JP3156405B2 - インクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動方法

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JP3156405B2
JP3156405B2 JP33638692A JP33638692A JP3156405B2 JP 3156405 B2 JP3156405 B2 JP 3156405B2 JP 33638692 A JP33638692 A JP 33638692A JP 33638692 A JP33638692 A JP 33638692A JP 3156405 B2 JP3156405 B2 JP 3156405B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置のインクジェットヘッドの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電素子を用いたインクジェットヘッド
の構造を図5に示す。図5に示したインクジェットヘッ
ドにおいては、圧電素子3をパルス電圧を印加すること
により矢印6方向に伸縮させ、この時発生する印字液4
の圧力波により印字液4がノズル1から外部に放出され
ノズル1の出口開口部の前に配置されている記録媒体5
に記録する。このインクジェットヘッドの駆動方法の従
来技術として例えば、特開昭59−136266号公報
によれば、図6に示す回路による方法が考案されてい
る。以下に図6の回路の動作の説明を行う。
【0003】入力端子IN101はオープンコレクタ出
力のインバータU101に接続され、インバータU10
1の出力はR101により+5Vにプルアップされてい
る。また、インバータU101の出力はR102を通し
てエミッタ接地されているトランジスタQ101のベー
スに接続されている。トランジスタQ101のコレクタ
はR103を通して高電源電圧VHにプルアップされて
いる。さらにトランジスタQ101のコレクタには出力
段のトランジスタQ102,Q103のベースが接続さ
れている。出力段のトランジスタQ102,Q103の
各エミッタは互いに接続されて出力端子OUT101に
なっている。この出力端子OUT101とトランジスタ
Q101のベースとの間には帰還用コンデンサC101
が挿入されている。また出力端子OUT101にはこの
駆動回路の負荷である、圧電素子P101が接続されて
いる。
【0004】図7はこの駆動回路の入出力信号のタイミ
ングチャートである。駆動回路の入力端子IN101に
INの様な入力信号を入力した場合、入力信号INが”
H”の時トランジスタQ101はオフ状態となり駆動電
圧は+VHまで立ち上がるがトランジスタQ101とコ
ンデンサC101、抵抗R102とによりミラー積分回
路が構成されているために駆動電圧波形は直線的に立ち
上がる。入力信号INが”L”の場合も同様に駆動波形
は0Vまで直線的に立ち下がり、OUTの様な台形の駆
動電圧波形が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電素
子の変位量のばらつきや製造上のばらつきにより同一の
電圧波形のパルス電圧を圧電素子に印加しても吐出する
印字液の量は各インクジェットヘッド毎に異なる。その
ため、適切な量の印字液を吐出するためには各インクジ
ェットヘッド毎に圧電素子に印加するパルス電圧の電圧
振幅を適切に調整しなければならない。この時、従来技
術で説明したような駆動回路を持つインクジェットヘッ
ドの駆動方法においてはパルス電圧の電圧振幅が電源電
圧の+VHまで立ち上がるので電源電圧を各インクジェ
ットヘッド毎に変化させなければ適切な電圧振幅を得ら
れないという課題がある。また、パルス電圧の立ち下が
り時間は印字液の吐出速度に影響するので適切に調節す
る必要がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明においては、ノズルと、前記ノズルに印字液
を供給する流路と、前記流路の壁面に前記ノズルに対応
して配置されパルス電圧により伸縮する圧電素子と、を
備えるインクジェットヘッドの駆動方法において、前記
パルス電圧の立ち上がり期間を規定する第1の入力信号
と、前記パルス電圧の立ち下がり開始を規定する第2の
入力信号と、を前記パルス電圧の発生回路に供給し、前
記パルス電圧発生回路は、前記パルス電圧の立ち上がり
の傾きを示す立ち上がり時定数を調整する手段を有し、
適切に設定された前記パルス電圧の立ち上がり期間を規
定する前記第1の入力信号のハイ状態期間に基づき、前
記調整手段により前記パルス電圧の立ち上がり時定数を
設定することにより、前記圧電素子毎に適切な前記パル
ス電圧を供給することを特徴とする。
【0007】
【作用】圧電素子に印可するパルス電圧の電圧振幅を、
電源電圧によらず、パルス電圧の立ち上がり時定数を設
定することにより設定できるので適切な量の印字液を吐
出できる。
【0008】
【実施例】以下に本発明を図示した実施例に基いて詳し
く説明する。図1は本発明の請求項1に対する一実施例
におけるインクジェットヘッドのパルス電圧発生部の回
路図であり、図2は本実施例に用いる入出力信号のタイ
ミングチャートを示したものである。
【0009】IN1、IN2は入力信号の入力端子、Q
6はレベルシフト用のトランジスタ、トランジスタQ
8,Q9,可変抵抗VR1は充電波形用の定電流回路、
トランジスタQ4,Q5,可変抵抗VR2は放電波形用
の定電流回路、C1は駆動波形形成用のコンデンサ、O
UT1は駆動波形の出力端子であり、P1は負荷である
圧電素子である。
【0010】以下にこの回路の動作について説明する。
入力端子IN1にPc、入力端子IN2にPdの様な信
号を入力した場合、まずPc信号が”H”になった時ト
ランジスタQ6はオン状態になる。この時トランジスタ
Q8がオン状態になり、トランジスタQ8のコレクタに
接続されているコンデンサC1が充電される。トランジ
スタQ8のコレクタ電流はトランジスタQ8のエミッタ
に接続されている可変抵抗VR1を介して流れており、
可変抵抗VR1の両端の電位差はトランジスタQ9のベ
ース−エミッタ間の電位になる。トランジスタQ9がオ
ン状態の時ベース−エミッタ間の電位はほぼ一定である
ので、可変抵抗VR1を介してコンデンサC1を充電す
る電流は定電流となる。定電流でコンデンサC1に充電
するのでコンデンサC1の両端の電位差の波形は図2の
Po1に示すように、0[V]から直線的に立ち上が
る。その波形Po1の傾きである立ち上がり時定数τc
[V/sec]は、可変抵抗VR1の抵抗値r1[Ω]と
コンデンサC1の容量値c1[F]とトランジスタQ9
のベース−エミッタ間電圧VBE9[V]から、 τc=VBE9÷(r1×c1) <式1> で求められ、可変抵抗VR1の抵抗値r1あるいはコン
デンサC1の容量値c1を変更することで調節する。こ
のままPc信号が”H”の状態が続くとコンデンサC1
の両端の電位差は電源電圧VMまで立ち上がるが、Pc
信号が”H”になってからtc[sec]後にPc信号
が”L”になった時、トランジスタQ6がオフ状態にな
り、トランジスタQ8がオフ状態になるので、コンデン
サC1の両端の電位差V1[V]は、 V1=τc×tc まで立ち上がり、コンデンサC1に蓄積された電荷によ
りその電位差が保持される。さらにth[sec]後に、
Pd信号が”H”になった時、トランジスタQ4はオン
状態になり、コンデンサC1に蓄積された電荷を可変抵
抗VR2を介して放電する。可変抵抗VR2の両端の電
位差はトランジスタQ5のベース−エミッタ間の電位に
なるので、立ち上がりの場合と同様に定電流でコンデン
サC1から放電し、コンデンサC1の両端の電位差の波
形は直線的に立ち下がる。その波形の傾きである立ち下
がり時定数τd[V/sec]は、可変抵抗VR2の抵抗
値r2[Ω]とコンデンサC1の容量値c1[F]とト
ランジスタQ5のベース−エミッタ間電圧VBE5[V]
から、 τd=VBE5÷(r2×c1) <式2> で求められ、可変抵抗VR2の抵抗値r2あるいはコン
デンサC1の容量値c1を変更することで調節する。P
d信号が”H”になってからPc信号が”L”になるま
での時間を立ち下がり時間td[sec]、 td=V1÷τd より十分長くすることでコンデンサC1の両端の電位差
は0[V]まで直線的に立ち下がる。このようにして任
意の電圧振幅、立ち上がり時間、定電圧を保持した時
間、立ち下がり時間を持ったパルス電圧をコンデンサC
1の両端に発生している。
【0011】トランジスタQ1、Q2、Q3、Q7は電
流バッファを構成しており、出力端子OUT1にコンデ
ンサC1の両端に発生させた電圧波形と同様の波形を出
力し、OUT1に接続される負荷の圧電素子を駆動する
ために必要な電流を供給している。このとき、出力端子
OUT1に出力される電圧波形の電圧振幅V2[V]は
コンデンサC1の両端の電圧波形の電圧振幅V1よりト
ランジスタQ1、Q2、Q3、Q7のベース−エミッタ
間の電圧分だけ少なくなり、V2はV1とトランジスタ
Q1、Q2、Q3、Q7のベース−エミッタ間の電圧V
BE1、VBE2、VBE3、VBE7より、 V2=V1−(|VBE1|+|VBE3|+|VBE2|+
|VBE7|) で求められる。なお、本実施例では電流バッファをトラ
ンジスタQ1とQ3、トランジスタQ2とQ7をダーリ
ントン接続により2段の増幅で構成しているが、負荷の
圧電素子を駆動するために必要な電流によっては1段あ
るいは3段以上のトランジスタで構成することも可能で
あり、その場合も同様の効果が得られることは明かであ
る。この場合出力端子OUT1に出力される電圧波形の
電圧振幅はコンデンサC1の両端の電位差V1より電流
バッファを構成するトランジスタのベース−エミッタ間
の電圧分だけ少なくなる。
【0012】以上に説明した動作を行うパルス電圧発生
部を持つインクジェットヘッドにおいて、あらかじめ適
切にパルス電圧の立ち上がり時間tcは設定しておき、
各インクジェットヘッドの適正なパルス電圧の電圧振幅
V2が得られるように立ち上がり時定数τcを、 τc=(V2+|VBE1|+|VBE3|+|VBE2|+
|VBE7|)÷tc を目安に設定することで、電源電圧をインクジェットヘ
ッド毎に変更すること無く適正なパルス電圧の電圧振幅
に設定できる。
【0013】τc及びτdは<式1>及び<式2>によ
り得られるが、VBE9及びVBE5は素子の固有の値であ
り、c1はτcとτdについて共通であるので、τcと
τdを独立して調整するためにr1とr2によりτcと
τdの調整を行う。図1において、可変抵抗VR1及び
VR2により、τc及びτdを決めるパラメータである
抵抗値r1及びr2を任意に設定できる。
【0014】前記の第1の実施例には圧電素子に印加す
るパルス電圧の立ち上がり時間、立ち下がり時間、電圧
振幅を任意に設定できる反面、個々の回路基板を使用す
るヘッド毎に立ち上がり時定数τcと立ち下がり時定数
τdの調節をしなければならない。そこで、本発明の第
2の実施例として、図3を示す。図3は図1の可変抵抗
VR1を可変抵抗VR1と着脱可能な固定抵抗R1とを
直列に接続して構成し、同様に図1の可変抵抗VR2を
可変抵抗VR2と着脱可能な固定抵抗R2とを直列に接
続して構成したものである。この構成において、固定抵
抗R1と可変抵抗VR1の抵抗値の和と固定抵抗R2と
可変抵抗VR2の抵抗値の和をあらかじめ必要とする複
数のパルス電圧の電圧振幅について求めておき、調整分
の抵抗値を差し引いた値の抵抗値を固定抵抗R1とR2
に割り当てる。これらの固定抵抗R1とR2に使用する
インクジェットヘッドの適正なパルス電圧の電圧振幅に
対応した抵抗値のものを選んで回路基板に装着すること
でパルス電圧の電圧振幅を設定できる。この場合回路基
板毎に各素子の値にばらつきがありパルス電圧の電圧振
幅とパルス電圧の立ち下がり時間の精度が低下するの
で、各回路基板についてあらかじめ抵抗R1とR2に基
準となる抵抗値の抵抗を装着して、可変抵抗VR1とV
R2により、適正なパルス電圧の電圧振幅と立ち下がり
時間が得られるように調節することで回路基板毎の各素
子の定数のばらつきによるパルス電圧の電圧振幅とパル
ス電圧の立ち下がり時間の精度の低下を抑えている。
【0015】以下に請求項1の第3の実施例について説
明する。前記第2の実施例において固定抵抗R1及びR
2を図4に示すような集合抵抗RM1で構成しても同様
の効果を得ることが可能であり、1つの集合抵抗RM1
を差し換えることで、パルス電圧の電圧振幅とそれに適
したパルス電圧の立ち下がり時間が同時に設定できる。
【0016】
【発明の効果】以上に説明したように本発明におけるイ
ンクジェットヘッドの駆動方法は、電源電圧を変更する
こと無くインクジェットヘッド毎の適正なパルス電圧の
電圧振幅が容易に設定できるので印字液の吐出量が安定
し、印字品質の向上の効果が大きい。また、このインク
ジェットヘッドを駆動するための電源の電源電圧は、パ
ルス電圧の電圧振幅より高ければ良いので、プリンタを
構成する例えばキャリッジ駆動や紙送りなどの他の駆動
系の電源電圧がインクジェットヘッドを駆動するパルス
電圧の電圧振幅より高ければこれらの電源と電源の共用
が出来るのでプリンタの構成を簡略化できる効果もあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の回路図。
【図2】本発明の実施例の入出力信号のタイミングチャ
ート。
【図3】本発明の第2の実施例の回路図。
【図4】本発明の第3の実施例の説明図。
【図5】インクジェットヘッドの構造を示す断面図。
【図6】従来技術の実施例の回路図。
【図7】従来技術の実施例の入出力信号のタイミングチ
ャート。
【符号の説明】
IN1 入力信号の入力端子 IN2 入力信号の入力端子 Q6 レベルシフト用のトランジスタ Q8 充電波形の定電流用のトランジスタ Q9 充電波形の定電流用のトランジスタ VR1 充電波形の定電流用の可変抵抗 R1 充電波形の定電流用の固定抵抗 Q4 放電波形の定電流用のトランジスタ Q5 放電波形の定電流用のトランジスタ R2 放電波形の定電流用の固定抵抗 C1 駆動波形形成用のコンデンサ OUT1 駆動波形の出力端子 P1 負荷の圧電素子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルと、前記ノズルに印字液を供給す
    る流路と、前記流路の壁面に前記ノズルに対応して配置
    されパルス電圧により伸縮する圧電素子と、を備える
    ンクジェットヘッドの駆動方法において、前記パルス電圧の立ち上がり期間を規定する第1の入力
    信号と、前記パルス電圧の立ち下がり開始を規定する第
    2の入力信号と、を前記パルス電圧の発生回路に供給
    し、 前記パルス電圧発生回路は、前記パルス電圧の立ち上が
    りの傾きを示す立ち上がり時定数を調整する手段を有
    し、 適切に設定された前記パルス電圧の立ち上がり期間を規
    定する前記第1の入力信号のハイ状態期間に基づき、前
    記調整手段により前記パルス電圧の立ち上がり時定数を
    設定することにより、前記圧電素子毎に適切な前記パル
    ス電圧を供給する インクジェットヘッドの駆動方法。
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