JP3479732B2 - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JP3479732B2 JP30979694A JP30979694A JP3479732B2 JP 3479732 B2 JP3479732 B2 JP 3479732B2 JP 30979694 A JP30979694 A JP 30979694A JP 30979694 A JP30979694 A JP 30979694A JP 3479732 B2 JP3479732 B2 JP 3479732B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両の懸架
装置に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関するもの
である。 【0002】 【従来の技術】自動車等の車両の懸架装置に装着される
油圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心
地や操縦安定性をよくするために減衰力を適宜調整でき
るようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。 【0003】従来の減衰力調整式油圧緩衝器の一例につ
いて図3を用いて説明する。 【0004】図3に示すように、減衰力調整式油圧緩衝
器1は、シリンダ2の外側に外筒3を設けて、これらの
間にリザーバ室4を形成した二重筒構造となっている。
シリンダ2内には、ピストン5が摺動可能に嵌装されて
シリンダ上下室2a,2bが形成されており、ピストン5に
はピストンロッド6が連結されている。シリンダ2の底
部には、シリンダ下室2bとリザーバ室4とを画成するベ
ースバルブ7が設けられており、シリンダ2の側部には
減衰力調整機構8が設けられている。そして、シリンダ
2内には油液が封入されており、リザーバ室4内には油
液およびガスが封入されている。 【0005】シリンダ上下室2a,2b間は、ピストン5に
設けられた減衰力発生機構(オリフィス、ディスクバル
ブ等)を有する連通路9によって連通されている。シリ
ンダ下室2bとリザーバとの間は、ベースバルブ7によっ
て適度な流通抵抗をもって連通されている。また、シリ
ンダ上室2aは、リザーバ室4内に挿入された管路10によ
って減衰力調整機構8に接続され、この減衰力調整機構
8を介してリザーバ室4に連通されている。 【0006】減衰力調整機構8は、外部からダイヤル11
を操作してシャッタ12を回転させることにより、シリン
ダ上室2aとリザーバ室4との連通路面積(オリフィス面
積)を調整できるようになっている。 【0007】この構成により、ピストンロッド6の伸縮
にともなうピストン5の移動によって生じる連通路9内
の油液の流動を減衰力調整機構によって制御して減衰力
を発生させるともに、シリンダ上室2aから管路10を通っ
てリザーバ室4へ流れる油液の流通抵抗を減衰力調整弁
8によって変化させて減衰力を適宜調整することができ
る。 【0008】また、減衰力調整機構8が油圧緩衝器本体
の側部に設けられているので、ピストン5の移動範囲の
制約が少なく、ピストンロッド6の伸縮ストロークを長
くとることができる。 【0009】上記のように減衰力調整機構を油圧緩衝器
本体の側部に配置した減衰力調整式油圧緩衝器におい
て、減衰力調整弁にディスクバルブを組合せて、バルブ
特性の減衰力特性を調整可能としたものが、ドイツ連邦
共和国特許35 35 287 号公開公報に記載されている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の減衰力調整式油圧緩衝器では、減衰力調整機構の個
々の構成部品を油圧緩衝器本体に組付ける必要があり、
組立工程が煩雑となるため、組立作業性が悪いという問
題がある。特に、減衰力調整弁にディスクバルブを組合
せたドイツ連邦共和国公開特許の場合、減衰力調整弁と
ディスクバルブとが別々に油圧緩衝器本体に組付けられ
るようになっているので、組付けのための部品点数が多
くなり、また、自動組付けを図る場合には、油圧緩衝器
本体にディスクバルブ、減衰力調整弁の順に組付けなけ
ればならず、ディスクバルブのセンタリングをいかに行
うか等の組立作業性の悪化が問題となる。 【0011】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、減衰力調整弁とディスクバルブとを備えた減衰
力調整機構を油圧緩衝器本体の側部に配置し、かつ、組
立作業性に優れた減衰力調整式油圧緩衝器を提供するこ
とを目的とする。 【0012】 上記の課題を解決するために、本発明
は、外筒と、油液が封入され前記外筒内に設けられたシ
リンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピスト
ンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリン
ダの外部まで延ばされたピストンロッドと、前記シリン
ダ内の室に連通され前記ピストンの摺動によって油液を
流通させる油液通路と、前記外筒の側部に設けられて該
油液通路の通路面積を調整する減衰力調整機構とを備え
てなる減衰力調整式油圧緩衝器において、前記減衰力調
整機構は、前記油液通路の油液の流動を制御するディス
クバルブを取付けたバルブ部材と、前記油液通路の通路
面積を調整する弁体とをケース内に組込んで一体とした
組立体とし、前記外筒の側部に一端が取付けられ他端部
にアクチュエータが取付けられる筒状の収容部材を前記
外筒に取付け、前記収容部材の内部に前記組立体を挿
入、嵌合して、前記ケースに設けられた入口と、前記油
液通路に設けられた接続口とを嵌合させ、前記収容部材
と前記ケースとの間に前記油液通路に連通する通路を形
成したことを特徴とする。 【0013】 【作用】このように構成したことにより、減衰力調整式
油圧緩衝器の組立ては、ディスクバルブを取付けたバル
ブ部材および弁体をケースに組込んで一体とし、サブア
センブリ化した減衰力調整機構を、外筒の側部の収容部
材に嵌合して、ケースに設けられた入口と、油液通路に
設けられた接続口とを嵌合させるように行い、収容部材
とケースとの間に油液通路に連通する通路を形成する。 【0014】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。 【0015】図1および図2に示すように、減衰力調整
式油圧緩衝器13は、シリンダ14の外側に内筒15が設けら
れ、さらに、内筒15の外側に外筒16が設けられた三重筒
構造になっており、シリンダ14と内筒15との間に環状通
路17(油液通路)が形成され、内筒15と外筒16との間に
リザーバ室18が形成されている。 【0016】シリンダ14内には、ピストン19が摺動可能
に嵌装されており、このピストン19によってシリンダ14
内がシリンダ上室14a とシリンダ下室14b との2室に画
成されている。ピストン19には、ピストンロッド20の一
端がナット21によって連結されており、ピストンロッド
20の他端側は、シリンダ14の上端部に設けられたロッド
ガイド22およびシール部材23に挿通されてシリンダ14の
外部まで延ばされている。 【0017】シリンダ14の下端部には、ベースバルブ24
が設けられており、このベースバルブ24を介してシリン
ダ下室14b とリザーバ室18とが連通されている。そし
て、シリンダ14内には油液が封入されており、リザーバ
室18内には油液およびガスが封入されている。 【0018】ピストン19には、シリンダ上室14a とシリ
ンダ下室14b とを連通させる伸び側連通路25および縮み
側連通路26が設けられている。そして、ピストン19のシ
リンダ下室14b 側の端面には、伸び側連通路25のシリン
ダ上室14a 側からシリンダ下室14b 側への油液の流通の
みを許容して減衰力を発生させるディスクバルブ27が設
けられており、シリンダ上室14a 側の端面には、縮み側
連通路26のシリンダ下室14b 側からシリンダ上室14a 側
への油液の流通のみを許容するチェック弁28が設けられ
ている。 【0019】ベースバルブ24には、シリンダ下室14b と
リザーバ室18とを連通させる伸び側通路29および縮み側
通路30が設けられている。また、伸び側通路29のリザー
バ室18側からシリンダ下室14b 側への油液の流通のみを
許容するチェック弁31および縮み側通路30のシリンダ上
室14b 側からリザーバ室18側への油液の流通のみを許容
して減衰力を発生させるディスクバルブ32が設けられて
いる。 【0020】外筒16の下端部付近の側壁には、内部がリ
ザーバ室18に連通する円筒状の収容部材33が溶接されて
おり、収容部材33内に減衰力調整機構34が嵌合されてい
る。そして、環状通路17の一端側が、シリンダ14の上端
部付近の側壁に設けられた孔35を介してシリンダ上室14
a に連通され、他端側が、内筒15の下端部付近の側壁に
突出された接続口36を介して減衰力調整機構34に接続さ
れており、シリンダ上室14a が環状通路17および減衰力
調整機構34を介してリザーバ室18に接続されている。 【0021】減衰力調整機構34は、有底筒状のバルブケ
ース37(ケース)内の底部側に小径のガイド部38が形成
されており、ガイド部38の側壁にはガイドポート39が設
けられている。ガイドポート39は、バルブケース37と収
容部材33との間に形成された通路40を介してリザーバ室
18に連通されている。ガイド部38には、弁体としての円
筒状の回転シャッタ41が嵌装されている。回転シャッタ
41の側壁には、ガイドポート39に対向させてシャッタポ
ート42が設けられており、回転シャッタ41の回転位置に
よってガイドポート39とシャッタポート42との連通路面
積が変化するようになっている。回転シャッタ41には、
操作ロッド43が連結され、操作ロッド43は、バルブケー
ス37の底部に回転可能に挿通されてバルブケース37の外
部に突出されている。 【0022】バルブケース37内の開口部側には、バルブ
部材44が嵌合され、その上に接続口36に嵌合してケース
を構成する入口部材45が嵌合されており、これらは、バ
ルブケース37の開口端部を内側にかしめて固定されてい
る。バルブ部材44には、バルブケース37内の入口部材45
側と回転シャッタ41側とを連通させる油液通路46が設け
られている。バルブ部材44の回転シャッタ41側の端部に
は、油液通路46の入口部材45側から回転シャッタ41側へ
の油液の流通のみを許容して減衰力を発生させるサブデ
ィスクバルブ47(ディスクバルブ)がピン48によって取
付けられている。なお、サブディスクバルブ47の開弁圧
力は、ピストン19のディスクバルブ27およびベースバル
ブ24のディスクバルブ32の開弁圧力よりも低く設定され
ている。 【0023】 このように、回転シャッタ41と、サブ
ディスクバルブ47を取付けたバルブ部材44とを入口
部材45とバルブケース37とからなるケース内に組み
付けて一体の組立体とした減衰力調整機構34は、収容
部材33内に嵌合され、入口部材45の入口を内筒15
の接続口36に嵌合、当接させて位置決めされ、収容部
材33の内周溝49に装着されたスナップリング50に
よって固定されている。 【0024】収容部材33の端部には、アクチュエータ51
がボルト52によって取付けられており、アクチュエータ
51の駆動軸53が回転シャッタ41の操作ロッド43に連結さ
れている。アクチュエータ51にはバルブケース37の凹所
54に嵌合する凸部55が設けられており、凹所54および凸
部55の平面形状は円形形状のうちの二面a,bを取り去
った略小判形状を呈し、アクチュエータ51とバルブケー
ス37との回転方向での位置決めを行えるようになってい
る。なお、図中、56はダストカバー、57,58は取付アイ
である。 【0025】以上のように構成した本実施例の作用につ
いて次に説明する。 【0026】ピストンロッド20の伸び行程時には、ピス
トン19の移動にともない、シリンダ上室14a の油液が、
孔35、環状通路17、接続口36、減衰力調整機構34の入口
部材45、バルブ部材44の油液通路46、シャッタポート4
2、ガイドポート39および通路40を通ってリザーバ室18
へ流れる。これにより、サブディスクバルブ47によって
減衰力が発生し、アクチュエータ51によって回転シャッ
タ41を回転させて、サブディスクバルブ47の下流側のガ
イドポート39とシャッタポート42との連通路面積を変化
させることにより、バルブ特性の減衰力を調整すること
ができる。 【0027】このとき、リザーバ室18の油液は、ベース
バルブ24のチェック弁31を開いて伸び側通路29を通って
シリンダ下室14b へ流れる。また、ピストンロッド20が
シリンダ14内から退出した分、リザーバ室18内のガスが
膨張する。なお、ピストン速度が大きい場合は、シリン
ダ上室14a 内の圧力が上昇し、ピストン19のディスクバ
ルブ27が開いてシリンダ上室14a の油液が伸び側連通路
25を通って直接シリンダ下室14b へ流れるので、ディス
クバルブ27によっても減衰力が発生する。 【0028】ピストンロッド20の縮み行程時には、ピス
トン19の移動にともない、シリンダ下室14b 内の油液が
ピストン19のチェック弁28を開き、縮み側連通路26を通
ってシリンダ上室14a へ流れ、また、ピストンロッド20
がシリンダ14内に侵入した分の油液が、上記と同様に、
シリンダ上室14a から環状通路を通り減衰力調整機構34
を介してリザーバ室18へ流れ、リザーバ室18内のガスを
圧縮する。これにより、サブディスクバルブ47によって
減衰力が発生し、アクチュエータ51によって回転シャッ
タ41を回転させて、サブディスクバルブ47の下流側のガ
イドポート39とシャッタポート42との連通路面積を変化
させることにより、バルブ特性の減衰力を調整すること
ができる。 【0029】なお、ピストン速度が大きい場合は、シリ
ンダ下室14b 内の圧力が上昇し、ベースバルブ24のディ
スクバルブ32が開いてシリンダ下室14b の油液が縮み側
通路30を通って直接リザーバ室18へ流れるので、ディス
クバルブ32によっても減衰力が発生する。 【0030】このようにして、伸び側、縮み側共に、ピ
ストン19の移動により油液が減衰力調整機構34を流通し
て、サブディスクバルブ47によって減衰力が発生するの
で、回転シャッタ41の回転位置に応じてサブディスクバ
ルブ47の下流側のガイドポート39とシャッタポート42と
の連通路面積を変化させることにより、バルブ特性の減
衰力を調整することができる。 【0031】また、減衰力調整機構34の組付けは次のよ
うにして行う。バルブケース37に、回転シャッタ41を嵌
装し、サブディスクバルブ47を取付けたバルブ部材44お
よび入口部材45を嵌合し、バルブケース37の開口部をか
しめて、これらを一体の組立体とする。このようにして
サブアセンブリした減衰力調整機構34を、油圧緩衝器本
体側の外筒16に取付けられた収容部材33に嵌合し、入口
部材45を内筒15の接続口36に嵌合させ、当接させて位置
決めする。そして、収容部材33の内周溝49にスナップリ
ング50を装着して減衰力調整機構34を固定する。 【0032】このようにして、回転シャッタ34(弁体)
およびサブディスクバルブ47を装着したバルブ部材44を
バルブケース37に一体に組込んだ減衰力調整機構34を油
圧緩衝器本体に容易に組付けることができる。 【0033】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の減衰力調
整式油圧緩衝器によれば、減衰力調整機構は、ディスク
バルブを取付けたバルブ部材および弁体をケース内に組
込んで一体とした組立体とし、筒状の収容部材を外筒に
取付け、収容部材の内部に組立体を挿入、嵌合し、ケー
スに設けられた入口と、油液通路に設けられた接続口と
を嵌合させ、収容部材とケースとの間に油液通路に連通
する通路を形成するようになっているので、ディスクバ
ルブを取付けたバルブ部材および弁体をケースに組込ん
で一体とし、サブアセンブリ化した減衰力調整機構を外
筒の側部の収容部材に嵌合することによって容易に組立
てることができ、自動組付を行う際にも有利となるとい
う優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例の縦断面図である。 【図2】図1の装置の減衰力調整機構装着部の横断面図
である。 【図3】従来の減衰力調整式油圧緩衝器の縦断面図であ
る。 【符号の説明】 13 減衰力調整式油圧緩衝器 14 シリンダ 19 ピストン 20 ピストンロッド 17 環状通路(油液通路) 34 減衰力調整機構 37 バルブケース(ケース) 47 サブディスクバルブ(ディスクバルブ) 41 回転シャッタ(弁体)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 9/00 - 9/58

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 外筒と、油液が封入され前記外筒内に設
    けられたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装さ
    れたピストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が
    前記シリンダの外部まで延ばされたピストンロッドと、
    前記シリンダ内の室に連通され前記ピストンの摺動によ
    って油液を流通させる油液通路と、前記外筒の側部に設
    けられて該油液通路の通路面積を調整する減衰力調整機
    構とを備えてなる減衰力調整式油圧緩衝器において、 前記減衰力調整機構は、前記油液通路の油液の流動を制
    御するディスクバルブを取付けたバルブ部材と、前記油
    液通路の通路面積を調整する弁体とをケース内に組込ん
    で一体とした組立体とし、前記外筒の側部に一端が取付
    けられ他端部にアクチュエータが取付けられる筒状の収
    容部材を前記外筒に取付け、前記収容部材の内部に前記
    組立体を挿入、嵌合して、前記ケースに設けられた入口
    と、前記油液通路に設けられた接続口とを嵌合させ、前
    記収容部材と前記ケースとの間に前記油液通路に連通す
    る通路を形成したことを特徴とする減衰力調整式油圧緩
    衝器。
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