JP2845528B2 - プロピレンの製造方法 - Google Patents
プロピレンの製造方法Info
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- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、プロピレンの製造方法に関し、特に、イソ
プロパノールの脱水反応により、高純度のプロピレンを
高収率で得ることができる方法に関する。
プロパノールの脱水反応により、高純度のプロピレンを
高収率で得ることができる方法に関する。
<従来の技術> オレフィン類の古典的な製造方法として、アルコール
類を硫酸等の強酸の存在下に脱水反応させる方法が知ら
れている。近年、オレフィン類は、主にナフサクラッキ
ングによって製造されているが、オレフィン類の製造原
料の多様化を図ったり、高純度のオレフィン類を得るた
めに、アルコール類の脱水によりオレフィン類を得る方
法、例えば、エタノールを脱水してエチレンを製造する
方法、ターシャリーブタノールを脱水して高純度イソブ
チレンを製造する方法などが各種提案されている。これ
らの方法においては、種々の触媒の利用が検討され、強
酸に比べて取扱が容易で反応器の材質上の制約が少なく
なるという点で、シリカアルミナやイオン交換樹脂等の
固体酸触媒を用いる方法が提案されている。また、脱水
反応は大きな吸熱を伴うため、高温で反応を行う必要が
あり、その反応方法についても種々検討されている。例
えば、エチレンの製造において、断熱型反応器を用いる
方法(特公昭59−19927号)、等温型反応器と断熱型反
応器を組合せて用いる方法(特開昭64−34929号)など
が提案されている。
類を硫酸等の強酸の存在下に脱水反応させる方法が知ら
れている。近年、オレフィン類は、主にナフサクラッキ
ングによって製造されているが、オレフィン類の製造原
料の多様化を図ったり、高純度のオレフィン類を得るた
めに、アルコール類の脱水によりオレフィン類を得る方
法、例えば、エタノールを脱水してエチレンを製造する
方法、ターシャリーブタノールを脱水して高純度イソブ
チレンを製造する方法などが各種提案されている。これ
らの方法においては、種々の触媒の利用が検討され、強
酸に比べて取扱が容易で反応器の材質上の制約が少なく
なるという点で、シリカアルミナやイオン交換樹脂等の
固体酸触媒を用いる方法が提案されている。また、脱水
反応は大きな吸熱を伴うため、高温で反応を行う必要が
あり、その反応方法についても種々検討されている。例
えば、エチレンの製造において、断熱型反応器を用いる
方法(特公昭59−19927号)、等温型反応器と断熱型反
応器を組合せて用いる方法(特開昭64−34929号)など
が提案されている。
一方、従来、クメン法によるフェノール製造において
副生するアセトンは、その大部分がメチルメタクリレー
トの合成原料として利用されていた。しかし、近年、メ
チルメタクリレートの製法が他の合成原料を用いる方法
に転換されてきつつあるためこの副生アセトンの余剰対
策として、その有効利用の途が模索されており、そのア
セトンをイソプロパノールに変換した後、これを脱水反
応させてプロピレンを製造する方法が検討されている。
副生するアセトンは、その大部分がメチルメタクリレー
トの合成原料として利用されていた。しかし、近年、メ
チルメタクリレートの製法が他の合成原料を用いる方法
に転換されてきつつあるためこの副生アセトンの余剰対
策として、その有効利用の途が模索されており、そのア
セトンをイソプロパノールに変換した後、これを脱水反
応させてプロピレンを製造する方法が検討されている。
<発明が解決しようとする課題> 前記のとおり、脱水反応に強酸を用いた場合には取扱
が不便であり、反応器の材質が限定されるという短所が
ある。さらに生成したオレフィン類がこれらの強酸の存
在下に反応し、例えば、重合して高分子化合物に変換さ
れたり、異性化してオレフィン以外の別の化合物に変換
されたりするために、結局、目的物であるオレフィン類
の収率が低下するという問題もあり、強酸の使用は好ま
しくない。
が不便であり、反応器の材質が限定されるという短所が
ある。さらに生成したオレフィン類がこれらの強酸の存
在下に反応し、例えば、重合して高分子化合物に変換さ
れたり、異性化してオレフィン以外の別の化合物に変換
されたりするために、結局、目的物であるオレフィン類
の収率が低下するという問題もあり、強酸の使用は好ま
しくない。
一方、固体酸触媒を用いる方法においては、前記の通
り断熱型反応器、等温型反応器と断熱型反応器を組み合
わせて用いる方法などが提案されている。イソプロパノ
ールの脱水反応にこれらの方法を適用した場合、この脱
水反応は大きな吸熱を伴う反応であるために、断熱型反
応器を用いる方法では、予備加熱部において反応混合物
を極度に加熱する必要がある。しかし、イソプロパノー
ルは熱安定性が悪く、400℃以上では熱分解しやすいた
めイソプロパノールが熱分解によりアセトンになり、触
媒中で分解して重質化して収率の低下を招くと共に触媒
の活性を低下させ、さらに高純度のプロピレンが得られ
ない恐れがある。また、イソプロパノール自身が予備加
熱部分でコーキングを起して目詰まりの原因となり反応
に重大な支障を引き起こすことになる。
り断熱型反応器、等温型反応器と断熱型反応器を組み合
わせて用いる方法などが提案されている。イソプロパノ
ールの脱水反応にこれらの方法を適用した場合、この脱
水反応は大きな吸熱を伴う反応であるために、断熱型反
応器を用いる方法では、予備加熱部において反応混合物
を極度に加熱する必要がある。しかし、イソプロパノー
ルは熱安定性が悪く、400℃以上では熱分解しやすいた
めイソプロパノールが熱分解によりアセトンになり、触
媒中で分解して重質化して収率の低下を招くと共に触媒
の活性を低下させ、さらに高純度のプロピレンが得られ
ない恐れがある。また、イソプロパノール自身が予備加
熱部分でコーキングを起して目詰まりの原因となり反応
に重大な支障を引き起こすことになる。
そこで本発明の目的は、イソプロパノールから高収率
で高純度のプロピレンを製造することができる方法を提
供することにある。
で高純度のプロピレンを製造することができる方法を提
供することにある。
<課題を解決するための手段> 本発明は前記課題を解決するために、γ−アルミナ触
媒を充填してなる高さ1〜30mの固定触媒層を有し、内
径が0.5〜10cmの反応器に、クメン法によりフェノール
を製造する際に副生するアセトンを水素化することによ
り得られるイソプロパノールを含む原料混合物を供給
し、熱媒を用いて触媒層を200〜400℃に均一に加熱し
て、固定床気相反応を行わせることを特徴とするプロピ
レンの製造方法を提供するものである。
媒を充填してなる高さ1〜30mの固定触媒層を有し、内
径が0.5〜10cmの反応器に、クメン法によりフェノール
を製造する際に副生するアセトンを水素化することによ
り得られるイソプロパノールを含む原料混合物を供給
し、熱媒を用いて触媒層を200〜400℃に均一に加熱し
て、固定床気相反応を行わせることを特徴とするプロピ
レンの製造方法を提供するものである。
本発明の方法で用いられる原料混合物の主成分である
イソプロパノールは、クメン法によるフェノール製造に
おいて副生されるアセトンを適当な方法で水素化して得
られるイソプロパノールを利用するものであり、この点
で、工業的に有利である。
イソプロパノールは、クメン法によるフェノール製造に
おいて副生されるアセトンを適当な方法で水素化して得
られるイソプロパノールを利用するものであり、この点
で、工業的に有利である。
反応器へのイソプロパノールの供給量は、通常、LHSV
で0.1〜10hr-1、好ましくは0.5〜3hr-1程度である。
で0.1〜10hr-1、好ましくは0.5〜3hr-1程度である。
また、本発明で用いられる原料混合物は、イソプロパ
ノールの他に、イソプロパノールの脱水反応によって生
成したプロピレンを含む反応生成物を反応系内から速や
かに排出させるため、イソプロパノールの脱水反応に不
活性なガス状物質を含有していてもよい。このようなガ
ス状物質としては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン
等が挙げられる。またこのガス状物質には反応器に供給
される前は液状物であっても、反応器内の反応条件下に
おいてガス状になる物質が含まれる。このような物質と
しては、例えば、ペンタン、ヘキサンなどが挙げられ
る。
ノールの他に、イソプロパノールの脱水反応によって生
成したプロピレンを含む反応生成物を反応系内から速や
かに排出させるため、イソプロパノールの脱水反応に不
活性なガス状物質を含有していてもよい。このようなガ
ス状物質としては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン
等が挙げられる。またこのガス状物質には反応器に供給
される前は液状物であっても、反応器内の反応条件下に
おいてガス状になる物質が含まれる。このような物質と
しては、例えば、ペンタン、ヘキサンなどが挙げられ
る。
このガス状物質をイソプロパノールと混合して反応器
に供給する場合、その使用量は通常、イソプロパノール
1モルに対して0.05〜10モルの範囲が好ましい。ガス状
物質の使用量が多すぎると、反応生成物であるプロピレ
ンと水の混合物から多量の不活性ガスを分離させ反応器
に循環する必要が生じ、分離コストおよび循環に要する
コストが高くなるなどの経済的な不利益を生じる。
に供給する場合、その使用量は通常、イソプロパノール
1モルに対して0.05〜10モルの範囲が好ましい。ガス状
物質の使用量が多すぎると、反応生成物であるプロピレ
ンと水の混合物から多量の不活性ガスを分離させ反応器
に循環する必要が生じ、分離コストおよび循環に要する
コストが高くなるなどの経済的な不利益を生じる。
本発明で固定触媒層に用いられる触媒は、イソプロパ
ノールを脱水反応させる固体触媒であり、γ−アルミナ
触媒である。
ノールを脱水反応させる固体触媒であり、γ−アルミナ
触媒である。
使用される触媒の形態は、固定触媒層を形成できるも
のであればよく、特に限定されない。例えば、タブレッ
ト型、リング型、球状型、円柱状押し出し型、三つ葉状
押し出し型、顆粒型等が挙げられ、触媒強度が大きく、
反応管への均一な充填が可能であるという点で、球状
型、タブレット型、押し出し型が好ましい。
のであればよく、特に限定されない。例えば、タブレッ
ト型、リング型、球状型、円柱状押し出し型、三つ葉状
押し出し型、顆粒型等が挙げられ、触媒強度が大きく、
反応管への均一な充填が可能であるという点で、球状
型、タブレット型、押し出し型が好ましい。
この触媒を反応器に充填して形成される固定触媒層の
高さは、後記のとおり、反応器の内径が細いほど望まし
いことから、触媒容積を大きくし、触媒量を確保するた
めに、1〜30mであり、好ましくは2〜20mである。
高さは、後記のとおり、反応器の内径が細いほど望まし
いことから、触媒容積を大きくし、触媒量を確保するた
めに、1〜30mであり、好ましくは2〜20mである。
本発明の方法で用いられる反応器は、外部から熱媒を
用いて均一に加熱できる構造のものであればよく、特に
制限されない。例えば、反応管の外側に配設したジャケ
ットに熱媒を通す方式、熱媒を満たした恒温槽中に反応
管を浸漬する方式等の外部加熱方式:反応管内部に熱媒
を通したり、内部をヒーターで加熱する方式等の内部加
熱方式;外部加熱と内部加熱を組合せた複合加熱方式な
どが挙げられる。
用いて均一に加熱できる構造のものであればよく、特に
制限されない。例えば、反応管の外側に配設したジャケ
ットに熱媒を通す方式、熱媒を満たした恒温槽中に反応
管を浸漬する方式等の外部加熱方式:反応管内部に熱媒
を通したり、内部をヒーターで加熱する方式等の内部加
熱方式;外部加熱と内部加熱を組合せた複合加熱方式な
どが挙げられる。
また、この反応器は、反応器と一体または別体に構成
される予備加熱部を有していてもよい。
される予備加熱部を有していてもよい。
この反応器の内径は、加熱の熱効率の点からは、細い
ものが望ましいが、生産性と触媒の充填効率の点で、0.
5〜10cmであり、特に2〜8cmが好ましい。
ものが望ましいが、生産性と触媒の充填効率の点で、0.
5〜10cmであり、特に2〜8cmが好ましい。
また、この反応器は、前記内径を有する単独の反応管
からなるものであっても、複数の反応管を並列に接続し
て構成されるものでもよい。反応器が複数の反応管で構
成される場合、共通の熱媒で加熱してもよいし、それぞ
れの反応管を個別に加熱してもよい。
からなるものであっても、複数の反応管を並列に接続し
て構成されるものでもよい。反応器が複数の反応管で構
成される場合、共通の熱媒で加熱してもよいし、それぞ
れの反応管を個別に加熱してもよい。
熱媒による加熱の温度は、200〜400℃であり、特に原
料イソプロパノールとしてアセトンを水素化して得られ
たものを使用する場合には、微量の不純物が含有されて
いるため、350℃以下にするのが好ましい。
料イソプロパノールとしてアセトンを水素化して得られ
たものを使用する場合には、微量の不純物が含有されて
いるため、350℃以下にするのが好ましい。
また、反応器が予備加熱部と一体になった構造の場合
には、予備加熱部における加熱温度は、反応器の加熱温
度と同じにすればよい。また、予備加熱部が反応器と別
体に構成される場合も予備加熱部の温度はイソプロパノ
ールの分解を抑制するために350℃以下にすることが好
ましい。
には、予備加熱部における加熱温度は、反応器の加熱温
度と同じにすればよい。また、予備加熱部が反応器と別
体に構成される場合も予備加熱部の温度はイソプロパノ
ールの分解を抑制するために350℃以下にすることが好
ましい。
加熱に用いられる熱媒は、反応器を均一に加熱できる
ものであればよく、特に制限されない。例えば溶融塩、
ホットオイル、電気ヒーター、スチーム、火炎等が挙げ
られる。ホットオイルとしては、例えば、ダウサムA、
モービルサーム600、日赤ハイサーム#10、サームエス3
00、サームエス600などが挙げられる。また、溶融塩と
しては、例えば、Neo SK−SALT(綜研化学(株)製)な
どが挙げられる。
ものであればよく、特に制限されない。例えば溶融塩、
ホットオイル、電気ヒーター、スチーム、火炎等が挙げ
られる。ホットオイルとしては、例えば、ダウサムA、
モービルサーム600、日赤ハイサーム#10、サームエス3
00、サームエス600などが挙げられる。また、溶融塩と
しては、例えば、Neo SK−SALT(綜研化学(株)製)な
どが挙げられる。
反応器における圧力は、反応系内が気相状態になる圧
力であればよく、減圧、常圧、加圧のいずれでもよく、
特に限定されないが、十分な反応速度が得られる点で25
atm以下にするのが好ましい。
力であればよく、減圧、常圧、加圧のいずれでもよく、
特に限定されないが、十分な反応速度が得られる点で25
atm以下にするのが好ましい。
反応は、連続式で行われる。
反応混合物の流通方向は、上昇流、下向流のいずれで
もよい。
もよい。
<実施例> 以下、本発明の実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明する。
具体的に説明する。
(実施例1) 外部に予熱装置を接続した、内径38.4mm、長さ4800mm
のSUS316製の加熱ジャケット付縦型管状反応器の中間部
に、粒径3mmφの球状γ−アルミナ触媒5000mlを充填し
て高さ4300mmの触媒層を形成した。予熱装置の温度を19
0℃に調節し、加熱ジャケットに320℃のNeo SK−SALT
(綜研化学(株)製)を流通させて、反応器全体を均一
に320℃に加熱し、内圧18kg/cm2Gとした。イソプロパノ
ールを予熱装置に通して190℃に予熱した後、5000ml/hr
(LHSV 1.0hr-1)の流速で反応器頂部から供給して反
応させた。反応器底部から排出される気液混合物を液状
反応混合物とガス状生成物に分離させた。反応器頂部か
らイソプロパノールの供給を開始した後、8時間経過し
た時点での、反応器底部から排出されてくる気液混合物
中の液状反応混合物、ガス状生成物の量は、1時間当り
の平均で1180g/hr、1610/hrであった。このときの触
媒層入口の温度は186℃、触媒層出口の温度は311℃であ
った。
のSUS316製の加熱ジャケット付縦型管状反応器の中間部
に、粒径3mmφの球状γ−アルミナ触媒5000mlを充填し
て高さ4300mmの触媒層を形成した。予熱装置の温度を19
0℃に調節し、加熱ジャケットに320℃のNeo SK−SALT
(綜研化学(株)製)を流通させて、反応器全体を均一
に320℃に加熱し、内圧18kg/cm2Gとした。イソプロパノ
ールを予熱装置に通して190℃に予熱した後、5000ml/hr
(LHSV 1.0hr-1)の流速で反応器頂部から供給して反
応させた。反応器底部から排出される気液混合物を液状
反応混合物とガス状生成物に分離させた。反応器頂部か
らイソプロパノールの供給を開始した後、8時間経過し
た時点での、反応器底部から排出されてくる気液混合物
中の液状反応混合物、ガス状生成物の量は、1時間当り
の平均で1180g/hr、1610/hrであった。このときの触
媒層入口の温度は186℃、触媒層出口の温度は311℃であ
った。
得られた液状反応混合物およびガス状生成物をガスク
ロマトグラフィによって分析し、イソプロパノール脱水
反応の反応成績を求めた。その結果、イソプロパノール
の転化率99.3mol%、プロピレン選択率99.5mol%であ
り、副生成物であるアセトンの選択率0.1mol%、またジ
イソプロピルエーテルの選択率0.06mol%であった。ま
た、ガス状生成物中のプロピレンの純度は99.8mol%で
あった。
ロマトグラフィによって分析し、イソプロパノール脱水
反応の反応成績を求めた。その結果、イソプロパノール
の転化率99.3mol%、プロピレン選択率99.5mol%であ
り、副生成物であるアセトンの選択率0.1mol%、またジ
イソプロピルエーテルの選択率0.06mol%であった。ま
た、ガス状生成物中のプロピレンの純度は99.8mol%で
あった。
(実施例2) 実施例1と同じ構成の反応器において、予熱装置の温
度を300℃、加熱部の温度を330℃および内圧を18kg/cm2
Gに調節した。イソプロパノールを予熱装置に通して300
℃に予熱した後、7500ml/hr(LHSV 1.5hr-1)の流速で
反応器頂部から供給して反応させた。反応器底部から排
出される気液混合物を液状反応混合物とガス状生成物に
分離させた。反応器頂部からイソプロパノールの供給開
始後8時間経過した時点での触媒層入口の温度は300
℃、触媒層出口の温度は319℃であった。このとき、得
られる液状反応混合物およびガス状生成物をガスクロマ
トグラフィによって分析し、イソプロパノール脱水反応
の反応成績を求めた。その結果、イソプロパノールの転
化率99.3mol%、プロピレンの選択率99.7mol%であり、
副生成物であるアセトンの選択率0.07mol%、ジイソプ
ロピルエーテルの選択率0.09mol%であった。
度を300℃、加熱部の温度を330℃および内圧を18kg/cm2
Gに調節した。イソプロパノールを予熱装置に通して300
℃に予熱した後、7500ml/hr(LHSV 1.5hr-1)の流速で
反応器頂部から供給して反応させた。反応器底部から排
出される気液混合物を液状反応混合物とガス状生成物に
分離させた。反応器頂部からイソプロパノールの供給開
始後8時間経過した時点での触媒層入口の温度は300
℃、触媒層出口の温度は319℃であった。このとき、得
られる液状反応混合物およびガス状生成物をガスクロマ
トグラフィによって分析し、イソプロパノール脱水反応
の反応成績を求めた。その結果、イソプロパノールの転
化率99.3mol%、プロピレンの選択率99.7mol%であり、
副生成物であるアセトンの選択率0.07mol%、ジイソプ
ロピルエーテルの選択率0.09mol%であった。
(実施例3) 実施例1と同じ構成の反応器において、予熱装置の温
度を300℃、加熱ジャケット部に流通させる熱媒の温度
を330℃に、および内圧を18kg/cm2Gに調節した。クメン
法によるフェノール製造工程で副生したアセトンを水素
化して得られたイソプロパノール(純度:97.3%)を、
予熱装置に通して予熱した後、7500ml/hr(LHSV 1.5hr
-1)の流速で反応器頂部から供給して反応させた。反応
器底部から排出される気液混合物を液状反応混合物とガ
ス状生成物に分離させた。反応器頂部からイソプロパノ
ールの供給開始後8時間経過した時点での触媒層入口の
温度は300℃、触媒層出口の温度は319℃であった。この
とき、得られる液状反応混合物およびガス状生成物をガ
スクロマトグラフィによって分析し、イソプロパノール
脱水反応の反応成績を求めた。その結果、イソプロパノ
ールの転化率99.2mol%、プロピレンの選択率99.6mol%
であり、副生成物であるアセトンの選択率0.03mol%、
ジイソプロピルエーテルの選択率0.02mol%であった。
度を300℃、加熱ジャケット部に流通させる熱媒の温度
を330℃に、および内圧を18kg/cm2Gに調節した。クメン
法によるフェノール製造工程で副生したアセトンを水素
化して得られたイソプロパノール(純度:97.3%)を、
予熱装置に通して予熱した後、7500ml/hr(LHSV 1.5hr
-1)の流速で反応器頂部から供給して反応させた。反応
器底部から排出される気液混合物を液状反応混合物とガ
ス状生成物に分離させた。反応器頂部からイソプロパノ
ールの供給開始後8時間経過した時点での触媒層入口の
温度は300℃、触媒層出口の温度は319℃であった。この
とき、得られる液状反応混合物およびガス状生成物をガ
スクロマトグラフィによって分析し、イソプロパノール
脱水反応の反応成績を求めた。その結果、イソプロパノ
ールの転化率99.2mol%、プロピレンの選択率99.6mol%
であり、副生成物であるアセトンの選択率0.03mol%、
ジイソプロピルエーテルの選択率0.02mol%であった。
(比較例1) 予熱装置を接続した、内径25.4mm、長さ4000mmのSUS3
16製の縦型管状反応器のほぼ中間部に、粒径3mmの球状
γ−アルミナ1500mlを充填して高さ1300mmの触媒層を形
成した。予熱装置の温度を250℃に調節し、電気炉によ
り触媒層が410℃になるように加熱し内圧18kg/cm2Gとし
た。イソプロパノールを予熱装置に通して予熱した後、
1500ml/hr(LHSV 1hr-1)の流速で反応器頂部から供給
して反応させた。反応器底部から排出される気液混合物
を液状反応混合物とガス状生成物に分離させた。反応器
頂部からイソプロパノールの供給開始後8時間経過した
時点での触媒層入口の温度は282℃、触媒層出口の温度
は390℃であった。このとき、得られる液状反応混合物
およびガス状生成物をガスクロマトグラフィによって分
析し、イソプロパノール脱水反応の反応成績を求めた。
その結果、イソプロパノールの転化率99.6mol%、プロ
ピレンの選択率90.6mol%であり、また副生物としてア
セトンが4.3mol%生成していた。また、液状反応混合物
中には、反応器中で生起した重合反応の生成物である黄
色の油分が2.8重量%含有されていた。得られたガス状
生成物中のプロピレンの含有率は97.5mol%であった。
16製の縦型管状反応器のほぼ中間部に、粒径3mmの球状
γ−アルミナ1500mlを充填して高さ1300mmの触媒層を形
成した。予熱装置の温度を250℃に調節し、電気炉によ
り触媒層が410℃になるように加熱し内圧18kg/cm2Gとし
た。イソプロパノールを予熱装置に通して予熱した後、
1500ml/hr(LHSV 1hr-1)の流速で反応器頂部から供給
して反応させた。反応器底部から排出される気液混合物
を液状反応混合物とガス状生成物に分離させた。反応器
頂部からイソプロパノールの供給開始後8時間経過した
時点での触媒層入口の温度は282℃、触媒層出口の温度
は390℃であった。このとき、得られる液状反応混合物
およびガス状生成物をガスクロマトグラフィによって分
析し、イソプロパノール脱水反応の反応成績を求めた。
その結果、イソプロパノールの転化率99.6mol%、プロ
ピレンの選択率90.6mol%であり、また副生物としてア
セトンが4.3mol%生成していた。また、液状反応混合物
中には、反応器中で生起した重合反応の生成物である黄
色の油分が2.8重量%含有されていた。得られたガス状
生成物中のプロピレンの含有率は97.5mol%であった。
<発明の効果> 本発明の方法によれば、イソプロパノールを脱水して
高収率、高効率で高純度のプロピレンを製造することが
できる。また、クメン法によるフェノール製造工程にお
いて副生するアセトンを水素化して得られるイソプロパ
ノールを利用すれば、この副生アセトンを有効利用する
方途が得られ、好都合である。
高収率、高効率で高純度のプロピレンを製造することが
できる。また、クメン法によるフェノール製造工程にお
いて副生するアセトンを水素化して得られるイソプロパ
ノールを利用すれば、この副生アセトンを有効利用する
方途が得られ、好都合である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安原 充樹 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−231932(JP,A) 特公 昭39−30263(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 11/06 C07C 1/24
Claims (1)
- 【請求項1】γ−アルミナ触媒を充填してなる高さ1〜
30mの固定触媒層を有し、内径が0.5〜10cmの反応器に、
クメン法によりフェノールを製造する際に副生するアセ
トンを水素化することにより得られるイソプロパノール
を含む原料混合物を供給し、熱媒を用いて触媒層を200
〜400℃に均一に加熱して、固定床気相反応を行わせる
ことを特徴とするプロピレンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1326297A JP2845528B2 (ja) | 1989-12-15 | 1989-12-15 | プロピレンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1326297A JP2845528B2 (ja) | 1989-12-15 | 1989-12-15 | プロピレンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03188032A JPH03188032A (ja) | 1991-08-16 |
JP2845528B2 true JP2845528B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=18186199
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1326297A Expired - Lifetime JP2845528B2 (ja) | 1989-12-15 | 1989-12-15 | プロピレンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2845528B2 (ja) |
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WO2007003910A1 (en) * | 2005-07-06 | 2007-01-11 | Bp Chemicals Limited | The dehydrogenation of mixed alcohols |
JP2008255104A (ja) * | 2007-03-09 | 2008-10-23 | Idemitsu Kosan Co Ltd | オレフィンの製造方法 |
CN101863731B (zh) * | 2010-06-22 | 2013-02-27 | 佛山市华特气体有限公司 | 一种高纯丙烯的制备方法 |
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---|---|---|---|---|
JPH0665379B2 (ja) * | 1988-03-14 | 1994-08-24 | 日揮株式会社 | エチレン製造用等温型多管式反応器 |
-
1989
- 1989-12-15 JP JP1326297A patent/JP2845528B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03188032A (ja) | 1991-08-16 |
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