JP3279862B2 - 時刻変更チェック機能付きタイムレコーダ - Google Patents

時刻変更チェック機能付きタイムレコーダ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内部時計の日時を基準
にして就業管理(勤怠管理)を行うタイムレコーダの技
術分野で利用されるものであって、具体的には、内部時
計を不正に変更して本来の時刻とは異なる時刻にて勤怠
データを入力した場合に、この時刻変更の事実を的確に
チェックして記録に残すことができるように工夫した時
刻変更チェック機能付きタイムレコーダに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のタイムレコーダでは、例えば特開
平4−10093号公報に見られるように機体にモード
切換用のキースイッチ(カギ穴)が設けられていて、こ
のキースイッチに専用のカギを差込んで時刻設定モード
に合せると、内部時計を設定操作できる仕組に成ってお
り、従って、専用のカギを持つ管理者のみが内部時計の
日時を変更でき、一般者には変更できないように構成さ
れている。
【0003】また、勤怠管理に必要な時刻の入力を忘れ
た者に対しては、例えば実開昭63−155573号公
報に見られるように、上記のタイムレコーダと同様にモ
ード切換用のキースイッチを専用のカギを用いてデータ
修正操作モードに合せて、管理者が出退勤の時刻を数値
キーにて入力することにより、内部時計の時刻を変更せ
ずに修正データを入力できるように構成されている。
【0004】ところが、一般者が管理者の持っている専
用のカギを盗み出して合カギを作り、日々の勤怠データ
の入力に際して内部時計の時刻を勝手に変更し、タイム
カードの不正入力をする問題があり、更に、管理者自身
が不正をして、例えば遅刻し且つ意図的に出勤時刻の入
力を行わなかった者に対して、データ修正操作モードを
用いずに内部時計の時刻を遅刻でない時刻に変更してか
ら、その者のタイムカードを差込んで出勤時刻を不正に
入力してしまう場合もあった。
【0005】また、特開平1−150993号公報に見
られるように、暗証番号を入力してからでないと内部時
計の時刻変更ができないようにして、上記カギの不正使
用を防止することも考えられたが、管理者に対して暗証
番号を知らせない場合には、内部時計の誤差の修正を管
理者に任せることができなくなるので、経営者にとって
煩わしくて負担が著しく増大する問題があり、更に、こ
の暗証番号を管理者に知らせた場合には、上述した管理
者による不正入力が予想されるから、いずれにしても内
部時計の不正修正を完全に防止することは不可能であ
り、その対策が望まれていた。
【0006】そこで本出願人は、先の特願平5−238
865号の出願によって、内部時計の現在日時と絶対日
時との差を日時差としてデータメモリに記憶する一方、
内部時計の日時が変更された場合に、変更前の日時と上
記データメモリに記憶されている日時差から絶対日時を
求め、且つ、変更後の日時とこの絶対日時との差を新た
な日時差として上記のデータメモリに記憶すると共に、
勤怠データが入力される度にこのデータメモリに記憶さ
れている日時差を調べて、その日時差の絶対値が予め設
定されている基準時間以上の場合に、時刻改ざんの記録
を残すように構成した時刻改ざんチェック機能付き時間
管理装置を開発した。
【0007】しかし、上記の出願に係る時刻改ざんチェ
ック機能付き時間管理装置では、日時差の絶対値が予め
設定されている基準時間以上の場合のみ時刻改ざん、即
ち、時刻変更とみなす構成に成っているため、基準時間
未満(例えば5分間未満)の時刻変更を検知することが
できなかった。
【0008】これに対して、本出願人による先の特願平
5−326326号の出願の請求項1に記載した発明に
よれば、時刻設定時点からの内部時計の累計誤差に対応
して、基準時間を1〜5分の範囲で変化させることで時
刻変更を検知することができ、また、その請求項3に記
載した発明によれば、絶対日時と内部時計の時間差に注
目して、時刻改ざん時と時刻を元に戻した時とで時間差
の+−極性が異なるか、又は、絶対値が小さくなってい
ることから、基準時間の時刻変更をも検知することがで
きるため、数分の微少な時刻変更を検知することが可能
になった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記出
願の請求項1に記載された発明では、内部時計の時刻変
更が累積誤差の修正なのか、時刻改ざんなのかを分別す
るために、時刻変更とみなすための基準時間が内部時計
の累積誤差に応じて時間的に変化するから、1分の時刻
変更を常に正確に検知できるものではなく、また、1分
の時刻変更を検知するには内部時計の誤差を頻繁に修正
しなくはならない煩わしさがあった。
【0010】更に上記出願の請求項3に記載された発明
では、時刻変更後、時刻を元に戻した時に初めて検知す
ると云う性質から、時刻変更したその場でタイムカード
に変更マーク(改ざんマーク)を印字によって警告でき
ないもどかしさがあった。
【0011】加えて、実験的に使用させた利用者(モニ
ター)からは、数分の微少な時刻変更の場合は、それが
内部時計の誤差修正であろうが、或は、意図的な変更で
あろうが、内部時計の変更履歴として利用するために、
とにかく変更後の勤怠データ入力に関して何らかの記録
を残してほしいとの強い要望が出されていた。
【0012】更に、上記の出願に係る時間管理装置の場
合は、内部時計を変更してから時刻改ざんの記録を残す
までの間に各種の複雑な処理手順を踏まなくてはならな
いため、システム構成が非常に複雑で、開発コストが高
くつくという経済上の問題もあった。
【0013】従って本発明の技術的課題は、内部時計の
誤差による影響を極力少くして、就業管理に於ける時間
の最小単位(例えば1分)に関しても常に時刻変更を検
知することができ、而かも、時刻変更を検知した場合は
その場で記録を残すようにすると共に、システム全体の
構成を比較的簡単にすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために本発明で講じた手段は以下の如くである。
【0015】内部時計の日時を基準にして時間管理を行
うタイムレコーダに於いて、比較的高い精度を持つ基準
用内部時計と、この基準用内部時計と同等、若しくは、
それよりも低い精度を持ち、且つ、出勤時刻及び退勤時
刻を確定できる機能を備えた勤怠用内部時計と、勤怠デ
ータが入力される都度、上記の基準用内部時計と勤怠用
内部時計の日時差を算出する日時差算出手段と、その日
時差の絶対値が基準時間以上であるか否かを判定する日
時差判定手段と、日時差が基準時間以上である場合に時
刻変更の記録を残す時刻変更記録手段とを備えること。
【0016】
【作用】上記の手段によれば、タイムレコーダの中に内
部時計を2台に設け、少くとも基準となる(世の中の日
時に対応する)一方の内部時計を比較的精度の高い基準
用内部時計として、この基準用内部時計の日時を基準に
して日時差を算出して時刻変更の有無を判定するもので
あるから、内部時計の誤差による影響を極力少くするこ
とを可能にする。
【0017】従って、他方の勤怠用内部時計の誤差は、
一方の基準用内部時計に合せて1年に数回修正すればよ
く、また、日時差の基準時間を時間の最少単位(1分)
に設定した場合であっても、実用上、時刻変更の記録は
洩れなく時刻改ざんであるとみなすことを可能にする。
【0018】更に、基準用内部時計を基準にして勤怠用
内部時計との日時差から、勤怠用内部時計の時刻変更を
検出するため、極めて簡単なシステム構成によって時刻
変更の記録を正確に残すことを可能にする。
【0019】以上の如くであるから、上記の手段によっ
て上述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の問
題点を解消することができる。
【0020】
【実施例】以下に、上述した本発明に係る時刻変更チェ
ック機能付きタイムレコーダの好適な実施例を添付した
図面と共に詳細に説明する。
【0021】図1は本発明に係る時刻変更チェック機能
付きタイムレコーダの外観を示した斜視図であって、こ
の図面に於いて、1は電子式のタイムレコーダ、1aは
図6に示した如きタイムカードTCを差込み自在に構成
したカードポケット、2は現在の日時等を表示する表示
器で、符号3で全体的に示したのはテンキー3aと出勤
時にONする出勤キー3bと退勤時にONする退勤キー
3c、及び、モード切換専用のカギ穴3dとから成るキ
ーボード、4aと4bはこれ等出勤キー3bと退勤キー
3cに設けた表示ランプであって、上記のカギ穴3dに
専用のカギ(図示せず)を差込んで時刻設定モードに切
換えると、図2に示した内部時計8の日時を自由に調整
できる仕組に成っている。
【0022】図2は上述したタイムレコーダ1の電気的
構成を説明したブロック図であって、制御部の中心を成
すCPU5に接続したBUS9には、システムプログラ
ム及び基準時間を格納したROM6と、日時差とか後述
する時刻改ざん記録等を記憶するデータメモリRAM7
と、比較的高い精度を持つ基準用内部時計8Aと、この
基準用内部時計と同等、若しくは、それよりも低い精度
を持ち、且つ、出退勤の各時刻を確定することができる
勤怠用内部時計8Bと、インターフェイス回路10が接
続され、更にこのインターフェイス回路10には、上述
した表示器2とキーボード3に加えて、表示ランプ4
a,4aを含むキーのランプ4と、就業データとか時刻
変更マーク、或は、変更履歴等を印字する印字装置11
と、必要に応じて各種の注意事項とか伝達事項等を発音
する発音装置12が接続されていて、夫々がCPU5の
監視の下でROM6に格納されたシステムプログラムに
従って制御作動されるように構成されている。
【0023】以上の如く構成したタイムレコーダ1に
は、図9に記載した原理説明図に記載したように、勤怠
データが入力される都度、上記の基準用内部時計8Aと
勤怠用内部時計8Bの日時差を算出する「日時差算出手
段」と、その日時差の絶対値が基準時間(例えば1分)
以上であるか否かを判定する「日時差判定手段」と、日
時差が基準時間以上である場合に時刻変更の記録を残す
「時刻変更手段」が具備されている。
【0024】図3と図4は専用のカギを上述したカギ穴
3dに差込んで時刻設定モードに切換えることによっ
て、ROM6に格納したプログラムに従って上述した基
準用内部時計8Aと勤怠用内部時計8Bに対して日時を
設定する処理手順を説明したフローチャートであって、
夫々の初めのステップS1とS3で修正しようとする日
時をテンキー3aを用いて入力すると、次のステップS
2及びS4に進んで入力した日時を夫々の内部時計8
A,8Bにセットして処理を終える仕組に成っている。
【0025】尚、上記内部時計の日時設定に当っては、
一般的には、勤怠用内部時計8Bの設定は各管理者が行
えるのに対して、基準用内部時計8Aの設定は経営者の
みが行えるようにすると、公正を守ることができる。
【0026】次に出退勤時に於ける本発明に係るタイム
レコーダの処理動作を、図5に示したフローチャートに
従って説明する。
【0027】始めのステップS10で出勤キー3b又は
退勤キー3cのONによって出退勤のいずれかの処理で
あるかが決定され、次いで、ステップS11でタイムカ
ードTCがタイムレコーダ1に挿入されると、ステップ
S12に進んで勤怠用内部時計8Bより現在時刻を得
て、次のステップS13でこれから印字する印字データ
(出勤データ又は退勤データ)に対して現在時刻をセッ
トし、次のステップS14で基準用内部時計8Aの日時
を読取った後、次のステップS15に進む。
【0028】ステップS15では上記の基準用内部時計
8Aと勤怠用内部時計8Bの各日時から日時差が求めら
れ、次いで、ステップS16に進んでこの日時差の絶対
値が基準時間(例えば1分)以上であるか否かが判定さ
れて、基準時間以上の場合はステップS17に進み、基
準時間以内の場合はステップS22に進む。
【0029】ステップS17では、タイムカードTCに
印字する出勤又は退勤の印字データに対して改ざんマー
クM(図6参照)を付加し、次いで、ステップS18に
進んで同じく上記の印字データに絶対時刻MH(図6参
照)、即ち、基準用内部時計8Aの現在時刻を付加し
て、次のステップS19に進む。
【0030】ステップS19では、差込まれたタイムカ
ードTCの印字欄位置を求め、次いでステップS20に
進んで上述した各印字データを図6に示す如くタイムカ
ードTCの所定印字欄に印字し、最後にステップS21
でタイムカードTCをカードポケット1aに排出して処
理を終える。
【0031】尚、図6に示した実施例では改ざんマーク
Mとして「◆」マークを印字しているが、このマークは
実施の一例であって、例えば、図8に示すように印字デ
ータRaに対して通常のコロンマークMbよりも1個多
い3個のドットを打った特殊なコロンマークMaを印字
したり、印字データRaの書体とか大きさ等を通常とは
異なる状態で印字したりしてもよく、その形態は任意と
する。
【0032】一方、上述したステップS22では、遅
刻、早退、残業のイレギュラー勤務の種別を判定し、次
のステップS23で遅刻、早退、残業のいずれかである
と判定された場合には、次のステップS24に進んで印
字データにこれ等判定したイレギュラー勤務の種別印字
を付加して前述したステップS19に進むが、遅刻、早
退、残業のいずれでもないと判定された場合は、そのま
まステップS19に進んでタイムカードTCへのデータ
印字が行われる。
【0033】図7は時刻変更の例を表Xに示したもので
あって、始業時刻=9:00として、ポイント(a)は
勤怠用内部時計8Bを変更していない時の正常な時刻で
あって、勤怠用と基準用の各内部時計の日時は夫々9:
32 00で、日時差「0」、時刻改ざんの事実は当然
「無し」となる。
【0034】しかし、この時点で勤怠用内部時計8Bを
ポイント(b)の如く8:59 00″に不正に変更し
た場合は、基準用内部時計8Aの日時は9:32 0
0″であるため、日時差=−33分となって基準時間の
1分を大きく超えているから、この状態で出勤データを
入力すると、時刻変更と判定されて図6に示したように
タイムカードTCの14日の印字欄に時刻データRaと
一緒に変更マークMが印字され、更に、基準用内部時計
8Aの時刻も絶対日時MHとして一緒に印字される。
【0035】また、上記の時刻変更の判定は、勤怠用内
部時計8Bを元に戻すか、或は、予め設定してある時限
監視時間(例えば8時間)を過ぎない限り継続されるた
め、従って、例えば(b)ポイントから6秒経過した
(c)ポイントの時点(8:59 06″)で出勤デー
タを入力しても、基準用内部時計8Aの日時は9:32
06″で日時差は同じく−33分であるから、上記
(b)ポイントでの印字と同様に変更マークMと絶対日
時MHが一緒に時刻データRaに印字されて、時刻変更
があったことを確認可能な状態にする。
【0036】そして、ポイント(c)で勤怠用内部時計
8Bをポイント(d)の時刻9:33 00″に進めて
出勤データを入力した場合は、基準用内部時計8Aの日
時9:32 06″との時間差が+54秒になって、基
準時間(1分)の範囲内になるから、これ以後は変更マ
ークMと絶対日時MHの印字は行わず、時刻データRa
又はRbの印字のみを行う。
【0037】尚、図6に於いてRbは時刻変更マークM
と絶対時刻MHを付して印字された退勤時の時刻データ
である。
【0038】
【発明の効果】以上述べた次第で、本発明に係る時刻変
更チェック機能付きタイムレコーダによれば、出勤時刻
や退勤時刻を確定する勤怠用内部時計の他に、比較的精
度の高い基準用内部時計を備えていて、この基準用内部
時計の日時を基準にして日時を基準にして日時差を算出
し、その日時差の絶対値が基準時間を超えた場合に、時
刻変更の記録を残すため、内部時計の誤差による影響を
極力少くして、例えば1分の微少な時刻変更も適格に検
知して、内部時計の変更履歴を日々の勤怠データ自体に
付加して記録できるものであって、その結果、時刻改ざ
んを予防し、従業員の勤務に関する規律を正すのに役立
てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る時刻変更チェック機能付きタイム
レコーダの外観を示した斜視図である。
【図2】図1に示したタイムレコーダの電気的構成を示
したブロック図である。
【図3】基準用内部時計に対して時刻を設定する場合の
手順を説明したフローチャートである。
【図4】勤怠用内部時計に対して時刻を設定する場合の
手順を説明したフローチャートである。
【図5】本発明に係るタイムレコーダを用いて出退勤デ
ータの入力操作を行う処理手順を説明したフローチャー
トである。
【図6】本発明によって印字処理されたタイムカードの
一部を示した正面図である。
【図7】時刻変更の例を表に示した構成図である。
【図8】時刻変更マークの実施例を示した構成図であ
る。
【図9】本発明に係る時刻変更チェック機能付きタイム
レコーダの機能を説明した原理説明図である。
【符号の説明】
1 タイムレコーダ 7 RAM(データメモリ) 8A 基準用内部時計 8B 勤怠用内部時計 TC タイムカード Ra 時刻データ M 時刻変更マーク MH 絶対日時

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部時計の日時を基準にして時間管理を
    行うタイムレコーダに於いて、比較的高い精度を持つ基
    準用内部時計と、この基準用内部時計と同等、若しく
    は、それよりも低い精度を持ち、且つ、出勤時刻及び退
    勤時刻を確定できる機能を備えた勤怠用内部時計と、勤
    怠データが入力される都度、上記の基準用内部時計と勤
    怠用内部時計の日時差を算出する日時差算出手段と、そ
    の日時差の絶対値が基準時間以上であるか否かを判定す
    る日時差判定手段と、日時差が基準時間以上である場合
    に時刻変更の記録を残す時刻変更記録手段とを備えて成
    ることを特徴とする時刻変更チェック機能付きタイムレ
    コーダ。
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