JP2702200B2 - 酸化チタンの製造方法 - Google Patents

酸化チタンの製造方法

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JP2702200B2 JP32441288A JP32441288A JP2702200B2 JP 2702200 B2 JP2702200 B2 JP 2702200B2 JP 32441288 A JP32441288 A JP 32441288A JP 32441288 A JP32441288 A JP 32441288A JP 2702200 B2 JP2702200 B2 JP 2702200B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は酸化チタンの製造に関する。
[従来の技術及び発明が解決しようとする課題] 硫酸法による二酸化チタンを製造する時、既知のよう
に、チタン鉄鉱(イルメナイト、アナターゼ)またはチ
タンスラグのような、チタン鉄物質を温度を高めた領域
でしかも濃度の高い硫酸と接触させて主として硫酸第一
鉄、硫酸第二鉄、硫酸チタニル、を得る他に、硫酸マグ
ネシウム、硫酸クロム、硫酸マンガン、硫酸バナジウム
および他の元素の硫酸塩から成る他に未反応物質を含む
主として硫酸化チタニルを含む固体を造る。次に、この
固体を水又は硫酸溶液中に投入し、浸出し得られた硫酸
溶液に鉄スクラップ等の還元剤を加えて、溶液中の硫酸
第二鉄を硫酸第一鉄に変換する。更にこの溶液を冷却す
る事により、硫酸第一鉄塩の結晶(FeSO4・7H2O)を析
出させて、液中の鉄分を低下させて硫酸チタニルを含む
チタン鉄溶液を造る。
硫酸チタニルの加水分解法はほぼ沸騰状態に保たれ
た、低濃度の硫酸チタニル中へ高濃度の硫酸チタニルを
添加し、徐々に硫酸チタニル・鉄溶液濃度を高めた後、
約1/4の量の90〜95℃に高められた水に添加することに
より行われる。加水分解後の水溶液の全硫酸濃度は操作
により若干の濃度差があるものの35g/〜400g/ H2SO
4であり、硫酸チタニルの94〜95%が水酸化物と沈殿す
るものの、4〜6%硫酸チタニルは、溶液中に存在し、
チタンの水酸化物となり得ず、廃棄されているという欠
点があった。
[課題を解決するための手段] この課題は請求項1に記載の本発明に係るチタンの硫
酸塩錯体の抽出、次に水又は希硫酸によって逆抽出する
事によって得られた溶液を硫酸チタニルの加水分解用あ
るいは硫酸チタニルの浸出用としてくり返し、使用する
ことにより、従来加水分解後の溶液中に含有している為
に回収する事が出来ず、公害発生の原因となっていたTi
O2の損失を防止するもので、硫酸チタニルの全量を水酸
化チタンに変換せしめ、次にこれを焼成することにより
酸化チタンを製造することにより解決される。
すなわち、硫酸チタニル溶液を加水分解させて得られ
た水酸化チタンを分離した硫酸溶液に、含酸素有機抽出
剤の群、アルキルアミンの群及びアルキルアリールアミ
ンの群から選択された1種又は2種以上を含有する有機
溶媒を接触させる事により、該硫酸溶液中のTiイオンを
硫酸塩錯体として抽出する。次にTiを抽出し含有する有
機溶媒に水又は希硫酸を接触させる事により、有機相の
チタンを水溶液中に逆抽出すると共に有機溶媒を再生す
る。チタンを逆抽出して含有する水溶液を硫酸チタニル
溶液の加水分解用あるいは硫酸化チタニルの浸出用にく
り返し使用することを特徴とする酸化チタンの製造方法
によって解決される。
また硫酸チタニル溶液を加水分解させて、得られた水
酸化チタンを分離した硫酸溶液を、減圧又は常圧の蒸発
濃縮工程に導き、濃硫酸を得る前に、含酸素有機抽出剤
の群、アルキルアミンの群及びアルキルアリールアミン
から選択された1種又は2種以上を含有する有機溶媒を
接触させる事により、蒸発濃縮工程にて生成するチタン
硫酸化物の量を減少させる事を特徴とする酸化チタンの
製造方法によって解決される。
本発明では、有機相に抽出されているチタンを逆抽出
するに使用する水又は硫酸に還元物質を添加する事によ
り逆抽出効果を高める事が出来る。又逆抽出する前に有
機溶媒に還元物質を接触させてから水又は希硫酸を接触
させて有機相のチタンを逆抽出効果を高める事により逆
抽出終了液中のチタン濃度を高める事ができるので、硫
酸チタニル溶液の加水分解用あるいは硫酸化チタンの浸
出用に使用しても充分に水収支がとれるので加水分解終
了後の分離液中に溶存するチタンの全量を水酸化チタン
にする事により硫酸チタニル溶液中のチタン全量を二酸
化チタンとする方法である。
[作 用] 本発明において出発原料とする硫酸鉄チタニル溶液
は、どのような方法で造られても本発明の利用について
制限される事はないが、一般にチタン鉄鉱(イルメナイ
トやアナターゼ)またはチタン鉱スラグのようにチタン
分を濃縮したもの等を細かく粉砕し、これに濃硫酸を加
え撹拌し、昇温熟成させた後、浸出工程に於て水又は希
硫酸で浸出する。次に硫酸第2鉄を第1鉄に還元する為
に鉄スクラップを添加し、更に溶解液を冷却し、硫酸鉄
(FeSO4・7H2O)を除去した後、固形物を除いた硫酸チ
タン鉄溶液がよく用いられる。
チタン鉄溶液の一例としてTiO2として240〜260g/、
Fe2+40〜50g/遊離硫酸200〜300g/全硫酸500〜800g/
、金属イオンとしてはMn、V、Mg、Al、Cr及びNbが含
有している。
硫酸チタニル溶液であるチタン鉄溶液より、加水分解
法により不溶性の水酸化チタンを造る方法についても、
米国特許第2253595号、英国特許第558285号に開示され
ている他に、各種の方法があるが、一般にはほぼ沸騰状
態に保たれた低濃度硫酸チタニル溶液に、原料を浸出し
て得られたチタン鉄溶液を徐々に撹拌しつつ添加し、硫
酸チタニル鉄溶液の高濃度のものを一旦つくる。次に95
℃〜105℃のチタン鉄溶液の約1/4容の90〜95℃の水を添
加することにより不溶性の水酸化チタンが得られる。加
水分解終了時点で溶液中の全硫酸濃度は320〜450g/範
囲で、加水分解し得ず水溶液中に存在するTiイオンはTi
O2として7〜10g/範囲であり、全硫酸チタニルの94〜
95%が水酸化チタンに変換した事を意味する。
本発明は加水分解終了液中に残存するTiイオンを含酸
素有機抽出剤の群、アルキルアミンの群及びアルキルア
リールアミンの群から選択された1種又は2種以上を含
有する有機溶媒を接触させる事に該硫酸溶液中のTiイオ
ンは次式に一例を記すように錯体として有機相へ抽出す
ることにより、他の金属より分離する事ができる。
TiSO4+Org→TiOSO4・Org TiSO4+H2SO4+nOrg→H2TiO(SO4・nOrg+H2O 上式は抽出反応の一例を示したにすぎず、水溶液中の
SO4濃度共存する金属イオンの濃度やアニオンによって
も異り、また使用する抽出剤によっても、抽出されるTi
の化学種は変化することを理解されたい。
含酸素有機溶媒やアルキルアミン及びアルキルアリー
ルアミンの群から選択された有機溶媒に抽出されたチタ
ンの硫酸錯体は水又は希硫酸と接触させる事により次式
に一例を示すように水相に移り、有機溶媒は再生され
る。
TiOSO4・nOrg+水→TiOSO4+nOrg …… TiOSO4・nOrg+希硫酸→TiOSO4+H2SO4+nOrg …… 逆抽出に使用する水又は希硫酸にヒドラジン、硫酸ヒ
ドラジンNa2SO3、NaHSO3、Na2S2O4、(COOH)等を添
加することにより逆抽出の効果は増大され、高濃度のTi
濃度で回収する事が出来る。
TiOSO4・Org+N2H4・SO4→1/2Ti2(SO4+1/2H2SO4+H2O+H++Org …… 上式は逆抽出反応の一例を示したにすぎず、還元物質
の量によっては、Tiイオンの全部がTi3+イオンに変換さ
れるものでなく、更に逆抽出前に有機相を還元物質と接
触させる状態によっても異なりまた使用する抽出剤によ
ってもTiの化学種は変化することを理解されたい。
逆抽出されたチタンを含む水溶液の酸価が2.2以下と
低く、加水分解工程にくり返し水酸化チタンとして回収
することが出来る。
又逆抽出されたチタンを含む水溶液を加熱し水酸化チ
タンを生成させた後、これを分離した後に加水分解工程
にくり返す事も出来る。
逆抽出されたチタンを含む水溶液には、他の金属イオ
ンが含有しない為に、アルカリを加えて極微細な水酸化
チタンを造る事も出来る。
本発明で使用される含酸素有機抽出剤は次の群より選
択される。
(a)エステルの群 式中R1、R2、R3は種々のアルキル基、及びアリール基
を示し炭素数4〜18個のものが使用される。また各アル
キル基及びアリール基はR1=R2=R3、R1=R2≠R3あるい
はR1≠R2≠R3のアルキル基及びアリール基が異るものや
アルキル基とアリール基が混合しているものもよく使用
される。
(b)アルコールの群 炭素数6〜18個の各種(n−、第2、第3)アルコー
ル。
(c)アミドの群 式中R、R′、R″はアルキル基及びアリール基を示
し、炭素数4〜22個のものが使用できる。
R=R′=R″、R=R′≠R″あるいはR≠R′≠
R″ものやアルキル基とアリール基が混合しているもの
も使用できる。
本発明で使用するアルキルアミン及びアルキルアリー
ルアミンは次の群より使用される。
(a)第1級アミン、RNH2の形で表わされ、Rは炭素数
が4〜24個のアルキル基又はアリール基のものをいう。
実験に使用した一例を次に示す。
(b)第2級アミン、R2NHの形で示されるものでRはア
ルキル基又はアリール基を表わし、炭素数が4〜24個の
ものが使用される。
実験に使用した一例を次に示す。
また、本発明で抽出剤の希釈用に使用される石油系炭
化水素は、芳香族系炭化水素、脂肪族系炭化水素あるい
はこれらの混合品である。
またケロシンの如き雑多な炭化水素混合品もよく使用
される。
本発明で使用する還元物質は、次の群より選択され、
1種だけの場合もあり2種以上を混合して使用すること
もある。
H2,CO,CO2,SO2,H2S,Na2S,NaHS,NaC2O4,NH4C2O4,CH3COO
H,CH3COONH4,CH3COONa,NaHSO3,Na2SO3,Na2S2O4,NH4HS
O3,KHSO3,(NH42SO3,Na2S2O3,K2S2O3,(NH42S2O3,
金属鉄,金属亜鉛,水和ヒドラジン,硫酸ヒドラジン,
クエン酸,リンゴ酸,グルコン酸及び尿素(NH42CO3,
NH4HCO3金属鉄,金属亜鉛及びマスコロビン酸がある。
また本発明で逆抽出に使用する希硫酸とは還元剤を添
加せず単独に使用する場合250g/H2SO4以下の濃度をい
う。但し抽出濃度5%以下の時には300g/H2SO4まで逆
抽出に用いることが出来る。
還元物質を混合し逆抽出に使用する場合、H2SO4濃度
は制限がない。
以下本発明の実施態様を図面に基づいて、さらに詳細
に説明。本発明はこれに限定されるものではない事を理
解されたい。
第1図のフロシートは本発明操作の基本型を示す図で
あり、不純物金属イオンを多量に含有する硫酸チタニル
溶液Aを加水分解工程Bに於いて沸騰状態に保ちつつ水
又は希薄な硫酸チタニル溶液を添加し、硫酸チタニル
溶液の全硫酸濃度を低下させつつ、不溶性チタンの水酸
化物を製造し、濾別工程Cで水酸化チタンDとTiイオン
の他にFe,Mn,Al,Cr,V,Mg,Nbを含有する硫酸溶液を分離
した後、抽出工程Eに導き、含酸素有機抽出剤、アルキ
ルアミン及びアルキルアリールアミンを含有する有機溶
媒と接触させることにより、該硫酸溶液中のTiイオン
を硫酸錯体として有機相へ抽出する。チタンを抽出し含
有する有機溶媒は、逆抽出工程Fに導き水又は希硫酸
と接触させて、Tiを水溶液側へ逆抽出され有機溶媒
は再生されくり返し使用するす。又逆抽出する水又は希
硫酸に還元物質を添加し、Ti濃度の高い逆抽出終了液
を得る。逆抽出終了液は加水分解工程Bに導かれチ
タンは水酸化チタンとして回収され、焼成後二酸化チタ
ンとして製造される。
第2図のフロシートは基本的には第1図と同一である
がTiを抽出し含有する有機溶媒を逆抽出工程Fに導く
前に還元工程Gに導き、H2ガス、SO2ガス等の還元物質
を接触させて、有機相のチタンの1部又は全部を還元
した後、逆抽出工程Fで水又は希硫酸と接触させて有機
相のTiを水相に逆抽出すると共に有機溶媒は再生さ
れ、再び抽出工程Eにくり返される酸化チタンの製造方
法である。
第3図のフローシートは基本的には、第1図と同様で
あるが、抽出工程Eにてチタンを抽出して除去した硫酸
溶液の処理についても本発明効果あることを示した図で
ある。抽残液を減圧及び常圧の蒸発濃縮工程Hに導き、
くり返し使用できる高濃度硫酸を造る時に排出しなけ
ればならない金属硫酸物Jの量を小さくする利点がある
酸化チタンの製造方法である。
第4図のフロシートは基本的に第3図と同一である
が、Tiを抽出含有している有機溶媒を逆抽出工程Fに
於いて水又は希硫酸と接触させてあるいは還元物質の添
加された逆抽出液と接触させて有機相チタンを水相に逆
抽出した水溶液を加水分解工程Bにくり返す前に加熱
工程H′で、水溶液中に含有するチタンを水酸化チタ
ンD′を得た後の水溶液′を加水分解工程Bへ、くり
返す酸化チタンの製造方法である。
第5図のフロシートは第3図と同一であるが、減圧又
は常圧の蒸発濃縮工程Hで得られた濃硫酸を、硫酸化
工程Kにくり返しチタン鉄鉱(イルメナイト又はアナタ
ーゼ)又はチタン濃縮スラグMと混合し、原料中に含有
するチタンを硫酸チタニヤにする。次に浸出工程Lに導
き水又は、逆抽出液によって不純物を含む硫酸チタニ
ル溶液Aを造る酸化チタンの製造方法である。
第6図のフロシートは第2図と第5図を結合した酸化
チタンの製造方法を示す。
[実施例] 以下に実施例をあげて本発明を説明する。
実施例(1) 実験に使用した原液の組成を次の第1表に示す。
[TiOSO4の抽出テスト] テストに使用した有機溶媒はアルキルホスフィンオキ
シドの群よりTOPO(トリ・オクチル・ホスフィンオキサ
イド)とTHPO(トリ・ヘキラル・ホスフィンオキサイ
ド)を選択してそれぞれの濃度25%としてテストを行っ
た。その結果を第2表に示す。
抽出条件はいずれもO/A=1/1抽出時間5分間。
[逆抽出テスト] 第2表に示した有機溶媒の逆抽出テストを行った結果
を第3表に示す。
逆抽出条件 接触時間10分間、分液ロートにCO2ガスを封入して振
とうを行う。
水相に生成した沈殿物はH2SO4を加えて、充分に溶解
させてからTiを測定した。測定はICP(イオンクロマト
発光分析計)による。
還元剤を添加したものについて、有機相及び水相のい
ずれにも沈殿が生ずることはなかった。
実施例(2) [抽出実験] 25%TOPOを芳香族系炭化水素にて希釈した有機溶媒を
使用して第1表に示す原液を使用して連続抽出実験を行
った。
抽出段数4段、O/A=1/1抽出時間10分間。
[逆抽出実験] 還元剤にNaHSO3を選択して連続の逆抽出実験を行っ
た。
逆抽出段数6段、逆抽出時間10分間。
実施例(3) Tiの硫酸錯体を抽出含有している有機溶媒に還元ガス
を接触させて予めTiを還元してから、水又は希硫酸と接
触させてTiOSO4を逆抽出するテストを行い、その結果を
第6表に示す。
実施例(4) [硫酸チタニル溶液の製造] TiO2 44.2%、FeO 34.1%、Fe2O3 12.7%、MnO 0.3
%、Cr2O3 0.01%、V2O5 0.15%、P2O5 0.03%、Al2O3
1.2%、CaO 0.25%、MgO 4.72%、SiO2 3.1%の化学組
成をもつイルメナイト2.7kgを粉砕し、−325メッシュ90
%通過粒子に95.1%H2SO4 4.5kgを混合し、温度80℃に
予熱した。
次に水を少量添加し、硫酸化反応を促進させる。反応
温度210℃迄上昇する。その状態で5時間熟成させた
後、第3表に示すTiOSO4を逆抽出した液(初期20g/ H
2SO4+5.2g/ NaHSO3含有液でTi濃度3.62g/のもの)
の中へ投入してTiOSO4を溶解する。
還元剤が残存している為に特にFeスクラップを投入し
なくてもFeイオンの全量が硫酸第1鉄と存在している事
が確認された。
不溶解残渣量 0.31kg 浸出液(硫酸チタニル) 5.31 次に10℃迄冷却して硫酸鉄の結晶を分離する。
生成 FeSO4・7H2O 3.6kg 上記組成の液を使用して加水分解テストを行った。
先ず、第3表の逆抽出液0.5(60g/ H2SO4+10.4g
/ NaHSO3 Ti 6.96g/のもの)を予め95℃に加熱し、
その中に硫酸チタニル液を連続して添加する。
一定の濃度に充分調整され、しかも液温95〜98℃保持
された液中に逆抽出液1.1を95℃に加熱してから添加
する。
液温を沸点まで上昇させ、沈殿が生成を確認された時
点で、加熱と撹拌を停止して熟成する。
約30分間経過した時点で、撹拌を開始して再び沸点迄
液温を上昇させ、その状態で3時間経過させ更に第3表
で得られた60g/ H2SO4+10.4g/ NaHSO3 Ti 6.96g/
の液を1.51添加し、加水分解の終了を分析で確認して
から停止した。
生成した不溶性水酸化チタンを脱水、洗浄、酸洗し、
更に0.5%の(wt)K2SO4 0.1%(wt)Al2(SO4およ
び0.1%(wt)ZnSO4と混合した後870℃60分間焼成し
た。
得られたTiO2 1.06kgであった。溶解した硫酸チタニ
ル溶液からの採取率100.9%であり、逆抽出液より供給
されたTiO2は全量回収された。
TiO2の9.1g/の値は加水分解後の硫酸溶液に残存す
るものとして通常のもので加水分解の為に使用された逆
抽出液中のTiO2は全量製品になった事を裏づけている。
硫酸チタニル溶液から酸化チタンとして製品となる収
率は従来法の94〜95%に比較して100.9%と回収効果を
明確に出来た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明操作の基本型を示すフロシートであり、
第2図は有機相に抽出されてチタンを、逆抽出工程に導
く前に還元物質を接触させてチタンの逆抽出効果を高め
る工程を加えたもので、第3図は、第1図と全く同一で
あるが、Tiを抽出除去した後の硫酸溶液の濃縮回収にま
で、本発明が影響を与える事を示す図である。第4図
は、第1図と同一であるが、加水分解工程へくり返すチ
タンを回収した液を加熱し、加水分解させて水酸化チタ
ンの回収方法について説明した図である。 第5図は基本的に第3図と同一であるが、チタン除去し
た液を濃縮し、その濃縮された硫酸の使用方法にまで説
明した図である。 第6図は、第2図と第5図の処理方法を結合した図であ
る。 A……硫酸チタニル溶液で、不純物の含有しないあるい
は含有する硫酸チタニル溶液で本発明の出発原料 B……硫酸チタニル溶液に水又は希硫酸90〜105℃の加
熱状態で混合し、撹拌する事により不溶性水酸化チタン
を造る加水分解工程 C……加水分解により得られた水酸化チタンを濾過分離
する工程である。 D……濾過・脱水された水酸化チタンで焼成により酸化
チタンとなる。 E……加水分解後、濾別された硫酸溶液中に存在するTi
イオンを硫酸塩錯体として抽出除去する工程 F……チタンを抽出し含有する有機溶媒に水又は希硫酸
あるいは水又は希硫酸に還元物質を添加した液を接触さ
せチタンを水相に逆抽出する工程 G……有機相のチタンを還元する工程 H……チタンを抽出除去した硫酸を減圧又は常圧で蒸発
濃縮する工程 J……蒸発濃縮工程より発生する金属硫酸化物 K……チタン鉄鉱あるいはチタンスラグの硫酸化反応工
程 L……浸出工程 M……チタン鉄鉱あるいはチタン分濃縮スラグ等のチタ
ン原料 ……含酸素有機溶媒の群、アルキルアミンの群及びア
ルキルアリールの群よりなる群から選択された1種又は
2種以上が含有する有機溶媒 ……チタンの硫酸塩錯体を逆抽出する水溶液 ……還元物質 ……チタンを逆抽出終了液 ……濃縮硫酸

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硫酸チタニル溶液を加水分解させて、得ら
    れた水酸化チタンを分離した硫酸溶液に、含酸素有機抽
    出剤の群、アルキルアミンの群、及びアルキルアリール
    アミンの群から選択された1種又は2種以上を含有する
    有機溶媒を接触させる事により、該硫酸溶液中のTiイオ
    ンを硫酸塩錯体として抽出し、 次にTiを抽出含有する有機溶媒に水又は希硫酸を接触さ
    せる事により、有機相のチタンを水溶液中に逆抽出する
    と共に有機溶媒を再生し、 チタンを逆抽出して含有する水溶液を硫酸チタニル溶液
    の加水分解用あるいは硫酸チタニルの浸出用にくり返し
    使用する事を特徴とする酸化チタンの製造方法。
  2. 【請求項2】硫酸チタニル溶液を加水分解させて、得ら
    れた水酸化チタンを分離した硫酸溶液を、減圧又は常圧
    の蒸発濃縮工程に導き、濃硫酸を得る前に、含酸素有機
    抽出剤の群、アルキルアミンの群及びアルキルアリール
    アミンの群から選択された1種又は2種以上を含有する
    有機溶媒を接触させる事により、蒸発濃縮工程にて生成
    するチタン硫酸化物の量を減少させる事を特徴とする請
    求項1に記載の酸化チタンの製造方法。
  3. 【請求項3】チタンの硫酸塩錯体を抽出含有する有機溶
    媒に還元物質を接触させた後、水又は希硫酸を接触させ
    る事により有機相のチタンを水溶液に逆抽出すると共
    に、有機溶媒を再生することを特徴とする請求項1に記
    載の酸化チタンの製造方法。
  4. 【請求項4】有機溶媒中に抽出されているチタンを逆抽
    出するに使用させる水又は希硫酸に還元物質を添加する
    事を特徴とする請求項1に記載の酸化チタンの製造方
    法。
  5. 【請求項5】チタンを逆抽出した液を減圧又は常圧の蒸
    発濃縮工程に導き水溶液中のチタンを加水分解して得る
    と共に分離した水溶液を硫酸チタニル溶液の加水分解用
    にくり返し使用する事を特徴とする請求項1に記載の酸
    化チタンの製造方法。
  6. 【請求項6】チタンを逆抽出した液にアルカリを添加し
    て、加水分解させてチタンを回収する事を特徴とする請
    求項1、3又は4のいずれか1つに記載の酸化チタンの
    製造方法。
  7. 【請求項7】有機溶媒中に抽出含有されているTiイオン
    を水又は希硫酸を使用して逆抽出する時、電機化学的に
    還元領域を生成させた工程内で行う事を特徴とする請求
    項1に記載の酸化チタンの製造方法。
JP32441288A 1988-08-19 1988-12-22 酸化チタンの製造方法 Expired - Lifetime JP2702200B2 (ja)

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