JP3212985B2 - 磁気センサ装置および電流センサ装置 - Google Patents

磁気センサ装置および電流センサ装置

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JP3212985B2 JP2000588614A JP2000588614A JP3212985B2 JP 3212985 B2 JP3212985 B2 JP 3212985B2 JP 2000588614 A JP2000588614 A JP 2000588614A JP 2000588614 A JP2000588614 A JP 2000588614A JP 3212985 B2 JP3212985 B2 JP 3212985B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、比較的大きな磁界を測定するための磁気セ
ンサ装置およびそれを利用して大電流を非接触で測定す
るための電流センサ装置に関する。
背景技術 磁気センサ装置およびそれを利用した非接触型の電流
センサ装置は、産業上有用なため古くから多くの方式の
ものが開発されている。しかし、その利用分野は特殊で
あり、これまであまり大きな市場ではなかった。従っ
て、コスト面での開発は十分になされていないのが現状
である。
ところが、最近、環境問題に端を発した廃ザス規制に
より、電気自動車や太陽光発電の開発が盛んに行われて
いる。電気自動車や太陽光発電では、数kW〜数10k
Wの直流電力を扱うため、数10〜数100Aの直流電
流を測定する非接触型の電流センサ装置が不可欠となっ
ている。このような電流センサ装置は需要量が膨大なた
め、特性もさることながら、極めて安価でなくては、電
気自動車や太陽光発電そのものの普及を妨げることにな
る。また、電気自動車のような過酷な環境で使用される
電流センサ装置では、10年以上の長期にわたる信頼性
が求められる。このように、電流センサ装置には、特性
が良く、安価で、長期にわたって信頼性が高いことが、
社会的に要請されている。
電流を非接触で測定する場合、交流成分はトランスの
原理で簡単に測定することができる。しかし、直流成分
は、この方法では測定できないので、電流の発生する磁
界を磁気センサで測定する方法が採られる。このための
磁気センサとしては、ホール素子が多く用いられ、磁気
抵抗効果素子やフラックスゲート素子の利用例もある。
従来技術で最も開発が進んでいるホール素子を用いた
電流センサ装置には、例えば、以下のような問題点があ
った。
(1)感度が低いこと。
(2)感度ばらつきが大きいこと。
(3)温度特性が悪いこと。
(4)オフセット電圧の処理が厄介なこと。
磁気抵抗効果素子では、上記問題点に加え、リニアリ
ティが悪いという問題点がある。
ホール素子の問題点に関しては、いくつかの解決手段
が開発されてはきた。それら手段の一つとして、例え
ば、素子出力に比例した磁界を反転して素子に加え、素
子出力が常に一定になるように負帰還をかけることによ
り、感度ばらつき、温度特性、リニアリティを改善する
方法、いわゆる負帰還法がある。
しかしながら、負帰還法を用いる場合には、被検出磁
界と同じ大きさの逆磁界を素子に加える必要がある。そ
のため、電気自動車や太陽光発電の用途のように、数1
00アンペアもの電流を検出する場合には、帰還磁界発
生コイルの巻数を100ターンとしても帰還電流は数ア
ンペアとなる。従って、実際にこの方法で電流センサ装
置を構成したとすると、きわめて大型で高価なものとな
ってしまう。
磁気センサ素子が高感度であれば被検出磁界の一部だ
け(例えば1/100)を素子に加え、帰還電流を減少
させることも考えられるが、磁気センサ素子としてのホ
ール素子は、感度が低いため、これは困難である。
このように、従来は、直流成分を含む大電流を非接触
で検出する電流センサ装置において負帰還法を採用する
ことが困難であったため、特性が良く、安価な電流セン
サ装置を実現することが難しかった。
ところで、フラックスゲート素子は、主に微小磁界検
出用に開発されており、大電流検出のための技術開発が
あまりなされていない。しかし、フラックスゲート素子
は簡単な構成で高感度であるという特徴があり、工夫次
第では大電流用電流センサ装置の磁気検出部として有効
である。
ここで、第25図を用いて、最も簡単なフラックスゲ
ート素子の動作原理を説明する。第25図は、磁芯に巻
かれたコイルのインダクタンスとコイル電流との関係を
示す特性図である。磁芯は磁気飽和特性を有するため、
コイル電流が増大すると、磁芯の実効透磁率が低下し、
コイルのインダクタンスは減少する。従って、マグネッ
ト等で磁芯にバイアス磁界Bをかけておけば、外部磁界
がバイアス磁界に重畳された場合、外部磁界H
大きさは、コイルのインダクタンスの変化として測定す
ることができる。これが最も簡単なフラックスゲート素
子の動作原理である。なお、第25図では、バイアス磁
界Bおよび外部磁界Hは、共に、コイル電流に換算し
た大きさで表している。
しかし、この方法ではマグネットの発生する磁界の強
さや、マグネットと磁芯との位置関係等でバイアス点B
の位置が変わるため、外部磁界がゼロのときのインダク
タンス値を一定値に調整しておく必要がある。ところ
が、この値の温度変化や他の外乱に対しての不安定性の
補償は極めて困難である。そのため、上記の方法は、実
用には適していない。
ところで、棒状磁芯では開磁路となるためヒステリシ
スの影響は通常かなり小さい。そこで、磁芯のヒステリ
シスを無視すれば、磁芯の飽和特性はコイル電流の向き
によらないので、コイル電流を正の向きにしたときと、
負の向きにしたときとのインダクタンスの変化特性は同
一である。例えば、第25図におけるP点とP
は、互いに絶対値の等しい正の向きのコイル電流と負の
向きのコイル電流を表すものとする。これらの点の近傍
において、コイル電流の絶対値の変化に対するインダク
タンスの変化特性は同一である。従って、コイルに、ピ
ーク時には磁芯が飽和領域に入るような交流電流を印加
し、電流の正負の各ピーク値でのインダクタンスの減少
分の差を測定すれば、外部磁界がゼロのときには、この
差は常にゼロである。そして、これは、温度変化や外乱
によって磁芯の特性が変化しても変わらない。なお、本
出願において、磁芯の飽和領域とは、磁界の絶対値が、
磁芯の透磁率が最大透磁率となるときの磁界の絶対値よ
りも大きい領域を言う。
一方、磁芯に外部磁界が印加された場合、例えば、第
25図に示したように、外部磁界Hが電流の正の向き
に印加されたとすると、電流の正のピーク(例えば第2
5図におけるQ点)ではインダクタンス値は減少し、
負のピーク(例えば第25図におけるQ点)ではイン
ダクタンス値は増加するから、その差がゼロ以外の値を
持つ。このインダクタンス値の差は外部磁界に依存する
ので、このインダクタンス値の差を測定することによっ
て、外部磁界を測定することができる。
このように、コイルに、ピーク時には磁芯が飽和領域
に入るような交流電流を印加し、電流の正負の各ピーク
値でのインダクタンスの減少分の差を測定する方法を、
本出願において、大振幅励振法と言う。
このような大振幅励振法を用いた磁気センサ装置は、
例えば、日本特公昭62−55111号公報や、日本特
公昭63−52712号公報、日本特開平9−6150
6号公報に示されている。また、日本実公平7−237
51号公報には、2つのバイアス用マグネットを用いる
ことにより、大振幅励振法と同様の測定を可能にした技
術が示されている。
大振幅励振法は、温度変化や外乱の影響を除去できる
ので、非常に優れたものである。しかし、磁芯を飽和さ
せるに足る交流電流をコイルに与えることは、例えば以
下で述べるような問題から、それほど簡単ではない。
まず、コイルの巻数を増加させると、同じ電流値での
起磁力は増加するが、コイルのインダクタンスが増加す
る。従って、コイルに供給する交流電流の周波数を下げ
るか、電圧を上げなければならない。しかし、電圧の上
昇は、装置の電源電圧によって制限される。また、周波
数の低下は、センサとしての応答周波数限界の低下をま
ねく。そのため、どちらもいつでも許容できるとは限ら
ない。
次に、磁芯を極端に細くし、飽和しやすくすると、コ
イルのインダクタンスのうち磁芯の寄与分が減少し、イ
ンダクタンスの変化が小さくなる。すなわち、磁気セン
サ装置の感度が低下する。
次に、磁気特性を改良しシャープは飽和特性を持たせ
る場合には、特殊な磁芯、つまり大量生産されておら
ず、価格が高い磁芯を使用しなければならず、装置を安
価にできない。更に、磁気センサ装置用として新たに開
発した磁芯では、電気自動車のような過酷な環境での1
0年以上の長期にわたる信頼性に不安が残る。
このように、従来は、前述の社会的な要請に応えるこ
とのできる磁気センサ装置を得ることが難しかった。
「普及版センサ技術」(大森豊明監修,株式会社フジ
・テクノシステム,平成10年7月18日発行)の第1
35〜137ページには、外部磁界を測定するためのセ
ンサコイルと、コンデンサとを用いて共振回路を構成
し、この共振回路を用いた発振回路によって、大振幅励
振法のための交流電流を生成する技術が示されている。
しかしながら、この技術では、一つの磁芯に、大振幅
励振法のための交流電流を流すための励磁コイルと、セ
ンサコイルとの2つのコイルを巻回しており、製造コス
トが高くなるという問題点がある。
日本特開昭60−57277号公報、日本特開平4−
24574号公報、日本特開平6−94817号公報、
米国特許第4384254号、米国特許第462678
2号には、大振幅励振法を用いた磁気センサ装置におい
て、自励発振回路を用いて励振する例が記載されてい
る。
また、日本特開平2−287266号公報、日本特開
平3−135780号公報、日本特開平3−19187
0号公報、米国特許第4503395号には、フラック
スゲート素子を用いた磁気センサ装置における出力検出
方法の例が記載されている。
ところで、フラックスゲート素子を用いた磁気センサ
装置において、その一部にセンサコイルを含む共振回路
を用いて、センサコイルに大振幅励振法のための交流電
流を供給するようにした場合、被測定磁界を検出するた
めにセンサコイルのインダクタンス変化を検出するには
工夫が必要になる。すなわち、センサコイルのインダク
タンス変化を検出する方法としては、センサコイル両端
の電圧変化を検出する方法や、発振周波数の変化を検出
する方法が考えられる。しかしながら、前者では、共振
状態では電圧変化の検出が困難であるという問題点があ
る。また、後者では、発振周波数がインダクタンスの平
方根に比例するため、感度が低く、実用的ではないとい
う問題点がある。
また、上述のようにフラックスゲート素子を用いた磁
気センサ装置において、共振回路を用いてセンサコイル
に大振幅励振法のための交流電流を供給するようにした
場合には、更に負帰還法を採用するには、共振が止まら
ないように負帰還電流を供給しなければならないので工
夫が必要になる。
日本特開昭60−185179号公報、日本特開平9
−257835号公報には、フラックスゲート素子を用
いた磁気センサ装置において負帰還法を採用した例が記
載されている。しかし、これらの例では、共振回路を用
いてセンサコイルに大振幅励振法のための交流電流を供
給する場合については考慮されていない。
また、既に述べたように、大振幅励振法は、温度変化
や外乱の影響を除去できるので、非常に優れたものであ
る。しかし、この大振幅励振法を用いても、実際の磁気
センサ装置や電流センサ装置では、次のような問題点が
ある。
大振幅励振法では、原理的には、外部磁界がゼロのと
きには、励振電流の正負の各ピーク値におけるセンサコ
イルのインダクタンスの減少分(以下、インダクタンス
変化量という。)の差は常にゼロであり、これは、温度
変化や外乱によってセンサ磁芯の特性が変化しても変わ
らないはずである。しかし、実際には、励振電流の波形
の歪みにより、励振電流の正のピーク値と負のピーク値
は完全には対称にならない。その結果、外部磁界がゼロ
のときでも、励振電流の正負の各ピーク値におけるイン
ダクタンスには、わずかな差が存在する。この差は、励
振電流の正負の各ピーク値におけるインダクタンスが変
化すると、その変化の大きさに直接に比例して変化す
る。従って、外部磁界がゼロのときに励振電流の波形の
歪みに起因して生じるセンサ装置の測定誤差(以下、オ
フセット誤差という。)は、励振電流の正負の各ピーク
値におけるセンサコイルのインダクタンスの変化をもた
らす外部擾乱の影響を受ける。
ここで、オフセット誤差が存在し、それが外部擾乱の
影響を受けるようなセンサ装置に負帰還法を適用する場
合を考える。負帰還法では、原理的には、センサ磁芯に
加えられた外部磁界をちょうど打ち消すような打ち消し
磁界をセンサ磁芯に与え、センサ磁芯内部の磁界が常に
ゼロとなるように制御する。センサ磁芯内部の磁界がゼ
ロであることは、励振電流の正負の各ピーク値における
インダクタンス変化量の差がゼロであることで検出され
る。このとき、未知の外部磁界は既知の打ち消し磁界と
大きさが等しいことから、打ち消し磁界に基づいて外部
磁界が求められる。
ここで、オフセット誤差が存在し、それが外部擾乱の
影響を受けるとする。この場合でも、上記の打ち消し磁
界により、励振電流の正負の各ピーク値におけるインダ
クタンス変化量の差がゼロとなる。しかし、このとき、
センサ磁芯内部の磁界はゼロではなく、センサ磁芯内部
には、上記の打ち消し磁界により、オフセット誤差と絶
対値が等しい測定信号に対応するインダクタンス変化量
の差を生じるような逆方向磁界が加えられている。
従って、オフセット誤差が外部擾乱の影響を受けて変
化することは、外部磁界に対する打ち消し磁界(これは
センサ装置の測定信号に対応する。)が外部擾乱の影響
を受けることと等価である。よって、励振電流の波形の
歪みによって励振電流の正のピーク値と負のピーク値と
の非対称性が存在する場合には、大振幅励振法と負帰還
法を組み合わせたフラックスゲート磁気センサ装置また
は電流センサ装置の測定信号は、励振電流の正負の各ピ
ーク値におけるセンサコイルのインダクタンスに変化を
与えるような外部擾乱の影響を受けることになる。
励振電流の正負の各ピーク値におけるセンサコイルの
インダクタンスに変化を与える外部擾乱には以下のもの
がある。
(1)センサコイル励振駆動回路の電源電圧変動に起因
するもの。
(1−1)電源電圧の変動による励振電流振幅の変
動。
(1−1)電源電圧の変動による励振電流波形の歪み
の変動。
(2)温度変化に起因するもの。
(2−1)磁芯の磁気特性の温度変化。
(2−2)センサコイルの熱変形。
(2−3)熱膨張等による磁芯の応力の変動。
(2−4)励振電流や帰還電流によるセンサコイルの
発熱。
(2−5)励振回路の温度特性、特に能動素子の温度
特性による励振振幅の変動。
上記のように原因の異なる数多いインダクタンス変動
要因を、個別に補償することはきわめて困難である。従
来は、例えば、センサ装置の電源を定電圧電源とするこ
とで電源電圧変動を抑え、温度特性はサーミスタ等の感
温素子を用いて補正していた。しかし、定電圧電源の採
用はコストアップにつながるばかりでなく、消費電力の
増加をもたらすという問題点がある。また、サーミスタ
を用いて温度特性を補正する場合には、補正特性を決定
するのが困難で、しかも多くの場合、完全に補正するこ
とができないという問題点がある。
これまで述べたように、フラックスゲート磁気センサ
装置または電流センサ装置において大振幅励振法や負帰
還法を採用することで、外部擾乱に対する優れた安定性
を持つ磁気センサ装置または電流センサ装置を実現でき
る可能性がある。しかしながら、従来のフラックスゲー
ト磁気センサ装置または電流センサ装置では、外部擾乱
によって、励振電流の正負の各ピーク値におけるセンサ
コイルのインダクタンスが変化して、測定誤差が変動す
る場合があることから、大振幅励振法や負帰還法の持つ
「外部擾乱に対する優れた安定性」という特徴を生かし
切れていなかった。
発明の開示 本発明の第1の目的は、特性が良く、安価な磁気セン
サ装置および電流センサ装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加え、長期
にわたって信頼性の高い磁気センサ装置および電流セン
サ装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、外部擾乱に対して安定な磁気
センサ装置および電流センサ装置を提供することにあ
る。
本発明の第1の磁気センサ装置または電流センサ装置
は、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出
するためのセンサコイルと、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、
前記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイル
に供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルに対して直列に接続されたインダク
タンス素子と を備えている。
本発明の第1の磁気センサ装置または電流センサ装置
では、駆動手段によって、センサコイルを一部に含む直
列共振回路に流れる共振電流がセンサコイルに供給され
る。センサコイルに対して直列に接続されたインダクタ
ンス素子は、例えば、センサコイルに流れる共振電流の
変化を検出するためや、直流すなわち周波数ゼロの電流
を含めた、直列共振回路の共振周波数以外の周波数を有
する第2の電流をセンサコイルに供給するために用いら
れる。なお、本出願において、磁芯とは、磁気飽和特性
を有する磁性体からなり、コイルが巻回される芯を言
う。また、センサコイルを駆動するとは、センサコイル
に交流電流を供給することを言う。
本発明の第2の磁気センサ装置または電流センサ装置
は、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出
するためのセンサコイルと、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、
前記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイル
に供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルに流れる共振電流の変化を検出する
ことによって、被測定磁界を検出する検出手段と を備えている。
本発明の第2の磁気センサ装置または電流センサ装置
では、駆動手段によって、センサコイルを一部に含む直
列共振回路に流れる共振電流がセンサコイルに供給さ
れ、検出手段によって、センサコイルに流れる共振電流
の変化が検出されて被測定磁界が検出される。
本発明の第2の磁気センサ装置または電流センサ装置
において、共振電流は、例えば、磁芯が飽和領域に達す
るような大きさの電流である。
また、本発明の第2の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、検出手段は、例えば、直列共振回路に
挿入されたインダクタンス素子と、このインダクタンス
素子の両端に発生する電圧を微分して、被測定磁界に応
じた信号を出力する微分回路とを有する。
また、本発明の第2の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、駆動手段は、例えば、直列共振回路に
対して、直列共振回路の共振周波数に同調する交流電流
を供給する交流電源を有する。
また、本発明の第2の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、駆動手段は、例えば、直列共振回路を
含む発振回路を有する。この場合、発振回路は、例え
ば、クラップ発振回路でもよいし、コルピッツ発振回路
でもよい。
また、本発明の第2の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、磁芯は、例えばフェライト材によって
形成されている。
本発明の第3の磁気センサ装置または電流センサ装置
は、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出
するためのセンサコイルと、 前記センサコイルに交流電流を供給して前記センサコ
イルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルに対して直列に接続されたインダク
タンス素子と 前記インダクタンス素子の両端に発生する電圧を微分
して、被測定磁界に応じた信号を出力する微分回路と を備えている。
本発明の第3の磁気センサ装置または電流センサ装置
では、駆動手段によって、交流電流がセンサコイルに供
給され、微分回路によって、センサコイルに対して直列
に接続されたインダクタンス素子の両端に発生する電圧
が微分され、被測定磁界に応じた信号が出力される。
本発明の第3の磁気センサ装置または電流センサ装置
において、交流電流は、例えば、磁芯が飽和領域に達す
るような大きさの電流である。
また、本発明の第3の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、磁芯は、例えばフェライト材によって
形成されている。
本発明の第4の磁気センサ装置または電流センサ装置
は、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出
するためのセンサコイルと、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、
前記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイル
に供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 直流すなわち周波数ゼロの電流を含めた、前記直列共
振回路の共振周波数以外の周波数を有する第2の電流を
前記センサコイルに供給する電流供給手段と を備えている。
本発明の第4の磁気センサ装置または電流センサ装置
では、駆動手段によって、センサコイルを一部に含む直
列共振回路に流れる共振電流がセンサコイルに供給さ
れ、また、電流供給手段によって、直流を含めた、直列
共振回路の共振周波数以外の周波数を有する第2の電流
がセンサコイルに供給される。
また、本発明の第4の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、共振電流は、例えば、磁芯が飽和領域
に達するような大きさの電流である。
また、本発明の第4の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、駆動手段は、例えば、直列共振回路を
含む発振回路を有する。
また、本発明の第4の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、電流供給手段は、例えば、直列共振回
路の一部をなし、直列共振回路からみて、センサコイル
に対して交流的に並列に接続された第2のコイルを有
し、この第2のコイルを経由して、センサコイルに第2
の電流を供給する。この場合、例えば、第2のコイルの
インダクタンスは、センサコイルのインダクタンス以上
である。また、電流供給手段は、例えば、更に、第2の
コイルに対して並列に接続された静電容量素子を有し、
この静電容量素子と第2のコイルによる並列共振周波数
は、直列共振回路の共振周波数と略同一に設定されてい
る。
また、本発明の第4の磁気センサ装置または電流セン
サ装置は、例えば、更に、センサコイルに流れる共振電
流に基づいて、被測定磁界を検出する検出手段を備えて
いてもよい。この場合、検出手段は、例えば、センサコ
イルに流れる共振電流のうちの磁芯が飽和領域に達する
部分に基づいて、被測定磁界を検出する。また、検出手
段は、例えば、センサコイルに流れる共振電流のうちの
正負非対称成分に基づいて、被測定磁界を検出する。ま
た、検出手段は、例えば、直列共振回路に挿入されたイ
ンダクタンス素子と、このインダクタンス素子の両端に
発生する電圧を微分して、被測定磁界に応じた信号を出
力する微分回路とを有する。
また、本発明の第4の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、電流供給手段は、例えば、センサコイ
ルに流れる共振電流が常に正負対称になるように、セン
サコイルに第2の電流を供給する。
本発明の第5の磁気センサ装置または電流センサ装置
は、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出
するためのセンサコイルと、 前記磁芯が飽和領域に達するような交流の駆動電流を
前記センサコイルに供給して前記センサコイルを駆動す
る駆動手段と、 前記センサコイルのインダクタンスの変化を検出する
ことにより、被測定磁界を検出する被測定磁界検出手段
と、 等価的に前記磁芯の飽和領域におけるインダクタンス
変化量を検出するインダクタンス変化量検出手段と、 前記インダクタンス変化量検出手段によって検出され
るインダクタンス変化量に基づいて前記駆動電流を制御
する制御手段と を備えている。
本発明の第5の磁気センサ装置または電流センサ装置
では、駆動手段によって、磁芯が飽和領域に達するよう
な交流の駆動電流がセンサコイルに供給されてセンサコ
イルが駆動され、被測定磁界検出手段によって、センサ
コイルのインダクタンスの変化が検出されて被測定磁界
が検出される。また、インダクタンス変化量検出手段に
よって、等価的に磁芯の飽和領域におけるインダクタン
ス変化量が検出され、このインダクタンス変化量に基づ
いて、制御手段によって駆動電流が制御される。
本発明の第5の磁気センサ装置または電流センサ装置
において、制御手段は、例えば、インダクタンス変化量
検出手段によって検出されるインダクタンス変化量が一
定になるように駆動電流を制御する。
また、本発明の第5の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、制御手段は、例えば、等価的に駆動手
段の動作電圧を制御する。
また、本発明の第5の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、制御手段は、例えば、等価的に駆動手
段の動作点を制御する。
また、本発明の第5の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、インダクタンス変化量検出手段は、例
えば、磁芯の飽和領域における駆動電流に基づいてイン
ダクタンス変化量を検出する。この場合、インダクタン
ス変化量検出手段は、例えば、センサコイルに対して直
列に接続されたインダクタンス素子と、このインダクタ
ンス素子の両端に発生する電圧を微分して、インダクタ
ンス変化量に応じた信号を出力する微分回路とを有す
る。
また、本発明の第5の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、被測定磁界検出手段は、例えば、セン
サコイルに対して直列に接続されたインダクタンス素子
と、このインダクタンス素子の両端に発生する電圧を微
分して、被測定磁界に応じた信号を出力する微分回路と
を有する。
また、本発明の第5の磁気センサ装置または電流セン
サ装置において、駆動手段は、例えば、発振時定数を決
める回路の一部にセンサコイルを含む自励発振回路を有
する。この場合、自励発振回路は、例えば、クラップ発
振回路でもよいし、コルピッツ発振回路でもよい。
また、本発明の第5の磁気センサ装置または電流セン
サ装置は、例えば、更に、センサコイルに、被測定磁界
検出手段の出力を負帰還するための負帰還電流を供給す
る負帰還電流供給手段を備えていてもよい。
本発明のその他の目的、特徴および利益は、以下の説
明を以って十分明白になるであろう。
発明を実施するための最良の形態 以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳
細に説明する。
[第1および第2の実施の形態の概略] 始めに、本発明の第1および第2の実施の形態の概略
について説明する。第1の実施の形態はフラックスゲー
ト素子を利用した磁気センサ装置に関し、第2の実施の
形態は、第1の実施の形態に係る磁気センサ装置を用い
た電流センサ装置に関する。また、第1および第2の各
実施の形態では、大振幅励振法を用いる。第1の実施の
形態に係る磁気センサ装置は、磁気飽和特性を有する磁
芯と、磁芯に巻回されたセンサコイルと、このセンサコ
イルと静電容量素子(コンデンサ)とを用いた直列共振
回路を有し、磁芯が飽和領域に達するような交流電流と
して、直列共振回路に流れる共振電流をセンサコイルに
供給する駆動回路と、センサコイルに流れる共振電流の
変化を検出することによって、被測定磁界を検出する検
出回路とを備えている。駆動回路は、例えば、直列共振
回路を含む発振回路を有する。
磁芯に巻回されたセンサコイルを発振回路の一部とす
ることにより、センサコイルには、必然的に、電源電圧
で制限される電流値に対して共振回路のQ値倍となる交
流電流が供給される。Qは一般に10〜100である。
従って、第1および第2の各実施の形態によれば、フェ
ライト等、信頼性に優れ、大量生産により安価である磁
芯を用いることができると共に、通常の技術によって構
成された安価で小型なセンサコイルに対して、磁芯を十
分飽和するに足る交流電流を供給することができる。ま
た、共振電流を利用しているので、センサコイルに流れ
る電流は交流電流の周波数には依存しない。従って、交
流電流の周波数として、磁気センサ装置としての周波数
応答性が必要とする任意の周波数を選ぶことができ、例
えば、交流電流の周波数を高くして、磁気センサ装置の
周波数応答性を向上させることができる。
ただし、共振電流を利用する場合、センサコイルのイ
ンダクタンスの変化を磁気センサ装置の出力信号として
取り出すには、工夫が必要である。すなわち、既に述べ
たように、センサコイル両端の電圧変化を検出する方法
では、共振状態では電圧変化の検出が困難であるという
問題点があり、発振周波数の変化を検出する方法では、
発振周波数がインダクタンスの平方根に比例するため、
感度が低く、実用的ではないという問題点がある。
本発明の第1および第2の各実施の形態では、センサ
コイルのインダクタンスの変化を磁気センサ装置の出力
信号として取り出す方法として、共振電流の波形変化を
検出する方法を用いる。共振電流の波形変化を検出する
ためには、抵抗を共振回路に直列に挿入し、その両端の
電圧を検出することが考えられる。しかし、共振回路に
対する抵抗の挿入は、共振回路のQ値を下げ、センサコ
イルの励振する交流電流(共振電流)の不足をまねく。
これを防止するために、抵抗を微小にすると、広帯域で
増幅度が一定なアンプが必要となり、磁気センサ装置が
高価格となってしまう。
そこで、本発明の第1および第2の各実施の形態で
は、共振電流の波形変化を検出する方法として、センサ
コイルを含む共振回路に、飽和電流値の大きな検出用イ
ンダクタンス素子を挿入し、その両端の電圧を微分回路
で微分する方法を用いる。
[第1の実施の形態] 次に、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサ装
置について説明する。第1図は、本実施の形態に係る磁
気センサ装置の構成を示す回路図である。
本実施の形態に係る磁気センサ装置は、磁気飽和特性
を有する磁芯1と、この磁芯1に巻回されたセンサコイ
ル2とを備えている。センサコイル2の一端には、イン
ダクタンス素子としての検出コイル20の一端が接続さ
れている。検出コイル20の他端は、接地されている。
磁気センサ装置は、更に、センサコイル2を一部に含む
直列共振回路を有し、磁芯1が飽和領域に達するような
交流電流として、直列共振回路に流れる共振電流をセン
サコイル2に供給する駆動回路3と、センサコイル2に
流れる共振電流の変化を検出することによって、被測定
磁界を検出する検出回路4とを備えている。
駆動回路3は、直列共振回路を含む発振回路を有す
る。この発振回路は、以下のように構成されている。す
なわち、発振回路は、トランジスタ11を有している。
トランジスタ11のベースは、共振用コンデンサ12を
介して、センサコイル2の他端に接続されている。トラ
ンジスタ11のベースには、帰還用コンデンサ13の一
端が接続されている。帰還用コンデンサ13の他端に
は、帰還用コンデンサ14の一端とトランジスタ11の
エミッタが接続されている。帰還用コンデンサ14の他
端は接地されている。トランジスタ11のエミッタは、
負荷用コイル15を介して接地されている。トランジス
タ11のコレクタは、電源入力端16に接続されている
と共に、バイアス抵抗17を介してベースに接続されて
いる。この発振回路は、クラップ発振回路の構成となっ
ている。ただし、コンデンサ12,13,14のキャパ
シタンスをそれぞれCs,Cb,Ceとすると、Cs≪
Cb,Ceである。
検出回路4は、以下のように構成されている。センサ
コイル2と検出用コイル20との接続点には、コンデン
サ21の一端が接続され、コンデンサ21の他端は、抵
抗22を介して接地されている。これらコンデンサ21
および抵抗22は、検出用コイル20の両端に発生する
電圧を微分して、被測定磁界に応じた信号を出力する微
分回路を構成している。
コンデンサ21と抵抗22との接続点には、ダイオー
ド23のアノードとダイオード25のカソードが接続さ
れている。ダイオード23のカソードは、コンデンサ2
4を介して接地されている。ダイオード25のアノード
は、コンデンサ26を介して接地されている。ダイオー
ド23とコンデンサ24は、正方向ピークホールド回路
を構成し、ダイオード25とコンデンサ26は、負方向
ピークホールド回路を構成している。
ダイオード23とコンデンサ24との接続点は、抵抗
27を介して、検出出力端29に接続されている。ダイ
オード25とコンデンサ26との接続点は、抵抗28を
介して、検出出力端29に接続されている。抵抗27,
28は、正方向ピークホールド回路でホールドされた正
方向出力値と負方向ピークホールド回路でホールドされ
た負方向出力値とを加算する抵抗加算回路を構成してい
る。検出出力端29の出力電圧は磁気センサ装置の電源
電圧以上にすることも可能である。
なお、検出用コイル20は、駆動回路3としての発振
回路の一部でもあるし、検出回路4の一部でもある。
以下、第1図に示した磁気センサ装置の各構成要素に
ついて、具体的な一例を挙げる。磁芯1としては、Ni
−Cu−Zn系フェライトによって形成された、直径
0.8mm、長さ2.5mmの棒状磁芯を使用した。セ
ンサコイル2としては、例えば、上記磁芯1に、直径
0.03mmのウレタン被覆導線を250ターン巻いた
ものを使用した。このセンサコイル2のインダクタンス
Lsは、500μHであり、インダクタンスが1/2に
なるコイル電流は60mAである。なお、磁芯1の形状
は、棒状に限らず、ドラム型やその他の形状であっても
よい。
検出用コイル20としては、インダクタンスLdが2
2μHの市販のインダクタンス素子を用いた。ここで、
Ld≪Lsであるので、発振回路の発振周波数は、ほぼ
センサコイル2のインダクタンスLsと共振用コンデン
サ12のキャパシタンスCsで定まる。Cs=2700
pFのとき、発振周波数、すなわち磁気センサ装置の励
振周波数は150kHzであった。フラックスゲート素
子を利用した磁気センサ装置では、励振電流の1サイク
ルに対し正負の2点でサンプリングするため、サンプリ
ング周波数は励振周波数の2倍となる。応答の限界周波
数であるナイキスト周波数はサンプリング周波数の1/
2である。従って、磁気センサ装置のナイキスト周波数
は150kHzとなる。しかし、センサコイル2と共振
用コンデンサ12の耐圧に注意すれば発振周波数を50
0kHz程度まで上げることも可能である。
センサコイル2と共振用コンデンサ12の接続点にお
ける発振振幅は、回路動作電圧5Vのとき、実測では6
0VP−Pであった。センサコイル2および検出用コイ
ル20のインダクタンス(500+22)μHの150
kHzにおけるインピーダンスは492Ωであるから、
センサコイル2は、122mAP−Pすなわち正負約6
0mAの交流電流で駆動され、磁芯1は飽和領域に達す
る。
次に、本実施の形態に係る磁気センサ装置の作用につ
いて説明する。センサコイル2には、駆動回路3として
の発振回路によって、磁芯1が飽和領域に達するような
交流電流が供給される。この交流電流は、電源電圧で制
限される電流値に対して共振回路のQ値倍となる共振電
流である。本実施の形態では、センサコイル2のインダ
クタンスの変化を磁気センサ装置の出力信号として取り
出す方法として、共振電流の波形変化を検出する方法を
用いる。具体的には、センサコイル2に対して直列に接
続された、飽和電流値の大きな検出用コイル20の両端
の電圧を、コンデンサ21および抵抗22からなる微分
回路で微分する。そして、ダイオード23およびコンデ
ンサ24からなる正方向ピークホールド回路によって、
微分回路の出力の正方向出力値をホールドし、ダイオー
ド25およびコンデンサ26からなる負方向ピークホー
ルド回路によって、微分回路の出力の負方向出力値をホ
ールドし、抵抗27,28からなる抵抗加算回路によっ
て正方向出力値と負方向出力値とを加算して、検出出力
端29より出力する。
第2A図ないし第2F図は、本実施の形態に係る磁気
センサ装置の動作を説明するための波形図である。第2
A図は、外部磁界がないときの検出用コイル20の両端
の電圧波形を表している。第2B図は、第2A図に示し
た電圧波形の微分波形を表している。この図から分かる
ように、外部磁界がないときには、微分波形の正負の各
ピーク値の和(絶対値の差)はゼロである。
第2C図は、センサコイル2に、ある方向の外部磁界
が加わったときの検出用コイル20の両端の電圧波形を
表している。第2D図は、第2C図に示した電圧波形の
微分波形を表している。第2E図は、センサコイル2
に、第2C図の場合とは逆方向の外部磁界が加わったと
きの検出用コイル20の両端の電圧波形を表している。
第2F図は、第2E図に示した電圧波形の微分波形を表
している。これらの図に示したように、センサコイル2
に外部磁界が加わったときには、微分波形はゼロレベル
に対して非対称となる。その結果、微分波形の正負の各
ピーク値の和(絶対値の差)は、ゼロ以外の値となり、
これは外部磁界に依存する。このようにして、本実施の
形態によれば、微分波形の正負の各ピーク値の和(絶対
値の差)より、外部磁界を測定することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、共振回
路の共振電流をセンサコイル2に供給するようにしたの
で、磁芯1が飽和領域に達するような交流電流をセンサ
コイル2に容易に供給することができる。また、磁芯1
に、センサコイル2の他に、励磁用のコイルを巻回する
必要がないので、構成が簡単になる。
また、本実施の形態によれば、共振回路に対して検出
用コイル20を挿入することによって、共振回路のQ値
を下げず、すなわち、センサコイル2に供給する共振電
流の不足を生じることなく、ボルトオーダーの検出出力
を簡単に得ることができる。また、ピークホールド回路
も、ダイオードとコンデンサを用いた簡単で安価な回路
を使用できる。なお、検出用コイル20は、そのインダ
クタンス値がセンサコイル2のインダクタンス値の数%
でも、十分大きな出力を得ることができる。従って、検
出用コイル20は、巻数が少なく、通常、飽和電流値は
十分大きいので、センサコイル2の駆動電流(共振電
流)によって飽和することはない。
以下、本実施の形態に係る磁気センサ装置の特徴を列
記する。
(1)大振幅励振法を用いることができるので、特性が
良い。
(2)古くから量産され、10年以上の長期にわたる信
頼性が明確なフェライト材のような材料を用いた磁芯を
利用できるので、長期にわたって信頼性が高い。
(3)センサ部に特殊な工法を必要としない。
(4)共振電流を利用するので、低い電源電圧、高い周
波数でセンサコイルを駆動することができる。
(5)何らの特殊な材料や特殊な工法を用いることなく
製造でき、回路も非常に簡単であるので、きわめて安価
に製造することができ、大量の需要に応えることが可能
である。
(6)周波数応答性が良い。
(7)共振電流を利用するので、消費電力が少ない。
(8)構成が簡単なので、小型軽量である。
以上のことから、本実施の形態に係る磁気センサ装置
は、電気自動車や太陽光発電の直流電流の制御に用いる
のに極めて有効である。
次に、第3図ないし第6図を参照して、本実施の形態
のいくつかの変形例について説明する。
まず、第1図に示した磁気センサ装置では、発振回路
としてクラップ発振回路を用いたが、センサコイル2の
飽和電流値が小さく、駆動電圧が低くてもよい場合は、
発振回路としてコルピッツ発振回路を用いてもよい。コ
ルピッツ発振回路は、第1図と同様の回路構成で、コン
デンサ12,13,14のキャパシタンスCs,Cb,
Ceの関係を、Cb≪Cs,Ceとすることで実現する
ことができる。
なお、コルピッツ発振回路の場合には、コンデンサ1
2は、共振用ではなく、直流遮断のために用いられる。
従って、コルピッツ発振回路を用いる場合には、磁気セ
ンサ装置の回路構成を第3図に示した構成としてもよ
い。第3図に示した回路構成では、第1図におけるコン
デンサ12を除き、コンデンサ32を設けている。トラ
ンジスタ11のベースおよび抵抗17の一端は、コンデ
ンサ32の一端に接続されている。コンデンサ32の他
端は、センサコイル2とコンデンサ13の接続端に接続
されている。
第4図は、他の構成のコルピッツ発振回路を用いた磁
気センサ装置の回路構成の一例を示したものである。こ
の例では、インバータを用いてコルピッツ発振回路を構
成している。第4図に示した磁気センサ装置では、セン
サコイル2の一端に、コンデンサ71の一端とインバー
タ73の入力端が接続されている。コンデンサ71の他
端には、検出用コイル20の一端が接続されている。検
出用コイル20の他端には、コンデンサ72の一端が接
続されている。コンデンサ72の他端は、センサコイル
2の他端に接続されていると共に、インバータ73の出
力端に接続されている。また、検出用コイル20の一端
には、微分回路のコンデンサ21の一端が接続され、検
出用コイル20の他端は接地されている。第4図に示し
た例のように、検出用コイル20は、必ずしも、センサ
コイル2に直接接続される必要はなく、共振回路に挿入
されていればよい。
第5図に示した磁気センサ装置は、駆動回路として、
第1図に示した発振回路の代わりに、交流電源81を用
いたものである。交流電源81の一端は、センサコイル
2の他端に接続され、交流電源81の他端は接地されて
いる。
第6図に示した磁気センサ装置は、第1図と同様に、
センサコイル2の他端に共振用コンデンサ12を接続し
て、直列共振回路を構成すると共に、この直列共振回路
に対して、共振周波数に同調する交流電流を供給する交
流電源81を設けたものである。交流電源81の一端
は、共振用コンデンサ12を介してセンサコイル2の他
端に接続され、交流電源81の他端は接地されている。
[第2の実施の形態] 次に、本発明の第2の実施の形態に係る電流センサ装
置について説明する。第7図は、本実施の形態に係る電
流センサ装置の構成を示す回路図である。本実施の形態
に係る電流センサ装置は、第1の実施の形態に係る磁気
センサ装置を用いて構成したものである。
本実施の形態に係る電流センサ装置は、被測定電流が
通過する導電部61を囲うように設けられ、一部にギャ
ップを有する磁気ヨーク62を備えている。そして、磁
気ヨーク62のギャップ内に、第1の実施の形態に係る
磁気センサ装置における磁芯1およびセンサコイル2が
配置されている。本実施の形態に係る電流センサ装置の
その他の構成は、第1の実施の形態に係る磁気センサ装
置と同様である。
以下、実際に製造した電流センサ装置の具体的な一例
について説明する。この例では、磁気ヨーク62とし
て、Mn−Zn系フェライトで形成されたトロイダルコ
アを用いた。磁気ヨーク62の形状は、外径20mm、
内径10mm、厚さ5mmで、幅8mmのギャップを有
するものとした。この例では、電流センサ装置の全体形
状を、20mm×30mm×6mmと極めて小さくする
ことができた。この電流センサ装置は、+5Vの単一電
源で動作し、消費電流は25mA、重量は9gであっ
た。
第8図は、本実施の形態に係る電流センサ装置の磁気
ヨーク62の内側に配置された導電部61を通過する被
測定電流と、電流センサ装置の出力電圧との関係の一例
を示したものである。この図に示したように、本実施の
形態に係る電流センサ装置によれば、広い電流値の範囲
でリニアで良好な出力電圧特性を得ることができる。従
って、この電流センサ装置は、電気自動車や太陽光発電
の直流電流の制御に用いるのに極めて有効である。
本実施の形態におけるその他の作用および効果は、第
1の実施の形態と同様である。
なお、第1および第2の実施の形態で上げた駆動回路
3の構成や検出回路4の構成は、一例であり、通常の技
術を用いて種々変更が可能である。
第1の実施の形態を含む本発明の磁気センサ装置また
は第2の実施の形態を含む本発明の電流センサ装置によ
れば、駆動手段によって、磁芯が飽和領域に達するよう
な交流電流として、センサコイルを一部に含む直列共振
回路に流れる共振電流をセンサコイルに供給し、検出手
段によって、センサコイルに流れる共振電流の変化を検
出することによって、被測定磁界を検出するようにした
ので、特性が良く、安価で、長期にわたって信頼性の高
い磁気センサ装置または電流センサ装置を提供すること
が可能になる。
また、直列共振回路にインダクタンス素子を挿入し、
このインダクタンス素子の両端に発生する電圧を微分し
て、被測定磁界に応じた信号を検出するようにした場合
には、更に、センサコイルに供給する共振電流の不足を
生じることなく、被測定磁界を検出することが可能にな
る。
また、駆動手段が、直列共振回路を含む発振回路を有
するようにした場合には、更に、低い電源電圧でセンサ
コイルを駆動することが可能になる。
また、第1の実施の形態を含む発明の磁気センサ装置
または第2の実施の形態を含む発明の電流センサ装置に
よれば、駆動手段によって、磁芯が飽和領域に達するよ
うな交流電流をセンサコイルに供給し、微分回路によっ
て、センサコイルに対して直列に接続されたインダクタ
ンス素子の両端に発生する電圧を微分して、被測定磁界
に応じた信号を検出するようにしたので、センサコイル
に共振電流を供給し、且つ共振電流の不足を生じること
なく被測定磁界を検出することが可能となり、特性が良
く、安価で、長期にわたって信頼性の高い磁気センサ装
置または電流センサ装置を提供することが可能になる。
また、磁芯をフェライト材によって形成した場合に
は、更に、長期にわたる信頼性を向上させることができ
る。
[第3および第4の実施の形態の概略] 次に、本発明の第3および第4の実施の形態の概略に
ついて説明する。第3の実施の形態はフラックスゲート
素子を利用した磁気センサ装置に関し、第4の実施の形
態は、第3の実施の形態に係る磁気センサ装置を用いた
電流センサ装置に関する。
本発明の第3および第4の実施の形態では、第1およ
び第2の実施の形態と同様に、磁芯が飽和領域に達する
ような交流電流をセンサコイルに供給する手段として、
センサコイルと静電容量素子(コンデンサ)を持つ直列
共振回路を含む発振回路を用い、直列共振回路に流れる
共振電流をセンサコイルに供給するようにしている。
また、第3および第4の各実施の形態では、センサコ
イルのインダクタンスの変化は、共振電流の電流値また
は波形から検出する。このようにして、フラックスゲー
ト素子としてのセンサコイルより、外部磁界に対応した
出力信号を得ることができる。
ここで、センサコイルに、外部磁界と逆向きの起磁力
を与えると、センサコイルは常に印加磁界がゼロの状態
で動作し、負帰還法が実現できる。
なお、負帰還法を実現する方法としては、一般的に、
同じ磁芯にセンサコイルと帰還コイルとを巻回し、帰還
コイルに対して電圧源より帰還電流を供給する方法が考
えられる。しかし、発振回路によってセンサコイルに共
振電流を供給する場合には、以下のような問題がある。
すなわち、この方法では、センサコイルと帰還コイル
は、磁芯を介して電磁気的に結合される。また、一般的
に電圧源のインピーダンスは低い。そのため、共振電流
が帰還コイル側にシャントされ、発振電圧が低下し、発
振が止まってしまう。そのため、帰還コイルを用いる方
法は採用することができない。
そこで、第3および第4の各実施の形態では、センサ
コイルに帰還電流を供給する。ここで、センサコイルが
共振回路の一部を構成しているので、センサコイルへの
帰還電流の供給方法は、共振電流の損失がない方法で行
われなければならない。
そこで、共振電流の周波数に対して高インピーダンス
で、センサコイルに帰還電流を供給する方法が考えられ
る。高インピーダンスで電流を供給する方法としては、
定電流回路や高インダクタンスのチョークコイルを用い
る方法がある。
センサコイルには大きな共振電圧が発生しているの
で、定電流回路を用いる方法は、センサコイルの飽和電
流値が小さく、共振電圧が低い場合に適用することがで
きる。また、チョークコイルを用いる方法は、共振周波
数が十分高い場合であって、チョークコイルの形状や価
格が問題となることが少ないときに、適用することがで
きる。
しかし、第3および第4の各実施の形態では、上述の
定電流回路や高インダクタンスのチョークコイルを用い
る方法よりも優れた方法で、センサコイルに帰還電流を
供給する。以下、第10図ないし第12図を参照して、
第3および第4の各実施の形態における帰還電流の供給
方法について説明する。
第3および第4の各実施の形態における発振回路とし
ては、クラップ発振回路またはコルピッツ発振回路が最
適である。第10図は、クラップ発振回路の構成の一例
を示す回路図である。この発振回路は、直列共振回路を
構成する共振用コイル91と共振用コンデンサ12とを
備えている。共振用コイル91の一端は接地され、他端
は共振用コンデンサ12の一端に接続されている。発振
回路は、更に、トランジスタ11を有している。トラン
ジスタ11のベースは、共振用コンデンサ12の他端に
接続されている。トランジスタ11のベースには、帰還
用コンデンサ13の一端が接続されている。帰還用コン
デンサ13の他端には、帰還用コンデンサ14の一端と
トランジスタ11のエミッタが接続されている。帰還用
コンデンサ14の他端は接地されている。トランジスタ
11のエミッタは、負荷用コイル15を介して接地され
ている。トランジスタ11のコレクタは、電源入力端1
6に接続されていると共に、バイアス抵抗17を介して
ベースに接続されている。このクラップ発振回路では、
コンデンサ12,13,14のキャパシタンスをそれぞ
れCs,Cb,Ceとすると、Cs≪Cb,Ceであ
る。なお、発振回路としてコルピッツ発振回路を用いて
もよい。コルピッツ発振回路は、第10図と同様の回路
構成で、コンデンサ12,13,14のキャパシタンス
Cs,Cb,Ceの関係を、Cb≪Cs,Ceとするこ
とで実現することができる。
第10図に示した発振回路では、共振用コイル91の
一端の電位が、接地電位となっている。
次に、第11図に示したように、第10図における共
振用コイル91を、2個のコイル92,93を並列接続
したものに置き換えた構成を考える。この構成では、各
コイル92,93の各一端の電位は接地電位であり、各
他端は、ともに共振用コンデンサ12に接続される。
ここで、各コイル92,93の接地端は、発振周波数
に対して十分低いインピーダンスで接地されればよいの
で、第12図に示したように、各コイル92,93の接
地端と接地面との間に、それぞれ、コンデンサ94,9
5を挿入することができる。従って、2個のコイル9
2,93の接地端96,97は、直流あるいは発振周波
数より十分周波数の低い交流信号に対し独立であり、こ
の2点96,97からみれば、2個のコイル92,93
は、コイル92,93の直列接続回路を構成しているこ
とになる。しかも、この2点96,97は本来接地点で
あるから、低インピーダンスの電流供給回路を、2点9
6,97間あるいはいずれかの点と接地面との間に接続
しても、共振回路には何らの影響も与えない。従って、
この2点(どちらか1点を接地あるいは定電位としても
よい。)を、帰還電流の供給点とすることは、最も望ま
しい帰還電流供給方法である。
上述の2個のコイル92,93の一方をセンサコイル
とした場合には、2個のコイル92,93に印加される
共振電圧は共通である。そのため、他方のコイル(以
下、第2のコイルと言う。)のインダクタンスがセンサ
コイルのインダクタンスより小さいと、外部磁界の検出
に無関係な第2のコイルに流れる電流が増加し、消費電
力が増大する。従って、消費電力を低減するために、第
2のコイルのインダクタンスは、センサコイルのインダ
クタンスより小さくない、すなわちセンサコイルのイン
ダクタンス以上である方が望ましい。なお、第2のコイ
ルのインダクタンスをセンサコイルのインダクタンスよ
り十分大きくしたときは、チョークコイルを用いる帰還
電流供給方法と等価となる。
更に、第2のコイルに並列にコンデンサを接続し、こ
のコンデンサと第2のコイルによる並列共振周波数を、
センサコイルと共振用コンデンサによって定まる直列共
振回路の共振周波数(発振回路の発振周波数)と略同一
に設定すれば、第2のコイルに流れる電流を低減するこ
とができる。
[第3の実施の形態] 次に、本発明の第3の実施の形態に係る磁気センサ装
置について説明する。第9図は、本実施の形態に係る磁
気センサ装置の構成を示す回路図である。なお、オペア
ンプ用の正、負電源回路は、習慣に従って、図示してい
ない(第13図、第14図も同様である。)。
本実施の形態に係る磁気センサ装置は、磁気飽和特性
を有する磁芯1と、この磁芯1に巻回されたセンサコイ
ル2とを備えている。センサコイル2の一端には、検出
コイル20の一端が接続されている。検出コイル20の
他端は、接地されている。センサコイル2の他端には、
インダクタンス素子としての帰還電流経路用コイル6の
一端が接続されている。帰還電流経路用コイル6の他端
は、コンデンサ7を介して接地されている。帰還電流経
路用コイル6は、直列共振回路からみて、センサコイル
2に対して交流的に並列に接続されている。また、帰還
電流経路用コイル6は、センサコイル2からみると、セ
ンサコイル2に対して直列に接続されていると言える。
磁気センサ装置は、更に、センサコイル2を一部に含
む直列共振回路を有し、磁芯1が飽和領域に達するよう
な交流電流として、直列共振回路に流れる共振電流をセ
ンサコイル2に供給する駆動回路3と、センサコイル2
に流れる共振電流の変化を検出することによって、被測
定磁界を検出すると共に、センサコイル2に、負帰還法
のための帰還電流を供給するための検出・帰還回路5と
を備えている。
駆動回路3は、直列共振回路を含む発振回路を有す
る。この発振回路は、以下のように構成されている。す
なわち、発振回路は、トランジスタ11を有している。
トランジスタ11のベースは、共振用コンデンサ12を
介して、センサコイル2の他端に接続されている。トラ
ンジスタ11のベースには、帰還用コンデンサ13の一
端が接続されている。帰還用コンデンサ13の他端に
は、帰還用コンデンサ14の一端とトランジスタ11の
エミッタが接続されている。帰還用コンデンサ14の他
端は接地されている。トランジスタ11のエミッタは、
負荷用コイル15を介して接地されている。トランジス
タ11のコレクタは、電源入力端16に接続されている
と共に、バイアス抵抗17を介してベースに接続されて
いる。この発振回路は、クラップ発振回路の構成となっ
ている。ただし、コンデンサ12,13,14のキャパ
シタンスをそれぞれCs,Cb,Ceとすると、Cs≪
Cb,Ceである。
検出・帰還回路5は、以下のように構成されている。
センサコイル2と検出用コイル20との接続点には、コ
ンデンサ21の一端が接続され、コンデンサ21の他端
は、抵抗22を介して接地されている。これらコンデン
サ21および抵抗22は、検出用コイル20の両端に発
生する電圧を微分して、被測定磁界に応じた信号を出力
する微分回路を構成している。
コンデンサ21と抵抗22との接続点には、ダイオー
ド23のアノードとダイオード25のカソードが接続さ
れている。ダイオード23のカソードは、コンデンサ2
4を介して接地されている。ダイオード25のアノード
は、コンデンサ26を介して接地されている。ダイオー
ド23とコンデンサ24は、正方向ピークホールド回路
を構成し、ダイオード25とコンデンサ26は、負方向
ピークホールド回路を構成している。
ダイオード23とコンデンサ24との接続点には、抵
抗27の一端が接続されている。ダイオード25とコン
デンサ26との接続点には、抵抗28の一端が接続され
ている。抵抗27,28の各他端は、抵抗31の一端に
接続されている。抵抗27,28は、正方向ピークホー
ルド回路でホールドされた正方向出力値と負方向ピーク
ホールド回路でホールドされた負方向出力値とを加算す
る抵抗加算回路を構成している。抵抗31の一端には、
外部磁界に対応した検出信号が現れる。
抵抗31の他端は、オペランプ32の反転入力端に接
続されている。オペアンプ32の非反転入力端は、抵抗
33を介して接地されている。また、オペアンプ32の
出力端は、抵抗34を介して反転入力端に接続されてい
る。これら、オペアンプ32、抵抗31,33,34
は、反転アンプを構成している。
オペアンプ32の出力端は、出力検出用抵抗35の一
端に接続されている。出力検出用抵抗35の他端は、帰
還電流経路用コイル6とコンデンサ7の接続点に接続さ
れている。抵抗35の一端は、抵抗36を介して、オペ
アンプ38の非反転入力端に接続され、抵抗35の他端
は、抵抗37を介して、オペアンプ38の反転入力端に
接続されている。オペアンプ38の非反転入力端は、抵
抗39を介して接地されている。オペアンプ38の出力
端は、抵抗40を介して反転入力端に接続されていると
共に、検出出力端41に接続されている。オペアンプ3
8および抵抗36,37,39,40は、差動アンプを
構成している。
なお、検出用コイル20、帰還電流経路用コイル6お
よびコンデンサ7は、駆動回路3としての発振回路の一
部でもあるし、検出・帰還回路5の一部でもある。
以下、第9図に示した磁気センサ装置の各構成要素に
ついて、具体的な一例を挙げる。磁心1としては、Ni
−Cu−Zn系フェライトによって形成された、直径
0.8mm、長さ2.5mmの棒状磁芯を使用した。セ
ンサコイル2としては、例えば、上記磁芯1に、直径
0.03mmのウレタン被覆導線を250ターン巻いた
ものを使用した。このセンサコイル2のインダクタンス
Lsは、500μHであり、インダクタンスが1/2に
なるコイル電流は60mAである。なお、磁芯1の形状
は、棒状に限らず、ドラム型やその他の形状であっても
よい。
検出用コイル20としては、インダクタンスLdが2
2μHの市販のインダクタンス素子を用いた。帰還電流
経路用コイル6としては、インダクタンスLfが1mH
の市販のインダクタンス素子を用いた。発振回路の発振
周波数は、(Ls+Ld)と、Lfとの並列合成インダ
クタンスと共振用コンデンサ12のキャパシタンスCs
で定まる。C=2700pFのとき、発振周波数は16
5kHzであった。フラックスゲート素子を利用した磁
気センサ装置では、励振電流の1サイクルに対し正負の
2点でサンプリングするため、サンプリング周波数は励
振周波数の2倍となる。応答の限界周波数であるナイキ
スト周波数はサンプリング周波数の1/2である。従っ
て、磁気センサ装置のナイキスト周波数は165kHz
となる。しかし、センサコイル2、帰還電流経路用コイ
ル6および共振用コンデンサ12の耐圧に注意すれば発
振周波数を500kHz程度まで上げることも可能であ
る。
センサコイル2、帰還電流経路用コイル6および共振
用コンデンサ12の接続点における発振振幅は、回路動
作電圧5Vのとき、実測では70VP−Pであった。セ
ンサコイル2および検出用コイル20のインダクタンス
(500+22)μHの165kHzにおけるインピー
ダンスは541Ωであるから、センサコイル2は、12
9mAP−Pすなわち正負約65mAの交流電流で駆動
され、磁芯1は飽和領域4に達する。
次に、本実施の形態に係る磁気センサ装置の作用につ
いて説明する。センサコイル2には、駆動回路3として
の発振回路によって、磁芯1が飽和領域に達するような
交流電流が供給される。この交流電流は、電源電圧で制
限される電流値に対して共振回路のQ値倍となる共振電
流である。本実施の形態では、センサコイル2のインダ
クタンスの変化を磁気センサ装置の出力信号として取り
出す方法として、共振電流の波形変化を検出する方法を
用いる。具体的には、センサコイル2に対して直列に接
続された、飽和電流値の大きな検出用コイル20の両端
の電圧を、コンデンサ21および抵抗22からなる微分
回路で微分する。そして、ダイオード23およびコンデ
ンサ24からなる正方向ピークホールド回路によって、
微分回路の出力の正方向出力値をホールドし、ダイオー
ド25およびコンデンサ26からなる負方向ピークホー
ルド回路によって、微分回路の出力の負方向出力値をホ
ールドし、抵抗27,28からなる抵抗加算回路によっ
て正方向出力値と負方向出力値とを加算して、外部磁界
に対応した検出信号を得る。
本実施の形態では、検出用コイル20の両端の電圧波
形の微分波形の正負の各ピーク値の和(絶対値の差)よ
り、外部磁界を測定する。その測定の原理は、既に第2
A図ないし第2F図を参照して説明した通りである。
検出・帰還回路5は、センサコイル2に流れる共振電
流のうちの磁芯1が飽和領域に達する部分に基づいて、
被測定磁界を検出する。あるいは、検出・帰還回路5
は、センサコイル2に流れる共振電流のうちの正負非対
称成分に基づいて、被測定磁界を検出するとも言える。
抵抗27,28からなる抵抗加算回路によって得られ
た検出信号は、オペアンプ32および抵抗31,33,
34からなる反転アンプによって反転増幅され、出力検
出用抵抗35を経て、帰還電流経路用コイル6とコンデ
ンサ7の接続点に印加される。これにより、帰還電流経
路用コイル6を介して、センサコイル2に帰還電流が供
給され、センサコイル2に、外部磁界とは逆方向の起磁
力が与えられる。本実施の形態では、反転アンプは正負
両極性の出力を持つので、外部磁界の正、負(外部磁界
の一つの方向を正とする。)に対応した負、正の帰還電
流を反転アンプ出力端からセンサコイル2に流すため、
反転アンプにおけるセンサコイル2側の接地端は接地さ
れている。
外部磁界の測定は、次のようにして行われる。出力検
出用抵抗35によって、帰還電流、すなわち外部磁界に
比例した電流が電圧に変換され、この電圧が、オペアン
プ38および抵抗35,36,39,40よりなる差動
アンプによって増幅され、検出出力端41に与えられ
る。そして、この検出出力端41より、外部磁界に対応
した検出出力信号が出力される。
外部磁界と帰還電流による起磁力とのバランスは、セ
ンサコイルのアンペアターンが変わらない限り、変化し
ない。従って、本実施の形態に係る磁気センサ装置は、
感度ばらつきが僅少で、リニアリティが極めてよく、温
度や電源電圧等の変化に対して非常に安定である。ま
た、大振幅励振法によりオフセットは原理的にゼロであ
り、外乱によるドリフトもない。わずかに残る変動要因
は、磁芯1のヒステリシスによるものであるが、本実施
の形態では、棒状の磁芯1を開磁路で使用しているた
め、ヒステリシスの影響はほとんどなく、実測によれ
ば、0.1%以下であった。
以上説明したように、本実施の形態によれば、共振回
路の共振電流をセンサコイル2に供給するようにしたの
で、磁芯1が飽和領域に達するような交流電流をセンサ
コイル2に容易に供給することができる。また、磁芯1
に、センサコイル2の他に、励磁用のコイルを巻回する
必要がないので、構成が簡単である。
また、本実施の形態によれば、直列共振回路からみ
て、センサコイル2に対して交流的に並列に接続された
帰還電流経路用コイル6を経由して、センサコイル2に
負帰還法のための帰還電流を供給するようにしたので、
共振電流の損失なく、センサコイル2に帰還電流を容易
に供給することができる。
また、本実施の形態によれば、共振回路に対して検出
用コイル20を挿入することによって、共振回路のQ値
を下げず、すなわち、センサコイル2に供給する共振電
流の不足を生じることなく、ボルトオーダーの検出出力
を簡単に得ることができる。また、ピークホールド回路
も、ダイオードとコンデンサを用いた簡単で安価な回路
を使用できる。なお、検出用コイル20は、そのインダ
クタンス値がセンサコイル2のインダクタンス値の数%
でも、十分大きな出力を得ることができる。従って、検
出用コイル20は、巻数が少なく、通常、飽和電流値は
十分大きいので、センサコイル2の駆動電流(共振電
流)によって飽和することはない。
以下、本実施の形態に係る磁気センサ装置の特徴を列
記する。
(1)負帰還法を用いることができるので、感度ばらつ
きや温度特性を、自動的に改善することができる。
(2)従って、感度調整や温度特性補正が不要である。
(3)また、オフセット調整も不要である。
(4)大振幅励振法を用いることができるので、特性が
良い。
(5)センサ部に特殊な工法を必要としない。
(6)共振電流を利用するので、低い電源電圧、高い周
波数でセンサコイルを駆動することができる。
(7)何らの特殊な材料や特殊な工法を用いることなく
製造でき、回路も非常に簡単であるので、きわめて安価
に製造することができ、大量の需要に応えることが可能
である。
(8)周波数応答性が良い。
(9)共振電流を利用するので、消費電力が少ない。
(10)構成が簡単なので、小型軽量である。
以上のことから、本実施の形態に係る磁気センサ装置
は、電気自動車や太陽光発電の直流電流の制御に用いる
のに極めて有効である。
次に、本実施の形態のいくつかの変形例について説明
する。
まず、第9図に示した磁気センサ装置では、発振回路
としてクラップ発振回路を用いたが、センサコイル2の
飽和電流値が小さく、駆動電圧が低くてもよい場合は、
発振回路としてコルピッツ発振回路を用いてもよい。コ
ルピッツ発振回路は、第9図と同様の回路構成で、コン
デンサ12,13,14のキャパシタンスCs,Cb,
Ceの関係を、Cb≪Cs,Ceとすることで実現する
ことができる。
第13図に示した磁気センサ装置は、本実施の形態の
変形例に係る磁気センサ装置の構成を示す回路図であ
る。この磁気センサ装置では、第9図に示した磁気セン
サ装置において、帰還電流経路用コイル6に対して並列
にコンデンサ51を接続している。そして、このコンデ
ンサ51と帰還電流経路用コイル6による並列共振周波
数を、センサコイル2と共振用コンデンサ12等によっ
て定まる直列共振回路の共振周波数(発振回路の発振周
波数)と略同一に設定している。この構成によれば、帰
還電流経路用コイル6に流れる電流を減少させることが
できる。
[第4の実施の形態] 次に、本発明の第4の実施の形態に係る電流センサ装
置について説明する。第14図は、本実施の形態に係る
電流センサ装置の構成を示す回路図である。本実施の形
態に係る電流センサ装置は、第3の実施の形態に係る磁
気センサ装置を用いて構成したものである。
本実施の形態に係る電流センサ装置は、被測定電流が
通過する導電部61を囲うように設けられ、一部にギャ
ップを有する磁気ヨーク62を備えている。そして、磁
気ヨーク62のギャップ内に、第3の実施の形態に係る
磁気センサ装置における磁芯1およびセンサコイル2が
配置されている。本実施の形態に係る電流センサ装置の
その他の構成は、第3の実施の形態に係る磁気センサ装
置と同様である。
以下、実際に製造した電流センサ装置の具体的な一例
について説明する。この例では、磁気ヨーク62とし
て、Mn−Zn系フェライトで形成されたトロイダルコ
アを用いた。磁気ヨーク62の形状は、外径20mm、
内径10mm、厚さ5mmで、幅8mmのギャップを有
するものとした。この例では、電流センサ装置の全体形
状を、20mm×35mm×6mmと極めて小さくする
ことができた。この電流センサ装置は、±5Vの電源で
動作し、測定電流がゼロのとき、消費電流は+25m
A、−2mAであった。また、この電流センサ装置で
は、帰還電流による消費電流の増加は、測定電流10A
あたり10mAであった。また、この電流センサ装置の
重量は10gであった。
第15図は、本実施の形態に係る電流センサ装置の磁
気ヨーク62の内側に配置された導電部61を通過する
被測定電流と、電流センサ装置の出力電圧との関係の一
例を示したものである。この図に示したように、本実施
の形態に係る電流センサ装置によれば、極めて広い電流
値の範囲でリニアで良好な出力電圧特性を得ることがで
きる。測定電流の範囲は、原理的には、オペアンプ等の
回路の限界によって制限されるまで広げることができ
る。従って、この電流センサ装置は、電気自動車や太陽
光発電の直流電流の制御に用いるのに極めて有効であ
る。
本実施の形態におけるその他の作用およひ効果は、第
3の実施の形態と同様である。
なお、本発明において、センサコイルに供給する第2
の電流は、負帰還法のための帰還電流に限らず、バイア
ス電流等であってもよい。
また、第3および第4の実施の形態で挙げた駆動回路
3の構成や検出・帰還回路5の構成は、一例であり、通
常の技術を用いて種々変更が可能である。
第3の実施の形態を含む発明の磁気センサ装置または
第4の実施の形態を含む発明の電流センサ装置によれ
ば、直列共振回路を含む発振回路によって、直列共振回
路に流れる共振電流をセンサコイルに供給し、電流供給
手段によって、直流すなわち周波数ゼロの電流を含め
た、直列共振回路の共振周波数(発振回路の発振周波
数)以外の周波数を有する第2の電流をセンサコイルに
供給するようにしたので、容易に負帰還法を用いること
が可能となり、特性が良く、安価な磁気センサ装置およ
び電流センサ装置を提供することが可能になる。
また、電流供給手段が、直列共振回路の一部をなし、
直列共振回路からみて、センサコイルに対して交流的に
並列に接続された第2のコイルを有し、この第2のコイ
ルを経由して、センサコイルに第2の電流を供給するよ
うにした場合には、更に、共振電流の損失なく、センサ
コイルに第2の電流を容易に供給することが可能にな
る。
また、第2のコイルのインダクタンスを、センサコイ
ルのインダクタンス以上とした場合には、更に、消費電
力を低減することができる。
また、電流供給手段が、更に、第2のコイルに対して
並列に接続された静電容量素子を有し、この静電容量素
子と第2のコイルによる並列共振周波数を、直列共振回
路の共振周波数(発振回路の発振周波数)と略同一に設
定した場合には、更に、第2のコイルに流れる電流を低
減することができる。
また、センサコイルに流れる共振電流に基づいて、被
測定磁界を検出する検出手段を備えると共に、検出手段
が、直列共振回路に挿入されたインダクタンス素子と、
このインダクタンス素子の両端に発生する電圧を微分し
て、被測定磁界に応じた信号を出力する微分回路とを有
するようにした場合には、更に、センサコイルに供給す
る共振電流の不足を生じることなく、被測定磁界を検出
することが可能になる。
また、電流供給手段が、センサコイルに流れる共振電
流が常に正負対称になるように、センサコイルに第2の
電流を供給するようにした場合には、更に、負帰還法に
よって感度ばらつきや温度特性を改善することができ
る。
[第5の実施の形態] 次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
始めに、本実施の形態の概略について説明する。
既に述べたように、フラックスゲート素子が外部擾乱
から受ける影響は、励振電流の正負の各ピーク値におけ
るセンサコイルのインダクタンスの変化を通じて引き起
こされる。ここで、外部擾乱によって引き起こされたセ
ンサコイルのインダクタンスの変化が、外部磁界がゼロ
のときに励振電流の正のピーク値と負のピーク値との非
対称性に起因して生じるセンサ装置の測定誤差であるオ
フセット誤差の変動を引き起こさなければ、すなわちオ
フセット誤差の大きさが外部擾乱にかかわらず一定であ
れば、大振幅励振法や負帰還法の持つ「外部擾乱に対す
る優れた安定性」という特徴がそのまま生かされること
になる。
そこで本実施の形態では、上記オフセット誤差を許容
する代わりに、オフセット誤差の値が外部擾乱に対し不
変であるようにする。
前述のように、オフセット誤差がある場合、大振幅励
振法では、外部磁界がゼロのときには、励振電流の正負
の各ピーク値におけるセンサコイルのインダクタンス変
化量の差はオフセット誤差を生じるが、このオフセット
誤差は、外部擾乱がなければ一定である。
また、大振幅励振法に負帰還法を併用すると、外部磁
界があっても、センサコイルは常にオフセット誤差に対
応する打ち消し磁界の下で動作する。従って、大振幅励
振法と負帰還法を併用した場合には、外部擾乱がなけれ
ば、外部磁界の有無にかかわらず、励振電流の正負の各
ピーク値におけるセンサコイルのインダクタンス変化量
の差によって生じるオフセット誤差は一定である。
大振幅励振法と負帰還法を併用した場合には、外部磁
界に対するセンサ装置の測定信号(これは打ち消し磁界
に対応する。)は、励振電流の正負の各ピーク値におけ
るセンサコイルのインダクタンス変化量の差から発生す
るので、インダクタンス変化量そのものの大きさには依
存しない。これに対し、オフセット誤差は、励振電流の
正負の各ピーク値におけるセンサコイルのインダクタン
ス変化量そのものの大きさに比例して変化する。このこ
とは、励振電流の正負の各ピーク値におけるセンサコイ
ルのインダクタンス変化量そのものの大きさを一定に制
御すれば、外部磁界に対するセンサ装置の測定信号には
何ら影響を与えずに、オフセット誤差が一定に制御され
ることを示している。
つまり、外部擾乱の影響を受けることなく、オフセッ
ト誤差を一定にするには、励振電流の正負の各ピーク値
におけるセンサコイルのインダクタンス変化量そのもの
の大きさを一定に制御すればよい。この制御は、例え
ば、励振電流の正負の各ピーク値におけるセンサコイル
のインダクタンス変化量そのものを、センサコイルに供
給される励振電流から検出し、このインダクタンス変化
量が一定になるように励振駆動回路を制御することで達
成される。
次に、本発明の第5の実施の形態に係るフラックスゲ
ート磁気センサ装置およびフラックスゲート電流センサ
装置について説明する。第16図は、本実施の形態に係
る電流センサ装置の概略の構成を示すブロック図であ
る。この電流センサ装置は、本実施の形態に係る磁気セ
ンサ装置を含んでいる。第17図は、第16図における
センサコイルの近傍を示す説明図である。本実施の形態
に係る磁気センサ装置および電流センサ装置では、大振
幅励振法と負帰還法とを併用している。
第17図に示したように、本実施の形態に係る電流セ
ンサ装置は、磁気飽和特性を有するセンサ磁芯101
と、この磁芯101に巻回されたセンサコイル102と
を備えている。電流センサ装置は、更に、紙面に直交す
る方向に被測定電流が通過する導電部141を囲うよう
に設けられ、一部にギャップを有する磁気ヨーク142
を備えている。そして、磁芯101およびコイル102
は、磁気ヨーク142のギャップ内に配置されている。
第16図に示したように、電流センサ装置は、更に、
磁芯101が飽和領域に達するような交流の駆動電流で
ある励振電流をコイル102に供給してコイル102を
駆動する交流駆動源103と、この交流駆動源103に
よってコイル102に供給される励振電流を検出するた
めの励振電流検出部104と、この励振電流検出部10
4の検出出力に基づいて、被測定磁界に対応した信号を
生成し出力すると共に、励振電流検出部104の検出出
力に基づいて、磁振101の飽和領域におけるインダク
タンス変化量に対応した信号を生成し出力する検出回路
105を備えている。
電流センサ装置は、更に、検出回路105より出力さ
れる被測定磁界に対応した信号を増幅して、負帰還電流
を生成し出力する帰還回路106と、この帰還回路10
6より出力される負帰還電流を検出する帰還電流検出部
107と、この帰還電流検出部107の検出出力に基づ
いて、被測定磁界に対応した測定信号を生成し、出力端
109より出力する出力回路108とを備えている。帰
還回路106より出力される負帰還電流は、帰還電流検
出部107を経て、コイル102に供給されるようにな
っている。
電流センサ装置は、更に、検出回路105より出力さ
れるインダクタンス変化量に対応した信号に基づいて、
励振電流を制御するために交流駆動源103を制御する
励振電流制御回路110を備えている。
なお、第16図における交流駆動源103および他の
回路の一部には、図示しない電源より電力が供給され
る。
交流駆動源103は、本発明における駆動手段に対応
する。励振電流検出部104、検出回路105、帰還回
路106、帰還電流検出部107および出力回路108
は、本発明における被測定磁界検出手段に対応し、コイ
ル102のインダクタンスの変化を検出することにより
被測定磁界を検出する。帰還回路106は、本発明にお
ける負帰還電流供給手段に対応する。励振電流検出部1
04および検出回路105は、本発明におけるインダク
タンス変化量検出手段に対応し、等価的に磁芯101の
飽和領域におけるインダクタンス変化量を検出する。励
振電流制御回路110は、本発明における制御手段に対
応する。
第16図および第17図に示した電流センサ装置のう
ち、磁気ヨーク142を除いた部分が本実施の形態に係
る磁気センサ装置である。
ここで、第16図および第17図に示した磁気センサ
装置および電流センサ装置の作用について説明する。こ
の電流センサ装置では、導電部141を紙面に直交する
方向に通過する被測定電流によって、被測定磁界が発生
される。この被測定磁界は、磁気ヨーク142を通して
コイル102に印加される。
また、電流センサ装置では、交流駆動源103によっ
て、磁芯101が飽和領域に達するような励振電流がコ
イル102に供給される。また、励振電流検出部104
によって、励振電流が検出され、この励振電流検出部1
04の検出出力に基づいて、検出回路105によって、
被測定磁界に対応した信号が生成され、帰還回路106
に出力されると共に、磁芯101の飽和領域におけるイ
ンダクタンス変化量に対応した信号が生成され、励振電
流制御回路110に出力される。励振電流検出部104
は、例えば、励振電流の正負の各ピーク値を検出する。
検出回路105は、被測定磁界に対応した信号として、
励振電流の正負の各ピーク値の絶対値の差に対応した信
号を生成する。また、検出回路105は、飽和領域にお
けるインダクタンス変化量に対応した信号として、励振
電流のピーク値に対応した信号を出力する。磁芯101
が飽和領域に達すると、励振電流は急激に増大するか
ら、励振電流のピーク値を検出すれば、磁芯101の飽
和領域におけるインダクタンス変化量を検出することが
できる。
検出回路105より出力される被測定磁界に対応した
信号は、帰還回路106によって増幅されて負帰還電流
とされる。この負帰還電流は、帰還電流検出部107を
経て、コイル102に供給される。この負帰還電流は、
外部磁界を打ち消す打ち消し磁界を発生させる。
また、帰還電流検出部107によって負帰還電流が検
出され、この帰還電流検出部107の検出出力に基づい
て、出力回路108によって、被測定磁界に対応した測
定信号が生成され、出力端109より出力される。
また、励振電流制御回路110は、検出回路105よ
り出力される飽和領域におけるインダクタンス変化量に
対応した信号に基づいて、励振電流を制御するために交
流駆動源103を制御する。励振電流制御回路110
は、インダクタンス変化量が一定になるように、具体的
には、励振電流のピーク値が一定になるように、交流駆
動源103を制御する。
以下、第18図ないし第24図を参照して、第16図
における各部の具体的な回路構成の例について説明す
る。
第18図は、交流駆動源103、励振電流検出部10
4および検出回路105の構成の一例を示す回路図であ
る。この例では、交流駆動源103は、発振時定数を決
める回路の一部にコイル102を含む自励発振回路を有
している。この自励発振回路は、コイル102を一部に
含む直列共振回路を有し、磁芯101が飽和領域に達す
るような励振電流として、直列共振回路に流れる共振電
流をコイル102に供給する。交流駆動源103は、具
体的には、以下のように構成されている。すなわち、交
流駆動源103は、NPN型のトランジスタ111を有
している。トランジスタ111のベースは、共振用コン
デンサ112を介して、コイル102の一端に接続され
ている。トランジスタ111のベースには、帰還用コン
デンサ113の一端が接続されている。帰還用コンデン
サ113の他端には、帰還用コンデンサ114の一端と
トランジスタ111のエミッタが接続されている。帰還
用コンデンサ114の他端は接地されている。トランジ
スタ111のエミッタは、高周波遮断チョークコイル1
15を介して接地されている。トランジスタ111のコ
レクタは、電源入力端116に接続されていると共に、
バイアス抵抗117を介してベースに接続されている。
第18図に示した交流駆動源103は、クラップ発振
回路の構成となっている。ただし、コンデンサ112,
113,114のキャパシタンスをそれぞれCs,C
b,Ceとすると、Cs≪Cb,Ceである。
第18図に示した交流駆動源103では、励振電流
は、電源電圧で制限される電流値に対して、コイル10
2を一部に含む直列共振回路のQ値倍となる。Q値は1
0以上とすることができるので、コイル102には十分
大きな励振電流を供給することができる。
なお、コイル102の飽和電流値が小さく、駆動電圧
が低くてもよい場合には、クラップ発振回路の代りに、
コルピッツ発振回路を用いてもよい。コルピッツ発振回
路は、第18図と同様の回路構成で、コンデンサ11
2,113,114のキャパシタンスCs,Cb,Ce
の関係を、Cb≪Cs,Ceとすることで実現すること
ができる。ただし、コルピッツ発振回路の場合には、コ
ンデンサ112は、共振用ではなく、直流遮断のために
用いられる。
第18図に示した例における励振電流検出部104
は、以下のように構成されている。すなわち、励振電流
検出部104は、一端がコイル102の他端に接続され
た検出用コイル120を有している。検出用コイル12
0の他端は接地されている。コイル102と検出用コイ
ル120との接続点には、コンデンサ121の一端が接
続され、コンデンサ121の他端は、抵抗122を介し
て接地されている。これらコンデンサ121および抵抗
122は、検出用コイル120の両端に発生する電圧を
微分する微分回路を構成している。また、コイル102
と検出用コイル120との接続点には、コンデンサ13
1の一端が接続され、コンデンサ131の他端は、抵抗
132を介して接地されている。これらコンデンサ13
1および抵抗132は、検出用コイル120の両端に発
生する電圧を微分する微分回路を構成している。
第18図に示した例では、検出回路105は、被測定
磁界に対応した信号を生成するための検出回路105A
と、磁芯101の飽和領域におけるインダクタンス変化
量に対応した信号を生成するための検出回路105Bと
を有している。
検出回路105Aは、以下のように構成されている。
すなわち、コンデンサ121と抵抗122との接続点に
は、ダイオード123のアノードとダイオード125の
カソードが接続されている。ダイオード123のカソー
ドは、コンデンサ124を介して接地されている。ダイ
オード125のアノードは、コンデンサ126を介して
接地されている。ダイオード123とコンデンサ124
は、正方向ピークホールド回路を構成し、ダイオード1
25とコンデンサ126は、負方向ピークホールド回路
を構成している。ダイオード123とコンデンサ124
との接続点には、抵抗127の一端が接続されている。
ダイオード125とコンデンサ126との接続点には、
抵抗128の一端が接続されている。抵抗127,12
8の各他端は、被測定磁界に対応した信号を出力する出
力端129に接続されている。抵抗127,128は、
正方向ピークホールド回路でホールドされた正方向出力
値と負方向ピークホールド回路でホールドされた負方向
出力値とを加算する抵抗加算回路を構成している。
検出回路105Bは、以下のように構成されている。
すなわち、コンデンサ131と抵抗132との接続点に
は、コンデンサ133を介して、ダイオード134のカ
ソードとダイオード135のアノードが接続されてい
る。ダイオード134のアノードは接地されている。ダ
イオード135のカソードは、ホールドコンデンサ13
6を介して接地されている。ダイオード135とコンデ
ンサ136との接続点には、磁芯101の飽和領域にお
けるインダクタンス変化量に対応した制御信号を出力す
るための制御信号出力端137が接続されている。コン
デンサ133、ダイオード134,135およびホール
ドコンデンサ136は、倍電圧整流回路を構成してい
る。
ここで、第18図に示した回路の作用について説明す
る。コイル102には、交流駆動源103によって、磁
芯101が飽和領域に達するような励振電流が供給され
る。第18図に示した例では、コイル102のインダク
タンスの変化を電流センサ装置の出力信号として取り出
す方法として、励振電流の波形変化を検出する方法を用
いる。具体的には、コイル102に対して直列に接続さ
れた、飽和電流値の大きな検出用コイル120の両端の
電圧を、コンデンサ121および抵抗122からなる微
分回路で微分する。そして、ダイオード123およびコ
ンデンサ124からなる正方向ピークホールド回路によ
って、微分回路の出力の正方向出力値をホールドし、ダ
イオード125およびコンデンサ126からなる負方向
ピークホールド回路によって、微分回路の出力の負方向
出力値をホールドし、抵抗127,128からなる抵抗
加算回路によって正方向出力値と負方向出力値とを加算
して、外部磁界に対応した検出信号を得る。
オフセット誤差がないとすると、外部磁界がないとき
には、検出用コイル120の両端の電圧波形の微分波形
における正の部分と負の部分は対称であり、微分波形の
正負の各ピーク値の和(絶対値の差)は、ゼロである。
これに対し、コイル102に外部磁界が加わったときに
は、微分波形における正の部分と負の部分は非対称とな
る。その結果、微分波形の正負の各ピーク値の和(絶対
値の差)は、ゼロ以外の値となり、これは外部磁界に依
存する。このようにして、本実施の形態によれば、微分
波形の正負の各ピーク値の和(絶対値の差)より、外部
磁界を測定することができる。
また、第18図に示した回路では、磁芯101の飽和
領域におけるインダクタンス変化量に対応した信号を、
以下のようにして生成する。すなわち、コイル102が
励振電流の正負の各ピーク値近傍で飽和すると、コイル
102のインダクタンスが急減するので、電流は急増す
る。このとき、インダクタンスの減少に伴って共振周波
数が増加するから、電流が急増した部分の電流の波形
は、時間幅が短いものとなる。また、電流が急増した部
分の電流の波形は正弦波状である。従って、励振電流の
波形を2回微分すると、電流が急増した部分に関して、
元の波形に相似で逆位相の波形が得られる。第18図に
示した回路では、励振電流の波形を検出コイル120で
微分し(検出コイル120のインダクタンスをLdとす
ると、検出用コイル120の両端の電圧は、Ld・di
/dtとなる)、さらにコンデンサ131および抵抗1
32からなる微分回路で微分する。これにより、この微
分回路の出力信号では、励振電流のうち、電流が急増し
た部分に関して、元の波形に相似で逆位相の波形が得ら
れる。励振電流のうち、磁芯101が飽和領域に達しな
い部分に関しては、その部分の波形の周波数成分が、磁
芯101が飽和領域に達して電流が急増した部分に比べ
て周波数の低い成分となるので、微分回路の低域減衰特
性により減衰し、微分回路の出力信号のレベルが低下す
る。従って、コンデンサ131および抵抗132からな
る微分回路の出力信号の波形は、正負両方向に突出する
スパイク状の電圧波形となる。この波形は、磁芯101
の飽和領域におけるコイル102のインダクタンスの変
化に対応する。
このようにしてコンデンサ131および抵抗132か
らなる微分回路より得られた、コイル102のインダク
タンスの変化に対応した励振電流急増部分の検出出力
は、コンデンサ133、ダイオード134,135およ
びホールドコンデンサ136からなる倍電圧整流回路に
よって整流されて、その振幅が検出される。この倍電圧
整流回路の出力信号は、制御信号出力端137より、励
振電流を制御するため制御信号として出力される。
第19図は、交流駆動源103、励振電流検出部10
4および検出回路105の構成の他の例を示す回路図で
ある。この例では、励振電流検出部104は、第18図
に示した例と同様の検出用コイル120、コンデンサ1
21および抵抗122を有しているが、コンデンサ13
1および抵抗132を有していない。また、第19図に
示した例では、検出回路105は、第18図に示した例
と同様のダイオード123,125、コンデンサ12
4,126、抵抗127,128および出力端129を
有しているが、コンデンサ133、ダイオード134,
135およびコンデンサ136を有していない。また、
第19図に示した例では、励振電流を制御するための制
御信号を出力する制御信号出力端137は、ダイオード
123とコンデンサ124との接続点に接続されてい
る。
このように、第19図に示した例では、励振電流を制
御するため制御信号として、ダイオード123およびコ
ンデンサ124からなる正方向ピークホールド回路によ
ってホールドされる電圧を利用している。これが可能で
あるのは次の理由による。
負帰還法を採用した場合、帰還量が十分大きいものと
すると、励振電流検出部104の出力信号における正負
の各ピークの絶対値の差は、オフセット誤差を生じる
が、外部磁界の有無にかかわらず、このオフセット誤差
は、外部擾乱がなければ一定である。ここで、本実施の
形態によれば外部擾乱による励振電流検出部104の出
力信号の変動が除去されるから、励振電流検出部104
の出力信号における正負の各ピークは、外部磁界や外部
擾乱によって変化することはない。従って、ダイオード
123およびコンデンサ124からなる正方向ピークホ
ールド回路とダイオード125およびコンデンサ126
からなる負方向ピークホールド回路の一方の出力を制御
信号としても全く不都合はない。
第19図に示した例におけるその他の構成および作用
は、第18図に示した例と同様である。
ところで、本実施の形態では、励振電流制御回路11
0は、励振電流のピーク値が一定になるように交流駆動
源103を制御する。このように交流駆動源103を制
御しようとする場合、制御方法としては、例えば以下の
ような方法が考えられる。
(1)発振回路の動作電圧を制御する。
(2)発振回路のベースバイアス電流を制御する。
(3)発振回路のエミッタ電位を制御する。
(4)発振回路のエミッタ電流を制御する。
ここで、エミッタ電位の制御は動作電圧の制御と等価
である。また、エミッタ電流の制御はベースバイアス電
流の制御と等価である。従って、交流駆動源103の制
御方法は、等価的に発振回路の動作電圧を制御すること
と、等価的に発振回路のベースバイアス電流を制御する
ことの2つに集約できる。もちろん、動作電圧が変われ
ばベースバイアス電流も変わるが、制御の主体がどこに
あるかに着目すると、交流駆動源103の制御方法は、
上記の2つの方法に分けられる。また、発振回路のベー
スバイアス電流の制御は、発振回路の動作点の制御と等
価である。
発振回路の動作電圧を制御する方法としては、例え
ば、発振回路の電源側に制御回路を挿入する方法と、発
振回路のエミッタ側に制御回路を挿入する方法とが考え
られる。また、発振回路のベースバイアス電流を制御す
る方法としては、例えば、発振回路のベースバイアス電
圧を制御する方法と、FET(電界効果トランジスタ)
を発振回路のエミッタ回路に挿入し、等価エミッタ抵抗
をアクティブに制御する方法が考えられる。回路が煩雑
になってもよければ、上記の方法の他にも、可変定電流
回路によりベース電流を直接制御する方法等が考えられ
る。また、回路構成の如何を問わず、励振電流の正負の
各ピーク値におけるコイル102のインダクタンス変化
量そのものを例振電流から検出し、それが一定になるよ
うに励振電流を制御する手段を有する磁気センサ装置ま
たは電流センサ装置は、本実施の形態に含まれる。
第20図ないし第23図は、それぞれ、励振電流制御
回路110の構成の第1ないし第4の例を示している。
第20図に示した第1の例は、発振回路の電源側に制
御回路を挿入して、発振回路の動作電圧を直接制御する
方法の例である。第1の例の励振電流制御回路110
は、NPN型のトランジスタ151,152を有してい
る。トランジスタ151のコレクタは、電源入力端11
6に接続されている。トランジスタ151のエミッタ
は、発振回路のトランジスタ111のコレクタに接続さ
れていると共に、デカップリングコンデンサ154を介
して接地されている。トランジスタ151のベースは、
負荷抵抗153を介して電源入力端116に接続されて
いる。トランジスタ152のコレクタは、トランジスタ
151のベースに接続されている。トランジスタ152
のエミッタは、接地されている。トランジスタ152の
ベースは、制御信号入力端155に接続されている。制
御信号入力端155は、第18図または第19図におけ
る制御信号出力端137に接続される。
第1の例の励振電流制御回路110では、発振回路に
は、トランジスタ151のエミッタより、トランジスタ
151によって制御される電圧が供給される。制御信号
出力端137より出力される制御信号は、必要に応じて
増幅、位相補正等の信号処理を施されて、トランジスタ
152のベースに入力される。外部擾乱により、制御信
号が増加すると、トランジスタ152のベース電流が増
えて、コレクタ電位が低下する。従って、トランジスタ
151のエミッタ電位、すなわち発振回路の動作電圧が
低下する。これにより、励振電流が減少すると共に、制
御信号が減少する。逆に、外部擾乱により、制御信号が
減少すると、励振電流が増加すると共に、制御信号が増
加する。このようにして、励振電流の正負の各ピーク値
におけるコイル102のインダクタンス変化量が一定に
なるように励振電流が制御され、外部擾乱の影響が除去
される。
第21図に示した第2の例は、発振回路のエミッタ側
に制御回路を挿入して、発振回路の動作電圧を制御する
方法の例である。第2の例の励振電流制御回路110
は、PNP型のトランジスタ157を有している。トラ
ンジスタ157のエミッタは、高周波遮断チョークコイ
ル115を介して発振回路のトランジスタ111のエミ
ッタに接続されている。トランジスタ157のエミッタ
とコイル115の接続点は、大容量コンデンサ158を
介して交流的に接地されている。トランジスタ157の
コレクタは接地され、ベースは制御信号入力端159に
接続されている。制御信号入力端159は、第18図ま
たは第19図における制御信号出力端137に接続され
る。
第2の例の励振電流制御回路110では、トランジス
タ157は、エミッタフォロア回路として動作している
ので、外部擾乱により制御信号が増加すると、トランジ
スタ157のエミッタ電位はベース電位と等しく上昇
し、トランジスタ111のコレクターエミッタ間電位、
すなわち動作電圧が減少する。これにより、励振電流が
減少すると共に、制御信号が減少する。逆に、外部擾乱
により、制御信号が減少すると、励振電流が増加すると
共に制御信号が増加する。このようにして、第1の例と
同様に外部擾乱の影響が除去される。
なお、必要に応じて、制御信号に対して増幅や位相補
正等の信号処理を施したり、トランジスタ157のベー
ス−エミッタ間電位の降下を補償するバイアスの付加等
の処理を施してもよい。また、トランジスタ157の代
わりにオペアンプを用いてもよい。
第22図に示した第3の例は、発振回路のベースバイ
アス電圧を制御して、発振回路のベースバイアス電流を
制御する方法の例である。第3の例の励振電流制御回路
110は、NPN型のトランジスタ162を有してい
る。トランジスタ162のコレクタは、負荷抵抗161
を介して電源入力端116と発振回路のトランジスタ1
11のコレクタに接続されている。抵抗161とトラン
ジスタ162の接続点は、抵抗117を介してトランジ
スタ111のベースに接続されている。トランジスタ1
62のエミッタは接地され、ベースは制御信号入力端1
63に接続されている。制御信号入力端163は、第1
8図または第19図における制御信号出力端137に接
続される。
第3の例の励振電流制御回路110では、トランジス
タ162は、負荷抵抗161と共に、反転増幅回路を構
成している。外部擾乱によって制御信号が増加すると、
トランジスタ162のコレクタ電位が低下し、トランジ
スタ111のベースバイアス電流が減少して励振電流が
減少すると共に、制御信号が減少する。逆に、外部擾乱
により、制御信号が減少すると、励振電流が増加すると
共に制御信号が増加する。このようにして、第1の例と
同様に外部擾乱の影響が除去される。また、第3の例に
おいても、第1の例と同様に、必要に応じて制御信号に
対して信号処理を施してもよい。
第23図に示した第4の例は、FETを発振回路のエ
ミッタ回路に挿入し、等価エミッタ抵抗をアクティブに
制御して、発振回路のベースバイアス電流を制御する方
法の例である。第4の例の励振電流制御回路110は、
FET167を有している。FET167のドレイン
は、高周波遮断チョークコイル115を介して発振回路
のトランジスタ111のエミッタに接続されている。F
ET167のドレインとコイル115の接続点は、大容
量コンデンサ168を介して交流的に接地されている。
FET167のソースは接地され、ゲートは制御信号入
力端169に接続されている。制御信号入力端169
は、第18図または第19図における制御信号出力端1
37に接続される。
第4の例の励振電流制御回路110では、第3の例と
異なり、FET167は可変抵抗素子として動作する。
なお、FET167は、ドレインフォロアで動作するの
で、制御信号入力端169に入力する制御信号は、制御
信号出力端137より出力される制御信号を反転したも
のとする必要がある。外部擾乱によって、制御信号出力
端137より出力される制御信号が増加し、制御信号入
力端169に入力される制御信号が減少すると、FET
167のドレイン−ソース間抵抗が増加して、トランジ
スタ111のベース入力インピーダンスが増大するの
で、トランジスタ111のベースバイアス電流が減少
し、励振電流が減少すると共に制御信号入力端169に
入力される制御信号が増加する。
このように、第4の例の励振電流制御回路110は、
トランジスタ111のベースバイアス電流を制御してい
る。もちろん、FET167のドレイン−ソース間抵抗
が増加すると、トランジスタ111のエミッタ電流とF
ET167のドレイン−ソース間抵抗の増加分の積だけ
トランジスタ111のエミッタ電位が上昇するので、第
4の例の励振電流制御回路110は、トランジスタ11
1の動作電圧を制御する作用も併せ持つ。なお、FET
167の代りにバイポーラトランジスタを用いてトラン
ジスタ111のエミッタ電流を直接制御してもよい。
外部擾乱により、制御信号入力端169に入力される
制御信号が増加すると、励振電流が増加すると共に制御
信号入力端169に入力される制御信号が減少する。こ
のようにして、第4の例では、第1の例と同様に外部擾
乱の影響が除去される。また、第4の例においても、第
1の例と同様に、必要に応じて制御信号に対して信号処
理を施してもよい。
第24図は、本実施の形態に係る磁気センサ装置およ
び電流センサ装置の全体の回路構成の一例を示す回路図
である。この例において、交流駆動源103、励振電流
検出部104および検出回路105の構成は、第19図
に示した例と同様である。ただし、第19図では接地さ
れていた検出用コイル120および抵抗122の各端部
には、後述する所定の電圧が印加されるようになってい
る。
第24図に示した例では、帰還回路106は、以下の
ように構成されている。すなわち、帰還回路106は、
オペアンプ171を有している。このオペアンプ171
の非反転入力端には、抵抗127,128からなる抵抗
加算回路によって得られる検出信号が入力されるように
なっている。また、オペアンプ171の非反転入力端
は、抵抗172およびコンデンサ173の直列回路を介
して接地されている。更に、オペアンプ171の非反転
入力端には、抵抗174を介して、後述する所定の電圧
が印加されるようになっている。オペアンプ171の反
転入力端には、抵抗175を介して、後述する所定の電
圧が印加されるようになっている。また、オペアンプ1
71の反転入力端は、抵抗176を介して、オペアンプ
171の出力端に接続されている。
また、帰還回路106は、コイル102に負帰還電流
を供給するために、一端がセンサコイル102の一端に
接続された帰還電流経路用コイル178を有している。
帰還電流経路用コイル178の他端は、コンデンサ17
9を介して接地されている。オペアンプ171の出力端
は、出力検出用抵抗177を介して、帰還電流経路用コ
イル178の他端に接続されている。出力検出用抵抗1
77は、帰還電流検出部107を構成すると共に、帰還
回路106の一部になっている。
なお、第24図に示した帰還回路106では、検出信
号をオペアンプ171の非反転入力端に入力するように
しているが、検出信号をオペアンプ171の非反転入力
端に入力するか反転入力端に入力するかは、コイル10
2を流れる励振電流の向き、負帰還電流の向きおよび被
測定磁界の向きの相互関係によって決められる。すなわ
ち、負帰還電流によってコイル102より発生される磁
界は、被測定磁界に対して逆向きになるようにしなけれ
ばならないので、コイル102の巻線の巻かれている方
向によって、検出信号をオペアンプ171の非反転入力
端に入力するか反転入力端に入力するかが変わる。
第24図に示した例では、出力回路108は、以下の
ように構成されている。すなわち、出力回路108は、
オペアンプ183を有している。オペアンプ183の非
反転入力端は、抵抗181を介して、抵抗177とオペ
アンプ171の出力端との接続点に接続されている。オ
ペアンプ183の反転入力端は、抵抗182を介して、
抵抗177とコンデンサ179との接続点に接続されて
いる。オペアンプ183の出力端は、抵抗184を介し
て反転入力端に接続されている。オペアンプ183の非
反転入力端には、抵抗185を介して、後述する所定の
電圧が印加されるようになっている。オペアンプ183
の出力端は、測定信号を出力する出力端109に接続さ
れている。
第24図に示した例では、励振電流制御回路110
は、以下のように構成されている。この例における励振
電流制御回路110は、第21図に示した例と同様に発
振回路の動作電圧を制御するものであるが、第21図に
おけるトランジスタ157の代りにオペアンプを用いた
ものである。この例における励振電流制御回路110
は、オペアンプ191を有している。オペアンプ191
の非反転入力端は、抵抗192を介して、検出回路10
5のダイオード123とコンデンサ124との接続点に
接続されている。すなわち、オペアンプ191の非反転
入力端に制御信号が入力されるようになっている。ま
た、オペアンプ191の非反転入力端は、抵抗193お
よびコンデンサ194の直列回路を介して接地されてい
る。オペアンプ191の出力端は、抵抗195を介して
反転入力端に接続されている。また、オペアンプ191
の出力端は、コイル115に接続されていると共に、コ
ンデンサ196を介して接地されている。オペアンプ1
91の反転入力端は、抵抗197を介して、後述する電
源回路200に接続されている。
第24図に示した電流センサ装置は、第16図には示
されていない電源回路200を備えている。この電源回
路200は、交流駆動源103に電源電圧を供給すると
共に、前述の所定の電圧を発生するための回路である。
この電源回路200は、一端が、電源電圧を発生する電
圧源201に接続された標準電圧発生器203を有して
いる。標準電圧発生器203は、前述の所定の電圧を発
生するようになっている。電圧源201と標準電圧発生
器203との接続点は、交流駆動源103とトランジス
タ111のコレクタとに接続されていると共に、コンデ
ンサ202を介して接地されている。標準電圧発生器2
03の他端は接地されている。
また、電源回路200は、オペアンプ204を有して
いる。オペアンプ204の非反転入力端には、標準電圧
発生器203によって発生される電圧が印加されるよう
になっている。オペアンプ204の出力端は反転入力端
に接続されている。すなわち、オペアンプ204は、ボ
ルテージフォロワを構成している。オペアンプ204の
出力端より出力される所定の電圧は、検出用コイル12
0、抵抗122,174,175,185に供給される
ようになっている。
また、オペアンプ204の出力端には、ダイオード2
05のカソードが接続されている。ダイオード205の
アノードは、励振電流制御回路110の抵抗197を介
してオペアンプ191の反転入力端に接続されている。
また、ダイオード205のアノードは、抵抗206を介
して電圧源201に接続されている。オペアンプ191
の反転入力端に印加される電圧は、オペアンプ204の
出力端の電圧よりもダイオード205の動作電圧分だけ
高くなる。
次に、第24図に示した電流センサ装置の作用につい
て説明する。交流駆動源103、励振電流検出部104
および検出回路105の動作は、既に説明した通りであ
るので、ここでは説明を省略する。
以下、帰還回路106、帰還電流検出部107および
出力回路108の動作について説明する。抵抗127,
128からなる抵抗加算回路によって得られた検出信号
は、オペアンプ171等からなる増幅器によって増幅さ
れ、出力検出用抵抗177を経て、帰還電流経路用コイ
ル178とコンデンサ179の接続点に印加される。こ
れにより、帰還電流経路用コイル178を介して、コイ
ル102に負帰還電流が供給され、コイル102に、被
測定磁界とは逆方向の起磁力が与えられる。
被測定磁界の測定は、次のようにして行われる。出力
検出用抵抗177によって、負帰還電流すなわち被測定
磁界に対応した電流が電圧に変換される。そして、この
電圧がオペアンプ183等からなる差動アンプによって
増幅されて、被測定磁界に対応した測定信号が生成さ
れ、出力端109より出力される。
第24図における励振電流制御回路110では、制御
信号は、オペアンプ191等からなる増幅器によって増
幅され、高周波遮断チョークコイル115を介して発振
回路のトランジスタ111のエミッタに印加される。こ
の励振電流制御回路110の動作は、第21図に示した
励振電流制御回路110と同様である。
以上説明したように、本実施の形態に係る磁気センサ
装置および電流センサ装置では、磁芯101の飽和領域
におけるコイル102のインダクタンス変化量、すなわ
ち、励振電流の正負の各ピーク値におけるコイル102
のインダクタンス変化量を励振電流から検出し、このイ
ンダクタンス変化量に基づいて励振電流を制御してい
る。従って、コイル102のインダクタンスの変化をも
たらす外部擾乱によるオフセット誤差の変動を防止する
ことが可能になる。
特に、本実施の形態では、励振電流の正負の各ピーク
値におけるコイル102のインダクタンス変化量が一定
になるように励振電流を制御している。これにより、励
振電流の正のピーク値と負のピーク値との非対称性に起
因して生じるオフセット誤差の大きさが外部擾乱にかか
わらず一定になる。従って、本実施の形態によれば、外
部擾乱によってオフセット誤差が変動することを防止す
ることができる。なお、本実施の形態では、オフセット
誤差があっても、その大きさが変動しないので、オフセ
ット誤差の大きさは既知の値となる。従って、測定信号
から既知のオフセット誤差を引くことにより、被測定磁
界または被測定電流を正確に測定することができる。こ
のように、本実施の形態によれば、フラックスゲート磁
気センサ装置およびフラックスゲート電流センサ装置に
おいて、大振幅励振法や負帰還法の持つ「外部擾乱に対
する優れた安定性」という特徴を生かすことができる。
このように、本実施の形態に係るフラックスゲート磁
気センサ装置およびフラックスゲート電流センサ装置に
よれば、温度変動や電源電圧変動等の外部擾乱に対し
て、個々の部材や回路について個別に対策を講じること
なく、簡単な回路で一括して安定化を図ることができ
る。従って、本実施の形態は、自動車搭載用のセンサ装
置等の外部擾乱の大きな環境下で使用されるセンサ装置
に非常に有効である。
ここで、第24図に示した回路構成を用いて実際に製
造した電流センサ装置の具体的な特性の一例について説
明する。この電流センサ装置では、測定電流が0〜±1
00Aのとき、周囲温度が−40℃〜105℃で変動し
たときのオフセット誤差の変動は20mV以下であり、
電源電圧が7〜15Vで変動したときのオフセット誤差
の変動も20mV以下であって、外部擾乱に対し極めて
安定であった。また、同条件における電流検出感度の変
動は、フルスケールに対して0.5%以下であった。
また、本実施の形態によれば、共振回路の共振電流コ
イル102に供給するようにしたので、磁芯101が飽
和領域に達するような交流の励振電流をコイル102に
容易に供給することができる。
また、本実施の形態によれば、コイル102に対して
交流的に並列に接続された帰還電流経路用コイル178
を経由して、コイル102に負帰還法のための負帰還電
流を供給するようにしたので、共振電流の損失なく、コ
イル102に帰還電流を容易に供給することができる。
また、本実施の形態によれば、共振回路に対して検出
用コイル120を挿入することによって、共振回路のQ
値を下げず、すなわち、コイル102に供給する共振電
流の不足を生じることなく、ボルトオーダーの検出出力
を簡単に得ることができる。また、ピークホールド回路
も、ダイオードとコンデンサを用いた簡単で安価な回路
を使用できる。なお、検出用コイル120は、そのイン
ダクタンス値がコイル102のインダクタンス値の数%
でも、十分大きな出力を得ることができる。従って、検
出用コイル120は、巻数が少なく、通常、飽和電流値
は十分大きいので、コイル102の駆動電流(共振電
流)によって飽和することはない。
これらの技術により、フェライト磁芯等の飽和磁界が
大きく、非線形性の大きな磁芯を用いながら、大振幅法
や負帰還法を適用することが可能となり、大きな磁界ま
たは大きな電流の検出にフラックスゲート素子を用いる
ことが可能となる。
以下、本実施の形態に係る電流センサ装置が有する特
徴を列記する。
(1)温度変動や電源電圧変動等の外部擾乱に対して安
定である。
(2)負帰還法を用いることができるので、感度ばらつ
きや温度特性を、自動的に改善することができる。
(3)従って、感度調整や温度特性補正が不要である。
(4)また、オフセット調整も不要である。
(5)大振幅励振法を用いることができるので、特性が
良い。
(6)センサ部に特殊な工法を必要としない。
(7)共振電流を利用するので、低い電源電圧、高い周
波数でセンサコイルを駆動することができる。
(8)何らの特殊な材料や特殊な工法を用いることなく
製造でき、回路も非常に簡単であるので、きわめて安価
に製造することができ、大量の需要に応えることが可能
である。
(9)周波数応答性が良い。
(10)共振電流を利用するので、消費電力が少ない。
(11)構成が簡単なので、小型軽量である。
なお、上記実施の形態で挙げた回路構成は一例であ
り、通常の技術を用いて種々変更が可能である。
第5の実施の形態を含む発明の磁気センサ装置または
電流センサ装置によれば、磁芯が飽和領域に達するよう
な交流の駆動電流をセンサコイルに供給し、センサコイ
ルのインダクタンスの変化を検出することにより被測定
磁界を検出すると共に、インダクタンス変化量検出手段
によって等価的に磁芯の飽和領域におけるインダクタン
ス変化量を検出し、このインダクタンス変化量に基づい
て、制御手段によって駆動電流を制御するようにしたの
で、外部擾乱による測定誤差の変動を防止することが可
能となり、外部擾乱に対して安定なセンサ装置を実現す
ることが可能になる。
また、制御手段がインダクタンス変化量検出手段によ
って検出されるインダクタンス変化量が一定になるよう
に駆動電流を制御するようにした場合には、特に、イン
ダクタンス変化量に応じて変動する測定誤差を一定にす
ることができ、外部擾乱に対してより安定なセンサ装置
を実現することが可能になる。
なお、以上の各実施の形態では、発振回路としてコル
ピッツ発振回路や、クラップ発振回路を例にとって説明
したが、本発明は、これに限らず、ハートレー発振回路
等の他の発振回路を用いる場合にも適用することができ
る。
以上の説明に基づき、本発明の種々の態様や変形例を
実施可能であることは明らかである。従って、以下の請
求の範囲の均等の範囲において、上記の最良の形態以外
の形態でも本発明を実施することが可能である。
[図面の簡単な説明] 第1図は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気セン
サ装置の構成を示す回路図である。
第2A図ないし第2F図は、本発明の第1の実施の形
態に係る磁気センサ装置の動作を説明するための波形図
である。
第3図は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気セン
サ装置の変形例の構成を示す回路図である。
第4図は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気セン
サ装置の他の変形例の構成を示す回路図である。
第5図は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気セン
サ装置の更に他の変形例の構成を示す回路図である。
第6図は、本発明の第1の実施の形態に係る磁気セン
サ装置の更に他の変形例の構成を示す回路図である。
第7図は、本発明の第2の実施の形態に係る電流セン
サ装置の構成を示す回路図である。
第8図は、本発明の第2の実施の形態に係る電流セン
サ装置の特性の一例を示す特性図である。
第9図は、本発明の第3の実施の形態に係る磁気セン
サ装置の構成を示す回路図である。
第10図は、本発明の第3および第4の各実施の形態
における帰還電流の供給方法について説明するための説
明図である。
第11図は、本発明の第3および第4の各実施の形態
における帰還電流の供給方法について説明するための説
明図である。
第12図は、本発明の第3および第4の各実施の形態
における帰還電流の供給方法について説明するための説
明図である。
第13図は、本発明の第3の実施の形態に係る磁気セ
ンサ装置の変形例の構成を示す回路図である。
第14図は、本発明の第4の実施の形態に係る電流セ
ンサ装置の構成を示す回路図である。
第15図は、本発明の第4の実施の形態に係る電流セ
ンサ装置の特性の一例を示す特性図である。
第16図は、本発明の第5の実施の形態に係る電流セ
ンサ装置の概略の構成を示すブロック図である。
第17図は、第16図におけるセンサコイルの近傍を
示す説明図である。
第18図は、第16図における交流駆動源、電流検出
部および検出回路の構成の一例を示す回路図である。
第19図は、第16図における交流駆動源、電流検出
部および検出回路の構成の他の例を示す回路図である。
第20図は、第16図における励振電流制御回路の構
成の第1の例を示す回路図である。
第21図は、第16図における励振電流制御回路の構
成の第2の例を示す回路図である。
第22図は、第16図における励振電流制御回路の構
成の第3の例を示す回路図である。
第23図は、第16図における励振電流制御回路の構
成の第4の例を示す回路図である。
第24図は、本発明の第5の実施の形態に係る電流セ
ンサ装置の全体の回路構成の一例を示す回路図である。
第25図は、フラックスゲート素子の動作原理を説明
するための説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 早期審査対象出願 (72)発明者 薮崎 勝巳 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−61506(JP,A) 特開 平5−281312(JP,A) 特開 平5−223910(JP,A) 特開 平4−24574(JP,A) 特開 平2−23407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 33/00 - 33/18

Claims (68)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、前
    記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイルに
    供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルに対して直列に接続されたインダクタ
    ンス素子と を備えたことを特徴とする磁気センサ装置。
  2. 【請求項2】前記インダクタンス素子は、前記センサコ
    イルに流れる共振電流の変化を検出するために用いられ
    ることを特徴とする請求の範囲第1項記載の磁気センサ
    装置。
  3. 【請求項3】前記インダクタンス素子は、直流を含め
    た、前記直列共振回路の共振周波数以外の周波数を有す
    る第2の電流を前記センサコイルに供給するために用い
    られることを特徴とする請求の範囲第1項記載の磁気セ
    ンサ装置。
  4. 【請求項4】磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、前
    記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイルに
    供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルに流れる共振電流の変化を検出するこ
    とによって被測定磁界を検出する検出手段と を備えたことを特徴とする磁気センサ装置。
  5. 【請求項5】前記共振電流は、前記磁芯が飽和領域に達
    するような大きさの電流であることを特徴とする請求の
    範囲第4項記載の磁気センサ装置。
  6. 【請求項6】前記検出手段は、前記直列共振回路に挿入
    されたインダクタンス素子と、このインダクタンス素子
    の両端に発生する電圧を微分して、被測定磁界に応じた
    信号を出力する微分回路とを有することを特徴とする請
    求の範囲第4項記載の磁気センサ装置。
  7. 【請求項7】前記駆動手段は、前記直列共振回路に対し
    て、直列共振回路の共振周波数に同調する交流電流を供
    給する交流電源を有することを特徴とする請求の範囲第
    4項記載の磁気センサ装置。
  8. 【請求項8】前記駆動手段は、前記直列共振回路を含む
    発振回路を有することを特徴とする請求の範囲第4項記
    載の磁気センサ装置。
  9. 【請求項9】前記発振回路は、クラップ発振回路または
    コルピッツ発振回路であることを特徴とする請求の範囲
    第8項記載の磁気センサ装置。
  10. 【請求項10】前記磁芯は、フェライト材によって形成
    されていることを特徴とする請求の範囲第4項記載の磁
    気センサ装置。
  11. 【請求項11】磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記センサコイルに交流電流を供給して前記センサコイ
    ルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルに対して直列に接続されたインダクタ
    ンス素子と 前記インダクタンス素子の両端に発生する電圧を微分し
    て、被測定磁界に応じた信号を出力する微分回路と を備えたことを特徴とする磁気センサ装置。
  12. 【請求項12】前記交流電流は、前記磁芯が飽和領域に
    達するような大きさの電流であることを特徴とする請求
    の範囲第11項記載の磁気センサ装置。
  13. 【請求項13】前記磁芯は、フェライト材によって形成
    されていることを特徴とする請求の範囲第11項記載の
    磁気センサ装置。
  14. 【請求項14】磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、前
    記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイルに
    供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 直流を含めた、前記直列共振回路の共振周波数以外の周
    波数を有する第2の電流を前記センサコイルに供給する
    電流供給手段と を備えたことを特徴とする磁気センサ装置。
  15. 【請求項15】前記共振電流は、前記磁芯が飽和領域に
    達するような大きさの電流であることを特徴とする請求
    の範囲第14項記載の磁気センサ装置。
  16. 【請求項16】前記駆動手段は、前記直列共振回路を含
    む発振回路を有することを特徴とする請求の範囲第14
    項記載の磁気センサ装置。
  17. 【請求項17】前記電流供給手段は、前記直列共振回路
    の一部をなし、直列共振回路からみて、前記センサコイ
    ルに対して交流的に並列に接続された第2のコイルを有
    し、この第2のコイルを経由して、前記センサコイルに
    前記第2の電流を供給することを特徴とする請求の範囲
    第14項記載の磁気センサ装置。
  18. 【請求項18】前記第2のコイルのインダクタンスは、
    前記センサコイルのインダクタンス以上であることを特
    徴とする請求の範囲第17項記載の磁気センサ装置。
  19. 【請求項19】前記電流供給手段は、更に、前記第2の
    コイルに対して並列に接続された静電容量素子を有し、
    この静電容量素子と第2のコイルによる並列共振周波数
    が、前記直列共振回路の共振周波数と略同一に設定され
    ていることを特徴とする請求の範囲第17項記載の磁気
    センサ装置。
  20. 【請求項20】更に、前記センサコイルに流れる共振電
    流に基づいて被測定磁界を検出する検出手段を備えたこ
    とを特徴とする請求の範囲第14項記載の磁気センサ装
    置。
  21. 【請求項21】前記検出手段は、前記センサコイルに流
    れる共振電流のうちの前記磁芯が飽和領域に達する部分
    に基づいて被測定磁界を検出することを特徴とする請求
    の範囲第20項記載の磁気センサ装置。
  22. 【請求項22】前記検出手段は、前記センサコイルに流
    れる共振電流のうちの正負非対称成分に基づいて被測定
    磁界を検出することを特徴とする請求の範囲第20項記
    載の磁気センサ装置。
  23. 【請求項23】前記検出手段は、前記直列共振回路に挿
    入されたインダクタンス素子と、このインダクタンス素
    子の両端に発生する電圧を微分して、被測定磁界に応じ
    た信号を出力する微分回路とを有することを特徴とする
    請求の範囲第20項記載の磁気センサ装置。
  24. 【請求項24】前記電流供給手段は、前記センサコイル
    に流れる共振電流が常に正負対称になるように、前記セ
    ンサコイルに前記第2の電流を供給することを特徴とす
    る請求の範囲第14項記載の磁気センサ装置。
  25. 【請求項25】磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記磁芯が飽和領域に達するような交流の駆動電流を前
    記センサコイルに供給して前記センサコイルを駆動する
    駆動手段と、 前記センサコイルのインダクタンスの変化を検出するこ
    とにより被測定磁界を検出する被測定磁界検出手段と、 等価的に前記磁芯の飽和領域におけるインダクタンス変
    化量を検出するインダクタンス変化量検出手段と、 前記インダクタンス変化量検出手段によって検出される
    インダクタンス変化量に基づいて前記駆動電流を制御す
    る制御手段と を備えたことを特徴とする磁気センサ装置。
  26. 【請求項26】前記制御手段は、前記インダクタンス変
    化量検出手段によって検出されるインダクタンス変化量
    が一定になるように前記駆動電流を制御することを特徴
    とする請求の範囲第25項記載の磁気センサ装置。
  27. 【請求項27】前記制御手段は、等価的に前記駆動手段
    の動作電圧を制御することを特徴とする請求の範囲第2
    5項記載の磁気センサ装置。
  28. 【請求項28】前記制御手段は、等価的に前記駆動手段
    の動作点を制御することを特徴とする請求の範囲第25
    項記載の磁気センサ装置。
  29. 【請求項29】前記インダクタンス変化量検出手段は、
    前記磁芯の飽和領域における前記駆動電流に基づいて前
    記インダクタンス変化量を検出することを特徴とする請
    求の範囲第25項記載の磁気センサ装置。
  30. 【請求項30】前記インダクタンス変化量検出手段は、
    前記センサコイルに対して直列に接続されたインダクタ
    ンス素子と、このインダクタンス素子の両端に発生する
    電圧を微分して、前記インダクタンス変化量に応じた信
    号を出力する微分回路とを有することを特徴とする請求
    の範囲第29項記載の磁気センサ装置。
  31. 【請求項31】前記被測定磁界検出手段は、前記センサ
    コイルに対して直列に接続されたインダクタンス素子
    と、このインダクタンス素子の両端に発生する電圧を微
    分して、被測定磁界に応じた信号を出力する微分回路と
    を有することを特徴とする請求の範囲第25項記載の磁
    気センサ装置。
  32. 【請求項32】前記駆動手段は、発振時定数を決める回
    路の一部に前記センサコイルを含む自励発振回路を有す
    ることを特徴とする請求の範囲第25項記載の磁気セン
    サ装置。
  33. 【請求項33】前記自励発振回路は、クラップ発振回路
    またはコルピッツ発振回路であることを特徴とする請求
    の範囲第32項記載の磁気センサ装置。
  34. 【請求項34】更に、前記センサコイルに、前記被測定
    磁界検出手段の出力を負帰還するための負帰還電流を供
    給する負帰還電流供給手段を備えたことを特徴する請求
    の範囲第25項記載の磁気センサ装置。
  35. 【請求項35】被測定電流によって発生する被測定磁界
    を測定することによって被測定電流を測定する電流セン
    サ装置であって、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、前
    記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイルに
    供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルに対して直列に接続されたインダクタ
    ンス素子と を備えたことを特徴とする電流センサ装置。
  36. 【請求項36】前記インダクタンス素子は、前記センサ
    コイルに流れる共振電流の変化を検出するために用いら
    れることを特徴とする請求の範囲第35項記載の電流セ
    ンサ装置。
  37. 【請求項37】前記インダクタンス素子は、直流を含め
    た、前記直列共振回路の共振周波数以外の周波数を有す
    る第2の電流を前記センサコイルに供給するために用い
    られることを特徴とする請求の範囲第35項記載の電流
    センサ装置。
  38. 【請求項38】被測定電流によって発生する被測定磁界
    を検出することによって被測定電流を測定する電流セン
    サ装置であって、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、前
    記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイルに
    供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルに流れる共振電流の変化を検出するこ
    とによって被測定磁界を検出する検出手段と を備えたことを特徴とする電流センサ装置。
  39. 【請求項39】前記共振電流は、前記磁芯が飽和領域に
    達するような大きさの電流であることを特徴とする請求
    の範囲第38項記載の電流センサ装置。
  40. 【請求項40】前記検出手段は、前記直列共振回路に挿
    入されたインダクタンス素子と、このインダクタンス素
    子の両端に発生する電圧を微分して、被測定磁界に応じ
    た信号を出力する微分回路とを有することを特徴とする
    請求の範囲第38項記載の電流センサ装置。
  41. 【請求項41】前記駆動手段は、前記直列共振回路に対
    して、直列共振回路の共振周波数に同調する交流電流を
    供給する交流電源を有することを特徴とする請求の範囲
    第38項記載の電流センサ装置。
  42. 【請求項42】前記駆動手段は、前記直列共振回路を含
    む発振回路を有することを特徴とする請求の範囲第38
    項記載の電流センサ装置。
  43. 【請求項43】前記発振回路は、クラップ発振回路また
    はコルピッツ発振回路であることを特徴とする請求の範
    囲第42項記載の電流センサ装置。
  44. 【請求項44】前記磁芯は、フェライト材によって形成
    されていることを特徴とする請求の範囲第38項記載の
    電流センサ装置。
  45. 【請求項45】被測定電流によって発生する被測定磁界
    を測定することによって被測定電流を測定する電流セン
    サ装置であって、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記センサコイルに交流電流を供給して前記センサコイ
    ルを駆動する駆動手段と、 前記センサコイルに対して直列に接続されたインダクタ
    ンス素子と 前記インダクタンス素子の両端に発生する電圧を微分し
    て、被測定磁界に応じた信号を出力する微分回路と を備えたことを特徴とする電流センサ装置。
  46. 【請求項46】前記交流電流は、前記磁芯が飽和領域に
    達するような大きさの電流であることを特徴とする請求
    の範囲第45項記載の電流センサ装置。
  47. 【請求項47】前記磁芯は、フェライト材によって形成
    されていることを特徴とする請求の範囲第45項記載の
    電流センサ装置。
  48. 【請求項48】被測定電流によって発生する被測定磁界
    を測定することによって被測定電流を測定する電流セン
    サ装置であって、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記センサコイルを一部に含む直列共振回路を有し、前
    記直列共振回路に流れる共振電流を前記センサコイルに
    供給して前記センサコイルを駆動する駆動手段と、 直流を含めた、前記直列共振回路の共振周波数以外の周
    波数を有する第2の電流を前記センサコイルに供給する
    電流供給手段と を備えたことを特徴とする電流センサ装置。
  49. 【請求項49】前記共振電流は、前記磁芯が飽和領域に
    達するような大きさの電流であることを特徴とする請求
    の範囲第48項記載の電流センサ装置。
  50. 【請求項50】前記駆動手段は、前記直列共振回路を含
    む発振回路を有することを特徴とする請求の範囲第48
    項記載の電流センサ装置。
  51. 【請求項51】前記電流供給手段は、前記直列共振回路
    の一部をなし、直列共振回路からみて、前記センサコイ
    ルに対して交流的に並列に接続された第2のコイルを有
    し、この第2のコイルを経由して、前記センサコイルに
    前記第2の電流を供給することを特徴とする請求の範囲
    第48項記載の電流センサ装置。
  52. 【請求項52】前記第2のコイルのインダクタンスは、
    前記センサコイルのインダクタンス以上であることを特
    徴とする請求の範囲第51項記載の電流センサ装置。
  53. 【請求項53】前記電流供給手段は、更に、前記第2の
    コイルに対して並列に接続された静電容量素子を有し、
    この静電容量素子と第2のコイルによる並列共振周波数
    が、前記直列共振回路の共振周波数と略同一に設定され
    ていることを特徴とする請求の範囲第51項記載の電流
    センサ装置。
  54. 【請求項54】更に、前記センサコイルに流れる共振電
    流に基づいて被測定磁界を検出する検出手段を備えたこ
    とを特徴とする請求の範囲第48項記載の電流センサ装
    置。
  55. 【請求項55】前記検出手段は、前記センサコイルに流
    れる共振電流のうちの前記磁芯が飽和領域に達する部分
    に基づいて被測定磁界を検出することを特徴とする請求
    の範囲第54項記載の電流センサ装置。
  56. 【請求項56】前記検出手段は、前記センサコイルに流
    れる共振電流のうちの正負非対称成分に基づいて被測定
    磁界を検出することを特徴とする請求の範囲第54項記
    載の電流センサ装置。
  57. 【請求項57】前記検出手段は、前記直列共振回路に挿
    入されたインダクタンス素子と、このインダクタンス素
    子の両端に発生する電圧を微分して、被測定磁界に応じ
    た信号を出力する微分回路とを有することを特徴とする
    請求の範囲第54項記載の電流センサ装置。
  58. 【請求項58】前記電流供給手段は、前記センサコイル
    に流れる共振電流が常に正負対称になるように、前記セ
    ンサコイルに前記第2の電流を供給することを特徴とす
    る請求の範囲第48項記載の電流センサ装置。
  59. 【請求項59】被測定電流によって発生する被測定磁界
    を測定することによって被測定電流を測定する電流セン
    サ装置であって、 磁芯と、 前記磁芯に巻回された、印加される被測定磁界を検出す
    るためのセンサコイルと、 前記磁芯が飽和領域に達するような交流の駆動電流を前
    記センサコイルに供給して前記センサコイルを駆動する
    駆動手段と、 前記センサコイルのインダクタンスの変化を検出するこ
    とによって被測定磁界を検出する被測定磁界検出手段
    と、 等価的に前記磁芯の飽和領域におけるインダクタンス変
    化量を検出するインダクタンス変化量検出手段と、 前記インダクタンス変化量検出手段によって検出される
    インダクタンス変化量に基づいて前記駆動電流を制御す
    る制御手段と を備えたことを特徴とする電流センサ装置。
  60. 【請求項60】前記制御手段は、前記インダクタンス変
    化量検出手段によって検出されるインダクタンス変化量
    が一定になるように前記駆動電流を制御することを特徴
    とする請求の範囲第59項記載の電流センサ装置。
  61. 【請求項61】前記制御手段は、等価的に前記駆動手段
    の動作電圧を制御することを特徴とする請求の範囲第5
    9項記載の電流センサ装置。
  62. 【請求項62】前記制御手段は、等価的に前記駆動手段
    の動作点を制御することを特徴とする請求の範囲第59
    項記載の電流センサ装置。
  63. 【請求項63】前記インダクタンス変化量検出手段は、
    前記磁芯の飽和領域における前記駆動電流に基づいて前
    記インダクタンス変化量を検出することを特徴とする請
    求の範囲第59項記載の電流センサ装置。
  64. 【請求項64】前記インダクタンス変化量検出手段は、
    前記センサコイルに対して直列に接続されたインダクタ
    ンス素子と、このインダクタンス素子の両端に発生する
    電圧を微分して、前記インダクタンス変化量に応じた信
    号を出力する微分回路とを有することを特徴とする請求
    の範囲第63項記載の電流センサ装置。
  65. 【請求項65】前記被測定磁界検出手段は、前記センサ
    コイルに対して直列に接続されたインダクタンス素子
    と、このインダクタンス素子の両端に発生する電圧を微
    分して、被測定磁界に応じた信号を出力する微分回路と
    を有することを特徴とする請求の範囲第59項記載の電
    流センサ装置。
  66. 【請求項66】前記駆動手段は、発振時定数を決める回
    路の一部に前記センサコイルを含む自励発振回路を有す
    ることを特徴とする請求の範囲第59項記載の電流セン
    サ装置。
  67. 【請求項67】前記自励発振回路は、クラップ発振回路
    またはコルピッツ発振回路であることを特徴とする請求
    の範囲第66項記載の電流センサ装置。
  68. 【請求項68】更に、前記センサコイルに、前記被測定
    磁界検出手段の出力を負帰還するための負帰還電流を供
    給する負帰還電流供給手段を備えたことを特徴する請求
    の範囲第59項記載の電流センサ装置。
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