JP3517404B2 - スタッドレスタイヤ - Google Patents

スタッドレスタイヤ

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に四輪駆動車用
として好適であり、氷路においてトラクション性を維持
しながら制動性を向上しうるスタッドレスタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術、および発明が解決しようとする課題】四
輪駆動の車両では、4輪の全てが駆動輪として機能する
ため、他の後輪駆動および前輪駆動の車両に比してトラ
クション性が大巾に向上されている。そのため、トラク
ション性や制動性を含めたグリップ性能全体に優れてい
るとの錯覚に陥りやすい傾向にある。しかし実際には、
制動時には、後輪駆動等も四輪駆動の車両と同様に4輪
が制動輪として機能するため、制動性については四輪駆
動によるメリットは得られていない。
【0003】従って、四輪駆動の車両では、前記錯覚に
伴う制動性不足を補い、走行の安全性を高めるために、
トラクション性に比して制動性を相対的に高めたタイヤ
が強く要望されている。
【0004】他方、氷雪上性能を確保したスタッドレス
タイヤでは、近年、氷上性能のいっそうの向上を図るた
め、一部のブロック列を周方向リブに置き換えたリブ・
ブロックパターンを採用し、これによって接地面積を高
め氷面との粘着摩擦力を増大させるとともに、前記周方
向リブにより多くのサイプを形成しそのエッジによる路
面掘りおこし摩擦力(エッジ効果)を高める手法が提案
されている。
【0005】しかしながら、この種のリブ・ブロックパ
ターンのタイヤでは、前記周方向リブがタイヤ周方向に
実質的に連続して形成されるため、従来のブロックパタ
ーンのものに比してパターンに方向性を持たせることが
難しく、前述の如く、トラクション性に比して制動性を
高めるという四輪駆動車両における前記要望に充分応え
ることができなかった。
【0006】そこで本発明は、前記周方向リブに形成す
るサイプの形状に着目してなされたものであり、このサ
イプを、リブ中央域に頂点部を有するV字状サイプとす
ることを基本として、周方向リブのタイヤ回転方向の剛
性に対して、逆方向(反タイヤ回転方向)の剛性を相対
的に高めうるなど、反タイヤ回転方向のエッジ効果を有
効に発揮させることができ、氷路において、トラクショ
ン性を高く維持しながら制動性をさらに向上しうるスタ
ッドレスタイヤの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1のスタッドレスタイヤの発明は、トレ
ッド部に、タイヤ周方向にのびる縦溝により挟まれる1
本以上の周方向リブを設けかつこの周方向リブのリブ巾
の総和をトレッド巾の10〜25%とするとともに、前
記周方向リブに、その巾中心線を含むリブ中央域に頂点
部を位置してこの頂点部からタイヤ軸方向両側にV字状
にのびる傾斜部を具えたV字状サイプを、タイヤ周方向
に隔設したことを特徴としている。
【0008】また請求項1の発明では、前記V字状サイ
プの傾斜部は、前記頂点部から一方側、他方側にのびる
傾斜部のタイヤ周方向に対する角度α1、α2を互いに
相違させ、かつその角度差|α1−α2|を10〜30
度の範囲としたことを特徴とする。
【0009】また請求項2の発明では、前記周方向リブ
は、タイヤ赤道の両側に配されることを特徴としてい
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を、
図示例とともに説明する。図1において、本実施態様の
スタッドレスタイヤ1は、トレッド部2に、タイヤ周方
向にのびる2本以上の縦溝Gを設けることにより、この
縦溝Gによってトレッド部2を、1以上の周方向リブ3
を含む周方向陸部Rに区分している。
【0011】なお本例では、タイヤ赤道C上に第1の縦
溝G1、およびその両側に各3本の第2〜第4の縦溝G
2、G3、G4を設け、これによってトレッド部2に、
タイヤ赤道C側からトレッド縁TE側に向かって順次配
される第1〜4の周方向陸部R1〜R4を形成する場合
を例示している。
【0012】そして、この第1〜4の周方向陸部R1〜
R4のうち、本例では、第2の周方向陸部R2を、タイ
ヤ周方向に実質的に連続してのびる周方向リブ3として
形成している。なお他の周方向陸部R1、R3、R4
は、何れも横溝Yによって区分されるブロックBが周方
向に並ぶブロック列として形成されている。
【0013】なお本実施態様では、前記縦溝Gおよび横
溝Yの溝巾、溝深さ等は、特に限定されないが、従来の
スタッドレスタイヤのものと同程度の寸法、例えば乗用
車用タイヤでは、溝巾Wにおいては5〜25mmの範
囲、溝深さD(図5に示す)においては8〜15mmの
範囲のものが好適に採用できる。本例では、縦溝Gの溝
深さは、横溝Yの溝深と略等しい12mm程度としてい
る。
【0014】又前記スタッドレスタイヤ1では、前記周
方向リブ3の形成によって、接地面の全面積TAに対す
るリブおよびブロックの表面積の和AAの比であるラン
ド比AA/TAが、ブロックパターンのものより高く設
定され、これによる実接地面積の増大によって、粘着摩
擦力を向上している。
【0015】そして前記周方向リブ3には、図2に拡大
して示すように、その巾中心線Nを含むリブ中央域3C
に頂点部5を位置するとともに、この頂点部5からタイ
ヤ軸方向両側にV字状にのびる傾斜部6を具えたV字状
サイプ7が、タイヤ周方向に隔設される。これによっ
て、前記周方向リブ3は、複数のV字状のブロック状部
3Aに区分され、又パターンに方向性が付与される。
【0016】なお前記「リブ中央域3C」とは、前記周
方向リブ3のタイヤ軸方向の巾W1の30%以下の距離
L1を、巾中心線Nからタイヤ軸方向両側に隔たる領域
として定義する。
【0017】前記V字状サイプ7は、従来的なサイプと
同様、1.5mm以下(本例では0.3mm程度)の巾
を有する切込み状をなし、前記溝深さDの0.5〜1.
0倍の深さDs(図5に示す)を有して、トレッド面2
Sに対して略直角に形成される。
【0018】又該V字状サイプ7の前記傾斜部6は、前
記頂点部5からタイヤ回転方向F1と逆方向(反タイヤ
回転方向F2)に向かって傾斜してのびる直線状をな
し、その外端は、何れも周方向リブ3の側壁面で開口し
ている。すなわち、両端開口の所謂オープンサイプとし
て形成される。
【0019】又前記頂点部5は、反タイヤ回転方向F2
に最も突出する頂点Qを含みかつ前記傾斜部6、6間を
継ぐ継ぎ部であって、本例の如く、傾斜部6が直接交差
する場合には、その交点(頂点Q)として形成される。
又図3の如く、前記頂点部5を、傾斜部6、6間を継ぐ
例えば円弧状などの曲線として形成することができ、係
る場合には、前記頂点部5のタイヤ軸方向の巾W2を、
前記周方向リブ3の巾W1の20%以下とすることが、
エッジ効果の観点から好ましい。しかし何れの場合に
も、前記頂点Qが、前記リブ中央域3C内に位置してい
ることが必要である。すなわち、前記頂点Qと前記巾中
心線Nとの間のタイヤ軸方向の距離L2は、周方向リブ
3の前記巾W1の0〜30%の範囲である。
【0020】このようなV字状サイプ7によって区分さ
れた前記ブロック状部3Aは、従来的な横長矩形状のブ
ロック状部a(図9に示す)に比してタイヤ周方向の剛
性が高く維持される。特に、ブロック状部3Aは、図4
(A)に拡大して示すように、反タイヤ回転方向F2の
力P2、すなわち制動時の力に対しては、V字が閉じる
向きに変形するときには、このとき頂点部5側では圧縮
応力が作用するため前記変形が非常に小さくなる。その
結果、ブロック状部3Aの倒れ込みが抑制され、エッジ
の路面との引っかかりが有効に機能するなど、エッジ効
果が効果的に発揮され、制動性能が大幅に改善される。
【0021】これに対し、タイヤ回転方向F1の力P
1、すなわち駆動時の力に対しては、V字が開く向きに
変形しやすくエッジ効果に劣るなど、前記制動性能に比
してトラクション性は低くなる。しかし、少なくとも前
述の従来的なブロック状部a以上のトラクション性は確
保できる。
【0022】従って、四輪駆動車両で強く要望される如
く、氷路において、トラクション性を高く維持しながら
制動性をより向上させることができるのである。
【0023】そのために、前記V字状サイプ7は、傾斜
部6、6間の交差角度θを90〜140゜とすることが
好ましい。該交差角度θが140゜より大では、反タイ
ヤ回転方向F2に対しても前記ブロック状部3Aが倒れ
込みやすくなり、又90゜未満ではエッジが周方向に対
して傾斜し過ぎとなり、何れの場合も制動性を充分に高
めることができなくなる。
【0024】又前記V字状サイプ7の周方向ピッチPs
は、3.0〜5.0mmが好ましく、該周方向ピッチP
sが、5.0mmを越えると、サイプ数が不足傾向とな
り、逆に3.0mm未満では、サイプがV字状をなすと
はいえ、周方向剛性が過小となり、エッジ効果が有効に
機能しなくなる。従って、制動性およびトラクション性
の双方が減じるなど氷上性能全体の低下を招く。
【0025】又周方向リブ3の前記巾W1の総和ΣW
1、本例ではW1×2は、前記トレッド縁TE、TE間
のトレッド巾WTの10〜25%の範囲とする。25%
を越えると、前記ランド比AA/TAが過大となって雪
上性能の確保を困難にする、或いは隣接するブロックB
が相対的に小さくなるなど、パターン全体に剛性のアン
バランスが生じ、コーナリング性能の低下を招いてしま
う。又10%未満では、V字状サイプ7のタイヤ軸方向
のエッジ成分が不足し、制動性およびトラクション性の
双方が減じるなど氷上性能全体の低下を招く。なお周方
向リブ3は、本例では、巾W1が一定なストレートリブ
の場合を例示しているが、ジグザグ状であっても良い。
又リブ巾の総和ΣW1が前記10〜25%の範囲であれ
ば巾W1が周方向で変化しても良い。
【0026】なお周方向リブ3の周方向剛性を最も高く
確保するためには、本例の如く、各V字状サイプ7にお
いて、一方側、他方側の傾斜部6、6のタイヤ周方向に
対する角度α1、α2が互いに等しく、又各V字状サイ
プ7の頂点Qが巾中心線N上に位置する、すなわち前記
距離L2が0.0mmで一定とするのが好ましい。
【0027】しかし、接地圧の違いに基づくブロックB
の変形の大小に合わせ、より適切に周方向リブ3の変形
を抑えるためには、図6に示すように、各V字状サイプ
7の距離L2を前記0.3×W1以下の範囲で自在にか
つ一定に設定するのも好ましい。
【0028】しかしながら、本発明においては、図7に
示すように、一方側、他方側の前記角度α1、α2を互
いに相違(本例ではα1>α2)させている。係る場合
には、角度α2側の傾斜部6のエッジにより横力が大き
く確保されるため、コーナリング性能が改善されるな
ど、全体的により高レベルの氷上性能を得ることができ
る。そのためには、角度差|α1−α2|を10〜30
度の範囲としている。
【0029】又図8に示すように、前記頂点Qの前記巾
中心線Nからのずれ巾、すなわち距離L2を、前記0.
3×W1以下の範囲で、V字状サイプ7により変化させ
るのも好ましい。このとき、先に接地した頂点Qが路面
と接触して水に融解した位置と、次に接地する頂点Qの
位置とが異なるために、高い氷上性能が発揮できる。こ
のとき、前記頂点Q、Q間の最大のズレ量L3は5.0
mm以下とするのが、ブロック状部3A、3A間で剛性
を均一化するために好ましい。
【0030】又このような周方向リブ3は、タイヤ赤道
Cを中心とした対称位置、さらには接地圧が相対的に高
いトレッド中央域Ycに形成するのが好ましい。なおト
レッド中央域Tcとは、前記トレッド巾WTの25%の
距離をタイヤ赤道C両側に隔てた領域を意味する。
【0031】またブロック列である他の周方向陸部R
1、R3、R4においては、本願では特に規制されるこ
とがなく、従来のスタッドレスタイヤと同様、ブロック
Bに、種々のサイプ20を形成できる。このサイプ20
としては、一端から他端に至り直線状にのびるストレー
トサイプ、或いは中央にジグザグを有するもの等が好適
に使用できる。又本例では、一端がブロックB内で終端
したクローズサイプを用いた場合を例示している。
【0032】以上、本発明の特に好ましい実施形態につ
いて詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定される
ことなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0033】
【実施例】タイヤサイズ265/70R16のスタッド
レスタイヤを表1の仕様に基づき試作するとともに、該
試作タイヤの氷路におけるトラクション性、制動性、操
縦安定性をテストし互いに比較した。なお便宜上、前記
V字状サイプの傾斜部が頂点部からタイヤ回転方向と逆
方向に向かって傾斜する場合をV字、タイヤ回転方向に
向かって傾斜する場合を逆V字と呼ぶ。なお、比較例3
は、逆V字の場合であって、角度α1,α2が同じのた
め比較例としているが、逆V字の場合も本発明に包含さ
れるのは、以上の記載から明らかである。
【0034】(1)トラクション性:試供タイヤを、内
圧(200kpa)、リム(16×7J)の基で、四輪
駆動車(3400cc)の四輪に装着し、気温0゜Cの
環境下の氷盤路で発進させ、25mを進むのに要した時
間を従来例を100とした指数で評価した。指数の大な
ほど良好である。
【0035】(2)制動性:前記氷盤路上で、30km/
Hの走行速度から4輪ロックにて急ブレーキをかけ、車
が停車するまでの制動距離の逆数を指数表示している。
なお指数は、従来例を100としたものであり、指数値
が大なほど良好である。
【0036】(3)操縦安定性:前記車両にて氷路、雪
路からなるテストコースを走行し、旋回、制動、加速な
どを含めた走行フィーリングについてドライバーの官能
により従来例を6とする10点法で評価した。指数の大
なほど良好である。
【0037】
【表1】
【0038】表の如く、実施例のタイヤは、サイプをV
字とすることにより、トラクション性を維持しながら制
動性を大巾に向上しうるのが確認できる。又逆V字とし
た場合にも、トラクション性および制動性を従来よりも
高く確保しうるのが確認できる。
【0039】
【発明の効果】本発明は叙上の如く構成しているため、
周方向リブのタイヤ回転方向の剛性に対して、逆方向
(反タイヤ回転方向)の剛性を相対的に高めうるなど、
反タイヤ回転方向のエッジ効果を有効に発揮させること
ができ、氷路において、トラクション性を高く維持しな
がら制動性をさらに向上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤのトレッドパターン
を示す展開図である。
【図2】V字状サイプの一例を拡大して示す平面図であ
る。
【図3】V字状サイプの他の例を拡大して示す平面図で
ある。
【図4】(A)、(B)は本願の作用効果を説明する線
図である。
【図5】周方向リブの周方向断面図である。
【図6】V字状サイプの他の例を拡大して示す平面図で
ある。
【図7】V字状サイプの他の例を拡大して示す平面図で
ある。
【図8】V字状サイプの他の例を拡大して示す平面図で
ある。
【図9】表1の従来例で用いたトレッドパターンであ
る。
【図10】表1の実施例10で用いたトレッドパターン
である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 周方向リブ 3C リブ中央域 5 頂点部 6 傾斜部 7 V字状サイプ G 縦溝 N 巾中心線 Q 頂点 WT トレッド巾
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部に、タイヤ周方向にのびる縦溝
    により挟まれる1本以上の周方向リブを設けかつこの周
    方向リブのリブ巾の総和をトレッド巾の10〜25%と
    するとともに、前記周方向リブに、その巾中心線を含む
    リブ中央域に頂点部を位置してこの頂点部からタイヤ軸
    方向両側にV字状にのびる傾斜部を具えたV字状サイプ
    を、タイヤ周方向に隔設するとともに、前記頂点部から一方側、他方側にのびる傾斜部のタイヤ
    周方向に対する角度α1、α2を互いに相違させ、 かつその角度差|α1−α2|を10〜30度の範囲と
    した ことを特徴とするスタッドレスタイヤ。
  2. 【請求項2】前記周方向リブは、タイヤ赤道の両側に配
    されることを特徴とする請求項1記載のスタッドレスタ
    イヤ。
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