JP2620727B2 - ペプチド脂質 - Google Patents

ペプチド脂質

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JP2620727B2 JP2333335A JP33333590A JP2620727B2 JP 2620727 B2 JP2620727 B2 JP 2620727B2 JP 2333335 A JP2333335 A JP 2333335A JP 33333590 A JP33333590 A JP 33333590A JP 2620727 B2 JP2620727 B2 JP 2620727B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、Arg−Gly−Aspのトリペプチド単位を有す
る、リポソームあるいはミセル等の分子集合体を形成す
るのに最適なペプチド脂質に関する。
〔従来の技術〕
フィブロネクチンは細胞−細胞外基質の接着に関与す
るタンパク質であり、血小板凝集やガン転移にも関与し
ていると考えられている。これらの相互作用は一連の細
胞表面のレセプターにより仲介されること、これらのレ
セプターが、分子量約25万の巨大分子であるフィブロネ
クチンのアルギニン−グリシン−アスパラギン酸(Arg
−Gly−AspまたはRGD)配列を特異的に認識することが
明らかにされ、レセプターとの相互作用に重要なもので
あることが報告されている(ネイチャー(Nature)、第
309巻、30頁、1984年)。
以来、Arg−Gly−Asp配列を有するオリゴあるいはポ
リペプチドを用いる研究が進められている。
例えば、Arg−Gly−Asp配列を有する種々の鎖状およ
び環状のオリゴペプチドを用いて血小板凝集を阻害する
方法(高分子学会予縞集(Polymer Preprints,Japa
n)、第38巻、3149頁、1989年、特開平2−174797
号)、Arg−Gly−Asp配列を有するペプチドを細胞移動
抑制剤として用いる方法(特開平2−4716号)、Arg−G
ly−Aspを固定化したPMMA膜を細胞接着膜として用いる
方法(高分子学会予縞集(Polymer Preprints,Japa
n)、第37巻、705頁、1988年)が報告されている。さら
に、ポリマーにArg−Gly−Aspを必須構成単位とするペ
プチドを共有結合させ動物細胞培養基体、生体複合人工
臓器用基体として用いる方法(特開平1−309682号、特
開平1−305960号)、Arg−Gly−Asp−Ser配列を有する
ポリペプチドを体外血液用血小板保護剤として用いる方
法が開示されている(特開昭64−6217号)。
また、Arg−Gly−Asp配列を有するオリゴペプチドあ
るいはその繰り返し構造を有するポリペプチドを用い
て、ガン転移を抑制する方法が知られている(インター
ナショナル・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・マク
ロモレキュルズ(Int.J.Biol.Macromol.)、第11巻、23
頁、1989年、同誌、第11巻、226頁、1989年、ジャパン
・ジャーナル・オブ・キャンサー・リサーチ(Jpn.J.Ca
ncer Res.)第60巻、722頁、1989年)。
一方、リポソームやミセル等の分子集合体をドラッグ
キャリアーとして用いる方法が多数検討されている
(例えば、リポソーム、245頁〜271頁、南江堂、1988
年、キャンサー・リサーチ(Cancer Res.)第43巻、532
8頁、1983年、ジャーナル オブ コントロールド・リ
リース(J.Controlled Release)269頁、1990年)。
しかし、リポソーム等の分子集合体形成脂質にArg−G
ly−Asp配列を有するペプチド脂質を用いた例は知られ
ていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、Arg−Gly−Aspのトリペプチド単位
を有する、リポソームあるいはミセル等の分子集合体を
形成するのに最適なペプチド脂質誘導体及びその合成法
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の化合物は下記、一般式〔I〕で示される合成
ペプチド脂質またはその塩である。
R2−([X]−Arg−Gly−Asp−[Y])n−Z−R1 ・・・〔I〕 式中、Arg、Gly、Aspはそれぞれアルギニン、グリシ
ン、アスパラギン酸残基を示す。
〔X〕、〔Y〕は、存在するかあるいは存在しないア
ミノ酸残基または、二つあるいは三つのアミノ酸残基か
らなるペプチド残基を示す。存在する場合には〔X〕
〔Y〕は、Ser、Gly、Val、Asn、Pro、Cys、Thrから選
択されるアミノ酸残基または、これらのアミノ酸残基の
組み合わせにより構成されるペプチド残基が好ましい。
特に〔Y〕はSerであることが好ましい。また、
〔X〕、〔Y〕が共に存在しない場合も特に好ましい。
さらに、〔X〕はGly、〔Y〕はSer−Proであることも
特に好ましい。Ser、Val、Asn、Pro、Cys、Thrはそれぞ
れセリン、バリン、アスパラギン、プロリン、システイ
ン、トレオニン残基を示す。nは1〜5の整数を示し、
特に1〜3が好ましい。Zは−O−または−NH−を示
す。
R2は水素原子、HOOC−(CH2−CO−基またはHOOC
−CH=CH−CO−基を示し、特に水素原子、HOOC−(C
H2−CO−基、HOOC−CH=CH−CO−基が好ましい。m
は1〜4の整数を示す。
本発明において、アミノ酸はL−、D−、ラセミ体い
ずれでもよいが、L−アミノ酸が好ましい。
R1は3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基または
フィチル基を示す。
またこれらの化合物の塩も好ましい。
好ましい塩の例として、トリフルオロ酢酸塩、塩酸
塩、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩があげられる。
以下に本発明の好ましい具体例を物性値とともに示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。ただ
し、ペプチド脂質−9、ペプチド脂質−14及びペプチド
脂質−15は本発明のペプチド脂質であるが、その他のペ
プチド脂質は参考例として示すものである。
各塩に関して、そのFAB−マススペクトルはフリー体
のペアレントピークを与える。また、塩の確認はFAB−
マススペクトルの塩に由来するピークにより行なわれ
る。(例えばトリフルオロ酢酸塩(M−CF3COO)(M
−CF3COOH)、CF3COO-(113)、塩酸塩(M−C
l-、(M−HCl)、Cl-(35)のピークにより確認
できる。) ペプチド脂質−1 H−Arg−Gly−Asp−O−C14H29 FAB−MS(Pos.)(M+H)+543 FAB−MS(Neg.)(M−H)-541 アミノ酸分析:Arg0.97,Gly0.97,Asp0.95, ペプチド脂質−2 H−Arg−Gly−Asp−Ser−O−C16H33 FAB−MS(Pos.)(M+H)+658 FAB−MS(Neg.)(M−H)-656 アミノ酸分析:Arg0.96,Gly1.11,Asp0.97,Ser0.76 ペプチド脂質−3 H−Gly−Arg−Gly−Asp−Ser−O−C10H21 FAB−MS(Pos.)(M+H)+631 FAB−MS(Neg.)(M−H)-629 アミノ酸分析:Arg0.96,Gly2.01,Asp0.94,Ser0.77 ペプチド脂質−4 H−Gly−Arg−Gly−Asp−Cys−O−C18H37 FAB−MS(Pos.)(M+H)+805 FAB+MS(Neg.)(M−H)-803 アミノ酸分析:Arg0.96,Gly0.95,Asp0.91,Cys1.88 ペプチド脂質−5 H−Gly−Arg−Gly−Asp−Thr−O−C20H41 FAB−MS(Pos.)(M+H)+785 FAB−MS(Neg.)(M−H)-783 アミノ酸分析:Arg0.94,Gly1.93,Asp0.98,Thr0.71 ペプチド脂質−6 H−Arg−Gly−Asp−NH−C14H29 FAB−MS(Pos.)(M+H)+542 FAB−MS(Neg.)(M−H)-540 アミノ酸分析:Arg1.00,Gly0.99,Asp0.93, ペプチド脂質−7 H−Arg−Gly−Asp−Ser−NH−C16H33 FAB−MS(Pos.)(M+H)+657 FAB−MS(Neg.)(M−H)-655 アミノ酸分析:Arg0.98,Gly0.96,Asp0.99,Ser0.79 ペプチド脂質−8 H−Gly−Arg−Gly−Asp−Thr−NH−C18H37 FAB−MS(Pos.)(M+H)+756 FAB−MS(Neg.)(M−H)-754 アミノ酸分析:Arg0.96,Gly1.94,Asp0.99,Thr0.71 ペプチド脂質−9 FAB−MS(Pos.)(M+H)+627 FAB−MS(Neg.)(M−H)-625 アミノ酸分析:Arg1.03,Gly1.06,Asp0.98, ペプチド脂質−10 H−(Arg−Gly−Asp)−O−C18H37 FAB−MS(Pos.)(M+H)+927 FAB−MS(Neg.)(M−H)-925 アミノ酸分析:Arg2.03,Gly2.10,Asp2.12, ペプチド脂質−11 H−(Arg−Gly−Asp−Ser)−NH−C14H29 FAB−MS(Pos.)(M−H)+1044 FAB−MS(Neg.)(M−H)-1042 アミノ酸分析:Arg1.98,Gly1.98,Asp1.89,Ser1.63 ペプチド脂質−12 H−(Arg−Gly−Asp−)−O−C16H33 FAB−MS(Pos.)(M+H)+1227 FAB−MS(Neg.)(M−H)-1225 アミノ酸分析:Arg3.12,Gly2.94,Asp3.05, ペプチド脂質−13 H−Arg−Gly−Asp−Ser−Pro−NH−C10H21 FAB−MS(Pos.)(M+H)+670 FAB−MS(Neg.)(M−H)-668 アミノ酸分析:Arg0.98,Gly0.98,Asp0.95,Ser0.64,Pro0.
91 ペプチド脂質−14 FAB−MS(Pos.)(M+H)+798 FAB−MS(Neg.)(M−H)-796 アミノ酸分析:Arg0.99,Gly2.10,Asp0.98,Ser0.77,Pro0.
91 ペプチド脂質−15 FAB−MS(Pos.)(M+H)+971 FAB−MS(Neg.)(M−H)-969 アミノ酸分析:Arg1.05,Gly2.16,Asp0.98,Ser0.78,Pro0.
95,Cys0.94 ペプチド脂質−16 HOOC−(CH2−CO−Arg−Gly−Asp−O−C14H29 FAB−MS(Pos.)(M+H)+643 アミノ酸分析:Arg1.12,Gly1.18,Asp1.03 ペプチド脂質−17 HOOC−(CH2−CO−Arg−Gly−Asp−Ser−O−C16H
33 FAB−MS(Pos.)(M+H)+758 アミノ酸分析:Arg1.01,Gly1.11,Asp1.04,Ser0.78 本発明の化合物は、たとえば次の4段階の工程により
合成することができる。
保護アミノ酸と、R1−Z−Hとの縮合 (R1は相当するアルキル基、Zは−O−または−NH−を
示す。) 保護アミノ酸の逐次延伸 脱保護、精製 脱塩及び塩形成 以下、各段階の工程について詳細に説明する。
一般式〔I〕で示される化合物の場合、Yで示され
るアミノ酸の保護体またはYが存在しない場合はAspの
保護体とR1−Z−Hとを縮合し、エステルあるいはアミ
ドとする。
縮合に関しては、DCC法、DCC−additive法、CDI法等
一般の手法が採用される。
保護アミノ酸を逐次伸長する方法としては、既知の
方法、すなわち泉屋ら編「ペプチド合成の基礎と実験」
(丸善)やBodanszky著“PRINCIPLES OF PEPTIDE SYNTH
ESIS"THE PRACTICE OF PEPTIDE SYNTHESIS"(Springer
Verlag,New York)に記載されている方法がいずれも有
効である。縮合反応の段階では、DCC(ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド)法、DCC−additive法、アジド法、C
DI法、混合酸無水物法、活性化エステル法のいずれを採
用してもよいが、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
(HOBt)とDCCを併用するDCC−additive法が最も良い結
果を与える。
保護基を脱保護するのに用いられる条件は、用いた
保護基の種類に大きく依存する。通常使用される脱保護
方法は、加水素分解、トリフルオロ酢酸、無水フッ化水
素、トリフルオロメタンスルホン酸−チオアニソール混
合系、トリフルオロ酢酸−チオアニソール混合系等であ
るが、保護基の種類によってはさらに多様な手段が可能
である。
脱保護後の脱塩に関しては、イオン交換樹脂を用い
る方法が容易である。メタノールあるいはTHFとクロロ
ホルム混合液を用いて、最初に、酸性樹脂、つづいて塩
基性樹脂によりイオン交換すればよい。
また、塩形成に関してもイオン交換樹脂を用いる方法
が好ましい。
以下に、ペプチド脂質−2、ペプチド脂質−6、ペプ
チド脂質−12、ペプチド脂質−14及びペプチド脂質17の
合成例を示すが、本発明の合成法はこれらに限定される
ものではない。
また、化合物の好ましい具体例で示したペプチド脂質
(1)〜(17)は、アミノ酸側鎖をベンジルエーテル、
ベンジルチオエーテルあるいは、ベンジルエステルで保
護したBoc−アミノ酸と相当するR1−OHあるいはR1−NH2
を用いて以下に示す合成例と同様にして合成できる。
実施例1 ペプチド脂質−2の合成 Boc−セリンベンジルエーテル5.9g、ヘキサデシルア
ルコール(カテコール60、花王品)4.8g、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド4.6g、ジメチルアミノピリジン0.24
g、をジクロメタンに溶解し10℃で一昼夜撹拌した。反
応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮してシリカゲルクロマト
グラフィーにて精製(溶離液クロロホルム)し、Boc−S
er(Bzl)−OC16H3310.3gを得た。
次に、Boc−Ser(Bzl)−OC16H3310.3gをジクロロメ
タン、トリフルオロ酢酸混合液(20ml/20ml)に溶解し3
0分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、クロロホルムに溶解し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で処理して有機層をボウ硝乾
燥した後、クロロホルムを減圧留去してSer(Bzl)−OC
16H339.3gを得た。
Boc−アスパラギン酸−β−ベンジルエステル7.1g、S
er(Bzl)−OC16H339.3g、1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール3.7gのジクロロメタン、ジメチルホルムアミド混
合液60mlにジシクロヘキシルカルボジイミド4.9gを加え
一昼夜撹拌した。
反応液をろ過し、ろ液を減圧留去した後、クロロホル
ムに溶解した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で有機層
を洗いボウ硝乾燥した後、クロロホルムを減圧留去し、
残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製(溶離
液ヘキサン/酢酸エチル=6/4)してBoc−Asp(OBzl)
−Ser(Bzl)−OC16H3314.2gを得た。
次に、Boc−Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−OC16H3314.2g
をジクロロメタン、トリフルオロ酢酸混合液(20ml/20m
l)に溶解し30分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、クロロホルムに溶解し飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液で処理して有機層をボウ硝乾燥
した後、クロロホルムを減圧留去してAsp(OBzl)−Ser
(Bzl)−OC16H3313.5gを得た。
Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−OC16H3313.5gをジクロロ
メタン50mlに溶解し、Boc−グリシン無水物8.7gを加え
一昼夜撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液で洗い、ボウ硝乾燥した後、ジクロロメタンを減圧留
去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製
(溶離液ジクロロメタン/酢酸エチル=6/4)して Boc−Gly−Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−OC16H3311.8gを
得た。
次に、Boc−Gly−Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−OC16H33
11.8gをジクロロメタン、トリフルオロ酢酸混合液(20m
l/20ml)に溶解し30分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、クロロホルムに溶解し飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液で処理して有機層をボウ硝乾燥
した後、クロロホルムを減圧留去してGly−Asp(OBzl)
−Ser(Bzl)−OC16H3310.2gを得た。
Boc−Arg(Z)28.4g、1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール2.4g、Gly−Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−OC16H331
0.2gのジクロロメタン、ジメチルホルムアミド混合液60
mlにジシクロヘキシルカルボジイミド3.2gのジクロロメ
タン溶液を20mlを加え、一昼夜撹拌した。
反応液をろ過し、ろ液を減圧留去した後、クロロホル
ムに溶解した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で有機層
を洗いボウ硝乾燥した後、クロロホルムを減圧留去し、
残留物をシリカゲルクロマトラフィーにて精製(溶離液
ジクロロメタン/酢酸エチル=6/4)した後、酢酸エチ
ルで再結晶しBoc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−Se
r(Bzl)−OC16H336.6gを得た。
Boc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−Ser(Bzl)−
OC16H332.0gジクロロメタン、トリフルオロ酢酸混合液
(20ml/20ml)に溶解し30分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、残留物の500mgを酢酸エチ
ル、メタノール混合液70mlに溶解し二酸化白金150mgを
加え加水素分解を50℃で行った。反応液をセライトにて
ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残留物を酢酸、酢酸エチ
ルにて再結晶し、TFA−Arg−Gly−Asp−Ser−OC16H3320
6mgを得た。
FAB−MS(Pos.)(M−CF3COO)+658 FAB−MS(Neg.)(M−CF3COOH)-656、CF3COO-113TF
A−Arg−Gly−Asp−Ser−OC16H33をクロロホルム−メタ
ノール(1:1)混合液に溶解し、アンバーライトIR−120
B(H+フォーム)続いてアンバーライトIRA−93ZUで処理
してH−Arg−Gly−Asp−Ser−OC16H33を定量的に得
た。
FAB−MS(Pos.)(M+H)+658 FAB−MS(Neg.)(M−H)-656 Arg−Gly−Asp−Ser−OC16H33をクロロホルム−メタ
ノール(1:1)混合液に溶解し、アンバーライトIRA−93
ZU(Cl-フォーム)で処理してH−Arg−Gly−Asp−Ser
−OC16H33・HClを得た。
FAB−MS(Pos.)(M−Cl-+658 FAB−MS(Neg.)(M−HCl)+656、Cl-35 実施例2 ペプチド脂質−6の合成 Boc−アスパラギン酸−β−ベンジルエステル4.5g、
1−テトラデシルアミン4.3g、1−ヒドロキシベンゾト
リアゾール3.1g、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.6
g、ジメチルアミノピリジン0.24g、をジクロロメタン、
ジメチルホルムアミド混合液に溶解し10℃で一昼夜撹拌
した。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮してシリカゲル
クロマトグラフィーにて精製(溶離液クロロホルム)
し、Boc−Asp(OBzl)−NH−C14H299.7gを得た。
次に、Boc−Asp(OBzl)−NH−C14H299.7gをジクロロ
メタン、トリフルオロ酢酸混合液(20ml/20ml)に溶解
し30分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、クロロホルムに溶解し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で処理して有機層をボウ硝乾
燥した後、クロロホルムを減圧留去してAsp(OBzl)−N
H−C14H299.3gを得た。
Asp(OBzl)−NH−C14H299.3gをジクロロメタン40ml
に溶解し、Boc−グリシン無水物10.0gを加え一昼夜撹拌
した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗いボ
ウ硝乾燥した後、ジクロロメタンを減圧留去し、残留物
をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製(溶離液ジク
ロロメタン/酢酸エチル=6/4)してBoc−Gly−Asp(OB
zl)−NH−C14H299.1gを得た。
次に、Boc−Gly−Asp(OBzl)−NH−C14H299.1gをジ
クロロメタン、トリフルオロ酢酸混合液(20ml/20ml)
に溶解し30分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、クロロホルムに溶解し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で処理して有機層をボウ硝乾
燥した後、クロロホルムで減圧留去してGly−Asp(OBz
l)−NH−C14H298.8gを得た。
Boc−Arg(Z)29.2g、1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール2.8g、Gly−Asp(OBzl)−NH−C14H298.8gのジク
ロロメタン、ジメチルホルムアミド混合液60mlにジシク
ロヘキシルカルボジイミド3.7gのジクロロメタン溶液20
mlを加え、一昼夜撹拌した。
反応液をろ過し、ろ液を減圧留去した後、クロロホル
ムに溶解した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で有機層
を洗いボウ硝乾燥した後、クロロホルムを減圧留去し、
残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製(溶離
液ジクロロメタン/酢酸エチル=7/3)した後、酢酸エ
チルで再結晶しBoc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−
NH−C14H2912.4gを得た。
Boc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−NH−C14H292.
0gをジクロロメタン、トリフルオロ酢酸混合液(20ml/2
0ml)に溶解し30分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、残留物の500mgを酢酸エチル
−メタノール混合液70mlに溶解し二酸化白金150mgを加
え加水分解を50℃で行った。反応液をセライトにてろ過
し、ろ液を減圧濃縮した。残留物を酢酸、酢酸エチルに
て再結晶し、TFA−Arg−Gly−Asp−NH−C14H29210mgを
得た。
FAB−MS(Pos.)(M−CF3COO)+542 FAB−MS(Neg.)(M−CF3COOH)-540、CF3COO-113TF
A−Arg−Gly−Asp−NH−C14H29をクロロホルム−メタノ
ール(1:1)混合液に溶解し、アンバーライトIR−120B
(H+フォーム)続いてアンバーライトIRA−93ZUで処理
してH−Arg−Gly−Asp−NH−C14H29を定量的に得た。
FAB−MS(Pos.)(M+H)+542 FAB−MS(Neg.)(M−H)-540 H−Arg−Gly−Asp−NH−C14H29をクロロホルムメタ
ノール(1:1)混合液に溶解し、アンバーライトIRA−93
ZU(Cl-フォーム)で処理してH−Arg−Gly−Asp−NH−
C14H29・HClを得た。
FAB−MS(Pos.)(M−Cl)+542 FAB−MS(Neg.)(M−HCl)-540、Cl-35 実施例3 ペプチド脂質−12の合成 Boc−アスパラギン酸−β−ベンジルエステル6.5g、
ヘキサデシルアルコール5.4g(カテコール60花王品)、
ジシクロヘキシルカルボジイミド4.6g、ジメチルアミノ
ピリジン0.24g、をジクロロメタンに溶解し10℃で一昼
夜撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮してシリ
カゲルクロマトグラフィーにて精製(溶離液クロロホル
ム)し、Boc−Asp(OBzl)−O−C16H3310.1gを得た。
次に、Boc−Asp(OBzl)−O−C16H3310.1gをジクロ
ロメタン、トリフルオロ酢酸混合液(20ml/20ml)に溶
解し30分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、クロロホルムに溶解し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で処理して有機層をボウ硝乾
燥した後、クロロホルムを減圧留去してAsp(OBzl)−
O−C16H339.5gを得た。
Asp(OBzl)−O−C16H339.5gをジクロロメタン40ml
に溶解し、Boc−グリシン無水物12.0gを加え一昼夜撹拌
した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗いボ
ウ硝乾燥した後、ジクロロメタンを減圧留去し、残留物
をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製(溶離液ジク
ロロメタン/酢酸エチル=6/4)してBoc−Gly−Asp(OB
zl)−O−C16H339.4gを得た。
次に、Boc−Gly−Asp(OBzl)−O−C16H339.4gをジ
クロロメタン、トリフルオロ酢酸混合液(20ml/20ml)
に溶解し30分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、クロロホルムに溶解し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で処理して有機層をボウ硝乾
燥した後、クロロホルムを減圧留去してGly−Asp(OBz
l)−O−C16H338.5gを得た。
Boc−Arg(Z)29.5g、1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール2.8g、Gly−Asp(OBzl)−O−C16H338.5gのジク
ロロメタン、ジメチルホルムアミド混合液60mlにジシク
ロヘキシルカルボジイミド3.7gのジクロロメタン溶液20
mlを加え、一昼夜撹拌した。
反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した後、クロロホル
ムに溶解した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で有機層
を洗いボウ硝乾燥した後、クロロホルムを減圧留去し、
残留物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製(溶離
液ジクロロメタン/酢酸エチル=7/3)した後、酢酸エ
チルで再結晶し、Boc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)
−O−C16H3312.4gを得た。
Boc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−O−C16H331
2.0gをジクロロメタン、トリフルオロ酢酸混合液(20ml
/20ml)に溶解し30分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、クロロホルムに溶解し飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液で処理して有機層をボウ硝乾燥
した後、クロロホルムを減圧留去してArg(Z)−Gly
−Asp(OBzl)−O−C16H3310.6gを得た。
Boc−アスパラギン酸−β−ベンジルエステル3.3g、A
rg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−O−C16H339.3g、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド2.3g、ジメチルアミノピリ
ジン0.12g、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.4gを
ジクロロメタンに溶解し10℃で一昼夜撹拌した。反応液
をろ過し、ろ液を減圧濃縮してシリカゲルクロマトグラ
フィーにて精製(溶離液クロロホルム/酢酸エチル=1/
1)し、Boc−Asp−(OBzl)−Arg(Z)−Gly−Asp
(OBzl)−O−C16H3311.0gを得た。
次に、Boc−Asp(OBzl)−Arg(Z)−Gly−Asp(O
Bzl)−O−C16H3311.0gをジクロロメタン、トリフルオ
ロ酢酸混合液(20ml/20ml)に溶解し30分間撹拌した。
溶媒を減圧留去した後、クロロホルムに溶解し、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で処理して有機層をボウ硝乾
燥した後、クロロホルムを減圧留去してAsp(OBzl)−A
rg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−O−C16H339.8gを得
た。
Boc−Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl)−Arg(Z)
−Gly10.8g、Asp(OBzl)−Arg(Z)−Gly−Asp(OB
zl)−O−C16H339.8g、ジシクロヘキシルカルボジイミ
ド2.0g、ジメチルアミノピリジン0.12g、をジクロロメ
タンに溶解し10℃で一昼夜撹拌した。反応液をろ過し、
ろ液を減圧濃縮してシリカゲルクロマトグラフィーにて
精製(溶離液クロロホルム/メタノール=9/1)し、Boc
−(Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl))−O−C16H331
0.5gを得た。
次に、Boc−(Arg(Z)−Gly−Asp(OBzl))
O−C16H332.0gをジクロロメタン、トリフルオロ酢酸混
合液(20ml/20ml)に溶解し30分間撹拌した。
反応液を減圧留去して、残留物に酢酸を50ml加え溶解
し、二酸化白金0.5g、パラジウム炭素0.5gを加え50℃で
加水素分解した。
反応液をろ過し、ろ液で減圧留去した。残留物を酢
酸、クロロホルム系にて再沈殿させTFA−(Arg−Gly−A
sp)−O−C16H33280mgを得た。
FAB−MS(Pos.)(M−CF3COO)+1227 FAB−MS(Neg.)(M−CF3COOH)-1225,CF3COO-113 TFA−(Arg−Gly−Asp)−O−C16H33100mgをクロ
ロホルム、メタノールに溶解し、アンバーライトIR−12
0B(H+フォーム)、続いてアンバーライトIRA−93ZUで
処理しH−(Arg−Gly−Asp)−O−C16H33を定量的
に得た。
FAB−MS(Pos.)1227 FAB−MS(Neg.)1225 実施例4 ペプチド脂質−14の合成 ファルネソール50gをエタノール350mlに溶解し、二酸
化白金500mgを加えて12時間加水分解を行った。反応液
をセライトを用いてろ過し、ろ液を減圧濃縮して定量的
に3,7,11−トリメチルドデシルアルコールを得た。
Boc−Pro21.5g、ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)20.6g、3,7,11−トリメチルドデシルアルコール22.
8g、トリエチルアミン10.1gを用いて実施例1と同様にD
CC縮合を行った。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し
た。残留物をジクロロメタン50mlに溶解し、トリフルオ
ロ酢酸50mlを加えて30分間撹拌した。反応液を減圧濃縮
した。
続いて実施例1と同様にして、DCC−additive法、対
称酸無水物法によりBoc−Ser(Bzl)、Boc−Asp(OBz
l)、Boc−グリシン無水物,Boc−Arg(Z)、Boc−グ
リシン無水物を用いてペプチドを伸長し、トリフルオロ
酢酸、5%−パラジウム炭素を用いて脱保護を行った。
精製も実施例1と同様に再結晶法、イオン交換を行い
ペプチド脂質−14を得た。
実施例5 ペプチド脂質−17の合成 実施例1と同様に合成したBoc−Arg(Z)−Gly−A
sp(OBzl)−Ser(Bzl)−O−C16H332.1gをジクロロメ
タン20mlに溶解して、トリフルオロ酢酸20mlを加えた。
30分間攪拌した後に反応液を減圧濃縮した。残留物をジ
クロロメタン100mlに溶解し、コハク酸無水物0.20g、ジ
イソプロピルエチルアミン0.26gを加えて12時間攪拌し
た。反応液を1N−炭酸水素ナトリウム水溶液で洗い、有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ジクロロメタンを
減圧留去した。
残留物を酢酸に溶解して、二酸化白金300mgを加えて
室温で加水素分解を行った。反応液をセライトでろ過
し、ろ液を減圧濃縮して白金固体を得た。これをクロロ
ホルム、酢酸エチル系で再沈殿を行い精製し、HOOC−
(CH2−CO−Arg−Gly−Asp−Ser−O−C16H33400mg
を得た。
〔有用性〕
本発明の化合物は、細胞移動抑制剤、細胞接着膜、細
胞培養基体として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A61K 47/42 A61K 47/42 B C12N 5/06 C12N 5/00 E

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔I〕で示される合成ペプチド
    脂質またはその塩。 R2−([X]−Arg−Gly−Asp−[Y])n−Z−R1 ・・・〔I〕 式中、Arg、Gly、Aspはそれぞれアルギニン、グリシ
    ン、アスパラギン酸残基を示す。 〔X〕、〔Y〕は、存在するかあるいは存在しないアミ
    ノ酸残基または、二つあるいは三つのアミノ酸残基から
    なるペプチド残基を示す。nは1〜5の整数を示す。Z
    は−O−または−NH−を示す。 R1は3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基またはフ
    ィチル基を示す。 R2は水素原子、HOOC−(CH2)m−CO−基またはHOOC−C
    H=CH−CO−基を示す。mは1〜4の整数を示す。
  2. 【請求項2】〔X〕、〔Y〕が、存在するアミノ酸残基
    または、二つあるいは三つのアミノ酸残基からなるペプ
    チド残基を示し、〔X〕、〔Y〕は、Ser、Gly、Val、A
    sn、Pro、Cys、Thrから選択されるアミノ酸残基また
    は、これらのアミノ酸残基の組み合わせにより構成され
    るペプチド残基である請求項(1)記載の合成ペプチド
    脂質。Ser、Val、Asn、Pro、Cys、Thrはそれぞれセリ
    ン、バリン、アスパラギン、プロリン、システイン、ト
    レオニン残基を示す。
  3. 【請求項3】下記式〔II〕で示される請求項(1)記載
    の合成ペプチド脂質。 R2−(Arg−Gly−Asp−Ser)n−Z−R1 ・・・〔II〕 式中、nは1〜5の整数を示し、Zは−O−または−NH
    −を示す。 R1は3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基またはフ
    ィチル基を示す。 R2は水素原子、HOOC−(CH2)m−CO−基またはHOOC−C
    H=CH−CO−基を示す。mは1〜4の整数を示す。
  4. 【請求項4】下記式〔III〕で示される請求項(1)記
    載の合成ペプチド脂質。 R2−(Arg−Gly−Asp)n−Z−R1 ・・・〔III〕 式中、nは1〜5の整数を示し、Zは−O−または−NH
    −を示す。 R1は3,7,11,15−テトラメチルヘキサデシル基またはフ
    ィチル基を示す。 R2は水素原子、HOOC−(CH2)m−CO−基またはHOOC−C
    H=CH−CO−基を示す。mは1〜4の整数を示す。
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