JP3617327B2 - 便器洗浄ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温水洗浄便座、水洗便器や自動水栓などの機能機器に対し接近行為や離反行為などの人間の挙動を予測する方法を用いて大用便かまたは小用便かを判断して、大用便もしくは小用便に必要とされる洗浄水の量を自動的に変えて洗浄する便器洗浄ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の便器洗浄ユニットとしては、次のようなものが知られている。先ず、第1の例は、便器に着座した使用者が用便終了後、便器から立上がったことを検出して洗浄水を噴出させ、洗浄水は大用便時、小用便時とも同一量で噴出させている。第2の例は、使用者が便器に着座している時間を計測し、着座時間が所定時間を超えた時は大用便と判断して洗浄水を多く噴出させる一方、所定時間に達していなければ小用便と判断して洗浄水を少なく噴出させることにより、洗浄水の節水を計るものである。第3の例は、用便位置を検出して大用便か小用便かを判断し、大用便時、小用便時それぞれに適量の洗浄水を自動的に噴出させる一方、必ず着座状態で行う女性の場合は、用便位置と着座時間との両方の条件から大用便か小用便かを判断し、それぞれの用便に適当な量の洗浄水を自動的に噴出させることにより、洗浄水の節水を計るものである(例えば、特開平1−52928号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の便器洗浄ユニットにおいては、次のような問題がある。第1の例では、大用便、小用便に拘わらず、大用便時に使用する大量の洗浄水を噴出させるため、洗浄水の節水は不可能である。第2の例では、便器に着座した状態での用便、即ち男性の大用便時と、女性の大用便及び小用便時においては、大用便と小用便の区別がつくため洗浄水の節水が可能であるが、男性の小用便、即ち男性が非着座で行う用便の場合には、手動操作で洗浄水を噴出させなければならない。第3の例では、便座に着座しない男性の小用便時においても、自動で洗浄水を噴出できるが、着座用便位置と立位用便位置の使用者までの距離は明確に区別できないため、洗浄水の量を区別できない。また、使用者がトイレ内において体調が悪くなり異常状態となつたときの報知ができない。
【0004】
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、容易に人体の挙動を予測することができる人体の挙動を予測し、立位と着座の違いを確実に区別して大用便又は小用便の洗浄水を噴出させ、更に使用者の異常を外部に報知できる人体の挙動予測方法を用いた便器洗浄ユニットを提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
【0007】
【0008】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、使用者を検出すると共に使用者の移動速度を計測し移動速度の変化値に基づいて使用者が便器手前に立つ立位用便位置もしくは便器に着座した着座用便位置に対応した信号を出力する人体検知手段と、この人体検知手段から出力された立位用便位置対応信号の出力時間を計測し、予め設定された小用便基準時間が経過した時に小用便時間経過信号を出力する小用便計測手段と、この小用便計測手段からの出力信号により男性の小用便と判断し、男性小用便対応信号を出力する男性小用便判断手段と、前記人体検知手段から出力された着座用便位置対応信号の出力時間を計測し、予め設定された大用便基準時間が経過した時に大用便時間経過信号を出力する大用便計測手段と、この大用便計測手段から前記大用便時間経過信号が出力された時は大用便と判断する一方、前記大用便計測手段から前記大用便時間経過信号が出力される前に使用者が便器から離れ、前記人体検知手段の出力信号が非検出状態に変化した時、または使用者の移動速度が増大した時は小用便と判断し、大用便対応信号又は小用便対応信号を出力する用便判断手段と、前記大用便対応信号又は小用便対応信号あるいは前記男性小用便対応信号に基づいて、大用便又は小用便の洗浄水を噴出させる洗浄水噴出信号を出力する噴出弁制御手段とを備えたものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1記載の便器洗浄ユニットにおいて、前記人体検知手段が最近接信号を出力した時に強制洗浄信号を出力する強制洗浄手段を備えたものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の便器洗浄ユニットにおいて、前記人体検知手段から出力された立位用便位置対応信号又は着座用便位置対応信号の出力時間を計測し、予め設定された異常基準時間が経過した時に異常時間経過信号を出力する異常計測手段と、この異常計測手段から前記異常時間経過信号が出力された時は、使用者が異常状態と判断して異常通報信号を出力する異常判断手段と、この異常判断手段の前記異常通報信号に基づいて異常を外部に知らせる報知手段を備えたものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3記載の便器洗浄ユニットにおいて、前記報知手段がブザーである。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3記載の便器洗浄ユニットにおいて、前記報知手段が合成音声発生装置である。
【0013】
請求項6の発明は、請求項3記載の便器洗浄ユニットにおいて、前記報知手段が発光装置である。
【0014】
請求項7の発明は、請求項3記載の便器洗浄ユニットにおいて、前記報知手段が電波発生装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、図1は人が測距センサに対し等速度で近づいて来る場合の時間と距離及び速度との関係を示す図、図2は人が測距センサから等速度で離れる場合の時間と距離及び速度との関係を示す図、図3は人が測距センサの前方を横切る場合の時間と距離及び速度との関係を示す図、図4は人が測距センサから等加速度で離れる場合の時間と距離及び速度との関係を示す図、図5は本発明に係る便器洗浄ユニットの概念ブロック図、図6は本発明に係る便器の便器洗浄ユニットのハード構成図、図7は本発明に係る便器洗浄ユニットを適用したロータンク式自動洗浄式便器の使用状態を示す図である。
【0016】
本発明の便器洗浄ユニットで用いる人体の挙動予測方法は、人体の移動速度の変化によって人体の挙動を予測するもので、例えば人が廊下や部屋などで測距センサに対し等速度で近づいて来る場合には、図1に示すように、時間tと距離dとの関係では、距離dが直線的に減少する。そして、時間tと速度vとの関係では、距離dを時間tで微分することにより速度vが求められ、速度vは負の値で一定値となる。従って、図1に示すような時間tと距離d及び速度vとの関係が得られれば、人が測距センサに対し等速度で近づいて来ることが予測できる。
【0017】
また、人が廊下や部屋などで測距センサから等速度で離れる場合には、図2に示すように、時間tと距離dとの関係では、距離dが直線的に増加する。そして、時間tと速度vとの関係では、距離dを時間tで微分することにより速度vが求められ、速度vは正の値で一定値となる。従って、図2に示すような時間tと距離d及び速度vとの関係が得られれば、人が測距センサに対し等速度で離れることが予測できる。
【0018】
また、人が窓や扉などの前で測距センサの前方を横切る場合には、図3に示すように、時間tと距離dとの関係では、急に測距センサが出力信号として距離dを出力するので、測距センサの出力信号としての距離dの波形は台形形状となる。そして、時間tと速度vとの関係では、距離dを時間tで微分することにより速度vが求められ、速度vは人が測距センサで検出された時と検出されなくなる時に立ち上がり、立ち下がりの急な正負2つのパルス状の値となる。従って、図3に示すような時間tと距離d及び速度vとの関係が得られれば、人が測距センサの前方を横切ることが予測できる。
【0019】
更に、人が測距センサから等加速度で離れると、図4に示すように、時間tと距離dとの関係では、距離dが略2次曲線的に増加する。そして、時間tと速度vとの関係では、距離dを時間tで微分することにより速度vが求められ、速度vは直線的に増加する値となる。従って、図4に示すような時間tと距離d及び速度vとの関係が得られれば、人が測距センサから等加速度で離れることが予測できる。
【0020】
以上、本発明の便器洗浄ユニットで用いる人体の挙動予測方法について特徴的な場合を示したが、人体の動きはこれらの組み合わせであるから、距離dを時間tで微分した速度vの波形を観察することにより、人体の動きの方向と速さを知ることができる。これによって、人体の挙動を検出することができる。
【0021】
このように人体の挙動を検出することができる本発明に係る便器洗浄ユニットで用いる人体の挙動予測方法は、エアコン、脱臭装置、暖房マット、暖房便座、換気扇、温風送風装置、照明機器、報知装置、昇降便座、跳ね上げ手摺り、給湯装置、自動ドア開閉等の人間が関与する機能機器の制御にも適用できる。
【0022】
図5に示すように、人体の挙動予測方法を用いた本発明に係る便器洗浄ユニット1は、測距センサとしての人体検知手段2、小用便計測手段3、男性小用便判断手段4、大用便計測手段5、用便判断手段6、噴出弁制御手段7、強制洗浄手段8、異常計測手段9、異常判断手段10、報知手段11、噴出弁駆動手段12を備えている。
【0023】
そして、便器洗浄ユニット1のハード構成は、図6(a)に示すように、赤外線の反射光により使用者までの距離を計測し、距離データを出力する光学式距離計20と、光学式距離計20が出力した距離データを速度データに変換したり、距離データを各種制御信号に変換処理する制御部21と、制御部21の出力信号で洗浄レバー22を駆動するアクチュエータ部23と、制御部21の出力信号で異常を外部に知らせる報知器24からなる。
【0024】
また、図6(b)に示すように、光学式距離計20と制御部21と報知器24で光学ユニット30を構成し、アクチュエータ部23と洗浄レバー22で駆動ユニット31を構成し、便器洗浄ユニット1を光学ユニット30と駆動ユニット31との別体にして構成してもよい。この場合、光学ユニット30と駆動ユニット31は有線で接続してもよいし、光や電波などの無線で接続してもよい。
【0025】
制御部21は、図示しないCPU(中央演算処理装置)と、メモリ(RAM、ROM)と、入出力インタフェースなどからなる。メモリには、所定の制御プログラムが格納されている。
【0026】
従って、光学式距離計20が出力する距離データは、入力インタフェースを介して制御部21に入力され、制御部21でメモリに格納されている制御プログラムに基づいて距離データを演算処理して速度データや各種信号などにした後に、各種信号(弁駆動信号や異常通報信号など)を出力インタフェースを介して報知器24又はアクチュエータ部23に出力する。
【0027】
人体検知手段2は、光学式距離計20と制御部21で構成され、使用者を検出すると共に使用者の移動速度を計測し、使用者が便器手前に立つ立位用便位置に対応した立位用便位置対応信号もしくは便器に着座した着座用便位置に対応した立位用便位置対応信号、更に使用者が光学式距離計20に最近接した場合には最近接信号を出力する。
【0028】
小用便計測手段3は、制御部21で構成され、人体検知手段2から出力された立位用便位置対応信号の出力時間を計測し、予め設定された小用便基準時間が経過した時に小用便時間経過信号を出力する。
【0029】
男性小用便判断手段4は、制御部21で構成され、小用便計測手段3から小用便時間経過信号が出力された時に、男性の小用便と判断して小用便対応信号を出力する。
【0030】
大用便計測手段5は、制御部21で構成され、人体検知手段2から出力された着座用便位置対応信号の出力時間を計測し、予め設定された大用便基準時間が経過した時に大用便時間経過信号を出力する。
【0031】
用便判断手段6は、制御部21で構成され、大用便計測手段5から大用便時間経過信号が出力された時は大用便と判断する一方、大用便計測手段5から大用便時間経過信号が出力される前に使用者が着座用便位置から離れ、人体検知手段2の出力信号が非検出状態に変化した時、または使用者の移動速度が増大した時は小用便と判断し、夫々の判断結果に基づいて、大用便対応信号又は小用便対応信号を出力する。
【0032】
噴出弁制御手段7は、制御部21で構成され、用便判断手段6から出力された大用便対応信号又は小用便対応信号あるいは男性小用便判断手段4から出力された小用便対応信号に基づいて、大用便もしくは小用便に必要とする量の洗浄水を噴出させる洗浄水噴出信号を出力する。
【0033】
強制洗浄手段8は、制御部21で構成され、人体検知手段2が最近接信号を出力した時に強制洗浄信号を出力する。
【0034】
異常計測手段9は、制御部21で構成され、人体検知手段2から出力された立位用便位置対応信号又は着座用便位置対応信号の出力時間を計測し、予め設定された異常基準時間が経過した時に異常時間経過信号を出力する。
【0035】
異常判断手段10は、制御部21で構成され、異常計測手段9から異常時間経過信号が出力された時は、使用者が異常状態であると判断して異常通報信号を出力する。
【0036】
報知手段11は、報知器24で構成され、異常判断手段10の異常通報信号に基づいて使用者が異常状態であることを音、光又は電波などで外部に知らせる。報知器24は、ブザー、合成音声を発する装置、ランプなどの光を発する発光装置、電波を発する装置のいずれかでよい。また、いずれかを併用することもできる。例えば、ブザーとランプ、ランプと電波を発する装置である。
【0037】
噴出弁駆動手段12は、制御部21で構成され、洗浄水噴出信号又は強制洗浄信号に基づいて洗浄レバー22を駆動するアクチュエータ部23に弁駆動信号を出力する。
【0038】
図7は、ロータンク式自動洗浄式便器15の設置状態及び、用便のためドアーを開けてトイレ17に入ろうとしている使用者の進入位置A1と、小用便をしようとしている又は服を脱いで着座しようとしている使用者の立位用便位置A2と、着座している使用者の着座用便位置A3を示している。
【0039】
便器洗浄ユニット1は、図7に示すように、ロータンク式自動洗浄式便器15のロータンク16に、光学式距離計20が使用者と対向するように取り付けられている。便器洗浄ユニット1を光学ユニット30と駆動ユニット31との別体にしている場合には、光学ユニット30をロータンク16に取り付け、駆動ユニット31は必ずしもロータンク16に取り付ける必要はなく、光学ユニット30との関係で都合のよい場所に設置すればよい。なお、本発明の実施の形態では、便器洗浄ユニット1を光学ユニット30と駆動ユニット31との別体にしている。
【0040】
図8は、図7において、使用者が進入位置A1→ 立位用便位置A2→着座用便位置A3と移動した時のロータンク16から使用者までの距離と時間の関係を表している。ここで、光学式距離計20は、便器15前方方向のロータンク16から使用者までの距離を計測し、ロータンク16から使用者までの距離に対応した距離信号を出力している。使用者が進入位置A1である状態を検出した時の距離をL1、立位用便位置A2である状態を検出した時の距離をL2、着座用便位置A3である状態を検出した時の距離をL3としている。
【0041】
図9は、図8における使用者が進入位置A1→立位用便位置A2→着座用便位置A3と移動した時の光学式距離計20の距離データを制御部21で演算処理して使用者の移動速度に変換し、使用者の移動速度と時間の関係を表している。
【0042】
また、図10は、実際に小用時の使用者(女性)がトイレ17に入ってから用をたした後、トイレ17を出るまでの光学式距離計20の距離データと時間との関係を表している。図11は、図10における距離データを制御部21で演算処理して速度データに変換し、使用者の移動速度と時間との関係に置き換えて表している。
【0043】
また、図12は、実際に小用時の使用者(男性)がトイレ17に入ってから用をたした後、トイレ17を出るまでの光学式距離計20の距離データと時間との関係を表している。図13は、図12における距離データを制御部21で演算処理して速度データに変換し、使用者の移動速度と時間との関係に置き換えて表している。
【0044】
図11と図13を比較すると、着座時(図11)と立位時(図13)では、使用者の動き(移動速度の変化点)に違いが見られ、着座時と立位時を明確に区別することができる。図11では移動速度の変化点が4箇所であるのに対し、図13では移動速度の変化点が2箇所であるからである。
【0045】
以上のように構成した便器洗浄ユニット1の洗浄動作を図14乃至図18に示すフローチャートにより説明する。先ず、ステップS1で、制御部21が光学式距離計20が出力する距離データLnを読み込む。ステップS2では、制御部21が一定時間毎に入力される距離データLnから距離情報の差分を演算し、速度データXnを求める。
【0046】
ステップS3では、速度データXnが、−10cm/secより小さい値でなければ、ステップS1に戻って再び距離データLnを読み込む。一方、速度データXnが、−10cm/secより小さい値の場合には、使用者がトイレ17の中に入ったと判断する。
【0047】
そして、ステップS4で、使用者がトイレ17の中に入ったと判断した時の速度データXnを記憶し、ステップS5で速度データXnが生じた時刻をメモリに記憶し、その時刻から異常を管理する内蔵タイマT1をスタートさせる。
【0048】
次いで、ステップS6では、前回の速度データXnよりも今回の速度データXn+1の方が小さい値の場合には、ステップS7で速度データXn+1をXnに書き換えてステップS4に戻る。一方、前回の速度データXnよりも今回の速度データXn+1の方が大きい値の場合には、ステップS8で速度データXnを第1のピークとしてメモリP1に記憶する。
【0049】
ステップS9では、小用便基準時間を設定した20秒タイマをセットし、ステップS10では、距離データLnが使用者がトイレ17から退室したと判定する設定値700mmより大きいか否かを判断する。距離データLnが700mmより大きい場合には、ステップS11で小便洗浄し、小さい場合には、ステップS12で20秒タイマがタイムアップしているか否かを判断する。
【0050】
20秒タイマがタイムアップしていなければ、ステップS13で速度データXnがメモリP1に記憶した速度データの大小を判断し、速度データXnがメモリP1に記憶した速度データよりも小さい値であれば、ステップS14で大用便基準時間を設定した用便判別45秒タイマをセットし、ステップS15で着座したと判断する。一方、速度データXnがメモリP1に記憶した速度データよりも小さい値でなければ、ステップS10に戻り、20秒タイマがタイムアップしていれば、ステップS16で立位と判断する。
【0051】
次いで、ステップS17で距離データLnを読み込み、ステップS18で距離データLnが使用者が便器15から立上がったと判定する設定値300mmより大きいか否かを判断する。距離データLnが300mmより大きい場合には、ステップS19でタイミング調整用時間を設定した4秒タイマをセットする。一方、距離データLnが300mmより大きくない場合には、ステップS27へ進む。
【0052】
ステップS20では、4秒タイマがタイムアップしたか否かを判断し、タイムアップしていたらステップS21で使用者が便座から立上がったと判断する。一方、タイムアップしていなければ、ステップS25で距離データLnを読み込み、ステップS26で距離データLnが300mmより大きいか否かを判断する。距離データLnが300mmより大きい場合には、ステップS20に戻り、距離データLnが300mmより大きくない場合には、ステップS17に戻る。
【0053】
次いで、ステップS22では、用便判別45秒タイマがタイムアップしているか否かを判断し、タイムアップしていたら大用便が終了したと判定し、ステップS23で大便洗浄する。一方、タイムアップしていなければ、着座時の小用便が終了したと判定し、ステップS24で小便洗浄する。
【0054】
ステップS27では、ステップS5での内蔵タイマT1がスタートしてから異常基準時間である30分が経過しているか否かを判断し、30分が経過していなければステップS17へ戻り、30分が経過していれば使用者が異常であるとみなし、ステップS28で、例えばFM電波を飛ばして電話のベルを鳴らすことにより外部に異常を知らせる。
【0055】
また、ステップS16で立位であると判断すると、ステップS29で距離データLnを読み込み、ステップS30で距離データLnが700mmより大きいか否かを判断する。距離データLnが700mmより大きい場合には、ステップS31でタイミング調整用時間を設定した4秒タイマをセットする。一方、距離データLnが700mmより大きくない場合には、ステップS36へ進む。
【0056】
ステップS32では、4秒タイマがタイムアップしたか否かを判断し、タイムアップしていたらステップS33で使用者が立位で小用便したとして小便洗浄する。一方、タイムアップしていなければ、ステップS34で距離データLnを読み込み、ステップS35で距離データLnが700mmより大きいか否かを判断する。距離データLnが700mmより大きい場合には、ステップS32に戻り、距離データLnが700mmより大きくない場合には、ステップS29に戻る。
【0057】
ステップS36では、ステップS5での内蔵タイマT1がスタートしてから異常基準時間である30分が経過しているか否かを判断し、30分が経過していなければステップS29へ戻り、30分が経過していれば使用者が異常であるとみなし、ステップS37で、例えばFM電波を飛ばして電話のベルを鳴らすことにより外部に異常を知らせる。
【0058】
また、入室から洗浄終了まで、以下のような割り込み処理が常時行われる。ステップS3における入室時以降において、光学式距離計20から一定時間毎に制御部21に入力される距離データLnが150mmより小さいか否かをステップS38で判断する。距離データLnが150mmより小さいならば、更にステップS39で距離データLnが150mm以上になったか否かを判断する。
【0059】
そして、距離データLnが150mm以上になっていなければ、使用者が光学ユニット30に手をかざし故意に便器洗浄を行おうとしているとみなし、ステップS40で大洗浄を行う。一方、距離データLnが150mm以上になっていれば、ステップS41で割り込み処理を解除する。このように、使用者は光学ユニット30に手をかざすことにより、いつでも便器洗浄を行うことができ、更にロータンク上の手洗い鉢で手を洗うことができる。
【0060】
【発明の効果】
【0061】
【0062】
【0063】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、人体検知手段により使用者を検出すると共に使用者の移動速度を求めて使用者の立位または座位での動きの違いを検出するため、距離検出のみに比べて立位用便位置と着座用便位置の区別が容易である。また、使用者の立位用便位置または着座用便位置を絶対距離で判定する必要がないため、距離を検出する際の補正要因を減らすことができる。
【0064】
請求項2の発明によれば、使用者は便器洗浄ユニットに手をかざすことにより、いつでも便器洗浄を強制的に行うことができる。
【0065】
請求項3の発明によれば、人体検知手段から出力された立位用便位置対応信号又は着座用便位置対応信号の出力時間を計測し、予め設定された異常基準時間が経過した時に異常時間経過信号を出力する異常計測手段等により、使用者の異常を外部へ報知することができる。
【0066】
請求項4の発明によれば、使用者の異常を音声により、外部へ確実に報知することができる。
【0067】
請求項5の発明によれば、使用者の異常を合成音声により、外部へ確実に報知することができる。
【0068】
請求項6の発明によれば、使用者の異常を光により、外部へ確実に報知することができる。
【0069】
請求項7の発明によれば、使用者の異常を電話機等の受信器に送信して外部へ確実に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】人が測距センサに対し等速度で近づいて来る場合の時間と距離及び速度との関係を示す図
【図2】人が測距センサから等速度で離れる場合の時間と距離及び速度との関係を示す図
【図3】人が測距センサの前方を横切る場合の時間と距離及び速度との関係を示す図
【図4】人が測距センサから等加速度で離れる場合の時間と距離及び速度との関係を示す図
【図5】本発明に係る便器洗浄ユニットの概念ブロック図
【図6】本発明に係る便器洗浄ユニットのハード構成図
【図7】本発明に係る便器洗浄ユニットを適用したロータンク式自動洗浄式便器の使用状態を示す図
【図8】図3におけるロータンクから使用者までの距離と時間の関係を示す図
【図9】図4における使用者の移動速度と時間の関係を示す図
【図10】小用時の使用者(女性)がトイレに入ってから用をたした後、トイレを出るまでの距離データと時間との関係を示す図
【図11】図6における使用者の移動速度と時間との関係に示す図
【図12】小用時の使用者(男性)がトイレに入ってから用をたした後、トイレを出るまでの距離データと時間との関係を示す図
【図13】図8における使用者の移動速度と時間との関係に示す図
【図14】本発明に係る便器洗浄ユニットの洗浄動作を示すフローチャート
【図15】本発明に係る便器洗浄ユニットの洗浄動作を示すフローチャート
【図16】本発明に係る便器洗浄ユニットの洗浄動作を示すフローチャート
【図17】本発明に係る便器洗浄ユニットの洗浄動作を示すフローチャート
【図18】本発明に係る便器洗浄ユニットの洗浄動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1… 便器洗浄ユニット、2…人体検知手段、3…小用便計測手段、4…男性小用便判断手段、5…大用便計測手段、6…用便判断手段、7…噴出弁制御手段、8…強制洗浄手段、9…異常計測手段、10…異常判断手段、11…報知手段、12…噴出弁駆動手段、15…ロータンク式自動洗浄式便器、16…ロータンク、17…トイレ、20…光学式距離計、21…制御部、22…洗浄レバー、23…アクチュエータ部、24…報知器、30…光学ユニット、31…駆動ユニット、A1…進入位置、A2…立位用便位置、A3…着座用便位置。
Claims (7)
- 使用者を検出すると共に使用者の移動速度を計測し移動速度の変化値に基づいて使用者が便器手前に立つ立位用便位置もしくは便器に着座した着座用便位置に対応した信号を出力する人体検知手段と、この人体検知手段から出力された立位用便位置対応信号の出力時間を計測し、予め設定された小用便基準時間が経過した時に小用便時間経過信号を出力する小用便計測手段と、この小用便計測手段からの出力信号により男性の小用便と判断し、男性小用便対応信号を出力する男性小用便判断手段と、前記人体検知手段から出力された着座用便位置対応信号の出力時間を計測し、予め設定された大用便基準時間が経過した時に大用便時間経過信号を出力する大用便計測手段と、この大用便計測手段から前記大用便時間経過信号が出力された時は大用便と判断する一方、前記大用便計測手段から前記大用便時間経過信号が出力される前に使用者が便器から離れ、前記人体検知手段の出力信号が非検出状態に変化した時、または使用者の移動速度が増大した時は小用便と判断し、大用便対応信号又は小用便対応信号を出力する用便判断手段と、前記大用便対応信号又は小用便対応信号あるいは前記男性小用便対応信号に基づいて、大用便又は小用便の洗浄水を噴出させる洗浄水噴出信号を出力する噴出弁制御手段とを備えたことを特徴とする便器洗浄ユニット。
- 前記人体検知手段が最近接信号を出力した時に強制洗浄信号を出力する強制洗浄手段を備えた請求項1記載の便器洗浄ユニット。
- 前記人体検知手段から出力された立位用便位置対応信号又は着座用便位置対応信号の出力時間を計測し、予め設定された異常基準時間が経過した時に異常時間経過信号を出力する異常計測手段と、この異常計測手段から前記異常時間経過信号が出力された時は、使用者が異常状態と判断して異常通報信号を出力する異常判断手段と、この異常判断手段の前記異常通報信号に基づいて異常を外部に知らせる報知手段を備えた請求項1又は2記載の便器洗浄ユニット。
- 前記報知手段がブザーである請求項3記載の便器洗浄ユニット。
- 前記報知手段が合成音声発生装置である請求項3記載の便器洗浄ユニット。
- 前記報知手段が発光装置である請求項3記載の便器洗浄ユニット。
- 前記報知手段が電波発生装置である請求項3記載の便器洗浄ユニット。
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JP25228098A Expired - Lifetime JP3617327B2 (ja) | 1997-10-09 | 1998-09-07 | 便器洗浄ユニット |
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-
1998
- 1998-09-07 JP JP25228098A patent/JP3617327B2/ja not_active Expired - Lifetime
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