JP2685685B2 - 泡抑制剤組成物 - Google Patents

泡抑制剤組成物

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JP2685685B2 JP9345392A JP9345392A JP2685685B2 JP 2685685 B2 JP2685685 B2 JP 2685685B2 JP 9345392 A JP9345392 A JP 9345392A JP 9345392 A JP9345392 A JP 9345392A JP 2685685 B2 JP2685685 B2 JP 2685685B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は泡抑制剤組成物、特には
水性切削油、染色工程用油剤などに添加したときに、す
ぐれた分散安定性、抑泡性を示す泡抑制剤組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ジメチルポリシロキサンを主成分とする
シリコーン系消泡剤は他の消泡剤と比べて種々のすぐれ
た性質を有するものであることから、発泡を伴なう一般
化学工業の各工程に幅広く使用されている。しかし、こ
のジメチルポリシロキサンはこれが本質的に疎水性のも
のであるために、実用面ではこれを界面活性剤を用いて
水に分散させたエマルジョン型消泡剤として使用されて
いるが、このものは処理対象液が高温であるか、高剪断
のかかるものであるときにはエマルジョンが破壊される
ために所望の消泡効果を期待することができず、ときに
は発泡が促進されることがあるし、これはまた非水系で
は使用できず、さらには長期の保存中にエマルジョンが
分離するという欠点もある。
【0003】そのため、この消泡剤についてはポリオキ
シアルキレン基で変成したオルガノポリシロキサンを使
用することも提案されているが(米国特許第3,233,986
号明細書参照)、これには破泡および消泡効果が小さい
という不利があり、ポリオキシアルキレンで変性したジ
メチルポリシロキサンで代表される親水性のポリシロキ
サンをベースオイルとし、これにジメチルポリシロキサ
ンと微粉末シリカよりなるオイルコンパウンドを併用し
て消泡効果を向上させるということも提案されており
(特公昭52-19836号、特公昭52-22638号、特公昭55-230
84号各公報参照)、長鎖アルキル基およびポリオキシア
ルキレン共変性オルガノポリシロキサンをベースオイル
とするものも提案されているが(特公昭58-58126号公報
参照)、これらは微粉末シリカのみではこれをジメチル
ポリシロキサンに安定に分散させることが難しく、高温
または機械的に強い剪断力が長時間かけられたときや、
希釈時または長期保存時においてシリカの凝集や分離が
起るという不利がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがってジメチルポ
リシロキサンとシリカとの分散性を向上させるために、
シリカ表面をシラザン処理して疎水化処理することも提
案されているが、この場合には処理量によって消泡性が
低下することもあるのでこの調節が難しいという不利が
ある。なお、この消泡剤については本発明者らも限定さ
れたポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサ
ン、ジメチルシリコーンオイルと微粉末シリカとからな
る泡抑制剤成分、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロ
ピレン共重合体および分子鎖両末端が水酸基で封鎖され
たジメチルシリコーンオイルとからなる泡抑制剤を提案
しており(特願平2-414678号明細書参照)、これによれ
ば上記の欠点を可成り解決することができるけれども、
これにはなおシリカの分散性、消泡性が不充分であると
いう不利がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決した泡抑制剤に関するもので、これはA)一般式
【化2】 [ここにG1はR1、G2またはG3から選択される基、G2, G3
は分子量が500 〜3,000 の式(CH2)r-O-(R2O)sQ(R2はエ
チレン基およびプロピレン基、Qは水素原子または炭素
数1〜8のアルキル基、アセチル基、イソシアン酸基か
ら選択される1価の有機基、rは2〜6、sは5〜50)
で示される基で、G2は (R2O)基中のエチレンオキシ基が
10〜30モル%、G3は (R2O)基中のエチレンオキシ基が65
〜85モル%のものであり、G2/G3(モル比) は0.3/1 〜3
/1、R1は炭素数3〜20の1価の炭化水素基、aは0また
は1、m及びnは1〜30の正数、pは10〜100 、qは1
〜10の正数]で示されるポリオキシアルキレン変性シリ
コーンオイル30〜80重量%B) 25 ℃における粘度が10〜
100,000cS であるジメチルポリシロキサン100 重量部
と、(CH3)3SiO1/2単位と SiO2 単位とから本質的にな
り、(CH3)3SiO1/2/SiO2の比が 0.4/1〜 1.3/1の範
囲にあるシロキサン樹脂1〜10重量部および微粉末シリ
カ1〜40重量部よりなる配合物5〜50重量%、C)分子量
範囲が500 〜 3,000であり、エチレンオキシ基が10〜85
モル%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレ
ン共重合体5〜50重量%、D)25℃における粘度が10〜50
0cS である分子鎖両末端がモノヒドロキシジメチルシリ
ル基で封鎖された、 ジメチルポリシロキサン2〜20重量
%、とからなることを特徴とするものである。
【0006】すなわち、本発明者らは従来公知のポリオ
キシアルキレン変性オルガノポリシロキサンを主剤とす
る消泡剤の不利を解決する方法について種々検討した結
果、このポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキ
サンについてはこれに含有されるエチレンオキシ基、プ
ロピレンオキシ基の量およびこのモル比を特定したもの
とすると共に、これにジメチルポリシロキサンとシロキ
サン樹脂および微粉末シリカとからなる配合物とエチレ
ンオキシ基の量を特定したポリオキシエチレン−ポリオ
キシプロピレン共重合体および分子鎖末端がモノヒドロ
キシジメチルシリル基で封鎖された直鎖状ジメチルポリ
シロキサンを添加すると、このようにして得られる泡抑
制剤が希釈安定性、消泡安定性、高温安定性のすぐれた
ものとなることを見出した。
【0007】また、特に単一のポリオキシアルキレンで
変性したポリシロキサンに比べて上記したように同一分
子内に2種のポリオキシアルキレンを含有させたポリシ
ロキサンを使用すると、このものがすぐれた希釈安定
性、高温安定性を示すと共に、ジメチルポリシロキサン
と粉末シリカとからなる配合物にシロキサン樹脂を添加
するとこれがすぐれた消泡持続性、破泡性を示すことを
確認し、上記した各成分の種類、配合比などについての
研究を進めて本発明を完成させた。以下にこれをさらに
詳述する。
【0008】
【作用】本発明は希釈安定性、消泡持続性および高温安
定性がすぐれていることから、特に水性切削油、繊維染
色浴、精練浴などに有用とされる泡抑制剤組成物に関す
るものであり、この泡抑制剤組成物はA)前記した一般式
(1) で示されるポリオキシアルキレン変性シリコーンオ
イル、B)ジメチルポリシロキサンと(CH3)3SiO1/2単位と
SiO2単位からなるシロキサン樹脂および微粉末シリカと
からなる配合物、C)ポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレン共重合体、D)分子鎖末端水酸基ジメチルポリシ
ロキサンの所定量を混合してなるものとされる。
【0009】本発明の泡抑制剤組成物を構成するA)成分
としてのポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルは
一般式
【化3】 で示され、G1はR1、G2またはG3から選択されるもので、
G2、G3は式(CH2)r-O-(R2O)s-Q で示され、R2はエチレン
基およびプロピレン基、rは2〜6、好ましくは2〜
3、sは5〜50、好ましくは15〜45であるものである
が、G2は(R2O) 基中のエチレンオキシ基が10〜30モル
%、G3は(R2O) 基中のエチレンオキシ基が65〜85モル%
のものであることが必要とされる。
【0010】このG2, G3は平均分子量が500 未満ではア
ルキレンオキシ基の親水性基としての効果が十分発揮さ
れず、3,000 を越えると粘度が高くなりすぎて分散性、
作業性が悪くなるので、500 〜3,000 の範囲、好ましく
は1,000 〜2,000 のものとする必要がある。また、この
G2, G3については式中のG2/G3(モル比) が0.3 未満では
疎水性部分が多くなって分散性が悪くなり、3を越える
と消泡性が悪くなるので、0.3 〜3の範囲とする必要が
ある。
【0011】なお、上記におけるQは水素原子またはメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基、アセ
チル基、イソシアン酸基などから選択される1価の有機
基、R1は1価の炭化水素基であるが炭素数が20を越える
と消泡性、水分散性が悪くなることから炭素数が3〜20
のものとされるものであり、このm,nは1〜30の正数
でm+nは3〜40、好ましくは3〜20の数、pは10未満
では消泡性が悪くなるし、粘度の低下により保存分離安
定性も悪くなり、100 を越えると希釈時の粘度が高くな
って作業性が悪くなることから10〜100 、好ましくは20
〜60とされるもの、qは1〜10の正数とされるものであ
るが、このものは分子中に占めるシロキサンで代表され
る疎水性部分の含量、すなわち全分子量からG2, G3の分
子量を除いた量が5〜30重量%からなるものとすること
がよい。
【0012】このポリオキシアルキレン変性シリコーン
オイルは従来公知の方法で合成することができるが、こ
れは例えば≡SiH 基を含有するメチルポリシロキサンに
分子鎖末端にビニル基あるいはアリル基等を有する二種
以上のポリオキシアルキレン化合物と炭素数3〜20の不
飽和オレフィン類を白金触媒の存在下に付加反応させる
か、≡SiH 基とR1基を含有するオルガノポリシロキサン
に分子鎖末端にビニル基またはアリル基等を有する二種
以上のポリオキシアルキレン化合物を付加反応させれば
容易に得ることができるが、本発明の泡抑制剤組成物 1
00重量%中におけるA)成分の配合量は30重量%未満では
水分散性が悪く、80重量%より多くすると均一で安定な
自己乳化エマルジヨンとなりにくいということから30〜
80重量%、より好ましくは50〜70重量%の範囲とすれば
よい。
【0013】つぎに本発明の泡抑制剤組成物を構成する
B)成分としての配合物は、本発明の泡抑制剤組成物に消
泡持続性を付与するための主成分となるもので、これは
ジメチルポリシロキサンと(CH3)3SiO1/2単位とSiO2単位
とから本質的になるシロキサン樹脂および微粉末シリカ
とからなるものとされる。
【0014】ここに使用されるジメチルポリシロキサン
は線状、分岐状のいずれであってもよいが、分子鎖末端
がトリメチルシリル基で封鎖されたものが好ましい。こ
のジメチルポリシロキサンは分散のし易さ、作業性の面
からは粘度ができるだけ低いものとすることがよく、消
泡持続性の面からは粘度が高いほうがよいのであるが、
粘度が10cS未満では得られる組成物が安定性の乏しいも
のとなり、100,000cSより大きいと得られる組成物を泡
抑制剤組成物として使用する前に水で希釈するときの増
粘性が著しくなって作業性に難点が生じるので、10〜10
0,000cS の範囲、好ましくは100 〜5,000cS のものとす
ることがよい。
【0015】また、ここに使用されるシロキサン樹脂は
公知の方法(米国特許第2,676,182号、第2,814,601
号、第2,857,356 号、特開昭61-195129 号、特開昭63-2
56628号公報参照)によって容易に製造することができ
る。このシロキサン樹脂は(CH3)3SiO1/2単位/SiO2単位
との比が0.4/1 〜1.3/1 の範囲のものとされるが、これ
は有機溶剤あるいはジメチルポリシロキサンに溶解した
ものとして使用する。この有機溶剤あるいはジメチルポ
リシロキサンはシロキサン樹脂を安定に分散し得るもの
であれば特に限定されるものではないが、これには粘度
が0.6 〜100cS であるジメチルポリシロキサン、常圧下
での沸点が70〜300 ℃である飽和脂肪族炭化水素、脂肪
族アルコ−ル、芳香族炭化水素などが例示される。
【0016】このジメチルポリシロキサンとしてはヘキ
サメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテ
トラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、
ドデカメチルシクロヘキサシロキサンなどの環状ジメチ
ルポリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタ
メチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、
ドデカメチルペンタシロキサン、テトラデカメチルヘキ
サシロキサンなどの線状ジメチルポリシロキサンが例示
される。
【0017】また、ここに使用される飽和脂肪族炭化水
素としてはn-ヘプタン、シクロヘキサン、ケロシン、イ
ソパラフィン類やトリクロロエタン、トリクロロエチレ
ン、パ−クロロエチレンなどの塩素炭化水素が例示さ
れ、脂肪族アルコ−ルとしてはエタノ−ル、イソプロピ
ルアルコ−ル、n-プロピルアルコ−ル、n-ブチルアルコ
−ル、t-ブチルアルコ−ル、イソプロピルアルコ−ルな
どがさらに芳香族炭化水素としてはベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどが例示される。
【0018】また、ここに使用される微粉末シリカは公
知のものでよく、湿式シリカ、乾式シリカのいずれでも
よいことから、これには沈降シリカ、シリカキセロゲ
ル、ヒュームドシリカ、さらにはその表面を有機シリル
基で処理したものなどが示され、具体的にはアエロジル
[日本アエロジル(株)製商品名]、ニプシル[日本シ
リカ(株)製商品名]、キャボシル[米国キャボット社
製商品名]、サントセル[米国モンサントケミカル社製
商品名]などがあげられるが、これらはBET 法による比
表面積が100m2/g 以上のものとすることが好ましい。
【0019】このジメチルポリシロキサン、シロキサン
樹脂および微粉末シリカの配合比はジメチルポリシロキ
サン100 重量%に対して、シロキサン樹脂を 0.1〜10重
量部および微粉末シリカを1〜40重量部を配合したもの
とすればよい。このシロキサン樹脂は0.1 重量部未満で
は消泡持続性能が劣るし、10重量部より多くすると得ら
れる組成物の水希釈安定性が低下するため0.1〜10重量
部とされるが、より好ましくは0.5 〜5重量部である。
また、この微粉末シリカは1重量部未満では消泡性能が
劣るし、40 重量部より多くすると組成物の粘度が増加し
て水分散性が低下するので1〜40重量部とされるが、よ
り好ましくは5〜20重量部である。
【0020】本発明で使用されるB)成分としての配合物
は上記したジメチルポリシロキサンオイル、シロキサン
樹脂、微粉末シリカを配合し、室温〜200 ℃で熱処理
し、必要に応じ低沸点留分を除くことによって製造する
ことができるが、本発明の泡抑制剤組成物100 重量%中
におけるこのB)成分の配合量は5重量%未満では消泡性
能が十分に発揮されず、また50重量%より多くするとこ
の系が増粘されて作業性に問題が生ずるので、これは5
〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲とする
ことがよい。
【0021】また、本発明の泡抑制剤組成物を構成する
C)成分としてのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピ
レン共重合体は上記したA), B)成分および後記するD)成
分を乳化分散するための乳化助剤となるものであるが、
このものは分子量が500 未満では得られる組成物が経時
安定性のわるいものとなり、3,000 を越えると粘度が高
くなって分散性に影響が与えられるので、分子量が500
〜3,000 の範囲のもの、好ましくは1,500 〜2,500 のも
のとすることが必要とされる。
【0022】また、これはC)成分に含有されているエチ
レンオキシ基が10モル%未満では疎水性が強くなって乳
化助剤としての働きが不充分となり、85モル%を越える
と親水性が大きくなりすぎてこの場合も乳化助剤として
の働きが十分発揮されなくなるので、エチレンオキシ基
の含有量が10〜85モル%の範囲、好ましくは30〜70モル
%のものとすることが必要とされるが、このものの泡抑
制剤組成物 100重量%中における配合量は5重量%未満
では保存安定性が悪くなり、50重量%より多くすると組
成物の希釈安定性が悪くなるということから、これは5
〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲とすれ
ばよい。
【0023】本発明の泡抑制剤組成物を構成するD)成分
としてのジメチルポリシロキサンは分子鎖両末端がモノ
ヒドロキシジメチルシリル基で封鎖されたもので直鎖状
のものとされる。これは本発明の泡抑制剤組成物におけ
る前記したA)成分とB)成分のバインダーとして有効とさ
れるもので、モノヒドロキシジメチルシリル基が本来相
溶性の少ないA)成分とB)成分の界面張力を下げる働きが
あり、これら成分の相溶性を向上させるものであるが、
このものは粘度が10cS未満ではオイルスポットの原因と
なり、500cS より粘度が高いと粘度を下げることができ
ず、その添加効果が不十分となるので、この泡抑制剤組
成物の粘度を上げないためにも粘度が10〜500cS 好まし
くは30〜200cS のものとすることが必要とされる。
【0024】なお、D)成分の泡抑制剤組成物 100重量%
中における配合量は2重量%未満では上記した効果が十
分発揮されず、20重量%より多くすると粘度が低くなり
すぎてシリカ分が沈降するなど経時の保存安定性がわる
くなるので、これは2〜20重量%、より好ましくは5〜
15重量%の範囲となるようにすればよい。
【0025】本発明の泡抑制剤組成物は上記したA)〜D)
成分の所定量を混合することによって得ることができる
が、これはこれらの各成分を例えばホモミキサーなどの
混合機を用いて均一に混合すればよく、この混合順序は
特に限定されないけれども、混合時に40〜150 ℃の範囲
で加熱してもよい。
【0026】このようにして得られた本発明の泡抑制剤
組成物はこれを添加した液にすぐれた低発泡性を長時間
付与すると共に、このものは分散安定性がすぐれてお
り、高温、高剪断下での機械的安定性にすぐれていて凝
集を起すこともないので、水性切削油や各種染色工程に
おける油剤または一般塗料用、各種油剤内添用消泡剤と
して好適に使用することができる。
【0027】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが例
中における粘度は25℃での測定値を示したもの、各種物
性はつぎの試験法による測定値を示したものである。
【0028】(希釈安定性試験法)泡抑制剤組成物の10
%水分散液 100gを 200mlのガラスビーカーに入れ、25
℃で1日保存した後の経時安定性を目視により以下のよ
うに評価した。 ◎…良好なエマルジョン、オイル浮きが認められない。 ○…オイル浮きあるいはシリカ沈降が若干ある。 △…オイル浮きが多く、シリカ沈降も多い。
【0029】(消泡性試験法)1,000cc のメスシリンダ
ーに0.2 %オレイン酸ナトリウム水溶液100 gを入れ、
泡抑制剤組成物の10%水分散液 1.0g (有効成分として
1,000ppm)を添加し、ガラスディフェーザ−ストーンを
通して 1.0リットル/分で空気を吹込むエアーバブリン
グ法で5分後の起泡量(泡量+液量)を25℃で測定し
た。
【0030】実施例1 成分A) 平均組成式
【化4】 で示される粘度が950cS のポリオキシアルキレン変性シ
リコーンオイル650g、
【0031】成分B) 粘度が1,000cS であるジメチルシリコーンオイル(B−
1)439g、粘度が100cSであるジメチルシリコ−ンオイ
ル(B−2)439 g、 平均粒径が1.4 μm で比表面積が
300m2/g である湿式シリカ(B−3)100 gおよび(C
H3)3SiO1/2/SiO2 の比が0.58/1であるシロキサン樹脂の
60%トルエン溶液(B−4)42gをガラス製2リットル
フラスコ中において減圧下100mmHg で120 ℃にて低沸点
物を留去し、150 ℃で3時間熱処理し、ホモミキサーで
混合したもの150g、
【0032】成分C) 式
【化5】 で示される粘度が250cS であるポリオキシエチレン−ポ
リオキシプロピレン共重合体150g、 成分D) 粘度が56cSである分子鎖両末端がシラノ−ル基で封鎖さ
れている直鎖状ジメチルシリコーンオイル80g、 上記A)〜D)成分を混合し、ホモミキサーで5分〜10
分撹拌して泡抑制剤組成物イ)を調整し、このものの希
釈安定性、消泡性をしらべたところ、後記する表1に示
したとおりの結果が得られた。
【0033】実施例2 成分B)として実施例1における(B−1)439 g、
(B−2)439 g、(B−3)100 gおよび(CH3)3SiO
1/2/SiO2 の比が0.7 /1 であるシロキサン樹脂の60%
トルエン溶液(B−5)42gを使用したほかは実施例1
において使用した成分A)、C)、D)と共に実施例1
と同様に処理して泡抑制剤組成物ロ)を調製し、このも
のの希釈安定性、消泡性をしらべたところ、後記する表
1に示したとおりの結果が得られた。
【0034】実施例3 成分B)として実施例1における(B−1)439g、 (B
−2)439g、 (B−3)100gおよび(CH3)3SiO1/2/SiO2
の比が0.74/1であるシロキサン樹脂の60%トルエン溶液
(B−6)42gを使用したほかは実施例1において使用
した成分A)、C)、D)と共に実施例1と同様に処理
して泡抑制剤組成物ハ)を調製し、このものの希釈安定
性、消泡性をしらべたところ、後記する表1に示したと
おりの結果が得られた。
【0035】実施例4 成分B)として実施例1における(B−4)の代わりに
(CH3)3SiO1/2/SiO2 の比が0.85/1であるシロキサン樹脂
の60%トルエン溶液(B−7)42g を使用したほかは実
施例1で使用した成分A)、C)、D)と共に実施例1
と同様に処理した泡抑制剤組成物ニ)を作り、このもの
の希釈安定性、消泡性をしらべたところ、後記する表1
に示したとおりの結果が得られた。
【0036】実施例5 成分B)として実施例1の(B−4)の代わりに(CH3)3
SiO1/2/SiO2 の比が1.1/1 であるシロキサン樹脂の60%
トルエン溶液(B−8)42g を使用したほかは、実施例
1で使用した成分A)、C)、D)と共に実施例1と同
様に処理して泡抑制剤組成物ホ)を作り、このものの希
釈安定性、消泡性をしらべたところ、後記する表1に示
したとおりの結果が得られた。
【0037】実施例6 成分B)として実施例1の(B−4)の代わりに(CH3)3
SiO1/2/SiO2 の比が1.15/1であるシロキサン樹脂の60%
トルエン溶液(B−9)42g を使用したほかは、実施例
1と同様の成分で同様の処理を行なって泡抑制剤組成物
ヘ)を調製し、このものの希釈安定性、消泡性をしらべ
たところ、後記する表1に示したとおりの結果が得られ
た。
【0038】実施例7 成分B)として実施例1の(B−4)の代わりに(CH3)3
SiO1/2/SiO2 の比が1.3/1 であるシロキサン樹脂の60%
オクタメチルシクロテトラシロキサン溶液(B−10)42
g を使用したほかは、実施例1と同様の成分で同様の処
理を行なって泡抑制剤組成物ト)を調製し、このものの
希釈安定性、消泡性をしらべたところ、後記する表1に
示したとおりの結果が得られた。
【0039】比較例1 成分B)として実施例1における(B−1)450g、 (B
−2)450gおよび(B−3)100gを使用したのみでシロ
キサン樹脂を使用しないものとしたほかは、実施例1で
使用した成分A)、C)、D)と共に実施例1と同様に
処理して泡抑制剤組成物チ)を作り、このものの希釈安
定性、消泡性をしらべたところ、後記する表1に示した
とおりの結果が得られた。
【0040】比較例2 成分B)として実施例1で使用した(B−1)450g、
(B−2)450g(B−3)100gおよびヘキサメチルジシ
ラザン(B−11)100g使用したほかは、実施例1で使用
した成分A)、C)、D)と共に実施例1と同様に処理
して泡抑制剤組成物リ)を作り、このものの希釈安定
性、消泡性をしらべたところ、後記する表1に示したと
おりの結果が得られた。
【0041】比較例3 成分A)として平均組成式が式
【化6】 で示される粘度が1,800cS のポリオキシアルキレン変性
シリコ−ンオイル650 gを使用し、成分B)、C)、
D)として比較例1と同様のものに使用して実施例1と
同様に処理して泡抑制剤組成物ヌ)を調製し、このもの
の希釈安定性、消泡性をしらべたところ、後記する表1
に示したとおりの結果が得られた。
【0042】比較例4 成分A)は比較例3と同じものとし、成分B)、C)、
D)は実施例2と同じものを使用し、これらを同じ配合
量で処理して泡抑制剤組成物ル)を調製し、このものの
希釈安定性、消泡性をしらべたところ、つぎの表1に示
したとおりの結果が得られた。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明は泡抑制剤組成物に関するもの
で、これは前記したようにA)一般式(1)で示される
ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、B)ジメ
チルポリシロキサンオイルとシロキサン樹脂および微粉
末シリカとからなる配合物、C)ポリオキシエチレン−
ポリオキシプロピレン共重合体およびD)分子鎖末端が
モノヒドロキシジメチルシリル基で封鎖されたジメチル
ポリシロキサンオイルとからなることを特徴とするもの
であるが、このものは従来公知のシリコーン系消泡剤に
くらべて希釈安定性、消泡持続性、高温特性においてす
ぐれていることから添加量を削減できるという工業的有
利性の与えられるものであるが、このものは特に安定性
にすぐれており、水性切削油用、各種油剤用、繊維染色
工程、精練工程用消泡剤として好適に使用することがで
きる。
フロントページの続き (72)発明者 桑田 敏 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社 シリコーン電 子材料技術研究所内 (56)参考文献 特開 平3−157106(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A)一般式 【化1】 [G1はR1、G2またはG3から選択される基、G2, G3は分子
    量が500 〜3,000 の式(CH2)r-O-(R2O)sQ (R2はエチレン
    基およびプロピレン基、Qは水素原子または炭素数1〜
    8のアルキル基、アセチル基、イソシアン酸基から選択
    される1価の有機基、rは2〜6、sは5〜50)で示さ
    れる基で、G2は (R2O)基中のエチレンオキシ基が10〜30
    モル%、G3は (R2O)基中のエチレンオキシ基が65〜85モ
    ル%のものであり、G2/G3(モル比) は0.3/1 〜3/1、R1
    は炭素数3〜20の1価の炭化水素基、aは0または1、
    m及びnは1〜30の正数、pは10〜100 、qは1〜10の
    正数]で示されるポリオキシアルキレン変性シリコーン
    オイル30〜80重量%、 B) 25 ℃における粘度が10〜100,000cS であるジメチル
    ポリシロキサン100 重量部と、(CH3)3SiO1/2単位と SiO
    2 単位とから本質的になり、(CH3)3SiO1/2/SiO2の比が
    0.4/1〜 1.3/1の範囲にあるシロキサン樹脂1〜10
    重量部および微粉末シリカ1〜40重量部よりなる配合物
    5〜50重量%、 C)分子量範囲が500 〜 3,000であり、エチレンオキシ基
    が10〜85モル%であるポリオキシエチレン−ポリオキシ
    プロピレン共重合体5〜50重量%、 D)25℃における粘度が10〜500cS である分子鎖両末端が
    モノヒドロキシジメチルシリル基で封鎖された、ジメチ
    ルポリシロキサン2〜20重量%、とからなることを特徴
    とする泡抑制剤組成物。
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