JP2991534B2 - 冷凍機用組成物 - Google Patents

冷凍機用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷媒であるテトラフル
オロエタン、好ましくは1,1,1,2−テトラフルオ
ロエタン(R−134a)に対し、−20℃ないしはそ
れ以下の温度から、+40℃ないしはそれ以上の温度
で、自由な比率で相溶し、かつ潤滑性に優れたポリエー
テルとテトラフルオロエタンを必須成分とする冷凍機用
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫やカーエアコンなどの冷凍サイク
ルにおいて、R−12(ジクロロジフルオロメタン)が
良好な冷媒として使用されている。しかしR−12は成
層圏のオゾン層を破壊し、生体系に悪影響を与える可能
性があり、代替物質の検討がなされている。R−12の
代替物質としてはR−134aが最も有力と考えられて
いるが、R−12用の一般的な冷凍機油であるナフテン
系鉱油、パラフィン系鉱油はR−134aと相溶しな
い。したがって、R−134aの冷凍機油として、ナフ
テン系鉱油、パラフィン系鉱油は使用することができな
い。R−134aと比較的よく相溶する物質として、表
1のような構造のポリエーテル油が知られている。
【0003】(ア)については、例えば Du Pontの Res
earch Disclosure (17483 Oct.1978) に、(イ)につい
ては、例えばU.S.Pat.4,755,316号
に、(ウ)については、例えば特開平2−258896
号公報にそれぞれ記載されている。
【0004】
【表1】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし表1のようなポ
リエーテルには、R−134aとの相溶性が十分でない
という問題点があった。冷凍機油の最も重要な役割であ
る潤滑性を発揮するためには、R−134aと相溶し、
R−134aと共に系内を循環する必要がある。
(ア)、(イ)、(ウ)の冷凍機油は、例えば40℃に
おける動粘度が100ctの場合、高温臨界温度は、
表1に示すとおりである。通常、圧縮機の内部において
は50℃以上となるため、高温臨界温度が50℃以下で
ある(ア)、(イ)、(ウ)の冷凍機油は圧縮機内でR
−134aと相分離を生じ、潤滑油としての役割を十分
発揮できない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
努力した結果、下記一般式(2)で表わされる化合物
(1<mの平均値≦17)のアルキレンオキシド付加物
に対し、末端ヒドロキシル基の全部は一部をアルキル
化した化合物がR−134aとの相溶性が良好であるこ
とを見い出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、下記一般式(1)
表わされる化合物から選ばれるポリエーテルの少なくと
も1種及びテトラフルオロエタンを必須成分とする冷凍
機用組成物である。ただし、一般式(1)中、R 1 はア
ルキレン基であり、R 2 はアルキル基又は水素原子であ
り、n個のR 2 は同一でも異なっていてもよい。pは一
般式(1)で表わされる化合物の動粘度が5〜500c
St(40℃)となる正数であり、n種類のpは同一で
も異なっていてもよい。Xは下記一般式(2)で表わさ
れる化合物からn個の活性水素原子を除いた残基であ
る。1<m≦17。n=m+3。
【0008】一般式XHn表わされる化合物は、一般
にポリグリセリンと呼ばれており、前記一般式(2)
表わされる。mは1<m≦17の範囲の数であり、mは
単一の値、は、ある範囲の値をもった混合物の平均値
である。XHn としてはm=2.81(分子量300)
のポリグリセリン、m=4.16(分子量400)のポ
リグリセリン、m=5.51(分子量500)のポリグ
リセリン、m=8.21(分子量700)のポリグリセ
リンが例示される。nはn=m+3で、<m≦17
範囲の数であり、nは単一の値、は、ある範囲の値を
もった混合物の平均値である。
【0009】一般式(1)におけるR1 としては、エチ
レン基、プロピレン基、ブチレン基、テトラメチレン基
等のアルキレン基であり、R1 Oとしてはアルキレン基
の一種類からなるオキシアルキレン基でもよく、二種類
以上のオキシアルキレン基がランダム又はブロック状に
併存していてもよい。
【0010】一般式(1)におけるR2 はアルキル基
は水素原子であり、n個のR2 は同一でも異なっていて
もよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペ
ンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、3,5,5−トリメチル
ヘキシル基などが好ましい。
【0011】アルキル基の炭素数としては、炭素数が多
くなると冷媒との相溶性が低下するため、炭素数が少な
い方が好ましい。前記一般式(1)で表わされる化合物
としては、冷凍機油として圧縮機等の摺動部における摩
擦、摩耗及び焼き付き防止等の機能を充分に達成するた
めに、その動粘度として5〜500ct(40℃)、
好ましくは8〜300ct(40℃)となるようなも
のが望ましく、一般式(1)における分子量はpの値
はこのような粘度範囲となるような値を選択することが
好ましい。pの値はおよそ0.1〜60、好ましくは
0.3〜30であり、n個のpは同一でも異なっていて
もよい。
【0012】前記一般式(1)で表わされる化合物とR
−134aの重量比は1/99〜99/1、好ましくは
5/95〜60/40である。R−134aには、1,
1,2,2−テトラフルオロエタン(R−134)が少
量含まれていてもよい。一般式(1)の化合物は単独
で、又はこれらの混合物として使用することができる。
【0013】本発明の組成物は、低温〜高温分野の冷
凍、冷蔵及び空調を目的とした冷凍サイクルの応用の場
合に特に有効であるが、ランキンサイクル等のその他各
種の熱回収技術用としても使用可能である。
【0014】本発明の組成物は、熱安定性が優れてお
り、通常の使用条件においては安定剤を必要としない
が、過酷な使用条件のため熱安定性の向上が必要な場合
には、ジメチルホスファイト、ジイソプロピルホスファ
イト、ジフェニルホスファイト等のホスファイト系化合
物、トリフェニルホスフィンスルフィド、トリメチルホ
スフィンスルフィド等のホスフィンスルフィド系化合
物、その他グリシジルエーテル類等の安定剤を少量添加
すればい。
【0015】また、本発明の一般式(1)で表わされる
化合物と従来使用されているナフテン系鉱物油、パラフ
ィン系鉱物油、アルキルベンゼン系合成油、ポリ−α−
オレフィン系合成油、フッ素系潤滑油であるパーフルオ
ロポリエーテル油、含フッ素シリコーン油は本発明の
ポリエーテル油以外のポリエーテル油等と混合使用する
ことが可能である。
【0016】また、フェノール系やアミン系の酸化防止
剤、イオウやリン系の極圧添加剤、シリコーン系の消泡
剤、はベンゾトリアゾール等の金属不活性剤等の各種
添加剤を本発明の組成物にさらに添加してもい。
【0017】
【実施例】例1〜11(例1〜7は実施例、例8〜11
は比較例)各例に用いた油の構造、その油とR134a
との相溶性の尺度としての高温臨界温度(℃)、び4
0℃における動粘度(ct)を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】本発明の組成物は、テトラフルオロエタ
ンとポリエーテル油の相溶性が高く、圧縮機等の摺動部
における摩擦、摩耗び焼き付き防止等の機能を充分に
発揮することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 107/34 C10M 105/18 C10N 20:02 C10N 40:30 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表わされる化合物から
    選ばれるポリエーテルの少なくとも1種及びテトラフル
    オロエタンを必須成分とする冷凍機用組成物。ただし、
    一般式(1)中、R 1 はアルキレン基であり、R 2 はア
    ルキル基又は水素原子であり、n個のR 2 は同一でも異
    なっていてもよい。pは一般式(1)で表わされる化合
    物の動粘度が5〜500cSt(40℃)となる正数で
    あり、n種類のpは同一でも異なっていてもよい。Xは
    下記一般式(2)で表わされる化合物からn個の活性水
    素原子を除いた残基である。1<m≦17。n=m+
    3。
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