JP3107293B2 - 電動機の速度制御装置 - Google Patents

電動機の速度制御装置

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JP3107293B2 JP09007344A JP734497A JP3107293B2 JP 3107293 B2 JP3107293 B2 JP 3107293B2 JP 09007344 A JP09007344 A JP 09007344A JP 734497 A JP734497 A JP 734497A JP 3107293 B2 JP3107293 B2 JP 3107293B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電動機の速度制御装
置に係り、特に昇圧チヨツパ回路と電力変換装置を備え
た電動機の速度制御に好適な速度制御装置に関するもの
である。 【0002】 【従来の技術】従来、交流電源を整流して直流電源に変
換する整流回路であつて、電源電流の高調波を抑制する
回路を備えたものとして、特開昭59−198873 号公報に
記載された回路があり、整流回路の出力端に昇圧チヨツ
パ回路としてリアクトルとスイツチング素子とを接続
し、直流出力電圧と設定電圧との差の交流電源の電圧信
号を乗算した同期誤差信号と電流波形とを比較し、その
差の極性に応じて上記のスイツチング素子をオン・オフ
させるようになつていた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、直流
電源に接続される負荷が電力変換装置であつて、この電
力変換装置により電動機を駆動する場合についての配慮
がなされていなかつた。すなわち、回転速度を変化する
のに、電力変換装置に加える直流入力電圧を変化すれ
ば、回転速度が変化する特性の電動機への上記従来技術
の適用にあたつては、直流出力電圧に対する設定電圧を
上記速度とこの速度に対する指令速度とにより作成する
ための速度制御回路を追加する必要があるなど、回路規
模が複雑化するといつた問題があつた。さらに昇圧チヨ
ツパ回路を用いる従来技術では、電力変換装置に加えら
れる直流入力電圧の大きさを交流入力電圧の波高値以下
の値に制御することができず、電動機の速度制御範囲が
限定されるという問題があつた。 【0004】本発明の目的は、電動機を広範囲にわたっ
て速度制御することができる電動機の速度制御装置を提
供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の一つの見方によ
れば、上記目的は、昇圧チョッパ回路と、前記昇圧チョ
ッパ回路に接続された電力変換装置と、前記電力変換装
置に接続されたブラシレスモータと、前記ブラシレスモ
ータに対する速度指令と前記ブラシレスモータの回転子
位置検出信号とに応じて、前記昇圧チョッパ回路のスイ
ッチング素子の断続動作を制御する第1の制御領域と、
前記ブラシレスモータの速度指令と、前記ブラシレスモ
ータの回転子位置検出信号とに応じて、前記電力変換装
置のパルス幅変調制御を行う第2の制御領域とを有する
制御装置を備えることにより達成される。本発明の他の
見方によれば、上記目的は、交流入力を整流する整流回
路と、前記整流回路に接続された昇圧チョッパ回路と、
前記昇圧チョッパ回路に接続された電力変換装置と、前
記電力変換装置に接続されたブラシレスモータと、前記
ブラシレスモータの高速領域において前記ブラシレスモ
ータに対する速度指令と前記ブラシレスモータの回転子
位置検出信号とに応じて、前記昇圧チョッパ回路のスイ
ッチング素子の断続動作を制御する第1の制御領域と、
前記ブラシレスモータの低速領域において前記ブラシレ
スモータの速度指令と、前記ブラシレスモータの回転子
位置検出信号とに応じて、前記電力変換装置のパルス幅
変調制御を行う第2の制御領域と、前記昇圧チョッパ回
路を構成するスイッチング素子の断続動作を前記交流入
力電圧と関連して制御することにより、前記交流入力電
流の波形を制御する機能とを有する制御装置を備えるこ
とにより達成される。 【0006】高速領域では指令速度を高めれば偏差速度
が増加し、これによつて電流指令及び同期電流指令信号
が増大し、それにともない電源電流との差が増え、その
結果、スイツチング素子のオン時間が長くなり、電源電
流が増大する。これにより電力変換装置に加えられる直
流電圧が高まり、電動機の速度が上昇する。そして偏差
速度が零になるまで以上の動作が繰り返され、電源電流
の大きさを偏差速度に応じて変えることにより電動機の
速度を制御することができる。また、低速領域では指令
速度を高めれば偏差速度が増加し、電力変換装置におけ
るPWM(PulseWidth modulation パルス幅変調)制御に
よつて電動機へ加えられる電圧が高まり、電動機の速度
が上昇する。そして偏差速度が零になるまで以上の動作
が繰り返され、電動機の速度を制御することができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下本発明を図1、図4に示した
実施例及び図2、図3を用いて詳細に説明する。 【0008】図1は本発明の電動機の速度制御装置の一
実施例を示す回路構成図で、ブラシレス直流電動機用の
ものを示してある。図1において、交流電源1は、整流
回路2,昇圧チヨツパ回路3を介して直流電圧Edに変
換され、インバータ4に直流電力を供給し、このインバ
ータ4によつて同期モータ5を駆動する。 【0009】同期モータ5の速度を制御する制御回路
は、マイクロコンピユータ6、同期モータ5の回転子5
aの磁極位置をモータ端子電圧7から検出するための位
置検出回路8、インバータ4を構成するトランジスタ4
a〜4fに対するインバータ制御部9、電源電流10の
波形と大きさを制御する電源電流制御部11、低速モー
ドと高速モードの切り換えのための直流電圧比較部12
及び直流電流を検出する直流電流検出部13からなる。 【0010】マイクロコンピユータ6は、同期モータ5
を駆動するのに必要な各種プログラム、例えば、速度制
御処理、位置検出回路8からの位置検出信号14、速度
指令15、直流電圧比較信号16及び検出直流電流17
の取り込み、また、インバータ用ドライバ9aへのイン
バータドライブ信号18、電源電流制御部11への電流
指令19やインバータ制御部9への電圧信号20の出力
などの処理が実行される。 【0011】昇圧チヨッパ回路3は、リアクトル3a、
トランジスタ3b、ダイオード3cおよび平滑コンデン
サ3dで構成され、トランジスタ3bに対するドライブ
信号が電源電流制御部11にて作成され、トランジスタ
3bのオン時間及びオフ時間を変えることにより電源電
流10の瞬時瞬時の大きさを変えるものとしている。 【0012】図2は図1の電源電圧21と電源電流10
の波形図で、図2(a)と(b)に示すように、電源電
流制御部11と昇圧チヨツパ回路3により電源電流10
の波形を電源電圧21と同位相の正弦波とするととも
に、その大きさである実効値をマイクロコンピユータ6
から出力される電流指令19に応じて制御するようにし
てある。 【0013】電源電流制御部11は、整流回路2の出力
電圧から電源電圧21と同期した全波整流波形となる電
圧信号22を作成する電源電圧検出回路11a、この電
圧信号22とデイジタル信号である電流指令19とを掛
け合せ、アナログ信号である同期電流指令信号23を作
成する乗算付D−A変換器11b、電源電流10の全波
整流波形を抵抗11cにて検出して増幅する電源電流増幅
器11d、この出力である検出電源電流24と同期電流
指令信号23とを比較し、その差電圧を零とするように
動作する電流制御増幅器11e、この出力である誤差信
号25と三角波発振器11fの出力である三角波26を
比較してトランジスタ3bに対するチヨツパ信号27を
作成するコンパレータ11g及びトランジスタ3bに対
するチヨツパ用ドライバ11hから構成してある。 【0014】インバータ制御部9は、デイジタル信号で
ある電圧信号20をアナログ信号に変換するD−A変換
器9b、この出力である電圧信号28と三角波発振器9
cの出力である三角波29を比較してインバータ4に対
するチヨツパ信号30を作成するコンパレータ9d及び
インバータ4に対するインバータ用ドライバ9aから構
成してある。 【0015】直流電流検出部13は、直流電流Id を抵
抗31にて検出して増幅する直流電流増幅器13a、こ
の出力をデイジタル信号に変換するA−D変換器13b
から構成してある。 【0016】直流電圧比較部12は、直流設定電圧Edc
を増幅する設定電圧増幅器12a、この出力を、直流電
圧Ed を抵抗32,33によつて検出した信号と比較す
るコンパレータ12bから構成してある。本発明の実施
例の速度制御装置を備えた構成のブラシレス直流モータ
において、本発明では高速領域と低速領域で異なつた制
御法を用い、それを切り換えることに特徴があり、高速
領域と低速領域で異なつた制御法を用いる理由及びその
切り換の手法について以下に説明する。 【0017】ブラシレス直流モータは、インバータの出
力電圧を変えることにより速度制御を行うことができる
が、その手法としては直流電圧Ed を変化させる手法と
インバータによるPWM制御とがある。直流電圧Ed を
変える手法として昇圧チヨツパ回路を用いる手法がある
が、この手法では昇圧チヨツパ回路を用いるため、直流
電圧Ed が電源電圧21の波高値よりも低くする場合で
は、電源電圧の波高値の付近で昇圧チヨツパが動作せ
ず、電源電流10を正弦波に制御できなくなる。 【0018】従つて、このような領域で速度制御を行う
には、インバータでPWM制御を行う必要があり、この
ため高速領域と低速領域で異なつた速度制御法を用いる
必要が生じる。そこで、常に直流電圧Edが電源電圧2
1よりも大きい領域、すなわち、直流電圧Edが電源電
圧21の波高値よりも大きい領域では、昇圧チヨツパ回
路を用いて直流電圧制御を、インバータではPWM制御
を行わない高速制御モードを行い、それ以外の領域では
昇圧チヨツパ回路では直流電圧Ed が一定電圧となるよ
うな制御を、インバータではPWM制御を行う低速制御
モードを行うようにすればよいことがわかる。 【0019】両モードの切り換えは、インバータのPW
M制御のデユテイ(duty)が100%となれば低速モー
ドから高速モードへ、直流電圧Edが電源電圧21の波
高値より大きな値を取るように選ばれた設定電圧Edcよ
り小さくなれば、高速モードから低速モードへ切り換え
ればよいことがわかる。以下、図3と図4を用いて具体
的な実現手法を説明する。 【0020】図3は位置検出信号14の波形図で、60
°毎に3相の信号の状態が変化する。そして、60°毎の
時間t1〜t6を測定し、1サイクルの時間Tを求めるこ
とにより同期モータ5の速度を検出するようにする。 【0021】図4は図1のマイクロコンピユータ6にお
いて実行される速度制御処理の一実施例を示すフローチ
ヤートで、電流指令19とインバータ制御部9への電圧
信号20の作成手順を表わしている。処理Iにおいて、
マイクロコンピユータ6の外部から与えられた速度指令
15により指令速度Nrを算出し、処理IIにおいて、位
置検出信号14の1サイクルの時間Tを求め、処理III
おいて、1サイクルの時間Tと比例定数Kより速度Nを
算出する。 【0022】その後、現在のモードを判定し、高速モー
ドであれば、直流電圧Edが電源電圧21の波高値より
大きな値を取るように選ばれた設定電圧Edcより小さい
場合には処理IVを、大きい場合には処理Vを行うように
し、また、現在のモードが低速モードあれば、インバー
タ制御部9への電圧信号20がデユテイ100%となる
ときに$FF(16進数でFFを示す)となるように定
めたとき、電圧信号20が$FFとなる場合には処理V
を、そうでない場合には処理IV行うようにする。 【0023】処理IVは、電流指令19であるところのI
rは直流電流信号17であるところのIdと比例定数KL
の積として、電圧信号20であるところのErは指令速
度Nrと速出速度Nとの偏差速度ΔN=Nr−Nより比例
項PLと積分項ILを作成し、その和としてそれぞれ決定
される。ここに、比例項PLは、比例ゲインKPLと偏差
速度ΔNの積として、また、積分項IHは、積分ゲイン
ILと偏差速度ΔNとの積をその時点における積分項に
加えて作成する。 【0024】その後、電流指令値Ir,電圧信号Erを出
力し、低速モードとする。処理Vでは、電圧信号20は
$FFとして、電流指令19は比例項PHと積分項IH
和としてそれぞれ出力される。ここに、比例項PHは比
例ゲインKPHと偏差速度ΔNの積として、また、積分項
Hは積分ゲインKIHと偏差速度ΔNとの積をその時点
における積分項に加えて作成する。その後、電流指令値
Ir、電圧信号Erを出力し、高速モードとする。 【0025】以上の速度制御処理を繰り返し実行するこ
とにより、速度指令Nrと検出速度Nが等しくなるよう
に制御される。なお、上記した実施例ではブラシレス直
流モータに適用した場合について説明したが、他の同期
モータにも適用可能であることはいうまでもない。以上
説明した実施例によれば、高速領域では昇圧チョッパ回
路を用いて電動機の速度制御を行うため電力変換装置で
のPWM制御を行う必要がなく、電力変換装置でな損失
低減及び電動機の巻線電流の高調波成分を少なくするこ
とが可能となり、また、電力変換装置に加えられる直流
入力電圧の大きさが交流入力電圧の波高値よりも小さく
なるような領域、すなわち、昇圧チョッパ回路のみでは
速度制御が不可能となるような低速領域では、電力変換
装置でPWM制御を行うように構成したことにより低速
領域での速度制御を可能とし、広範囲にわたる速度制御
が可能になるという効果がある。 【0026】本発明によれば、電動機を広範囲にわたっ
て速度制御することができる電動機の速度制御装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の電動機の速度制御装置の一実施例を示
す回路構成図である。 【図2】図1における電源電圧と電源電流の波形図であ
る。 【図3】位置検出信号の波形図である。 【図4】図1のマイクロコンピユータにおける速度制御
処理の一実施例を示すフローチヤートである。 【符号の説明】 1…交流電源、2…整流回路、3…昇圧チヨツパ回路、
4…インバータ、5…同期モータ、6…マイクロコンピ
ユータ、8…位置検出回路、9…インバータ制御部、9
a…インバータ用ドライバー、9b…D−A変換器、9
c…三角波発振器、9d…コンパレータ、11…電源電
流制御部、11a…電源電圧検出回路、11b…乗算付
D−A変換器、11d…電源電流増幅器、11e…電流
制御増幅器、11f…三角波発振器、11g…コンパレ
ータ、11h…チヨツパ用ドライバー、12…直流電圧
比較器、12a…設定電圧増幅器、12b…コンパレー
タ、13…直流電流検出部、13a…直流電流増幅器、
13b…A−D変換器。
フロントページの続き (72)発明者 柏崎 進 栃木県下都賀郡大平町富田800番地 株 式会社 日立製作所 栃木工場内 (72)発明者 飯塚 健一 栃木県下都賀郡大平町富田800番地 株 式会社 日立製作所 栃木工場内 (56)参考文献 特開 昭59−198897(JP,A) 特開 昭62−53178(JP,A) 特開 昭61−280785(JP,A) 特開 昭60−139177(JP,A) 特開 昭57−211621(JP,A) 特開 昭63−224698(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 7/63 H02P 5/408 H02P 6/06

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.昇圧チョッパ回路と、前記昇圧チョッパ回路に接続
    された電力変換装置と、前記電力変換装置に接続された
    ブラシレスモータと、前記ブラシレスモータに対する速
    度指令と前記ブラシレスモータの回転子位置検出信号と
    に応じて、前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子の
    断続動作を制御する第1の制御領域と、前記ブラシレス
    モータの速度指令と、前記ブラシレスモータの回転子位
    置検出信号とに応じて、前記電力変換装置のパルス幅変
    調制御を行う第2の制御領域とを有する制御装置を備え
    ることを特徴とする電動機の速度制御装置。 2.前記第1の制御領域は、前記ブラシレスモータの動
    作領域の高速領域であり、前記第2の制御領域は、前記
    ブラシレスモータの動作領域の低速領域である請求項1
    記載の電動機の速度制御装置。 3.交流入力を整流する整流回路と、前記整流回路に接
    続された昇圧チョッパ回路と、前記昇圧チョッパ回路に
    接続された電力変換装置と、前記電力変換装置に接続さ
    れたブラシレスモータと、前記ブラシレスモータの高速
    領域において前記ブラシレスモータに対する速度指令と
    前記ブラシレスモータの回転子位置検出信号とに応じ
    て、前記昇圧チョッパ回路のスイッチング素子の断続動
    作を制御する第1の制御領域と、前記ブラシレスモータ
    の低速領域において前記ブラシレスモータの速度指令
    と、前記ブラシレスモータの回転子位置検出信号とに応
    じて、前記電力変換装置のパルス幅変調制御を行う第2
    の制御領域と、前記昇圧チョッパ回路を構成するスイッ
    チング素子の断続動作を前記交流入力電圧と関連して制
    御することにより、前記交流入力電流の波形を制御する
    機能とを有する制御装置を備えることを特徴とする電動
    機の速度制御装置。
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