0015】
空燃比制御ユニット(A/FCU)10は、例えば図示しない双方向性バスにより相互に接続されたCPU、ROM、RAM、B(バッテリバックアップ).RAM、入力ポート、出力ポート、A/D変換器およびD/A変換器を具備し、後述する本発明の空燃比センサ1のヒータ制御を行う。また、A/FCU10内のA/D変換器には機関の冷却水温THWを検出する水温センサ(図示せず)が接続されており、CPUは所定の周期でTHWを読込む。
【0016】
ここで、冷間始動時に空燃比センサの素子割れが生ずるコップ型空燃比センサについて以下に説明する。
図2はコップ型空燃比センサの断面図である。コップ型空燃比センサのセンサ本体20は、断面カップ状の拡散抵抗層21を有しており、この拡散抵抗層21はその開口端21aにて機関の排気管27の取付け穴部内に嵌め込まれて固定されている。拡散抵抗層21はZrO2 等のプラズマ溶射法等により形成されている。またセンサ本体20は固体電解質層22を有しており、この固体電解質層22は酸素イオン伝導性酸化物焼結体により断面カップ状の排気ガス側電極層23を介し抵抗拡散層21の内周壁に一様に嵌め込まれて固定されている。この固体電解質層22の内表面には、大気側電極層24が断面カップ状に一様に固着されている。かかる場合、排気ガス側電極層23および大気側電極層24は、共に白金(Pt)等の触媒活性の高い貴金属を化学メッキ等により十分浸透性(porous)を有するように形成されている。また、排気ガス側電極層23の面積および厚さは10〜100mm2 および0.5〜2.0μm程度となっている。一方大気側電極層24の面積および厚さは10mm2 以上および0.5〜2.0μm程度となっている。また、センサ本体20は保護カバー28により囲まれている。保護カバー28はセンサ本体20の排気ガスとの直接接触を防止しつつ、センサ本体20の保温を確保するために設けられている。保護カバー28にはカバーの内部と外部とを連通するため多数の小穴が設けられている。
【0017】
機関の冷間始動時にはセンサ本体20を早期加熱するためヒータ26に大電力を供給する必要があるので、従来技術によれば、バッテリ5からヒータ26にデューティ比100%で電力供給をしている。しかるに、排気管27内上流に設けられた触媒で凝縮した水分が排気管27の底部に溜まっており、機関の冷間始動時の排気系がまだ暖まっていないとき、排気ガスとともにこの凝縮水が飛散し保護カバー28の小穴を通過してセンサ本体20に接触し、センサ本体20を急冷することになり、この結果センサ本体20の素子割れが生ずるのである。
【0018】
図3は図1に示す酸素濃度検出装置が搭載された内燃機関の構成図である。図3において、内燃機関(以下、単に機関と記す)30の吸気通路31内にはエアクリーナ32の下流側にスロットル弁33が設けられており、このスロットル弁33の軸の一端にはこのスロットル弁33を駆動するアクチュエータであるスロットルモータ34が設けられており、他端にはスロットル弁3の開度を検出するスロットル開度センサ35が設けられている。すなわち、この実施例のスロットル弁33はスロットルモータ34によって開閉駆動される電子制御スロットル(以下、単に電子スロットルと記す)である。電子スロットルでは、スロットル弁33の開度指令値が入力された時に、スロットルモータ34がこの指令値に応答してスロットル弁33を指令開度に追従させる。
【0019】
吸気通路31内のスロットル弁33とエアクリーナ32との間には吸気温センサ36があり、スロットル弁33の下流側にはサージタンク37がある。さらに、サージタンク37の下流側には、各気筒毎に燃料供給系から加圧燃料を吸気ポートへ供給するための燃料噴射弁38が設けられている。スロットル開度センサ35の出力と吸気温センサ36の出力は、マイクロコンピュータを内蔵したECU(エンジン・コントロール・ユニット)100に入力される。
【0020】
排気管41内には、排気ガス中の3つの有害成分HC,CO,NOxを同時に浄化する三元触媒コンバータ42、43が設けられており、三元触媒コンバータ42は電気的加熱により早期に活性可能な電気加熱式触媒(EHC)であり、三元触媒コンバータ43は排気温により活性化される主触媒である。EHC42の上流側の排気管41内には、空燃比センサ1が設けられている。空燃比センサ1は排気ガス中の酸素成分濃度に応じて電気信号を発生する。主触媒43の下流側近傍の排気管41内には排気温センサ44が設けられている。空燃比センサ1および排気温センサの出力はECU100に入力される。
【0021】
さらに、このECU100には、アクセルペダル(図示せず)に取り付けられてアクセル踏込量を検出するアクセル開度センサ45からのアクセルペダルの踏込量信号(アクセル開度信号)、バッテリ5の+端子に接続されたイグニッションスイッチ46からのキー位置信号(オフ位置、オン位置、スタータ位置)および機関回転数NEを検出するため機関30のリングギヤ(図示せず)の回転数を検出する回転数センサ47から出力されるパルス信号がそれぞれ入力される。
【0022】
なお、本発明の各手段すなわち判断手段、通電制限手段および流速抑制手段は、ECU100の構成により機能される。
これより、本発明の酸素濃度検出装置の電気制御について以下に説明する。本発明は、図2を用いて説明したような機関の冷間始動時の空燃比センサの素子割れが生じないようにするため、排気管の壁面に水分が付着していることを検出し、ヒータ4への通電を抑制または禁止するようヒータ4の通電制御を行う。
【0023】
図4はヒータ制御ルーチンのフローチャートである。本ルーチンおよび図5、図6、図8、図9および図10に示すフローチャートの処理は所定の処理周期、例えば64ms毎に実行される。先ず、ステップ401では、イグニッションスイッチ(IGSW)46がオンかオフかを判別し、IGSW46がオンのときはステップ402に進み、IGSW46がオンのときは本ルーチンを終了する。
【0024】
ステップ402〜414の処理を簡単に説明する。空燃比センサ1の早期活性化のためバッテリ5からヒータ4への電力供給を開始し、ヒータ温度が所定温度に達するまでは始動時のデューティ制御にしたがって設定された電力をヒータ4に供給し(始動時DUTY制御)、ヒータ温度が所定温度に達するとヒータ温度に応じた電力をヒータ4に供給し(ヒータ上限抵抗F/B制御)、空燃比センサ1の温度が所定温度温度に達すると空燃比センサ1の素子温度に応じてセンサ素子2を活性状態に維持するための電力をヒータ4に供給する(素子温F/B制御)。次に、ステップ402〜414の処理を個々に説明する。
【0025】
ステップ402では、空燃比センサ1の素子直流インピーダンスZdcを算出する。このインピーダンスZdcは、センサ素子2に負の電圧Vneg を印加し、その時の電流Ineg を検出し、Zdc=Vneg /Ineg を算出して求める。一般に素子温が上昇するにつれて素子直流インピーダンスは減衰するという相関関係があり、例えばセンサ素子2が活性化温度700°Cのとき素子直流インピーダンスは30Ωである。
【0026】
ステップ403では、空燃比センサ1の活性フラグF1がセットされたか否かを判別し、F1=1のときはステップ404に進み、ステップ404で後述する素子温F/B制御を実行し、F1=0のときはステップ405に進む。
ステップ405では、排気管の温度を算出する。この排気管温算出ルーチンについては図5を用いて後で詳細に説明する。ステップ406では、排気管温TEPが閾値Tth以上か否かを判別し、TEP≧Tthのときは排気管内壁面に付着している水滴は蒸発していると判定してステップ407に進み、ステップ407〜414により空燃比センサ1の早期加熱を行い、TEP<Tthのときは排気管内壁面に水分が付着しているかまたは付着している可能性が高いと判断し、すなわちセンサ素子が被水により破損される可能性があると判定し本ルーチンを終了して空燃比センサ1の早期加熱を行わない。
【0027】
ステップ407では、センサ素子2の活性判定を素子直流インピーダンスに基づいて行う。すなわち、Zdc>30のときセンサ素子2が活性化されたと判断しステップ308で空燃比センサ1の活性フラグF1を1にセットし、次いでステップ404で素子温F/B制御を実行し、Zdc≦30のときセンサ素子2は非活性状態であると判断しステップ409に進み、センサ素子2を活性化させるためのヒータ制御を行う。フラグF1はイグニッションスイッチIGSW46がオフからオンに切換えられるときワンショットパルス信号でリセットされる。
【0028】
ステップ409では、ヒータ4への印加電圧Vn および電流In を検出する。ステップ410では、ヒータ4の抵抗Rh をRh =Vn /In から算出する。
ステップ411では、ヒータ温度がヒータ4の耐熱限界温度1200°Cより所定温度だけ低いヒータ上限温度1020°Cに到達していないか否かを判定し、その判定結果がYESのときはステップ412に進み、ヒータ4にできるだけ大電力を供給する始動時DUTY制御を実行し、その判定結果がNOのときはステップ413に進み、ヒータ4をヒータ上限温度1020°Cに維持する制御を行う。ステップ412については図6を用いて、413については図8を用いて、後で詳細に説明する。ここで、ヒータ上限温度をヒータ4の耐熱限界温度に設定しないのはヒータ4の抵抗温度特性にばらつきがあるからである。ばらつきの中央値を用いるとヒータ上限温度1020°Cに相当するヒータ抵抗Rh は2.1Ωであり、ヒータ抵抗Rh が2.1Ωになるようにヒータ制御したとき、ヒータ温度のばらつきは870〜1200°Cの範囲内に収まり、ヒータ4の耐熱限界温度を越えない。
【0029】
ステップ414では、ステップ412、413で設定されたDUTY比に応じてヒータにバッテリ5の電圧を印加する。ここで、DUTY制御とは、ヒータ4にバッテリ5の電圧をオンオフする周期を、例えば100msとしたとき、DUTY比が20%のときはオン時間20msオフ時間80ms、DUTY比が50%のときはオン時間50msオフ時間50ms、DUTY比が100%のときはオン時間100msの各周期でヒータ4にバッテリ5の電圧を印加する制御を言う。次に、図4のステップ405、すなわち排気管温算出ルーチンについて、図5を用いて以下に説明する。
【0030】
図5は排気管温算出ルーチンのフローチャートである。ステップ501では、 吸気温センサ36により検出された外気温度TOAを読取る。ステップ502では、排気温センサ44により検出された主触媒43直下の排気温度TEA2 を読取る。ステップ503では、外気温度TOAと排気温度TEA2 とから空燃比センサ1の近辺の排気温度TEA1 を次のように推測する。
【0031】
外気温度TOAと排気管の熱伝達率k1とから、空燃比センサ1近辺から排気温センサ44近辺に至るまでの排気温の低下TD を推測する。空燃比センサ1近辺の排気温度TEA1 は、排気温度TEA2 に排気温の低下TD を加算したものであるから次式が成立する。
TEA1 =TEA2 +TD … (1)
ステップ504では、ステップ503で計算した空燃比センサ1近辺の排気温度TEA1 および空気に対する排気管への熱伝達率k2とから空燃比センサ1の周囲の排気管温度TEPを算出する。
【0032】
また、排気管温度TEPは、次のように算出してもよい。先ず、空燃比センサ1近辺の排気温度TEA1 を、回転数センサ47から検出される機関の回転数NEとエアフローメータ(図示せず)から検出される吸入空気量GAとの2次元マップから算出する。この2次元マップは、実験値から作成され、NEが大程、GAが大程、TEA1 は高くなる。このように算出した排気温度TEA1 と吸気温センサ36により検出された外気温度TOAとから排気管温度TEPを次式から算出する。
【0033】
TEP=α(TEA1 −TOA)
ここで、αは定数。次に、図4のステップ412、すなわち始動時DUTY制御について、図6を用いて以下に説明する。
図6は一実施例に係る機関始動時のヒータ制御を示すフローチャートであり、図7はセンサ素子インピーダンスから素子温を算出するマップである。先ず、ステップ601では、機関の冷却水温THWを読込む。ステップ602では、空燃比センサの素子インピーダンスを検出する。この素子インピーダンスの検出は図4のステップ402同様、素子直流インピーダンスを検出してもよいが、ここでは次のように素子交流インピーダンスを検出する。
【0034】
通常、センサ素子2には、例えば0.3(V)が印加されており、所定の周期毎に限界電流を検出し排気空燃比が算出される。交流インピーダンスZacは、所定の周期毎、例えば64ms毎にセンサ素子2に0.3±0.2(V)のパルス電圧を印加し、その時のセンサ素子2の電圧Vacと電流Iacを検出し、Zac=Vac/Iacを算出して求める。一般に素子交流インピーダンスは素子直流インピーダンスと同様に素子温が上昇するにつれて減衰するという相関関係がある。素子交流インピーダンスを検出する場合は、素子直流インピーダンスを検出する場合のようにセンサ素子2に負極性の電圧を印加する必要がないので、制御回路を簡素化できるという利点がある。
【0035】
ステップ603では、今回処理周期の空燃比センサの素子温度Ti を図7に示すマップに基づきステップ602で検出したセンサ素子インピーダンスZacから素子温を算出する。
ステップ604では、ステップ601で読込んだ冷却水温THWが0°C未満か否かを判別し、THW<0°Cのときは機関冷間時と判定し、すなわち排気管内壁面に水分が付着しているかまたは付着している可能性が高いと判断しステップ605に進み、THW≧0°Cのときは機関は暖機し排気管内壁面に付着した水の蒸発によるセンサ素子2の被水は生じないと判定してステップ606に進む。
【0036】
ステップ605では、前回処理周期に算出した素子温度Ti−1 から今回処理周期に算出した素子温度Ti を減算する(ΔT=Ti−1 −Ti )。このΔTは空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いを示す。ステップ607では、ステップ606で算出した減算値ΔTが5°Cより大か否かを判別し、ΔT>5°Cのときはセンサ素子2が被水したまたはその可能性大と判定してステップ608に進み、ΔT≦5°Cのときはセンサ素子2は被水していないまたはその可能性小と判定してステップ606に進む。ステップ608では、上記減算値ΔT、すなわち空燃比センサの素子温度の単位時間当たりの低下度合いが、基準値5°Cより大のとき前回処理周期と同じ電力をヒータ4に供給すると、センサ素子2の被水に起因するサーマルショックによりセンサ素子の素子割れが生じるので、これを阻止するためDUTY=0を設定する。一方、ステップ606では、センサ素子2の被水はないと判定されたので、センサ素子2の早期活性化のためヒータ4に全電力を供給するようにDUTY=100を設定する。
【0037】
また、図6のステップ602、603で説明したように、空燃比センサの素子温度は空燃比センサの素子インピーダンスから算出するが、積層型空燃比センサについてはヒータとセンサ素子が近接しているので、ヒータの抵抗を検出してヒータ抵抗値からヒータの温度を算出して空燃比センサの素子温度を推定してもよい。
【0038】
なお、ステップ608でDUTY=0に設定したが、ステップ608ではセンサ素子2の早期活性化のためセンサ素子割れを引き起こさない程度の電力供給として、例えばDUTY=20に設定してもよい。
次に、ステップ609〜614について説明する。ステップ609〜614は、センサ素子2が被水したと判定されてから通常の始動時DUTY制御に復帰するまでの時間の設定を行う。ステップ609では、センサ素子2が被水判定されたことを示すフラグF3がセットされているか否かを判別し、F3=1のときはステップ610に進み、F3=0のときはステップ611に進む。ステップ611ではフラグF3をセットする。
【0039】
ステップ610では、F3=1にセットされてからの時間を計測するためのカウンタCをカウントアップする(C=C+1)。ステップ612では、F3=1にセットされて6400ms、すなわち6.4秒経過したか否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ613に進み、その判別結果がNOのときは本ルーチンを終了する。ステップ613では、F3をリセットし(F3=0)、ステップ614では、カウンタCをリセットする(C=0)。
【0040】
上記ステップ609〜614の処理により、センサ素子2が被水したと判定されてから6.4秒後に通常の始動時DUTY制御に復帰でき、センサ素子の被水が判定される毎に6.4秒間ヒータ4への通電は禁止される。次に、図4のステップ413、すなわちヒータ上限抵抗F/B制御について、図8を用いて詳細に説明する。
【0041】
図8はヒータ上限抵抗に基づくヒータ制御を示す。先ず、ステップ801では、ヒータ電力制御実行中を示すヒータ電力制御フラグF2がセットされているか否かを判別し、F2=1のときはステップ802に進み、F1=0のときはステップ803に進み、ステップ803ではヒータ電力制御の初期デューティ比として20%を設定する。この20%はヒータ電圧制御から電力制御に移行した時に急激なヒータ温度変化が抑制されるように選択された値である。次いでステップ804ではF2をセットする。フラグF2はイグニッションスイッチIGSWがオフからオンに切換えられるときワンショットパルス信号でリセットされる。
【0042】
ステップ802では、機関運転条件の急変に伴う排気温の上昇等によりヒータ4が異常加熱されないように保護するための制御を行うため、ヒータ抵抗Rh が2.5Ωより大か否かを判別し、Rh >2.5Ωのときはステップ805に進み、Rh ≦2.5Ωのときはステップ806に進む。ステップ806ではDUTY=DUTY−10を計算し、計算値を新たなDUTY比に設定する。DUTYが負の値になったときはDUTY=0に設定する。
【0043】
ステップ805では、ヒータ電力Wh を次式から算出する。
Wh =Vn ×In ×DUTY/100
ここで、Vn 、In は図4のステップ807で検出した電圧値、電流値を示しDUTYは前回処理周期にステップ803、806、808または809で設定されたDUTY比を示す。
【0044】
ステップ807では、今回処理周期のヒータ電力Wh とヒータ4の耐熱限界温度1200°Cに対応するヒータ供給電力21Wとを比較し、Wh ≦21のときはヒータ4への供給電力が目標電力より低いと判定してステップ808に進みステップ808でデューティ比を3%加算(DUTY=DUTY+3を算出)してヒータ4への供給電力を増大し、Wh >21のときはヒータ4への供給電力が目標電力より高いと判定してステップ809に進みステップ809でデューティ比を3%減算(DUTY=DUTY−3を算出)してヒータ4への供給電力を減少する。
【0045】
以上により設定されたDUTYに基づきヒータ制御することで、ヒータ4への実供給電力を目標電力21(W)に制御できる。
次に、図4のステップ404の素子温F/B制御について説明する。ステップ402で検出した素子直流インピーダンスZdcをもとに、素子直流インピーダンスZdcが素子温700°Cに相当する30(Ω)になるようにヒータ4へ印加する電圧のデューティ比を下記の方程式に基づき演算する。
【0046】
DUTY=GP+GI+c
GP =a(Zdc−30) … 比例項
GI =GI+b(Zdc−30) … 積分項
ここで、a、b、cは、例えばa=4.2、b=0.2、c=20の定数である。以上演算されたデューティ比でヒータ4を制御することで、素子直流インピーダンスZdcを30(Ω)付近に制御でき、センサ素子を常に良好な活性状態に維持でき、異常加熱によるセンサ素子の破損を防止できる。
【0047】
次に、イグニッションキーにより機関を始動する前であって、ドライバが運転席側のドアを開き着席しドアを閉じた直後に、空燃比センサ1の活性化を開始する空燃比センサのプレヒート制御を、電子スロットル無しの機関に適用した例を図9を用いて、電子スロットル付きの機関に適用した例を図10を用いて以下に説明する。
【0048】
図9は空燃比センサのプレヒート制御ルーチンのフローチャートである。先ず、ステップ901では、カーテシスイッチ(図示せず)、すなわち運転席側のドアスイッチがONとなりドライバが運転席に着席したか否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ902に進み、その判別結果がNOのときは本ルーチンを終了する。ステップ902では、バッテリ5の電圧VB が10V以上か否かを判別し、VB ≧10Vのときはステップ903に進み、VB <10Vのときは本ルーチンを終了する。
【0049】
ステップ903では、図5に示す排気温算出ルーチンの実行により算出された排気温TEPが露点60°Cを越えたか否かを判別し、TEP≦60°Cのときは排気管内壁面に付着した水の蒸発によりセンサ素子が被水して破損される可能性があると判定しステップ904に進み、ステップ904で空燃比センサの素子温を約350°Cに制御する第1素子温F/B制御を実行し、TEP>60°Cときは排気管内壁面に付着した水は蒸発しておりセンサ素子が被水して破損される可能性がないと判定してステップ905に進み、ステップ905で空燃比センサの素子温を約700°Cに制御する第2素子温F/B制御を実行する。ここで、空燃比センサ1は、第1素子温F/B制御を行っている間、λ型O2 センサとして空燃比制御に使用され、第2素子温F/B制御を行っている間、限界電流式酸素濃度検出素子として広域の空燃比制御に使用される。第1および第2素子温F/B制御では、素子直流インピーダンスZdcを算出するとともに、図4のステップ404と同様の制御を実行する。
【0050】
図10は電子スロットル付き機関における空燃比センサのプレヒート制御ルーチンのフローチャートである。先ず、ステップ1001では、カーテシスイッチ(図示せず)、すなわち運転席側のドアスイッチがONとなりドライバが運転席に着席したか否かを判別し、その判別結果がYESのときはステップ1002に進み、その判別結果がNOのときは本ルーチンを終了する。ステップ1002では、バッテリ5の電圧VB が10V以上か否かを判別し、VB ≧10Vのときはステップ1003に進み、VB <10Vのときは本ルーチンを終了する。
【0051】
ステップ1003では、図5に示す排気温算出ルーチンの実行により算出された排気温TEPが露点60°Cを越えたか否かを判別し、TEP≦60°Cのときは排気管内壁面に付着した水の蒸発によりセンサ素子が被水して破損される可能性があると判定しステップ1004〜1006に進み、ステップ1004で空燃比センサの素子温を約380°Cに制御する第1素子温F/B制御を実行し、TEP>60°Cときは排気管内壁面に付着した水は蒸発しておりセンサ素子が被水して破損される可能性がないと判定してステップ1007に進み、ステップ1007で空燃比センサの素子温を約700°Cに制御する第2素子温F/B制御を実行する。
【0052】
ステップ1005では、スロットル弁の開度のガード値θmax を図11に示すマップに基づき排気管温度TEPに応じて設定する。次いで、ステップ1006では、ETC(Electronic Controlled Transmission)、すなわちオートマチックトランスミッションによる1速(Low)から2速(2nd)へ、2速から3速(3rd)へ、3速から4速(4th)への自動変速時の車速(以下、変速車速と記す)を図12に示すマップに基づき排気管温度TEPに応じて補正する。
【0053】
ここで、オートマチックトランスミッションによる変速比の制御プログラム例を簡単に説明する。スロットル弁開度を0°から50°まで開いて加速し、車速50km/hになった所で10°まで戻し、定常走行に移るとする。加速時、Lowから2ndにスロットル弁開度を10°戻した所で2ndから3rdに変速することになる。この間の機関の回転数は加速時時間経過とともに上昇するが、変速時に下降する。Lowから2ndに変速する時の車速を下げると50km/hに達するまでの時間は長くなり加速性は悪くなるが、0〜50km/hの加速期間の燃費はよくなる。
図11は排気管温度とスロットル開度ガード値との2次元マップを示す図である。図11において、横軸は排気管温度TEP(°C)を示し、縦軸はスロットル弁開度のガード値θmax (°)を示す。排気管の温度が60°Cに至るまではセンサ素子が被水により破損される可能性があると判定し排気の流速を遅くするためスロットル弁開度のガード値θmax を30°〜90°の通常より低い値に設定し、機関の吸入空気量を減少させ、機関の回転数を通常より低くし、排気流速を遅くする。排気流速を遅くすることにより、排気管内壁に付着した水滴の飛散を抑制し、センサ素子の被水を防止する。一方、排気管の温度が60°C以上になったときは排気管内壁に付着している水滴は蒸発していると判定して、スロットル弁の開度のガード値θmax を通常値90°に設定して排気の流速を遅くする制御を中止する。
【0054】
図12は排気管温度と変速車速補正係数との2次元マップを示す図である。図11において、横軸は排気管温度TEP(°C)を示し、縦軸は変速車速補正係数kを示す。排気管の温度が60°Cに至るまではセンサ素子が被水により破損される可能性があると判定し、変速車速補正係数kを0.8〜1.0の値にし、機関の回転数を通常より低くし、排気流速を遅くする。排気流速を遅くすることにより、排気管内壁に付着した水滴の飛散を抑制し、センサ素子の被水を防止する。一方、排気管の温度が60°C以上になったときは排気管内壁に付着している水滴は蒸発していると判定して、変速車速補正係数kを1.0の値にし、機関の回転数を通常通りにし、排気の流速を遅くする制御を中止する。ここで、変速車速補正係数kは、オートマチックトランスミッションにより1速(Low)から2速(2nd)へ、2速から3速(3rd)へ、3速から4速(4th)へ車速を自動変速する時の車速を補正する係数であり、例えば2ndから3rdへ切換えるときの車速はk=1.0で30km/hであり、k=0.8で24km/hである。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の酸素濃度検出装置によれば、機関の冷間始動時または始動前の空燃比センサのプレヒート時における空燃比センサのヒータへの電力供給に際し、空燃比センサの素子の被水可能性を排気管壁面に水分が付着したか否かにより判断し、排気管壁面に水分が付着したと判断されたときヒータへの通電を制限するので、空燃比センサの素子の被水に起因したサーマルショックによる空燃比センサの素子割れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による酸素濃度検出装置の一実施形態の概略構成図である。
【図2】コップ型酸素センサの断面図である。
【図3】図1に示す酸素濃度検出装置が搭載された内燃機関の構成図である。
【図4】ヒータ制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】排気管温算出ルーチンのフローチャートである。
【図6】一実施例に係る機関始動時のヒータ制御を示すフローチャートである。
【図7】センサ素子インピーダンスから素子温を算出するマップである。
【図8】ヒータ上限抵抗に基づくヒータ制御を示すフローチャートである。
【図9】空燃比センサのプレヒート制御ルーチンのフローチャートである。
【図10】電子スロットル付き機関における空燃比センサのプレヒート制御ルーチンのフローチャートである。
【図11】排気管温度とスロットル開度ガード値との2次元マップを示す図である。
【図12】排気管温度と変速車速補正係数との2次元マップを示す図である。
【符号の説明】
1…空燃比(A/F)センサ
2…センサ素子
3…空燃比(A/F)センサ回路
4…ヒータ
5…バッテリ
6…ヒータ制御回路
7…LPF
10…空燃比制御ユニット(A/FCU)
27、41…排気管
30…機関
33…スロットル弁
34…スロットルモータ
35…スロットル開度センサ
36…吸気温センサ
38…燃料噴射弁
42、43…三元触媒コンバータ
44…排気温センサ
100…電子制御ユニット(ECU)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an oxygen concentration detection device, and more particularly to an oxygen concentration detection device that prevents element cracking of an air-fuel ratio sensor due to scattering of water adhering to an exhaust pipe wall surface.
[0002]
[Prior art]
In recent air-fuel ratio control of an engine, an air-fuel ratio sensor and a catalyst are arranged in the exhaust system of the engine, and in order to purify harmful components (HC, CO, NOx, etc.) in the exhaust gas to the maximum with the catalyst, Feedback control is performed so that the exhaust air-fuel ratio of the engine detected by the fuel ratio sensor becomes a target air-fuel ratio, for example, the stoichiometric air-fuel ratio. As this air-fuel ratio sensor, a λ-type oxygen sensor (O) having a Z characteristic for determining whether the exhaust air-fuel ratio of the engine is rich or lean from the oxygen concentration contained in the exhaust gas discharged from the engine2And a limiting current type oxygen concentration detecting element that outputs a limiting current in proportion to the oxygen concentration contained in the exhaust gas exhausted from the engine. The limiting current type oxygen concentration detection element detects the exhaust air / fuel ratio of the engine in a wide area and linearly from the oxygen concentration, and improves the air / fuel ratio control accuracy, or the rich / theoretical air / fuel ratio (stoichi) / lean wide area sky. This is useful for controlling the exhaust air-fuel ratio of the engine to the target air-fuel ratio between the fuel ratios.
[0003]
These air-fuel ratio sensors, that is, O2It is essential that the sensor and the limiting current type oxygen concentration detection element be kept in an active state in order to maintain the detection accuracy of the air-fuel ratio.2The heaters attached to the sensor or the limiting current type oxygen concentration detecting element are energized from the time of engine startup to heat them, and the heaters are energized to be activated early and maintain their active state.
[0004]
The heater control device for an air-fuel ratio sensor disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 8-278279 has a total power, that is, 100% until the heater temperature reaches a predetermined temperature for early activation of elements of the air-fuel ratio sensor at the initial stage of energization of the heater. Electric power is supplied to the heater at a duty ratio. When the heater temperature reaches a predetermined temperature, electric power corresponding to the heater temperature is supplied to the heater. When the element temperature of the air-fuel ratio sensor reaches the predetermined temperature, the electric power corresponding to the element temperature of the air-fuel ratio sensor is supplied. Supply power to the heater.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the heater control device of the air-fuel ratio sensor disclosed in the above-mentioned JP-A-8-278279, when the engine is cold started, moisture condensed by the catalyst provided upstream in the exhaust pipe is attached to the exhaust pipe wall surface, When the air-fuel ratio sensor is electrically heated to quickly activate the air-fuel ratio sensor at the time of cold start of the engine and the element temperature of the air-fuel ratio sensor is raised, moisture adhering to the exhaust pipe wall surface is scattered and disposed downstream of the catalyst in the exhaust pipe. The air-fuel ratio sensor element in the protective cover gets wet by passing through a small hole in the protective cover attached to the exhaust pipe so as to surround the air-fuel ratio sensor, and the air-fuel ratio sensor element is rapidly cooled. There is a problem that the temperature difference from the element temperature of the air-fuel ratio sensor increases abruptly, and the element of the air-fuel ratio sensor is cracked due to so-called thermal shock.
[0006]
Therefore, the present invention solves the above-described problem and prevents element cracking of the air-fuel ratio sensor due to thermal shock caused by water exposure of the air-fuel ratio sensor element at the time of cold start of the engine or preheating of the air-fuel ratio before start-up. An object of the present invention is to provide an oxygen concentration detection device.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
An oxygen concentration detection apparatus according to the present invention that solves the above-described problem is an air-fuel ratio sensor provided in an exhaust pipe of an internal combustion engine, a heater that heats the air-fuel ratio sensor, and an air-fuel ratio sensor that is at an activation temperature. A heater energization means for energizing the heater;Detecting means for detecting the temperature of the outside air flowing into the intake pipe of the internal combustion engine; first calculating means for calculating a first exhaust temperature downstream of the catalyst provided downstream of the air-fuel ratio sensor in the exhaust pipe of the internal combustion engine; Based on the outside air temperature and the first exhaust temperature, a second calculating means for calculating a second exhaust temperature around the air-fuel ratio sensor, and the air-fuel ratio from the second exhaust temperature and the heat transfer coefficient of the exhaust pipe. Based on the exhaust pipe temperature calculating means for calculating the temperature of the exhaust pipe around the sensor, and the temperature of the exhaust pipe calculated by the exhaust pipe temperature calculating means,A determination means for determining whether moisture has adhered to the wall surface of the exhaust pipe; and when the determination means has determined that moisture has adhered to the wall surface of the exhaust pipe, And an energization restricting means for restricting energization.
[0008]
With the above configuration, when it is determined that moisture has adhered to the wall surface of the exhaust pipe, energization to the heater is restricted, so that the element of the air-fuel ratio sensor is prevented from being wetted and element cracking due to thermal shock is prevented. Here, when moisture adheres to the wall surface of the exhaust pipe, this includes that the possibility that moisture adheres is high.
In addition, with the above configuration, moisture adheres to the wall surface of the exhaust pipe because water vapor in the exhaust pipe is condensed, and this is determined from the exhaust pipe temperature, so it is determined that moisture has adhered to the wall surface of the exhaust pipe. Improves accuracy.
The oxygen concentration detection device includes a flow rate suppression unit that suppresses the flow rate of the exhaust gas of the internal combustion engine when the determination unit determines that moisture is attached to the wall surface of the exhaust pipe.
[0009]
With the above configuration, the flow rate of the exhaust gas is suppressed, so that the scattering of water adhering to the wall surface of the exhaust pipe is suppressed, the water exposure to the elements of the air-fuel ratio sensor is reduced, and the probability of element cracking due to thermal shock is reduced.To do.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of an embodiment of an oxygen concentration detection apparatus according to the present invention. In FIG. 1 and subsequent figures, the same components are denoted by the same reference numerals. An air / fuel ratio (A / F)
[0012]
The A /
[0013]
The air-
[0014]
However, focusing on the fact that the resistance of the
[0015]
The air-fuel ratio control unit (A / FCU) 10 includes, for example, a CPU, ROM, RAM, B (battery backup). A RAM, an input port, an output port, an A / D converter, and a D / A converter are provided to perform heater control of an air-
[0016]
Here, a cup-type air-fuel ratio sensor in which element cracking of the air-fuel ratio sensor occurs during cold start will be described below.
FIG. 2 is a sectional view of the cup-type air-fuel ratio sensor. The sensor
[0017]
Since it is necessary to supply a large amount of power to the
[0018]
FIG. 3 is a block diagram of an internal combustion engine equipped with the oxygen concentration detection apparatus shown in FIG. In FIG. 3, a throttle valve 33 is provided in an
[0019]
An intake
[0020]
The
[0021]
Further, the
[0022]
Each means of the present invention, that is, the determination means, the energization limiting means, and the flow rate suppression means function by the configuration of the
The electrical control of the oxygen concentration detection device of the present invention will be described below. The present invention detects that moisture has adhered to the wall surface of the exhaust pipe in order to prevent element cracking of the air-fuel ratio sensor at the time of cold start of the engine as described with reference to FIG. The energization control of the heater 4 is performed so as to suppress or prohibit the energization to the heater 4.
[0023]
FIG. 4 is a flowchart of the heater control routine. The processing of this routine and the flowcharts shown in FIGS. 5, 6, 8, 9, and 10 are executed every predetermined processing cycle, for example, 64 ms. First, at
[0024]
The processing of
[0025]
In
[0026]
In
In
[0027]
In
[0028]
In
In step 411, it is determined whether or not the heater temperature has reached a heater upper limit temperature 1020 ° C lower than the heat-resistant limit temperature 1200 ° C of the heater 4 by a predetermined temperature. If the determination result is YES, the process proceeds to step 412. Then, the start-time DUTY control for supplying as much power as possible to the heater 4 is executed. When the determination result is NO, the process proceeds to step 413, and the heater 4 is controlled to maintain the heater upper limit temperature at 1020 °
[0029]
In step 414, the voltage of the
[0030]
FIG. 5 is a flowchart of an exhaust pipe temperature calculation routine. In
[0031]
Outside temperature TOAAnd the heat transfer coefficient k1 of the exhaust pipe, a decrease in exhaust temperature T from the vicinity of the air-
TEA1= TEA2+ TD(1)
In
[0032]
Also, the exhaust pipe temperature TEPMay be calculated as follows. First, the exhaust temperature T in the vicinity of the air-
[0033]
TEP= Α (TEA1-TOA)
Where α is a constant. Next, step 412 of FIG. 4, that is, the start-time DUTY control will be described with reference to FIG.
FIG. 6 is a flowchart showing heater control at the time of engine start according to one embodiment, and FIG. 7 is a map for calculating element temperature from sensor element impedance. First, in
[0034]
Usually, 0.3 (V), for example, is applied to the
[0035]
In
In
[0036]
In
[0037]
Further, as described in
[0038]
Note that although DUTY = 0 is set in
Next,
[0039]
In
[0040]
By the processing of the
[0041]
FIG. 8 shows heater control based on the heater upper limit resistance. First, in
[0042]
In
[0043]
In
Wh = Vn × In × DUTY / 100
Here, Vn and In indicate the voltage value and current value detected in
[0044]
In
[0045]
By controlling the heater based on the DUTY set as described above, the actual power supplied to the heater 4 can be controlled to the target power 21 (W).
Next, the element temperature F / B control in
[0046]
DUTY = GP + GI + c
GP = a (Zdc-30) ... proportional term
GI = GI + b (Zdc-30) ... integral term
Here, a, b, and c are constants of, for example, a = 4.2, b = 0.2, and c = 20. By controlling the heater 4 with the duty ratio calculated as described above, the element DC impedance Zdc can be controlled in the vicinity of 30 (Ω), the sensor element can always be maintained in a good active state, and damage to the sensor element due to abnormal heating can be prevented. it can.
[0047]
Next, before the engine is started by the ignition key, immediately after the driver opens and closes the door on the driver's seat and closes the door, the air-
[0048]
FIG. 9 is a flowchart of the preheat control routine of the air-fuel ratio sensor. First, in
[0049]
In
[0050]
FIG. 10 is a flowchart of an air-fuel ratio sensor preheat control routine in an engine with an electronic throttle. First, in
[0051]
In
[0052]
In
[0053]
Here, an example of a gear ratio control program by the automatic transmission will be briefly described. It is assumed that the throttle valve opening is accelerated from 0 ° to 50 °, accelerated, returned to 10 ° when the vehicle speed reaches 50 km / h, and then moved to steady running. During acceleration, the speed is changed from 2nd to 3rd when the throttle valve opening is returned by 10 ° from Low to 2nd. During this time, the engine speed increases as the acceleration time elapses, but decreases during a shift. If the vehicle speed when shifting from Low to 2nd is lowered, the time to reach 50 km / h becomes longer and the acceleration becomes worse, but the fuel consumption in the acceleration period of 0 to 50 km / h is improved.
FIG. 11 is a diagram showing a two-dimensional map of the exhaust pipe temperature and the throttle opening guard value. In FIG. 11, the horizontal axis represents the exhaust pipe temperature T.EP(° C), the vertical axis represents the guard value θ of the throttle valve openingmax(°). Until the temperature of the exhaust pipe reaches 60 ° C., it is determined that the sensor element may be damaged by moisture, and the guard value θ of the throttle valve opening is set to slow down the exhaust flow velocity.maxIs set to a value lower than normal of 30 ° to 90 °, the intake air amount of the engine is reduced, the engine speed is made lower than normal, and the exhaust flow rate is made slower. By slowing down the exhaust flow rate, scattering of water droplets adhering to the inner wall of the exhaust pipe is suppressed, and the sensor element is prevented from getting wet. On the other hand, when the temperature of the exhaust pipe reaches 60 ° C. or more, it is determined that the water droplets adhering to the inner wall of the exhaust pipe are evaporated, and the guard value θ of the throttle valve openingmaxIs set to a normal value of 90 °, and the control to slow down the exhaust gas flow rate is stopped.
[0054]
FIG. 12 is a diagram showing a two-dimensional map of the exhaust pipe temperature and the shift vehicle speed correction coefficient. In FIG. 11, the horizontal axis represents the exhaust pipe temperature T.EP(° C), and the vertical axis represents the shift vehicle speed correction coefficient k. Until the temperature of the exhaust pipe reaches 60 ° C, it is determined that the sensor element may be damaged by water, the transmission vehicle speed correction coefficient k is set to a value of 0.8 to 1.0, and the engine speed Is lower than usual, and the exhaust flow rate is decreased. By slowing down the exhaust flow rate, scattering of water droplets adhering to the inner wall of the exhaust pipe is suppressed, and the sensor element is prevented from getting wet. On the other hand, when the temperature of the exhaust pipe reaches 60 ° C. or more, it is determined that the water droplets adhering to the inner wall of the exhaust pipe have evaporated, the shift vehicle speed correction coefficient k is set to a value of 1.0, and the engine Set the engine speed to normal and stop the control to slow down the exhaust flow rate. Here, the shift vehicle speed correction coefficient k automatically shifts the vehicle speed from the first speed (Low) to the second speed (2nd), from the second speed to the third speed (3rd), from the third speed to the fourth speed (4th) by the automatic transmission. For example, the vehicle speed when switching from 2nd to 3rd is 30 km / h when k = 1.0, and 24 km / h when k = 0.8.
[0055]
【The invention's effect】
As described above, according to the oxygen concentration detection device of the present invention, when supplying power to the heater of the air-fuel ratio sensor during cold start of the engine or pre-heating of the air-fuel ratio sensor before starting, the element of the air-fuel ratio sensor Since the energization of the heater is limited when it is determined that moisture has adhered to the exhaust pipe wall surface, the energization to the heater is limited. It is possible to prevent element cracking of the air-fuel ratio sensor due to thermal shock caused by water.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of an embodiment of an oxygen concentration detection apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a cup-type oxygen sensor.
FIG. 3 is a configuration diagram of an internal combustion engine equipped with the oxygen concentration detection device shown in FIG. 1;
FIG. 4 is a flowchart of a heater control routine.
FIG. 5 is a flowchart of an exhaust pipe temperature calculation routine.
FIG. 6 is a flowchart showing heater control at the time of engine start according to an embodiment.
FIG. 7 is a map for calculating element temperature from sensor element impedance.
FIG. 8 is a flowchart showing heater control based on a heater upper limit resistance.
FIG. 9 is a flowchart of a preheat control routine of the air-fuel ratio sensor.
FIG. 10 is a flowchart of a preheat control routine for an air-fuel ratio sensor in an engine with an electronic throttle.
FIG. 11 is a diagram showing a two-dimensional map of exhaust pipe temperature and throttle opening guard value.
FIG. 12 is a diagram showing a two-dimensional map of exhaust pipe temperature and shift vehicle speed correction coefficient.
[Explanation of symbols]
1. Air-fuel ratio (A / F) sensor
2 ... Sensor element
3. Air-fuel ratio (A / F) sensor circuit
4 ... Heater
5 ... Battery
6 ... Heater control circuit
7 ... LPF
10. Air-fuel ratio control unit (A / FCU)
27, 41 ... exhaust pipe
30 ... Institution
33 ... Throttle valve
34 ... Throttle motor
35 ... Throttle opening sensor
36 ... Intake air temperature sensor
38 ... Fuel injection valve
42, 43 ... Three-way catalytic converter
44 ... Exhaust temperature sensor
100: Electronic control unit (ECU)
Claims (2)
前記内燃機関の吸気管内へ流入する外気温度の検出手段と、
前記内燃機関の排気管内の前記空燃比センサ下流に設けられた触媒の下流の第1排気温度を算出する第1算出手段と、
前記外気温度と前記第1排気温度とに基づいて、前記空燃比センサ周辺の第2排気温度を算出する第2算出手段と、
前記第2排気温度と前記排気管の熱伝達率とから前記空燃比センサ周辺の前記排気管の温度を算出する排気管温算出手段と、
前記排気管温算出手段により算出された前記排気管の温度に基づいて、前記排気管の壁面に水分が付着しているか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記排気管の壁面に水分が付着していると判断したとき、前記ヒータ通電手段による前記ヒータへの通電を制限する通電制限手段と、
を備えたことを特徴とする酸素濃度検出装置。An oxygen provided with an air-fuel ratio sensor provided in an exhaust pipe of an internal combustion engine, a heater for heating the air-fuel ratio sensor, and heater energizing means for energizing the heater so that the air-fuel ratio sensor becomes an activation temperature In the concentration detector,
Means for detecting the outside air temperature flowing into the intake pipe of the internal combustion engine;
First calculation means for calculating a first exhaust temperature downstream of the catalyst provided downstream of the air-fuel ratio sensor in the exhaust pipe of the internal combustion engine;
Second calculating means for calculating a second exhaust temperature around the air-fuel ratio sensor based on the outside air temperature and the first exhaust temperature;
Exhaust pipe temperature calculating means for calculating the temperature of the exhaust pipe around the air-fuel ratio sensor from the second exhaust temperature and the heat transfer coefficient of the exhaust pipe;
Determining means for determining whether moisture has adhered to the wall surface of the exhaust pipe based on the temperature of the exhaust pipe calculated by the exhaust pipe temperature calculating means ;
Energization limiting means for limiting energization to the heater by the heater energizing means when the determining means determines that moisture is attached to the wall surface of the exhaust pipe;
An oxygen concentration detection apparatus comprising:
請求項1に記載の酸素濃度検出装置。A flow rate suppressing means for suppressing the flow rate of the exhaust gas of the internal combustion engine when the determining means determines that moisture is attached to the wall surface of the exhaust pipe;
The oxygen concentration detection apparatus according to claim 1.
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