JP2812830B2 - Nf▲3▼の除害方法 - Google Patents

Nf▲3▼の除害方法

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JP2812830B2
JP2812830B2 JP4007822A JP782292A JP2812830B2 JP 2812830 B2 JP2812830 B2 JP 2812830B2 JP 4007822 A JP4007822 A JP 4007822A JP 782292 A JP782292 A JP 782292A JP 2812830 B2 JP2812830 B2 JP 2812830B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、NF3 を含む排ガスの
除害方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】NF3 は、半導体工業の発展とともにド
ライエッチング剤、クリーニング剤としてその需要が急
速に伸びている。一方、NF3 は、常温では大気中にお
いて極めて安定であり、水にわずかしか溶解しない。ま
た、TLV10ppmの毒性ガスであるため、これを使
用する場合には残ガス等の排気の際にその除害が常に必
要となる。
【0003】NF3 は、常温付近では非常に安定である
が、高温ではN2 と活性なF原子に分解する。これまで
に開発されたNF3 を除害する方法は、この原理に基づ
いたものである。
【0004】具体的には、 Si、B、W、Mo、V、Se、Te、Geと200
〜800℃で反応させる方法(特公昭63-48570号) 金属チタンと200℃以上で反応させる方法(特公昭
63-48571号) 木炭等の炭素塊と300〜600℃で反応させる方法
(特公平2-30731 号) 遷移金属の酸化物と250℃以上で反応させる方法
(特開平3-181316号)等がある。また、これらの方法よ
り低い温度で除害する方法として 金属ハロゲン化物と40〜80℃で反応させる方法
(特公昭63-48569号) 水素と混合し還元触媒と130〜180℃の範囲で接
触させる方法(特開平2-303524号)等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】〜の方法はいず
れも高温が必要であるため大がかりなヒータ・保温が必
要で、装置が大きくなり、取扱いが不便でコストが高い
等の問題がある。そのため少しでも低い温度で除害でき
る方法の開発が望まれている。の方法は本発明と類似
であるが、本発明のような200℃程度の反応温度でN
3 は除害できない。250℃以上の反応温度でNF3
は除害できるというものの、生成物としてNO、NO2
が発生し、それを除去するための設備が別に必要とな
り、装置が複雑になるという問題がある。
【0006】およびの方法は、〜の方法よりも
低温でNF3 を除害できるが、の方法においては金属
ハロゲン化物は、その吸湿性のために取扱いが非常に困
難であり、の方法においては使用する水素が、NF3
と爆発範囲を形成し、また、生成物としてHFが発生す
る等の問題がある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、これら
の問題点について種々検討の結果、NF3 を含むガスと
銅化合物または/およびニッケル化合物を添着させた活
性炭と接触、反応させることによりNF3 を除害できる
方法を見出し本発明に到達した。
【0008】すなわち本発明は、NF3 を含むガスと銅
化合物または/およびニッケル化合物を添着させた活性
炭とを100〜300℃の温度範囲で接触させ、銅化合
物または/およびニッケル化合物との反応により分解除
去することを特徴とするNF 3 の除害方法であり、かつ
銅化合物または/およびニッケル化合物を添着させた活
性炭は、100℃以上の温度で焼成することを特徴とす
るNF3 の除害方法である。
【0009】本発明は、NF3 を含むガスと銅化合物ま
たは/およびニッケル化合物を添着させた活性炭とを1
00〜300℃の温度範囲で接触させ、銅化合物または
/およびニッケル化合物との反応によりNF3 を分解除
去するものであるが、100℃より低い場合は、反応速
度が遅く分解が不十分となり好ましくない。また、30
0℃以上になるとNF3 を分解除去できるもののNF3
が活性炭と反応し、CF4 、C2 6 等のガス(有毒で
はないが、地球温暖化の問題がある)が生成するため好
ましくない。特に、好ましくは150〜250℃の範囲
で反応させるのが最適である。分解されたNF3 のFは
銅または/およびニッケルのフッ化物として固定され、
NはN2 として排出される。
【0010】本発明に用いる銅化合物としては、硫酸
銅、硝酸銅等の酸素酸銅、酢酸銅、シュウ酸銅等の有機
酸銅等を用いることができる。また、ニッケル化合物と
しては、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル等の酸素酸ニッケ
ル、酢酸ニッケル、シュウ酸ニッケル等の有機酸ニッケ
ル等を用いることができる。
【0011】銅化合物または/およびニッケル化合物を
活性炭に添着させる方法は、まず銅化合物または/およ
びニッケル化合物を水、アルコ−ル等の溶媒に溶かし溶
液とする。その中に活性炭を投入し銅化合物または/お
よびニッケル化合物の溶液を十分に含浸させた後、10
0℃以上で焼成し、活性炭に銅化合物または/およびニ
ッケル化合物を添着させる。含浸させる方法は、前記の
溶液中に活性炭を投入する方法のほか、活性炭を十分に
脱気した後、溶液を流入させ加圧する方法や活性炭に溶
液をスプレー散布する方法等があり、いずれの方法を用
いてもよい。これを100℃以上の温度で焼成したもの
を用いる。焼成したものは、X線回折から、金属銅また
は/および金属ニッケルが検出されたが、銅と活性炭ま
たは/およびニッケルと活性炭の活性化された反応物あ
るいは混合物であり、単に銅と活性炭または/およびニ
ッケルと活性炭との混合物とは効果が異なるものであ
る。焼成温度は、600℃以上で焼成しても除害効果に
変わりなく経済的に不利となり、100℃以下すなわち
反応温度以下の温度では除害効果が得られず好ましくな
い。また、焼成時間は、焼成する量によって異なるため
一概には言えないが、短いと除害効果が不十分で、長く
なると経済的に不利となる。好ましくは2〜5時間が最
適である。
【0012】本発明で処理するNF3 ガスは、N2 、A
r、He等の不活性ガスで希釈されたNF3 を含むガス
はもちろんのこと、NF3 100%ガスについても適用
可能である。
【0013】また、接触時間は0. 1秒〜数時間の範囲
で適宜選択すればよい。また、圧力は、加圧下であれば
反応は促進されるが、大気圧もしくは減圧下でも十分な
速度で除害できるため、特に制限されない。
【0014】反応器としては、気体、固体を接触させる
ものであれば、特に制限はないが、強制循環式、固定床
流通式、流動層式などの固気接触良好な反応器が特に好
ましい。またその材質は、SUS、ニッケル、モネル、
銅等が好ましい。
【0015】
【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明す
る。 実施例 1 銅化合物として酢酸銅(II)一水和物を用い、その10
gを水100gに溶解させた酢酸銅水溶液に活性炭20
gを投入し十分に攪拌した後加熱し、水を蒸発・乾固さ
せ、活性炭に酢酸銅を添着させた。これを1/2インチ
Φ、長さ500mmのSUS製反応管に充填し、500
℃、4時間焼成した。この反応管を200℃に保持し、
そこに2%NF3 を125cc/minの速度で導入し
た。反応器出口ガスをガスクロマトグラフで分析した結
果、NF3 濃度は10ppm以下であった。また、IR
で分析した結果、CF4 、C2 6 、NO、NO2 等の
生成物は検出されなかった。
【0016】実施例 2 実施例1と同じ方法で調整した薬剤を用いて10%NF
3 を125cc/minの速度で導入し200℃で処理
した。反応器出口ガスにはNF3 はもちろんのこと、そ
の他の副生ガスは検出されなかった。
【0017】実施例3 実施例1と同じ条件で活性炭に酢酸銅を添着させ、20
0℃で2時間焼成した薬剤を用いて、実施例1と同じ温
度、濃度、流量でNF3 と反応させた。反応器出口ガス
にはNF3 はもちろんのこと、その他の副生ガスは検出
されなかった。
【0018】実施例 4 銅化合物として硝酸銅を用い、その10gを水60gに
溶解させた硝酸銅水溶液に活性炭20gを投入し十分に
攪拌した後加熱し、水を蒸発・乾固させ、活性炭に硝酸
銅を添着させた。これを1/2インチΦ、長さ500m
mのSUS製反応管に充填し、500℃、4時間焼成し
た。この反応管を200℃に保持し、そこに2%NF3
を125cc/minの速度で導入した。反応器出口ガ
スをガスクロマトグラフで分析した結果、NF3 はもち
ろんのこと、その他の副生ガスは検出されなかった。
【0019】実施例 5 ニッケル化合物として酢酸ニッケルを用い、その6gを
水10gに溶解させた酢酸ニッケル水溶液に活性炭20
gを投入し十分に攪拌した後加熱し、水を蒸発・乾固さ
せ、活性炭に酢酸ニッケルを添着させた。これを1/2
インチΦ、長さ500mmのSUS製反応管に充填し、
500℃、4時間焼成した。この反応管を200℃に保
持し、そこに2%NF3 を125cc/minの速度で
導入した。反応器出口ガスをガスクロマトグラフで分析
した結果、NF3 はもちろんのこと、その他の副生ガス
は検出されなかった。
【0020】実施例 6 銅化合物として酢酸銅、ニッケル化合物として酢酸ニッ
ケルを用い、それぞれ4gと3gを水100gに溶解さ
せた酢酸銅・酢酸ニッケル水溶液に活性炭20gを投入
し十分に攪拌した後加熱し、水を蒸発・乾固させ、活性
炭に酢酸銅・酢酸ニッケルを添着させた。これを1/2
インチΦ、長さ500mmのSUS製反応管に充填し、
500℃、4時間焼成した。この反応管を200℃に保
持し、そこに2%NF3 を125cc/minの速度で
導入した。反応器出口ガスをガスクロマトグラフで分析
した結果、NF3 はもちろんのこと、その他の副生ガス
は検出されなかった。
【0021】比較例 1 酢酸銅を添着していない活性炭を反応管に充填し、実施
例1と同じ温度、濃度、流量でNF3 と反応させた。出
口ガスを分析した結果、入口と同じ濃度のNF 3 が検出
され、NF3 は全く分解されていなかった。
【0022】比較例 2 銅を反応管に充填し水素で還元した後、実施例1と同じ
温度、濃度、流量でNF3 と反応させた。出口ガスを分
析した結果、入口と同じ濃度のNF3 が検出され、NF
3 は分解されていなかった。
【0023】比較例 3 銅6wt%を混合した活性炭を反応管に充填し、実施例
1と同じ温度、濃度、流量でNF3 と反応させた。出口
ガスを分析した結果、入口と同じ濃度のNF3 が検出さ
れ、NF3 は分解されていなかった。
【0024】比較例 4 実施例1と同じ条件で調整した薬剤を充填した反応管を
320℃に加熱し、実施例1と同じ濃度、流量のNF3
を処理した。出口ガスを分析した結果、NF3 は検出さ
れなかったが、CF4 が200ppm検出された。
【0025】
【発明の効果】本発明によればNF3 を含む排ガスを従
来の方法よりも低温で、副生ガスの発生なしに除害する
ことを可能にした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 53/68 B01D 53/54

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NF3 を含むガスと銅化合物または/およ
    びニッケル化合物を添着させた活性炭とを100〜30
    0℃の温度範囲で接触させ、銅化合物または/およびニ
    ッケル化合物との反応により分解除去することを特徴と
    するNF3 の除害方法。
  2. 【請求項2】上記銅化合物または/およびニッケル化合
    物を添着させた活性炭は、100℃以上の温度で焼成す
    ることを特徴とする請求項1記載のNF3 の除害方法。
  3. 【請求項3】上記銅化合物または/およびニッケル化合
    物が、酸素酸銅、有機酸銅、酸素酸ニッケル、有機酸ニ
    ッケルであることを特徴とする請求項1記載のNF3
    除害方法。
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