JP3398985B2 - センサーの製造方法 - Google Patents

センサーの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多孔質膜をその代表と
する多孔質体を構成要素とするセンサーの製造方法、更
に詳しくはエネルギー線硬化樹脂を利用して、切り出す
こと無く所望の寸法・形状の多孔質体を構成要素とする
センサーを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微小形状の多孔質体により濾過を行う場
合には、一般に多孔質体は枠や容器に一体化された形状
で使用されている。また、濾過・分析の効率向上を目的
として、1つの台枠に多数の多孔質体が形成された、い
わゆるマルチスクリーンプレートが使用されている。
【0003】化学センサーやバイオセンサーなどのセン
サーにおいては、濾過によって被検体中の分析の障害物
を除去あるいは遮断することを目的としたり、毛管現象
による被検液体の輸送(展開)を目的としたり、余剰の
被検液体の吸収を目的としたり、呈色試薬、酵素、抗
体、坑原、触媒、オルガネラ、微生物などを保持させて
それ自身にセンサー機能を持たせることを目的として、
多孔質体が組み込まれる。
【0004】このような、多孔質体をその構成要素の一
部とする濾過器やセンサーを製造するに当っては、これ
まではあらかじめ大面積の多孔質体を作成し、それを打
ち抜きなどの方法で必要な寸法・形状に切り出し、濾過
器やセンサーのしかるべき部位に接着などの方法で固定
するのが常であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、濾過器
やセンサーを小形化したり、少量のサンプルで検知可能
にするためには、多孔質体の寸法を小さくする必要があ
る。しかるに、多孔質体の寸法を特にミリメートルオー
ダーにまで小さくしようとすると、種々の問題が生じて
いた。例えば大面積の多孔質体から所望形状の多孔質体
を打ち抜くと、切断部付近、即ち多孔質体の周辺にひび
割れ状の欠陥が発生しがちであり、多孔質体の寸法を小
さくするほど問題となっていた。また、微小形状の多孔
質体の取扱や接着には、非常に精密な作業が必要とな
り、生産性の低下のみならず、性能のバラつきや歩留ま
りの低下を来していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、濾過器や
センサーを構成する多孔質体を、微小形状の場合にも高
精度で歩留まり良く、かつ高い生産性でもって製造する
方法について鋭意検討した結果、多孔質体製造用の特定
組成のエネルギー線硬化樹脂を用い、支持体上に所望の
形状に配した後、エネルギー線を照射するか、または支
持体上にキャストした後、マスキングしてエネルギー線
を照射すると、切り出すこと無く所望の寸法・形状の多
孔質体を製造することができ、製造した多孔質体はその
ままで、あるいはこれに抗原、抗体、酵素、触媒、微生
物などのセンサー機能を有する成分を固定または担持さ
せることで各種のセンサーが製造できることを見い出
し、本発明を完成するに到った。
【0007】即ち、本発明は上記課題を解決するため
、(1)エネルギー線の照射により重合可能なモノマ
ーおよび/またはオリゴマー(A)と、該モノマーおよ
び/またはオリゴマー(A)と相溶し、かつこれらモノ
マーおよび/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を
照射することにより生成したポリマーと相溶せず、しか
もエネルギー線に対して不活性な相分離剤(B)とセン
サー機能を有し、かつエネルギー線の照射後の多孔質体
中に固定または担持される成分(C)とを混合した均一
な重合性溶液を、支持体上に所望の形状に配した後、エ
ネルギー線を照射するか、または支持体上にキャストし
た後、所望の形状にマスキングしてエネルギー線を照射
することを特徴とするセンサーの製造方法、及び(2)
エネルギー線の照射により重合可能なモノマーおよび/
またはオリゴマー(A)と、該モノマーおよび/または
オリゴマー(A)と相溶し、かつこれらモノマーおよび
/またはオリゴマー(A)にエネルギー線を照射するこ
とにより生成したポリマーと相溶せず、しかもエネルギ
ー線に対して不活性な相分離剤(B)とを混合した均一
な重合性溶液を、支持体上に所望の形状に配した後、エ
ネルギー線を照射するか、または支持体上にキャストし
た後、所望の形状にマスキングしてエネルギー線を照射
することによって得られた多孔質体にセンサー機能を有
するものを含浸させた後、固定または担持させることを
特徴とするセンサーの製造方法を提供する。
【0008】尚、本発明の製造方法で得られるセンサー
は、電気化学的検出によるもの、例えばポテンショメト
リ−方式、アンペロメトリ−方式によるもの、比色方式
によるもの、例えば、発色、退色、色相変化により検知
するもの、螢光発光や螢光消光方式によるもの、化学発
光によるものなど任意の方式のセンサーであり得る。
【0009】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明に用いられるモノマーおよび/またはオリゴマー
(A)としては、有機、無機を問わず、エネルギー線の
照射により重合し、ポリマーとなる物であればよく、ラ
ジカル重合性、アニオン重合性、カチオン重合性など任
意のものであってよいが、1分子内に1〜6個のビニル
基、アクリル基、メタアクリル基およびそれらの混合物
を有するものが好ましく、中でもエネルギー線の照射に
よる重合速度が速いものが好ましい。
【0010】上記本発明に用いられるモノマーとして
は、例えばエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレー
ト、フェニルセロソルブ(メタ)アクリレート、n−ビ
ニルピロリドン、イソボルニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、アクリルア
ミド、N−アルキルアクリルアミド等の単官能モノマ
ー、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2′−ビ
ス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキ
シフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−(メタ)
アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プ
ロパン等の2官能モノマー、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート等の3官能モノマー、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート等の4官能モノ
マー、ジペンタエリスリト−ルヘキサアクリレート等の
6官能モノマー等が挙げられる。これらのモノマーを混
合して用いることも勿論可能である。
【0011】本発明に用いられるオリゴマーとしては、
例えばエネルギー線照射で重合可能で、重量平均分子量
が500〜50000のものが挙げられ、具体的にはエ
ポキシ樹脂のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エ
ステル、ポリエーテル樹脂のアクリル酸エステルまたは
メタクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂のアクリル
酸エステルまたはメタクリル酸エステル、分子末端にア
クリル基またはメタクリル基を有するポリウレタン樹脂
等を挙げることができる。もちろんこれらのオリゴマ−
同士を混合して用いることもできるし、モノマーと混合
して用いることもできる。
【0012】エネルギー線の照射により重合可能なモノ
マーおよび/またはオリゴマー(A)は、これらの中
で、重合速度が速いアクリル酸系またはアクリル酸エス
テル系のモノマーおよび/またはオリゴマーを主成分と
するものであることが好ましく、例えばモノマーおよび
/またはオリゴマー(A)のうち、50重量%以上含有
するものであることが好ましい。また、架橋構造の導入
によって、強度の向上、寸法精度の向上、および経時的
な寸法変化の抑制が計れるため、アクリル酸系またはア
クリル酸エステル系のモノマーおよび/またはオリゴマ
ーが、2、3、4、5または6官能からなる群から選ば
れた一種以上のものを50重量%以上含有するものであ
ることが好ましい。更に、用途目的に応じて、親水性ま
たは撥水性の多孔質体を得るため、水酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基、アンモニウム塩、アミド結合、エーテ
ル結合などの親水基や親水部を含有する原料や、フッ素
やシリル基などの疎水性基を含有する原料等を適宜選択
し得るし、添加することもできる。
【0013】本発明に用いられる相分離剤(B)として
は、本発明に用いるモノマーおよび/またはオリゴマー
(A)と相溶し、かつこれらモノマーおよび/またはオ
リゴマー(A)がエネルギー線の照射を受けることによ
り生成するポリマーと相溶せず、しかもエネルギー線に
対して不活性なものであればいかなるものでもよい。
【0014】本発明においては、相分離剤(B)とモノ
マーおよび/またはオリゴマー(A)とは、エネルギー
線照射時において実質的に均一に相溶している必要があ
り、相分離が生じている状態でエネルギー線を照射する
と、孔径10μm以上の大きな独立気泡が発生したり、
あるいは多孔質体が形成されない。
【0015】相分離剤(B)とモノマーおよび/または
オリゴマー(A)との相溶性は、種々の条件、中でもこ
れらを含む重合性溶液の温度で変わるが、またモノマー
および/またはオリゴマー(A)の種類によっても変わ
り得るものである。
【0016】例えば、重合性オリゴマーとして分子末端
にアクリル基を有するポリウレタン樹脂を用いる場合に
は、相分離剤(B)として、カプリン酸メチル、カプリ
ン酸エチル、ラウリン酸メチル、カプリル酸メチル、カ
プリル酸エチル、アジピン酸ジイソブチルなどのアルキ
ルエステル類、ジイソブチルケトンなどのジアルキルケ
トン類、アルコール類、液状ポリエチレングリコ−ル、
ポリエチレングリコ−ルのモノエステル、ポリエチレン
グリコールソルビタンエステル類、ポリエチレングリコ
ールモノエーテル、グリセリンのモノ、ジ、およびトリ
エステル、水酸基を有するアルキルエステル類、アルキ
ルアミン類、およびポリエチレングリコ−ルアミンや、
その他の界面活性剤等、更にこれらの一種以上と水との
混合物を好適に用いることができ、中でも液状ポリエチ
レングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ルのモノエステ
ル、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポ
リエチレングリコールモノエーテル、グリセリンのモ
ノ、ジおよびトリ エステル、水酸基を有するアルキル
エステ ル類、アルキルアミン類、またはポリエチレン
グリコ−ルアミンなどを使用すると、モノマーおよび/
またはオリゴマー(A)の溶解度を低下させること無く
重合性溶液の粘度を高くすることができるため、多孔質
体を製造できる条件範囲が広くなると同時に、エネルギ
ー線の照射により析出したポリマーが網目状となり易
く、多孔質体の強度が高くなるので特に好ましい。
【0017】本発明に用いることのできる相分離剤
(B)は、液状のモノマーおよび/またはオリゴマー
(A)に溶解し、エネルギー線照射に対し不活性なもの
であれば、固体例えばポリマーであってもよい。例えば
酢酸セルロース、エチルセルロース、ニトロセルロー
ス、キトサン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカ
−ボネ−ト、ポリスルホン、ポリエ−テルスルホン、ポ
リウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸エ
ステル、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、
ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、等やこれらの
誘導体や共重合体を例示することができ、なかでもポリ
エチレングリコール、ポリビニルピロリドンが好まし
い。勿論ポリマーは複数のポリマーであってもよい。相
分離剤(B)はまたポリマー溶液であってもよい。
【0018】相分離剤(B)は、単一組成であってもよ
いし、混合物であってもよい。混合物の場合には、その
混合物自体が本発明に用いるモノマーおよび/またはオ
リゴマー(A)と相溶し、かつこれらモノマーおよび/
またはオリゴマー(A)がエネルギー線の照射を受ける
ことにより生成するポリマーと相溶せず、しかもエネル
ギー線に対して不活性なものであればいかなるものでも
よく、その構成要素単独での性状は特に限定されない。
例えば、個々の構成要素は、モノマーおよび/またはオ
リゴマーと相溶せず、かつそのポリマーも膨潤または溶
解させない物であってもよいし、逆にモノマーおよび/
またはオリゴマー(A)から生成するポリマーと相溶す
るものであってもよい。
【0019】相分離剤(B)は、多孔質体の製造方法の
違い、モノマーおよび/またはオリゴマー(A)の種
類、必要とされる重合性溶液の粘度、ポリマーその他の
添加剤の溶解性、多孔質体に必要とされる孔径や細孔の
形状などにより適宜選択することができる。
【0020】しかしながら、これらの中で、相分離剤
(B)は不揮発性の液体であることが好ましい。相分離
剤(B)が揮発性液体の場合には、多孔質体の表面に微
細な孔径を持つ緻密層が形成されがちであり、相分離剤
(B)が固体の場合には除去が非効率となりがちであ
る。また相分離剤(B)は、エネルギー線として紫外線
を用いる場合には、紫外線吸収の少ないものが好まし
い。
【0021】相分離剤(B)の、モノマーおよび/また
はオリゴマー(A)に対する比率については、モノマー
および/またはオリゴマ−(A)1重量部に対して0.
1〜4.0重量部の範囲が、多孔質体の空隙率が低くな
り過ぎることがなく適当で、しかも空隙率が高くなり過
ぎて強度が不充分となることがないので好ましい。
【0022】多孔質体の細孔の孔径は、モノマーおよび
/またはオリゴマー(A)と相分離剤(B)の混合比の
ほか、モノマーおよび/またはオリゴマー(A)と相分
離剤(B)との区合わせに依存する。その関係は一般的
にいって、相分離剤(B)の混合比が高い場合や、モノ
マーおよび/またはオリゴマー(A)と相分離剤(B)
との相溶性が悪い場合や、重合性溶液の粘度が低い場合
に孔径が大きくなる。モノマーおよび/またはオリゴマ
ー(A)と相分離剤(B)との相溶性の良否は、混合液
の温度を徐々に低下させて行き、相分離が生じる温度で
判定できる。相分離温度が低いほど、相溶性が良い。本
発明においては、適当な条件を選定することにより、孔
径0.01〜5μmの細孔を形成することが好ましい。
この範囲以下あるいはこの範囲以上の孔径も形成するこ
とは可能であるが、検体の浸透速度の低下が生じたり、
寸法安定性の低下などが生じやすい。
【0023】本発明に使用される重合性溶液には、モノ
マーおよび/またはオリゴマー(A)および相分離剤
(B)の他に、他の成分を含有することも可能である。
例えば、センサー機能を有し、かつエネルギー線の照射
後の多孔質体中に固定または担持される成分(C)や、
紫外線重合開始剤等が挙げられる。エネルギ−線として
紫外線を用いる場合には、重合速度を速める目的で、重
合性溶液に紫外線重合開始剤を含有させることが好まし
い。
【0024】ここで使用される紫外線重合開始剤として
は、特に制約を設ける必要は無いが、重合性溶液に溶解
可能な物を選択する必要があり、例えばp−tert−
ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2′−ジエトキ
シアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−
フェニルプロパン −1−オン、等のアセトフェノン
類;ベンゾフェノン、4,4′−ビスジメチルアミノベ
ンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチル
チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン等のケトン類;ベンゾイン、ベ
ンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエー
テル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエ
ーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン等のベンジルケタール類等を
挙げることができる。
【0025】本発明に使用される支持体は、重合性溶液
をエネルギー線照射の間一定形状に保持しておくもので
あり、多孔質体の用途目的により、最終的に剥離して使
用する場合と多孔質体と一体化する場合がある。
【0026】支持体は、また、非多孔質物質である場合
と多孔質物質である場合がありうる。非多孔質物質とし
ては、例えばポリマーフィルム、ポリマー成形品、金属
板、ガラス板、半導体、更にトランジスタ、ダイオード
等の半導体製品などがある。エネルギー線照射により成
形される多孔質体と一体化される非多孔質支持体の例と
しては、エネルギー線照射により形成される複数の多孔
質体を区分する峰を有するポリマー成形物や、多孔質体
と接着する素材のポリマーフィルム等が挙げられる。ま
た、多孔質物質の支持体の例としては、不織布、ロ紙、
布、網等が挙げられる。これらの多孔質支持体の場合
は、通常、製造される多孔質体と一体化される。
【0027】支持体は、独立したフィルム状物や板状物
であってもよいし、連続体であってもよい。支持体が多
孔質体と一体成形される場合には、支持体は多孔質体成
形後に切断することも可能である。
【0028】本発明の製造方法としては、重合性溶液
を支持体上に所望の形状に配した後、エネルギー線を照
射し、重合性溶液を硬化させる方法、または重合性溶
液を支持体上にキャストした後、所望の形状にマスキン
グ(レンズ系を通してマスキングパターンを照射する場
合も含む)してエネルギー線を照射し、重合性溶液を硬
化させる方法が挙げられる。
【0029】即ち、の方法では、エネルギー線照射に
より成形される多孔質体の形状は、重合性溶液を支持体
上に、例えば印刷、滴下、注入等の方法で所望の形状に
配したままの形状で形成することができる。また、型や
枠を支持体上に配し、その型や枠内に重合性溶液を滴下
または注入することも可能である。
【0030】また、の方法では、エネルギー線照射に
より成形される多孔質体の形状を、重合性溶液のエネル
ギー線照射形状で形成することができる。この場合、重
合性溶液の支持体上へのキャストは、支持体上全面に行
ってもよいし、エネルギー線照射範囲より若干大きい範
囲であってもよいし、場合によっては、エネルギー線照
射範囲より狭い部分を有し、多孔質体の形状が部分的に
重合性溶液のキャスト形状で形成されることも可能であ
る。多孔質体を特に精密な形状に成形する場合には、所
望の形状のマスキングによりエネルギー線照射形状を形
成することをが好ましい。いずれの場合にも、硬化後、
多孔質体を目的の形状に切り出す操作を行う必要はな
い。
【0031】本発明においては、重合性溶液を支持体上
の独立した複数の領域に所望の形状で配し、エネルギー
線照射を行う方法や、重合性溶液を支持体上にキャスト
した後、独立した複数の領域に所望の形状のマスキング
をしてエネルギー線照射を行う方法により、支持体上に
複数の多孔質体を形成することができる。目的とする多
孔質体の寸法が小さい場合には、支持体上に同形状の複
数個の多孔質体を形成することが生産性向上の面から好
ましい。
【0032】エネルギー線照射に当っては、支持体を間
欠的に送りつつ、エネルギー線を一定時間照射する方式
でもよいし、支持体を連続的に移動させつつ、照射範囲
における重合性溶液の滞留時間だけ照射してもよい。
【0033】モノマーおよび/またはオリゴマー(A)
がエネルギー線照射による重合に際して酸素による反応
阻害を受ける場合には、エネルギー線の照射を不活性ガ
ス雰囲気下で行うことによって、重合速度を速めること
も好ましい。不活性ガス雰囲気の酸素濃度は5体積%以
下であることが好ましく、1体積%以下であることが更
に好ましく、0.1体積%以下であることが最も好まし
い。
【0034】さらに、モノマーおよび/またはオリゴマ
ー(A)がエネルギー線照射による重合に際して酸素に
よる反応阻害を受ける場合には、重合性溶液に溶解して
いる酸素を除去することによって、重合速度を速めるこ
とも好ましい。重合性溶液の飽和溶存酸素濃度は溶液の
種類により変わるが、重合性溶液の溶存酸素濃度は、飽
和酸素濃度の20重量%以下であることが好ましく、5
重量%以下であることが更に好ましく、1重量%以下で
あることが最も好ましい。溶存酸素除去法としては、加
熱脱気法、超音波照射法、真空脱気法(隔膜真空脱気法
も含む)、非酸素気体のバブリング法、非酸素気体や酸
素吸収剤との接触法(隔膜接触法も含む)など任意の方
法を採用できる。
【0035】本発明の製造方法に用いられるエネルギー
線としては、電子線、γ線、X線、紫外線、可視光線等
を挙げることができる。なかでも装置および取扱いの簡
便さから紫外線が最も好ましい。照射する紫外線の強度
は、1〜5000mw/cm 2 が好ましく、露光時間
は、0.01〜90秒間程度である。
【0036】電子線もまた本発明に用いることのできる
好ましいエネルギー線である。電子線を用いると、相分
離剤(B)やその他の添加剤などの柴外線吸収の有無の
影響を受けないため、これらの選択の幅が広がると共
に、多孔質体の寸法精度が向上し、製造速度も向上す
る。さらに重合開始剤が不要であるため、この残留が問
題となる場合には好ましい。
【0037】重合性溶液にエネルギー線を照射すると、
重合性溶液中のモノマーおよび/またはオリゴマー
(A)が重合あるいは架橋して硬化すると同時に相分離
剤(B)と相分離する。即ち、モノマーおよび/または
オリゴマー(A)の多孔質重合体の細孔部に相分離剤
(B)が充填された状態となる。したがって、通常の場
合、後続の工程において多孔質体の細孔部から相分離剤
(B)を除去するが、勿論、その必要がない用途の場合
には行わなくてよい。
【0038】多孔質体の形状を重合性溶液のエネルギー
線照射形状で形成する場合には、後続の工程において未
硬化の重合性溶液も除去する。相分離剤(B)および重
合性溶液の除去は、同時に行ってもよいし、別々に行っ
てもよい。いずれも、洗浄、乾燥、吸引、置換など任意
の方法が採用できる。
【0039】また、重合性溶液に、モノマーおよび/ま
たはオリゴマー(A)および相分離剤(B)以外の成分
が含まれる場合には、これらの成分は、相分離剤(B)
と共に除去される場合と、モノマーおよび/またはオリ
ゴマー(A)の重合体に結合または吸着して除去されな
い場合があり得る。
【0040】重合性溶液や相分離剤(B)の除去後に、
さらにエネルギー線を照射(アフタ−キュア)すること
も可能である。特に精密な形状に多孔質体を形成する必
要がある場合、硬化に必要な最小限の量のエネルギー線
を照射し、未反応重合性溶液を除去した後にアフタ−キ
ュアを行うことが好ましい。それ以外の場合にもアフタ
−キュアにより多孔質体の強度や硬度の向上が計れる。
【0041】また、相分離剤(B)の除去後に熱処理す
ることも可能である。熱処理により、未反応モノマ−の
完全除去、多孔質体の寸法安定性の付与、多孔質体の細
孔径の調整などが計れる。
【0042】多孔質体の形状は、濾過器またはセンサー
に必要とされる形状であるが、例えば、底面の形状が
円、四角、櫛形などでありうる。また典型的には、多孔
質体の底面積は0.03〜100cm2 である。
【0043】エネルギー線照射により形成される多孔質
体の厚みとしては、0.005〜5mmであることが好
ましい。この範囲未満では強度不足となり、この範囲を
越えると液体の透過あるいは浸透に要する時間が過大と
なり実用的でない。多孔質体の厚みは支持体上に所望の
形状で配した、またはキャストした重合性溶液の厚みで
コントロールできる。モノマーおよび/またはオリゴマ
ー(A)の種類や重合性溶液の組成にもよるが、通常、
エネルギー線照射により形成される多孔質体の厚みは、
重合性溶液の厚みの50〜100%となる。
【0044】多孔質体にセンサー機能を付与する場合に
は、多孔質体に酵素、触媒、抗体、坑原、オルガネラ、
微生物、呈色試薬、色素、螢光剤、化学発光剤などのセ
ンサー機能を有するものを固定または担持させる。セン
サー機能を有するものとは、被検体中の特定成分の選択
に係わる物質、例えば被検体中の特定成分と選択的に反
応する物質(いわゆるレセプタ−)や検出すべき成分と
の反応に係わる物質、被検体中の特定成分以外の物質を
不活性化する物質、検出の有無や程度の表示に係わる物
質、例えばレセプタ−が放出する物質と反応し発色する
物質などが挙げられる。勿論、これらの機能の複数を兼
ねるものであってもよい。
【0045】多孔質体への固定または担持方法として
は、共有結合、イオン結合、吸着、付着、包括などがあ
る。共有結合による方式には、例えばビニル基を導入し
たセンサー機能を有する物質をモノマーおよび/または
オリゴマー(A)と共重合させたり、多孔質体に存在す
る二重結合と反応させる方法がある。
【0046】また、多孔質体の残基とセンサー機能を有
するものの残基とを反応させる方式、例えば多孔質体に
アミノ基、アミド基、カルボキシル基、水酸基、メトキ
シ基、エポキシ基、アルデヒド基、イソシアナト基、二
重結合などを導入し、センサー機能を有するものと結合
させる方式などがある。イオン結合による方式には、カ
ルボキシル基やスルホン基などのイオン性の基を導入し
た多孔質体と、カルボキシル基などのイオン性の残基を
有するセンサー機能を有するものとを、多価陽イオンに
て結合させる方法や、第四級アンモニウム塩による方法
などがあり、水素結合、分極によるク−ロン力、ファン
デルワ−ルス力などによる吸着や付着による方式は、セ
ンサー機能を有するものとモノマーおよび/またはオリ
ゴマー(A)との組み合わせにより、適当な親和性のも
のを選択できる。吸着や付着による方法の場合にも、多
孔質体には、共有結合方式の場合と同様の残基を導入す
ることが好ましい。多孔質体への残基の導入方法として
は、例えばモノマーおよび/またはオリゴマー(A)の
一部または全部として目的の基を有するものを使用する
方法や、製造された多孔質体を後処理する方法等が挙げ
られる。
【0047】上記の固定または担持方法を実施するに
は、まず、上記センサー機能を有するものの中から、セ
ンサー機能を有し、かつエネルギー線の照射後の多孔質
体に固定または担持される成分(C)を選択し、この成
分(C)を重合性溶液に添加する方法を採ることができ
る。本方法は、生産性が高く、再現性もよいため、相分
離剤(B)の除去に当って成分(C)も同時に除去され
ることのない、共有結合、イオン結合、物理的包括の場
合に好ましい方法である。吸着の場合は相分離剤(B)
の除去と同時に成分(C)も除去されがちである。しか
し、該成分(C)の、モノマーおよび/またはオリゴマ
ー(A)からなる重合体との親和性と、重合性溶液や洗
浄液との親和性との関係によっては、残留させることも
できる。
【0048】他の固定または担持方法としては、予め作
成した多孔質体にセンサー機能を有するものを含浸させ
た後、必要に応じて反応および/または乾燥させること
により固定または担持させる方法を採ることができる。
この場合、センサー機能を有するものの含浸に先立ち、
多孔質体に何らかの処理を加えることもできる。また乾
燥に先立ち、洗浄により不要分を除去することも可能で
ある。本方法は、共有結合、イオン結合、水素結合方式
だけでなく、吸着や付着方式による固定または担持も容
易であり、好ましい。
【0049】本発明に使用されるセンサー機能を有する
ものとしては、特に制約はないが、その一例を挙げれ
ば、酵素の例として、アルコールオキシダ−ゼ、コレス
テロ−ルオキシダ−ゼ、LDH、G−6−PDH、GO
D、ウリカ−ゼ、カタラ−ゼ、ペルオキシダ−ゼなどの
酸化還元酵素、GOT、GPT、CPKなどの転移酵
素、リパ−ゼ、アミラ−ゼ、キモトリプシン、トロンビ
ン、ウレア−ゼ、アルギナ−ゼ、コレステロ−ルエステ
ラ−ゼなどの加水分解酵素、アルドラ−ゼなどの分解酵
素、ホスホヘキソ−スイソメラ−ゼなどの異性化酵素、
アセチル−CoA−シンセタ−ゼなどの合成酵素などを
示すことができる。
【0050】抗体や坑原の例としては、梅毒センサー用
のトレポネ−マまたは疑似脂質坑原、血液型センサー用
の血液型決定物質、抗免疫グロブリンG,A,M,E抗
体、癌センサー用のAFP抗体などが例示できる。
【0051】またその他に、細胞、ミトコンドリア、上
皮組織などのオルガネラ(小器官)や、かび、酵母、細
菌、放線菌などの微生物を挙げることができる。勿論、
上記のセンサー機能を有するものは複合して使用するこ
とも可能であり、例えば、複合酵素センサー、抗体−酵
素センサー、酵素−微生物ハイブリッドセンサーなどを
構成することも可能である。
【0052】本発明のセンサーの製造方法は、ドライケ
ミストリ−法などの多相フィルム分析用スライドなど、
多層構造を有するセンサーにも適用できる。例えば分光
分析(比色分析)法による分析スライドの構造の一例を
示せば、下から、透明プラスチックフィルムの支持体、
センサー機能を有するものを固定または担持した多孔質
体層、光学的反射層(多孔質体)、展開層(多孔質体)
の4層からなる多層分析フィルムがプラスチックマウン
トに収められている(例えば「医療機能材料、高分子学
会編、共立出版発行、1990年」などに記載されてい
る)。このような多層構造は、前記本発明の多孔質体の
製造工程を複数回繰り返すことにより形成することがで
きる。勿論、ここで使用する重合性溶液の組成は各回同
じである必要はない。また、本発明の製造方法では、重
合性溶液の厚さを薄くでき、しかも重合性溶液の組成を
選択することにより層間に接着性を付与すこともできる
ため、このような多層構造を有するセンサーの形成に特
に適している。
【0053】本発明はまた、電気化学的検知方式のセン
サーにも適用できる。電極の取りつけ方法は任意であ
り、例えば従来と同様に、接触、接着、蒸着、スパッタ
リングなどの方法を採ることができるが、本発明に特有
の方法として、多孔質体の形成と同時に、電極を多孔質
体に固定する方法を採ることもできる。即ち、重合性溶
液に電極を埋め込んだ状態またはでエネルギー線を照射
することにより、多孔質体と一体化した構造を形成する
ことが出来る。電極は、金属や炭素など任意の材質であ
ってよく、板状、線状、網状、多孔質状など任意の形状
であってよい。本法は、蒸着やスパッタリングに比べて
生産性が高く、接触や接着と比較して電極と多孔質体の
接着を確実に行うことができるため、品質のバラ付きが
小さくなり、電気化学式センサーの製造に特に適してい
る。
【0054】本発明の製造方法で得られた多孔質体は、
各種液体の濾過、高分子物質の分画、電解質の除去、各
種気体の濾過などの膜分離分野で利用され、特に微小な
多孔質体を使用する分野で好ましく利用される。即ち、
少量の液体の濾過を行う用途、例えば血液などの体液の
分析、汗、唾液などの分泌物の分析、貴重な研究試料や
高価な試料の濾過や分析を行う用途、例えば製薬工業、
医療機関、健康診断産業、化学工業、電子工業などの分
野において利用される。また、1つの台枠に多数の多孔
質体が形成されたいわゆるマルチスクリーンプレートが
使用される分野、例えば血液分析を専門に行う部署や機
関において利用される。
【0055】本発明の製造方法で得られたセンサー機能
を有する多孔質体やセンサー機能を有するものを含浸さ
せて得られたセンサーは、また、特定の物質の有無や濃
度の検知器、例えば化学センサーやバイオセンサー、あ
るいは診断薬等として利用される。即ち、測定対象とし
て、例えば、無機質(Na、K、P、、Fe、Cl)、
グルコースなどの糖、脂質(総脂質、コレステロ−ル、
中性脂質、リン脂質など)、アミノ酸(フェニルアラニ
ン、ロイシンなど)、蛋白質(総蛋白質、アルブミンな
ど)、ホルモン(インスリン、TSHなど)、免疫グロ
ブリンなどの抗体、坑原、疑似坑原、ビタミン、抗性物
質、薬剤、ケトン体、肝汁成分、ウロビリン体、総窒
素、尿素、尿酸、アンモニア、クレアチニン、クレアチ
ン、などの血液、尿、汗、唾液に含有される成分、病原
菌、ウィルス、細胞膜などの生物関連物質、BOD、可
燃性ガス(メタン、LPGなど)、有毒物質(SOx、
NOx、フェノ−ルなど)、湿度などの環境関連物質、
水中溶解ガス、酸類、などの化学物質、味覚・臭覚物質
などが挙げられ、利用目的としては、診断用分析や治療
用分析、例えば、妊娠診断、各種感染症診断、癌診断、
免疫不全疾患や自己免疫疾患診断、肝炎診断、肝・腎機
能診断などの他、生体活動のモニター、人工臓器などの
運転制御、環境計測、環境制御、防災、各種プロセスの
運転、管理、制御などが挙げられ、利用される産業分野
としては、例えば医療機関、健康診断産業、製薬工業、
化学工業、食品工業、電気・電子工業、機械工業、エン
ジニアリング工業、警備・防災産業などが挙げられる。
センサーとしての用途の場合にも、上記濾過膜としての
用途の場合と同様、被検体が少量である場合おいて特に
好ましく利用される。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲がこれにより限定されるもの
ではない。尚、例中の部はすべて重量基準である。
【0057】[調製例1] 重量平均分子量2000で1分子内に平均して3個のア
クリル基を有するウレタンアクリレートオリゴマー35
部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート60部、
アクリルアミド5部、イルガキュアー651(チバガイ
ギー社製、紫外線重合開始剤)を0.5部、イソプロピ
ルアルコール120部、水50部を混合し、重合性溶液
(1)を得た。
【0058】
【0059】[調製例2] 分子量800で1分子内に平均して3個のアクリル基を
有するウレタンアクリレートオリゴマー25部、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート50部、n−ブチル
アクリレート20部、アロニクスM−5400〔東亜合
成化学(株)製、カルボキシル基を有する単官能モノマ
ー〕5部、イルガキュアー651を0.2部、ポリエチ
レングリコール(平均分子量400)120部、水30
部を混合し、重合性溶液(2)を得た。
【0060】
【0061】[調製例3] 分子量800で1分子内に平均して3個のアクリル基を
有するウレタンアクリレートオリゴマー60部、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート40部、イルガキュ
アー6510.3部、ツイン80〔関東化学(株)製、
ノニオン系界面活性剤〕120部、水30部を混合し、
23℃における粘度400cpsの重合性溶液(3)を
得た。
【0062】ポリ4フッ化エチレン(PTFE)フィル
ム上に、内径5mm、外径6mm、長さ3mmのポリス
チレン(PS)製の筒を縦に置き、その中に約4mgの
重合性溶液(3)を注入し、メタルハライドランプによ
り波長が360nmで強度が100mW/cmの紫外
線を60秒間照射した。照射前には透明であった重合性
溶液が照射後には乳白色に変化し、硬化していた。次い
で硬化物をPS製の筒ごとPTFEフィルム上から取り
外し、エタノールおよび水で洗浄した後、乾燥し、PS
製の筒の底面に一体成形された、厚さ約180μmの多
孔質体を得た。この多孔質体は、電子顕微鏡によれば、
互いに接着したポリマー粒子と、その間隙として与えら
れる直径約1μmの細孔とが観察された。細孔径および
細孔形状は多孔質高分子膜の表面、および膜断面におけ
るどの位置においてもほぼ同じであった。
【0063】[実施例] ポリエチレンテレフタレ−ト製のシート上にマスキン
グ蒸着法により、電極間間隙1mmの1対のカーボン電
極を5×5個形成し、それぞれの上に、調製例2で得
重合性溶液(2)にグルコースオキシダーゼ0.1部
を添加した重合性溶液(4)をスクリーン印刷により直
径6mmの円形に配した後、紫外線を照射し、その上
にそれぞれ、調製例1で得た重合性溶液(1)をスクリ
ーン印刷により直径10mmの円形に配した後、で形
成された多孔質体の部分にのみ照射されるようにマスキ
ングして紫外線を照射し、水およびエタノールにて洗
浄し、乾燥した後、支持体を切断することにより、2
5個のセンサー中間体を得た。
【0064】一方、調製例3で得た、PS製の筒の底
面に一体成形された、厚さ約180μmの多孔質体に
0.1重量%フェリシンアン化カリウム水溶液を含浸さ
せ乾燥したものを、多孔質体の円周部のみをエポキシ
樹脂にてで得られたセンサー中間体の上に接着するこ
とにより、25個のバイオセンサーを形成した。得られ
たバイオセンサーの、重合性溶液(4)から形成された
多孔質層の厚みは55μm、重合性溶液(1)から形成
された多孔質層の厚みは40μmであった。
【0065】上記のようにして形成されたセンサーのカ
ーボン電極に、カーボンペーストを使用して電流計測機
を接続し、筒に全血を点着したところ、血中のグルコー
ス濃度に応じた電流が測定された。20個のセンサーに
て同じ検体を測定したところ、変動係数は4.7%と小
さかった。
【0066】[実施例] ポリエチレンテレフタレート製のシート上にマスキン
グ蒸着法により、電極間間隙1mmの1対のカーボン電
極を5×5個形成し、それぞれの上に、調製例2で得
重合性溶液(2)をスクリーン印刷により直径6mm
の円形に配した後、紫外線を照射し、その後、水および
エタノールにて洗浄し、グルコースオキシダーゼ0.
01重量%水溶液を含浸させ、40℃で10分間インキ
ュベートした後、水を多孔質体に含浸させた状態で、
多孔質体上にそれぞれ、調製例1で得た重合性溶液
(1)をスクリーン印刷により直径10mmの円形に配
した後、で形成された多孔質体の部分にのみ照射され
るようにマスキングして紫外線を照射し、水およびエ
タノールにて洗浄、乾燥した後、支持体を切断して、
25個のセンサー中間体を得た。
【0067】一方、調製例3で得た、PS製の筒の底
面に一体成形された、厚さ約180μmの多孔質体に
0.1重量%フェリシンアン化カリウム水溶液を含浸さ
せ乾燥したものを、多孔質体の円周部のみをエポキシ
樹脂にてで得られたセンサー中間体に接着することに
より、25個のバイオセンサーを形成した。得られたバ
イオセンサーの、重合性溶液(2)から形成された多孔
質層の厚みは55μm、重合性溶液(1)から形成され
た多孔質層の厚みは40μmであった。
【0068】上記のようにして形成されたセンサーのカ
ーボン電極に、カーボンペーストを使用して電流計測機
を接続し、筒に全血を点着したところ、血中のグルコー
ス濃度に応じた電流が測定された。20個のセンサーに
て同じ検体を測定したところ、変動係数は5.4%と小
さかった。
【0069】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、特に微小形
状の多孔質体や、微小な多孔質体が組み込まれた機器、
例えばセンサーを製造するに当り、微小な多孔質体の取
扱や接着作業が不要となり、生産性の向上、性能のバラ
つきの抑制が計れ、製造工程の機械化が容易となる。ま
た、同時に多数の多孔質体を製造できるため、生産性の
著しい向上が計れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08L 101:00 C08L 101:00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギー線の照射により重合可能なモ
    ノマーおよび/またはオリゴマー(A)と、該モノマー
    および/またはオリゴマー(A)と相溶し、かつこれら
    モノマーおよび/またはオリゴマー(A)にエネルギー
    線を照射することにより生成したポリマーと相溶せず、
    しかもエネルギー線に対して不活性な相分離剤(B)と
    センサー機能を有し、かつエネルギー線の照射後の多孔
    質体中に固定または担持される成分(C)とを混合した
    均一な重合性溶液を、支持体上に所望の形状に配した
    後、エネルギー線を照射するか、または支持体上にキャ
    ストした後、所望の形状にマスキングしてエネルギー線
    を照射することを特徴とするセンサーの製造方法。
  2. 【請求項2】 成分(C)が、抗原、抗体、酵素または
    触媒である請求項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 成分(C)が、血液に含有される成分に
    対するセンサー機能を有するものである請求項記載の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 エネルギー線に紫外線または電子線を用
    いる請求項1〜のいずれか一つに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合性溶液へのエネルギー線の照射を、
    重合性溶液に電極を埋め込んだ状態、または接触させた
    状態で行なう請求項1〜のいずれか一つに記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 エネルギー線の照射により重合可能なモ
    ノマーおよび/またはオリゴマー(A)と、該モノマー
    および/またはオリゴマー(A)と相溶し、かつこれら
    モノマーおよび/またはオリゴマー(A)にエネルギー
    線を照射することにより生成したポリマーと相溶せず、
    しかもエネルギー線に対して不活性な相分離剤(B)と
    を混合した均一な重合性溶液を、支持体上に所望の形状
    に配した後、エネルギー線を照射するか、または支持体
    上にキャストした後、所望の形状にマスキングしてエネ
    ルギー線を照射することによって得られた多孔質体にセ
    ンサー機能を有するものを含浸させた後、固定または担
    持させることを特徴とするセンサーの製造方法。
  7. 【請求項7】 センサー機能を有するものが、抗原、抗
    体、酵素または触媒である請求項記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 センサー機能を有するものが、血液に含
    有される成分に対するセンサー機能を有するものである
    請求項記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 多孔質体の厚みが0.005〜5mmで
    ある請求項6〜8のいずれか一つに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 多孔質体が、孔径0.01〜5μmの
    細孔を有するものである請求項に記載の製造方法。
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