JP2024057918A - 積層ラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】情報を記載した多層のラベルからなり、剥がして情報を確認した後で再び付け直すことができ、その粘着力の耐久性が持続しやすいラベルを提供する。【解決手段】表面シート11と、基材シート12と、基材シート12と表面シート11との間に配される1枚以上の中間シート13と、を有しそれらが積層された積層ラベル10について表面シート11と中間シート13と基材シート12とは一つの固定領域Eで固定されており表面シート11、中間シート13及び基材シート12は、貼付対象側の面に接着剤層21,22,23を有し、固定領域E以外の部分について中間シート13及び基材シート12は、表面側の面にシリコンニス層32,33を有し、固定領域E以外の部分はシリコンニス層32,33と接着剤層21,23とがそれぞれ接着されており、容易に剥離した後に再接着可能である積層ラベルとする。【選択図】図1

Description

この発明は、表示すべき情報量に対して面積の限られた領域に貼り付けるラベルに関する。
物品に貼り付けて情報を表示させるラベルが様々なものに用いられている。例えば薬剤を詰めた瓶、ボトルなどの容器には、その名称だけでなく詳細な成分比や注意書きなどを記載することが求められる場合がある。そういった場合に記載しなければならない情報が多いと、文字が小さくなって読めなくなってしまったり、記載しきれなくなってしまったりする場合がある。そのために、ラベルを貼り付けることで、貼り付けた面よりも広い面積に情報を記載することが検討されている。
特許文献1には、注射器のシリンジの外筒に貼り付けるラベルについて提案されている。外筒に貼り付けられるラベル本体に加えて、ラベル本体から剥離できて展開でき、なおかつ離脱不能とした展開可能部を有するラベルが示されている。
特許文献2には、箱の一面に貼り付けるラベルについて提案されている。一のラベル基材11の上に他のラベル基材12が積層されている。一のラベル基材11と他のラベル基材12とは、一つの辺の縁に沿った接着剤層13で接着されている。また、この一つの辺に対向する辺の縁に沿って、粘着剤層14と剥離剤層15とが積層された部位を有し、この辺から開いて見開きとして大量の情報を表示することができる(特許文献2[0028],[0029])。読み終えた後は粘着剤層14と剥離剤層15とを仮着して元に戻すことができる。
特許文献3には、第一のラベル素材の表面に表記した後に、PET製でシリコーンコンパウンド処理がされた透明特殊フィルムを貼り付け、その上に、透明特殊フィルムからめくりあげることが可能な第二のラベル素材を貼り付ける二重ラベルが提案されている。
特開2014-200301号公報 特開2002-215037号公報 特開2007-206296号公報
しかしながら、特許文献1に記載のラベルは剥離後再付着しないものであり(同文献[0017])、情報を確認した後にラベルを戻して容器を戻し、また使うような用途には向かなかった。
特許文献2に記載のラベルでは、仮着する箇所が一つの辺の縁部に形成された粘着剤層14に限られており、ここの粘着力が低下しやすいという問題があった。さらに爪で捲りやすくするために、接着剤層を剥離剤層よりも幅狭く形成したり、上側に位置する第2のラベル基材を下側に位置する第1のラベル基材から突出させたり、いずれかの角隅を切り落とすなどの加工も提案されているが(特許文献2[0035])、そのようにすると仮着する領域がさらに少なくなってしまい、耐久性に問題があり、剥がれたまま元に戻せなくなるおそれが高くなってしまった。
特許文献3に記載のラベルでは、ラベルが嵩高くなってしまい、曲げにくくなると考えられ、瓶やボトルの側面といった特に大量の情報の記載が必要となる状況の曲面に貼り付けて用いるには向かなかった。
また、大量生産される薬剤に使用される薬瓶などに貼り付けて用いるには、自動ラベラー機に対応していることが求められていた。
そこでこの発明は、情報を記載して多層のラベルからなり、剥がして情報を確認した後で再び付け直すことができ、その粘着力の耐久性が持続しやすく、曲面にも容易に貼りつけることができるラベルを提供することを目的とする。
この発明は、
表面側に第一の表示面を有する表面シートと、
貼付対象に貼り付けられ、前記貼付対象とは反対側となる表面側に第二の表示面を有する基材シートと、
前記基材シートと前記表面シートとの間に配され、表面側に第三の表示面を有する1枚以上の中間シートと、を有しそれらが積層された積層ラベルであり、
前記表面シートと、前記中間シートと、前記基材シートとは、一つの固定領域で固定されており、
前記表面シート、前記中間シート及び前記基材シートは、前記貼付対象側の面に接着剤層を有し、
前記固定領域以外の部分について、前記中間シート及び前記基材シートは、前記表面側の面にシリコンニス層を有し、
前記帯状部位以外の部分は、前記シリコンニス層と前記接着剤層とが接着されており、剥離後に再接着可能である積層ラベルにより、上記の課題を解決したのである。
この発明にかかる積層ラベルは、表面側に位置する第一の表示面と第二の表示面と第三の表示面の全てに情報を記載することができ、少なくとも貼り付け面積の約3倍の面積を使って情報を記載することができる。接着剤層が直接的に下側のシートと接する部分は各シートが積層されたまま容易に剥がせない状態となり、シート同士が固定される固定領域となる。固定領域以外の部分の接着剤層は、下側のシートの前記シリコンニス層と接触しているため、接着してはいるものの、容易に剥がすことができなおかつ剥がした後に再度接着させることができる。シリコンニス層はシリコーン樹脂を有するニスで形成させることができ、曲げやすく、曲面に貼り付けても好適に作用させることができる。
前記表面シートと前記中間シートとの、シートの縁に接した隅部に、前記シリコンニス層に相対するニス層を有する形態を採用できる。このニス層により、この隅部のみニス層と相対するシリコンニス層との間でシート間の接着強度が低下する。これにより、この隅部に指や爪を引っ掛けて容易に剥がし始めることができる。隅部の限定された一部のみがこのようにニス層によって接着強度が低下され、それ以外の部分は接着強度を保持したままとすることで、全体の接着強度を維持しやすくなる。
この発明により、積層ラベルを貼り付けた領域の約3倍以上の面積の表示面を、貼り付けた対象に与えることができる。表面シートが有する第一の表示面以外の面の記載を確認するには、表面シートまたは中間シートをめくればよい。接着剤層とシリコンニス層とが対向しているために接着強度は弱くなっており、めくる際にシート同士を剥がすのは容易にできる。めくった後はシートを戻すが、固定領域以外の部分全体でシート同士の接着を行うため、シリコンニス層によって接着強度を低下させていても、何度か剥がしてもシート全体の接着を維持することができる。また、薄く曲げやすいラベルとして形成できるので、自動ラベラー機に対応し、大量生産される薬剤の箱や薬瓶の外面にも貼り付けて用いることができる。
(a)この発明にかかる積層ラベルの第一の実施形態の各パーツを示す断面図、(b)(a)の手順で積層された積層ラベルの第一の実施形態を示す断面図 (a)積層ラベルの第一の実施形態の表面側から見た平面図、(b)(a)の隅部をめくった状態の平面図 (a)図2(a)から表面シートを剥がして第三の表示面を表示した状態の斜視図、(b)(a)の断面図 (a)図3(a)の隅部をめくった状態の斜視図、(b)(a)から中間シートを剥がして第二の表示面を表示した状態の斜視図、(c)(b)の断面図 (a)この発明にかかる積層ラベルの第二の実施形態を示す平面図、(b)(a)の断面図、(c)(b)の一方の表面シートをめくり、一部のミシン目を切り離した状態の断面図 この発明にかかる積層ラベルの第一の実施形態を薬瓶の周面に貼り付けて実用する状況を示す図 (a)縁が階段状となりシートの一部が露出したこの発明にかかる積層ラベルの第三の実施形態を示す断面図、(b)(a)の平面図
以下、この発明について実施形態を挙げながら詳細に説明する。この発明は、表示面に情報を記載した積層ラベルである。この積層ラベルを対象とする物体に貼り付けることで、表面シートの表面に記載された情報だけでなく、積層されたシートの表面に記載された情報も、対象となる物体に付属させることができる。すなわち、対象とする物体に付属させる情報を大量に保持できるラベルである。
この発明にかかる第一の実施形態である積層ラベル10の構造を、図1を用いて積層して製造する過程に合わせて説明する。積層ラベル10は、表面シート11、基材シート12、中間シート13の3枚を少なくとも有して積層されたものである。以下、各シートという場合はこれらのシートを指す。各シートを積層する前の状態を図1(a)に示す。各シートの大きさ及び形状は同一であるか、または基材シート12側よりも表面シート11側(図中上側)が小さいことが望ましい。完全同一であることまでは必要ではなく、剥がしやすさのためにわずかに大きさを異ならせてもよいが、ラベルとしてはほぼ同一形状とみなせる程度の差であると望ましい。一方、大きさが異なる場合は、表面シート11側のシートが小さくなる分、一部を剥がさなくても基材シート12側のシートの一部が見えているようになり、階段状に見えるようにしたその一部を見出しとして用いたり、複数シートにまたがる情報を記載したりすることができる。
剥離紙1又は貼り付け対象に近い側から、基材シート12、中間シート13、表面シート11の順に積層される。本発明において上側又は表面側とは表面シート11の表面に近い側をいい、下側とは剥離紙1又は貼り付け対象に近い側をいう。中間シート13はさらに複数枚が積層されていてもよい。図では中間シート13が1枚である実施形態を示すが本発明は特にこれに限定されない。それぞれのシートは紙でもよいしプラスチックシートでもよい。紙を用いる場合、隠ぺい力の高い素材として白コート紙が特に好ましい。プラスチックシートとしてはポリエチレンテレフタレートなどを用いることができる。図ではシート自体は単層で示しているが、複数層からなるものでもよい。透明であると表示面の情報が読み取りづらくなるため、不透明であることが望ましい。また、少なくとも各シートの上側は、表面シート11の上側面の第一の表示面51、基材シート12の上側面の第二の表示面52、中間シート13の上側面の第三の表示面53として、文字や模様、イラストなどの情報が印刷可能であることが必要である。これらの表示面に多層的に記載しておくことで、ラベルの貼り付け領域の約3倍以上の領域を使って情報を表示することができる。
各シートは下側に接着剤層を有する。すなわち、表面シート11の下側には接着剤層21を、基材シート12の下側には接着剤層22を、中間シート13の下側には接着剤層23を有する。基本的には各シートに対して接着剤を塗布することで形成することができるが、特に形成方法は限定されない。これらの接着剤層を構成する接着剤は、各シートに対しては十分な接着強度を有する。また、基材シート12の下側にある接着剤層22は、貼り付けようとする対象に対して十分な接着強度を有する接着剤を採用するとよい。用いる接着剤としては、高粘着性の接着剤であれば特に種類は限定されない。下記のシリコンニス層と対向することで、接着剤の種類に関わらず剥がしやすくなる。
基材シート12と中間シート13の上側には、シリコンニス層32,33を有する。基本的には各シートに対してシリコンニスを塗布することで形成することができる。シリコンニスとは、シリコーン樹脂を含有する塗布可能なニス剤である。なお、シリコンニスとともに、接着力を調整するための添加剤を含んでいてもよい。シリコンニス層32,33は、接着剤層21と接着剤層23とにそれぞれ対向し、積層時にはそれぞれと接する。シリコンニス層32,33に対して接着剤層21,23は接着力を低減されるものの接着は可能である。また、シリコンニス層32,33と接着剤層21,23とは、一旦剥がした後に、ふたたび接着してもなお接着力を保持し続けることができる。また、このような効果を発揮するものの、シリコンニス層はニス層の塗布によって形成されるものであるため、別途シリコーン樹脂加工されたフィルムを積層するような構造に比べて、厚みが嵩まずに済む。このため、この発明にかかる積層ラベルは複数層を積層して特有の効果をもつものでありながら曲げやすく、小さなガラス瓶のような曲面にも貼り付けやすい。
また、シリコンニス層は基材シート12と中間シート13の全面ではなく、面の一部である固定領域E以外の箇所に形成されている。このため、接着剤層21,23は固定領域Eにおいては接着力を低減されず、下側にあるシートと強固に固定される。各シートをめくっても、この固定領域Eは一旦剥がすということは容易にできない。このため、各シートは全部剥がれるということはなく、固定領域Eで一体のままとなる。固定領域Eは、シートの縁に並行な帯状であると、剥がせる部位を最大限まで広げることができるので好ましいが、形状は必ずしも限定されない。
さらに、接着剤層21,23の下側の、固定領域Eから離れた箇所である隅部に、ニス層41,43層を形成させておくと望ましい。ニス層を形成するニスは、シリコーン樹脂を含有しない塗布可能なニス剤を用いるとよい。このニス層41,43がある箇所は、接着剤層21,23の接着力が、シリコンニス層32,33と直接に対向している箇所よりもさらに低減される。これにより、ニス層41,43を設けた隅部に指の爪などを引っ掛けることで、容易に剥がしやすくすることができる。
各シートを、これらの層が適切に形成されるように位置を合わせて積層することで、この発明にかかる積層ラベル10を形成することができる。この積層ラベル10の断面図を図1(b)に示す。
この発明にかかる積層ラベル10は、剥離紙1から接着剤層22より上側をまとめて剥がし、対象に貼り付けて利用する。貼り付けられた状態の平面図を図2(a)に示す。矩形であるラベルの左端の一部が固定領域Eとなっている。この固定領域Eの部分は、表面シート11の第一の表示面51以外の面は、接着されたままとなり見ることができない。このため、固定領域Eの大きさは、各シートを固定するのに十分な範囲で、小さいほど望ましい。具体的には、矩形状の積層ラベルである場合、ラベルの面積全体のうち10%以下であると好ましく、5%以下であるとより好ましい。ただし、固定領域Eが小さすぎると、剥がしたときの力に耐えきれずにシートが完全に引きはがされてしまい、分離してしまう恐れがある。このため、ラベルの面積全体のうち1%以上であると好ましく、2%以上であるとより好ましい。
貼り付けられた状態では、表面シート11の上側面である第一の表示面51に記載された情報が観察者によって視認される。それ以外の表示面52~55に記載された情報を確認しようとする場合には、表面シート11又は中間シート13をめくって、固定領域E以外の部分を剥離させる必要がある。剥がす際には、ニス層41,43を形成した隅部に指や爪を引っ掛けて捲り始めると捲りやすい。ニス層41,43によってその部分は接着剤層21,23の接着力が低減されているからである。このニス層41のある隅部から捲った状況の平面図を図2(b)に示す。
隅部をつまんで表面シート11を剥がした状態の斜視図を図3(a)に、断面図を図3(b)に示す。固定領域Eでは表面シート11と中間シート13とが接着したままであり、表面シート11は分離されない。表面シート11は接着剤層21ごと剥がされ、中間シート13の上側にはシリコンニス層33が露出している。シリコンニス層33は透明であり、その下にある第三の表示面53に記載された情報が観測者によって視認される。なお、図では示していないが、表面シート11の下側面である裏面54にも、表示面のように情報が記載されていてもよい。この場合、見開きで情報を視認することができ、ラベルの貼り付け面積に対する情報量をさらに増やすことができる。
中間シート13をさらに捲り始める際の斜視図を図4(a)に示す。中間シート13は、下側面の隅部に形成されたニス層43により、表面シート11の場合と同様に、捲りやすい部位となっている。この隅部をつまんで中間シート13を剥がした状態の斜視図を図4(b)に、断面図を図4(c)に示す。固定領域Eでは中間シート13と基材シート12とが接着したままであり、表面シート11とともに中間シート13も分離されない。中間シート13は接着剤層23ごと剥がされ、基材シート12の上側にはシリコンニス層32が露出している。シリコンニス層32は透明であり、その下にある第二の表示面52に記載された情報が観測者によって視認される。なお、図では示していないが、中間シート13の下側面である裏面55にも、表示面のように情報が記載されていてもよい。この場合、見開きで情報を視認することができ、ラベルの貼り付け面積に対する情報量をさらに増やすことができる。
この発明にかかる積層ラベルの第二の実施形態について図5を用いて説明する。この第二の実施形態では、固定領域Eの位置が第一の実施形態とは異なっている。第一の実施形態では矩形状のラベルの一端に固定領域Eを設けていたが、第二の実施形態では矩形状のラベルの長辺方向中央に、短辺方向に向いた帯状の領域となっている。その配置を図5(a)の平面図と図5(b)の断面図に示す。捲った際には中間シート13の第三の表示面53、基材シート12の第二の表示面52のうち、左右のどちらかのみを限定的に視認することができる。例えば図5(c)の右側部分のように捲ると、第三の表示面53の右側部分のみを新たに視認することになる。このように固定領域Eの配置を中央によせることにより、複数の情報を確認できるようにしつつ、その確認できる情報を限定的にすることができる。
また、積層ラベル10を構成する表面シート11及び中間シート13に、切り取り可能となるミシン目61、62を入れておいてもよい。ミシン目61,62に沿って切り取ることで、捲らずに表示される面を、第一の表示面51から、第三の表示面53や第二の表示面52の一部又は全部に変更することができる。これにより、積層ラベル10を貼り付けた対象物についての情報のうち、捲ることなく視認できる情報を途中で変更することができる。図5(c)の左側部のようにミシン目61から表面シート11の一部を切り離すと、以降は中間シート13の一部が外部に表示されたままとなる。
この発明にかかる積層ラベル10は、多くの情報量を付属させておく必要がある物品に貼り付けると好適に利用できる。例えば薬瓶の側面に貼り付けた形態を図6に示す。薬瓶に入れた薬剤の成分や用法、その他必要な情報を数か国語分で記載する必要があるとき、小さな薬瓶に一枚のラベルを貼り付けただけではそれらを記載しきれない場合がある。この発明にかかる積層ラベル10を貼り付けることで、面積の限定された部分に、その面積の数倍以上の情報を記載することができ、薬の管理上の問題点を解決することができる。薬瓶に限らず、箱、ファイル、袋など、面積の限られる対象であれば何であれ本発明にかかる積層ラベル10は効果を発揮する。
この発明にかかる積層ラベルの、各シートの大きさを表面シート11側ほど段階的に小さくした第三の実施形態を図7(a)(b)に示す。この実施形態例では中間シートが中間シート13-1,13-2,13-3の三層重ねられて、表面シート11と基材シート12と合わせて合計五層のシートからなる。もちろん、シート枚数はこれに限定されるものではなく、図はあくまで一例である。それぞれのシートが有するシリコンニス層33-1,33-2,33-3と、接着剤層23-2,23-2,23-3と、ニス層43-1,43-2,43-3は、図1の実施形態例に示すシリコンニス層33、接着剤層23、ニス層43の構成と基本的に同じである。ただし、上下のシートの大きさが異なる。この例では図7(a)の断面図に示すように端部が階段状になっている。すなわち、基材シート12以外の各シートは、一つ下のシートよりも小さくなっており、当該一つ下のシートの一部が常に一つ上のシートの縁からはみ出して露出している。各段を形成する各シート12,13-3,13-2,13-1の表面側の、一つ上のシートの縁からはみ出た部分には、例えば図7(b)に示すような見出しを記載して、各シートに記載された内容についての案内を示すことができる。この例では、各言語による薬剤の説明を各シートの上側面に記述し、どの言語であるかの案内の見出しをこのはみ出た部分に記載することで、読みたい言語で書かれた一つ上のシートを剥がすことで、読もうとする言語での記述を露わにできる。
以下、この発明について実際に積層ラベルを作成した例を示す。縦40mm、横90mmとして各シートを用意した。表面シートにはポリプロピレン製合成紙(株式会社マルウ接着製:MAW)を、中間シートと基材シートには白コート紙(株式会社マルウ接着製:厚さ25μm)を採用した。図1に示す構成に準拠して、各シートの下側に接着剤(株式会社マルウ接着製:溶剤強粘)を塗布して接着剤層を形成した。一方、中間シートと基材シートの上側のうち、左端から5mm分の帯状の固定領域E以外の部分に、シリコンニス(株式会社T&K TOKA製:OPニス)を塗布してシリコンニス層を形成させた。また、固定領域Eとは反対側の隅部となる位置に、ニス(久保井インキ株式会社製:カルトンメジュームを希釈したもの)を塗布してニス層を形成した。
これらを剥離紙の上に、基材シート、中間シート、表面シートの順に積層して荷重をかけて積層し、積層ラベルを完成させた。この積層ラベルを薬瓶の周面に貼り付けた。このラベルはニス層のある隅部から容易に剥がすことができ、表面シートと中間シートとについて、固定領域E以外の部分を剥がして戻す作業を30回行った後も、貼り戻したまま状態を維持することができた。
1 剥離紙
10 積層ラベル
11 表面シート
12 基材シート
13 中間シート
21,22,23 接着剤層
32,33 シリコンニス層
41,43 ニス層
51 第一の表示面
52 第二の表示面
53 第三の表示面
54,55 裏面(表示面)
61,62 ミシン目

Claims (2)

  1. 表面側に第一の表示面を有する表面シートと、
    貼付対象に貼り付けられ、前記貼付対象とは反対側となる表面側に第二の表示面を有する基材シートと、
    前記基材シートと前記表面シートとの間に配され、表面側に第三の表示面を有する1枚以上の中間シートと、を有しそれらが積層された積層ラベルであり、
    前記表面シートと、前記中間シートと、前記基材シートとは、一つの固定領域で固定されており、
    前記表面シート、前記中間シート及び前記基材シートは、前記貼付対象側の面に接着剤層を有し、
    前記固定領域以外の部分について、前記中間シート及び前記基材シートは、前記表面側の面にシリコンニス層を有し、
    前記固定領域以外の部分は、前記シリコンニス層と前記接着剤層とが接着されており、剥離後に再接着可能である積層ラベル。
  2. 前記表面シートと前記中間シートとの、シートの縁に接した隅部に、前記シリコンニス層に相対するニス層を有する請求項1に記載の積層ラベル。
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