JP3071373B2 - ジルコニア薄膜の製造方法 - Google Patents

ジルコニア薄膜の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジルコニア薄膜の製造
方法に関し、特に高温固体電解質型燃料電池の電解質と
して好適に利用することができるジルコニア薄膜の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解質膜、特に固体電解質型燃料電
池の固体電解質膜の製膜法として、米国特許第4,60
9,562号に開示されている化学蒸着(CVD)−電
気化学蒸着(EVD)法がある。この方法は温度127
3K付近における2段階の反応による薄膜製膜法であ
る。
【0003】この方法によりイットリア安定化ジルコニ
ア膜を製膜する場合、第一段階では多孔性基板上でその
表面の開口部を塞ぐ、以下に示す(1)、(2)式で表
わされる反応が生じる。
【0004】 ZrCl4 +2H2 O → ZrO2 +4HCl ……(1) 2YCl3 +3H2 O → Y2 3 +6HCl ……(2) この時、基板の一方の面はZrCl4 、YCl3 の反応
ガス雰囲気、他方の面は水蒸気を含む酸素ガス雰囲気と
してある。そして、基板表面の膜を形成させるべき部分
以外の部分は、反応ガスであるZrCl4 、YCl
3 と、酸素、水蒸気とが反応しないようにシールされて
いる。なお、水蒸気含有酸素ガス側の圧力は、反応ガス
側より1Torr程高く保たれている。
【0005】第二段階では、以下に示す(3)、(4)
式の反応が進行し、反応ガスと以下の(5)、(6)に
従って生成される酸素イオンとの反応によってイットリ
ア安定化ジルコニア膜が形成される。
【0006】 ZrCl4 +2O2- → ZrO2 +4e- +2Cl2 ……(3) YCl3 +3O2- → Y2 3 +6e- +3Cl2 ……(4) H2 O+2e- → H2 +O2- ……(5) O2 +4e- → 2O2 ……(6) この方法を採用することにより、数10μmオーダーで
緻密な固体電解質膜が容易に形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記C
VD−EVD法では原料を気相で供給するため、歩留ま
りが非常に低いこと、また製膜に用いる装置が非常に高
価なこと、さらには製膜速度が遅いという問題がある。
加えて、特に固体電解質型燃料電池の電極材料として一
般的に用いられているペロブスカイト型酸化物固溶体を
用いた場合に、反応温度である1273K付近で金属塩
化物、塩素、塩酸等の腐食性ガスにさらされるため、材
料が劣化することが知られている。
【0008】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、均一な厚みを有する極めて薄い
ジルコニア薄膜を歩留まり良く、しかも簡便な装置で製
造することができるジルコニア薄膜の製造方法を提供す
ることにある。また、他の目的は、緻密なジルコニア薄
膜を高効率で製造することができるジルコニア薄膜の製
造方法を提供することにある。さらに他の目的は、電極
材料としてペロブスカイト型酸化物固溶体を用いた場合
にも、電極材料の劣化が少ないジルコニア薄膜の製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、第1に、部分安定化または安定化ジルコ
ニア粒子を電荷を有する状態でアセチルアセトンからな
溶媒中に分散させた懸濁液中に一対の電極を配置し、
これら電極間に電界を印加して前記粒子を電気化学的作
用により移動させることによってこれら粒子を電極上に
堆積させる泳動電着によりジルコニア膜を製膜し、その
後焼結して部分安定化または安定化ジルコニア薄膜を得
ることを特徴とするジルコニア薄膜の製造方法を提供す
る。
【0010】第2に、上記方法において、前記懸濁液に
ヨウ素を添加することによりその電導度が調整されるこ
とを特徴とするジルコニア薄膜の製造方法を提供する。
【0011】
【0012】第3に、前記第2の方法において、前記懸
濁液の電導度を常にモニターし、粒子を電極上に泳動電
着する際に消費されるヨウ素量を測定し、その量に応じ
たヨウ素をさらに加えることを特徴とするジルコニア薄
膜の製造方法を提供する。
【0013】第4に、上記第1ないし第3の方法におい
、前記部分安定化または安定化ジルコニア粒子が堆積
される電極が、一般式(Ln1-xx y DO3 (ただ
し、Lnはランタノイドのうち少なくとも1種、AはC
a、SrおよびBaのうち少なくとも1種、DはMn、
CrおよびCoのうち少なくとも1種を示し、x、y
は、それぞれ0≦x≦1、0.8≦y≦1の範囲内であ
る。)で表わされるペロブスカイト型酸化物固溶体から
なることを特徴とするジルコニア薄膜の製造方法を提供
する。
【0014】
【作用】本発明では、基本的に泳動電着により薄膜を形
成する泳動電着法を用いてジルコニア薄膜を製造する。
泳動電着法によりジルコニア薄膜を形成する場合には、
ジルコニア電解質製膜の原料としての安定化または部分
安定化ジルコニア粒子を溶媒に分散させた状態で用いる
ため、原料を金属塩化物の蒸気で供給するCVD−EV
D法に比較して原料の歩留まりが高くなる。
【0015】また、電着に用いる懸濁液をケトン類また
はアルコール類の有機溶媒を用いて調製することで、電
着時に電極基板表面でガスの発生を伴わず、このため電
極へのジルコニア粒子の堆積密度が高くなり、結果とし
て緻密な膜を得られるので、緻密性が要求される電解質
膜の製膜に適している。そして、溶媒にヨウ素を適量添
加することにより、懸濁液の電導度を増大させることが
でき、これに伴って単位時間当たりの堆積ジルコニア量
も増大し、製膜の効率化を図ることができる。
【0016】さらに、泳動電着法では印加電圧および電
着時間により、堆積ジルコニア量を容易に制御すること
ができるので、得られるジルコニア電解質膜の膜厚を高
精度で制御することができる。
【0017】さらにまた、泳動電着時に懸濁液の電導度
を常にモニターし、消費されるヨウ素量を測定し、その
量に応じたヨウ素をさらに加えることで、常に一定の電
導度を維持することができ、もって常に効率的な製膜を
行うことが可能となり、さらには正確な膜厚制御が可能
となる。
【0018】さらにまた、泳動電着時のジルコニア粒子
が堆積される電極(電極基板)として、固体電解質型燃
料電池の電極材料として一般的に用いられている一般式
(Ln1-X x y DO3 (ただし、Lnはランタノイ
ドのうち少なくとも1種、AはCa,SrおよびBaの
うち少なくとも1種、DはMn,CrおよびCoのうち
少なくとも1種を示し、x,yは、それぞれ0≦x≦
1,0.8≦y≦1の範囲内である。)で表わされるペ
ロブスカイト型酸化物固溶体を使用する場合にも、製膜
中にこの電極基板が腐食性の物質にさらされることがな
く、基板が劣化する恐れが極めて少ない。
【0019】
【実施例】以下に、本発明の泳動電着法によるジルコニ
ア薄膜の製造方法の一実施例としてのジルコニア電解質
膜の製膜について示し、併せてこの電解質膜を用いた固
体電解質型燃料電池の評価試験の結果を示す。
【0020】電解質材料としてイットリア安定化ジルコ
ニア粒子(8mol %Y2 3 /ZrO2 )を用い、溶媒
として表1に示す各種ケトン類、アルコール類および水
を用いて泳動電着用の懸濁液を調製した。さらに、電導
度を調整するためにヨウ素を種々の添加量で添加した。
この際にジルコニア粒子は溶媒1リットルに対して10
gとした。
【0021】このようにして調製された懸濁液を超音波
で処理し、ジルコニア粒子をよく分散させた。
【0022】そして図1に示すように、容器4内の懸濁
液1中に、図1に示すようにジルコニア電着用の電極基
板2としてLa0.8 Sr0.2 MnO3 を浸漬し、対極に
白金線3をLa0.8 Sr0.2 MnO3 電極基板2を囲む
ように螺旋状に配置した。そして、La0.8 Sr0.2
nO3 電極基板2をカソード、白金線3をアノードとし
て、直流電源5により定電圧を印加した。これにより電
極基板2上にグリーンのジルコニア膜が形成された。こ
の基板上に形成されたグリーンのジルコニア膜を室温で
乾燥した後、空気中で1523〜1573Kの温度で焼
結し、ジルコニア電解質膜を得た。
【0023】図2は溶媒としてアセチルアセトンを用い
た場合における298K(25℃)でのヨウ素添加量と
懸濁液の電導度との関係を示す図である。この図に示す
ように、ヨウ素添加量の増加に伴って、懸濁液の電導度
が増加することが確認された。図3は溶媒としてアセチ
ルアセトンを用い、印加電圧を10V、電着時間を3分
とした場合におけるヨウ素添加量とジルコニア電着量と
の関係を示す図である。この図に示すように、ジルコニ
ア電着量はヨウ素添加量に対して極大値を持つことが確
認された。すなわち、最初、ヨウ素添加量を増大させて
電導度を上昇させることにより電着量が増加するが、ヨ
ウ素添加量が一定値以上になると逆に電着量の減少を招
くことが確認された。このため、効率的で膜厚のコント
ロールも可能な製膜を行うためには、電導度がある一定
の値に維持されるようにヨウ素添加量を制御する必要が
ある。つまり、泳動電着中常に懸濁液の電導度を図3に
示すジルコニア電着量が極大になる値の近傍の範囲に維
持すれば、単位時間当たりの電着量が多い効率的な製膜
を行うことができ、また正確な膜厚制御が可能なことが
理解される。従って、懸濁液の電導度が図3に示す極大
値近傍の範囲になるようにヨウ素添加量を設定すること
が好ましい。ただし、上記極大電着量はジルコニア粒子
濃度等にも依存するため、ヨウ素量、電導度から一義的
に定まるものではない。
【0024】表1に、上記手順に従って製膜した場合の
各種溶媒における製膜条件、およびジルコニア電着量、
膜質を示す。
【0025】
【表1】 表1に示すように、溶媒として3−ペンタノン、4−メ
チルアセトフェノン、メチルエチルケトン、プロピオフ
ェノン、および水を用いた場合には、ジルコニア電着量
は非常に少なく、製膜の効率が非常に低くなった。
【0026】これに対して、エタノール、メチルイソブ
チルケトンを用いた場合、ジルコニア電着量は多く、あ
る程度効率的な製膜が可能であるが、この場合に得られ
た膜には多数のクラックが観察され、緻密な電解質膜を
得難いことが確認された。
【0027】溶媒としてアセチルアセトン、アセトン、
およびシクロヘキサノンを用いた場合には、ヨウ素添加
量、印加電圧、電着時間の条件により電着量にばらつき
はあるものの、得られた膜質は極めて均一であった。
【0028】この中でも、特にアセチルアセトンを溶媒
に用いた場合には、図4に示すように、ジルコニア電着
量と電着時間とは比例関係を示し、電着時間による膜厚
制御が広い範囲で行えることが確認された。これに対
し、アセトンを溶媒に用いた場合は、同図に示すよう
に、電着時間に対しジルコニア電着量がすぐに飽和し、
比較的厚い膜を得るのが困難であることがわかった。
【0029】また、図5にはアセチルアセトンを溶媒に
用いた場合の印加電圧とジルコニア電着量との関係を示
すが(電着時間:3分、I2 添加量:0.6g/l)、
この図から印加電圧の変化によっても単位時間当たりジ
ルコニア電着量を制御できることがわかる。
【0030】以上の結果に基づいて、溶媒としてアセチ
ルアセトンを用い、これに安定化ジルコニア粒子を10
g/l、ヨウ素を0.5g/lの割合で添加して懸濁液
を調製し、印加電圧20V、電着時間1分の条件で泳動
電着を行った。この泳動電着の際に、常に懸濁液の電導
度をモニターし、電着量が極大値およびその近傍となる
1×10-5〜1×10-3Scm-1の範囲に電導度が設定
されるようにヨウ素添加量を制御した。
【0031】得られたグリーン状態の膜は室温で乾燥し
た後、空気中において1523〜1573Kで焼結し
た。
【0032】以上のような泳動電着および焼結を同じ条
件で5〜6回繰り返し、ジルコニア電解質膜を得た。こ
の場合に、電着量を電圧、時間のパラメータでコントロ
ールすることにより、固体電解質燃料電池に適当な膜厚
範囲である1〜100μmの範囲の膜厚を有するジルコ
ニア電解質膜が得られた。
【0033】図6はLa0.8 Sr0.2 MnO3 電極基板
上に上記泳動電着および焼結(1573K×6時間)を
5回繰り返して得られた厚さ10μmのジルコニア電解
質膜を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。こ
の図に示すように、上記条件により表面の平滑性が優れ
たるジルコニア電解質膜が得られることが確認された。
【0034】このように形成されたジルコニア電解質膜
の表面(La0.8 Sr0.2 MnO3電極基板の反対側)
にNiを塗布して燃料電極とし、水素−酸素濃淡電池を
作製した。
【0035】図7は電解質膜の焼結温度と水素−酸素濃
淡電池の最大出力密度および電解質膜のSrZrO3
X線回折強度との関係を示す図である。図7に示すよう
に、水素−酸素濃淡電池の最大出力密度は電解質膜の焼
結温度が高くなるに従って増加し、1548Kで焼結し
た時に極大値を示した。これは、焼結温度の上昇に伴っ
て電解質膜の緻密さおよび電解質膜と空気電極材料との
密着性が改善されて最大出力密度が上昇する反面、内部
抵抗成分となるSrZrO3 のX線回折強度は焼結温度
の増加に伴って上昇するため1548K付近からはSr
ZrO3 の効果が支配的となって最大出力密度が低下す
るためと考えられる。
【0036】次に、電解質膜の焼結を1548Kとし、
電着および焼結を6回繰り返して作製したセルを用いて
発電特性を把握した。その際の発電特性を図8に示す。
このセルは、1273Kにおいて、開回路起電力1.0
2V、短絡電流6.5A/cm2 、最大出力密度1.7
2W/cm2 を記録した。この開回路起電力の1.02
Vという値は、水素/酸素燃料電池の理論開回路起電力
に非常に近い値であった。
【0037】なお、上記実施例ではイットリア安定化ジ
ルコニア粒子を使用したが、安定化元素はこれに限るも
のではない。また、安定化元素の量がより少ない部分安
定化ジルコニアを使用することができることはいうまで
もない。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
泳動電着法を利用してジルコニア薄膜を形成するので、
均一な厚みを有する極めて薄いジルコニア薄膜を歩留ま
り良く、しかも簡便な装置で製造することができる。電
着に用いる懸濁液をケトン類またはアルコール類の有機
溶媒を用いて調製することで、電着時に電極基板表面で
ガスの発生を伴わず、このため電極へのジルコニア粒子
の堆積密度が高くなり、結果として緻密な膜を得られる
ので、緻密性が要求される電解質膜の製膜に適してい
る。そして、溶媒にヨウ素を適量添加することにより、
懸濁液の電導度を増大させることができ、これに伴って
単位時間当たりの堆積ジルコニア量も増大し、製膜の効
率化を図ることができる。泳動電着時のジルコニア粒子
が堆積される電極(電極基板)として、固体電解質型燃
料電池の電極材料として一般的に用いられている一般式
(Ln1-X x y DO3 (ただし、Lnはランタノイ
ドのうち少なくとも1種、AはCa,SrおよびBaの
うち少なくとも1種、DはMn,CrおよびCoのうち
少なくとも1種を示し、x,yは、それぞれ0≦x≦
1,0.8≦y≦1の範囲内である。)で表わされるペ
ロブスカイト型酸化物固溶体を使用する場合にも、製膜
中にこの電極基板が腐食性の物質にさらされることがな
く、基板が劣化する恐れが極めて少ない。さらに、電着
量を電圧、時間のパラメータで制御することによりジル
コニア薄膜の膜厚を容易に制御することができる。そし
て、本発明の方法により製造したジルコニア電解質膜を
用いた固体電解質燃料電池は、水素/酸素燃料電池の理
論開回路起電力に非常に近い値を示し、優れた発電特性
を示すことから、本発明によって製造された電解質膜が
固体電解質型燃料電池に極めて適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジルコニア薄膜の製造方法に適用
される泳動電着装置を示す概略図。
【図2】溶媒としてアセチルアセトンを用いた場合の懸
濁液の電導度とヨウ素添加量との関係を示す図。
【図3】ジルコニア電着量のヨウ素添加量依存性を示す
図。
【図4】ジルコニア電着量の電着時間依存性を示す図。
【図5】ジルコニア電着量の印加電圧依存性を示す図。
【図6】本発明の方法により製造したジルコニア電解質
膜を示す走査型電子顕微鏡写真。
【図7】電解質膜の焼結温度と水素−酸素濃淡電池の最
大出力密度および電解質膜のSrZrO3 のX線回折強
度との関係を示す図。
【図8】本発明の方法で作製したジルコニア電解質膜を
適用した固体電解質型燃料電池の発電特性を示す図。
【符号の説明】
1……ジルコニア懸濁液、2……電極基板、3……白金
線(対極)、4……容器、5……直流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 真部 保彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 小川 高志 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−81995(JP,A) 特開 昭63−53296(JP,A) 特開 昭48−8848(JP,A) 特開 平2−30797(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 13/02 C01G 25/02 C01G 51/00 C25D 13/10 H01M 8/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分安定化または安定化ジルコニア粒子
    を電荷を有する状態でアセチルアセトンからなる溶媒中
    に分散させた懸濁液中に一対の電極を配置し、これら電
    極間に電界を印加して前記粒子を電気化学的作用により
    移動させることによってこれら粒子を電極上に堆積させ
    る泳動電着によりジルコニア膜を製膜し、その後焼結し
    て部分安定化または安定化ジルコニア薄膜を得ることを
    特徴とするジルコニア薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記懸濁液にヨウ素を添加することによ
    りその電導度が調整されることを特徴とする請求項1に
    記載のジルコニア薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記懸濁液の電導度を常にモニターし、
    粒子を電極上に泳動電着する際に消費されるヨウ素量を
    測定し、その量に応じたヨウ素をさらに加えることを特
    徴とする請求項2に記載のジルコニア薄膜の製造方法
  4. 【請求項4】 前記部分安定化または安定化ジルコニア
    粒子が堆積される電極が、一般式(Ln 1-x x y
    3 (ただし、Lnはランタノイドのうち少なくとも1
    種、AはCa、SrおよびBaのうち少なくとも1種、
    DはMn、CrおよびCoのうち少なくとも1種を示
    し、x、yは、それぞれ0≦x≦1、0.8≦y≦1の
    範囲内である。)で表わされるペロブスカイト型酸化物
    固溶体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3に記載のジルコニア薄膜の製造方法
JP6312333A 1994-11-24 1994-11-24 ジルコニア薄膜の製造方法 Expired - Fee Related JP3071373B2 (ja)

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