JP2023538136A - コロナウイルスに対するチアゾリドの利用 - Google Patents

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ロシニョール ジーン-フランソワ
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ロマーク ラボラトリーズ,リミティド カンパニー
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Abstract

開示されているのは、コロナウイルス科に属するウイルス、例えばオルトコロナウイルス亜科に属するウイルスに対するチアゾリド、例えばニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなどの利用である。【選択図】図1

Description

関連する出願
本出願は、「コロナウイルスに対するチアゾリドの利用」という名称で2020年8月24日に出願されたアメリカ合衆国仮特許出願第63/069,313号の優先権を主張するものであり、あらゆる目的で参照によって本明細書に組み込まれている。
分野
本開示はチアゾリドに関するものであり、より具体的には、コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスなど)に対するチアゾリド(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の利用に関する。
一実施形態は、コロナウイルス科に属するウイルスによって起こる疾患を治療する方法であり、この方法は、その疾患の1つ以上の症状を示していてその治療法を必要とする対象に有効量のチアゾリド剤を投与し、その対象の血漿中に有効濃度のチゾキサニドを生成させることを含む。
別の一実施形態は、ウイルス性呼吸器疾患を予防する方法であり、この方法は、そのウイルス性呼吸器疾患の症状を示していない対象に有効量のチアゾリド剤を投与し、その対象の血漿中に有効濃度のチゾキサニドを生成させることを含む。
さらに別の一実施形態は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-COV-2)によって起こる軽度または中度の疾患を治療する方法であり、この方法は、その治療法を必要とする対象に有効量のチアゾリド剤を投与し、その対象の血漿中に有効濃度のチゾキサニドを生成させることを含む。
図1は、あらゆるコロナウイルスに感染した対象(左のグラフ)と、唯一の病原体としてコロナウイルスを持つ対象(右のグラフ)について、非レスポンダーの割合を、ニタゾキサニド(またはプラセボ)を最初に投与してから普段の健康に戻るまでの時間の関数として表示したプロットを示す。
図2は、コロナウイルスに感染した全対象(左のグラフ)と、唯一の病原体としてコロナウイルスを持つ対象(右のグラフ)について、非レスポンダーの割合を、ニタゾキサニド(またはプラセボ)を最初に投与してから普段の健康に戻るまでの時間の関数として表示したプロットを示す。
図3は、コロナウイルスに感染していて4質問検査に合格した対象について、非レスポンダーの割合を、ニタゾキサニド(またはプラセボ)を最初に投与してから持続奏功までの時間の関数として表示したプロットを示す。持続奏功の定義は、(i)合計FLU-PRO症状スコアが前日から低下している、(ii)全体的な症状が昨日よりも「いくらか改善」または「はるかに改善」のいずれかであると対象が報告する、(iii)直近24時間に口腔温が100.4°C以上でない、(iv)どのドメインまたはサブドメインの平均スコアも、バックグラウンドのレベルよりも下で上昇した場合を除き、その後上昇しない(ただしバックグラウンドのレベルは、身体/全身が0.56以下、喉が0.67以下、目が0.67以下、胃腸が2.0以下、頭が2.0以下、鼻が0.75以下、胸が0、咳が1.75以下である)である。
図4は、(A)コロナウイルスに感染していて4質問検査に合格した全対象(B)4質問検査に合格し、胸部痛、咳、鼻、喉、および頭から選択される少なくとも1つの呼吸器症状についてFLU-PRO(登録商標)スコアが2以上であると報告された対象;(C)コロナウイルスに感染していて4質問検査に合格し、胸部痛、咳、鼻、喉、および頭から選択される少なくとも1つの呼吸器症状についてFLU-PRO(登録商標)スコアが3以上であると報告された対象について、非レスポンダーの割合を、ニタゾキサニド(またはプラセボ)を最初に投与してから持続奏功までの時間の関数として表示したプロットを示す。
図5は、FLU-PRO(登録商標)のドメイン/サブドメインの構造を示す。FLU-PRO(登録商標)データを分析するため、FLU-PRO(登録商標)の質問に対する回答に0~4のスコアを割り当て、4を最も重度とした。
図6は、実施例5の研究に関する対象の分類を示す。
図7A~Bは、軽度COVID-19疾患を持つ対象における臨床的回復を示す。(A)軽度COVID-19疾患を持つ対象における持続奏功までの時間;(B)軽度COVID-19疾患を持つ対象における普段の健康に戻るまでの時間。
本明細書と請求項では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その」に複数形が含まれるが、文脈が明らかに異なることを述べている場合は別である。本明細書全体を通じ、特に断わらない限り、「含む」と「含んでいる」は、排他的であるよりは包含的に使用されるため、述べられている1つの整数、または整数のグループに、述べられていない1つ以上の整数、または整数のグループを含めることができる。「または」という用語は、例えば「いずれか」によって修飾されているのでなければ包含的である。したがって特に断わらない限り、「または」という用語は特定の1つのリストの任意の1つのメンバーを意味し、そのリストのメンバーの任意の組み合わせも含む。機能する実施例の中以外や、異なるという記載がある場合を除き、本明細書で用いられている成分または反応条件の量を表わすあらゆる数は、あらゆる場合に「約」という用語で修飾されていると理解すべきである。
見出しは便宜上示されているだけであり、いかなるやり方でも本発明を制限すると解釈されてはならない。特に断わらない限り、本明細書で用いられているあらゆる科学技術用語は、当業者が一般に理解しているのと同じ意味を持つ。本明細書で用いられている用語法は特定の実施形態だけを説明することを目的としているため、本発明の範囲を制限することは意図しておらず、範囲は請求項によってだけ規定される。本開示をより理解しやすくできるようにするため、いくつかの用語を最初に定義する。
あらゆる数値、例えばpH、温度、時間、濃度、および分子量は、範囲を含め、大まかな数値であり、(+)または(-)1、5、または10%の増分だけ変動する。常に明示的に述べられているわけではないが、あらゆる数値の前に「約」という用語が置かれていると理解すべきである。常に明示的に述べられているわけではないが、本明細書に記載されている試薬は単なる例であることと、その等価物が本分野で知られているは詳細な説明全体に記載されていることも理解すべきである。
NTZはニタゾキサニドを意味し、2-(アセトリルオキシ)-N-(5-ニトロ-2-チアゾリル)ベンズアミドとしても知られていて、以下の構造:
を持つ化合物である。
チゾキサニドは、ニタゾキサニドの活性な循環代謝産物である。チゾキサニドは以下の式:
を持つ。
ニタゾキサニドの別の代謝産物はグルコロノチゾキサニドであり、以下の式:
を持つ。
ニタゾキサニドは、アメリカ合衆国において、クリプトスポリジウム・パルバムとランブル鞭毛虫によって起こる下痢の治療に関して承認されている
チアゾリド化合物は、例えばアメリカ合衆国特許第3,950,351号と第6,020,353号、PCTWO2006042195A1、およびアメリカ合衆国特許出願公開第2009/0036467A号に公開されている手続きに従って合成することができる。
ニタゾキサニドとその代謝産物であるチゾキサニドを含有する医薬組成物はそもそもは腸寄生虫感染症を治療するために開発されて市販された。ニタゾキサニド、チゾキサニド、および他のチアゾリド化合物(RM-4848など)のさまざまな応用が開示されているのは、例えばアメリカ合衆国特許第RE47,786号、第10,383,855号、第10,363,243号、第10,358,428号、第10,336,058号、第RE47,404号、第10,100,023号、第RE46,724号、第9,827,227号、第9,820,975号、第9,351,937号、第9,345,690号、第9,126,992号、第9,107,913号、第9,023,877号、第8,895,752号、第8,846,727号、第8,772,502号、第8,633,230号、第8,524,278号、第8,124,632号、第7,645,783号、第7,550,493号、第7,285,567号、第6,117,894号、第6,020,353号、第5,968,961号、第5,965,590号、第5,935,591号、第5,886,013号、第5,859,038号、第5,856,348号のほか、アメリカ合衆国特許出願公開第20200038377号、第20190321338号、第20190307730号、第20190291404号、第20190276417号、第20190040026号、第20180126722号、第20180085353号、第2018078533号、第20170334868号、第20170281603号、第20160243087号、第20160228415号、第2015025768号、第20140341850号、第20140112888号、第20140065215号、第20120294831号、第20120122939号、第20120108592号、第20120108591号、第20100330173号、第20100292274号、第20100209505号、第20090036467号、第20080097106号、第20080097106号、第20080096941号、第20070167504号、第20070015803号、第20060194853号、第20060089396号、第20050171169号であり、これらのそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている。2021年3月2日に「選択された患者集団におけるウイルス性呼吸器疾患の治療」という名称で出願されたアメリカ合衆国仮出願第63/155,481号も参照によって本出願に組み込まれている。
発明者らは、対象(ヒトなど)に有効量のチアゾリド剤を投与すると、その投与によって対象の血漿中に有効濃度のチゾキサニドが生成するため、コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスなど)によって起こる疾患を治療および/または予防できる可能性があることを発見した。本明細書では、「ウイルスによって起こる疾患を治療および/または予防する」という表現は、ウイルスの複製を阻害する、ウイルスの感染を阻害する、ウイルスがそのウイルスの宿主の中に確立されることを阻止する、ウイルスによって起こる疾患の症状または進行を改善または改良する、のうちの少なくとも1つを含むことができる。治療が治療的であると見なされるのは、ウイルス量の減少、前記疾患に関係する死亡率および/または罹患率の低下、前記疾患の進行の減少、または前記疾患の継続期間の短縮、の少なくとも1つが存在する場合である。ある実施形態では、「ウイルスによって起こる疾患を治療および/または予防する」は、その疾患に罹患していてチアゾリド剤で治療された対象の間で、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて生存率が上昇していることを含むことができる。ある実施形態では、「ウイルスによって起こる疾患を治療および/または予防する」は、その疾患に罹患している対象で、チアゾリド剤を投与されたときにウイルス量が減少することを含むことができる。さらにいくつかの実施形態では、「ウイルスによって起こる疾患を治療および/または予防する」は、そのウイルスによって起こる症状または疾患の進行の改善または緩和を含むことができる。いくつかの実施形態では、「ウイルスによって起こる疾患を治療および/または予防する」は、その疾患に罹患している対象で、チアゾリド剤を投与されたとき、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて症状の緩和までの時間が統計的に有意に短縮されることを含むことができる。いくつかの実施形態では、「ウイルスによって起こる疾患を治療および/または予防する」は、その疾患に罹患している対象で、チアゾリド剤を投与されたとき、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて普段の健康に戻るまでの時間が統計的に有意に短縮されることを含むことができる。いくつかの実施形態では、「ウイルスによって起こる疾患を治療および/または予防する」は、その疾患に罹患している対象で、チアゾリド剤を投与されたとき、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて正常な活動をすべて実施できるまでの時間が統計的に有意に短縮されることを含むことができる。
コロナウイルス科
コロナウイルス科は、2つの亜科、すなわちオルトコロナウイルス亜科(コロナウイルス科としても知られる)とレトウイルス亜科を含む。
オルトコロナウイルス亜科は、4つの属、すなわちアルファコロナウイルス属;ベータコロナウイルス属;ガンマコロナウイルス属;およびアルファコロナウイルス属を含む。
アルファコロナウイルス属に含まれるのは、以下の種、すなわち伝染性胃腸炎コロナウイルス(TGEV);アルファコロナウイルス1(その中には、イヌコロナウイルス、ネココロナウイルス、伝染性胃腸炎コロナウイルスが含まれる);ヒトコロナウイルス229E;ヒトコロナウイルスNL63;ユビナガコウモリコロナウイルス1;ユビナガコウモリコロナウイルスHKU8;ブタ伝染性下痢ウイルス;コキクガシラコウモリコロナウイルスHKU2;およびスコトフィルス(Scotophilus)コウモリコロナウイルス512である。
ベータコロナウイルス属に含まれるのは、以下の種、すなわちマウスコロナウイルス(MHV);ベータコロナウイルス1(その中にはウシコロナウイルス、ヒトコロナウイルスOC43が含まれる);ヘッジホッグコロナウイルス1;ヒトコロナウイルスHKU1;中東呼吸器症候群関連コロナウイルス;マウスコロナウイルス;ピピストレルス(Pipistrellus)コウモリコロナウイルスHKU5;ロウセトゥス(Rousettus)コウモリコロナウイルスHKU9;重症急性呼吸器症候群関連コロナウイルス(その中にはSARS-CoV、SARS-CoV-2が含まれる);ティロニクテリス(Tylonycteris)コウモリコロナウイルスHKU4である。
ガンマコロナウイルス属に含まれるのは、以下の種、すなわちトリコロナウイルス、シロイルカコロナウイルスSW1である。
デルタコロナウイルス属に含まれるのは、以下の種、すなわちヒヨドリコロナウイルスHKU11、ブタコロナウイルスHKU15である。
疾患
コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスなど)によって起こる疾患は、そのウイルスに関して陽性と診断された対象(ヒトなど)が示す1つ以上の症状になって表われる可能性がある。
その1つ以上の症状に含めることができるのは、上昇した体温または発熱であり、それは例えば口内で測定した37.3℃以上、または37.4℃以上、または37.5℃以上、または37.6℃以上、または37.7℃以上、または37.8℃以上、または37.9℃以上、または38.0℃以上、または38.1℃以上、または38.2℃以上、または38.3℃以上、または38.4℃以上、または38.5℃以上の体温が可能である。
いくつかの実施形態では、前記疾患の前記1つ以上の症状に、a)1つ以上の呼吸器症状(その中には、咳、喉の痛み、鼻詰まりの1つ以上を含めることができる);および/または1つ以上の全身症状(疲労、頭痛、筋肉痛、および発熱を含めることができる)も含めることができる。
いくつかの実施形態では、対象は、上昇した体温、1つ以上の呼吸器症状(咳、喉の痛み、および鼻詰まりなど);および1つ以上の全身症状(疲労、頭痛、筋肉痛、および発熱など)から選択される1つ以上の症状を示す可能性がある。
いくつかの実施形態では、対象は、上昇した体温、1つ以上の呼吸器症状(咳、喉の痛み、および鼻詰まりなど);および1つ以上の全身症状(疲労、頭痛、筋肉痛、および発熱など)から選択される2つ以上の症状を示す可能性がある。
いくつかの実施形態では、対象は、上昇した体温、1つ以上の呼吸器症状(咳、喉の痛み、および鼻詰まりなど);および1つ以上の全身症状(疲労、頭痛、筋肉痛、および発熱など)から選択される3つ以上の症状を示す可能性がある。
いくつかの実施形態では、対象は、上昇した体温、1つ以上の呼吸器症状(咳、喉の痛み、および鼻詰まりなど);および1つ以上の全身症状(疲労、頭痛、筋肉痛、および発熱など)から選択される4つ以上の症状を示す可能性がある。
いくつかの実施形態では、コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスなど)が前記疾患とその症状の唯一の原因である可能性がある。例えばいくつかの実施形態では、対象は、以下の病原体、すなわちインフルエンザA(亜型は特定しない)、インフルエンザA/H1、A/H1N1(2009)、A/H3亜型、インフルエンザB、呼吸器多核体ウイルスAとB(RSV)、パラインフルエンザ1、2、3、および4、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)、アデノウイルス(A-F)、ヒトライノウイルス/エンテロウイルス、肺炎クラミジア、および肺炎マイコプラズマのいずれかについて検査で陰性の結果である可能性がある。対象のサンプル(例えば唾液サンプルまたは鼻咽頭スワブが可能である)を取得し、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)を実施することにより、これら病原体のいずれかに関する検査のほか、コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスなど)に関する検査を実施することができる。一群の呼吸器病原体のRT-PCR検査は例えばGenmark(カールスバッド、カリフォルニア州)からePlex(登録商標)呼吸器病原体パネルとして市販されている。
さらにいくつかの実施形態では、対象の前記疾患は、コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスに属するウイルスなど)に加えて1つ以上の追加の病原体によって起こる可能性がある。そのような追加の病原体の例に含めることができるのは、インフルエンザウイルス(インフルエンザAウイルスなど)と、ピコルナウイルス科のエンテロウイルス属に属するウイルス(エンテロウイルスおよび/またはライノウイルスの可能性がある)である。例えば前記疾患とその症状は、対象がコロナウイルス科に属するウイルスとインフルエンザウイルスの両方の検査で陽性であるときには、コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスに属するウイルスなど)とインフルエンザウイルスの組み合わせによって生じる可能性がある。前記疾患とその症状は、対象がコロナウイルス科に属するウイルスとピコルナウイルス科のエンテロウイルス属に属するウイルスの両方の検査で陽性であるときには、コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスに属するウイルスなど)と、ピコルナウイルス科のエンテロウイルス属に属するウイルス(エンテロウイルスおよび/またはライノウイルスの可能性がある)の組み合わせによって生じる可能性がある。
いくつかの実施形態では、前記疾患とその症状はアルファコロナウイルス属に属するウイルスによって起こる可能性がある。いくつかの実施形態では、アルファコロナウイルス属に属するウイルスが、前記疾患とその症状の唯一の原因である可能性がある。さらにいくつかの実施形態では、対象の疾患は、アルファコロナウイルス属に属するウイルスに加えて1つ以上の追加の病原体(上記のものなど)によって起こる可能性がある。
いくつかの実施形態では、前記疾患とその症状は、ベータコロナウイルス属に属するウイルスによって起こる可能性がある。いくつかの実施形態では、ベータコロナウイルス属に属するウイルスが、前記疾患とその症状の唯一の原因である可能性がある。さらにいくつかの実施形態では、対象の疾患は、ベータコロナウイルス属に属するウイルスに加えて1つ以上の追加の病原体(上記のものなど)によって起こる可能性がある。
いくつかの実施形態では、前記疾患とその症状は、NL63コロナウイルス、HKU1コロナウイルス229Eコロナウイルス、およびOC43コロナウイルスからなるグループから選択されるウイルスによって起こる可能性がある。いくつかの実施形態では、そのようなウイルスが、前記疾患とその症状の唯一の原因である可能性がある。さらにいくつかの実施形態では、対象の疾患は、NL63コロナウイルス、HKU1コロナウイルス229Eコロナウイルス、およびOC43コロナウイルスからなるグループから選択されるウイルスに加えて1つ以上の追加の病原体(上記のものなど)によって起こる可能性がある。
いくつかの実施形態では、前記疾患は、その疾患に罹患しているが治療されないままであるかプラセボで治療されている患者において、症状の平均継続期間が、発症から少なくとも160時間、または少なくとも170時間、または少なくとも180時間、または少なくとも190時間、または少なくとも200時間、または少なくとも210時間、または少なくとも220時間、または少なくとも230時間、または少なくとも240時間、または少なくとも250時間になる可能性がある。
いくつかの実施形態では、前記疾患は、その疾患に罹患しているが治療されないままであるかプラセボで治療されている患者において、普段の健康に戻るまでの平均時間が、その疾患の発症から少なくとも160時間、または少なくとも170時間、または少なくとも180時間、または少なくとも190時間、または少なくとも200時間、または少なくとも210時間、または少なくとも220時間、または少なくとも230時間、または少なくとも240時間、または少なくとも250時間になる可能性がある。
いくつかの実施形態では、前記疾患は、その疾患に罹患しているが治療されないままであるかプラセボで治療されている患者において、正常な全活動に戻るまでの平均時間が、その疾患の発症から少なくとも160時間、または少なくとも170時間、または少なくとも180時間、または少なくとも190時間、または少なくとも200時間、または少なくとも210時間、または少なくとも220時間、または少なくとも230時間、または少なくとも240時間、または少なくとも250時間になる可能性がある。
患者
いくつかの実施形態では、患者は、2021年3月2日に「選択された患者集団におけるウイルス性呼吸器疾患の治療」という名称で出願されたアメリカ合衆国仮出願第63/155,481号(その全体が参照によって組み込まれている)に開示されている方法を用いて選択することができる。
いくつかの実施形態では、患者として、検査でコロナウイルス科に属するウイルスに対して陽性であり、チアゾリド剤(チゾキサニド、チゾキサニドの医薬として許容可能な塩、および/またはチゾキサニドのプロドラッグ(ニタゾキサニドなど)など)を投与される前に以下の4つのFLU-PRO質問(「4質問検査」)に対して許容可能な回答をしたヒトが可能である:
(A)あなたは今日、普段の健康に戻っていますか?
はい(許容できない回答)
いいえ(許容可能な回答)
(B)今日、あなたの症状がどれくらいあなたの普段の活動の妨げになりましたか?
まったくない(許容できない回答)
ほんの少し(許容可能な回答)
いくらか(許容可能な回答)
かなり(許容可能な回答)
とても(許容可能な回答)
(C)結局、あなたの流感の症状は今日どれくらい重かったでしたか?
今日は流感の症状がなかった(許容できない回答)
軽度(許容できない回答)
中度(許容可能な回答)
重度(許容可能な回答)
非常に重度(許容可能な回答)
(D)結局、あなたの流感の症状は今日、昨日と比べてどうでしたか?
はるかに良い(許容できない回答)
いくらか良い(許容できない回答)
少し良い(許容できない回答)
ほぼ同じ(許容可能な回答)
少し悪い(許容可能な回答)
いくらか悪い(許容可能な回答)
はるかに悪い(許容可能な回答)
いくつかの実施形態では、患者は、免疫学的にナイーブな患者、すなわちコロナウイルス科ウイルスに属するウイルスに以前に曝露されておらず検査でそのウイルスに対して陽性になる患者である可能性がある。
いくつかの実施形態では、患者は、コロナウイルス科に属するウイルスに対する抗体を持たない可能性があり、そのウイルスに関して検査で陽性になる。例えば体液サンプル(血液サンプルなど)をその患者から回収して検査室に送り、ウイルスに対する抗体を検出するための検査をすることができる。いくつかの実施形態では、患者は、コロナウイルス科に属していて検査で陽性になるあらゆるヒトウイルスに対する抗体と、コロナウイルス科に属するが検査で陽性にならない他のヒトウイルスに対する抗体を持たない可能性がある。いくつかの実施形態では、患者は、コロナウイルス科に属していて検査で陽性になるあらゆるウイルスに対する抗体と、コロナウイルス科に属するが検査で陽性にならない他のウイルスに対する抗体を持たない可能性がある。
いくつかの実施形態では、患者は、体温の上昇または発熱がある患者である可能性があり、例えば口内で測定した体温が37.3℃以上、または37.4℃以上、または37.5℃以上、または37.6℃以上、または37.7℃以上、または37.8℃以上、または37.9℃以上、または38.0℃以上、または38.1℃以上、または38.2℃以上、または38.3℃以上、または38.4℃以上、または38.5℃以上である可能性がある。いくつかの実施形態では、そのような患者は、以下の基準、すなわち(a)4質問検査の4つの質問のそれぞれに許容可能な回答を提供する;(b)コロナウイルス科に属するウイルスに対する抗体を持たず、検査で患者が陽性になる、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるヒトウイルスに対する抗体を持たない、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるウイルスに対する抗体を持たない、の一方または両方をさらに満たす可能性がある。
いくつかの実施形態では、患者として、少なくとも1つの症状(その中に含めることができるのは、頭の症状(頭痛、頭部鬱血など)(頭サブドメイン);喉の症状(飲み込みにくさ、喉の炎症または痛み、チクチクまたはムズムズする喉など)(喉ドメイン);鼻の症状(詰まった/鬱血した鼻、流れる/滴る鼻、副鼻腔圧迫感、およびくしゃみなど)(鼻ドメイン);胸の症状(呼吸困難、胸部圧迫感、および胸部鬱血など)(胸サブドメイン);咳の症状(咳き込み、乾性咳または空咳、咳き込んで出る粘液または痰、湿性咳または痰を伴う咳など)(咳サブドメイン)である)を持ち、しかもこれら5つのドメインまたはサブドメインの少なくとも1つの平均スコアが、FLU-PRO(登録商標)質問表を用いて求めたときに2.0以上、または3.0以上である患者が可能である。いくつかの実施形態では、そのような患者は、以下の基準、すなわち(a)4質問検査の4つの質問のそれぞれに許容可能な回答を提供する;(b)コロナウイルス科に属するウイルスに対する抗体を持たず、検査で患者が陽性になる、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるヒトウイルスに対する抗体を持たない、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるウイルスに対する抗体を持たない;(c)上に規定した体温の上昇または発熱がある、の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つをさらに満たす可能性がある。
いくつかの実施形態では、患者として、FLU-PRO(登録商標)の頭、喉、鼻、胸、または咳ドメイン/サブドメインに掲載されている少なくとも1つの症状を持ち、しかもこれら5つのドメインまたはサブドメインの少なくとも2つの平均スコアが2.0以上、または3.0以上である患者が可能である。いくつかの実施形態では、そのような患者は、以下の基準、すなわち(a)4質問検査の4つの質問のそれぞれに、許容可能な回答を提供する;(b)コロナウイルス科に属するウイルスに対する抗体を持たず、検査で患者が陽性になる、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるヒトウイルスに対する抗体を持たない、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるウイルスに対する抗体を持たない;(c)上に規定した体温の上昇または発熱がある、の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つをさらに満たす可能性がある。
いくつかの実施形態では、患者として、FLU-PRO(登録商標)の頭、喉、鼻、胸、または咳ドメイン/サブドメインに掲載されている少なくとも1つの症状を持ち、これら5つのドメインまたはサブドメインの少なくとも1つの平均スコアが2.0以上、または3.0以上であり、安静時の脈拍数が90拍/分(bpm)以上、または92bpm以上、または95bpm以上、または98bpm以上、または100bpm以上である患者が可能である。いくつかの実施形態では、そのような患者は、以下の基準、すなわち(a)4質問検査の4つの質問のそれぞれに許容可能な回答を提供する;(b)コロナウイルス科に属するウイルスに対する抗体を持たず、検査で患者が陽性になる、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるヒトウイルスに対する抗体を持たない、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるウイルスに対する抗体を持たない;(c)上に規定した体温の上昇または発熱がある、の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つをさらに満たす可能性がある。
いくつかの実施形態では、患者として、FLU-PRO(登録商標)の頭、喉、鼻、胸、または咳ドメイン/サブドメインに掲載されている少なくとも1つの症状を持ち、これら5つのドメインまたはサブドメインの少なくとも1つの平均スコアが2.0以上、または3.0以上であり、安静時の呼吸数が16呼吸/分(bpm)以上、または18bpm以上、または20bpm以上、または21bpm以上、または22bpm以上である患者が可能である。いくつかの実施形態では、そのような患者は、以下の基準、すなわち(a)4質問検査の4つの質問のそれぞれに許容可能な回答を提供する;(b)コロナウイルス科に属するウイルスに対する抗体を持たず、検査で患者が陽性になる、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるヒトウイルスに対する抗体を持たない、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるウイルスに対する抗体を持たない;(c)上に規定した体温の上昇または発熱がある、の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つをさらに満たす可能性がある。
さらにいくつかの実施形態では、患者として、FLU-PRO(登録商標)の頭、喉、鼻、胸、または咳ドメイン/サブドメインに掲載されている少なくとも1つの症状を持ち、しかもこれら5つのドメインまたはサブドメインの少なくとも2つの平均スコアが2.0以上、または3.0以上であり、安静時の脈拍数が90bpm未満であり、安静時の呼吸数が20呼吸/分未満である患者が可能である。いくつかの実施形態では、そのような患者は、以下の基準、すなわち(a)4質問検査の4つの質問のそれぞれに許容可能な回答を提供する;(b)コロナウイルス科に属するウイルスに対する抗体を持たず、検査で患者が陽性になる、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるヒトウイルスに対する抗体を持たない、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるウイルスに対する抗体を持たない;(c)上に規定した体温の上昇または発熱がある、の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つをさらに満たす可能性がある。
このセクションの患者として、検査でコロナウイルス科に属するウイルスに対して陽性であった患者が可能性であり、そのウイルスは、例えばアルファコロナウイルス属に属するウイルス;ベータコロナウイルス属に属するウイルス;NL63コロナウイルス、HKU1コロナウイルス、229Eコロナウイルス、およびOC43コロナウイルス;または重症急性呼吸器症候群関連コロナウイルス(SARS)(SARS-CoVまたはSARS-CoV-2の可能性がある)からなるグループから選択されるウイルスである可能がある。
チアゾリド剤
チアゾリド剤は、チゾキサニド、チゾキサニドの医薬として許容可能な塩、および/またはチゾキサニドのプロドラッグを含むことができる。
いくつかの実施形態では、チゾキサニドのプロドラッグとしてニタゾキサニドが可能である。
さらにいくつかの実施形態では、チゾキサニドのプロドラッグとして、WO2016/077420と、アメリカ合衆国特許第10,100,023号;第10,358,428号;第10,577,337号(そのそれぞれは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている)に開示されているチゾキサニドのプロドラッグが可能である。このようなプロドラッグは、式:
を持つことができる(ただしR6はNO2であり;R2、R3、R4、R5、およびR9のそれぞれは水素であり;R1は、例えばWO2016/077420に規定されている通りである)。このようなプロドラッグの非限定的な例に含まれるのは、以下の式:
を持つRM-5061と、例えばWO2016/077420に規定されているRM-5066である。
いくつかの実施形態では、チゾキサニドの医薬として許容可能な塩として、2020年7月20日に「チゾキサニドの塩」という名称で出願されたアメリカ合衆国仮出願第63/054,072号、または2021年7月19日に出願された対応するPCT出願第PCT/US2021/042196号(その両方とも、その全体が参照によって組み込まれている)に開示されているチゾキサニドの塩が可能である。このような塩に含まれるのは、チゾキサニドのアミン含有塩であり、それは、液体アミン含有塩基(アンモニア、メチルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルフェネチルアミン、1-エフェナミン、およびN,N’-ジベンジルエチレンジアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジンなど)とで形成されるチゾキサニドの塩などである。
組成物
チアゾリド剤(チゾキサニド、チゾキサニドの医薬として許容可能な塩、および/またはチゾキサニドのプロドラッグ(ニタゾキサニドが可能である)など)は、医薬組成物の一部として投与することができる。この医薬組成物は、チアゾリド剤に加えて含むことができるは、基剤(医薬として許容可能な基剤など)を含むことができる。「基剤」という用語は、その最も広い意味で使用することができる。例えば「基剤」という用語は、任意の基剤、希釈剤、賦形剤、湿潤剤、緩衝剤、懸濁剤、潤滑剤、アジュバント、担体、送達系、乳化剤、崩壊剤、吸収剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、香味剤、および甘味剤を意味する。いくつかの実施形態では、基剤として、基剤よりも狭い用語である医薬として許容可能な基剤が可能である。なぜなら医薬として許容可能な基剤」という用語は、医薬組成物で用いるのに適していると考えられる非毒性を意味するからである。医薬組成物の中のチアゾリド剤の実際の用量レベルは、チアゾリド剤の量を投与するため変動する可能性があるは、対象の血漿中に有効濃度のチゾキサニドを提供し、したがって特定の患者にとって望ましい治療応答を実現する。
選択される用量レベルは、具体的なチアゾリド剤の活性、投与経路、治療中の状態の重症度、および治療中の患者の状態と以前の医療歴に依存する可能性がある。しかし望む治療効果の達成に必要であるよりも低いレベルの用量のチアゾリド剤から開始し、望む効果が達成されるまで用量を漸増することは、本分野の範囲である。望むのであれば、例えば1日に2~4回投与するため有効な1日用量を多数回用量に分割することができる。しかしある特定の患者にとっての具体的な用量レベルは、多彩な因子(体重、一般的な健康、食事、投与の時刻と経路、および他の治療剤との組み合わせ、および治療中の状態の重症度が含まれる)に依存する可能性があることが理解されよう。
医薬組成物は例えば経口製剤(固形経口製剤など)にして全身投与することができる。医薬組成物は、例えば粉末、錠剤、カプセル、ロゼンジ、ゲル、溶液、懸濁液、シロップなどの物理的形態にすることができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、アメリカ合衆国特許第8,524,278号と第9,351,937号に開示されている製剤の形態にすることができる。そのような製剤として、例えば持続放出製剤が可能であり、その中には、第1の量のチアゾリド剤(例えばニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドが可能である)を含有する制御放出部分と、第2の量のチアゾリド剤(例えばニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドが可能である)を含有する即時放出部分が含まれる。第1の量と第2の量が合わさって有効な量のチアゾリド剤を提供し、対象(ヒトなど)の血漿中に有効濃度のチゾキサニドを提供することができる。これら組成物は、単回用量で投与すること、または異なるときに投与される多数回用量で投与することができる。
いくつかの実施形態では、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の総量は、組成物の重量の約20%~約95%、または約30%~約90%、または約35%~約85%、または約60%~約75%が可能である。組成物は、即時放出用、制御放出用、または持続放出用に製剤化することができる。組成物は、医薬として許容可能な1つ以上の追加の添加剤または賦形剤を含有することができる。これら賦形剤は、本分野において周知で評価されている治療上不活性な成分である。本明細書では、「不活性成分」という用語は、医薬製造の分野で周知であって単独で、またはさまざまな組み合わせで使用できる治療上不活性な成分を意味することができ、例えば希釈剤、崩壊剤、結合剤、懸濁剤、流動促進剤、潤滑剤、充填剤、被覆剤、可溶剤、甘味剤、着色剤、香味剤、および抗酸化剤が含まれる。例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition、イーストン、ペンシルヴェニア州を参照されたい。
希釈剤または充填剤の非限定的な例に含まれるのは、デンプン、ラクトース、キシリトール、ソルビトール、粉糖、圧縮性糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、フルクトース、ラクチトール、マンニトール、スクロース、タルク、微結晶セルロース、炭酸カルシウム、第二または第三リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム脱水物、硫酸カルシウムなどである。希釈剤または充填剤の量は、生物全体の重量の約2%~約15%の範囲が可能である。
崩壊剤の非限定的な例に含まれるのは、アルギン酸、メタクリル酸DVB、架橋したPVP、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン(コーンスターチまたはトウモロコシのデンプン、アルファ化デンプンが含まれる)などである。崩壊剤は、典型的には、組成物全体の重量の約2%~約15%を占める。
結合剤の非限定的な例に含まれるのは、デンプン(ジャガイモのデンプン、コムギのデンプン、コーンスターチなど);微結晶セルロース;セルロース(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなど);天然ゴム(アラビアゴム、アルギン酸、グアルゴムなど);液体グルコース、デキストリン;液体グルコース、デキストリン、ポビドン、シロップ、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリ-N-ビニルアミド、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ポリプロピレングリコール、トラガカントなどである。結合剤の量は組成物全体の重量の約0.2%~約14%である。
流動促進剤の非限定的な例に含まれるのは、二酸化ケイ素、コロイド状無水シリカ、三ケイ酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、粉末セルロース、デンプン、タルクなどである。流動促進剤の量は、組成物全体の重量の約0.01%~約0.3%である。
潤滑剤の非限定的な例に含まれるのは、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、ベヘン酸グリセリル、鉱物油、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、水添植物油などである。潤滑剤の量は、組成物全体の重量の約0.2%~約1.0%である。
組成物は、低粘性ポリマーである結合剤を含むことができる。低粘性ポリマーの非限定的な例に含まれるのは、低粘性ヒドロキシプロピルメチルセルロースポリマー(Dow Chemicalにより商品名「MethoceLTM」(例えばMethocel E50LVTM、Methocel K100LVRTM、およびMethocel F50LVRTM)で販売されているものなど)と、低粘性ヒドロキシエチルセルロースポリマーである。低粘性ポリマーは、典型的には組成物全体の合計重量の約10%~約20%、または約10%~約15%、または好ましくは約12%を占める。あるいは制御放出部分と即時放出部分を持つ実施形態では、制御放出部分の中の低粘性ポリマーは、典型的には制御放出部分の重量の約15%~約20%、好ましくは約18%を占める。
組成物は被覆材料をさらに含むことができる。被覆材料は、典型的には剤型の表面にあって製剤を完全に覆う外側層として存在する。例えばいくつかの実施形態では、剤型は経口錠剤であり、その中の制御放出部分が錠剤の第1の層を形成し、即時放出部分が第1の層の上に堆積される第2の層を形成することで、コア錠剤を形成する。そのような実施形態では、例えば被覆材料は、コア錠剤の上に堆積される外側被覆層の形態にすることができる。被覆材料は典型的には組成物の重量の約1%~約5%であり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび/またはポリエチレングリコールを含むとともに、被覆剤、乳白剤、味マスキング剤、充填剤、研磨剤、着色剤、粘着防止剤などからなるグループから選択される1つ以上の賦形剤を含むことができる。フィルム被覆物質と、そのような被覆物質を利用する方法の例は、当業者によく知られている。
投与
チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)は、コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスなど)によって起こる疾患を効果的に治療するのに適した長さの時間にわたって投与することができる。多数の適切な用量と計画を組成物のために用いることができる。いくつかの実施形態では、投与は約3日~約104週間の期間にわたって実施することができる。いくつかの実施形態では、投与は104週間よりも長い期間にわたって実施することができ、永遠に実施することさえできる。適切な計画は医師が決定することができる。
いくつかの実施形態では、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与は、コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスなど)によって起こる疾患の少なくとも1つの症状が対象(ヒトなど)において発症してから24時間以内、または30時間以内、または35時間、または40時間以内、または45時間以内、または50時間以内、または60時間以内、または72時間以内、または96時間以内に開始することができる。例えばチアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与は、上昇した体温または発熱(口内で測定した体温が37.3℃以上、または37.4℃以上、または37.5℃以上、または37.6℃以上、または37.7℃以上、または37.8℃以上、または37.9℃以上、または38.0℃以上、または38.1℃以上、または38.2℃以上、または38.3℃以上、または38.4℃以上、または38.5℃以上など);1つ以上の呼吸器症状(咳、喉の痛み、および鼻詰まりなど);および1つ以上の全身症状(疲労、頭痛、筋肉痛、および発熱など)から選択される1つ以上の症状が対象(ヒトなど)において発症してから24時間以内、または30時間以内、または35時間以内、または40時間以内、または45時間以内、または50時間以内、または60時間以内、または72時間以内、または96時間以内に開始することができる。
いくつかの実施形態では、ヒトに投与されるチアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の1日用量として、100mg~1300mg、または200mg~1200mg、または250mg~1100mg、または300mg~1000mg、またはこれらの範囲内の任意の用量値または部分範囲が可能である。代表的な用量値に含まれるのは、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、または800mgである。
いくつかの実施形態では、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)は、少なくとも2日間、または少なくとも3日間、または少なくとも4日間、または少なくとも5日間、または少なくとも6日間にわたって投与することができる。いくつかの実施形態では、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)は、2~14日、または3~10日、または4~7日、またはこれらの範囲内の任意の値または部分範囲の期間にわたって投与することができる。ある実施形態では、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)は、5日間にわたって投与することができる。チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の用量として、300mg~900mg、または400mg~800mg、または500mg~700mg、またはこれらの範囲内の任意の用量値または部分範囲が可能である。代表的な用量値に含まれるのは、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、または800mgである。チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)は、1日に1回、2回、または3回投与することができる。ある場合には、600mgのニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドを1日に2回投与することができる。
治療
いくつかの実施形態では、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与は、前記疾患に罹患している対象において、そのチアゾリド剤を投与することで、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて症状の緩和までの時間を統計的に有意に短縮する結果をもたらす可能性がある。例えばその疾患の症状の継続期間は、その疾患に罹患している対象において、チアゾリド剤を投与することで、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて少なくとも10時間、または少なくとも15時間、または少なくとも20時間、または少なくとも25時間、または少なくとも30時間、または少なくとも35時間、または少なくとも40時間、または少なくとも45時間、または少なくとも50時間、または少なくとも55時間、または少なくとも60時間短縮される可能性がある。いくつかの実施形態では、前記疾患に罹患しているが治療されないままであるかプラセボで治療されている対象において、その疾患の症状の平均継続期間が発症から少なくとも160時間、または少なくとも170時間、または少なくとも180時間、または少なくとも190時間、または少なくとも200時間、または少なくとも210時間、または少なくとも220時間、または少なくとも230時間、または少なくとも240時間、または少なくとも250時間であるとき、その疾患の症状の継続期間は、その疾患に罹患している対象において、チアゾリド剤を投与することで、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて少なくとも10時間、または少なくとも15時間、または少なくとも20時間、または少なくとも25時間、または少なくとも30時間、または少なくとも35時間、または少なくとも40時間、または少なくとも45時間、または少なくとも50時間、または少なくとも55時間、または少なくとも60時間短縮される可能性がある。
いくつかの実施形態では、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与は、前記疾患に罹患している対象において、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)を投与することで、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて普段の健康に戻るまでの時間が統計的に有意に短縮される結果をもたらす可能性がある。例えば前記疾患の発症から普段の健康に戻るまでの時間は、その疾患に罹患している対象において、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)を投与することで、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて少なくとも10時間、または少なくとも15時間、または少なくとも20時間、または少なくとも25時間、または少なくとも30時間、または少なくとも35時間、または少なくとも40時間、または少なくとも45時間、または少なくとも50時間、または少なくとも55時間、または少なくとも60時間短縮される可能性がある。いくつかの実施形態では、前記疾患に罹患しているが治療されないままであるかプラセボで治療されている対象において、その疾患の発症から普段の健康に戻るまでの平均時間が少なくとも160時間、または少なくとも170時間、または少なくとも180時間、または少なくとも190時間、または少なくとも200時間、または少なくとも210時間、または少なくとも220時間、または少なくとも230時間、または少なくとも240時間、または少なくとも250時間であるとき、前記疾患の発症から普段の健康に戻るまでの時間は、その疾患に罹患している対象において、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)を投与することで、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて少なくとも10時間、または少なくとも15時間、または少なくとも20時間、または少なくとも25時間、または少なくとも30時間、または少なくとも35時間、または少なくとも40時間、または少なくとも45時間、または少なくとも50時間、または少なくとも55時間、または少なくとも60時間短縮される可能性がある。
いくつかの実施形態では、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与は、前記疾患に罹患している対象において、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)を投与することで、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて正常な全活動を実施できるまでの時間が統計的に有意に短縮される結果をもたらす可能性がある。例えば前記疾患の発症から正常な全活動を実施できるまでの時間は、前記疾患に罹患している対象において、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)を投与することで、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて少なくとも10時間、または少なくとも15時間、または少なくとも20時間、または少なくとも25時間、または少なくとも30時間、または少なくとも35時間、または少なくとも40時間、または少なくとも45時間、または少なくとも50時間、または少なくとも55時間、または少なくとも60時間短縮される可能性がある。いくつかの実施形態では、前記疾患に罹患しているが治療されないままであるかプラセボで治療されている対象において、その疾患の発症から正常な全活動を実施できるまでの平均時間が少なくとも160時間、または少なくとも170時間、または少なくとも180時間、または少なくとも190時間、または少なくとも200時間、または少なくとも210時間、または少なくとも220時間、または少なくとも230時間、または少なくとも240時間、または少なくとも250時間であるとき、前記疾患の発症から正常な全活動を実施できるまでの時間は、その疾患に罹患している対象において、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)を投与することで、その疾患に罹患しているがチアゾリド剤で治療されていない対象(プラセボを投与された対象など)と比べて少なくとも10時間、または少なくとも15時間、または少なくとも20時間、または少なくとも25時間、または少なくとも30時間、または少なくとも35時間、または少なくとも40時間、または少なくとも45時間、または少なくとも50時間、または少なくとも55時間、または少なくとも60時間短縮される可能性がある。
普段の健康に戻るまでの時間と、正常な全活動を実施できるまでの時間は、患者が報告する症状スケール指標(EvideraからのFLU-PRO(登録商標)など)または同様の指標を用いて評価することができる。FLU-PRO(登録商標)指標とそれと同様の指標が開示されているのは、例えばPowers JH, et al. BMC Infect Dis 2015; 16:1;Powers JH, et al. Value Health 2017; 21:210-18;Powers JH, et al. PLoS One 2018; 13:e0194180、Osborne RH, et al. J Outcomes Res 2000;4:15-30である(そのそれぞれの全体が参照によって本明細書に組み込まれている)。
重症急性呼吸器症候群コロナウイルスによって起こる軽度または中度の疾患の治療
いくつかの実施形態では、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与を利用して、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)によって起こる軽度または中度の疾患を治療することができる。
いくつかの実施形態では、そのような軽度または中度の疾患を持つ患者として、FLU-PRO(登録商標)の頭、喉、鼻、胸、または咳ドメイン/サブドメインに掲載されている少なくとも1つの症状を持ち、これら5つのドメインまたはサブドメインのうちの少なくとも2つの平均スコアが2.0以上、または3.0以上である患者が可能である。いくつかの実施形態では、そのような患者はさらに、以下の基準、すなわち(a)4質問検査の4つの質問のそれぞれに許容可能な回答を提供する;(b)重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)に対する抗体を持たず、検査で患者が陽性になる、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるヒトウイルスに対する抗体を持たない、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるウイルスに対する抗体を持たない;(c)上に規定した体温の上昇または発熱がある、の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを満たす可能性がある。FLU-PRO(登録商標)のドメイン/サブドメインは、上に説明されているとともに、2021年3月2日に「選択された患者集団におけるウイルス性呼吸器疾患の治療」という名称で出願されたアメリカ合衆国仮出願第63/155,481号(その全体が参照によって本明細書に組み込まれている)で説明されている。
いくつかの実施形態では、前記軽度または中度の疾患を持つ患者として、FLU-PRO(登録商標)の頭、喉、鼻、胸、または咳ドメイン/サブドメインに掲載されている少なくとも1つの症状を持ち、これら5つのドメインまたはサブドメインの少なくとも1つの平均スコアが2.0以上、または3.0以上であり、安静時の脈拍数が90拍/分(bpm)以上、または92bpm以上、または95bpm以上、または98bpm以上、または100bpm以上である患者が可能である。いくつかの実施形態では、そのような患者はさらに、以下の基準、すなわち(a)4質問検査の4つの質問のそれぞれに許容可能な回答を提供する;(b)重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)に対する抗体を持たず、検査で患者が陽性になる、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるヒトウイルスに対する抗体を持たない、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるウイルスに対する抗体を持たない;(c)上に規定した体温の上昇または発熱がある、の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを満たす可能性がある。
いくつかの実施形態では、前記軽度または中度の疾患を持つ患者として、FLU-PRO(登録商標)の頭、喉、鼻、胸、または咳ドメイン/サブドメインに掲載されている少なくとも1つの症状を持ち、これら5つのドメインまたはサブドメインの少なくとも1つの平均スコアが2.0以上、または3.0以上であり、安静時の呼吸数が16呼吸/分(bpm)以上、または18bpm以上、または20bpm以上、または21bpm以上、または22bpm以上である患者が可能である。いくつかの実施形態では、そのような患者はさらに、以下の基準、すなわち(a)4質問検査の4つの質問のそれぞれに許容可能な回答を提供する;(b)重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)に対する抗体を持たず、検査で患者が陽性になる、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるヒトウイルスに対する抗体を持たない、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるウイルスに対する抗体を持たない;(c)上に規定した体温の上昇または発熱がある、の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを満たす可能性がある。
さらにいくつかの実施形態では、前記軽度または中度の疾患を持つ患者として、FLU-PRO(登録商標)の頭、喉、鼻、胸、または咳ドメイン/サブドメインに掲載されている少なくとも1つの症状を持ち、これら5つのドメインまたはサブドメインの少なくとも2つの平均スコアが2.0以上、または3.0以上であり、安静時の脈拍数が90bpm未満であり、安静時の呼吸数が20呼吸未満/分である患者が可能である。いくつかの実施形態では、そのような患者はさらに、以下の基準、すなわち(a)4質問検査の4つの質問のそれぞれに許容可能な回答を提供する;(b)重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)に対する抗体を持たず、検査で患者が陽性になる、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるヒトウイルスに対する抗体を持たない、および/またはコロナウイルス科に属するあらゆるウイルスに対する抗体を持たない;(c)上に規定した体温の上昇または発熱がある、の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを満たす可能性がある。
前記軽度または中度の疾患を持つ患者から除外される可能性があるのは、(a)重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)によって起こる重度の疾患を持つ患者(以下の徴候、すなわち安静時の息切れ、安静時の脈拍数が125拍以上/分、安静時の呼吸数が30呼吸以上/分、または海面下での室内空気中での酸素飽和(SpO2)が93%以下、の1つ以上を持つ患者など);(b)重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)に以前に感染した患者;(c)免疫不全の患者である。
いくつかの実施形態では、前記軽度または中度の疾患を持つ患者は、年齢が少なくとも12歳であることが可能である。さらにいくつかの実施形態では、前記軽度または中度の疾患を持つ患者は、年齢が12歳未満であることが可能である。
前記軽度または中度の疾患を持つ患者(ヒトなど)へのチアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与は、その患者で前記疾患の少なくとも1つの症状が発症してから24時間以内、または30時間以内、または36時間以内、または42時間以内、または48時間以内、または54時間以内、または60時間以内、または66時間以内、または72時間以内、または96時間以内に開始することができる。
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)によって起こる軽度または中度の疾患を持つ患者集団へのチアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)によって起こる重度の疾患への進行を、チアゾリド化合物の代わりにプラセボを投与されたこと以外は同じ前記軽度または中度の疾患を持つ集団と比べて統計的に有意に減らす結果をもたらす可能性がある。例えば前記重度の疾患へと進行する割合は、チアゾリド化合物を投与された患者集団において、治療されないままであった患者集団および/またはチアゾリド化合物の代わりにプラセボを投与された患者集団と比べて少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%低下する可能性がある。
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)によって起こる軽度または中度の疾患を持つ患者集団へのチアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与は、前記疾患の進行による入院率を、チアゾリド化合物の代わりにプラセボを投与されたこと以外は同じ前記軽度または中度の疾患を持つ集団と比べて統計的に有意に低下させる結果をもたらす可能性がある。例えばチアゾリド化合物を投与された患者集団における入院率は、治療されないままであった患者集団および/またはチアゾリド化合物の代わりにプラセボを投与された患者集団における入院率と比べて少なくとも20%、または少なくとも25%、または少なくとも30%、または少なくとも35%、または少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%低下する可能性がある。
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)によって起こる軽度または中度の疾患を持つ患者集団へのチアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与は、その疾患の症状の継続期間を、チアゾリド化合物の代わりにプラセボを投与されたこと以外は同じ前記軽度または中度の疾患を持つ集団と比べて統計的に有意に短縮する結果をもたらす可能性がある。例えば前記疾患の症状の継続期間は、治療されないままであった患者集団および/またはチアゾリド化合物の代わりにプラセボを投与された患者集団における継続期間と比べてチアゾリド化合物を投与された患者集団少なくとも10時間、または少なくとも15時間、または少なくとも20時間、または少なくとも25時間、または少なくとも30時間、または少なくとも35時間、または少なくとも40時間、または少なくとも45時間、または少なくとも50時間、または少なくとも55時間、または少なくとも60時間短縮される可能性がある。
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-COV-1またはSARS-COV-2など)によって起こる軽度または中度の疾患を持つ患者集団へのチアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドなど)の投与は、普段の健康に戻るまでの平均時間を、チアゾリド化合物の代わりにプラセボを投与されたこと以外は同じ前記軽度または中度の疾患を持つ集団と比べて統計的に有意に短縮する結果をもたらす可能性がある。例えば普段の健康に戻るまでの平均時間は、治療されないままであった患者集団および/またはチアゾリド化合物の代わりにプラセボを投与された患者集団における平均時間と比べてチアゾリド化合物を投与された患者集団で少なくとも10時間、または少なくとも15時間、または少なくとも20時間、または少なくとも25時間、または少なくとも30時間、または少なくとも35時間、または少なくとも40時間、または少なくとも45時間、または少なくとも50時間、または少なくとも55時間、または少なくとも60時間短縮される可能性がある。
予防
いくつかの実施形態では、チアゾリド剤(チゾキサニド、チゾキサニドの医薬として許容可能な塩、および/またはチゾキサニドのプロドラッグ(ニタゾキサニドまたはRM-5161など)など)を用い、ウイルス性呼吸器疾患に曝露されていた可能性があるがそのウイルス性呼吸器疾患のいかなる症状も示していない対象(ヒトなど)でそのウイルス性呼吸器疾患を予防できる可能性がある。例えば対象は、前記症状(発熱など)、上気道の症状(鼻詰まり/鼻漏(その中には、流れる、または滴る鼻、鬱血した、または詰まった鼻、頭部鬱血、副鼻腔圧迫感を含めることができる);喉の痛み(例えば喉の炎症または痛み)など);下気道の症状(咳(例えば咳き込み、胸部鬱血、胸部圧迫感、乾性咳または空咳、湿性咳または痰を伴う咳);呼吸困難(例えば息切れ);喀痰(例えば喀痰または痰);喘鳴など);全身症状(筋肉痛または関節痛(例えば身体の痛みまたは疼痛);疲労(例えば弱っている、または疲れている、普段より長く寝る);頭痛;食欲減退(例えば食欲なし、食べる気が起こらなかった);発熱(例えば暑く感じた、寒気または震え、寒く感じた、汗をかく)など)のいずれも示していない可能性がある。対象は、前記ウイルス性呼吸器疾患に曝露されていた疑いがある可能性がある。例えば対象は限定された集団(例えば介護ホームまたは長期療養施設の集団、またはクルーズ船の集団)の一員であり、その集団の他の1人以上のメンバーがそのウイルス性呼吸器疾患に感染していた可能性がある。その対象は、そのウイルス性呼吸器疾患に感染した対象と密に接触した医療専門職または最初のレスポンダーであった可能性がある。
いくつかの実施形態では、ウイルス性呼吸器疾患として、アデノウイルス、コロナウイルス(ヒトコロナウイルスなど)、メタニューモウイルス(ヒトメタニューモウイルスなど)、エンテロウイルス、および/またはライノウイルス、インフルエンザ(インフルエンザAまたはインフルエンザBなど)、パラインフルエンザ、および呼吸器多核体ウイルス(RSV)から選択される1つ以上のウイルス病原体によって起こる疾患が可能である。いくつかの実施形態では、ウイルス性呼吸器疾患として、アデノウイルス、コロナウイルス(ヒトコロナウイルスなど)、メタニューモウイルス(ヒトメタニューモウイルスなど)、エンテロウイルス、および/またはライノウイルス、パラインフルエンザ、および呼吸器多核体ウイルス(RSV)から選択される1つ以上のウイルス病原体によって起こる疾患が可能である。
いくつかの実施形態では、前記ウイルス性呼吸器疾患は、コロナウイルス科に属するウイルス(オルトコロナウイルス亜科に属するウイルスに属するウイルスなど)によって起こる可能性がある。例えばいくつかの実施形態では、前記ウイルス性呼吸器疾患は、重症急性呼吸器症候群関連コロナウイルス(SARS)(SARS-CoVまたはSARS-CoV-2の可能性がある)によって起こる可能性がある。
いくつかの実施形態では、チアゾリド剤(ニタゾキサニドおよび/またはチゾキサニドおよび/またはその塩など)の投与は、対象が前記ウイルス性呼吸器疾患に罹患する確率を統計的に有意に低下させる結果をもたらす可能性がある。言い換えると、前記ウイルス性呼吸器疾患に罹患する対象の割合は、チアゾリド剤を投与された集団では、チアゾリド剤を投与されなかった集団(プラセボを投与された集団など)と比べて例えば少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%統計的に有意に低下するであろう。例えばコロナウイルス科に属するウイルス(SARS-CoVまたはSARS-CoV-2など)によって起こるウイルス性呼吸器疾患に関し、前記ウイルス性呼吸器疾患の1つ以上の症状を示していて、コロナウイルス科に属するウイルス(SARS-CoVまたはSARS-CoV-2など)がその疾患の一因であることが例えば鼻咽頭スワブ、唾液検査、または別の検査室検査を通じて確認される対象の割合は、チアゾリド剤を投与された集団では、チアゾリド剤を投与されなかった集団(プラセボを投与された集団など)と比べて統計的に有意により少なく(例えば少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%少なく)なるであろう。
いくつかの実施形態では、コロナウイルス科に属するウイルス(SARS-CoVまたはSARS-CoV-2など)によって起こるウイルス性呼吸器感染症について、そのウイルス性呼吸器感染症が原因で入院し、コロナウイルス科に属するウイルス(SARS-CoVまたはSARS-CoV-2など)がその感染症の一因であることが例えば鼻咽頭スワブ、唾液検査、または別の検査室検査を通じて確認される対象の割合は、チアゾリド剤を投与された集団では、チアゾリド剤を投与されなかった集団(プラセボを投与された集団など)と比べて統計的に有意により少なく(例えば少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%少なく)なるであろう。
いくつかの実施形態では、コロナウイルス科に属するウイルス(SARS-CoVまたはSARS-CoV-2など)によって起こるウイルス性呼吸器感染症について、そのウイルス性呼吸器感染症が原因で死亡し、コロナウイルス科に属するウイルス(SARS-CoVまたはSARS-CoV-2など)がその感染症の一因であることが例えば鼻咽頭スワブ、唾液検査、または別の検査室検査を通じて確認される対象の割合は、チアゾリド剤を投与された集団では、チアゾリド剤を投与されなかった集団(プラセボを投与された集団など)と比べて統計的に有意により少なく(例えば少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%少なく)なるであろう。
いくつかの実施形態では、コロナウイルス科に属するウイルス(SARS-CoVまたはSARS-CoV-2など)によって起こるウイルス性呼吸器感染症について、検査でコロナウイルス科に属するウイルス(SARS-CoVまたはSARS-CoV-2など)に対する抗体に対して陽性である対象の割合は、チアゾリド剤を投与された集団では、チアゾリド剤を投与されなかった集団(プラセボを投与された集団など)と比べて統計的に有意により少なく(例えば少なくとも20%、または少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%少なく)なるであろう。
予防を目的としたチアゾリド剤の投与では、上に記載した組成物、用量、および投与計画を利用することができる。
いくつかの実施形態では、予防を目的としたチアゾリド剤の投与は、少なくとも5日間、または少なくとも7日間、または少なくとも10日間、または少なくとも14日間、または少なくとも21日間、または少なくとも28日間、または少なくとも35日間、または少なくとも42日間、または少なくとも49日間、または少なくとも56日間の期間にわたる可能性がある。
本明細書に記載されている実施形態を以下の機能する実施例によってさらに説明するが、実施形態がそれら実施例に限定されることはない。
実施例1
緒言
インフルエンザおよび/またはインフルエンザ様の疾患を持つ対象の治療において無作為化二重盲検臨床試験を実施し、ニタゾキサニド300mg持続放出錠剤を600mg経口で1日に2回投与する場合の安全性と有効性をプラセボと比べて評価した。
材料と方法
インフルエンザ様の疾患を持っていて、口腔温が99.4°F以上、少なくとも1つの呼吸器症状(咳、喉の痛み、または鼻詰まり)、および1つの全身症状(疲労、頭痛、筋肉痛、または発熱)を特徴とする年齢が少なくとも12歳の対象が、地域社会においてインフルエンザであると確認されたとき、発症から40時間以内に、アメリカ合衆国、プエルト・リコ、およびオーストラリアの57箇所の外来患者診療所に登録された。入院治療を必要とすることが予測される対象、中度または重度の喘息、嚢胞性線維症、COPD、うっ血性心不全、不整脈、または他の状態があってインフルエンザ合併症のリスクがある対象、妊娠中、母乳育児中、または避妊しておらず妊娠する可能性のある女性、およびスクリーニングの3日前以降にインフルエンザ抗ウイルス剤を投与された対象は除外した。対象は、研究の7日目と22日目に、追跡(検査室での安全性検査のための身体検査、鼻咽頭スワブの回収(各鼻腔から1つ)、血液サンプルおよび尿サンプルの回収と、コンプライアンス、併用薬、および有害事象の再検討が含まれる)のため診療所を再訪した。インフルエンザA(亜型は特定しない)、インフルエンザA/H1、A/H1N1(2009)、A/H3亜型、インフルエンザB、呼吸器多核体ウイルスAとB(RSV)、パラインフルエンザ1、2、3、および4、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)、アデノウイルス(A-F)、ヒトライノウイルス/エンテロウイルス、コロナウイルスNL63、HKU1、229E、およびOC43、肺炎クラミジア、および肺炎マイコプラズマを検出するため、ベースライン時点と追跡用の鼻咽頭スワブに対してePlex(登録商標)呼吸器病原体パネル(Genmark、カールスバッド、カリフォルニア州)を用いてRT-PCR検査を実施した。対象は、ベースラインとなる来院時に、そしてその後は研究の21日目まで毎晩午後7時と11時の間に、FLU-PRO(著作権)日誌を完成させた1-3。対象は、それと同時に11点式視覚的アナログスケール(0=正常な活動を実施できない、10=正常な活動を完全に実施できる)4を用いて活動評価も完成させるとともに、あらゆる有害事象の経験を記録した。日誌情報は、研究施設から提供された対象のスマートフォンまたは電子装置にダウンロードした電子的アプリケーションに入力された。連続した2日間の日誌入力について、最初の投与から対象が普段の健康と正常な全活動を実施する能力を報告するまでの時間を、カプラン-マイヤー生存曲線とプレンティス-ウィルコクソン検定を利用して分析した。持続奏功までの時間に関する他の分析も、カプラン-マイヤー生存曲線とプレンティス-ウィルコクソン検定を利用して実施した。この目的のための持続奏功の定義は、(i)合計FLU-PRO症状スコアが前日から低下している、(ii)全体的な症状が昨日よりも「いくらか改善」または「はるかに改善」のいずれかであると対象が報告する、(iii)直近24時間に口腔温が100.4°C以上でない、(iv)どのドメインまたはサブドメインの平均スコアも、バックグラウンドのレベルよりも下で上昇した場合を除き、その後上昇しない(ただしバックグラウンドのレベルは、身体/全身が0.56以下、喉が0.67以下、目が0.67以下、胃腸が2.0以下、頭が2.0以下、鼻が0.75以下、胸が0、咳が1.75以下である)であった。
結果
1,032人の対象が臨床試験に登録された。92人の対象からのベースラインの時点の鼻咽頭スワブが、RT-PCRによる検査でコロナウイルス感染に関して陽性であり、そのうちの65人が、検査で唯一の病原体としてのコロナウイルスに関して陽性であった。この集団の人口学的特徴と疾患に関連する特徴が表1に示されている。
ベースラインの時点に検査室でコロナウイルス感染が確認されてニタゾキサニドで治療された対象は、最初の投与から普段の健康に戻るまでの時間と、最初の投与から正常な全活動を実施できる状態に戻るまでの時間の短縮を報告した。図1と2を参照されたい。同様に、ベースラインの時点に検査室でコロナウイルス感染が確認されてニタゾキサニドで治療された対象は、最初の投与から症状陰性までの時間が短縮され、より重度の呼吸器症状を持つ対象ではより大掛かりな治療が観察されたことを報告した。図3と4を参照されたい。
ニタゾキサニドは患者によってよく忍容された。少なくとも2%の対象によって報告された有害事象は、軽度の着色尿(14.6%に対してプラセボでは1.0%)と下痢(6.6%に対してプラセボでは4.9%)であった。
結論
この臨床試験では、検査室でコロナウイルス感染が確認されて熱がある対象にニタゾキサニド300mg持続放出錠剤を600mg経口で1日に2回、5日間にわたって投与する治療を、普段の健康に戻るまでの時間の改善、および対象が正常な活動を実施できるまでの時間の改善と関係づけた。治療計画は患者によってよく忍容された。
参考文献
1. Powers JH, et al. BMC Infect Dis 2015; 16: 1.
2. Powers JH, et al. Value Health 2017; 21 :210-18.
3. Powers JH, et al. PLoS One 2018; 13:e0194180.
4. Osborne RH, et al. J Outcomes Res 2000;4: 15-30.
実施例2
COVID-19と他のウイルス性呼吸器疾患への曝露後の予防に関するニタゾキサニド(NTZ)の有効性と安全性を長期療養施設(LTCF)の高齢居住者で評価するための無作為化二重盲検プラセボ対照試験
適応:COVID-19と他のVRIへの曝露後の予防
設計:COVID-19と他のVRIへの曝露後のNTZの有効性と安全性を高齢のLTCF居住者で評価するための多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験。
集団:LTCFに居住している年齢が65歳以上の男女
無作為化:対象レベルにおいて層(LTCF)内で1:1
研究の用量と投与:群1(NTZ):2錠のNTZ 300mg錠剤を経口で1日に2回投与(b.i.d.)を6週間。
群2(プラセボ):2錠のプラセボ錠剤を経口でb.i.d.を6週間。
NTZに付随する可能性のある潜在的な着色尿を隠すため、全対象が1錠のビタミンB複合体(Super B-Complex(商標)、Igennus Healthcare Nutrition、ケンブリッジ、連合王国)を1日に2回摂取する。
目的:600mgを経口でb.i.d.、6週間にわたって投与されたNTZが検査室で確認されるCOVID-19と他のVRIの症状を予防する効果を、プラセボの効果と比べて評価する。
主要有効性パラメータ:i.治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前に同定された、検査室で確認されたCOVID-19の症状を持つ対象の割合。
ii.治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前に同定された、検査室で確認されたVRIの症状を持つ対象の割合
副次的有効性パラメータ:i.COVID-19またはその合併症が原因で入院した対象の割合。
ii.COVID-19またはその合併症に起因する死亡。
iii.6週目または8週目いずれかの来院時に検査でSARS-CoV-2に対する抗体に関して陽性であった(症状あり、またはなしの)対象の割合。
探索的有効性パラメータ:ウイルス性呼吸器疾患(VRI)またはその合併症が原因で入院した対象の割合;VRIまたはその合併症に起因する死亡;急性呼吸器疾患(ARI)を経験した対象の割合;ARIまたはその合併症が原因で入院した対象の割合、およびARIまたはその合併症に起因する死亡。
研究の目的
この研究の主要な目的は、経口で600mgを1日に2回、6週間にわたって投与されたNTZが、検査室で確認されるCOVID-19と他のVRIの症状を高齢LTCF居住者で予防する効果を、プラセボの効果と比べて評価することである。
副次的目的は、(i)COVID-19またはその合併症に起因する入院、(ii)COVID-19またはその合併症に起因する死亡、および(iii)6週目または8週目のいずれかの来院時に検査でSARS-CoV-2に対する抗体に関して陽性であった(症状あり、またはなしの)対象の割合に対する効果を評価することである。
探索的目的に含まれるのは、(i)VRIまたはその合併症による入院、(ii)VRIまたはその合併症による死亡、(iii)急性呼吸器疾患(ARI)を経験した対象の割合、(iv)ARIまたはその合併症による入院、および(v)ARIまたはその合併症による死亡である。
他の重要な目的は、有害事象の分析によるNTZの安全性の評価と、薬物動態と臨床奏功またはウイルス陰性化の間の関係の評価を含む。
研究設計
本研究は、COVID-19と他のVRIへの曝露後の予防に関するNTZの有効性と安全性を高齢LTCF居住者で評価するための多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験になる。
層内で対象は1:1で無作為化されて以下の群の1つに割り当てられる:
群1(NTZ):2錠のNTZ 300mg錠剤をb.i.d.で6週間
群2(プラセボ):2錠のプラセボ錠剤をb.i.d.で6週間
患者報告アウトカム手段の選択。この臨床試験はInFLUenz患者報告アウトカム質問表(FLU-PRO(著作権))を利用する。FLU-PRO(著作権)は、インフルエンザとそれ以外の気道ウイルス性疾患を治療するための薬の臨床試験において治療効果を評価するための改善された指標が要求されていることに応え、アメリカ合衆国国立衛生研究所の国立がん研究所と国立アレルギー・感染症研究所を通じてアメリカ合衆国保健福祉省からサポートを得ることによって開発された。これは、FDAのガイダンス「患者報告アウトカム指標:ラベル表示をサポートするための医療製品開発における利用」に従って開発されて検証された。FLU-PRO(著作権)は非インフルエンザ様疾患を持つ集団での利用に関しては別に検証され、高齢者でのRSV予防用ワクチンの研究でも最近利用されている(Powers et al. 2018, Yu et al. 2020)。
ARIの定義の選択。この臨床試験の主要エンドポイントは、ARIが起こったことの判断を必要とする可能性がある。ARIは、「胸/呼吸器FLU-PROドメインに関する平均症状スコアがベースラインから0.5以上増加すること、または以下のFLU-PRO(著作権)ドメイン、すなわち身体/全身、鼻、喉の少なくとも2つに関する平均症状スコアがベースラインから0.5以上増加すること」として定義される。ARIの定義は、症状スコアがベースラインから増加することを要求する可能性があるが、平均ドメインスコアの増加の大きさ(0.5以上)は小さいため、平均スコアの増加は4つのドメインのうちの1つまたは2つだけで実現されることが要求される可能性がある。
アメリカ合衆国内の長期療養施設におけるCOVID-19の最近の報告は、SARS-CoV-2ウイルスの感染率が大きいことを示唆しているが、感染制御手続きが感染を有意に減らす可能性がある(McMichael et al. 2020, Kimball et al. 2020)。264人の高齢ボランティア(年齢65歳以上)での最近の研究は、1人-年当たり1.6気道感染(検査室で確認されてはいない)であることを報告したが、これは、所与の6週間の期間に気道感染する確率が約20%であることを示している(Mannick et. al, 2018)。この臨床試験によってカバーされるこの期間中のその場での感染制御手続きは他の呼吸器ウイルスの感染も減らすことが予想される。
効果的な予防は、COVID-19と他のVRIの割合を少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%低下させる可能性がある。
有効性の変数
主要有効性パラメータ:i.治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前に同定された、検査室で確認されたCOVID-19の症状を持つ対象の割合;ii.治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前に同定された、検査室で確認されたVRIの症状を持つ対象の割合
副次的有効性パラメータ:i.COVID-19またはその合併症が原因で入院した対象の割合;ii.COVID-19またはその合併症に起因する死亡;iii.6週目または8週目いずれかの来院時に検査でSARS-CoV-2に対する抗体に関して陽性であった(症状あり、またはなしの)対象の割合。
探索的有効性パラメータ:VRIまたはその合併症に起因する入院、VRIまたはその合併症に起因する死亡、急性呼吸器疾患(ARI)を経験した対象の割合、ARIまたはその合併症に起因する入院、およびARIまたはその合併症に起因する死亡。
奏功の定義
ARI:胸/呼吸器FLU-PROドメインに関する平均症状スコアがベースラインから0.5以上増加すること、または以下のFLU-PRO(著作権)ドメイン、すなわち身体/全身、鼻、喉の少なくとも2つに関する平均症状スコアがベースラインから0.5以上増加すること。
COVID-19:治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前のARIと、鼻咽頭スワブのRT-PCRアッセイによるSARS-CoV-2の検出の組み合わせ。
VRI:治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前のARIと、鼻咽頭スワブのRT-PCRアッセイによる任意の呼吸器ウイルスの検出の組み合わせ。
探索的分析は以下のように実施される:
以下のそれぞれを経験する対象の割合が、治療群ごとに両側CMHカイ二乗検定(調整なしα=0.05)を利用して比較される:(i)VRIまたはその合併症に起因する入院;(ii)VRIまたはその合併症に起因する死亡、(iii)急性呼吸器疾患(ARI)、(vi)ARIまたはその合併症に起因する入院;および(v)ARIまたはその合併症に起因する死亡。
有効性の分析
有効性の分析は、ベースラインとなる来院時に検査室でウイルス性呼吸器感染症が検出されることなく無作為化された全対象からなる集団(治療の意図集団、すなわちITT集団)に基づく。あらゆるカイ二乗分析は適切な連続修正付きで計算される。
2つの主要有効性分析が存在する:
NTZ治療群の中でCOVID-19を経験した対象の割合を、両側コクラン-マンテル-ヘンツェル(CMH)カイ二乗検定(α=0.049)を利用して、プラセボ治療群での割合と比較する。
NTZ治療群の中でVRIを経験した対象の割合を、両側CMHカイ二乗検定(α=0.001)を利用して、プラセボ治療群での割合と比較する。
副次的分析は以下のように実施される:
COVID-19またはVRIを経験した対象の割合を、層内でピアソンカイ二乗検定を調整なしα=0.05にして利用し、治療と対照を比較して調べる。
各層についてNTZとプラセボの全オッズ比とオッズ比に関する信頼区間(95%信頼レベル)を得る。
COVID-19またはその合併症に起因する死亡を経験した対象の割合を、治療群ごとに両側ピアソンカイ二乗検定(調整なしα=0.05)を利用して比較する。
6週目または8週目いずれかの来院時に検査でSARS-CoV-2に対する抗体に関して陽性であった(症状あり、またはなしの)対象の割合を治療群ごとに両側ピアソンカイ二乗検定(調整なしα=0.05)を利用して比較する。
探索的分析は以下のように実施される:
以下のそれぞれを経験した対象の割合を治療群ごとに両側ピアソンカイ二乗検定(調整なしα=0.05)を利用して比較する:(i)VRIまたはその合併症に起因する入院、(ii)VRIまたはその合併症に起因する死亡、(iii)急性呼吸器疾患(ARI)を経験した対象の割合、(vi)ARIまたはその合併症に起因する入院、(v)ARIまたはその合併症に起因する死亡。
薬計画、投与、および期間
群1(NTZ):対象は、6週間にわたり、2錠のNTZ 300mg錠剤をb.i.d.で食事(食後1時間以内)とともに摂取し、ビタミンB複合体(Super B-Complex(商標)、Igennus Healthcare Nutrition、ケンブリッジ、連合王国)をb.i.d.で摂取する。
群2(プラセボ):対象は、6週間にわたり、2錠のプラセボ錠剤をb.i.d.で食事(食後1時間以内)とともに摂取し、ビタミンB複合体(Super B-Complex(商標)、Igennus Healthcare Nutrition、ケンブリッジ、連合王国)をb.i.d.で摂取する。
薬を摂取する前の食事は好ましくは高脂肪食だが、少なくともシリアルバーでなければならない。
NTZに帰されるあらゆる潜在的な着色尿を隠すのを助けるためと、研究が盲検であるのを維持するのを助けるため、全対象が1錠のビタミンB複合体サプリメントを1日に2回(製造者のラベルの用量)摂取する。
実施例3
COVID-19と他のウイルス性呼吸器疾患(VRI)への曝露後の予防に関するニタゾキサニド(NTZ)の有効性と安全性を医療従事者で評価するための無作為化二重盲検プラセボ対照試験
適応: COVID-19と他のVRIへの曝露後の予防
設計: COVID-19と他のVRIへの曝露後の予防に関するNTZの有効性と安全性を評価するための多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験。
集団: 職業上COVID-19への曝露のリスクが上昇している医療従事者
無作為化:対象レベルで1:1
研究の用量と投与:群1(NTZ):2錠のNTZ 300mg錠剤を経口で1日2回(b.i.d.)を6週間。
群2(プラセボ):2錠のプラセボ錠剤を経口でb.i.d.を6週間。
NTZに付随する可能性のある潜在的な着色尿を隠すため、全対象が1錠のビタミンB複合体(Super B-Complex(商標)、Igennus Healthcare Nutrition、ケンブリッジ、連合王国)を1日に2回摂取する。
目的: 600mgを経口でb.i.d.、6週間にわたって投与されたNTZが検査室で確認されたCOVID-19と他のVRIの症状を予防する効果を、プラセボの効果と比べて評価する。
主要有効性パラメータ:i.治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前に同定された、検査室で確認されたCOVID-19の症状を持つ対象の割合。
ii.治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前に同定された、検査室で確認されたVRIの症状を持つ対象の割合
副次的有効性パラメータ:i.COVID-19またはその合併症に起因する死亡。
ii.6週目または8週目いずれかの来院時に検査でSARS-CoV-2に対する抗体に関して陽性であった(症状あり、またはなしの)対象の割合。
探索的有効性パラメータ:ウイルス性呼吸器疾患(VRI)またはその合併症が原因で入院した対象の割合;VRIまたはその合併症に起因する死亡;急性呼吸器疾患(ARI)を経験した対象の割合;ARIまたはその合併症が原因で入院した対象の割合、およびARIまたはその合併症に起因する死亡。
研究目的
この研究の主要な目的は、経口で600mgを1日に2回、6週間にわたって投与されるNTZが、検査室で確認されるCOVID-19と他のVRIの症状を予防する効果を、職業上曝露されるリスクが大きい医療従事者でプラセボの効果と比較して評価することである。
この研究の副次的な目的は、(i)COVID-19またはその合併症に起因する死亡を予防することと、(ii)6週目または8週目いずれかの来院時に検査でSARS-CoV-2に対する抗体に関して陽性であった(症状あり、またはなしの)対象の割合を減らすことに関し、経口で600mgを1日に2回、6週間にわたって投与されるNTZの効果を評価することである。
探索的目的は、(i)VRIまたはその合併症に起因する入院、(ii)VRIまたはその合併症に起因する死亡、(iii)急性呼吸器疾患(ARI)を経験した対象の割合、(iv)ARIまたはその合併症に起因する入院、および(v)ARIまたはその合併症に起因する死亡を含む。
他の重要な目的は、有害事象の分析と、薬物動態と臨床奏功またはウイルス陰性化の間の関係の評価によってNTZの安全性を評価することを含む。
研究設計
本研究は、COVID-19と他のVRIへの曝露後の予防に関するNTZの有効性と安全性を評価するための多施設層化無作為化二重盲検プラセボ対照試験になる。
対象は、自らの職場に応じて層化される。これは、SARS-CoV-2と他のVRIへの曝露の代わりである。層は:
救急部門
集中治療室
COVIDに特化した治療室
予約不要の診療所
救急医療隊員と他の最初の対応者(例えば消防士/EMT)
である。
層内で対象は1:1で無作為化されて以下の群の1つに割り当てられる:
群1(NTZ):2錠のNTZ 300mg錠をb.i.d.で6週間
群2(プラセボ):2錠のプラセボ錠をb.i.d.で6週間
患者報告アウトカム手段の選択。この臨床試験はInFLUenz患者報告アウトカム質問表(FLU-PRO(著作権))を利用する。FLU-PRO(著作権)は、インフルエンザとそれ以外の気道ウイルス性疾患を治療するための薬の臨床試験において治療効果を評価するための改善された指標が要求されていることに応え、アメリカ合衆国国立衛生研究所の国立がん研究所と国立アレルギー・感染症研究所を通じてアメリカ合衆国保健福祉省からサポートを得ることによって開発された。これは、FDAのガイダンス「患者報告アウトカム指標:ラベル表示をサポートするための医療製品開発における利用」に従って開発されて検証された。これは、電子装置での電子日誌(「eDiary」)の一部としての使用も検証されており、毎日の入力の日時が記されて適切に記録されることを保証できるため、想起バイアスのリスクが小さくなる。われわれはこの臨床試験のために電子日誌を使用する。FLU-PRO(著作権)は非インフルエンザ様疾患を持つ集団での利用に関しては別に検証され、高齢者でのRSV予防用ワクチンの研究でも最近利用されている(Powers et al. 2018, Yu et al. 2020)
ARIの定義の選択。この試験の主要エンドポイントはARIが起こったことの判断を必要とする。われわれは、ARIを「胸/呼吸器FLU-PROドメインに関する平均症状スコアがベースラインから0.5以上増加すること、または以下のFLU-PRO(著作権)ドメイン、すなわち身体/全身、鼻、喉の少なくとも2つに関する平均症状スコアがベースラインから0.5以上増加すること」と定義した。この定義に至るにあたり、RSV疾患の経過に関する公開された平均FLU-PRO(商標)症状スコアのデータ(Yu et al. 2020)のほか、風邪とインフルエンザを持つ約3,000人の対象で最近完了した臨床試験からのデータを再検討した。ARIの定義は、症状スコアがベースラインから増加することを要求する可能性があるが、平均ドメインスコアの増加の大きさ(0.5以上)は小さいため、平均スコアの増加は4つのドメインのうちの1つまたは2つだけで実現されることが要求される可能性がある。
有効な予防は、疾患になる割合の少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%の低下という結果をもたらす可能性がある。
有効性の変数
主要有効性パラメータ:i.治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前に同定された、検査室で確認されたCOVID-19の症状を持つ対象の割合
ii.治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前に同定された、検査室で確認されたVRIの症状を持つ対象の割合
副次的有効性パラメータ:i.COVID-19またはその合併症に起因する死亡
ii.6週目または8週目いずれかの来院時に検査でSARS-CoV-2に対する抗体に関して陽性であった(症状あり、またはなしの)対象の割合
探索的有効性パラメータ:VRIまたはその合併症に起因する入院、VRIまたはその合併症に起因する死亡、急性呼吸器疾患(ARI)を経験した対象の割合、ARIまたはその合併症に起因する入院、ARIまたはその合併症に起因する死亡。
奏功の定義
ARI:胸/呼吸器FLU-PROドメインに関する平均症状スコアがベースラインから0.5以上増加すること、または以下のFLU-PRO(著作権)ドメイン、すなわち身体/全身、鼻、喉の少なくとも2つに関する平均症状スコアがベースラインから0.5以上増加すること。
COVID-19:治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前のARIと、鼻咽頭スワブのRT-PCRアッセイによるSARS-CoV-2の検出の組み合わせ。
VRI:治療の開始後かつ6週間の治療期間の終了前のARIと、鼻咽頭スワブのRT-PCRアッセイによる呼吸器ウイルスの検出の組み合わせ。
有効性の分析
有効性の分析は、ベースラインとなる来院時に検査室でウイルス性呼吸器感染症が検出されることなく無作為化された全対象からなる集団(治療の意図集団、すなわちITT集団)に基づく。あらゆるカイ二乗分析は適切な連続修正付きで計算される。
2つの主要有効性分析が存在する:
NTZ治療群の中でCOVID-19を経験した対象の割合を、両側コクラン-マンテル-ヘンツェル(CMH)カイ二乗検定(α=0.049)を利用して、プラセボ治療群での割合と比較する。
NTZ治療群の中でVRIを経験した対象の割合を、両側CMHカイ二乗検定(α=0.001)を利用して、プラセボ治療群での割合と比較する。
副次的分析は以下のように実施される:
COVID-19またはVRIを経験した対象の割合を、層内でピアソンカイ二乗検定を調整なしα=0.05にして利用し、治療と対照を比較して調べる。
各層についてNTZとプラセボの全オッズ比とオッズ比に関する信頼区間(95%信頼レベル)を得る。
COVID-19またはその合併症に起因する死亡を経験した対象の割合を、治療群ごとに両側ピアソンカイ二乗検定(調整なしα=0.05)を利用して比較する。
6週目または8週目いずれかの来院時に検査でSARS-CoV-2に対する抗体に関して陽性であった(症状あり、またはなしの)対象の割合を治療群ごとに両側ピアソンカイ二乗検定(調整なしα=0.05)を利用して比較する。
探索的分析は以下のようにして実施される:
以下のそれぞれを経験した対象の割合を治療群ごとに両側ピアソンカイ二乗検定(調整なしα=0.05)を利用して比較する:(i)VRIまたはその合併症に起因する入院、(ii)VRIまたはその合併症に起因する死亡、(iii)急性呼吸器疾患(ARI)を経験した対象の割合、(vi)ARIまたはその合併症に起因する入院、(v)ARIまたはその合併症に起因する死亡。
薬計画、投与、および期間
群1(NTZ):対象は、6週間にわたり、2錠のNTZ 300mg錠剤をb.i.d.で食事(食後1時間以内)とともに摂取し、ビタミンB複合体(Super B-Complex(商標)、Igennus Healthcare Nutrition、ケンブリッジ、連合王国)をb.i.d.で摂取する。
群2(プラセボ):対象は、6週間にわたり、2錠のプラセボ錠剤をb.i.d.で食事(食後1時間以内)とともに摂取し、ビタミンB複合体(Super B-Complex(商標)、Igennus Healthcare Nutrition、ケンブリッジ、連合王国)をb.i.d.で摂取する。
薬を摂取する前の食事は好ましくは高脂肪食だが、少なくともシリアルバーでなければならない。
NTZに帰されるあらゆる潜在的な着色尿を隠すのを助けるためと、研究が盲検であるのを維持するのを助けるため、全対象が1錠のビタミンB複合体サプリメントを1日に2回(製造者のラベルの用量)摂取する。
実施例2と3に関する参考文献
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実施例4
研究目的
主要な目的: 軽度または中度のCOVID-19を持つ対象でNTZが持続奏功までの時間を短縮する効果をプラセボと比べて評価する
副次的な目的:NTZが重度COVID-19疾患への進行の割合を低下させる効果をプラセボと比較して評価する
探索的目的:i.4日目と10日目のそれぞれに、SARS-CoV-2に関して陽性の対象の割合をTCID50によって評価する
ii.4日目と10日目のそれぞれに、ベースラインからのSARS-CoV-2の変化をTCID50によって評価する
iii.NTZが入院率を低下させる効果をプラセボと比較する
iv.NTZが死亡率を低下させる効果をプラセボと比較する
安全性の目的:安全性を有害事象の分析によって評価する。
研究設計
研究設計の概要
本研究は、軽度または中度のCOVID-19を治療するため1日2回、5日間にわたって経口投与される600mgのNTZの有効性と安全性をプラセボと比較して評価するために設計された多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。
対象を以下の基準に従って層化した:
COVID-19疾患の重症度:・軽度の疾患:(1)ベースラインスコアが2以上の少なくとも1つの呼吸器ドメイン*と、(2)安静時の 脈拍数が90拍未満/分と、(3)安静時の呼吸数が20呼吸未満/分というベースライン評価として定義される。
・中度の疾患:(1)ベースラインスコアが2以上の少なくとも1つの呼吸器ドメイン*と、(2)安静時の脈拍数が90拍以上/分または(3)安静時の呼吸数が20呼吸以上/分というベースライン評価として定義される。
*この目的で、呼吸器ドメインには以下の5つの FLU-PROドメイン/サブドメイン、すなわち胸、咳、鼻、喉、および頭が含まれる。
発症から無作為化までの時間:36時間未満/36時間以上
重度疾患のリスク(CDCによる):・リスクが上昇している:COPD、2型糖尿病、肥満(BMIが30以上)、慢性腎疾患、鎌状赤血球症、または重度心臓病(心不全、冠動脈疾患、または心筋症など)、喘息(中度または重度)、脳血管疾患、嚢胞性線維症、高血圧、(免疫不全、HIV、コルチコステロイドの使用、または免疫を弱める他の薬の使用による)免疫抑制状態、神経疾患(例えば認知症)、肝臓疾患、肺線維症、過去または現在の喫煙歴、サラセミア、または1型糖尿病を持つ対象。年齢が65歳以上の対象。
・リスクが上昇していない:上記の状態のいずれも持たない対象
層内で対象は1:1で無作為化されて以下の群の1つに割り当てられる:
・群1(NTZ):2錠のNTZ 300mg錠剤をb.i.d.で5日間
・群2(プラセボ):2錠のプラセボ錠剤をb.i.d.で5日間
研究集団
包含基準
1.年齢が少なくとも12歳の男性または女性の外来患者
2.少なくとも直近12時間以内の主観的発熱があるか、診察室口腔温が少なくとも99.4oF
3.軽度または中度のCOVID-19が悪化しつつあるか安定していることに合致する臨床徴候および/または症状の存在(以下の1つが必要とされる):
a)スクリーニングFLU-PROによって判断したときスコアが2以上の少なくとも2つの呼吸器症状ドメイン(頭、喉、鼻、胸、咳)の存在、または
b)スクリーニングFLU-PROによって判断したときスコアが2以上の少なくとも1つの呼吸器症状ドメイン(頭、喉、鼻、胸、咳)の存在と、脈拍数が90以上、または
c)スクリーニングFLU-PROによって判断したときスコアが2以上の少なくとも1つの呼吸器症状ドメイン(頭、喉、鼻、胸、咳)の存在と、呼吸数が16以上
と、症状が存在していて、その症状が対象の普段の健康と一致しないこと、その症状が毎日の活動を妨げること、およびその症状が前日と比べて悪化したか前日と同じであることがスクリーニングFLU-PROの中の質問に対する回答によって確認されたという、患者が報告した評価。
4.試験への登録前72時間以内の発症。発症は、対象が主観的発熱を初めて経験したとき、または何らかの呼吸器症状(頭痛/頭部鬱血、喉症状、鼻症状、胸症状、咳)を初めて経験したときのより早い方と定義される。
5.書面のインフォームド・コンセント(年齢が18歳未満である場合の法定後見人による同意を含む)を提出する意思があってそれが可能であり、プロトコルの条件を満たしている(対象による日誌と全プロトコル手続きの完了が含まれる)。
除外基準
1.重度の全身COVID-19疾患を示唆する何らかの臨床徴候または症状がある人であり、臨床徴候または症状には以下の事項が含まれる:
a)安静時の息切れ、
b)安静時の脈拍数が125拍以上/分、
c)安静時の呼吸数が30呼吸以上/分、または
d)海面下での室内空気中でのSpO2が93%以下。
2.急性上気道感染症、中耳炎、気管支炎、または副鼻腔炎を以前に発症した経験があるか、研究1日目を含めてその日までの過去2週間以内にこれらの状態に対する抗生剤を投与された対象。
3.重度免疫不全の人(その中には以下のような人が含まれる):
a)免疫障害があるか、(例えば臓器または骨髄の移植、ある種の自己免疫疾患に対する免疫調節療法のための)免疫抑制療法を受けている対象
b)HIV感染症の治療を受けていないか、HIV感染症の治療を受けていて直近6ヶ月のCD4細胞のカウント数が350個未満/mm3である対象
c)悪性腫瘍に対して全身化学療法または放射線療法の治療を積極的に受けている対象
d)慢性状態に対する維持療法としてステロイドを使用している対象
4.激しい呼吸器アレルギーがある対象、または研究期間中に呼吸器アレルギーに対する抗アレルギー薬を必要とすることが予想される対象。
5.妊娠しているか、避妊しておらず性生活が活発で出産の可能性がある女性。性生活が活発で出産する可能性のある女性対象は、ベースラインの時点で妊娠検査が陰性でなければならず、しかも研究期間中と治療後1ヶ月は許容できる避妊法を継続することに同意せねばならない。二重バリア法、薬投与前の少なくとも2ヶ月の周期にわたって投与される経口避妊薬、IUD、または研究薬投与前の少なくとも1ヶ月間にわたって筋肉内投与される酢酸メドロキシプロゲステロンが、研究に包含されるための許容できる避妊法である。女性対象は、閉経後(検査室でホルモンの状態を確認した場合に1年または6ヶ月にわたって経血がない)であるか、子宮摘出、両側卵管結紮、または両側卵巣摘出がなされている場合を除き、出産の可能性があると見なされる。
6.COVID-19既往歴があるか、抗SARS-CoV-2抗体が発達したことが知られている対象。
7.研究に参加している別の対象と同じ住居に在住している対象。
8.スクリーニングの前30日以内に何らかの研究薬またはワクチンを用いた療法による治療を受けていて、研究中はそれらを回避する意思がある。
9.スクリーニングの前7日以内に何らかの用量のNTZを投与された。
10.NTZ、またはこの研究薬を含む賦形剤のいずれかに対する感受性があることがわかっている。
11.経口錠剤またはカプセルを飲み込むことができない対象。
12.安全な参加ができないと治験責任医師が考える重度の心臓、肺、神経、または他の全身性疾患があることがわかっている対象。
13.研究期間中にCOVID-19とは無関係の入院を必要とする可能性が大きいか、そのような入院を必要とすることが予想される対象。
14.治験責任医師の判断では、このプロトコルの条件(対象による日誌完了が含まれる)を満たす可能性が小さいであろう対象
用量と投与
群1(NTZ):対象は、5日間にわたり、2錠のNTZ 300mg錠剤をb.i.d.で食事(食後1時間以内)とともに摂取し、ビタミンB複合体(Super B-Complex(商標)、Igennus Healthcare Nutrition、ケンブリッジ、連合王国)をb.i.d.で摂取する
群2(プラセボ):対象は、5日間にわたり、2錠のプラセボ錠剤をb.i.d.で食事(食後1時間以内)とともに摂取し、ビタミンB複合体(Super B-Complex(商標)、Igennus Healthcare Nutrition、ケンブリッジ、連合王国)をb.i.d.で摂取する
薬を摂取する前の食事は好ましくは高脂肪食だが、少なくともシリアルバーでなければならない。
NTZに帰されるあらゆる潜在的な着色尿を隠すのを助けるためと、研究が盲検であるのを維持するのを助けるため、全対象が1錠のビタミンB複合体サプリメントを1日に2回(製造者のラベルの用量)摂取する。
診断用ウイルス検査
診断用ウイルス検査を、ベースラインの時点、4日目、および10日目に回収した鼻咽頭スワブサンプルを用いて実施した。
ePlex(登録商標)呼吸器病原体パネル(GenMark、カールスバッド、カリフォルニア州)を用い、インフルエンザA(亜型は特定しない);インフルエンザAH1、H1N1(2009)、H3亜型;インフルエンザB;RSV AとB;パラインフルエンザ1、2、3、および4;hMPV;アデノウイルス;ヒトEV/RV;コロナウイルスNL63、HKU1、229E、およびOC43;肺炎クラミジア;および肺炎マイコプラズマを検出する。
Aptima(登録商標)SARS-CoV-2アッセイ(Hologic, Inc.、サン・ディエゴ、カリフォルニア州)を用いてSARS-CoV-2を検出する。
ベースラインの時点のすべての鼻咽頭スワブを両方のPCRアッセイによって調べる。ベースラインの時点の鼻咽頭スワブがSARS-CoV-2に関して陽性である場合には、4日目と10日目のサンプルでSARS-CoV-2を調べる。
定量的ウイルス検査
検査でSARS-CoV-2に関して陽性の鼻咽頭スワブサンプルでTCID50を求めてウイルス量の定量的変化を分析する。
血清学検査
ベースラインの時点と22日目の血液サンプルを検査して抗SARS-CoV-2抗体を定量する。
ウイルス抵抗性をモニタするための計画
SARS-CoV-2アッセイによって10日目のいずれかの鼻咽頭スワブサンプルがSARS-CoV-2に関して陽性である場合には、その対象のベースラインの時点と10日目の鼻咽頭スワブサンプルでチゾキサニドに対する治療後の感受性の低下を調べる。
有効性の変数
主要有効性パラメータ:FLU-PRO患者報告アウトカム手段に基づく、最初の投与から持続奏功までの時間。
副次的有効性パラメータ:重度COVID-19疾患へと進行する対象の割合。
探索的有効性パラメータ:i.4日目と10日目の培養物による、SARS-CoV-2に関して陽性の対象の割合。
ii.SARS-CoV-2 TCID50のベースラインからの平均変化。
iii.COVID-19またはその合併症が原因で入院した対象の割合。
iv.COVID-19またはその合併症が原因で死亡した対象の割合。
奏功の定義
持続奏功:合計FLU-PROスコアが以前の日誌から低下していて、患者が評価する症状が、少なくとも「昨日よりもいくらか良い」、過去24時間に口腔温が100.4°F以上でない、およびどのFLU-PROドメインでも、以下のレベル内で増加する場合を除いて将来増加しない、である:
統計的方法
有効性の分析
有効性の分析は、少なくとも1用量の研究薬を投与され、ベースラインの時点にPCRによりSARS-CoV-2に関して陽性である無作為化された全対象からなる集団に基づく。事象までの時間の分析については、カプラン-マイヤー図の使用を含む(以下に記載するような)有意差の検定を実施し、記述的統計を提供する。
1つの主要有効性分析が存在する:
・NTZ治療群に関する持続奏功までの時間を、層化されたゲーハン-ウィルコクソン検定(α=0.05)を利用してプラセボ治療群の時間と比較する(ここでは層化は無作為化のために使用された層化に従う)。記録された持続奏功がない対象は、文書化された持続奏功がない最後の日誌の時点で検閲されたとして取り扱う。
主要分析が0.05のレベルで有意である場合には、鍵となる副次的有効性分析は正式には0.05のレベルで以下のようにして評価する:
・重度COVID-19疾患へと進行する対象の割合を、無作為化層によって層化されたコクラン-マンテル-ヘンツェル(CMH)検定を利用して治療群の間で比較する。
探索的分析は以下のように実施する:
・研究の4日目と10日目の時点で培養物(TCID50)によりSARS-CoV-2に関して陽性の対象の割合を、無作為化層によって層化されたコクラン-マンテル-ヘンツェル(CMH)検定を利用して治療群の間で比較する。
・4日目と10日目のSARS-CoV-2のTCID50のベースラインからの平均変化をt検定を利用して比較する。
・COVID-19またはその合併症が原因で入院した対象の割合を、無作為化層によって層化されたCMH検定を利用して治療群の間で比較する。
・COVID-19またはその合併症に関連して死亡した対象の割合を、無作為化層によって層化されたCMH検定を利用して治療群の間で比較する。
集団の薬物動態分析
4日目、薬の濃度を求めるため、(トラフの時点の)朝の投与の前に血漿サンプルを回収する。これらのデータにより、トラフ血漿濃度と臨床奏功・ウイルス陰性化の間の関係を分析することが可能になる。
チゾキサニドとチゾキサニドグルクロニドのトラフ血漿濃度は、NTZで治療した対象について記述的にまとめる。血漿濃度と、年齢、人種、性別、体重、ボディ・マス指数、VRI、および有害事象の間の関係を評価するために探索的分析を実施する。
安全性の分析
少なくとも1用量の研究薬を投与されて無作為化された全対象で薬の安全性を評価する。安全性分析は記述的になされる。
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実施例5
ニタゾキサニドを用いた初期治療は、軽度と中度のCOVID-19の悪化とその後の入院を予防する
まとめ
軽度または中度のCOVID-19を持つ患者で重度COVID-19と入院への進行を予防することのできる治療が必要とされている
方法:アメリカ合衆国とプエルト・リコの36箇所の施設における無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験で、軽度または中度のCOVID-19の症状を持っていて発症から72時間以内に登録された外来患者における、1日に2回、5日間にわたる600mgの経口ニタゾキサニドの安全性と有効性を調べた。鍵となる目的は、症状の継続期間の短縮(主要)と、重度の疾患への進行(鍵となる副次的)であった。
結果:1,092人の対象が登録され、検査室でSARS-CoV-2感染が確認された379人が分析された。結局、持続的臨床回復までの時間は2つの群で似ていた。ニタゾキサニドでの治療には、重度COVID-19への進行の85%の減少(1/184、[0.5%]対7/195、[3.6%]、p=0.07)と、入院、救急処置室収容、または死亡の割合の82%の低下(1/184[0.5%]対6/195[3.1%]、p=0.12)が付随していた。ベースラインの時点に軽度の疾患を持つ対象では、治療に、持続的臨床回復までの時間の中央値の3.1日の短縮と、普段の健康に戻るまでの時間の5.2日の短縮も付随していた。ニタゾキサニドは安全でよく忍容された。
結論:5日間にわたって経口ニタゾキサニドを用いる軽度または中度のCOVID-19の治療は安全であり、よく忍容され、重度の疾患への進行の85%の減少と、軽度の疾患の継続期間の3~5日の短縮が付随していた。
緒言
SARS-CoV-2感染に対する有効なワクチンの開発における進歩は顕著である。効果的な療法をワクチン接種プログラムと組み合わせることが、パンデミックを制御するために重要である可能性がある1。しかし特に外来患者用の新たな療法を開発するための多大な努力の結果はこれまでのところ限定されている。有望な結果がモノクローナル抗体で実現しているが、それでもこれらの治療は費用がかかり、ウイルス抵抗性になりやすく、臨床設定においてだけ投与することができる2-4。したがって、軽度または中度のCOVID-19症状の悪化とその後の入院を予防するため、広く配布すること、そして健康管理資源が乏しい設定において配布することのできる薬が相変わらず必要とされている。
ニタゾキサニドはアメリカ合衆国においてクリプトスポリジウム・パルバムとランブル鞭毛虫の感染症によって起こる下痢の治療に関して承認され、ラテンアメリカとアジアで腸寄生虫感染症の治療に使われてきた。ニタゾキサニドが最初に導入されてからの25年間で世界中の約5億人が治療を受けており、この薬は成人と子供の両方で好ましい安全性の記録を実証している。
本多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験は、ニタゾキサニドが、SARS-CoV-2感染の症状が出現してから72時間以内に患者に投与されたとき、重度の疾患への進行と入院を予防し、軽度の疾患の継続期間を短縮する証拠を提供する。
方法
研究の設計と対象
これは、医薬品の臨床試験に関する現在の基準と適用可能な規制に従ってアメリカ合衆国とプエルト・リコの36箇所の外来患者医療クリニックで実施された無作為化二重盲検プラセボ対照試験であった。
年齢が少なくとも12歳で、軽度または中度のCOVID-19の発症から72時間以内の対象が、試験への参加に適格であった。症状の最低条件は、スクリーニング時に配布されたInFLUenz患者報告アウトカム(FLU-PRO(著作権))21質問表のスコアによって判断したときにスコアが2以上である少なくとも2つの呼吸器症状ドメイン(頭、喉、鼻、胸、咳)(脈拍数が90拍以上/分、または呼吸数が16呼吸以上/分である場合には、1つのドメインスコアだけが2以上であることが必要とされる)と、前日からの全体的な症状の重症度の改善がないことであった。鍵となる除外基準は、(i)重度COVID-19(安静時の息切れ、安静時の脈拍数が125拍以上/分、安静時の呼吸数が30呼吸以上/分、または海面下での室内空気中でのSpO2が93%以下であることが含まれる)を示唆する徴候または症状;(ii)以前のCOVID-19感染、(iii)免疫不全;および(iv)妊娠中の女性と、避妊しておらず妊娠の可能性がある性的に活発な女性であった。
ニタゾキサニドは、2錠の300mg持続放出錠剤(1回の投与ごとに600mg)として経口で食事とともに1日に2回、5日間にわたって投与された。
無作為化とマスキング
適格な対象は、ニタゾキサニドまたはそれに合わせたプラセボ錠剤を用いた治療を受けるため、中央で対話式ウェブ応答システムを利用して1:1で無作為化された。ニタゾキサニドに帰されるあらゆる潜在的な着色尿を隠すため、全対象が、研究薬に加え、ビタミンB複合体サプリメント(Super B-Complex(商標)、Igennus Healthcare Nutrition、ケンブリッジ、連合王国)を1日に2回投与された。無作為化のリストは、データベースがロックされるまで、研究参加者、治験依頼者、研究者、研究モニタ、および検査室職員に対して隠された。
無作為化を、ベースラインの時点でのCOVID-19疾患の重症度(軽度または中度)、発症からの時間(36時間未満または36時間以上)、および研究開始の時点で対象が現在のCDC基準に基づく重度の疾患になるリスク因子を持つかどうか(下記のCDC基準に関する補足材料参照)に従って層化した。中度の疾患は、安静時の脈拍数が90拍以上/分、および/または安静時の呼吸数が20呼吸以上/分によって定義した。
研究手続き
無作為化の後、実験室での安全性試験とSARS-CoV-2抗体力価の評価のため、適格な対象に対して身体検査、鼻咽頭スワブの回収、および血液サンプルと尿サンプルの回収を実施した。研究薬を配布し、対象を28日間にわたって追跡した。対象は、口腔温を1日に2回と症状の重症度を1日の晩に1回記録する電子式日誌を21日間にわたって完了させるよう指示され、施設のスタッフからの電話による問い合わせが研究の2~7日目と28日目には毎日なされてコンプライアンスが確認され、重度の疾患または他の合併症への進行がスクリーニングされた。鼻咽頭スワブを再度、研究の4日目と10日目に回収した。検査室での安全性検査とSARS-CoV-2抗体力価の評価のための追跡用の血液サンプルと尿サンプルを研究の22日目に回収した。対象は、症状緩和のためアセトアミノフェンおよび/またはデキストロメトルファンに加えて標準治療の頓服薬を使用することを許された。研究期間を通じて有害事象を集め、その事象が解決するまでモニタした。
特にCOVID-19の症状を測定するためのデータ収集に関する検証された患者報告アウトカム手段がまったく存在しない場合には、症状データは、FLU-PRO Plus(著作権)症状質問表を用いて回収した。InFLUenz患者報告アウトカム質問表(FLU-PRO(著作権))を、心理測定の最善の方法と、インフルエンザの症状の測定に関するFDAガイダンスとに従って開発した21。その後の文献検索と臨床データ分析が、非インフルエンザ呼吸器ウイルス(アデノウイルスが含まれる)、エンデミックコロナウイルス、エンテロウイルス(ライノウイルス、パラインフルエンザ、および呼吸器多核体ウイルスが含まれる)によって起こる疾患に関して前記手段の内容と構成が妥当であることを支持する。質問表は、各対象のスマートフォンにダウンロードされた電子式日誌アプリ、または提供された電子装置を用いて記入が完成するため、日誌入力は日時が示されて適切に記録されたことが保証され、そのことによって想起バイアスのリスクが小さくなる。
ベースラインの時点、4日目、および10日目に回収した鼻咽頭スワブサンプルを、Aptima(登録商標)SARS-CoV-2アッセイ(Hologic, Inc.、サン・ディエゴ、カリフォルニア州)とePlex(登録商標)呼吸器病原体パネル(「ePlex RPP」、GenMark、カールスバッド、カリフォルニア州)を用いて調べた。ベースラインの時点、4日目、および10日目にAptima(登録商標)SARS-CoV-2アッセイによってSARS-CoV-2に関して陽性であった鼻咽頭スワブサンプルについて、ウイルス量の定量的変化を分析するためRT-PCRを実施した。ベースラインの時点と22日目に回収した血液サンプルで抗SARS-CoV-2抗体を定量的に調べた。
主要アウトカムと副次的アウトカム
主要エンドポイントは、最初の投与から持続奏功までの時間(TSR)であった。これは、インフルエンザに感染した対象で開発されて検証された、対象の体内の症状の意味ある改善の1つの指標である。SARS-CoV-2に感染した対象でのFLU-PRO手段の性能特性とバックグラウンドのレベルが適切であることは、データベースのロック後かつ盲検解除の前に、この研究に関する日誌データのブラインド分析によって確認された。
鍵となる副次的エンドポイントは、重度COVID-19疾患(安静時の息切れと、室内空気中でのSpO2が93%以下またはPaO2/FiO2が300未満)へと進行する割合であった。入院に関する医師の判断は変動するため、入院を含む定義ではなくこの定義を選択した。
統計分析
有効性の分析は、ベースラインの時点に検査でSARS-CoV-2に関して陽性であった修正治療の意図(mITT)集団の対象に基づいた。研究薬を少なくとも1回投与された全対象が安全性分析に含まれた。
主要分析では、ニタゾキサニド治療群に関するTSRをプラセボ治療群のTSRと層化ゲーハン-ウィルコクソン検定(α=0.05)を利用して比較した。ここでの層化は、無作為化のために使用した層化に従った。記録された持続奏功がない対象は、完成させた最後の日誌の時点で検閲されたとして取り扱ったが、研究中に入院するか死亡したことが21日目に検閲された対象は除く。
COVID-19を持つ対象に以前の経験がない場合には、サンプルのサイズは、インフルエンザまたはライノウイルスによって起こるウイルス性呼吸器疾患を持つ対象におけるニタゾキサニドの以前の2つの臨床試験からのデータに基づいて決定した。312人の対象(群ごとに156人)というサンプルサイズは、ニタゾキサニド群とプラセボ群の間の生存率分布において統計的有意差を90%検出する能力が得られるように計算した(ゲーハンランク検定、両側α=0.05)。
鍵となる副次的分析では、重度COVID-19疾患へと進行中の対象の割合を、無作為化層によって層化されたコクラン-マンテル-ヘンツェル(CMH)検定を利用して治療群の間で比較した。
結果
1,092人の対象がアメリカ合衆国とプエルト・リコの36箇所の施設に登録され、検査室でSARS-CoV-2感染が確認された379人がその中に含まれる(図6)。SARS-CoV-2に感染した集団の人口学的特徴と疾患に関連した特徴が表5にまとめられている。
主要アウトカム。すべての可能な毎日のFLU-PRO質問表の九十二パーセント(92%)の記入が完了しており、わずか22(5.8%)人の対象が、22日目の来院以前の日誌データが失われたことを理由として主要分析で検閲された。中央値(IQR)TSRは、ニタゾキサニド群とプラセボ群のそれぞれについて、13.28日(6.26~21超)と12.35日(7.18~21超)であった(p=0.88)。
鍵となる副次的アウトカム。8人の対象が、重度COVID-19への進行の基準を満たした、表6。ニタゾキサニドを用いた治療は、重度の疾患への進行がプラセボと比べて85%低下することと関係していた(ニタゾキサニド群の1/184[0.5%]と比べてプラセボ群の7/195[3.6%]、p=0.07)、表7。


探索的アウトカム。ニタゾキサニドを用いた治療は、入院、救急救命室収容、または死亡の割合の82%低下と関係していた(p=0.11)、表8。
対象の九十四パーセント(94%)と70%が、研究のそれぞれ4日目と10日目に回収した鼻咽頭スワブの検査でSARS-CoV-2 RNAに関して陽性であった。SARS-CoV-2を検出するための定性的試験と定量的試験は、これらの時点において治療群の間で有意差を示さなかった、表9。
ベースラインの時点に軽度の疾患を持っていた246人の対象(65%)では、ニタゾキサニドを用いた治療は、TSR中央値の3.1日の短縮(ニタゾキサニド[n=116]の中央値[IQR]=10.3日[6.2~21超]と比べてプラセボ群[n=130]では13.4日[7.4~21超]、p=0.0932)と関係するとともに、最初の投与から対象が普段の健康に戻ったと報告するまでの時間の中央値の5.2日の短縮(ニタゾキサニドの中央値[IQR]=13.2日[9.2~21超]と比べてプラセボ群では18.4日[11.4~21超]、p=0.0075)と関係していた、図7。ベースラインの時点に中度の疾患に罹患していた133人の対象(35%)では、ニタゾキサニドを用いた治療は、TSRと普段の健康に戻るまでの時間がより長いことと関係していた。ニタゾキサニド群では中度の疾患に罹患していた68人の対象の誰も重度の疾患へと進行しなかったのに対し、プラセボ群では65人中の2人が重度の疾患へと進行した。
安全性。ニタゾキサニドは安全であり、よく忍容された。ニタゾキサニド群の63人の対象(13.3%)とプラセボ群の75人(16.2%)で少なくとも1件の有害事象が報告され、それは主に、重症度が軽度または中度であり、研究薬とは関係ないか研究薬と関係している可能性があると分類された。どの治療群でも2%以上で下痢だけが報告された(ニタゾキサニド群ではn=16[3.4%]、プラセボ群ではn=10[2.2%])。研究薬と有害事象の頻度、重症度、および評価の関係は、治療群の間で似ていた。ニタゾキサニドで治療した2人の対象とプラセボを投与された7人で深刻な有害事象が報告されたが、すべて研究薬とは関係がなかった。2人の対象(2人ともニタゾキサニド治療群)が研究中に死亡し、1人は重度COVID-19が原因であり、もう1人は(SARS-CoV-2陰性)治療が終了した19日後に吸引の後であった。どちらの事象も研究薬と関係していると見なされた。ニタゾキサニドで治療した2人の対象とプラセボを投与された3人は有害事象のため研究薬を中断した。
考察
COVID-19のパンデミックはSARS-CoV-2バリアントによって生じる急増を伴って継続しており、入院率が、多くの国々で健康管理システムにとっての大きな脅威となっている。ワクチンが開発されて現在配布されつつあるにもかかわらず、広範囲のワクチン接種は、世界中で実現するには時間を必要とするとともに、感染を完全に予防することはなかろう。したがって、安全で投与が容易な抗ウイルス治療剤として、薬局を通じて配布できて、軽度または中度のCOVID-19の治療のため初期に投与されるものが決定的に必要とされている。それは、理想的には、抵抗性に対する高い障壁を持ち、出現するバリアントに対する防御線を提供できる可能性のある宿主向け抗ウイルス剤である。
アメリカ合衆国とプエルト・リコの36箇所の外来患者センターで実施された多施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験が報告されている。この研究では同時にプラセボ対照が利用され、年齢が少なくとも12歳である広い範囲の対象が登録され、その63%は重度COVID-19になるリスクがより大きいリスク因子を持っていた。対象は、初期治療を保証するため症状に基づいて登録されたことで診断ための検査の利用可能性と遅延に付随する制約が回避され、SARS-CoV-2感染が確認された379人の対象で有効性が分析された。試験は適切なやり方で盲検にされ、対象は28日間にわたって注意深く追跡された。この試験はパンデミック期間中の初期に設計されたためにCOVID-19での以前の経験の利点がないが、それでもエンドポイントは客観的であり、関連性があってよく規定されており、厳密なデータ回収手続きが取られた。
600mgのニタゾキサニドを経口で1日に2回、5日間にわたって用いる治療は、重度の疾患へと進行する割合の85%の低下と関係していた(7/195対1/184、p=0.07)。あらゆる重度の疾患は、入院を必要とした8人のうちの6人で臨床的に意味があった。8件の重度の疾患のそれぞれは、CDC基準による重度の疾患になるリスクが大きい対象で研究の3日目と10日目の間に起こった。観察された事象の数は少ないが、それらは定量的にも定性的にも、アメリカ合衆国で軽度または中度のCOVID-19を治療するための最初のモノクローナル抗体の緊急使用の裏付けに用いられた事象と同様であるか、それよりも優れている2,3,23,24
これらの知見は最近、中度から重度のCOVID-19で入院した対象における別の多施設無作為化二重盲検プラセボ対照研究によって裏付けられており、その研究では、600mgのニタゾキサニドを経口で1日に2回、5日間にわたって用いる治療は、プラセボと比べて死亡と機械換気の割合の低下、酸素補給の継続期間の短縮、および退院までの時間の短縮と関係していた20
現在のところ、軽度または中度のCOVID-19を持つ対象における試験での治療薬の使用について、症状に基づくエンドポイントに関するコンセンサスは存在しない。この試験のため、FLU-PRO Plus質問表を用いて21日間にわたって症状データを回収し、エンドポイントを証拠に基づいて規定し、それが患者にとって意味があるようにした。ニタゾキサニドを用いた治療は、ベースラインの時点に軽度の疾患を持っていた対象では疾患の継続期間の3~5日の短縮と関係していたが、中度の疾患を持つ対象ではそうでなかった。COVID-19疾患のステージ/相に関する現在の知識があり、治療の判断でそれが重要であることを考慮すると、軽度の疾患を持つ患者が、効果的な治療の後に中度の疾患を持つ患者よりも早く完全な回復を実現する可能性があるのは合理的である。ベースラインの時点に軽度の疾患を持つ下位群は、より大きくてより均一な集団であったため、中度の疾患を持つ対象よりも完全に回復するまでの時間の変動が少ないことと関係していた可能性が大きい。ベースラインの時点に中度の疾患を持っていてニタゾキサニドで治療したどの対象も、プラセボを投与された2人の対象とは異なり重度の疾患へと進行しなかったことを指摘しておく。
治療群の間で、研究の4日目または10日目の鼻咽頭スワブの中の定性的または定量的なSARS-CoV-2 RNAに違いは観察されなかった。他の研究者は、ニタゾキサニドを用いた治療が終了した後の異なる時点における鼻咽頭スワブの中の定量的または定性的なRNAのわずかな低下を報告しているが20,25,26、大規模な多施設臨床試験における鼻咽頭スワブからの回収、サンプル取り扱い、およびウイルス量の測定に用いる方法が、ウイルス量、肺の中の炎症または症状、または臨床アウトカムを患者レベルまたは試験レベルで予測することは、検証されても示されてもいない。RT-PCRが正確に感染性ウイルスを測定するかどうかも明確ではない。というのもウイルスRNAは、複製能力のあるウイルスが不在であってさえ、いくらかの時間存続する可能性があるからである。これは、ウイルスの組み立てに影響するニタゾキサニドのような宿主向け治療剤の文脈において特に重要な制限である可能性がある。
この研究では、ニタゾキサニドは安全であってよく忍容され、そのよく確立された安全性プロファイルに合致した。安全性は、軽度または中度のCOVID-19のための治療薬にとって重要な属性であろう。
重度COVID-19疾患への進行の阻止が、パンデミックを制御するための1つの重要な因子である。ウイルススパイクタンパク質に対するモノクローナル抗体だけが、感染の初期段階で使用したときに有望であることが示されたが、それでもこれら抗体に対するSARS-CoV-2耐性の出現がすでに観察されているため、抗体カクテルの開発、または緊急使用の承認の撤回が必要とされる2-4。本研究では、ニタゾキサニドは、モノクローナル抗体と同様にして重度COVID-19への進行と入院を減らした。
アメリカ合衆国と世界中の地域共同体および/または経済的に不利な集団の人々のほか、少数人種と少数民族の人々は、多くの理由でCOVID-19パンデミックによる不相応な影響を受けている。COVID-19を治療するための常温保存できる経口薬をこれらの弱者集団に自宅で投与することができると、健康管理資源(モノクローナル抗体の投与に必要な冷蔵設備を持つ輸液センターまたは薬局など)へのアクセスが少ないという苦労を緩和できる可能性がある。
この研究によって提供される証拠は、意味があり、信頼でき、しかも重度COVID-19および/または入院へと進行するリスクが大きい患者に潜在的な利益を提供する可能性のある療法という期待に沿う。それでもこれらの結果はより大規模な試験で確認されるべきである。COVID-19の初期治療のため、安全であり、経口で使用され、大規模生産できる宿主向け抗ウイルス剤を入手可能になることが、公衆衛生で現在進行中の大きな危機の中にあって重度の疾患と入院の人数を減らす上で重要な役割を果たす可能性がある。
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26. Silva M, et al. medRxiv 2021 Mar 5: 03.03.21252509.
補足材料
アメリカ合衆国疾病予防管理センター(CDC)による、重度疾患のリスクがある対象の定義:
年齢65歳以上の対象;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、2型糖尿病、肥満(ボディ・マス指数(BMI)が30以上)、慢性腎疾患、鎌状赤血球症、重度心臓病(心不全、冠動脈疾患、または心筋症など)、喘息(中度または重度)、脳血管疾患、嚢胞性線維症、高血圧、(免疫不全、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、コルチコステロイドの使用、または免疫を弱めるための薬の使用に起因する)免疫抑制状態、神経疾患(例えば認知症)、肝臓疾患、肺線維症、過去または現在の喫煙歴、サラセミア、または1型糖尿病を持つ対象。
ここまで特定の好ましい実施形態に言及してきたが、本発明がそれらに限定されないことが理解されよう。当業者には、開示されている実施形態に対してさまざまな改変をなすことが可能であること、そしてそのような改変は本発明の範囲内であることが想定されていることがわかるであろう。
本明細書で引用されている刊行物、特許出願、および特許はすべて、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている。

Claims (28)

  1. コロナウイルス科に属するウイルスによって起こる疾患を治療する方法であって、疾患の1つ以上の症状を示していてその治療法を必要とする対象に有効量のチアゾリド剤を投与し、その対象の血漿中に有効濃度のチゾキサニドを生成させることを含む方法。
  2. 前記1つ以上の症状が、咳、喉の痛み、および鼻詰まりからなる群から選択される1つ以上の呼吸器症状をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記1つ以上の症状が、疲労、頭痛、筋肉痛、および発熱からなる群から選択される1つ以上の全身症状をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 口腔温が37.3℃以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記口腔温が37.7℃以上である、請求項4に記載の方法。
  6. コロナウイルス科に属する前記ウイルスが前記疾患の唯一の原因である、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記ウイルスがアルファコロナウイルス属に属する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記ウイルスがベータコロナウイルス属に属する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記ウイルスが、NL63コロナウイルス、HKU1コロナウイルス、229Eコロナウイルス、およびOC43コロナウイルスからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  10. ウイルス性呼吸器疾患を予防する方法であって、前記ウイルス性呼吸器疾患の症状を示していない対象に有効量のチアゾリド剤を投与し、前記対象の血漿中に有効濃度のチゾキサニドを生成させることを含む方法。
  11. 前記ウイルス性呼吸器疾患がコロナウイルス科に属するウイルスによって起こる、請求項10に記載の方法。
  12. 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-COV-2)によって起こる軽度または中度の疾患を治療する方法であって、その治療法を必要とする対象に有効量のチアゾリド剤を投与し、前記対象の血漿中に有効濃度のチゾキサニドを生成させることを含む方法。
  13. 前記投与が、前記対象で前記軽度または中度の疾患が重度の疾患へと進行することを減らす、請求項12に記載の方法。
  14. 前記投与が、前記軽度または中度の疾患の症状の継続期間を短縮する、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記投与の第1のイベントを、前記対象における前記軽度または中度の疾患の症状発症から72時間以内に実施する、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記投与の第1のイベントを、前記対象における前記軽度または中度の疾患の症状発症から36時間未満で実施する、請求項15に記載の方法。
  17. 前記チアゾリド剤が、チゾキサニドまたはその医薬として許容可能な塩を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記チアゾリド剤がチゾキサニドのプロドラッグを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記チアゾリド剤がRM-5061を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記チアゾリド剤がニタゾキサニドを含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記投与が、ニタゾキサニドを含む医薬組成物の投与を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記医薬組成物が持続放出医薬組成物である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記医薬組成物を経口投与する、請求項21または22に記載の方法。
  24. ニタゾキサニドの1日用量が約1200mgである、請求項21~23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記1日用量を1日当たり2回の投与イベントで投与する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記投与を少なくとも5日間にわたって実施する、請求項24~25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記投与が、前記チアゾリド化合物の最初の投与イベントから前記対象が普段の健康に戻るまでの時間を短縮する、請求項1~9及び12~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. 前記投与が、前記チアゾリド化合物の最初の投与イベントから前記対象が普段の活動を実施できるまでの時間を短縮する、請求項1~9及び12~26のいずれか1項に記載の方法。
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