JP3092794B2 - 焼却炉装置および焼却方法 - Google Patents
焼却炉装置および焼却方法Info
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Description
し、特に、高分子化合物を主成分とする可燃廃棄物を焼
却処理する焼却炉装置および焼却方法に関するものであ
る。
FRP(ガラス繊維強化プラスチック)等の高分子化合
物(塩素系を含む)を主要成分(例、約80%)とする
廃棄物を焼却処理する場合には、燃焼時に発生する未燃
焼ガスの濃度が高いので、未燃焼ガスに大量の空気をよ
く混合して燃焼させ、未燃焼ガス中の未燃焼物質が焼却
炉内部に付着する前に速やかに完全燃焼させて外に排出
しなければならない。
被焼却物を焼却する装置として、ガス化炉というものが
ある。ガス化炉は、コンクリート床上に設置されるガス
化室と、その上の燃焼室と、さらにその上にあって燃焼
室と連通する煙突とを具えており、ガス化室と燃焼室は
互いに分離されていて縦方向のパイプまたは連通路で連
通している。ガス化室ではその炉床面の複数の空気孔か
ら上に向けてまたは側壁の複数の空気孔から内側に向け
て空気が供給され、燃焼室では側壁から空気が供給され
る。その使用においては、ガス化室内の炉床上に被焼却
物を置いて低温で一次燃焼させてガス化させ、そのガス
がガス化室内に充満して上のパイプを通って燃焼室に流
出したときに、燃焼室内でそのガス(未燃焼ガス)にバ
ーナで着火して高温で二次燃焼(再燃焼)させ、その燃
焼ガスを煙突から排出する。
が上を向き、被焼却物の燃焼箇所が不規則に広がり、ま
た被焼却物が荷くずれを起こすので、未燃焼ガスの発生
が不安定になる。さらに、未燃焼ガスは重くガス化室に
充満してパイプから流出するまでに熱を失い、またガス
化室と燃焼室とがパイプを介して熱的に分離しているた
めに、ガス化室の一次燃焼熱を燃焼室の二次燃焼に有効
に利用することができない。従って、燃焼室においては
バーナを頻繁にまたは長時間作動させて二次燃焼を維持
する必要があり、バーナの燃料消費量が多くなる。仮に
パイプを無くしてガス化室と燃焼室を隣接させたとする
と、未燃焼ガスの発生が不安定なので燃焼室の高温の炎
がガス化室内の未燃焼ガスと空気の混合ガスに引火して
爆発する危険性がある。
空気孔の一部が被焼却物や燃え柄によって塞がれて給気
が不充分になり、または側壁の空気孔からは被焼却物内
部まで空気が到達しにくく、特に被焼却物中のガス化可
能成分が抜けた後の残留物の焼却において必要量の空気
をその内部にまで充分供給することができず、さらに燃
焼室においては給気量および燃焼ガスと空気の混合が不
充分なので、1回の焼却能力または収容量が制限され
る。また、ガス化室ではガスまたは炎が上に向かうので
その上部にガスの燃焼空間および流通空間を確保する必
要があり、ガス化室内に被焼却物を満杯まで収容するこ
とができない。
部の連通路を介して加熱室へと導く焼却炉が、本発明者
の一人と同じ野口氏による登録実用新案第300471
5号公報(1994年11月22日発行)に記載されて
いる。しかし、この焼却炉は、高分子化合物を主成分と
する被焼却物の焼却には適さない。この焼却炉は、一次
燃焼室と、この一次燃焼室と下部の連通路で連通する二
次燃焼室と、この二次燃焼室と上部で連通するサイクロ
ンとを備えている。一次燃焼室の下部には多数の火格子
が並列に設けられている。その二次燃焼室において、下
部両側の連通路を介して一次燃焼室から流入するガスを
2つの強制加熱室の狭い空間内でバーナで加熱して再燃
焼させ、そのガスを側壁の複数の小孔を通して2つの強
制加熱室の間にある下部中央室に流入させ、その天井の
複数の小孔を通して強制加熱室および中央室の上にある
混合室に流入させ、さらにサイクロンへと流出させる。
また、送風機で一次燃焼室および二次燃焼室に空気を供
給している。しかし、仮にこの焼却炉を使って高分子化
合物を主要成分とする被焼却物を焼却すると、二次燃焼
室の各部でガスの一部が滞留し、未燃焼物質が壁面等に
付着し、ガスが空気を充分取込むことなく複数の小孔を
通って流れて二次燃焼が不充分になり、未燃焼ガスのま
ま煙突から排出され、空気または環境を汚染する。
焼却物を効率よく完全燃焼させる焼却炉装置が要望され
る。
は、高分子化合物を含む被焼却物を効率良くほぼ完全燃
焼させることである。また、本発明の別の目的は、未燃
焼ガスと空気を効率良く混合して一次燃焼または未燃焼
ガスをほぼ完全燃焼させることである。本発明のさらに
別の目的は、熱効率が高く、燃料の使用を大幅に減らし
て被焼却物をほぼ完全燃焼させることである。本発明の
さらに別の目的は、ダイオキシン、塩素系物質等の有害
物質による空気および環境汚染を抑制しまたは防止して
清浄な無煙化ガスを煙突から排出することにある。
炉本体を具えており、さらに、炉本体内部に横に順に隣
接して配置された一次燃焼室部、二次燃焼室部および排
煙部と、炉本体内部に設けられた、一次燃焼室部と二次
燃焼室部を区画する第1の縦仕切り壁と、二次燃焼室部
と排煙部を区画する第2の縦仕切り壁と、第1の縦仕切
り壁の下部に形成され一次燃焼室部と二次燃焼室部の中
の下段の燃焼室とを互いに連通させる第1の連通路と、
第2の縦仕切り壁の上部に形成され複数段燃焼室部の中
の上段の燃焼室と排煙部とを互いに連通させる第2の連
通路と、を具える。その二次燃焼室部は、垂直方向に重
ねられた少なくとも上段および下段の燃焼室からなる複
数の燃焼室と、下段の燃焼室とこれに隣接する燃焼室と
の間を連通させる燃焼室間連通口と、を具える。複数の
燃焼室の中の少なくとも1つの内部空間は、柱状でかつ
その水平長手方向の両端部が弧状であり、複数の燃焼室
の中の少なくとも1つの燃焼室の壁面には空気を供給す
るための多数の空気孔が分散配置されている。一次燃焼
室部から流入したガスが下段の燃焼室内で旋回して少な
くとも1つの旋回中心を形成するように、第1の連通路
が、その旋回中心に対して偏心した向きに配置されてい
る。燃焼室間連通口は、複数の燃焼室の内部空間の水平
断面の面積の3分の1以下の開口面積を有し、かつ旋回
中心の軸から離れた位置にある。
おいて、一次燃焼室部において、支持体の多数の空気孔
から、被焼却物の燃焼状態に応じて所要量の空気を供給
し、二次燃焼室部において、一次燃焼室部から流入した
ガスを、少なくとも1つの燃焼室の壁面の多数の空気孔
を通して供給された空気と混合して燃焼させ、複数の燃
焼室の各々を下から上に順に上昇させて、排煙部へ流出
させる。
室部で発生する一次燃焼ガスを二次燃焼室部で高速旋回
させながら空気と混合して二次燃焼させて、ほぼ完全燃
焼させることができる。
よる好ましい実施形態を説明する。まず、焼却炉装置の
全体的構成の概略を説明する。図2は、本発明の実施形
態の焼却炉装置の正面図を示している。図3は、図2の
焼却炉装置の平面図である。図4は、図2の焼却炉装置
の右側面図である。
は、炉本体20、集合排気部120および煙突122を
具え、コンクリート床140上に設置される。炉本体2
0の大きさは、例えば、高さ約2.5m、正面の横幅約
2m、側面の長さ(縦)約4.5mである。図示のよう
に、炉本体20は、概ね直方体形状であり、耐火煉瓦や
キャスタブルのような耐火材で構築され、この耐火材の
外面(外殻)には耐熱性金属板(例、鉄板)が付設さ
れ、この耐熱性金属板の継手部は周知のようにアングル
材で補強されている(図示せず)。炉本体20は、直方
体に限ることなく、円筒状、多角柱状等に形成してもよ
い。
示すように、本発明の好ましい実施形態の炉本体20内
部には、縦の仕切り壁28、58により区画された、一
次燃焼室部であるガス化室30、二次燃焼室部である複
数段燃焼室部または多段燃焼室部40、および炉本体内
の排煙部を構成するサイクロン集塵焼却炉60が、横方
向に順に隣接して設けられている。ガス化室30、多段
燃焼室部40およびサイクロン集塵焼却炉60の間は、
仕切り壁にそれぞれ形成された水平方向の下部の第1の
連通路22および上部の第2の連通路24を介して連通
している。
2′は、被焼却物を支持し、側面の多数の空気孔34か
ら空気を供給して、被焼却物の一次燃焼を促進する。そ
の燃焼過程において一次燃焼ガスまたは未燃焼ガスが発
生する。多段燃焼室部40は、燃焼室42、44、46
を下から上に3段重ねて構成されている。互いに隣接す
る燃焼室42、44、46は、それぞれ概ね垂直方向の
連通路または連通口50、52を介して連通している。
この連通路50、52は、その水平断面およびそれぞれ
の上下の燃焼室に対する開口が燃焼室42、44、46
の水平断面よりも面積が小さく、概ね各燃焼室を通る垂
直中心軸上に配置されている。後で詳しく述べるよう
に、その燃焼室42、44、46および連通路50、5
2の水平断面は、その水平長手方向の両端部が弧状にな
っており、好ましくは概ね楕円形または長円形(長方形
の互いに対向する両端辺に半円を付加した形を含む)で
ある。このような多段燃焼室部40の構成によって、ガ
ス室30から連通路22を通って流入した未燃焼ガス
は、或る時間だけ各燃焼室内部にとどまって旋回しなが
ら空気孔48から供給される空気と混合し、下段から上
段へと燃焼室間を徐々に上昇するに伴って、充分に燃焼
する。上段の燃焼室46から流出した燃焼ガスはサイク
ロン室で塵埃を落としながらさらに燃焼して、ほぼ完全
に燃焼した清浄なガスが煙突122から排出される。
はスライド式の扉を有する被焼却物の投入口90、ガス
化室30内部点検用の開閉式扉を有する点検口92、ガ
ス化室の灰出口94、およびサイクロン集塵焼却炉60
の塵埃溜り部64とその側部に開閉式扉を有する灰出口
96が設けられている。また、煙突122には測定口1
18が設けられている。
図1のV−V断面であり、図6は図1のVI−VI断面であ
り、図7は図1のVII −VII 断面である。図1および図
5〜7に示されているように、ガス化室30内の下部の
炉床26上には、下部に燃焼空間を形成し被焼却物を下
側から燃焼させるために、被焼却物を支持しかつ下部に
空気を供給する支持および給気兼用の3列の突条体3
2、32′がほぼ平行に設けられている。突条体32、
32′の側面には、多数の空気孔または空気ノズル34
が上下2列に分散配置されている。空気孔34は、耐火
煉瓦やキャスタブル等の耐火材で構築された突条体3
2、32′の内部から側面に延びる形で耐火性金属パイ
プ(例、鉄)で形成されている。空気孔34の側面の開
孔直径は例えば約16mmである。図4を併せて参照す
ると、ガス化室30の給気システムは、送風機またはブ
ロワ100、外部空気室102、バルブ106を有する
給気パイプ(管)104、炉本体20の底部すなわちガ
ス化室40の炉床26の下に設けられたガス化室用の給
気路36、突条体32、32′の内部から炉床の高さよ
りも下まで延びる直方体(スリット)形状の突条体内の
空気室38、38′、および空気孔34で構成されてお
り、この順に空気を送って、図5および12〜14に破
線矢印で示したようにガス化室に空気が供給される。
突条体32、32′上に載置した後、被焼却物の下部に
向けて着火口70に挿入されたバーナ(図示せず)から
火炎を放射して被焼却物に着火する。空気は突条体の側
面から概ね水平方向に噴出するので、被焼却物は、下か
ら徐々に燃焼しながら下方に体積が減少し、燃焼に伴っ
てガス化可能成分(主として高分子化合物の成分)がガ
ス化して重い高濃度の未燃焼ガスが生成される。ガス化
室で未燃焼ガスを生成する燃焼を一次燃焼という。一次
燃焼による燃焼ガスまたは炎は突条体32、32′の間
の空間を通って短い距離で第1の連通路22へとスムー
ズに流れる。
は、最大1m程度である。本発明の実施形態では、ガス
化室内の横幅(図5)は2メートル弱であり、被焼却物
の下部全体に充分な空気を供給するために、突条体3
2′の間に別の1列の突条体32を設けた。この3列の
突条体32、32′、特に中間の突条体32を設けたこ
とによって、被焼却物の下部の燃焼位置に燃焼過程に応
じた必要な量の空気を供給することができる。後述する
ように、複数の空気孔34から噴射される空気の量を焼
却過程の後半で増加させることによって、被焼却物のガ
ス化燃焼とガス化後の残留物の燃焼とが適正に効率良く
行える。中間の突条体32は、ガス化室内底部の広さに
応じて2列以上設けてもよい。
る仕切り壁28は、耐火煉瓦やキャスタブル等の耐火材
で形成され、図1に示すように、その仕切壁の下部中央
に断面形状が長方形状(図8)の水平方向の第1の連通
路22が設けられている。ガス化室30は、連通路22
を介して下段の燃焼室42と連通している。
図1、6、7および11に示すように、多段燃焼室部4
0は、第1燃焼室即ち下段燃焼室42、第2燃焼室即ち
中段燃焼室44および第3燃焼室即ち上段燃焼室46を
具えている。燃焼室42、44、46内の各空間は、炉
本体20の正面視横方向の水平長手方向の端部が平面視
弧状の柱状または筒状になっている。各燃焼室の水平断
面は、概ね長円形または楕円形で概ねまたは実質的に同
じ寸法になっているのが好ましい。上中下段の各燃焼室
42、44、46は、垂直(鉛直)方向の隣接する室間
が概ね垂直方向の連通路50、52を介して連通してい
る。連通路50、52も、燃焼室42、44、46と同
様に、概ね長円形または楕円形の柱状または筒状であ
り、その水平断面の長手方向も概ね横方向を向いてい
る。連通路50、52は、上下の燃焼室間を厚い耐火性
金属板で仕切ってそのほぼ中央に形成された連通口であ
ってもよい。連通路50、52は、各燃焼室の水平断面
よりも開口および水平断面の面積が小さく、各燃焼室よ
りも垂直方向の寸法が短く、概ね各燃焼室の垂直方向の
中心軸上に配置されている。その面積比は、理論的には
2分の1よりも小さく、好ましくは3分の1以下または
4分の1以下、実施例としては約8分の1〜約12分の
1程度である。
焼室42、44、46への給気システムは、送風機10
0、外部空気室102、バルブ110を有する給気パイ
プ108、炉本体20の底部に即ち下段の燃焼室42よ
り下に設けた互いに連通する3方向に延びる多段燃焼室
部用の給気路82、多段燃焼室部の給気分岐路80、お
よび各燃焼室内の周囲の壁面に開孔を有しかつ分散配置
されている多数の空気孔または空気ノズル48で構成さ
れており、この順に空気を送って、図12〜14に破線
矢印で示されているように、各燃焼室内に空気が供給さ
れる。
のように、仕切り壁28には、その底部に給気路82が
設けられており、この給気路82から上方に分岐した多
数の給気分岐路80が設けられ、この給気分岐路80か
らさらに分岐した空気孔48が燃焼室42、44、46
の内壁に開孔を有する形で設けられている。図示されて
いないが、この給気路82、給気分岐路80および空気
孔48は、反対側の仕切り壁58にも同様な形で設けら
れている。図1のIX−IX断面図である図9に示すよう
に、空気孔48の開孔は燃焼室42、44、46の周囲
の内壁に分散配置されている。空気孔48は、耐火性金
属パイプで形成され、その開孔直径は例えば約6mmで
ある。
入口72、72′が設けられており、補助バーナ86
(図3)が挿入される。補助バーナ挿入口72は灰出口
としても機能する。
焼室間に介在させたので、各燃焼室42、44、46内
に未燃焼ガスが比較的長い時間とどまり、各燃焼室への
ガスの所定方向の流入および各燃焼室からのガスの所定
方向の流出によってガスが高速旋回しながら空気と混合
して燃焼し、徐々に上の燃焼室へと流出してほぼ完全燃
焼するに至る。従って、燃焼室42、44、46内の熱
がそれぞれの小さな燃焼室で効率良く保存され、燃焼室
間が熱的にある程度分離されるので、下段の燃焼室42
における未燃焼ガスへの着火を短時間で行うことがで
き、また、補助バーナ86の全体的動作時間も短くな
る。
た通り水平長手方向が概ね楕円筒状なので、燃焼室の空
間の中心部に水平垂直方向(図1の右から左)の成分を
含むガスが流入すると互いに逆向きの左右2つの旋回お
よび旋回中心が形成される。その旋回中心に対してそれ
ぞれ平面視偏心した方向に流入したガスは、図13およ
び14に実線矢印で示すように、左右2方向に分流して
2方向に高速で旋回し、滞留することがない。図12〜
14に示されているように、各燃焼室内のガスは、その
旋回の間に空気孔48から供給された空気と効率良く混
合され、燃焼熱によって二次燃焼が継続し、上の連通口
から流出する。連通路50、52および水平方向の第2
の連通路24も旋回中心に対して偏心した向きに配置さ
れているので、そこから流出するガスも上述の旋回を促
進する。
または温度検出器54が設けられており、その検出温度
に応じて図示しない比例制御器を用いてバルブ106、
110により給気量および補助バーナ86の作動を制御
して、燃焼室を所定の温度約800〜約1000°Cの
範囲に収め、これによってダイオキシン、一酸化炭素等
の有害ガスの排出を抑制する。この温度制御を行わない
と有害ガスが排出される恐れがある。比例制御装置とし
て、例えば市販の山武ハネウェル社製のモジュトロルモ
ータ、M604C、M904F・EおよびM931が用
いられる。
42の一方の側部には中和剤噴射ノズル挿入口74が設
けられている。そこに挿入した中和剤噴射器の中和剤噴
射ノズル88から、例えば塩素系排煙を中和する炭酸カ
ルシウム等の中和剤を噴射する。この構成に代えて、中
和剤噴射ノズルを上段の燃焼室46の後の第2の連通口
24またはその付近に設けてもよい。
4、46の水平断面形状は、図10(a)の燃焼室4
6′として示すように、2つの旋回中心にそれぞれ中心
点を置く2つの概ね円柱または楕円柱が横に繋がった形
状、または燃焼室の中央部が狭まった形状またはくびれ
た形状としてもよい。また、別の実施形態において、連
通路50、51の形状は、図10(b)に50′、5
1′として示すように、それぞれの下の燃焼室側の開口
をガス化室30側(図2の正面図の手前側)に、それぞ
れの上の燃焼室側の開口をサイクロン集塵焼却炉60側
(図2の正面図の奥側)に移動させ、柱状の連通路を傾
斜させると、燃焼室に流入または燃焼室から流出するガ
スの旋回を促進する水平方向の流れの成分が増大するの
で、燃焼室42、44、46内のガスの旋回がより高速
になる。
のガス流の左右2つの旋回中心に対してガスが平面視偏
心した方向に流入するように、仕切り壁28の下部中央
に配置されている。第1の連通路22の横幅は、下段の
燃焼室42内でガスが2つの旋回中心の間に流入し効率
的に旋回するように狭くなっている。その横幅は、3列
の中の中央列の突条体32の幅と概ね等しく、理論的に
は下段の燃焼室42内の空間長手方向の幅(または仕切
り壁28のガス化室側の内壁の横幅)の2分の1より短
く、好ましくはその約3分の1または約3分の1乃至約
6分の1である。第1の連通路22の頂部の高さは、一
次燃焼ガスが突条体32、32′の間の空間から第1の
連通路22へ円滑に流れるようにするために、突条体3
2、32′の頂部の高さとほぼ同じにすることが好まし
い。突条体の高さが低すぎると必要な燃焼空間が確保で
きない。一方、突条体32、32′の高さが高すぎる
と、ガス化室内に収容できる被焼却物の量が少なくな
る。
上段の燃焼室46は、仕切り壁58の上部中央付近に形
成された2つの第2の連通路24を介して、2つのサイ
クロンで構成されているサイクロン集塵焼却炉60と連
通している。連通路24は、上段の燃焼室46からのガ
ス流がサイクロン62中に渦流を生じさせるように、サ
イクロン62の中央位置より平面視偏心した位置へ向け
て開口している。上段の燃焼室46内の燃焼ガスは、室
内の2つの旋回中心に対して平面視偏心した2つの旋回
中心の間の位置から第2の連通口24に流出するので、
上段の燃焼室46内で実線矢印の方向のガスの旋回が促
進される(図14)。
いて、炉本体内部の排煙部を構成するサイクロン集塵燃
焼炉60と、外部の排煙部を構成する集合排気部120
および煙突122とは、排煙部150を構成している。
図1、6、7および11に示すように、サイクロン集塵
燃焼炉60は、複数または2個のサイクロン62を具え
ている。サイクロン62の下端部に塵埃溜り部64が設
けられ、サイクロン62の一方側壁に塵埃溜り部64に
連通する開閉扉を有する灰出口96が形成されている。
連通路24から流入した燃焼ガスは、2個のサイクロン
62内に流入し、サイクロン内で高速旋回しながら燃焼
ガス中に混入している塵埃類が除去され、清浄に無煙化
された燃焼ガスが上方へと排気される。サイクロン62
の上には、これと連通する集合排気部120と、その上
方に連通する煙突122が設けられている。
排気部120内で端部開口が上方に向いたエジェクタ1
16と、エジェクタ116にパイプ114を介して連通
する送風機112とを具えている。エジェクタ116か
ら排出される排気圧によって、ガス化室30から多段燃
焼室部40、サイクロン62、および集合排気部120
へとガスが安定的に流れ、燃焼ガスが煙突122から効
率良く排出される。
動作、作用を説明する。まず、図1に示した投入口90
の扉を開いて、図12のように支持・給気兼用の突条体
32、32′の上にタイヤ等の高分子化合物を主要成分
とする被焼却物を重ねて載置する。被焼却物の横方向の
寸法は少なくとも突条体32、32′の列間隔以上でな
ければならない。または、そのような大きさにかつ燃焼
中にばらばらにならないように、被焼却物を予め固めま
たはパッケージしてもよい。
助バーナ86に点火して下段の燃焼室42の温度を予め
約400°C以上に上昇させ、ガス化室30から流入す
る未燃焼ガスに着火するまでバーナの作動を継続させ
る。次いで、ガス化室の着火口70に着火バーナ(図示
せず)を挿入して点火し、突条体32、32′の空気孔
34からガス化燃焼(一次燃焼)に適した相対的に少な
い量の空気をガス化室に供給する。ガス化室において着
火バーナで約3分間火炎を放射すると、空気孔34から
の適正な給気により燃焼時に発生する熱で一次燃焼が継
続する。ガス化燃焼に適した燃焼温度は約500°Cで
ある。温度が上昇し過ぎたときは、バルブ106で給気
量を減少させて低下させればよい。次いで、ガス誘引部
130の送風機112の作動を開始して、集合排気部1
20内のエジェクタ116から煙突122方向に向けて
空気を噴射させ、これを焼却処理の終了まで継続する。
は、構造的に熱効率が良いので、補助バーナ86の点火
から僅か約5分後に着火して二次燃焼し、その後はその
燃焼熱で二次燃焼が継続する。その後、着火バーナを取
出して、着火口50の扉を閉じる。その後、多段燃焼室
部40内の温度は約1200°Cまで上昇するので、比
例制御装置でバルブ106、110を調節して給気量を
減らし、温度を約800〜約1000°Cの範囲に制御
する。
タ116の排圧作用により、ガス化室30から多段燃焼
室部40を経由してサイクロン集塵焼却部60に至るガ
スの流れおよび燃焼が安定し、またガス化室30で発生
した一次燃焼ガスが多段燃焼室部40で旋回しつつ空気
と混合して二次燃焼しながら上昇し、サイクロン集塵焼
却部60を経由して、ほぼ完全燃焼したガスが煙突12
2から排出される。
約5時間である場合は、初めの約3時間は、ガス化室で
は高分子化合物のガス化燃焼が支配的である。この間、
多段燃焼室部40は、ガス化室30の下部からガス化燃
焼の熱を短い距離で受けるので、温度を高く維持するこ
とができ、補助バーナは動作しない。ガス化炉30にお
いては被焼却物の下部が集中的に燃焼し、一次燃焼ガス
は直ぐに第1の連通炉22に流入するので、ガス化室内
に一次燃焼ガスと空気の混合ガスが充満せず、第1の連
通口付近で補助バーナを作動させても炎がガス化室内全
体に引火して爆発する危険性はない。
の濃度が次第に低下するに従って、多段燃焼室部の温度
が低下し始める。すると、補助バーナは、多段燃焼室部
40の温度を所定範囲内に維持するために点火と停止を
頻繁に繰り返すようになる。次いで、下段の燃焼室42
への一次燃焼ガスの流入が減少するのに伴って、補助バ
ーナの火がガス化室に引火して、ガス化室30で被焼却
物のガス化可能成分のガス化燃焼の後の残留物が燃焼し
始める。この燃焼過程では残留物の非ガス化燃焼が支配
的になる。その残留物の燃焼温度は概ね700°Cであ
る。本発明の実施形態では、この残留物の非ガス化燃焼
の段階で、バルブ106を調節して、空気孔34から残
留物を完全燃焼させるのに必要な相対的に多量の空気を
ガス化室に供給する。このような空気孔34からの給気
量を燃焼過程(状態)に応じて変化させることにより、
ガス化燃焼過程(プロセス)と残留物焼却過程(プロセ
ス)の両方を効率良く行える。
のIV−IV断面図である。
図である。
7に対応する燃焼室および燃焼室間の垂直の連通路の別
の実施形態を示す部分断面図である。
室部とサイクロンの配置関係を示す透視図である。
す図である。
す図である。
す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 炉本体を具え、 さらに、 前記炉本体内部に横に順に隣接して配置された
一次燃焼室部、二次燃焼室部および排煙部と、 前記炉本体内部に設けられた、前記一次燃焼室部と前記
二次燃焼室部を区画する第1の縦仕切り壁、および前記
二次燃焼室部と前記排煙部を区画する第2の縦仕切り壁
と、 前記第1の縦仕切り壁の下部に形成され、前記一次燃焼
室部と前記二次燃焼室部の中の下段の燃焼室とを互いに
連通させる第1の連通路と、前記第2の縦仕切り壁の上部に形成され、前記二次燃焼
室部の中の上段の燃焼室と前記排煙部とを互いに連通さ
せる 第2の連通路と、 を具える焼却炉装置であって、 前記二次燃焼室部は、垂直方向に重ねられた少なくとも
前記上段および下段の燃焼室を含む複数の燃焼室と、前
記下段の燃焼室とこれに隣接する燃焼室との間を連通さ
せる燃焼室間連通口とを具え、前記複数の燃焼室の中の少なくとも1つの内部空間は、
柱状でかつその水平長手方向の両端部が弧状であり、前
記複数の燃焼室の中の少なくとも1つの燃焼室の壁面に
は空気を供給するための多数の空気孔が分散配置されて
おり、 前記一次燃焼室部から流入したガスが前記下段の燃焼室
内で旋回して少なくとも1つの旋回中心を形成するよう
に前記第1の連通路がその旋回中心に対して偏心した向
きに配置されており、 前記燃焼室間連通口は、前記複数の燃焼室の内部空間の
水平断面の面積の3分の1以下の開口面積を有し、かつ
前記旋回中心の軸から離れた位置にある ことを特徴とす
る、焼却炉装置。 - 【請求項2】 前記一次燃焼室部に、被焼却物を直接支
持し、かつ空気を供給する多数の空気孔を側面に有す
る、少なくとも3列の突条体を具えることを特徴とす
る、請求項1に記載の焼却炉装置。 - 【請求項3】 前記複数の燃焼室の中の1つに温度検出
手段が設けられており、前記下段の燃焼室には前記温度
検出手段の検出に応じて制御し得るバーナが設けられて
おり、また前記複数の燃焼室の中の少なくとも1つには
中和剤供給手段が設けられていることを特徴とする、請
求項1に記載の焼却炉装置。 - 【請求項4】 炉本体を具え、 さらに、 前記炉本体内部に横に順に隣接して配置された
一次燃焼室部、二次燃焼室部および排煙部と、 前記炉本体内部に設けられた、前記一次燃焼室部と前記
二次燃焼室部を区画する第1の縦仕切り壁、および前記
二次燃焼室部と前記排煙部を区画する第2の縦仕切り壁
と、 前記第1の縦仕切り壁の下部に形成され、前記一次燃焼
室部と前記二次燃焼室部の中の下段の燃焼室とを互いに
連通させる第1の連通路と、前記第2の縦仕切り壁の上部に形成され、前記二次燃焼
室部の中の上段の燃焼室と前記排煙部とを互いに連通さ
せる 第2の連通路と、 を具え、前記一次燃焼室部には被焼却物を支持し多数の空気孔を
有する支持体が設けられており、 前記二次燃焼室部は、垂直方向に重ねられた少なくとも
前記上段および下段の燃焼室を含む複数の燃焼室と、前
記下段の燃焼室とこれに隣接する燃焼室との間を連通さ
せる燃焼室間連通口とを具え、前記複数の燃焼室の中の少なくとも1つの内部空間は、
柱状でかつその水平長手方向の両端部が弧状であり、前
記複数の燃焼室の中の少なくとも1つの燃焼室の壁面に
は空気を供給するための多数の空気孔が分散配置されて
おり、 前記一次燃焼室部から流入したガスが前記下段の燃焼室
内で旋回して少なくとも1つの旋回中心を形成するよう
に前記第1の連通路がその旋回中心に対して偏心した向
きに配置されており、 前記燃焼室間連通口は、前記複数の燃焼室の内部空間の
水平断面の面積の3分の1以下の開口面積を有し、かつ
前記旋回中心の軸から離れた位置にある ものである、焼
却炉装置において、前記一次燃焼室部において、前記支持体の前記多数の空
気孔から、被焼却物の燃焼状態に応じて所要量の空気を
供給し、 前記二次燃焼室部において、前記一次燃焼室部から流入
したガスを、前記壁面の前記多数の空気孔を通して供給
された空気と混合して燃焼させ、前記複数の燃焼室の各
々を下から上に順に上昇させて、前記排煙部へ流出させ
ること、 を特徴とする焼却方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08265374A JP3092794B2 (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 焼却炉装置および焼却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08265374A JP3092794B2 (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 焼却炉装置および焼却方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1089641A JPH1089641A (ja) | 1998-04-10 |
JP3092794B2 true JP3092794B2 (ja) | 2000-09-25 |
Family
ID=17416302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08265374A Expired - Fee Related JP3092794B2 (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | 焼却炉装置および焼却方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3092794B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5903182B1 (ja) | 2015-07-15 | 2016-04-13 | エス・イー・シーエレベーター株式会社 | 無煙焼却炉及びこれを用いたシステム |
FR3102833B1 (fr) * | 2019-10-30 | 2022-08-05 | Mini Green Power | Module de production de chaleur comprenant un système de filtration haute température |
EP4162204A4 (en) * | 2020-04-21 | 2024-08-14 | Gartena Consulting & Installation Ab | WASTE INCINERATION PLANT |
-
1996
- 1996-09-13 JP JP08265374A patent/JP3092794B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1089641A (ja) | 1998-04-10 |
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