JP3483271B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3483271B2 JP13363993A JP13363993A JP3483271B2 JP 3483271 B2 JP3483271 B2 JP 3483271B2 JP 13363993 A JP13363993 A JP 13363993A JP 13363993 A JP13363993 A JP 13363993A JP 3483271 B2 JP3483271 B2 JP 3483271B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、事務機器一般に用いら
れるプリンター、複写機、ファクシミリ等記録装置等に
適用可能な、インクジエット記録ヘッド又は該記録ヘッ
ドを搭載する記録装置に関し、特に記録ヘッドとインク
タンクとが一体化され、交換可能に記録ヘッドを搭載で
きる記録装置の排インク処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、0HP用シート等の記録媒体
に対して記録を行なう記録装置は、種々の記録方式によ
る記録ヘッドを搭載した形態で実用化されている。この
記録ヘッドには、ワイヤードット方式、感熱方式、熱転
写方式、インクジェット方式によるもの等がある。特に
インクジェット方式は、記録媒体に直接インクを吐出す
るため、ランニングコストが安価で、静かな記録方法と
して注目されている。
【0003】係るインクジェット記録装置においては、
記録ヘッドと一体化され記録装置に交換可能に装着され
る記録ヘッド一体型等が一般的に実用化されている。
【0004】上記インクジェット記録装置においては、
記録ヘッドのインク吐出状態を良好に保つ為吐出回復処
理が通常行なわれている。
【0005】該吐出回復処理の例としては、記録ヘッド
の吐出口形成面に対し当接/離脱可能なキャップを設
け、該キャップを記録ヘッドの吐出口形成面に対向さ
せ、記録ヘッドのノズル内に設けられてインク吐出の為
に利用されるエネルギー発生素子を駆動する事により全
吐出口からインクを吐出させ、これによって吐出不良要
因である気泡や塵挨、あるいは増粘して記録に適さなく
なったインクを除去する処理(予備吐出)や、これとは
別に吐出口形成面をキャップで覆った状態で、吸引ポン
プを用いて全吐出口よりインクを強制的に吸引排出させ
る事により吐出不良要因を除去する処理がある。
【0006】上記予備吐出によりキャップに排出された
インクは、吸引ポンプによりキャップから除去される。
【0007】上記強制吸引や予備吐出等の吐出回復処理
により記録ヘッドから排出されたインクは、吸引ポンプ
により該ポンプと接続されたインク貯蔵部材に導かれ収
容される。該インク貯蔵部材は、記録装置の大きさや、
該記録装置が組込まれる情報処理装置等の大きさ等か
ら、大きさ即ちインク貯蔵量について制限が発生する。
又効率よくインクの貯蔵を行なう為貯蔵部材の一部を大
気と連通させインクを乾燥蒸発させながら貯蔵する等さ
れている。
【0008】しかしながら上記制限を越えてインク貯蔵
部材へのインク流入が行なわれると、インク貯蔵部材か
ら貯蔵すべきインクが漏れる事が考えられる。インクは
一般的に、水やその他の導電性物質を含む事が多いため
事故につながる危険性を含んでおりインク漏れについて
は十分な防止策が必要である。
【0009】防止策の例としては、上記インク貯蔵部材
に接続されている吸引ポンプの作動回数を計数し、一回
の吸引ポンプの作動によるインク貯蔵部材へのインク流
入量を該計数結果と積算する事によりインク貯蔵部材の
貯蔵量を算出し、規定の貯蔵量に到達した場合に記録装
置の操作者に対して警告を報知する方法が考案されてい
る。
【0010】一方例えば記録ヘッドとインクタンクとが
一体化され、記録装置に交換可能に構成された記録ヘッ
ドを用いた記録装置においては、インク種類、特にイン
ク色の異なる記録ヘッドを操作者が交換しながら記録を
行ない、容易にカラー印刷が可能な構成のものも実用化
されつつある。
【0011】このような構成の記録装置にあっては、従
来の黒色ヘッドと同一の上記キャップ等がカラー用記録
ヘッドの吐出口形成面に当接するためキャップに付着し
ているインクがカラー用記録ヘッドの吐出口形成面に移
行し、カラー印刷に際し混色を発生する事がある。特に
上記キャップ内に吐出回復処理によるインクが多く残留
してしまう場合等に顕著であった。
【0012】このような不具合を防止する策として、カ
ラー用記録ヘッドを装着する前に、記録ヘッドを未装着
状態で、上記キャップ内のインクを除去するために該キ
ャップと接続されている吸引ポンプを動作させキャップ
内のインク除去後、カラー用記録ヘッドを装着する事
や、一連の記録動作の終了後、キャップを記録ヘッドの
吐出口形成面に当接させずに吸引ポンプを動作させイン
クの除去を行なう事を操作者に求めたり、或は自動的に
行なう事等が考案されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例では、以下の様な問題点が有った。
【0014】インク貯蔵部材へインクを導く吸引ポンプ
の作動回数を計数することにより、インク貯蔵部材の貯
蔵量を計数して求める場合においては、キャップと記録
ヘッドの吐出口形成面とを当接させた状態で、一回の吸
引動作により記録ヘッドから吸引されるインク量を予め
計測しておき、吸引動作の総回数との積算によりインク
貯蔵量を求めている。
【0015】しかしながらこの様な方法の場合、上記方
法により算出されたインク貯蔵量と実際のインク貯蔵量
に誤差が生じ、実際にはまだインクの貯蔵にかなりの余
裕があるにも関わらず警告を報知してしまう事が有っ
た。
【0016】この様な問題点の大きな要因は、カラー用
記録ヘッド装着の場合の如く、キャップが記録ヘッドの
吐出口形成面に当接していない状態、即ち吸引動作によ
るインクの排出が可能でない状態で吸引動作が行なわれ
る場合に、インク貯蔵部材へのインクの流入量が、上記
キャップと記録ヘッドとが当接した場合に比ベて極端に
少ないか或は「0」となってしまうことによる。
【0017】更には、上記吐出回復の為の予備吐出によ
りインク受部材であるキャップへ排出されるインク量
が、記録ヘッドが未装着の場合、「0」となるためであ
る。
【0018】又、インク排出量に係る特性が異なった記
録ヘッドが用いられた場合にも、正確なインク貯蔵量の
算出が出来ない事もある。一例としては、インクの粘度
が異なったインクが使用される場合には、上記予備吐出
により吐出されるインク量が変化し、更には、上記吸引
動作によるインク排出量も変化する場合等である。
【0019】又、環境温度等によりインクの粘度が変化
し記録ヘッドからのインク排出量が変化し、正確なイン
ク貯蔵量を計数できない事もあった。
【0020】又、インク貯蔵部材のインク貯蔵量に関す
る警告を報知する場合、インク貯蔵部材の交換が要求さ
れる為に、より正確な警告の報知が必要とされている。
【0021】本発明は、上述した従来の技術が有する問
題点を解決する為になされたもので、インク貯蔵部材に
貯蔵されたインクの計数による算出をより正確に実施で
きるインクジェット記録装置を提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインクジェット記録装置は、同一条件の
出回復処理の実行により排出されるインク量がそれぞれ
異なる複数種類のインクジェット記録ヘッドを選択的に
搭載可能なキャリッジを有し、前記キャリッジに搭載さ
れた前記インクジェット記録ヘッドを用いて被記録材に
記録を行うインクジェット記録装置であって、前記キャ
リッジに搭載されたインクジェット記録ヘッドから、吐
出回復処理の際に排出されたインクを貯蔵する排インク
貯蔵手段と、前記吐出回復処理の回数を計数する計数手
段と、前記キャリッジに搭載されたインクジェット記録
ヘッドの種類を判別する判別手段と、同一条件の前記
出回復処理の実行により排出されるインク量を、前記イ
ンクジェット記録ヘッドの種類に対応させて記憶する記
憶手段と、前記判別手段により判別された前記インクジ
ェット記録ヘッドの種類と、前記記憶手段に記憶される
インク量と、前記計数手段により計数された吐出回復処
数と、に基づいて、前記キャリッジに搭載されたイ
ンクジェット記録ヘッドから実際に排出されたと見なさ
れるインク量を算出する算出手段と、を有し、前記算出
手段により算出した結果に基づいて前記排インク貯蔵手
段に貯蔵されるインク量を求めることを特徴とする。
【0023】 この場合、前記吐出回復処理には、それ
ぞれ1回ごとの排出されるインク量の異なる強制吸引回
復処理と予備吐出回復処理とがあり、前記記憶手段に
は、前記複数のインクジェット記録ヘッドの種類ごと
に、予め求められている前記強制吸引回復処理において
排出されるインク量と前記予備吐出回復処理において排
出されるインク量が記憶されており、前記計数手段
は、前記強制吸引回復処理の回数と前記予備吐出回復処
理の回数とを計数することとしてもよい。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【作用】本発明の構成に基づき、インクを記録媒体に吐
出させて記録を行なう記録手段を用いて記録を行なうイ
ンクジェット記録装置において、上記記録手段の記録ヘ
ツドやインク供給部材からインクを排出するインク排出
手段の作動する状態に応じて、貯蔵されるインクの計数
値を補正して求める事により、該インク排出手段により
排出され貯蔵されたインクを計数する事が正確にでき
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図を参照し
て詳細に説明する。
【0037】(実施例1)図1は、記録ヘッド1と、イ
ンクタンク2とが一体となった、ヘッドカートリッジの
3の斜視図であり、図2は、ヘッドカートリッジ3の分
解斜視図である。
【0038】110はヒーターボードであり、Si基板
上に列状に配された複数の吐出ヒーターと、これに電力
を供給する電気配線等が形成されている。140は溝付
天板であり、複数のノズルと、それに対応した吐出口を
有するオリフィスプレート141とノズルに供給するイ
ンクを収納するための共通液室等とが、一体成型されて
いる。120は配線基板であり、配線の一方はヒーター
ボード110にワイヤボンディング等で結線され、もう
一方の端部には記録装置本体からの電気信号を受けるパ
ツド121を有する。130は金属からなるべースプレ
ートであり、配線基板120やヒーターボード110が
接着剤等で貼り付けられる。さらに、押えばね150
で、ヒーターボード110と、溝付天板140をはさん
で、押えばね150の足部をべ−スプレート130の穴
131に係合することにより、ヒーターボード110
と、溝付天板140が、ベースプレート130に圧着固
定される。160はインク供給部材であり、インク供給
管161と、それに接続したインク導管162を有す
る。インク供給管161は、インクタンク100のイン
ク供給穴101に接続され、インク導管162は、溝付
天板140のインク受け口142に接続される。これに
より、インクタンク100からオリフィスプレート14
1の吐出口までの、インク流路が形成される。
【0039】図3には、本例にかかるインクジェット記
録装置形態のプリンタ部の構成例を示す。
【0040】ここで201は、黒色インクを用いるイン
クジェット記録ヘッドを有するヘッドカートリッジであ
る。本発明にかかる記録装置においては、インクの色が
異なり黒色ヘッドカートリッジ201と同じ形態の不図
示のカラー用ヘッドカートリッジ201Cも装着可能に
構成されている。202は、これを搭載して図中S方向
に走査するためのキャリッジである。203は、ヘッド
カートリッジ201をキャリッジ202に取り付けるた
めのフック、204はフック203を操作するためのレ
バーである。205は、ヘッドカートリッジ201に対
する電気接続部を支持する支持板である。206は、そ
の電気接続部と本体制御部とを接続するためのFPC
(フレキシブル印刷回路)である。207は、キャリッ
ジ202をS方向に案内するためのガイド軸であり、キ
ャリッジ202の軸受け208に挿通されている。20
9は、キャリッジ202が装着され、これをS方向に移
動させるための動力を伝達するためのタイミングベルト
であり、装置両側部に配置されたプーリ210A、21
0Bに張架されている。一方のプーリ210Bには、ギ
ヤ等の伝達機構を介してキャリッジモータ211より駆
動力が伝達される。212は、紙等の記録媒体の被記録
面を規制するとともに記録等に際してこれを搬送するた
めの搬送ローラーであり、搬送モーター213によって
駆動される。214は、記録媒体を記録位置に導くため
のペーパーパン、215は、記録媒体の送給経路途中に
配設されて記録媒体を搬送ローラー212にむけて押圧
し、これを搬送するためのピンチローラーである。21
6は、ヘッドカートリッジ201の吐出口に対向し記録
媒体の記録面を規制するためのプラテンである。217
は、記録媒体搬送方向上、記録位置より下流側に配置さ
れ、記録媒体を図示しない排紙口へ向けて排紙するため
の排紙ローラーである。218は、排紙ローラー217
に対応して設けられる拍車であり、記録媒体を介して排
紙ローラー217を押圧し、排紙ローラー217による
記録媒体の搬送力を生じさせる。219は記録媒体のセ
ット等に際してピンチローラー215、拍車218それ
ぞれの付勢を解除するための解除レバーである。
【0041】プラテン216は、両端を排紙ローラー2
17の軸で回転可能に支持され、左右プレート220の
停止位置からペーパーパン214の前面部221方向に
付勢されている。ペーパーパンの全面部221の内側
は、搬送ローラー212にその最外周より小さな複数の
部分212Aに接している。
【0042】222はホームポジションにおいて記録ヘ
ッドのインク吐出口形成面と対向するゴム等の弾性材料
で形成したキャップであり、記録ヘッドに対し当接/離
脱が可能に支持されている。このキャップ222は、非
記録時等の記録ヘッドの保護や、記録ヘッドの吐出回復
処理に際して用いられる。又該キャップ222や後述の
吸引ポンプ223、ブレード225は、一つの回復系ユ
ニットとして構成されている。
【0043】吐出回復処理とは、キャップ222を吐出
口形成面に対向させ、インク吐出内方に設けられてイン
ク吐出のために利用されるエネルギ発生素子を駆動する
事により全吐出口からインクを吐出させ、これによって
気泡や塵挨、あるいは、増粘して記録に適さなくなった
インクといった吐出不良要因を除去する処理(予備吐
出)や、これとは別に吐出口形成面をキャップ222で
覆った状態で吐出口よりインクを強制的に吸引排出させ
る事により吐出不良要因を除去する処理である。
【0044】上記の吐出回復処理は、記録装置の操作者
により、後述する入力手段1005や1006の入力手
段による指示や、所定の時間間隔ごとに自動的に実施さ
れ、インクの吐出状態を良好に保持している。該自動回
復処理は、時間経過と共に発生の可能性のある記録不能
状態を防止するのが主な目的である。該記録不能状態
は、記録ヘッド内におけるインク流路への外気の侵入に
よって気泡が発生したり、インク吐出の為にインク中に
発泡を生じさせる記録ヘッドにおいて、残留気泡が発
生、成長する等して、インクの供給が中断される場合等
である。本実施例においては、該自動吐出回復処理は、
前回の自動吐出回復処理の実施から72時間経過時の印
刷開始直前に実施される。
【0045】223は、インクの強制排出のために吸引
力を作用するとともに、かかる強制排出による吐出回復
処理や予備吐出による吐出回復処理に際してキャップ2
22に受容されたインクを吸引するために用いられるポ
ンプである。224はこのポンプ223によって吸引さ
れたインクを貯蔵するためのインク貯蔵部材(排インク
タンク)である排インクタンクである。排インクタンク
224は、228のチューブによりポンプ223と接続
されている。
【0046】225は、記録ヘッドの吐出口形成面のワ
イピングを行なうためのブレードであり、記録ヘッド側
に突出してキャリッジ移動の過程でワイピングを行なう
位置と吐出口形成面に係合しない後退位置とに移動可能
に支持されている。226はモータ、227は、モータ
226から動力の伝達を受けてポンプ223の駆動およ
びキャップ222やブレード225の移動をそれぞれ行
なわせるためのカム装置である。
【0047】図4は、これまで説明してきた構成による
記録装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
【0048】キャリッジ202のキャップ位置や移動位
置は、回復系ホームセンサ235やキャリッジホームセ
ンサ236の検出に基づいて知ることができる構成とな
っている。同図において1000は、あらかじめ設定さ
れたプログラム等の制御手順を実行して各部を制御する
MPU、1001は、その制御手段に対応したプログラ
ム等を格納したROMであり、1002は、制御手順実
行時におけるワークエリヤとして用いられるRAMであ
る。1003は、インク貯蔵部材224のインク貯蔵量
を算出するための、例えば吐出回復処理の作動回数計数
手段である。1004は、該吐出回復処理の作動回数
や、算出されたインク貯蔵量等の計数結果を書き換え可
能に保持するEEPROMであって、記録装置の電源が
offされた状態であっても各データの保持が可能であ
る。1005、1006は、記録装置の操作者が、上記
吐出回復処理の実行、上記回復系ユニットの吸引ポンプ
223や、キャップ222の動作を指示可能な入力手段
である。
【0049】本実施例において先ず、黒色用記録ヘッド
カートリッジ201を装着している際のインク貯蔵部材
(排インクタンク)224のインク貯蔵量の計数方法に
ついて説明する。
【0050】上記記録ヘッドが装着されている場合、上
記インク貯蔵部材へ導かれるインクは、記録ヘッドの吐
出回復処理によりインク受部材であるキャップ222へ
排出されたインクであり、該貯蔵部材へ接続されている
インク排出手段(吸引ポンプ)223の吸引動作により
行なわれる。従ってインク貯蔵部材へ導かれるインク
は、吐出回復処理である強制吸引と予備吐出によるもの
である。
【0051】図5に従って、インク貯蔵量を計数する方
法を説明する。
【0052】インク貯蔵部へのインクは、上述の様に吐
出回復処理に基づくため、記録装置の操作者による指示
や所定時間間隔ごとに実行される吐出回復処理の実施回
数を、計数手段1003により強制吸引の回数N1と予
備吐出の回数N2とに分けて各々計数するものである。
【0053】計数が開始されると、計数手段であるカウ
ンターにおける上述した回数N1およびN2をそれぞれ
0にセットする(ステップS1)。次に、強制吸引が行
われたかを確認し(ステップS2)、強制吸引が行われ
ている場合には、計数手段のN1に1を加えた後に(ス
テップS3)、予備吐出が行われたかの確認を行う(ス
テップS4)。ステップS3にて強制吸引が行われてい
ないことが確認された場合には、ステップS3での計数
手段のN1に1を加える動作を行うことなくステップS
4に移行する。ステップS4にて予備吐出が行われたこ
とが確認された場合には、計数手段のN2に1を加えた
後に(ステップS5)、N1,N2の現在の値を保持手
段1004に保持させて(ステップS6)終了する。ま
た、ステップS4にて予備吐出が行われていないことが
確認された場合には、ステップS5での計数手段のN2
に1を加える動作を行うことなくステップS6に移行し
て終了する。
【0054】保持手段1004の例としては、電気的消
去書込みが可能なEEPROM等を用い、記録装置の電
源がoffされた状態でも上記計数されたデータを保持
可能にしている。上記計数手段による計数は、記録装置
の工場出荷時に例えば「0」にセットされており、その
後操作者による使用開始時から強制吸引や予備吐出が実
施される度に計数され、計数結果をEEPROM100
4に保持する。該EEPROMには、吐出回復処置実施
ごとに実施回数が加算されていくため、EEPROM上
のデータは、それまでの総実施回数を示している。従っ
て該総実施回数を計数する事により後述の計算式により
インク貯蔵量を計数する事ができる。
【0055】またEEPOM上にデータの保持が行なわ
れているため、記録装置等の電源がoffされた状態で
も、これら吐出回復処理の総実施回数が保持される。
【0056】例えば1回の強制吸引による記録ヘッド2
01からのインク排出量は、0.1gである。予備吐出
は、記録ヘッドの1ノズルについて100発の吐出を行
ない、インク滴1発あたり80ngの吐出量があり、こ
れを64ノズルについて実施しているとすると、1回の
予備吐出によるインク排出量は約0.5mgである。一
方インク貯蔵部材(排インクタンク)224において、
インク漏れを生じないインク貯蔵量は、例えば60gで
ある。
【0057】さらに該インク貯蔵部材は、その一部を通
気性を有する布等で構成され貯蔵されたインクが大気中
へ蒸発可能となっている。貯蔵されたインクの蒸発量
は、蒸発がしにくい高温高湿環境、例えば温度35℃、
湿度85%の環境下に充分長い時間、即ち、インクが充
分蒸発して安定状態となるまでの時間置いたところ40
%であった。
【0058】本発明が適用されるインクジェット記録装
置の使用方法としては、長時間の使用に対処するもので
ある。また、ヘッド回復動作や強制吸引動作時に貯蔵さ
れるインクの量はインク貯蔵部の量に対して極めて少な
いものであるため、インクは常に蒸発がなされているも
のして考えている、従って本実施例のインク貯蔵部材の
インク貯蔵可能量は、高温高湿環境でのインク蒸発量を
考慮し、60/0.4=150gとした。蒸発量の算出
方法の他の方法としては、単位時間当りの蒸発量を求め
ておき、使用状況の履歴に応じて貯蔵量を求める方法が
考えられる。この場合には、製造コストが上昇するもの
の、現在の貯蔵量をより正確に求めることができる。
【0059】従って、強制吸引の総実施回数をN1、予
備吐出総実施回数をN2とすると、インク漏れを起こさ
ずに貯蔵可能なインク量は、 0.1g×N1十0.5mg×N2<150g・・・・・・(1) を満たす吐出回復処理の各総実施回数N1、N2により
算出される。
【0060】上式において、検知された貯蔵量が例えば
149.9gであった場合、次の吐出回復処理が予備吐
出であれば上式を満たすが、強制吸引のときには、上限
に達してしまう。このため上限値を予め150より小さ
な、例えば145に設定する事も有効である。
【0061】この様にして該実施回数N1、N2を計数
し、全式が満たされなくなった場合に記録装置の操作者
に対し警告を報知手段1005により報知する。
【0062】次に、本実施例に係る記録ヘッドのキャリ
ッジの装着状態に応じて、貯蔵されたインクを算出する
ための計数値を補正する事により、インク貯蔵量の算出
を行なう場合について説明する。
【0063】先ず記録ヘッド201の装着/未装着状態
を認識する方法について説明する。図6は、記録ヘッド
201の装着/未装着状態をMPU1000に認識させ
る為の制御構成の一例を示す。記録ヘッド201には、
接続確認信号線201が内蔵されており、その一端は、
FPC206を介して本体制御部のグランドに接続さ
れ、他端は図中PのMPUが1、0を認識することがで
きる入力ポートと、抵抗Rの一端に接続されている。ま
た抵抗Rの他端は電源に接続されている。上記構成例で
は、MPU1000が入力ポートの値を「1」と認識し
た場合には、記録ヘッド201がキャリッジ上に装着さ
れていない状態と認識し、「0」と認識した場合には、
記録ヘッド201が装着されている状態と認識する。
【0064】通常、記録装置の操作者は、記録を行なう
以外の場合にも記録ヘッド201をキャリッジ202に
装着した状態で操作すると考えられるが、記録ヘッドの
インクが全て消耗された時や、記録ヘッドに吐出不良状
態等の不具合によりキャリッジから離脱されている場合
がある。
【0065】上記自動吐出回復処理が実施される場合等
に、上記記録ヘッド201が装着されていれば、前述の
インク貯蔵部材のインク貯蔵量検知は問題なく行なわれ
るが、記録ヘッドが未装着の場合には、吐出回復処理が
実施されてもインクの排出は行なわれず、インク貯蔵部
材へのインクの流入は行なわれない。従って、インク貯
蔵量の検知に関して誤差が発生し、結果的にはインク貯
蔵部材の貯蔵量にかなりの余裕があるにも関わらず警告
を報知する事になる。
【0066】更に、上述の様なインクの排出が行なわれ
ない状態でのインク排出手段の動作は、同一の記録装置
においてカラー用記録ヘッドを用いる場合に混色を防止
するために、操作者等により記録ヘッドからのインク排
出が可能でない状態で行なわれるインク排出手段の実行
に関しても同様である。
【0067】図7に上記の問題点の改善を行なった制御
例を示した。
【0068】計数が開始されると、計数手段であるカウ
ンターにおける上述した回数N1およびN2をそれぞれ
0にセットする(ステップS7)。次に、吐出回復処理
を行うかを確認し(ステップS8)、行わない場合に
は、終了とする。吐出回復処理を行う場合には、ヘッド
が装着されているかを確認する(ステップS9)。ステ
ップS9にてヘッドが装着されていないことが確認され
ると、計数手段への書き込みを行うことなく強制吸引お
よび予備吐出を実施して(ステップS11,S12)終
了する。ステップS9にてヘッドが装着されていること
が確認されると、強制吸引を実施後(ステップS1
3)、計数手段のN1に1を加え(ステップS14)、
続いて、予備吐出を実施後(ステップS15)、計数手
段のN2に1を加え(ステップS16)、さらに、N
1,N2の現在の値を保持手段1004に保持させて
(ステップS17)終了する。
【0069】上記のように、吐出回復処理が実行される
直前に記録ヘッドのキャリッジ上への装着状態を検知す
るため図5で説明した様な制御に従い検知を実施し(S
9)。検知の結果、記録ヘッドの装着が認識されれば、
吐出回復処理を実施し(S13、S15)、強制吸引回
数と予備吐出回数を計数し(S14、S16)、その後
計数結果を保持手段であるEEPROMに書き換え保持
する。該EEPROMには、吐出回復処置実施ごとに実
施回数が加算されていくため、EEPROM上のデータ
は、それまでの総実施回数が示される。
【0070】従って、該保持された吐出回復処理の総回
数により前述の計算式に基づいて、排出されインク貯蔵
部材に貯蔵されたインクを計数し求めることができる。
【0071】また、記録ヘッドが未装着と認識された場
合、吐出回復処理を実施してもインクが排出されないた
め、即ちインクの排出が可能でない状態でインク排出手
段の(吸引ポンプ及び予備吐出)の作動が行なわれるた
め、吐出回復処理の強制吸引回数と予備吐出回数は計数
しない。
【0072】ここで、記録ヘッドの未装着が認識された
場合でも吐出回復処理を実施(S11、S12)するの
は、記録ヘッドの接続確認信号線201aが本体制御部
との接点との間のゴミや塵挨等の介在のため等接続され
ていない場合の事を考慮しているためである。
【0073】この様にして、記録ヘッドが装着/未装着
状態を検知し、未装着状態での吐出回復処理によるイン
クの排出を計数しないという補正を実施する事により、
正確なインク貯蔵部材へ貯蔵されたインクの総数を計数
する事ができ、即ち総インク貯蔵量を求めることができ
る。
【0074】また、本実施例では、吐出回復処理の直前
に記録ヘッドの装着検知を行なう為、吐出回復処理の実
行時の装着/未装着状態の認識を正確にできる。
【0075】更には、記録ヘッドが未装着状態であって
も吐出回復処理は実行されるため、記録ヘッドの接続確
認信号線と記録装置制御部との接続不良によりで未装着
と認識された場合でも記録ヘッドは、吐出可能状態に保
たれる。
【0076】本実施例では、警告を報知する時期とし
て、インク貯蔵部材におけるインク貯蔵量の上限値を用
いているが、次式の様に上限値以下の所定量Xを用い、
推測された貯蔵量を報知しても構わない。
【0077】 0.1g×N1十0.5mg×N2<Xg・・・・・・(2) 更には、インク貯蔵量の上限以下の範囲で、推測された
貯蔵量を随時報知してもよい。
【0078】(実施例2)次に本発明を、黒色記録ヘッ
ド201と同形態のカラー用記録ヘッド201Cを搭載
可能な記録装置において、上記記録ヘッドの交換を検知
し、交換が検知された場合、自動的に記録ヘッドからの
インク排出が可能でない状態でインク排出手段を作動さ
せる場合に本発明を適用した例について説明する。
【0079】不図示のカラー用記録ヘッド201Cは、
上記黒色用記録ヘッド201を用いる記録装置におい
て、カラー記録が所望される時に操作者により交換され
キャリッジ202に装着される。
【0080】カラー記録ヘッド201Cを装着した場合
でも、前述のキャップ222は、黒色用記録ヘッドが使
用された場合と同じものであるため、キャップに付着し
ている黒色インクがカラー記録ヘッドとの当接により移
行し、カラー記録に際し混色を生じる事がある。該混色
は、吐出回復処理により排出されたインクが完全にイン
ク貯蔵部材224へ導かれず、キャップ内等に多く残留
する場合に顕著である。
【0081】この為に、本実施例においては、キャップ
内等の残留インクを確実にインク貯蔵部材224へ導く
目的で、記録ヘッドの交換を検知し、該交換が検知され
た場合、キャップ222を記録ヘッドに当接させずに強
制吸引動作を実施する構成となっている。
【0082】記録ヘッド交換の検知は、一例として、未
装着状態の時間を測定することにより行われ、規定時
間、例えば5秒以上の未装着状態が検知された場合に、
カラー用記録ヘッドを含む他の記録ヘッドに交換される
と判断している。
【0083】記録ヘッド交換の検知結果に応じて、強制
吸引回数の計数を行ない該計数値を補正して貯蔵される
インクを計数し求める場合を図8aに基づいて説明す
る。
【0084】計数が開始されると、計数手段であるカウ
ンターにおける上述した回数N1およびN2をそれぞれ
0にセットする(ステップS18)。次に、ヘッドが装
着されているかを確認し(ステップS19)、装着され
ている場合には、強制吸引を実施して(ステップS2
0)終了とする。ヘッドが装着されていない場合には、
吐出吸引動作を行うかを確認し(ステップS21)、行
わないのであれば終了とする。吐出吸引を行う場合に
は、強制吸引を実施後(ステップS22)、計数手段の
N1に1を加え(ステップS23)、続いて、予備吐出
を実施後(ステップS24)、計数手段のN2に1を加
え(ステップS25)、さらに、N1,N2の現在の値
を保持手段1004に保持させて(ステップS26)終
了する。
【0085】上記の動作においては、記録ヘッドの交換
が検知される場合に、カラー印刷を行うとき混色が発生
することを防止するためにヘッド未装着状態で強制吸引
が実施され(S20)回数は計数しない。該吸引動作
は、記録ヘッドの未装着状態で行なわれるため、記録ヘ
ッドからのインク排出がされず、キャップ内に残留して
いるインクの排出が行なわれる。キャップ内にインクが
残留している場合、該残留インクの量は無視できる程度
である事や、残留している場合と残留していない場合と
が混在するためこの時排出されるインクは計数していな
い。
【0086】記録ヘッド交換が予測されず吐出回復処理
が行なわれる場合には、通常の記録ヘッド装着状態での
吐出回復処理と判断し、強制吸引と予備吐出とを実施し
(S22、S24)、回数を計数する(S23、S2
5)。このとき回数の計数結果をEEPROM上にそれ
までの計数結果データを書き換え保持する(S26)。
【0087】この様にして実施例1と同様、インクの排
出が可能でない状態でインク排出手段の作動が行なわれ
る場合に、貯蔵されるインクを計数する計数値を補正す
る事により正確なインク貯蔵量の算出ができる。さらに
本実施例では、カラー用記録ヘッドへの交換を検知し
て、該記録ヘッドによる記録動作以前にキャップ内のイ
ンクの排出を行なうためカラー印刷時の混色を最小限に
防止することができる。
【0088】上記説明において、強制吸引の実施は、記
録ヘッドが未装着状態で実行されるが、例えば所定以上
の記録ヘッド未装着時間が検出された場合に、キャップ
222を記録ヘッドと当接しない位置に後退等させ、そ
の後記録ヘッドの装着が検知された場合に強制吸引を実
施させる構成でも適用できる。更には、所定以上の記録
ヘッド未装着時間が検出された場合に、キャップ222
を同様に後退させておき、その後記録ヘッドの装着が検
知された場合に強制吸引を実施させる構成でも適用でき
る。
【0089】又、上記記録ヘッドからのインク排出が可
能でない状態でインク排出動作を行なう場合キャップ内
のインク排出量が無視できない場合には、図8aにおけ
るS20の後に図8bに示す様に重みαを付けて強制吸
引の回数を計数する事によって該キャップから排出され
るインクをも計数し行なう事もできる。
【0090】更には、記録ヘッドの交換が予知された場
合に、強制吸引動作のみを実施したが、一連の予備吐出
を含む吐出回復処理の実施シーケンスで代用しても構わ
ない。 これらの動作の選択は使用される装置の大きさ
や使用インクの種類に応じて適宜選択してよい。
【0091】(実施例3)次に、同一の形態の記録ヘッ
ドでありながら種類の異なった記録ヘッドが、同一の記
録装置に搭載される場合に、本発明を適用する場合につ
いて説明する。
【0092】本実施例における種類の異なるヘッドと
は、特にインクの排出に係る特性が異なる場合であっ
て、例えば、インクの液滴の大きさが異なる記録ヘッド
や、同じ大きさの液滴であっても吐出口の数等が異なり
同一の予備吐出を実施した場合でもインクの排出量が異
なる場合や、或はインクタンク側の負荷やインク流路抵
抗、インク粘度等が異なるために強制吸引時のインク排
出量が異なる場合等であるこれら特性の異なるヘッドが
使用される場合には、吐出回復処理により排出されるイ
ンク量が変化するため先の実施例で説明した計算式をそ
のままで適用する事は適当でない。そこで本実施例で
は、異なる記録ヘッドの認識が可能な様に記録ヘッドに
図9に示す様な判別信号線121a,121b,121
c,121dを設け、特性の異なる記録ヘッドごとに一
回の吐出回復処理によるインク排出量を求めておき前述
の計算と同様に次式の如くして求める構成としている。
【0093】A1g×N1十A2g×N2・・・・・・(3) ここで、A1、A2は実施例1にて説明した記録ヘッド
と異なる記録ヘッドにおけるそれぞれ強制吸引時のイン
ク排出量と予備吐出時のインク排出量であり、N1、N
2は、それぞれ強制吸引総実施回数と予備吐出総実施回
数である。
【0094】図9(a)は、配線基板120と記録ヘッ
ドのFPC206との接合部を示す図であり、パッド1
21に設けられる判別信号線121a〜121dは、F
PC206との電気的接点部である。
【0095】図9(a)は、記録ヘッド種類を判別する
際の基本形であり、FPC206を通じて各判別信号線
の一端は抵抗を介して電源に接続されるとともにMPU
1000の入力ポートP1、P2、P3、P4にそれぞ
れ接続され、さらに共通に接地されている。この場合、
記録ヘッドの判別信号は、121aから順に0、0、
0、0となる(ここで0は、GNDレベルを示す)。
【0096】図9(b)は基本形の記録ヘッドと特性の
異なった記録ヘッドの場合を示しており、判別信号線1
21aの接地パターンのみが切断されている。この場
合、判別信号は1、0、0、0(ここで1は、十5Vレ
ベルを示す。)となる。
【0097】この様にして記録ヘッドの種類の判別が行
なわれる場合に本発明を適用した場合について図10に
基づいて説明する。
【0098】本実施例において、記録ヘッドは、種類1
と、種類2の2種類の記録ヘッドが用いられる。種類1
の記録ヘッドと種類2の記録ヘッドとは、例えばインク
の粘度が種類2の方が種類1に比較して低く、表1に示
すように同一の強制吸引動作や予備吐出によって排出さ
れるインク量が異なっている。
【0099】
【表1】 計数が開始されると、計数手段であるカウンターにおけ
る上述した回数N1およびN2をそれぞれ0にセットす
る(ステップS27)。次に、吐出回復処理を行うか、
ヘッドが装着されているか、ヘッドの種類等をそれぞれ
確認する(ステップS28〜S30)。
【0100】上記の各ステップにて吐出回復処理を行わ
ないことが確認された場合には終了とし、吐出回復処理
を行うとともにヘッドが装着されていないことが確認さ
れた場合には吐出回復処理を実行した後に(ステップS
29)終了とする。
【0101】ヘッドが装着されていて、種類が確認され
た場合には、吐出回復処理実行後(ステップS31,S
35)、計数手段にN1=1,N2=1をそれぞれセッ
トし(ステップS32、33,S36、S37)ヘッド
の種類に応じたインク排出量をテーブルを参照して求め
る(ステップS34,38)。
【0102】ここで、各種類毎のインク排出量kを
(3)式により求め(ステップS40)、。EEPRO
Mに保存されているこれまでのインク排出量Kを読出し
(ステップS41)、該読み出したKにkを加算してE
EPROMに書き込んで(ステップS42)終了する。
【0103】以上説明したように、本実施例において
は、吐出回復処理の実行が指示されると、まず、記録ヘ
ッドの種類を上述した判別信号線により判別する(S3
0)。記録ヘッドの種類判別後、吐出回復処理を実行し
(S31、S35)、吐出回復処理による強制吸引の回
数N1と、予備吐出の回数N2を計数する(S32、S
33、S36、S37)。次に上記吐出回復処理により
排出されるインクを計数するため、一回の吐出回復処理
により排出されるインク量を表1の様に記録ヘッドの種
類ごとに定められたテーブルを参照し、各記録ヘッドに
対応したインク排出量A1,A2を求める(S34、S
38)。こうして求めた記録ヘッドの種類と強制吸引の
回数N1と予備吐出の回数N2と記録ヘッドの種類に応
じた一回あたりの吐出回復処理によるインク排出量A
1,A2とにより今回の吐出回復処理によるインク排出
量kが前式によりS40において求められる。
【0104】ここで求められたインク排出量kと、それ
までの吐出回復処理により排出されインク貯蔵部材に蓄
えられたインクの計数結果Kとを、加算し(S41)該
加算結果をEEPROM1OO4に書込み保持する(S
42)。ここで該インクの計数結果Kは、それまでにイ
ンク貯蔵部材に貯蔵されたインク量Kと今回の吐出回復
処理によるインク排出量kとを加算し求めているため、
今回のインク排出量を含めた貯蔵されたインクの総量を
計数している事になる。本説明において吐出回復処理が
初めて実施された場合には、上記EEPROMに保持さ
れているインクの計数結果Kは、「0」であり、従って
K=kとして保持される。
【0105】この様にして、記録ヘッドの種類が異なり
吐出回復処理によるインクの排出量が変化する場合で
も、吐出回復処理の度に記録ヘッド種類を判別し、記録
ヘッドの種類に応じてインク排出量を補正し求め、前回
までのインク計数結果と加算しデータの保持手段に保持
する事で、種類の異なる記録ヘッドが交換されながら使
用されても、正確にインク貯蔵部材に貯蔵されるインク
の総数を計数し貯蔵されたインクの総数を求める事がこ
とができる。
【0106】従って前述のカラー用記録ヘッドにおいて
インクの排出の特性が例えば各色ごとに異なる場合等好
適に適用できる効果がある。
【0107】また、更に記録ヘッドの種類が異なり、更
にS29及びS39に示した様に記録ヘッドが未装着の
場合にはインクの排出が行なわれないため排出インクの
計数を実施しない様に構成する等して、本実施例をこれ
まで説明した実施例と組み合わせ適用する事もできる。
【0108】(実施例4)次に、実施例3と同様に種類
の異なった記録ヘッドが同一の記録装置において用いら
れる場合、記録ヘッドの種類に応じて、上記吐出回復処
理の動作を変え、該変えられた吐出回復処理に応じて、
インクの排出量を求め、インク貯蔵部材へ貯蔵されたイ
ンクを計数する場合について説明する。
【0109】本実施例において、記録ヘッドは、種類1
と、種類2の2種類の記録ヘッドが用いられる。種類1
の記録ヘッドと種類2の記録ヘッドとは、例えば図2に
示した溝付天板140とヒーターボード110とで形成
される共通液室の大きさと図2に示した161のインク
供給管の径等が異なり、種類2のほうが種類1に比較し
大きく構成されている。インク吐出量については、両ヘ
ッド共に同じ吐出量が得られる構成となっている。
【0110】上記吐出回復処理による強制吸引動作は、
インク吐出に不適当な増粘したインクや、吐出口や吐出
口近傍のインク流路、及びインク液室内の気泡を取り除
く事により、吐出に良好な状態を再現もしくは維持する
のが主な目的である。更には、吐出口でのメニスカスが
破壊されたり、インク経路の気泡が成長する等して、イ
ンク供給が中断された場合に、インクタンク等のインク
供給部材からインクを吐出口まで導き、インク供給を再
開させる事も大きな目的である。これら目的の実現のた
めに、本実施例では、1回の強制吸引により排出される
インク量は、上記インク供給管161から吐出口までの
インク量とほぼ等しく構成されている。
【0111】従って、上記インク供給管以降の容積が大
きい種類2の記録ヘッドでは、種類1に比較して、一回
の強制吸引によるインク排出量を多くする事が適切であ
る。
【0112】そのため本実施例では、記録ヘッドの種類
を判別し、判別された種類に応じて図11に示した様な
強制吸引動作を実施している。図11は、強制吸引を実
現する吸引ポンプ223の動作を説明した図であり、図
11(a)は、吸引動作が実施されていない状態を示
し、図11(b)は矢印Aの方向にピストン223aを
動作させインクの排出を行なう、種類1の記録ヘッドに
対応した強制吸引動作であり、図11(c)は種類2の
記録ヘッドに対する強制吸引動作を示している。
【0113】又、図11(d)はインクの吸引実施後に
吸引ポンプ内のインクを排出する状態を示しており、ピ
ストン223を矢印B方向に動作する過程でバルブ22
3bが開きポンプ内のインクが排出される。ここで種類
2の記録ヘッドに対応する強制吸引を実施する場合には
図11(c)のように更に下がった位置までピストンを
動作させる事で図11(b)の種類1の記録ヘッドの場
合よりも多くのインクの排出を可能にし、上述した強制
吸引の目的を達成している。
【0114】この様に記録ヘッドの種類に応じて、強制
吸引動作を変えて最適な吐出回復処理を行なう場合に、
本発明を適用し、インク貯蔵部材へ蓄えられるインクを
計数し算出する場合、図10においてS31、S35に
示した吐出回復処理の実行を図11に示した各記録ヘッ
ドに対応した吐出回復処理によりを実行し、更に表1に
示したのと同様に各記録ヘッドに対応したインク排出量
を求めてテーブルを設定すれば、前述の実施例3と同様
の制御が適用でき、インク貯蔵部材に貯蔵されたインク
を計数する事ができる。
【0115】この様にして、記録ヘッドの種類が異な
り、各記録ヘッドに応じた吐出回復処理等の動作が変化
し、インク排出量が変化しても、該インク排出量を各記
録ヘッドごとに補正し計数する事により、インク貯蔵部
材に貯蔵されるインクの総数を計数し求める事がことが
できる。
【0116】又、本実施例において、吐出回復処理によ
り更に多くのインクの排出が所望される等の場合に、一
連の吐出回復処理において上記強制吸引の回数をふやし
対応する事が考えられ、この様な場合には、図10のS
32、S36に記載の強制吸引の回数N1に2以上をセ
ットする事で適用もできる。
【0117】(参考例1) 次に、本発明によるインク貯蔵量の算出をより正確な検
知方法にするため環境温度に応じてインクの計数を補正
する場合について説明する。
【0118】これまでも説明した様にインク貯蔵部材に
導かれるインクは、吐出回復処理により排出されるイン
クである。一方、同一の記録ヘッドであってもインクの
粘度等が変化してインクの排出量が変化する場合があ
る。
【0119】同一の記録ヘッドにおいてインク排出量が
最も変化し易い例として、環境温度の変化を挙げる事が
できる。図12に環境温度変化に応じた吐出されるイン
クの吐出量の変化を示した。ここで吐出量とは、例えば
一つの吐出口より吐出される一つのインク滴重量の平均
値であって、環境温度10℃では約50ngであり、環
境温度30℃では、約90ngである。
【0120】そこで本参考例においては、吐出回復処理
が実施される度に、記録ヘッド周囲の環境温度を検出す
るための手段として図4に示した温度センサー113
と、環境温度ごとに吐出回復処理によるインク排出量を
定めた表2に示されるようなテーブルとを有し、上記温
度センサーにより検知された環境温度に従って、以下の
式に従いインク貯蔵量を計数する構成となっている。
【0121】この様子を図13に示した。また、図12
は、環境温度に対するインク排出量の一例を示す表であ
る。
【0122】
【表2】 k=B1g×N1十B2g×N2・・・・・・(4) ここで、B1、B2は図12にて示した環境温度ごとに
求められたそれぞれ強制吸引時のインク排出量と予備吐
出時のインク排出量であり、N1、N2は、それぞれ強
制吸引回数の計数結果と予備吐出回数の計数結果であ
る。
【0123】本参考例に係るインク貯蔵量を算出する流
れを図13のフローチャートを参照して説明する。
【0124】計数が開始されると、計数手段であるカウ
ンターにおける上述した回数N1およびN2をそれぞれ
0にセットする(ステップS42)。次に、吐出回復処
理を行うかを確認し(ステップS43)、行わない場合
には終了とする。吐出回復処理を行う場合には、これを
実行後(ステップS44)、計数手段にN1=1,N2
=1をそれぞれセットする(ステップS45)。続い
て、環境温度を検出し(ステップS46)、検出した環
境温度に応じたインク排出量をテーブルを参照して求め
る(ステップS47)。
【0125】ここで、各環境温度毎のインク排出量kを
(4)式により求め(ステップS4)8、。EEPRO
Mに保存されているこれまでのインク排出量Kを読出し
(ステップS49)、該読み出したKにkを加算して
(ステップS50)EEPROMに書き込んで(ステッ
プS51)終了する。
【0126】上記のように本参考例においては、インク
貯蔵量の計数のため先ず、吐出回復処理により実行され
た強制吸引と予備吐出の回数を求め(S45)、次に記
録ヘッドの温度を検出し(S46)、環境温度とインク
排出量の関係、即ち環境温度に応じて補正されたインク
排出量を示した図14のテーブルを参照しインク排出量
B1、B2を求め(S47)、この時のインク排出量k
を上式に従って算出(S48)する。 EEPROMに
は、それまでのインク排出量が加算される事により求め
られたインク貯蔵の計数結果Kが保持されており、該計
数結果Kを読み出し、今回の吐出回復処理によるインク
排出量kを加算して貯蔵されたインクの総計数結果Kを
算出する(S50)。該計数結果を再びEEPROMに
書き換え保持する(S51)。
【0127】このようにする構成する事で、吐出回復処
理の度に記録ヘッドの環境温度を検出し該温度に応じた
インク排出量を補正し計数する事で正確な排出されたイ
ンクの計数ができ、さらに、吐出回復処理の実施ごとに
該計数結果と、前回までのに計数されたインク排出量と
を加算し保持する構成としたことで、正確に貯蔵された
インクの総計数結果K、即ち総インク貯蔵量を計数する
事ができる。
【0128】本参考例の展開として、環境温度や記録ヘ
ッド温度により変化する記録ヘッドの吐出量に対し、該
吐出量の安定化を図るため吐出量制御を行なう記録装置
に適用する事も出来る。この場合図14に示した環境温
度に対するインク排出量のテーブルを、吐出量制御を行
なった場合の環境温度や記録ヘッド温度に対するインク
排出量を対応させ作成すればよい。又更には、吐出量制
御によりインク排出量が該温度に対して十分に安定的な
場合には、インク排出量が一定であるとしてインク貯蔵
量の計数を行なっても良い。
【0129】(参考例2)前述の参考例1では、環境温
度を検出する事により、上記インクの排出量の補正を行
ない貯蔵されたインクの計数を行なったが、上記記録手
段の温度を検出する手段を備え、該温度の検出結果に基
づいて補正を行なう構成も考えられる。
【0130】図14に該記録手段の温度を検出する検出
手段の一例として、記録ヘッドのインク吐出ヒーターの
ヒーターボード温度を検出する温度センサーの構成例を
示した。
【0131】図14は、図2に示したヒーターボード1
10の詳細図である。111は、吐出ヒーター列であ
り、オリフィスプレート141(図1参照)の吐出口に
続くノズルのそれぞれに対応して設けられている。この
吐出ヒーター列111に電圧を印加することにより、ノ
ズルのインクが熱エネルギーを得て、液滴となってオリ
フィスプレート141の吐出口から吐出し、記録が行わ
れる。112a、112bは、加熱ヒーターであり、ヒ
ーターボード110近傍を加熱することができる。 1
13a、113bは、吐出ヒーター111や加熱ヒータ
ー112と同様に半導体成膜技術により同時期に製造可
能な温度センサであり、吐出ヒーター列111近傍の温
度を検出することができる。また、斜線部は、溝付天板
140との接続部位置を示している。温度センサ113
は、例えばダイオードセンサで、温度1度につき、約
2.5mV出力値が変化する。
【0132】この様な温度センサを用いた場合も、参考
例2の如く該温度センサーの検出温度に応じて、排出さ
れるインク量を補正したテーブルを図14と同様に設け
更には、図13の制御例と同様にして適用する事ができ
る。
【0133】又本参考例では、記録ヘッドの吐出ヒ一タ
ーのヒーターボード温度を検出して行なったが、温度セ
ンサーを記録ヘッドへインクを供給するインク供給部材
に備え適用する事も考えられる。
【0134】(実施例5)先の実施例2や、実施例3に
おいて更に本発明の適用例を広めることができる実施例
2において、記録ヘッドの交換検知は、記録ヘッドが未
装着状態の時間を検出する事により行なった。
【0135】しかしながら記録ヘッドの交換の検知を、
操作者が入力手段1005や1006により記録ヘッド
の交換を指示し、該指示により行なう事も考えられる。
該入力手段1005や1006により、記録ヘッドの交
換が指示された場合に、記録ヘッドからのインク排出が
可能でない状態でインク排出手段の作動を行なう構成に
すれば適用できる。
【0136】実施例3においても同様な展開が考えら
れ、異なる記録ヘッドの認識を記録ヘッドの構成により
行なわずに、操作者による入力手段1005や、100
6への指示により行なう事が考えられる。
【0137】(参考例3)これまで説明した本発明の実
施例および参考例では、インク貯蔵部材へ流入するイン
クは、記録ヘッドのインク吐出口から排出されるインク
であった。本参考例においては、記録手段に記録ヘッド
と、記録ヘッドへインクを供給するインク供給部材を有
する記録装置において、該インク供給部材からもインク
の排出が行なわれる場合に本発明を適用した場合につい
て説明する。
【0138】図15にインク供給部材として第1のイン
クタンクであるインクパック310aと、第2のインク
タンクであるサブタンク304とを有した記録装置を示
した。300は、インクフィルタ300bや吐出口(ノ
ズル)300aを有する記録ヘッド、301は、上記吐
出回復処理や記録ヘッドを保護するためのキャップ、3
02は、キャップ301により記録ヘッドをキャッピン
グする際にキャップ内のエアーを吐出口に押し込まない
ための開閉可能なエアバルブである。記録ヘッド300
は、吐出口のメニスカスを安定的に保持するため液面が
一定に保たれるサブタンク304を介してインク供給チ
ューブ303により接続されている。サブタンク304
にはインクタンク310のインクバック310aにイン
ク残量センサ307とインク供給チューブ303を介し
て接続されインクの供給が行なわれる。キャップ301
は、吸引チューブ305により吸引ポンプ306に接続
されている。
【0139】吐出回復処理の実行により吸引ポンプ30
6が吸引力を発生すると、インクは、図中矢印Bのよう
な経路をたどり廃インク吸収体310bに導かれる。該
廃インク吸収体310bへは、記録ヘッド300の吐出
口(ノズル)300aからのインクと上記サブタンク3
04からのインクが導かれる。サブタンクと廃インク吸
収体とは、廃インクセンサ311を介しサブタンク吸引
チューブ309により接続されている。該サブタンク3
04からは、図中矢印Cに示した様に空気も同時に吸引
し、急激な減圧状態を作りインクパック310aからの
インク供給を速やかに行っている。インク供給の経路を
矢印Aで示した。
【0140】従ってこの様な構成の場合、インク貯蔵部
材である廃インク吸収体310bへのインクには、記録
ヘッドからのインクに加え第2のインクタンクであるサ
ブタンクからもインクの排出が行なわれる。
【0141】上記構成の記録装置において、インク貯蔵
量の算出をするには、吐出回復処理の強制吸引により排
出されるインク量として廃インクセンサ311により検
知されるサブタンクからの排出量C2を記録ヘッドから
の排出量C1に次式の様に加算し、強制吸引の総実施回
数N1と積算し、吐出回復処理時の予備吐出による記録
ヘッドからのインク排出量も考慮し行なえばよい。上記
廃インクセンサは、圧力センサや、重量センサ等であっ
て該サブタンクからのインクの排出が認められる場合の
み計数される。
【0142】 (C1+C2)×N1十C3×N2・・・・・・(5) ここでC3は、一回の予備吐出により排出されるインク
量であり、N2は、予備吐出の総実施回数である。
【0143】この様にしてサブタンクの様な第2のイン
クタンクを備えた記録装置においても、該インクタンク
から排出されるイング量を考慮し補正する求める事で、
排出されたインクを貯蔵する廃インクタンクに貯蔵され
たインクの計数ができる。
【0144】又該構成の記録装置において記録ヘッドや
インクタンクが各々交換可能に構成され、特性の異なっ
た記録ヘッドや、カラー用の記録ヘッド等が搭載される
場合には、本発明の先の実施例1、実施例2、実施例
3、実施例4と組み合わせることにより正確なインク貯
蔵量検知が出来る。更には、参考例1や参考例2に説明
した各インク排出量の環境温度による補正を行なった検
知方法や、操作者の指示に基づいて行なう貯蔵されたイ
ンクの計数方法とも組み合わせて適用できる。本発明
は、特にインクジェット記録方式の中でも熱エネルギー
を利用して飛翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェ
ット方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果を
もたらすものである。
【0145】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0146】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0147】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0148】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0149】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0150】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0151】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モード
を行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0152】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個を組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0153】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0154】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としてもよい。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0155】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けら
れるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さら
には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採る
ものであっても良い。
【0156】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、イ
ンク排出量の異なる記録ヘッドの種類に応じてインク貯
蔵部のインク貯蔵量検知を行なうため正確な検知が出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットカートリッジの概
略斜視図である。
【図2】本発明に係るインクジェットカートリッジの一
例の分解斜視図である。
【図3】本発明に係るインクジェット記録装置の概略斜
視図である。
【図4】本発明に係るインクジェット記録装置のブロッ
ク図である。
【図5】実施例1に係る貯蔵されたインクの計数方法の
説明図である。
【図6】実施例1に係るインクジェットカートリッジの
装着状態検知の説明図である
【図7】実施例2に係る貯蔵されたインクの計数方法の
説明図である。
【図8】(a)は実施例2に係る貯蔵されたインクの計
数方法の説明図、(b)は、実施例2に係り発展させた
貯蔵されたインクの計数方法の説明図である。
【図9】実施例3に係る特性の異なった記録ヘッドを含
むインクジェットカートリッジの種類を判別するための
検知手段の説明図である。
【図10】実施例3に係る貯蔵されたインクの計数方法
の説明図である。
【図11】実施例3に係る種類の異なる記録ヘッドに対
応したインク排出手段の動作の説明図である。
【図12】参考例1に係る環境温度とインク吐出量の関
係概念図である。
【図13】参考例1に係る貯蔵されたインクの計数方法
の説明図である。
【図14】参考例2に係る記録ヘッドの温度検出手段で
ある温度センサーの説明図である。
【図15】参考例3に係る第2のインクタンクであるサ
ブタンクを備えたインクジェット記録装置の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 インクタンク 3 ヘッドカートリッジ 100 インクタンク 101 インク供給穴 110 ヒーターボード 111 吐出ヒーター列 112a 加熱ヒーター 112b 加熱ヒーター 113a 温度センサ 113b 温度センサ 120 配線基板 121 パッド 121a,121b,121c,121d 記録ヘッ
ド判別信号線 130 ベースプレート 131 穴 140 溝付天板 141 オリフィスプレート 142 インク受け口 150 押えばね 160 インク供給部材 161 インク供給管 162 インク導管 201 ヘッドカートリッジ 201a 記録ヘッドに備えられた接続信号線 201C カラー用ヘッドカートリッジ 202 キャリッジ 203 フック 204 レバー 205 支持板 206 FPC 207 ガイド軸 208 軸受け 209 タイミングベルト 210A プーリ 210B プーリ 211 キャリッジモータ 212 搬送ローラ 212A 213 搬送モータ 214 ペーパーパン 215 ピンチローラ 216 プラテン 217 排紙ローラ 218 拍車 219 解除レバー 220 左右プレート 221 前面部 222 キャップ 223 吸引ポンプ 224 廃インクタンク 225 ブレード 226 モータ 227 カム装置 228 チューブ 233 吸引ポンプ 233a ピストン 233b バルブ 235 回復系ホームセンサ 236 キャリッジホームセンサ 300 記録ヘッド 300a ノズル 300b インクフィルタ 301 ヘッドキャップ 302 エアバルブ 303 インク供給チューブ 304 サブタンク 305 吸引チューブ 306 ポンプ 306a ピストン 307 インクセンサ 308 廃インクチューブ 309 サブタンクインクチューブ 310 インクタンク 310a インクパック 310b 廃インク吸収体 311 廃インクセンサ 304 第2のインクタンクであるサブタンク 311 廃インクセンサ 1000 MPU 1001 ROM 1002 RAM 1003 吐出回復処理の実施回数計数手段 1004 EEPROM 1005 報知手段 1006 キーボード S1〜S51 ステップ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一条件の吐出回復処理の実行により排
    されるインク量がそれぞれ異なる複数種類のインクジ
    ェット記録ヘッドを選択的に搭載可能なキャリッジを有
    し、前記キャリッジに搭載された前記インクジェット記
    録ヘッドを用いて被記録材に記録を行うインクジェット
    記録装置であって、 前記キャリッジに搭載されたインクジェット記録ヘッド
    から、吐出回復処理の際に排出されたインクを貯蔵する
    排インク貯蔵手段と、前記 吐出回復処理の回数を計数する計数手段と、 前記キャリッジに搭載されたインクジェット記録ヘッド
    の種類を判別する判別手段と、同一条件の前記 吐出回復処理の実行により排出される
    ンク量を、前記インクジェット記録ヘッドの種類に対応
    させて記憶する記憶手段と、 前記判別手段により判別された前記インクジェット記録
    ヘッドの種類と、前記記憶手段に記憶されるインク量
    と、前記計数手段により計数された吐出回復処理
    と、に基づいて、前記キャリッジに搭載されたインクジ
    ェット記録ヘッドから実際に排出されたと見なされるイ
    ンク量を算出する算出手段と、 を有し、 前記算出手段により算出した結果に基づいて前記排イン
    ク貯蔵手段に貯蔵されるインク量を求めることを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記吐出回復処理には、それぞれ1回ご
    との排出されるインク量の異なる強制吸引回復処理と予
    備吐出回復処理とがあり、前記記憶手段には、前記複数
    のインクジェット記録ヘッドの種類ごとに、予め求めら
    れている前記強制吸引回復処理において排出されるイン
    ク量と前記予備吐出回復処理において排出されるインク
    が記憶されており、前記計数手段は、前記強制吸引
    回復処理の回数と前記予備吐出回復処理の回数とを計数
    することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録装置。
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