JP2663049B2 - 複合板の製造方法 - Google Patents

複合板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防火性能に優れた建材
用又は家具用部材として用いられる複合板を効率的に製
造することのできる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に挽材、合板、単板積層板(LV
L,LVB)と呼ばれる木質板は、適宜その表面に塗
装、紙張り等の加工を施した上で、建築用及び家具用部
材として多種多様な用途に用いられている。
【0003】近年これら木質板に対する防火性能の向上
が要求されるようになり、この目的のために種々の提案
がなされている。例えば、木質単板と金属板とを積層複
合して複合板とする方法(特公昭53−39号公報)や
板又は単板状態で木材固有の細胞孔内に不燃性無機化合
物を分散定着することによって難燃化する方法(特開昭
61−244502号公報)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
複合された木質板は一定の繊維方向を有するため、水分
の吸放出により膨張収縮が発生し、特に繊維方向に対し
て垂直の方向における膨張率が大きくなって寸法安定性
に欠け、更に表面塗装、紙張り等の加工の際に金属表面
に酸処理等の下地処理を施す必要がある等の問題点を有
していた。
【0005】また、木質板を板又は単板状態にて難燃化
する方法は、不燃性無機化合物を木材の絶乾重量に対し
て40%以上含浸分散させるためには、断面形状の大き
さ等にもよるが、不燃性無機化合物を溶解した溶液中に
木質板を長時間浸漬する必要があり、効率性が悪かっ
た。また、不燃性無機化合物は木質板の表裏面及び木口
近辺の周辺部に多く含浸され、長時間浸漬したとして
も、内部まで十分に且つ均一に分散定着させることは極
めて困難であった。不燃性無機化合物溶液中に浸漬処理
した後、木質板の外周部に付着した粉状の不燃性無機化
合物は水洗除去されるが、このようにして除去された不
燃性無機化合物を回収して再利用することが困難である
ため、不経済であると共に廃液の処理工程も必要とな
る、等多くの問題点を有するものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者は、防火性能に優れ且つ寸法安定性にも優れた
建築用板を提供すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を
完成するに至ったものである。
【0007】即ち、本発明者は、廃材から得られる木質
繊維又は木削片を原料として一体成形する木質繊維板又
は木削片板の優れた寸法安定性に着目し、複数枚の木質
繊維板及び/又は木削片板と金属箔とを積層し複合化す
ることによって防火性能に優れた複合板を得ようと考
え、複数の木質繊維板/木削片板と金属箔とを交互に配
し接着剤を介して加熱圧締による接着を試みたが、加熱
圧締の途中で板材中の水分に起因するパンク現象が生じ
てしまい、目的とする複合板を得ることができなかっ
た。
【0008】このパンク現象について木質繊維板を例に
して更に説明すると以下の通りである。まずチップを解
繊して得られた木質繊維に接着剤を塗布し乾燥した後、
この木質繊維を堆積してマット化したものを加熱成形し
て木質繊維板を得る。この木質繊維板について調湿を行
って大気中の水分を吸収させることにより平衡含水率に
至るまで養生された後、表面のサンディング加工及び定
寸への切断が行われる。この調湿養生は、加熱圧締によ
り得られた木質繊維板の含有水分両が非常に低く絶乾状
態に近くなっているため、そのままの状態でサンディン
グ加工及び切断加工を行うと、加工後に木質繊維板が水
分を吸収して膨張に伴う反りが発生してしまうため、こ
れを防ぐ目的で行われる。このように木質繊維板として
得られるものは平衡含水率まで水分を含有しているた
め、このような木質繊維板を複数積層して接着剤を介し
て加熱圧締すると、板材中の水分が蒸発して外に出よう
とする力が生じ、解圧の際に水蒸気の放出に伴うパンク
が発生してしまうことが判明した。この現象は木削片板
を用いた場合も同様である。
【0009】そこで本発明者は、木質繊維板/木削片板
に代えて、木質繊維/木削片に熱硬化性樹脂接着剤を添
加し乾燥したものをコンベア上に落下堆積して得られる
木質堆積層と金属箔層とを交互に積層した後に加熱圧締
して接着一体成形することに想到し、本発明に至ったも
のである。
【0010】即ち本発明は、木質繊維又は木削片の細胞
孔内の空隙部及び/又は細胞孔内壁面及び/又は該木質
繊維又は木削片の外周一部に不燃性無機化合物を充填又
は付着或いは固着せしめることにより防火処理が施され
た該木質繊維又は木削片に熱硬化性樹脂接着剤を添加し
乾燥させたものをコンベア上に落下堆積して得られる木
質堆積層と、金属泊層とを、交互に配して表裏に前記木
質堆積層が配置されるよう積層した後、加熱圧締して接
着一体成形することを特徴とする、複合板の製造方法で
ある。
【0011】本発明によって製造される複合板は図1に
略示されるように、金属箔層2の表面側及び裏面側に夫
々木質繊維層及び/又は木削片層(以下これらを総称し
て木質堆積層と言う)1a,1bが夫々積層接着された
サンドイッチ構造をなす。図1の構成例では、表面側及
び裏面側の木質堆積層1a,1bが略同一の厚さであっ
て、金属箔層2が複合板全体の厚さ方向において略中央
に配置されているが、図2に示すように、表面側の木質
堆積層1aを裏面側の木質堆積層1bよりも薄層として
金属箔層2が複合板の表面近傍に配置されるよう構成し
ても良い。また、表面側と裏面側の木質堆積層1a,1
bは、共に木質繊維層であっても、また共に木削片層で
あっても良く、或は表面層1aを木質繊維層として裏面
層1bを木削片層とし、或はその逆であっても良い。こ
れらの組み合わせは複合板の用途に応じて任意選択され
る。また木質堆積層及び金属箔層の数は限定的ではな
く、図3に示されるように複数の金属箔層2a,2bと
複数の木質堆積層1a,1b,1cとを交互に積層して
表裏面に木質堆積層が配置されるような構成のものであ
っても良い。上記したような可変要因によって、同一厚
さであっても種々の構成態様の複合板をその用途に応じ
て得ることができる。
【0012】本発明の製造方法において、例えばラワ
ン、カポール、栗、ポプラ等の広葉樹材又は松、杉、桧
等の針葉樹材をチップにした後、常法に従って解繊する
ことによって得られる木質繊維、或は小径木、製材廃
材、原木むき芯、廃材チップ等を原料として切削及び破
砕して得られる木削片を原料として用いる。
【0013】得られた木質繊維又は木削片に、尿素樹脂
系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接
着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ポリイソシアネート樹脂
系接着剤又はこれら複合樹脂接着剤等の熱硬化性樹脂接
着剤を添加する。これら熱硬化性樹脂接着剤の添加量
は、木質繊維又は木削片に対して10〜20重量%、そ
の樹脂率を30〜60%とすることが好ましい。接着剤
は低樹脂率の方が木質繊維に対して均一に混入すること
ができる。
【0014】金属箔層としては、鉄、アルミニウム、ス
テンレス、銅等の金属又は合金であって厚さ20〜10
0μの金属箔が好適に用いられる。この金属箔の表面に
は必要に応じてメッキ処理等の防錆処理が施される。ま
た、金属箔に微小孔を複数設けてメッシュ状としたもの
や、金属糸を用いて織った金属織布を、本発明における
金属箔層として用いることもできる。このようにして微
小孔等により通気性を持たせた金属箔を用いることによ
り、接着剤を添加乾燥した木質繊維又は木削片中に残存
する水分が加熱圧締の際に外に逃げようとする動きが規
制されなくなるので、解圧の際に生ずるパンク現象を有
効に防止することができる。
【0015】本発明方法に従って複合板を製造する工程
について、木質繊維層を設ける場合を例としてより詳細
に説明すると、前記針葉樹材又は広葉樹材のチップを高
温高圧蒸気下で蒸煮して脱脂軟化処理した後、解繊装置
によって解繊して木質繊維を得る。この木質繊維は長さ
が1〜30mm、太さが直径2〜300μ程度のものが
大半を占め、木材の細胞や導管孔或は仮導管孔から成る
細胞孔が数本ないし数十本束になった形をしており、繊
維外周部の細胞壁は引き裂かれたり割れ目を生じたりし
ていることが多いため、湿気や水分を多く吸収する。
【0016】得られた木質繊維を乾燥装置により乾燥し
た後、混合装置に投入して、前記熱硬化性樹脂接着剤を
添加混合する。混合装置においては必要に応じてサイズ
剤、発水剤、減煙剤等任意添加剤を同時に混合すること
ができる。
【0017】熱硬化性樹脂接着剤を付着された木質繊維
は、次いで熱風ダクト中を風送搬送しながら乾燥する。
この際の風送速度は木質繊維の比重、送り量、前後の工
程の処理能力等によって広範囲に調整されるが、一般に
約15〜20m/秒とされる。この熱風による風送で木
質繊維は6〜15%程度の水分量まで乾燥される。
【0018】乾燥された木質繊維はフォーミング装置に
投入され、コンベア上に落下させて木質繊維堆積層を形
成する。図4は図3に示される構成の複合板を製造する
際に用いられる装置全般の概略構成を示し、木質繊維を
落下堆積させるフォーミング装置10a,10b,10
cの間に金属箔を供給する金属箔ロール20a,20b
を夫々配置し、木質繊維堆積層と金属箔とが交互に積層
された積層体12を形成した後、切断機14によって適
宜寸法に切断して定寸積層体16とし、これをホットプ
レス18に投入して加熱圧締することによって目的とす
る図3の如き複合板が得られる。木質繊維堆積層と金属
箔とを積層する際に、金属箔の表裏面に、木質繊維に添
加混合した接着剤と同様の熱硬化性樹脂接着剤を予め塗
布しておくことにより、複合板の接着強度を更に向上さ
せることができる。
【0019】本発明においては、少なくともその表面側
に配される木質繊維層/木削片層1aを得るに当たっ
て、その木質繊維又は木削片に予め防火処理を施して
く。この防火処理は、熱硬化性樹脂接着剤が添加される
前の木質繊維又は木削片の細胞孔内の空隙部及び/又は
細胞孔内壁面及び/又は該木質繊維又は木削片の外周部
に不燃性無機化合物を充填又は付着或いは固着せしめる
べく処理するものであって、この処理について木質繊維
の場合を例として詳述すると以下の通りである。
【0020】即ち、熱硬化性樹脂接着剤が添加される前
であって乾燥装置において適宜乾燥処理された直後の木
質繊維を水溶性無機塩の水溶液(以下「第1液」と称
す)中に十分に浸漬させて含浸させる。この際、減圧又
は加圧を加えて含浸処理を強制的に促進させると有効で
ある。また木質繊維を乾燥することなく高含水率状態と
して、或は一旦乾燥した後に水または温水に浸漬して吸
水させこれを飽水状態とした後に、第1液中に浸漬させ
て拡散含浸させても良い。第1液としては、MgC
,MgBr,MgSO・HO,Mg(N
・6HO,AlCl,AlBr,Al
(SO,Al(NO・9HO,CaCl
,CaBr,Ca(NO,ZnCl,Ba
Br,BaCl・2HO,Ba(NO等の
水溶液が例示される。木質繊維を第1液に浸漬含浸せし
めることによって溶質の無機塩のイオンが拡散により木
質繊維の細胞孔内にまで入り込む。
【0021】次いで余剰分の第1液を除去するために脱
液処理を行う。脱液処理は例えば遠心脱液或はシャワ
ー、どぶ漬けの水洗い等の手段によって行われ、余剰分
の第1液を除去することによって木質繊維表面において
不燃性無機化合物が過剰に生成されることを抑制し、次
に含浸される水溶液の拡散含浸を良好にする。また木質
繊維に付着又は固着されない遊離状態で不燃性無機化合
物が生成されることを防止する。脱液処理後、必要に応
じて、表面に析出した第1液の成分結晶を除去する。
【0022】次いで、第1液と反応して水不溶性の不燃
性無機化合物を生成するような化合物液(以下「第2
液」と称す)をブレンダー,スプレー等を用いて木質繊
維に添加混合し或は浸漬せしめることによって、該第2
液を木質繊維に含浸させる。第1液の場合と同様に、減
圧又は加圧処理によって木質繊維に対する第2液の含浸
を促進せしめることができる。第2液としては、Na
CO,HSO,(NHCO,NaSO
,(NHSO,HPO,NaHP
,(NHHPO,HBO,NaB
,NHBO等が例示される。第2液を塗布ない
し浸漬することにより木質繊維の細胞孔内に該第2液が
拡散含浸され、木質繊維中で第1液と第2液とが反応
し、不燃性無機化合物が生成される。生成される不燃性
無機化合物としては、リン酸マグネシウム,リン酸カル
シウム,リン酸バリウム,リン酸アルミニウム,ホウ酸
マグネシウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,リ
ン酸亜鉛,炭酸バリウム,硝酸カルシウム,硝酸バリウ
ム等のカルシウム化合物、マグネシウム化合物、アルミ
ニウム化合物、バリウム化合物、鉛化合物、亜鉛化合
物、ケイ酸化合物等が例示される。例えば第1液として
塩化バリウムを用い、第2液としてリン酸水素アンモニ
ウムを用いて反応させると、バリウムのカチオンとリン
酸のアニオンとが反応して、リン酸バリウムとリン酸水
素バリウムとが生成される。
【0023】反応終了後、遠心脱液或はシャワー、どぶ
漬け等による水洗い等の手段によって脱液処理して余剰
分の第2液を除去する。第2液の浸漬処理及び脱液処理
は必要に応じて複数回反復して行っても良い。脱液処理
後、乾燥してその含水率を25%以下、好ましくは7〜
15%とする。この不燃性無機化合物は水不溶性である
ため、乾燥後において、木質繊維の細胞孔内又は細胞孔
内壁面に充填ないし付着或は固着されると共に木質繊維
外周部にも付着或は固着される。これにより、木質繊維
表面に現出される空隙孔や割れ目を閉塞ないし充填する
ような形で不燃性無機化合物が存在することとなる。
【0024】不燃性無機化合物は、木質繊維に対して3
3重量%以上の割合で混入されることが好ましく、これ
以下では十分な防火性能が得られない。また第1液と第
2液との反応効率を高めるために、第2液の添加混合は
加熱雰囲気下、特に40℃以上更に好ましくは50℃以
上の温度で行うことが好ましい。また第1液と第2液を
温水状態としてこれに木質繊維を浸漬せしめ、あるいは
第1液及び第2液の浸漬時に超音波やバイブレータ等に
よって電気的或は機械的振動を与えるようにすると、木
質繊維中への処理液の拡散並びに反応が良好に行われ
る。なお第1液と第2液とによる処理順序は問わず、先
に第2液による処理を行っても勿論良い。
【0025】かくして、木質繊維の細胞孔内または内壁
面に不燃性無機化合物が固着され且つその外周部にも不
燃性無機化合物が固着または付着されて防火処理された
木質繊維が得られる。この防火処理された木質繊維は前
記したように混合装置に投入されて熱硬化性樹脂接着剤
が添加混合される。
【0026】なお木質繊維又は木削片に対する防火処理
は上記した方法に加えて更に別の処理を併用して行って
も良い。例えば、従来より防火薬剤として公知の物質、
例えば、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、臭化
アンモニウム等のアンモニウム塩、炭酸カリウム、炭酸
ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属塩、塩化
カルシウム、塩化マグネシウム等のアルカリ土類金属
塩、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属化合
物等の溶液中に木質繊維又は木削片を浸漬含浸させた後
乾燥することによる防火処理を併用することができる。
【0027】
【実施例】
[実施例1] ラジアータパインのチップを160℃、7kg/cm
で5分間煮沸して脱脂軟化処理を行った。このチップを
デファイブレータ式リファイナで解繊し、得られた木質
繊維を乾燥した。この木質繊維を塩化バリウム30%水
溶液に10分間浸漬し、拡散処理した後脱液した。これ
を熱風乾燥してその含水率を7%に調整した。この木質
繊維をブレンダ装置に投入してリン酸アンモニウム40
%水溶液を添加混合し、該木質繊維の細胞孔等の孔内及
び木質繊維外周部に水不溶性のリン酸バリウムとリン酸
水素バリウムとから成る不燃性無機化合物を生成させた
後脱液水洗し、熱風乾燥してその含水率を6%に調整し
た。この防火処理による木質繊維の重量増加率は40%
であった。
【0028】防火処理された木質繊維をブレンダーに投
入し、該ブレンダー内において木質繊維量に対して4%
のワックスサイズ剤及び10%のフェノール樹脂接着剤
を添加混合した後、フォーミング装置に搬送し、スクリ
ーンコンベア上に落下させ堆積させて木質繊維堆積層を
形成した。
【0029】スクリーンコンベア上には、このようにし
て3層の木質繊維堆積層を形成する第1乃至第3のフォ
ーミング装置及び夫々45μm厚の鉄箔を供給する第1
及び第2の鉄箔供給ロールを、図4のように、コンベア
搬送方向下流側から第1のフォーミング装置、第1の鉄
箔供給ロール、第2のフォーミング装置、第2の鉄箔供
給ロール、第3のフォーミング装置の順に配置して、表
面側から木質繊維堆積層/鉄箔/木質繊維堆積層/鉄箔
/木質繊維堆積層の順に堆積された連続状マットを得
た。
【0030】このようにして得られた連続状マットを適
当な長さに切断した後、ホットプレスに挿入して200
℃にて5分間熱圧成形して、厚さ13mm、比重0.6
5の複合板を得た。
【0031】この複合板について加熱試験を行ったとこ
ろ、凖不燃材料に合格する防火性能を示すことが確認さ
れた。
【0032】 [実施例2] ラジアータパイン原木又は廃材をフレーカに投入してフ
レーク状の木削片を得た。この木削片を乾燥した後仕分
けして、適性フレーク状の木削片を収集した。この木削
片を実施例1の木質繊維の場合と同様にして防火処理し
た後、連続式ミキサーに投入し、該ミキサー内において
木削片量に対し1%のワックスサイズ剤及び8%のフェ
ノール樹脂接着剤を添加混合した後、フォーミング装置
に搬送し、スクリーンコンベア上に落下させ堆積させ
た。
【0033】スクリーンコンベア上において、実施例1
と同様にして、表面側から木削片堆積層/鉄箔/木削片
堆積層/鉄箔/木削片堆積層の順に堆積された連続状マ
ットを得た。
【0034】このようにして得られた連続状マットを適
当な長さに切断した後、ホットプレスに挿入して200
℃にて5分間熱圧成形して、厚さ13mm、比重0.5
の複合板を得た。
【0035】この複合板について加熱試験を行ったとこ
ろ、凖不燃材料に合格する防火性能を示すことが確認さ
れた。
【0036】
【発明の効果】本発明方法によれば、接着剤を塗布乾燥
させた状態の木質繊維又は木削片を用い、これをフォー
ミング装置によりコンベア上に堆積する際に金属箔と交
互に積層するものであるために、作業効率に優れ、また
熱圧後の解圧時にもパンクを生じさせることがない。従
って寸法安定性に優れ防火性能の向上された複合板を効
率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法によって製造される複合板の構成の
一例を示す斜視図である。
【図2】本発明方法によって製造される複合板の他の構
成例を示す斜視図である。
【図3】本発明方法によって製造される複合板の他の構
成例を示す斜視図である。
【図4】図3の複合板を製造する際に用いられる装置の
概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1a 木質堆積層 1b 木質堆積層 1c 木質堆積層 2 金属箔層 2a 金属箔層 2b 金属箔層

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木質繊維又は木削片の細胞孔内の空隙部及
    び/又は細胞孔内壁面及び/又は該木質繊維又は木削片
    の外周部に不燃性無機化合物を充填又は付着或いは固着
    せしめることにより防火処理が施された該木質繊維又は
    木削片に熱硬化性樹脂接着剤を添加し乾燥させたものを
    コンベア上に落下堆積して得られる木質堆積層と、金属
    箔層とを、交互に配して表裏に前記木質堆積層が配置さ
    れるよう積層した後、加熱圧締して接着一体成形するこ
    とを特徴とする、複合板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記金属箔層の表裏面に熱硬化性樹脂接着
    剤を塗布した後、前記木質マットと積層する、請求項1
    記載の複合板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記金属箔層として、微小孔を複数有する
    金属箔が用いられる、請求項1記載の複合板の製造方
    法。
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