以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cの外周面には、図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技価値としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、所定数のメダルを投入(ベット)する際に用いられるスイッチである。なお、ベットスイッチ116には、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)するマックスベットスイッチ、規定数の範囲内で1枚分のメダルを追加的に投入する1ベットスイッチが含まれる。
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。なお、ストップスイッチ120の停止操作が可能な状態で、遊技者が、ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120cのいずれかを最初に停止操作することを第1停止といい、第1停止の後、停止操作されていない2つのストップスイッチ120のいずれかを停止操作することを第2停止といい、第2停止の後、最後に残ったストップスイッチ120を停止操作することを第3停止という。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
また、筐体102内には、後述する主制御基板200に、図示しない設定キーおよび設定変更スイッチ(これらを合わせて設定値設定手段という)が設けられている。スロットマシン100では、設定キーに所定の鍵(操作キー)が挿入されてオフの位置からオンの位置へ回転された状態で電源スイッチ144を介して電源が投入されると設定変更モードに移行し、設定値の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。設定値は、遊技者の有利度合(機械割)を段階的に示したものであり、例えば、1~6の6段階で表され、一般に、設定値の数値が大きいほど遊技全体として有利度合が高い(期待獲得枚数が高い)ように設定されている。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば、6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、スタートスイッチ118が操作されると、設定値が確定し、設定キーを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定変更モードが終了して遊技が可能となる。なお、設定変更は、電源スイッチ144が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ライン上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、有効ラインAは、左リール110aの中段、中リール110bの下段、右リール110cの上段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す6つの無効ラインB1、B2、B3、C1、C2、Dを想定している。
そして、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に不当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。また、このような、当選種別抽選が実行され1度の払い出しを受け得る1遊技を、後述する疑似遊技(擬似遊技)と区別するため、基本遊技という場合もある。ここで、基本遊技が単独で行われる場合であっても、基本遊技が疑似遊技と組合せて行われる場合であっても、基本遊技の消化をもって1遊技消化とする。したがって、疑似遊技の消化は、スロットマシン100内の遊技数の計数に影響しない。ただし、ホールコンピュータ(図示せず)が管理する遊技数については、仕様により、疑似遊技を遊技数として計数してもよいし、計数しないとしてもよい。
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200(主制御部)と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202(副制御部)とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部414b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120a、120b、120cから各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。また、リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、前回の遊技においてストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化してから、当選種別抽選の抽選結果を表示するために遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を有効化するまで(前回の遊技におけるストップスイッチ120a、120b、120cの操作完了により無効化されている)の時間を規定の時間より延長し、その間、リール110a、110b、110cを多彩な態様で回転制御するリール演出(フリーズ演出)を行う場合がある。リール演出は、本来有効となるべき任意のスイッチを所定時間有効にしなかったり、本来実行されるべき処理を所定時間保留したり、本来送受信されるべき任意のスイッチの信号を所定時間送信または受信させなかったりすることで実現できる。また、本実施形態においては、リール演出として、基本遊技におけるスタートスイッチ118の操作に応じ、基本遊技を中断して、基本遊技の進行を遅延させ、その間に、リール110a、110b、110cを回転制御し、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じてリール110a、110b、110cを仮停止制御する、基本遊技に似せた疑似遊技を行う場合がある。なお、疑似遊技は、再度のスタートスイッチ118の操作、または、仮停止制御から所定時間が経過したことを条件に終了し、基本遊技におけるリール110a、110b、110cの回転制御が再開する。また、疑似遊技の一例として、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、各リール110a、110b、110cにおける所定の図柄(例えば、ボーナス役を構成する図柄)を、自動的に仮停止制御することもできる。かかる疑似遊技では、基本遊技と類似の回転制御および停止態様あるいは異なる回転制御および停止態様で演出を実行することができるので、遊技の興趣を高めることができる。なお、仮停止は、一見停止しているように見えるが、リール110a、110b、110cのステッピングモータ152の位相信号を500msec以内で変化させ続けることで、完全停止していない状態を示し、仮停止制御は、リール110a、110b、110cを仮停止させる制御を示す。ただし、特に区別する場合を除き、一方向に回転することなく、その位置を維持しているという意味で停止も仮停止も単に停止として扱い、また、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止させる意味で、停止制御も仮停止制御も単に停止制御として扱う。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数(価値量)だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
遊技状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段314は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
コマンド送信手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定回数分計数すると計数値をリセットする(数列を変更して初期値を定める)ことで、所定の数値範囲内で計数値をループさせる。主制御基板200では、所定の時点において乱数発生器200dから計数値を抽出することで乱数値を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数値(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数値(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202では、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。なお、演出には、補助演出も含まれる。補助演出は、当選種別抽選において、正解役と不正解役とが重複した選択当選種別に当選したときに、その正解役の入賞条件となるストップスイッチ120a、120b、120cの正解操作態様を報知する演出である。かかる補助演出により、遊技者は、正解役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ラインA上に容易に表示させることができる。なお、正解役は、その当選役が入賞したことによるメダルの払い出しのみならず、その当選役が入賞することで得られる全ての遊技利益を含めて不正解役より有利な当選役を言う。かかる補助演出を実行する演出状態をAT(アシストタイム)演出状態という。また、AT演出状態とリプレイ役の当選確率が高いRT(リプレイタイム)遊技状態が並行して進行される所謂ART遊技状態を用いることもある。
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。また、補助演出を実行可能な主報知手段および他報知手段を合わせて補助演出実行手段という場合もある。演出状態制御手段314は、AT演出状態において、補助演出を補助演出実行手段に実行させる。特に、本実施形態においては、主報知手段(指示モニタ)として、メイン払出表示部132に、操作態様(打順)を特定可能な数値(指示番号)を表示し、他報知手段として、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128を通じて操作順を報知する。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、遊技状態制御手段312により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、遊技状態制御手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態(後述するRBB作動中遊技状態)に移行させることができる役である。
本実施形態における当選役は、図5に示すように、ボーナス役として、当選役「RBB」が設けられている。また、リプレイ役として、当選役「リプレイ1」~「リプレイ4」が設けられている。また、小役として、当選役「小役1」~「小役38」が設けられている。図5では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。なお、以下では、当選役「小役1」~「小役6」を当選役「9枚役」、当選役「小役7」を当選役「3枚役」、当選役「小役8」~「小役38」を当選役「1枚役」と略す場合がある。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、例えば、当選役「リプレイ1」~「リプレイ3」、当選役「小役1」~「小役6」、「小役11」、「小役12」、「小役16」~「小役19」、「小役38」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「RBB」、当選役「リプレイ4」、当選役「小役7」~「小役10」、「小役13」~「小役15」、「小役20」~「小役37」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂取りこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
図6に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、不当選(ハズレ)の有無が異なったりする。図6では、各遊技状態(非内部遊技状態(非内部)、RBB内部中遊技状態(RBB内部中)、RBB作動中遊技状態(RBB作動中))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「◎」や「○」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。なお、「◎」は有利区間に移行させる抽選を行うことが可能な有利区間抽選可当選種別であることを示し、「○」は有利区間に移行させる抽選を行うことが不可な有利区間抽選不可当選種別であることを示している。
当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。したがって、当選種別それぞれが決定される確率は、当選領域に対応付けられた置数を当選種別抽選乱数の総数で除算した値となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。また、当選領域1以上の全ての当選領域の置数を当選種別抽選乱数から減算して、減算後の値が0以上となっていれば、当選領域0の当選種別「ハズレ」が当選種別抽選の抽選結果となる。
ここで、当選役「RBB」について補足する。所定の第1種特別役物(RB)は、規定数毎の入賞に係る図柄の組み合わせの数を増加させ、または規定数毎の入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し、12回を超えない回数の遊技の結果が得られるまで作動を継続することができるものをいう。ここで、条件装置は、その作動が入賞、再遊技、役物または役物連続作動装置の作動に係る図柄の組み合わせが表示されるために必要な条件とされている装置で、当選種別抽選(遊技機内で行われる電子計算機によるくじ)に当選した場合に作動するもの、すなわち、当選フラグを意味する。
図6の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域0には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。
また、当選領域1には、当選役「小役1」~「小役38」が重複して含まれる当選種別「ベルALL」が対応付けられ、当選領域2には、当選役「小役8」~「小役38」が重複して含まれる当選種別「1枚ALL」が対応付けられている。
また、当選領域3~13には、払出枚数が1枚の当選役「1枚役」のいずれかが重複して含まれる当選種別「リーチ目1」~「リーチ目11」がそれぞれ対応付けられている。なお、以下では、当選領域3~13の11個の当選種別を単に当選種別「リーチ目」と略す場合がある。
また、当選領域14には、払出枚数が1枚の当選役「小役14」と、当選役「小役32」と、当選役「小役33」と、当選役「小役36」と、当選役「小役38」とが重複して含まれる当選種別「チェリーA」が対応付けられ、当選領域15には、払出枚数が3枚の当選役「小役7」と、払出枚数が1枚の当選役「小役36」とが重複して含まれる当選種別「チェリーB」が対応付けられている。なお、以下では、当選領域14、15の2個の当選種別を単に当選種別「チェリー」と略す場合がある。
また、当選領域16~31には、払出枚数が9枚となる正解役(当選役「小役1」~「小役6」)のいずれかと、払出枚数が1枚の不正解役(当選役「小役16」~「小役35」)のいずれかとが重複して含まれる選択当選種別(当選種別「打順ベルA3」~「打順ベルA6」、当選種別「打順ベルB3」~「打順ベルB6」、当選種別「打順ベルC3」~「打順ベルC6」、当選種別「打順ベルD3」~「打順ベルD6」)がそれぞれ対応付けられている。なお、以下では、当選領域16~31の16個の当選種別を単に当選種別「打順ベル」と略す場合がある。
また、当選領域32には、当選役「小役1」、「小役17」、「小役18」が重複して含まれる当選種別「共通ベル1」が対応付けられ、当選領域33には、当選役「小役2」、「小役17」、「小役18」が重複して含まれる当選種別「共通ベル2」が対応付けられ、当選領域34には、当選役「小役8」~「小役13」、「小役15」、「小役36」~「小役38」が重複して含まれる当選種別「共通1枚」が対応付けられている。
また、当選領域35には、当選役「リプレイ1」~「リプレイ4」が重複して含まれる当選種別「リプレイA」が対応付けられ、当選領域36には、当選役「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ4」が重複して含まれる当選種別「リプレイB」が対応付けられている。
また、当選領域37には、当選役「RBB」が単独で含まれる当選種別「RBB」が対応付けられ、当選領域38~40には、当選役「RBB」と、払出枚数が1枚の当選役「1枚役」のいずれかが重複して含まれる当選種別「RBBリーチ目1」~「RBBリーチ目3」が対応付けられ、当選領域41には、当選役「RBB」と、払出枚数が1枚の当選役「小役14」と、当選役「小役32」と、当選役「小役33」と、当選役「小役36」と、当選役「小役38」とが重複して含まれる当選種別「RBBチェリーA」が対応付けられ、当選領域42には、当選役「RBB」と、当選役「小役8」~「小役13」、「小役15」、「小役36」~「小役38」が重複して含まれる当選種別「RBB共通1枚」が対応付けられている。
そして、複数の当選役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番、および、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作タイミング(リール110の操作位置)が設定されている。
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
例えば、当選領域3の当選種別「リーチ目1」に当選し、正解操作態様(打順1、2)での操作が行われた場合、払出枚数が1枚の正解役である当選役「小役13」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順3~6での操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「1枚役」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に必ず表示されるように停止制御がなされる。また、当選領域4~14の各当選種別に当選した場合、当選領域3の当選種別「リーチ目1」同様、正解操作態様(打順1、2)での操作が行われると、払出枚数が1枚の正解役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされ、打順3~6での操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「1枚役」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に必ず表示されるように停止制御がなされる。
また、当選領域16の当選種別「打順ベルA3」に当選し、正解操作態様(打順3)での操作が行われた場合、払出枚数が9枚の正解役である当選役「小役3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順1、2、4~6での操作が行われた場合、払出枚数1枚の不正解役である当選役「1枚役」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に1/1、1/2もしくは1/4の確率で表示されるように停止制御がなされる。
なお、当選領域16~31の各当選種別の当選確率(置数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域16~31を設けることにより、正解役を入賞させにくくしている。また、上記のように、不正解役が優先的に表示される操作態様でストップスイッチ120a、120b、120cが操作されても、必ずしも不正解役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、取りこぼしが発生することがある(PB≠1)。
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(ON)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「RBB」が含まれる当選種別に当選した場合には、RBB内部当選フラグが成立(ON)するとともに、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、RBB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれるリプレイ役のうちのいずれかのリプレイ役に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
(遊技状態の遷移)
ここで、図7を用い、遊技状態の遷移について説明する。ここでは、非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。各遊技状態は、後述するように、ボーナス役の当選、入賞(作動)、終了に応じて遷移させる。なお、各遊技状態において当選可能な当選種別は、図6において「◎」や「○」で表される。
非内部遊技状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。かかる非内部遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。また、非内部遊技状態では、当選役「RBB」が所定の確率(例えば約1/30)で決定されている。遊技状態制御手段312は、当選役「RBB」の当選に応じて遊技状態を遷移させる。例えば、当選役「RBB」に当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB作動中遊技状態に移行させる(1)。
RBB作動中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が0に設定されている。なお、かかるRBB作動中遊技状態では、当選可能な当選種別として、当選領域1に当選種別「ベルALL」が、当選領域2に「1枚ALL」が設定されている。当選種別「ベルALL」に当選すると、当選役「小役1」~「小役38」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示され、当選種別「1枚ALL」に当選すると、当選役「小役8」~「小役38」のいずれかに対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるように停止制御される。ここでは、かかる小役の構成によりRBB作動中遊技状態での単位遊技当たりの期待獲得枚数を低くしている。
RBB作動中遊技状態の終了条件が成立すると、すなわち、獲得枚数が所定枚数(例えば22枚)を超えると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を非内部遊技状態に移行させる(2)。
一方、当選役「RBB」に当選した遊技において、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができなかった場合、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRBB内部中遊技状態に移行させる(3)。
RBB内部中遊技状態では、リプレイ役の当選確率が約1/7.3に設定されている。また、RBB内部中遊技状態では当選種別「ハズレ」に当選することはない。換言すれば、当選役「RBB」の当選遊技で当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができなかった場合、その後は、当選役「RBB」より小役やリプレイ役の方が優先して有効ラインA上に停止制御されるので、当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示することができない。したがって、一旦、遊技状態がRBB内部中遊技状態に移行すると、その後、遊技状態が遷移することなく、RBB内部中遊技状態が維持されることとなる。ここでは、かかるRBB内部中遊技状態を維持しつつ、そのRBB内部中遊技状態においてAT演出状態を実現する。
ここでは、RBB内部中遊技状態において、複数種類の正解役が互いに重複せずに当選するため、正解役を入賞させることができる機会を多くすることができ、その結果、例えば、RBB内部中遊技状態におけるAT演出状態において補助演出が行われることで、メダルを獲得しやすくできる。一方、RBB作動中遊技状態では、複数種類の正解役が重複して当選するため、正解役を入賞させることができる機会が少ないので、他の遊技状態におけるAT演出状態よりも正解役を入賞させることができる機会が減り、遊技者が所有するメダルを増やしにくくしている。したがって、RBB内部中遊技状態よりも入賞に係る当選役の当選確率が高いというRBB作動中遊技状態の機能を備えつつ、メダルの獲得性能の面ではRBB作動中遊技状態がRBB内部中遊技状態に劣るという仕様(アクセルRBB)を実現することができる。
(演出状態の遷移)
図8は、演出状態の遷移を説明するための説明図である。以下、主制御基板200において演出状態制御手段314により遷移される演出状態について詳述する。
ここで、メダルの獲得性能が高い遊技状態が偏っているか否かを統括的かつ画一的に判定すべく、指示機能に係る性能を有する遊技区間、すなわち、補助演出(指示機能)を実行する遊技区間等を含む、遊技者にとって有利な遊技区間を有利区間として定義する。なお、有利区間は、主制御基板200で補助演出の作動に係る抽選等を行った結果、補助演出が作動した場合には、主制御基板200において指示の内容が識別できるよう、例えば、主報知手段に表示したときに限り、指示の内容を示す情報を、副制御基板202等の周辺基板に送信してもよい遊技区間である。また、有利区間と異なり、補助演出(指示機能)を実行することができない遊技区間を非有利区間とする。したがって、複数の演出状態は、遊技区間である有利区間および非有利区間のいずれかに属することとなる。本実施形態では、ほぼ全ての演出状態が有利区間に属し、一部の演出状態(ここでは非有利演出状態)で非有利区間を実現している。
なお、有利区間において、補助演出がないと正解役を取りこぼしてしまう当選態様のうち、正解役の配当が最大(ここでは、9枚)となる選択当選種別において、正解役の入賞を補助する補助演出(最大払出枚数を獲得できる補助演出)を行う場合、例えば、区間表示器160を点灯させることによって、その旨を報知しなければならない。
また、非有利区間においては、当選種別の当選確率を設定値毎に異ならせることは可能であるが、同一の当選種別において補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行を決定する確率は設定値毎に異ならせてはならない。一方、有利区間においては、当選種別の当選確率、および、同一の当選種別における補助演出を伴う演出状態(AT演出状態)への移行(または追加)を決定する確率のいずれも設定値毎に異ならせることは可能である。
したがって、演出状態制御手段314は、演出状態の移行の管理に加え、非有利区間と有利区間との移行も管理することとなる。また、有利区間は、このような管理に拘わらず、以下の終了条件が成立することで強制的に終了する。例えば、スロットマシン100では、有利区間において計数される値が所定値に達したこと(例えば、滞在遊技数が1500遊技または3000遊技に達したり、MYが2400枚を超えたこと)に基づいて有利区間が強制的に終了する。なお、MYは差枚数が最も低いときを0とした場合の差枚数を示す。なお、スロットマシンの遊技性を維持しつつ、実物のメダルの介在なしに遊技を進行することができるメダルレス遊技機では、滞在遊技数の制限を設けなくてよいので、有利区間においてMYが2400枚を超えたことに基づいて有利区間が強制的に終了することとなる。いずれの場合においても、演出状態制御手段314は、有利区間から非有利区間に移行することで、有利区間で更新された情報(指示機能に係る性能に影響を及ぼす全ての変数)を全てリセットする。
(非有利区間、有利区間)
非有利区間においては、補助演出が実行されないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。ここでは、非有利区間の演出状態として非有利演出状態が設けられている。
有利区間においては、選択当選種別の当選時において補助演出実行手段に補助演出を実行させることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、有利区間に移行することで、非有利区間と比べ、遊技を有利に進行することができる。ここでは、有利区間の演出状態として、それぞれ遊技性が異なる、通常演出状態、前兆演出状態、AT演出状態、振分演出状態、特別前兆演出状態、特別演出状態が設けられている。以下、各演出状態について個々に説明する。
(通常演出状態)
通常演出状態は、有利区間に属し、複数の演出状態のうち、遊技の開始時に滞在している可能性が高い演出状態である。演出状態制御手段314は、通常演出状態においてAT抽選を行う。AT抽選は、AT演出状態への移行を決定する抽選であり、演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別に対応した確率でAT抽選を行う。演出状態制御手段314は、AT抽選に当選すると、演出状態を、AT演出状態の前段に相当する前兆演出状態に移行させ(1)、AT演出状態への移行が決定したことの期待度を高める前兆演出を演出制御手段334に実行させる。また、演出状態制御手段314は、AT抽選に非当選であっても、通常演出状態を維持したまま、演出制御手段334に前兆演出を実行させる場合があり、遊技者に、AT演出状態への移行が決定しているのではないかと期待させることができる。また、演出状態制御手段314は、通常演出状態において所定の遊技数を消化する度に、AT抽選の当選確率を高めた、所謂、チャンスゾーン(CZ)を複数遊技に渡って実行する。かかるチャンスゾーンにおいてAT抽選に当選した場合も、演出状態制御手段314は、演出状態を前兆演出状態に移行させる(1)。
(前兆演出状態)
前兆演出状態は、有利区間に属し、所定遊技数(ここでは、例えば、32遊技以下の所定の遊技数)の間、前兆演出を実行する演出状態である。なお、前兆演出状態において実行される前兆演出(本前兆演出)と、通常演出状態において実行される前兆演出(ガセ前兆演出)とは、表示態様や継続遊技数を類似させている。したがって、遊技者は、前兆演出を視聴するのみでは、いずれの演出状態に滞在しているのか見分けがつかないようになっている。ただし、前兆演出状態において実行される前兆演出は、最終的に、AT演出状態への移行が決定された旨の結果が報知される点で、通常演出状態において実行される前兆演出と異なる。したがって、遊技者は、前兆演出において、AT演出状態への移行が決定された旨の結果が報知される前兆演出状態であることを望むこととなる。そして、演出状態制御手段314は、前兆演出状態が終了すると、演出状態を必ずAT演出状態に移行させる(2)。すなわち、前兆演出が前兆演出状態で実行されている場合、必ず、AT演出状態へ移行することとなる。この点で、前兆演出状態は、通常演出状態より遊技者に有利である。また、前兆演出状態への移行が決定することは、その後のAT演出状態への移行が決定したことと同義であり、前兆演出状態に移行すること(すなわちAT演出状態に移行すること)と、他の例として、直接、AT演出状態へ移行することとを合わせて特定演出状態へ移行すると表現することもある。
(AT演出状態)
AT演出状態は、有利区間に属し、所定の終了条件が成立するまで、例えば、メダルの投入枚数(ベット枚数)と払出枚数との差である差枚数が、所定差枚数(300枚や100枚)に到達するまで、補助演出が実行される。演出状態制御手段314は、AT演出状態において、当選種別抽選により決定された当選種別に対応した確率で差枚数の上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選に当選すると、演出状態制御手段314は、終了条件である所定差枚数に当選した差枚数を加算する。こうしてAT演出状態の終了条件が変化する。そして、演出状態制御手段314は、所定の終了条件を満たすと、演出状態を通常演出状態に移行させる(3)。
このように、本実施形態において、遊技者は、通常演出状態に滞在しつつ、AT演出状態へ移行することを期待し、前兆演出が開始されると、その前兆演出が本前兆、すなわち、前兆演出状態での前兆演出であることを願うこととなる。ここでは、前兆演出においてAT演出状態への移行が報知されなかった場合、通常演出状態が継続され、前兆演出においてAT演出状態への移行が報知されると、前兆演出状態終了後にAT演出状態が実行される。
なお、AT演出状態が終了すると、演出状態制御手段314は、演出状態を通常演出状態に移行させるが(3)、演出状態を非有利演出状態に移行させ(4)、有利区間をリセットする場合がある。有利区間がリセットされると、上述したように、有利区間において更新された情報(指示機能に係る性能に影響を及ぼす全ての変数)がクリアされる。ただし、遊技者は、移行時の演出態様によっては、演出状態が通常演出状態に移行したか非有利演出状態に移行したか分からないようになっている。
(非有利演出状態)
非有利演出状態は、非有利区間に属し、初期状態の演出状態である。演出状態制御手段314は、非有利演出状態において、例えば、毎遊技、約1/2の確率で有利区間への移行を決定し、有利区間への移行が決定されると、演出状態を、必ず、振分演出状態に移行させる(5)。したがって、非有利演出状態での滞在遊技数は短期(数遊技)となることが多い。
(振分演出状態)
振分演出状態は、有利区間に属し、非有利区間から有利区間に移行する際に必ず経由し、例えば1遊技のみ滞在する演出状態である。振分演出状態では、演出状態が通常演出状態または前兆演出状態のいずれかに振分けられる。具体的に、演出状態制御手段314は、例えば、1/10の確率で前兆演出状態への移行を決定して演出状態を前兆演出状態へ移行させるか(6)、9/10の確率で通常演出状態への移行を決定して演出状態を通常演出状態に移行させる(7)。ただし、かかる振分けの比率は、前兆演出状態:通常演出状態=1:9に限らず、任意に決定することができる。
仮に、振分演出状態で前兆演出状態が決定された場合、所定遊技数継続される前兆演出状態を経由して(前兆演出を経て)、演出状態が必ずAT演出状態に移行されることとなる。また、振分演出状態で前兆演出状態が決定されなかった場合、演出状態は通常演出状態となる。しかし、通常演出状態では、その通常演出状態への経路によってAT抽選の当選確率を異ならせている。例えば、上述したように、演出状態が、AT演出状態から、直接、通常演出状態に移行した場合(3)、演出状態制御手段314は、AT演出状態から移行した(非有利演出状態から移行していない)通常演出状態において、低確率(例えば、1/4000)でAT抽選を行う。
一方、非有利区間から有利区間に移行したことに伴い、演出状態が、非有利演出状態および振分演出状態から通常演出状態に移行した場合(7)、演出状態制御手段314は、非有利区間から移行した通常演出状態において、高確率(例えば、1/8)でAT抽選を行う。したがって、非有利演出状態から移行した(非有利区間を経由した)通常演出状態では、いずれAT抽選に当選することとなる。なお、ここでは、AT抽選の当選確率として低確率(例えば、1/4000)と高確率(例えば、1/8)の2パターンを挙げて説明したが、当選確率に3以上のパターンを設け、非有利演出状態から移行した通常演出状態では、比較的高い当選確率でAT抽選を行うとしてもよい。また、かかる当選確率は1/8や1/4000等に限らず、非有利演出状態から移行した通常演出状態の方が、非有利演出状態から移行していない通常演出状態よりAT演出状態への移行が決定し易ければ足り、例えば、非有利演出状態から移行した通常演出状態におけるAT抽選の当選確率が、非有利演出状態から移行していない通常演出状態におけるAT抽選の当選確率より高く設定されれば、その当選確率を任意に設定することができる。
ただし、演出状態制御手段314は、非有利演出状態から移行した通常演出状態において、AT抽選に当選したとしても、直ちに前兆演出状態に移行させず、振分演出状態が終了してから、例えば、96遊技のブロック期間、通常演出状態に滞在させ、AT演出状態への移行を禁止する。具体的に、演出状態制御手段314は、非有利演出状態から移行した通常演出状態においてAT抽選に当選すると本前兆許可フラグをONする。本前兆許可フラグは前兆演出状態への移行可否を示すフラグであり、ONとなることで前兆演出状態への移行が許可される。本前兆許可フラグが一旦ONされると、前兆演出状態に移行するまでON状態が維持されるため、その後にAT抽選に当選しても、本前兆許可フラグはON状態のままである。なお、演出状態制御手段314は、振分演出状態から通常演出状態への移行時に、96遊技以内の遊技数を抽選により決定し、ブロック期間とする。ただし、ブロック期間としては96遊技が選択されることが多くなるように設定されている。
演出状態制御手段314は、振分演出状態が終了してからの遊技数をカウントし、ブロック期間の間、本前兆許可フラグがONされたか否かに拘わらず、演出状態を前兆演出状態に移行させない。そして、演出状態制御手段314は、ブロック期間が経過し(ブロック期間に相当する所定遊技数に到達し)、かつ、本前兆許可フラグがONであれば、演出状態を前兆演出状態に移行させ(8)、本前兆許可フラグをリセットする。したがって、非有利演出状態から移行した通常演出状態では、AT抽選に早期に当選したとしても、少なくともブロック期間に相当する96遊技を消化しなければ、前兆演出状態には移行しない。
このように、非有利演出状態(非有利区間)を経由すると、遊技者は、以下の特典を得られる。すなわち、1/10の確率で、即座に前兆演出状態に移行し、前兆演出状態を経て、AT演出状態に移行し、あるいは、9/10の確率で、通常演出状態に移行し、ブロック期間経過後に前兆演出が実行され、前兆演出状態を経て、AT演出状態に移行する。そうすると、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから、例えば、0~96遊技経過後に前兆演出が始まり、前兆演出終了後、すなわち、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから、例えば、32~128遊技経過後にはほぼAT演出状態へ移行することとなる。このように所定の遊技数の間、高確率でAT抽選に当選することを「天国」や「天国モード」という場合がある。したがって、遊技者は、非有利演出状態(非有利区間)への移行、すなわち、有利区間のリセットを望むこととなる。
ここでは、非有利演出状態を経由した場合、すなわち、非有利区間から有利区間に移行した場合に、高確率でAT演出状態に移行し易い通常演出状態を採用しつつ、ブロック期間を設けることで、その開始契機を、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから128遊技経過後に偏らせている。換言すれば、AT演出状態が終了して通常演出状態に降格したとしても、128遊技経過するまでは、AT演出状態を再度実行する(引き戻す)可能性が高いことになる。したがって、遊技者は、AT演出状態の終了後にAT演出状態の引き戻しを期待して、遊技を継続することとなるので、スロットマシン100の稼働率の向上を図ることができる。
また、演出状態制御手段314は、非有利演出状態から移行した通常演出状態においても、AT演出状態から移行した通常演出状態同様、所定の遊技数を消化する度に、AT抽選の当選確率を高めたチャンスゾーンを複数遊技に渡って実行する。かかるチャンスゾーンにおいてAT抽選に当選した場合、上記のブロック期間であるか否かに拘わらず、演出状態制御手段314は、演出状態を前兆演出状態に移行させる。なお、非有利演出状態から移行した通常演出状態では、本来、ブロック期間経過後に前兆演出状態に移行できるはずである。そうすると、自力でAT演出状態への移行を決定したことで、代わりに、本来、獲得できたはずのAT演出状態が消失することとなり、遊技者の遊技意欲が減退するおそれがある。そこで、非有利演出状態から移行した通常演出状態におけるチャンスゾーンでAT抽選に自力で当選すると、演出状態制御手段314は、その後のAT演出状態の終了後に、再度、演出状態を非有利演出状態に移行させる(4)。こうして、遊技者は、非有利演出状態を経由したことの遊技利益を漏れなく受けることが可能となる。また、遊技者は、ブロック期間として選ばれやすい96遊技より前に、チャンスゾーンが開始されることで、チャンスゾーンにおけるAT抽選の当選、すなわち、AT演出状態が少なくとも2回実行されることを期待することができる。
本実施形態では、上述したように、AT演出状態が終了すると、演出状態制御手段314は、演出状態を通常演出状態に直接移行させる場合(3)と、演出状態を非有利演出状態に移行させる場合(4)とがある。ここで、演出状態を非有利演出状態に移行させる条件として、AT抽選において、所定の遊技利益を有するAT演出状態への移行に当選したことが挙げられる。例えば、AT演出状態には、継続遊技数や、差枚数の上乗せ確率が異なる複数種類のAT演出状態がある。そのうちの特定のAT演出状態に当選すると、演出状態制御手段314は、AT演出状態の終了後、必ず、演出状態を非有利演出状態に移行させる(4)。また、特定のAT演出状態に当選しなくとも、演出状態制御手段314は、AT演出状態の終了後、所定の確率で、演出状態を非有利演出状態に移行させるとしてもよい(4)。
ここでは、有利区間を一旦リセットしている。したがって、遊技者は、有利区間に許容される滞在遊技数、例えば、1500遊技や3000遊技の開始時から比較的少ない遊技数で、遊技利益の高いAT演出状態に移行することができ、また、有利区間に許容される滞在遊技数を有効に利用して遊技利益を得ることが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、AT演出状態終了後、通常演出状態においてAT抽選に当選すると、演出状態制御手段314は、演出状態を前兆演出状態に移行させる(1)。ただし、AT演出状態に移行することなく、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、600遊技)に到達した後、通常演出状態においてAT抽選に当選すると、演出状態制御手段314は、最終的に非有利演出状態へ移行させることを決定し、演出状態を前兆演出状態に移行させることなく、前兆演出(ガセ前兆演出)を行ってAT演出状態へ直接移行していない旨を報知した後に、まず、特別前兆演出状態に移行させる(9)。なお、ここでは、非有利演出状態(非有利区間)への移行を決定する所定の移行条件として、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、600遊技)に到達した後、通常演出状態においてAT抽選に当選することを挙げて説明したが、かかる場合に限らず、所定の移行条件として、有利区間での滞在遊技数が所定遊技数に到達した後、通常演出状態においてAT抽選に当選することとしてもよい。また、所定の移行条件として、上記に代えて、または、加えて、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、871遊技)に到達すること(所謂、天井機能)や、チャンスゾーン(CZ)においてAT抽選に当選しなかったことに基づく再度のAT抽選に当選することとしてもよい。
(特別前兆演出状態)
特別前兆演出状態は、有利区間に属し、予め定められた所定遊技数(例えば、10G)滞在する演出状態であり、特別演出状態抽選を行うとともに、特別演出状態への移行期待度を示す前兆演出を実行する。ここで、特別演出状態抽選は、差枚数の上乗せ抽選であり、差枚数が1回以上上乗せされることにより、特別演出状態への移行が決定する。演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別に対応した確率で特別演出状態抽選を行う。ここで、特別演出状態抽選は、設定値に応じて遊技利益が安定して段階的に異なるように設計される。例えば、任意に抽出した2つの設定値において、設定値が高い方が、設定値が低い方より、特別演出状態抽選により差枚数が上乗せされる確率高く設計される。したがって、例えば、上乗せされる期待獲得枚数は、設定1で100枚、設定6で200枚となり、設定値が高い方が比較的遊技利益を得やすい遊技性を構成することができる。演出状態制御手段314は、特別演出状態抽選に当選すると、その上乗せされた差枚数の累計(終了枚数)を特別演出状態の終了条件として設定し、演出状態を特別演出状態に移行させる(10)。また、演出状態制御手段314は、特別演出状態抽選に当選していなければ、演出状態を非有利演出状態に直接移行させる(11)。なお、ここでは、特別演出状態において、差枚数を特別演出状態抽選により上乗せする例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、予め定められた差枚数を上乗せしてもよいし、当選種別「リーチ目」や当選種別「チェリー」等の所謂レア役が当選した場合の抽選により差枚数を上乗せしてもよい。また、ここでは、特別演出状態において、差枚数を上乗せする例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、獲得枚数(払出枚数)や継続遊技数を上乗せするとしてもよい。
(特別演出状態)
特別演出状態(特別状態)は、有利区間に属し、所定の終了条件が成立するまで、補助演出が実行される。かかる終了条件は、例えば、獲得した差枚数が終了枚数に到達したことといったように、特別演出状態が開始されるまでに決定された遊技利益の付与が、特別演出状態中に完了することである。例えば、特別前兆演出状態の終了時(特別演出状態の開始時)には、特別前兆演出状態において特別演出状態抽選により終了枚数(上乗せされた差枚数の累計)が決定されている。そして、特別演出状態において、終了枚数が遊技者に付与されると(獲得した差枚数が終了枚数に到達すると)、終了条件が満たされたとして、特別演出状態は終了する。ここでは、特別演出状態において終了枚数が変更されること(特別演出状態が延長されること)はない。そして、演出状態制御手段314は、所定の終了条件を満たすと、演出状態を非有利演出状態に移行させる(12)。
遊技者は、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、600遊技)を超えた後にAT抽選に当選した場合、特別前兆演出状態を経由して必ず非有利演出状態に移行し(11)、(12)、その結果、AT演出状態に移行することができる。ここでは、演出状態制御手段314が、演出状態を非有利演出状態に移行させ、有利区間を一旦リセットすることで、遊技者は、有利区間に許容される滞在遊技数、例えば、1500遊技や3000遊技の開始時から、遊技利益の高いAT演出状態に移行することができ、また、有利区間に許容される滞在遊技数を有効に利用して遊技利益を得ることが可能となる。
なお、特別演出状態、非有利演出状態、振分演出状態を経由した通常演出状態では、AT演出状態から直接移行した通常演出状態より、AT抽選の当選確率が高いので、その旨を遊技者が把握できるように、AT演出状態へ移行する可能性が高いことを、液晶表示部124に所定の表示を行って示唆する。
ただし、通常演出状態において滞在遊技数が所定遊技数(例えば、600遊技)を超えた後、AT抽選に当選した場合と、所定遊技数より前にAT抽選に当選した場合とで、有利区間がリセットされているものの、AT演出状態を1回実行できるという観点では、遊技利益はあまり変わらない。また、後者では、前兆演出状態の終了後、すなわち32遊技以内にAT演出状態が開始されるが、前者では、さらにブロック期間の経過を待ってAT演出状態が開始されることが多い。そうすると、AT演出状態に移行するまで、通常遊技状態においてメダルを消費してしまう点で、前者の方が遊技利益が小さいとも言える。そこで、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数を超えた後にAT抽選に当選した場合には、特別前兆演出状態に移行し、特別演出状態抽選を実行させるとともに、それに当選すると、特別演出状態によって追加的に遊技利益を与える。こうして、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数を超えた後にAT抽選に当選した場合の方が、滞在遊技数が所定遊技数に至っていない間にAT抽選に当選した場合より遊技利益が大きくなり、遊技者は納得感を得られる。したがって、遊技者は、通常演出状態での滞在遊技数が多くなると、遊技利益が大きくなることを期待でき、遊技を継続することとなる。こうして、スロットマシン100の稼働率の向上を図ることができる。
ここで実行される特別演出状態では、上述したように、設定値が高い方が安定的に遊技利益を得やすいようになっている。また、特別演出状態が開始されるまでに決定された遊技利益のみが特別演出状態で付与され、特別演出状態中において遊技利益は追加(上乗せ)されない。したがって、特別演出状態では、設定値に応じて期待獲得枚数の変動幅を抑えることができる。そうすると、AT演出状態の期待獲得枚数の設計値を上げることが可能となる。
また、特別演出状態は、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数を超えた後に移行するので、AT演出状態に比べ、その回数が変動しにくく、安定した頻度で実行されることになる。そうすると、仮に、AT演出状態における期待獲得枚数の変動幅が大きくなったとしても、かかる特別演出状態で、その変動を吸収し、設定値に応じて期待獲得枚数の変動幅をさらに抑えつつ、AT演出状態の期待獲得枚数の設計値を上げることが可能となる。
また、AT演出状態の終了後に通常演出状態に直接移行し(3)、AT演出状態に移行することなく、通常演出状態での滞在遊技数が所定遊技数(例えば、871遊技)に到達すると(所謂、天井機能)、演出状態制御手段314は、有利区間をリセットして、演出状態を非有利演出状態に移行させる(13)。そうすると、上記のように、非有利演出状態および振分演出状態の終了後、例えば、0~96遊技経過後に前兆演出が始まり、前兆演出終了後、すなわち、非有利演出状態および振分演出状態が終了してから、例えば、32~128遊技経過後にはほぼAT演出状態へ移行することができる。したがって、通常演出状態においてAT演出状態に移行することなく遊技を継続すると、所定遊技数(例えば、999遊技)以内には、AT演出状態に移行することとなる。かかる天井機能により、遊技者は、運悪くメダルの消費が多くなったとしても救済措置を受けることができる安心感を得ることができる。また、通常演出状態をある程度消化すると、遊技を継続した場合の期待獲得枚数が高まり、天井(例えば999遊技)まで遊技を継続することとなるので、スロットマシン100の稼働率の向上を図ることができる。
なお、このような天井機能における所定遊技数(例えば、96~871遊技)は、以下のタイミングで決定される。例えば、AT演出状態から、直接、通常演出状態に移行する場合(3)、演出状態制御手段314は、AT演出状態から通常演出状態への移行時に、通常演出状態における天井機能の所定遊技数(例えば、96~871遊技)を決定する。また、非有利演出状態および振分演出状態を経由して通常演出状態に移行する場合(7)、演出状態制御手段314は、振分演出状態から通常演出状態への移行時に、通常演出状態における天井機能の所定遊技数(例えば、96~871遊技)を決定する。ただし、AT演出状態から通常演出状態へ移行する場合と異なり、非有利演出状態および振分演出状態を経由して通常演出状態へ移行する場合では、高確率でAT抽選に当選するので、ブロック期間の経過を待って前兆演出状態に移行することが多く、天井機能が実行されることはほとんどない。
また、上述した実施形態では、通常演出状態におけるAT抽選の当選確率として、非有利演出状態から通常演出状態に移行した場合、高確率(例えば、1/8)となり、AT演出状態から通常演出状態に直接移行した場合、低確率(例えば、1/4000)となる例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、例えば、AT演出状態から通常演出状態に直接移行した場合、通常演出状態開始時のAT抽選の当選確率は低確率だが、昇格抽選により高確率に移行する場合があるとしてもよく、さらに、降格抽選により低確率に移行する場合があるとしてもよい。また、AT演出状態から通常演出状態に直接移行した場合に、抽選に当選する等、所定の条件を満たすことで、通常演出状態開始時からAT抽選の当選確率が高確率となることもある。
また、上述した実施形態では、有利区間に許容される滞在遊技数が1500遊技の場合を想定して、特別演出状態に移行可能な通常演出状態における滞在遊技数を600遊技と設定したり、天井機能の天井を871遊技と設定した。しかし、かかる場合に限らず、有利区間に許容される滞在遊技数が3000遊技の場合には、特別演出状態に移行可能な通常演出状態における滞在遊技数や天井機能の天井を、より高い値、例えば、1200遊技や2000遊技とし、AT演出状態での期待獲得枚数を増やすとしてもよい。また、上述したように、メダルレス遊技機では、滞在遊技数の制限(1500遊技や3000遊技)を設けなくてよく、有利区間においてMYが2400枚を超えたことに基づいて有利区間が強制的に終了する。したがって、メダルレス遊技機では、有利区間中の差枚数(MY)をカウントする有利区間MYカウンタの値が2400枚とならない範囲で、例えば、特別演出状態に移行可能な通常演出状態における差枚数を900枚と設定したり、天井機能の天井を1200枚と設定してもよい。このように、条件となる遊技数を任意に決定することができる。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のCPU初期化処理)
図9は、主制御基板200におけるCPU初期化処理を説明するフローチャートである。電源基板より電源が供給されると、メインCPU200aにシステムリセットが発生し、メインCPU200aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100-1)
メインCPU200aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM200bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100-3)
メインCPU200aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100-5)
メインCPU200aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板200には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源断検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100-3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100-7に処理を移す。
(ステップS100-7)
メインCPU200aは、上記ステップS100-3で設定したウェイト処理時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト処理時間が経過したと判定した場合にはステップS100-9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100-5に処理を移す。
(ステップS100-9)
メインCPU200aは、メインRAM200cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100-11)
メインCPU200aは、チェックサム確認処理を実行する。ここでは、メインCPU200aは、チェックサムを算出し、算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと一致しない(異常である)か、ならびに、バックアップが異常であるかを判定する。そして、メインCPU200aは、バックアップおよびチェックサムのいずれか一方または双方が異常であると判定した場合、バックアップ異常フラグをオンにし、バックアップおよびチェックサムの双方が異常でないと判定した場合、バックアップ異常フラグをオフにする。
(ステップS100-13)
メインCPU200aは、バックアップ異常フラグがオンであるかを判定する。その結果、バックアップ異常フラグがオンであると判定した場合にはステップS110に処理を移し、バックアップ異常フラグがオンでないと判定した場合にはステップS120に処理を移す。
(ステップS110)
メインCPU200aは、コールドスタート処理を実行する。なお、このコールドスタート処理については後述する。
(ステップS120)
メインCPU200aは、設定値を切り替える設定値切り替え処理を実行する。なお、この設定値切り替え処理については後述する。
(ステップS130)
メインCPU200aは、電源断直前の状態に戻す状態復帰処理を実行する。なお、この状態復帰処理については後述する。
図10は、主制御基板200におけるコールドスタート処理(S110)を説明するフローチャートである。
(ステップS110-1)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおける使用領域をクリアするとともに、使用領域の異常を検出する使用領域RAMチェック処理を実行する。
(ステップS110-3)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおける別領域(使用外領域)をクリアするとともに、別領域の異常を検出する別領域RAMチェック処理を実行する。なお、別領域RAMチェック処理において別領域に異常が検出された場合、メインCPU200aは、RAMリードライトエラーフラグをオンにする。
(ステップS110-5)
メインCPU200aは、メインRAM200cの異常を示すエラーコード「EA」をセットする。
(ステップS110-7)
メインCPU200aは、上記ステップS110-1において異常が検出されたかを判定する。その結果、上記ステップS110-1において異常が検出されたと判定した場合にはステップS112に処理を移し、上記ステップS110-1において異常が検出されていないと判定された場合にはステップS110-9に処理を移す。
(ステップS110-9)
メインCPU200aは、上記ステップS110-3において異常が検出されたときにオンになるRAMリードライトエラーフラグを取得する。
(ステップS110-11)
メインCPU200aは、RAMリードライトエラーフラグがオンであるかを判定する。その結果、RAMリードライトエラーフラグがオンであると判定した場合にはステップS112に処理を移し、RAMリードライトエラーフラグがオンでないと判定された場合にはステップS120に処理を移す。
(ステップS120)
メインCPU200aは、設定値を切り替える設定値切り替え処理を実行する。なお、この設定値切り替え処理については後述する。
(ステップS110-13)
メインCPU200aは、バックアップエラーであることを示すエラーコード「E7」をセットする。
(ステップS112)
メインCPU200aは、エラーにより遊技の進行を停止させるためのエラー停止処理を実行する。なお、このエラー停止処理については後述する。
図11は、主制御基板200におけるエラー停止処理(S112)を説明するフローチャートである。
(ステップS112-1)
メインCPU200aは、スタックポインタのアドレスとして、初期スタックポインタ値をセットする。
(ステップS112-3)
メインCPU200aは、エラー表示および警告音設定を行うエラー設定処理を実行する。
(ステップS112-5)
メインCPU200aは、外部信号1~3に対応するビットの出力イメージをオフにする外部信号1~3出力ビットオフをセットする。
(ステップS112-7)
メインCPU200aは、上記ステップS112-5でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS112-9)
メインCPU200aは、永久ループに移行する。これにより、遊技の進行が停止することになる。
図12は、主制御基板200における設定値切り替え処理(S120)を説明するフローチャートである。
(ステップS120-1)
メインCPU200aは、入力ポート1の信号を取得し、取得した入力ポート1の信号に基づいて、設定値切り替え条件が成立していないかを判定する。その結果、設定値切り替え条件が成立していないと判定した場合には当該設定値切り替え処理を終了し、設定値切り替え条件が成立していると判定した場合にはステップS120-3に処理を移す。ここで、入力ポート1の信号には、前面上扉104および前面下扉106が開放されているか否かを示す信号、および、設定キーがオンにされているか否かを示す信号が含まれる。そして、ここでは、前面上扉104および前面下扉106が開放されていることを示す信号、ならびに、設定キーがオンにされていることを示す信号を取得した場合に、設定値切り替え条件が成立していると判定している。
(ステップS120-3)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおいて設定変更時にクリアすべき使用領域をクリアするRAMクリア処理を実行する。
(ステップS120-5)
メインCPU200aは、設定値切り替え時データテーブルのテーブルデータをメインRAM200cに転送するテーブル内容セット処理を実行する。
(ステップS120-7)
メインCPU200aは、設定値の変更を開始することを示す設定変更開始コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS120-9)
メインCPU200aは、入力ポートの信号の立ち下がりエッジ(オンエッジ)を検出するエッジチェック処理を実行する。
(ステップS120-11)
メインCPU200aは、現在の設定値を示す設定値データを取得する。
(ステップS120-13)
メインCPU200aは、上記ステップS120-9において設定変更スイッチのオンエッジを検出していないかを判定する。その結果、設定変更スイッチのオンエッジを検出していないと判定した場合にはステップS120-17に処理を移し、設定変更スイッチのオンエッジを検出したと判定した場合にはステップS120-15に処理を移す。
(ステップS120-15)
メインCPU200aは、設定値データを1インクリメントする。
(ステップS120-17)
メインCPU200aは、設定値データが、設定値として設定可能な範囲(1~6)内であるかを判定する。その結果、設定値データが範囲内であると判定した場合にはステップS120-21に処理を移し、設定値データが範囲内でないと判定した場合にはステップS120-19に処理を移す。
(ステップS120-19)
メインCPU200aは、設定値データを0にセットする。
(ステップS120-21)
メインCPU200aは、上記ステップS120-15または上記ステップS120-19でインクリメントまたはセットされた値に設定値データを更新する。
(ステップS120-23)
メインCPU200aは、設定値をメインクレジット表示部130に表示する表示データ変換処理を実行する。
(ステップS120-25)
メインCPU200aは、設定変更スイッチのオンエッジを検出していないかを判定する。その結果、設定変更スイッチのオンエッジを検出していないと判定した場合にはステップS120-31に処理を移し、設定変更スイッチのオンエッジを検出していると判定した場合にはステップS120-27に処理を移す。
(ステップS120-27)
メインCPU200aは、設定変更スイッチがオンであるかを判定する。その結果、設定変更スイッチがオンであると判定した場合にはステップS120-27に処理を移し、設定変更スイッチがオンでないと判定した場合にはステップS120-29に処理を移す。
(ステップS120-29)
メインCPU200aは、設定変更スイッチ間隔タイマをセットする。
(ステップS120-31)
メインCPU200aは、設定変更スイッチ間隔タイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS120-33)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118のオンエッジを検出していないかを判定する。その結果、スタートスイッチ118のオンエッジを検出していないと判定した場合にはステップS120-9に処理を移し、スタートスイッチ118のオンエッジを検出していると判定した場合にはステップS120-35に処理を移す。
(ステップS120-35)
メインCPU200aは、設定キーがオフであるかを判定する。その結果、設定キーがオフであると判定した場合にはステップS120-35に処理を移し、設定キーがオフでないと判定した場合にはステップS120-37に処理を移す。
(ステップS120-37)
メインCPU200aは、設定キーがオンであるかを判定する。その結果、設定キーがオンであると判定した場合にはステップS120-37に処理を移し、設定キーがオンでないと判定した場合にはステップS122に処理を移す。
(ステップS122)
メインCPU200aは、初期化スタートを開始する初期化スタート処理を実行する。なお、この初期化スタート処理については後述する。
図13は、主制御基板200における初期化スタート処理(S122)を説明するフローチャートである。
(ステップS122-1)
メインCPU200aは、設定値の変更が終了したことを示す設定変更終了コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS122-3)
メインCPU200aは、設定値の変更が終了したときの状態を示す設定変更状態コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS122-5)
メインCPU200aは、初期化スタート時ウェイトタイマをセットする。
(ステップS122-7)
メインCPU200aは、初期化スタート時ウェイトタイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS122-9)
メインCPU200aは、メインRAM200cのうちの別領域をクリアする設定変更時RAMクリア処理を実行する。
(ステップS122-11)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおいて設定変更時にクリアすべき使用領域をクリアするRAMクリア処理を実行する。
(ステップS122-13)
メインCPU200aは、現在の遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS200)
メインCPU200aは、遊技を開始するための遊技開始処理を実行する。なお、この遊技開始処理については後述する。
図14は、主制御基板200における状態復帰処理(S130)を説明するフローチャートである。
(ステップS130-1)
メインCPU200aは、スタックポインタを復帰させる。
(ステップS130-3)
メインCPU200aは、メインRAM200cのうちの未使用領域をクリアする未使用領域クリア処理を実行する。
(ステップS130-5)
メインCPU200aは、スタックポインタ保存バッファをクリアする。
(ステップS130-7)
メインCPU200aは、電源断復帰後フラグを設定(オン)する。
(ステップS130-9)
メインCPU200aは、入力ポートのイメージを更新するポート入力処理を実行する。
(ステップS130-11)
メインCPU200aは、上記ステップS130-9で更新された入力ポートのイメージに基づいて、操作対象ビットの情報を抽出する操作対象ビット抽出処理を実行する。
(ステップS130-13)
メインCPU200aは、上記ステップS130-11で抽出した操作対象ビットを、前回状態の操作対象ビットとしてセットする。
(ステップS130-15)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cのモータフェーズを取得する。ここで、リール110a、110b、110cの状態として、モータフェーズが設定されている。モータフェーズは、リール110a、110b、110cの動作状態、すなわち、加速中、定常回転中、停止中、待機中を示す。具体的に、モータフェーズに割り当てられた1バイト(記憶単位)の変数が、そのステッピングモータ152の動作状態に応じて、加速中=3、定常回転中=2、停止中=1、待機中=0といった値に変化する。
(ステップS130-17)
メインCPU200aは、上記ステップS130-15で取得したモータフェーズに基づいて、リール110a、110b、110cのいずれもが定常回転中および加速中でないかを判定する。その結果、リール110a、110b、110cのいずれもが定常回転中および加速中でないと判定した場合にはステップS130-21に処理を移し、リール110a、110b、110cのいずれかが定常回転中または加速中であると判定した場合にはステップS130-19に処理を移す。
(ステップS130-19)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cのエラー検出時の設定を行う回転エラー処理を実行する。
(ステップS130-21)
メインCPU200aは、退避していたレジスタ群を復帰させる。
(ステップS130-23)
メインCPU200aは、割込みを許可し、当該状態復帰処理を終了する。これにより、メインCPU200aは、電源断直前の状態に復帰する。
図15は、主制御基板200における遊技開始処理(S200)を説明するフローチャートである。
(ステップS200-1)
メインCPU200aは、再遊技であるか否かを示す再遊技状態識別信号を出力するための再遊技状態識別信号出力設定処理を実行する。
(ステップS200-3)
メインCPU200aは、メダルの投入枚数(ベット枚数)を表示する投入枚数表示器に対応するビットをオフ(消灯)するための投入枚数表示器出力ビットオフをセットする。
(ステップS200-5)
メインCPU200aは、上記ステップS200-3でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS200-7)
メインCPU200aは、遊技開始ウェイトタイマをセットする。
(ステップS200-9)
メインCPU200aは、遊技開始ウェイトタイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS200-11)
メインCPU200aは、メインRAM200cにおける使用領域のうち、1遊技毎にクリアすべき領域をクリアする1遊技RAMクリア処理を実行する。
(ステップS200-13)
メインCPU200aは、ボーナス信号を設定するボーナス信号設定処理を実行する。
(ステップS200-15)
メインCPU200aは、入力ポートイメージのエッジ情報をクリアするエッジクリア処理を実行する。
(ステップS210)
メインCPU200aは、メダルの投入を受け付ける遊技メダル投入処理を実行する。なお、この遊技メダル投入処理については後述する。
図16は、主制御基板200における遊技メダル投入処理(S210)を説明するフローチャートである。
(ステップS210-1)
メインCPU200aは、各種エラーの検出結果の確認を行うエラー確認処理を実行する。
(ステップS210-3)
メインCPU200aは、入力ポートの信号の立ち下がりエッジ(オンエッジ)を検出するエッジチェック処理を実行する。
(ステップS210-5)
メインCPU200aは、前面上扉104または前面下扉106が開放されているときに1が立つドア開放エラー検出フラグを取得する。
(ステップS210-7)
メインCPU200aは、上記ステップS210-5で取得したドア開放エラー検出フラグに基づき、前面上扉104および前面下扉106が閉鎖されているかを判定する。その結果、前面上扉104および前面下扉106が閉鎖されていると判定した場合にはステップS210-16に処理を移し、前面上扉104または前面下扉106の少なくとも一方が閉鎖されていないと判定した場合にはステップS210-9に処理を移す。
(ステップS210-9)
メインCPU200aは、前面上扉104または前面下扉106の少なくとも一方が開放されていることを示すエラーコード「E8」をセットする。
(ステップS210-11)
メインCPU200aは、エラー表示、警告音の要求、ならびに、エラー復帰待ちを行うエラーウェイト処理を実行する。
(ステップS210-13)
メインCPU200aは、設定値を確認する設定値確認処理を実行する。
(ステップS210-15)
メインCPU200aは、入力ポートイメージのエッジ情報をクリアするエッジクリア処理を実行する。
(ステップS210-16)
メインCPU200aは、コンプリート機能作動判定処理を行う。なお、このコンプリート機能作動判定処理については後述する。
(ステップS210-17)
メインCPU200aは、貯留(クレジット)されているメダルを払い戻すためのクレジットスイッチ(不図示)が押下されている場合に、貯留されているメダルを払い戻すクレジットボタンチェック処理を実行する。
(ステップS210-19)
メインCPU200aは、メダルをベットする遊技メダル投入ボタン関連処理を実行する。ここでは、ベットスイッチ116が押下された場合に、貯留(クレジット)されているメダルを規定数までベットするとともに、ベットした枚数分だけ貯留枚数を減算する。また、メダル投入口114aを通じてメダルが投入された場合、規定数までメダルをベットし、規定数よりも多くメダルが投入された場合、その分だけ貯留枚数に加算する。
(ステップS210-21)
メインCPU200aは、投入枚数が規定数であるかを確認する遊技メダル取得処理を実行する。
(ステップS210-23)
メインCPU200aは、上記ステップS210-21の確認結果に基づき、投入枚数が規定数でないかを判定する。その結果、投入枚数が規定数でないと判定した場合にはステップS210-1に処理を移し、投入枚数が規定数であると判定した場合にはステップS210-25に処理を移す。
(ステップS210-25)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118の操作が有効になったか否かを示すスタート表示器(不図示)をオン(点灯)するためのスタート表示器出力ビットをセットする。
(ステップS210-27)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118の立ち下がりエッジ(押下)を検出していなかを判定する。その結果、スタートスイッチ118の立ち下がりエッジを検出していないと判定した場合にはステップS210-1に処理を移し、スタートスイッチ118の立ち下がりエッジを検出していると判定した場合にはステップS210-29に処理を移す。
(ステップS210-29)
メインCPU200aは、メイン払出表示部132の表示をクリアするためにメイン払出表示部バッファをクリアする。
(ステップS210-31)
メインCPU200aは、再遊技状態識別信号をクリアする再遊技状態識別信号クリア処理を実行する。
(ステップS210-33)
メインCPU200aは、スタート表示器をオフ(消灯)するためのブロッカー閉塞前処理を実行する。
(ステップS210-35)
メインCPU200aは、スタートスイッチ118が押下されたことを示すレバー押下コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS220)
メインCPU200aは、当選種別抽選を行う内部抽選処理を実行する。なお、この内部抽選処理については後述する。
図17は、主制御基板200における内部抽選処理(S220)を説明するフローチャートである。
(ステップS220-1)
メインCPU200aは、設定値データを取得する。
(ステップS220-3)
メインCPU200aは、設定値異常エラーを示すエラーコード「EC」をセットする。
(ステップS220-5)
メインCPU200aは、上記ステップS220-1で取得した設定値データが異常であるかを判定する。その結果、設定値データが異常であると判定した場合にはステップS112に処理を移し、設定値データが異常でないと判定した場合にはステップS220-7に処理を移す。
(ステップS220-7)
メインCPU200aは、乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数を取得する。
(ステップS220-9)
メインCPU200aは、遊技状態に係るオフセット値を取得する状態オフセット取得処理を実行する。
(ステップS220-11)
メインCPU200aは、内部抽選エリア定義テーブル(当選種別抽選テーブル)のアドレスをセットする。
(ステップS220-13)
メインCPU200aは、上記ステップS220-11でセットしたアドレスに対して、上記ステップS220-9で取得したオフセット値を加算したアドレスに示される値を当選領域の初期値としてセットする。ここでは、現在の遊技状態の当選種別抽選テーブルにおける最初の当選領域が初期値としてセットされることになる。
(ステップS220-15)
メインCPU200aは、その当選領域の当選範囲を示す数値である抽選データを取得するとともに、当選領域を1ずらす抽選データ取得処理を実行する。
(ステップS220-17)
メインCPU200aは、当選種別抽選を行わないかを判定する。その結果、当選種別抽選を行わないと判定した場合にはステップS220-21に処理を移し、当選種別抽選を行うと判定した場合にはステップS220-19に処理を移す。
(ステップS220-19)
メインCPU200aは、乱数値から抽選データを減算する。
(ステップS220-21)
メインCPU200aは、上記ステップS220-19の減算結果が負であるか、すなわち、当選種別抽選によって、その当選領域に当選しているかを判定する。その結果、当選種別抽選に当選していると判定した場合にはステップS230に処理を移し、当選種別抽選に当選していないと判定した場合にはステップS220-23に処理を移す。
(ステップS220-23)
メインCPU200aは、当選種別抽選が終了でないかを判定する。その結果、当選種別抽選が終了でないと判定した場合にはステップS220-15に処理を移し、当選種別抽選が終了であると判定した場合にはステップS220-25に処理を移す。
(ステップS220-25)
メインCPU200aは、トリガー役種別をクリアする。
(ステップS230)
メインCPU200aは、当選領域および遊技状態に基づいて、図柄コードを設定する図柄コード設定処理を実行する。なお、この図柄コード設定処理については後述する。
図18は、主制御基板200における図柄コード設定処理(S230)を説明するフローチャートである。
(ステップS230-1)
メインCPU200aは、上記ステップS220で当選した当選領域を取得し、取得した当選領域にボーナス役が含まれる場合には遊技状態を内部中遊技状態に設定する遊技状態設定処理を実行する。
(ステップS230-3)
メインCPU200aは、上記ステップS230-1で取得した当選領域を停止制御番号として設定する。
(ステップS230-5)
メインCPU200aは、上記ステップS230-1で取得した当選領域に基づいて、当選役グループを決定(設定)する。なお、決定された当選役グループによって、メインCPU200aは、疑似遊技実行フラグをオンにすることがある。なお、疑似遊技実行フラグは、オンのときには疑似遊技を実行することを示し、オフのときには疑似遊技を実行しないことを示す。
(ステップS230-7)
メインCPU200aは、上記ステップS230-3で設定した停止制御番号に基づいて、表示可能な図柄、および、引き込み対象の図柄を示す図柄コードを設定する図柄コード初期設定処理を実行する。
(ステップS230-9)
メインCPU200aは、表示図柄ビットを設定する表示図柄ビット初期値設定処理を実行する。
(ステップS231)
メインCPU200aは、実行フラグの設定、演出状態に関する各種処理、補助演出に関する処理等を行う実行フラグ設定処理を実行する。なお、この実行フラグ設定処理については後述する。
(ステップS230-13)
メインCPU200aは、有利区間に関するコマンドである演出コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS230-15)
メインCPU200aは、当選種別を示す当選情報コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS230-17)
メインCPU200aは、1遊技間タイマを確認する。
(ステップS230-19)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cが回転前であることを示す回胴回転前コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS230-21)
メインCPU200aは、ステッピングモータ152の励磁解放を待つ励磁解放待ち処理を実行する。
(ステップS236)
メインCPU200aは、疑似遊技を実行する回胴演出処理を実行する。具体的に、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、各リール110a、110b、110cにおける所定の図柄(例えば、ボーナス役を構成する図柄)を、自動的に仮停止制御し、全てのリール110a、110b、110cが仮停止したら、もしくは、仮停止終了後にランダム遅延処理を通じて回転開始したら、疑似遊技実行フラグをオフする。
(ステップS230-23)
メインCPU200aは、1遊技間タイマが0でないかを判定する。その結果、1遊技間タイマが0でないと判定した場合にはステップS230-23に処理を移し、1遊技間タイマが0であると判定した場合にはステップS230-25に処理を移す。
(ステップS230-25)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cの回転を開始させるための回胴開始処理を実行する。ここでは、リール110a、110b、110cのモータフェーズを加速中に設定して各リールの回転を開始させたり、1遊技間タイマを4.1秒に相当する値にセットしたりする。
(ステップS230-27)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cの回転が開始したことを示す回胴開始コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS240)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110cの回転中の処理である回胴回転中処理を実行する。なお、この回胴回転中処理については後述する。
図19は、主制御基板200における実行フラグ設定処理(S231)を説明するフローチャートである。
(ステップS231-1)
メインCPU200aは、次回ATフラグに基づいて演出状態を更新する(移行させる)AT状態更新処理を実行する。なお、次回ATフラグは、次遊技において設定する演出状態を示すものであり、下記の処理で設定されることになる。
(ステップS232~ステップS238)
メインCPU200aは、演出状態、遊技区間毎のモジュールを実行する状態別モジュール実行処理を実行し、当該実行フラグ設定処理を終了する。なお、状態別モジュール実行処理では、移行されている演出状態、遊技区間に対応するモジュール(処理)がメインROM200bから読み出されて実行される。以下では、本実施形態の特徴に関係するモジュールについて詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係のモジュールについては説明を省略する。
図20は、状態別モジュール実行処理で実行される非有利演出状態処理(S232)を説明するフローチャートである。非有利演出状態処理は、演出状態が非有利演出状態であるときに実行される。
(ステップS232-1)
メインCPU200aは、当選種別抽選により決定された当選種別に基づき有利区間への移行抽選を行う。
(ステップS232-3)
メインCPU200aは、上記ステップS232-1において有利区間に当選したかを判定する。その結果、有利区間に当選したと判定した場合にはステップS232-5に処理を移し、有利区間に当選していないと判定した場合には当該非有利演出状態処理を終了する。
(ステップS232-5)
メインCPU200aは、次回ATフラグを振分演出状態に対応する値に設定するとともに、有利区間であることを示す有利区間フラグをオンにし、当該非有利演出状態処理を終了する。
図21は、状態別モジュール実行処理で実行される振分演出状態処理(S233)を説明するフローチャートである。振分演出状態処理は、演出状態が振分演出状態であるときに実行される。
(ステップS233-1)
メインCPU200aは、例えば、1/10の確率で前兆演出状態に、9/10の確率で通常演出状態に振り分ける抽選を行う。
(ステップS233-3)
メインCPU200aは、上記ステップS233-1において通常演出状態に当選したかを判定する。その結果、通常演出状態に当選したと判定した場合にはステップS233-5に処理を移し、通常演出状態に当選していない(前兆演出状態に当選した)と判定した場合にはステップS233-13に処理を移す。
(ステップS233-5)
メインCPU200aは、次回ATフラグを通常演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS233-7)
メインCPU200aは、通常演出状態において天井機能を実行する遊技数を、上限871遊技で決定し、決定された遊技数を天井遊技数カウンタに設定する。天井遊技数カウンタは、天井機能の実行までの遊技数をカウントするカウンタである。
(ステップS233-9)
メインCPU200aは、非有利演出状態から移行した通常演出状態においてAT演出状態への移行を禁止するブロック期間の遊技数を上限96遊技で決定し、決定された遊技数をブロック遊技数カウンタに設定する。ブロック遊技数カウンタは、AT演出状態の実行(設定)を禁止する遊技数をカウントするカウンタである。
(ステップS233-11)
メインCPU200aは、通常演出状態のAT抽選の当選確率として高確率(例えば、1/8)を設定し、当該振分演出状態処理を終了する。
(ステップS233-13)
ステップS233-3において、通常演出状態に当選していない(前兆演出状態に当選した)と判定された場合、メインCPU200aは、次回ATフラグを前兆演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS233-15)
メインCPU200aは、前兆演出状態を継続する遊技数を、上限32遊技で決定し、決定された遊技数を前兆遊技数カウンタに設定し、当該振分演出状態処理を終了する。前兆遊技数カウンタは、前兆演出状態の終了までの遊技数をカウントするカウンタである。
図22は、状態別モジュール実行処理で実行される通常演出状態処理(S234)を説明するフローチャートである。通常演出状態処理は、演出状態が通常演出状態であるときに実行される。
(ステップS234-1)
メインCPU200aは、AT抽選の当選確率(低確率または高確率)および当選種別抽選により決定された当選種別に基づきAT抽選を行う。
(ステップS234-3)
メインCPU200aは、AT抽選に当選したか、または、本前兆許可フラグがONであるか判定する。その結果、AT抽選に当選したか、または、本前兆許可フラグがONであると判定した場合にはステップS234-5に処理を移し、AT抽選に当選していない、かつ、本前兆許可フラグがOFFであると判定した場合にはステップS234-21に処理を移す。
(ステップS234-5)
メインCPU200aは、ブロック遊技数カウンタが0であるか否か判定する。その結果、ブロック遊技数カウンタが0であると判定した場合にはステップS234-9に処理を移し、ブロック遊技数カウンタが0ではない(まだブロック期間中である)と判定した場合にはステップS234-7に処理を移す。
(ステップS234-7)
メインCPU200aは、その時点の本前兆許可フラグがONであるかOFFであるかに拘わらず、本前兆許可フラグをONにする。
(ステップS234-9)
ステップS234-5において、ブロック遊技数カウンタが0であると判定されると、メインCPU200aは、本前兆許可フラグをOFFにする。
(ステップS234-11)
メインCPU200aは、天井遊技数カウンタが271を超えているか否か判定する。その結果、天井遊技数カウンタが271を超えている、すなわち、通常演出状態での滞在遊技数が600遊技より少ないと判定した場合にはステップS234-13に処理を移し、天井遊技数カウンタが271以下である、すなわち、通常演出状態での滞在遊技数が600遊技以上であると判定した場合にはステップS234-19に処理を移す。
(ステップS234-13)
メインCPU200aは、次回ATフラグを前兆演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS234-15)
メインCPU200aは、前兆演出状態を継続する遊技数を、上限32遊技で決定し、決定された遊技数を前兆遊技数カウンタに設定する。
(ステップS234-17)
メインCPU200aは、通常演出状態のAT抽選の当選確率が低確率であるか高確率であるかに拘わらず、次回の通常演出状態のため、AT抽選の当選確率を低確率(例えば、1/4000)に設定する。
(ステップS234-19)
ステップS234-11において、天井遊技数カウンタが271以下である、すなわち、通常演出状態での滞在遊技数が600遊技以上であると判定されると、メインCPU200aは、次回ATフラグを特別前兆演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS234-21)
メインCPU200aは、ブロック遊技数カウンタが0より大きいか否かを判定する。その結果、ブロック遊技数カウンタが0より大きいと判定した場合にはステップS234-23に処理を移し、ブロック遊技数カウンタ0より大きくない(0である)と判定した場合にはステップS234-25に処理を移す。
(ステップS234-23)
メインCPU200aは、ブロック遊技数カウンタを1だけデクリメントする。
(ステップS234-25)
メインCPU200aは、天井遊技数カウンタが0であるかを判定する。その結果、天井遊技数カウンタが0であると判定した場合にはステップS234-27に処理を移し、天井遊技数カウンタが0ではないと判定した場合にはステップS234-29に処理を移す。
(ステップS234-27)
メインCPU200aは、天井機能を実行するため、有利区間フラグをオフにし、次回ATフラグを非有利演出状態に対応する値に設定し、当該通常演出状態処理を終了する。
(ステップS234-29)
メインCPU200aは、天井遊技数カウンタを1だけデクリメントし、当該通常演出状態処理を終了する。
なお、ここでは、詳細な説明を省略するが、通常演出状態では、所定の遊技数を消化する度に、AT抽選の当選確率を高めたチャンスゾーン(CZ)を複数遊技に渡って実行する。また、AT抽選の当選確率は、通常演出状態の開始時は低確率だが、昇格抽選により高確率に移行する場合がある。
図23は、状態別モジュール実行処理で実行される前兆演出状態処理(S235)を説明するフローチャートである。前兆演出状態処理は、演出状態が前兆演出状態であるときに実行される。
(ステップS235-1)
メインCPU200aは、前兆遊技数カウンタが0であるかを判定する。その結果、前兆遊技数カウンタが0であると判定した場合にはステップS235-3に処理を移し、前兆遊技数カウンタが0ではないと判定した場合にはステップS235-5に処理を移す。
(ステップS235-3)
メインCPU200aは、次回ATフラグをAT演出状態に対応する値に設定し、当該前兆演出状態処理を終了する。
(ステップS235-5)
メインCPU200aは、前兆遊技数カウンタを1だけデクリメントし、当該前兆演出状態処理を終了する。
図24は、状態別モジュール実行処理で実行されるAT演出状態処理(S236)を説明するフローチャートである。AT演出状態処理は、演出状態がAT演出状態であるときに実行される。
(ステップS236-1)
メインCPU200aは、AT演出状態における終了条件である所定差枚数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選すると当選した差枚数を所定差枚数に加算する。
(ステップS236-3)
メインCPU200aは、AT演出状態が終了条件を満たしたか否か判定する。その結果、終了条件を満たしたと判定した場合にはステップS236-5に処理を移し、終了条件を満たしていないと判定した場合には当該AT演出状態処理を終了する。
(ステップS236-5)
メインCPU200aは、通常演出状態への移行が決定しているか否か判定する。その結果、通常演出状態への移行が決定している場合にはステップS236-7に処理を移し、通常演出状態への移行が決定していない、すなわち、非有利演出状態への移行が決定している場合にはステップS236-11に移行する。
(ステップS236-7)
メインCPU200aは、次回ATフラグを通常演出状態に対応する値に設定する。
(ステップS236-9)
メインCPU200aは、通常演出状態において天井機能を実行する遊技数を、上限871遊技で決定し、決定された遊技数を天井遊技数カウンタに設定し、当該AT演出状態処理を終了する。
(ステップS236-11)
ステップS236-5において通常演出状態への移行が決定していないと判定されると、メインCPU200aは、有利区間フラグをオフにし、次回ATフラグを非有利演出状態に対応する値に設定し、当該AT演出状態処理を終了する。
図25は、状態別モジュール実行処理で実行される特別前兆演出状態処理(S237)を説明するフローチャートである。特別前兆演出状態処理は、演出状態が特別前兆演出状態であるときに実行される。
(ステップS237-1)
メインCPU200aは、特別演出状態において受け得る遊技利益である所定差枚数の上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選に当選すると当選した差枚数を所定差枚数に加算する。
(ステップS237-3)
メインCPU200aは、特別前兆演出状態が終了条件(ここでは、所定遊技数の消化)を満たしたか否か判定する。その結果、終了条件を満たしたと判定した場合にはステップS237-5に処理を移し、終了条件を満たしていないと判定した場合には当該特別前兆演出状態処理を終了する。
(ステップS237-5)
メインCPU200aは、ステップS237-1において上乗せ抽選に当選したか否か判定する。その結果、上乗せ抽選に当選したと判定した場合にはステップS237-7に処理を移し、上乗せ抽選に当選していないと判定した場合にはステップS237-9に処理を移す。
(ステップS237-7)
メインCPU200aは、次回ATフラグを特別演出状態に対応する値に設定し、当該特別前兆演出状態処理を終了する。
(ステップS237-9)
ステップS237-5において上乗せ抽選に当選していないと判定されると、メインCPU200aは、有利区間フラグをオフにし、次回ATフラグを非有利演出状態に対応する値に設定し、当該特別前兆演出状態処理を終了する。
図26は、状態別モジュール実行処理で実行される特別演出状態処理(S238)を説明するフローチャートである。特別演出状態処理は、演出状態が特別演出状態であるときに実行される。
(ステップS238-1)
メインCPU200aは、特別演出状態が終了条件を満たしたか否か判定する。その結果、終了条件を満たしたと判定した場合にはステップS238-3に処理を移し、終了条件を満たしていないと判定した場合には当該特別演出状態処理を終了する。なお、特別演出状態の終了条件は、ステップS237-1で上乗せされた所定差枚数を獲得したことである。
(ステップS238-3)
メインCPU200aは、有利区間フラグをオフにし、次回ATフラグを非有利演出状態に対応する値に設定し、当該特別演出状態処理を終了する。
図27は、主制御基板200における回胴回転中処理(S240)を説明するフローチャートである。
(ステップS240-1)
メインCPU200aは、ストップスイッチ120a、120b、120cの表示器(不図示)に対応するビットをオフ(消灯)するために停止表示器出力ビットオフ(出力イメージ)をセットする。ここで、停止表示器出力ビットは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cの発光色に対応付けられており、青色=1、赤色=0で表される。
(ステップS240-3)
メインCPU200aは、上記ステップS240-1でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS240-5)
メインCPU200aは、各種エラーの検出結果の確認を行うエラー確認処理を実行する。
(ステップS240-7)
メインCPU200aは、インデックスフラグを参照し、回転しているリール110a、110b、110cのインデックスを取得する。なお、インデックスフラグは、リール110a、110b、110cが定常回転速度に到達した後にしか立たないので、換言すれば、インデックスフラグが立っているということは、リール110a、110b、110cが定常回転速度に到達していることも示すこととなる。
(ステップS240-9)
メインCPU200aは、リール110a、110b、110c全てのインデックスフラグを検出済みでないかを判定する。その結果、全てのインデックスフラグを検出済みでないと判定した場合にはステップS240-1に処理を移し、全てのインデックスフラグを検出済みであると判定した場合にはステップS240-11に処理を移す。
(ステップS240-11)
メインCPU200aは、停止または停止開始しているリール110a、110b、110cを示す停止回胴ビットを取得する。ここで、停止回胴ビットは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのリール110a、110b、110cのいずれかに対応付けられており、定常状態=1、加速状態、減速状態または停止状態=0で表される。
(ステップS240-13)
メインCPU200aは、上記ステップS240-11で取得した停止回胴ビットを回胴回転中フラグとして保存する。
(ステップS240-15)
メインCPU200aは、ストップスイッチ120a、120b、120cの表示器(不図示)に対応するビットをオン(消灯)するために停止表示器出力ビットオン(出力イメージ)をセットする。
(ステップS240-17)
メインCPU200aは、入力ポート0のイメージを取得し、取得したイメージから、操作対象ビットを抽出する操作対象ビット抽出処理を実行する。ここで、操作対象ビットは、3ビットのビット列で構成され、各ビットがそれぞれ3つのストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかに対応付けられており、操作されている=1、操作されていない=0で表される。
(ステップS240-19)
メインCPU200aは、上記ステップS240-13で取得した回胴回転中フラグと、上記ステップS240-17で抽出した操作対象ビットとの論理積を演算する。ここで、リール110が回転中であり、かつ、そのリールに対応するストップスイッチ120が操作されていれば、すなわち、操作したストップスイッチ120が有効に回転しているリール110に対応していれば、論理積は1となる。
(ステップS240-21)
メインCPU200aは、上記ステップS240-19で演算した論理積が0である、すなわち、回転しているリール110に対応したストップスイッチ120が操作されていないかを判定する。その結果、回転しているリール110に対応したストップスイッチ120が操作されていないと判定した場合にはステップS240-3に処理を移し、回転しているリール110に対応したストップスイッチ120が操作されていると判定した場合にはステップS240-23に処理を移す。
(ステップS240-23)
メインCPU200aは、停止表示器出力ビットが含まれる出力イメージを取得し、取得した出力イメージと、上記ステップS240-19で演算した論理積との論理積を演算する。ここでは、操作されたストップスイッチ120が、赤色点灯中である場合に論理積のビットが0となり、青色点灯中である場合に論理積のビットが1となる。
(ステップS240-25)
メインCPU200aは、上記ステップS240-23で演算した論理積が0であるか、すなわち、操作されたストップスイッチ120が赤色点灯中であるかを判定する。その結果、操作されたストップスイッチ120が赤色点灯中であると判定した場合にはステップS240-1に処理を移し、操作されたストップスイッチ120が赤色点灯中でないと判定した場合にはステップS240-27に処理を移す。
(ステップS240-27)
メインCPU200aは、操作されたストップスイッチ120が有効でないかを判定する。その結果、操作されたストップスイッチ120が有効でないと判定した場合にはステップS240-1に処理を移し、操作されたストップスイッチ120が有効であると判定した場合にはステップS240-29に処理を移す。なお、ここでは、操作されたストップスイッチ120が1つであるか否かを判定している。そして、操作されたストップスイッチ120が1つであると判定した場合にはステップS240-29に処理を移し、操作されたストップスイッチ120が1つでない、すなわち、2つ以上であると判定した場合にはステップS240-1に処理を移す。
(ステップS240-29)
メインCPU200aは、操作されたストップスイッチ120に対応するリール110を停止させるための各種パラメータを取得する停止制御回胴設定処理を実行する。
(ステップS240-31)
メインCPU200aは、割込みを禁止する。
(ステップS240-33)
メインCPU200aは、有効ラインA上に位置する図柄の図柄番号を押下基準位置として導出する押下基準位置取得処理を実行する。
(ステップS240-35)
メインCPU200aは、リール110の滑りコマ数を決定する滑りコマ数取得処理を実行する。
(ステップS250)
メインCPU200aは、操作されたストップスイッチ120に対応するリール110を停止させる回胴停止処理を実行する。なお、この回胴停止処理については後述する。
図28は、主制御基板200における回胴停止処理(S250)を説明するフローチャートである。
(ステップS250-1)
メインCPU200aは、上記ステップS240-35で導出した押下基準位置を取得する。
(ステップS250-3)
メインCPU200aは、上記ステップS250-1で取得した押下基準位置に対して、上記ステップS240-37で決定した滑りコマ数を補正することにより、停止要求番号を算定する。
(ステップS250-5)
メインCPU200aは、停止要求フラグを設定する(1にする)。停止要求フラグは、並行して動作するプログラムに対し、対象となるリール110の停止処理を要求するためのフラグであり、停止要求フラグを1とすることで、停止要求番号に対応する図柄を有効ラインA上に停止することが可能となる。かかる停止要求フラグおよび上記の停止要求番号は、並行して動作するプログラムにより読み出され、リール110の停止処理が行われる。なお、停止処理が完了すると、そのプログラムによって、停止要求フラグは0(OFF)にリセットされる。
(ステップS250-7)
メインCPU200aは、割込みを許可する。
(ステップS250-9)
メインCPU200aは、リール110の停止順序を示す停止情報コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS250-11)
メインCPU200aは、ストップスイッチ120の表示器(不図示)に対応するビットをオフ(消灯)するために停止表示器出力ビットオフ(出力イメージ)をセットする。
(ステップS250-13)
メインCPU200aは、上記ステップS250-11でセットしたビットについて、出力イメージを更新する出力ポートイメージセット処理を実行する。
(ステップS250-15)
メインCPU200aは、表示図柄ビットを設定する表示図柄ビット設定処理を実行する。
(ステップS250-17)
メインCPU200aは、次のリール110を停止させるための次回胴設定前処理を実行する。
(ステップS250-19)
メインCPU200aは、全てのリール110の停止処理が終了済みでないかを判定する。その結果、全てのリール110の停止処理が終了済みでないと判定した場合にはステップS240に処理を移し、全てのリール110の停止処理が終了済みであると判定した場合にはステップS250-21に処理を移す。
(ステップS250-21)
メインCPU200aは、いずれかのリール110について停止要求フラグがオンである、すなわち、全てのリール110が停止済みでないかを判定する。その結果、全てのリール110が停止済みでないと判定した場合にはステップS250-21に処理を移し、全てのリール110が停止済みであると判定した場合にはステップS250-23に処理を移す。
(ステップS250-23)
メインCPU200aは、各種エラーの検出結果の確認を行うエラー確認処理を実行する。
(ステップS250-25)
メインCPU200aは、操作対象ビットの情報を抽出する操作対象ビット抽出処理を実行する。
(ステップS250-27)
メインCPU200aは、上記ステップS250-25で取得した操作対象ビットに基づいて、ストップスイッチ120が押下されているかを判定する。その結果、ストップスイッチ120が押下されていると判定した場合にはステップS250-23に処理を移し、ストップスイッチ120が押下されていないと判定した場合にはステップS260に処理を移す。
(ステップS260)
メインCPU200aは、入賞した当選役を判定する表示判定処理を実行する。なお、この表示判定処理については後述する。
図29は、主制御基板200における表示判定処理(S260)を説明するフローチャートである。
(ステップS260-1)
メインCPU200aは、メイン払出表示部132のバッファをクリアする。
(ステップS260-3)
メインCPU200aは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせと、有効ラインA上に表示許可された図柄組み合わせとが一致するか否かによって、表示判定異常が発生しているかを判定する表示判定異常検出処理を実行する。
(ステップS260-5)
メインCPU200aは、表示判定異常(エラー)であることを示すエラーコード「EE」をセットする。
(ステップS260-7)
メインCPU200aは、上記ステップS260-3の判定結果に基づき、表示判定異常であるかを判定する。その結果、表示判定異常であると判定した場合にはステップS112に処理を移し、表示判定異常でないと判定した場合にはステップS260-9に処理を移す。
(ステップS260-9)
メインCPU200aは、有効ラインA上に停止(表示)された図柄組み合わせに基づいて、入賞した当選役を決定する表示図柄識別生成処理を実行する。
(ステップS260-11)
メインCPU200aは、払出枚数の初期値として0をセットする。
(ステップS260-13)
メインCPU200aは、小役が入賞したかを判定する。その結果、小役が入賞したと判定した場合にはステップS260-15に処理を移し、小役が入賞していないと判定した場合にはステップS260-35に処理を移す。
(ステップS260-15)
メインCPU200aは、小役が入賞したことを示す入賞フラグをオンにする。
(ステップS260-17)
メインCPU200aは、入賞した小役に応じた払出枚数を設定する払出枚数設定処理を実行する。
(ステップS260-19)
メインCPU200aは、有利区間でないかを判定する。その結果、有利区間でないと判定した場合にはステップS270に処理を移し、有利区間であると判定した場合にはステップS260-21に処理を移す。
(ステップS260-21)
メインCPU200aは、有利区間中のMYをカウントする有利区間MYカウンタの値を取得する。
(ステップS260-23)
メインCPU200aは、上記ステップS260-23で取得した有利区間MYカウンタの値に払出枚数を加算する。
(ステップS260-25)
メインCPU200aは、当該遊技の投入枚数を取得する。
(ステップS260-27)
メインCPU200aは、上記ステップS260-23で加算した値から投入枚数を減算する。
(ステップS260-29)
メインCPU200aは、上記ステップS260-27の減算結果が負でないかを判定する。その結果、減算結果が負でないと判定した場合にはステップS260-33に処理を移し、減算結果が負であると判定した場合にはステップS260-31に処理を移す。
(ステップS260-31)
メインCPU200aは、有利区間MYカウンタの値をクリアする(0にする)。
(ステップS260-33)
メインCPU200aは、上記ステップS260-27で減算した値、または、上記ステップS260-31でクリアした値に、有利区間MYカウンタの値を更新する。
(ステップS260-35)
メインCPU200aは、リプレイ役が入賞していなかを判定する。その結果、リプレイ役が入賞していないと判定した場合にはステップS270に処理を移し、リプレイ役が入賞していると判定した場合にはステップS260-37に処理を移す。
(ステップS260-37)
メインCPU200aは、払出枚数に投入枚数をセットする。
(ステップS260-39)
メインCPU200aは、再遊技作動中フラグをオンにする。
(ステップS260-41)
メインCPU200aは、自動投入枚数をセットする。
(ステップS270)
メインCPU200aは、メダルを払い出す払出処理を実行する。なお、この払出処理については後述する。
図30は、主制御基板200における払出処理(S270)を説明するフローチャートである。
(ステップS270-1)
メインCPU200aは、再遊技作動中フラグを取得する。
(ステップS270-3)
メインCPU200aは、メダルの払い出しが開始されたことを示す払出開始コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS270-5)
メインCPU200aは、上記ステップS270-1で取得した再遊技作動中フラグに基づいて、リプレイ役が入賞したかを判定する。その結果、リプレイ役が入賞したと判定した場合にはステップS270-41に処理を移し、リプレイ役が入賞していないと判定した場合にはステップS270-7に処理を移す。
(ステップS270-7)
メインCPU200aは、メイン払出表示部132に0を表示するためのメイン表示器表示処理を実行する。
(ステップS270-9)
メインCPU200aは、払い出しがない(払出枚数が0枚)を判定する。その結果、払い出しがないと判定した場合にはステップS270-35に処理を移し、払い出しがあると判定した場合にはステップS270-11に処理を移す。
(ステップS270-11)
メインCPU200aは、貯留枚数が50枚以上であるかを判定する。その結果、貯留枚数が50枚以上であると判定した場合にはステップS270-13に処理を移し、貯留枚数が50枚以上でないと判定した場合にはステップS270-15に処理を移す。
(ステップS270-13)
メインCPU200aは、メダル払出装置142からメダルを1枚払い出させるメダル払出装置制御処理を実行し、ステップS270-23に処理を移す。
(ステップS270-15)
メインCPU200aは、払出開始間隔タイマをセットする。
(ステップS270-17)
メインCPU200aは、払出開始タイマが0でない、すなわち、初回払出時であるかを判定する。その結果、初回払出時であると判定した場合にはステップS270-21に処理を移し、初回払出時でないと判定した場合にはステップS270-19に処理を移す。
(ステップS270-19)
メインCPU200aは、払出開始間隔タイマが0になるまで待つタイマウェイト処理を実行する。
(ステップS270-21)
メインCPU200aは、貯留枚数を1インクリメントする。
(ステップS270-23)
メインCPU200aは、1枚のメダルが払い出されたことを示す払出実行コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS270-25)
メインCPU200aは、既に払い出された払出枚数をメイン払出表示部132に表示するためのメイン表示器表示前処理を実行する。
(ステップS270-27)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態でないかを判定する。その結果、ボーナス遊技状態でないと判定した場合にはステップS270-31に処理を移し、ボーナス遊技状態であると判定した場合にはステップS270-29に処理を移す。
(ステップS270-29)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態において払い出されたメダルの枚数であるボーナス作動中獲得枚数を1インクリメントする。
(ステップS270-31)
メインCPU200aは、払出枚数のメダルの払い出しが終了していないかを判定する。その結果、払い出しが終了していないと判定した場合にはステップS270-11に処理を移し、払い出しが終了していると判定した場合にはステップS270-33に処理を移す。
(ステップS270-33)
メインCPU200aは、メダルの払い出しを終了するための払出終了処理を実行する。
(ステップS270-35)
メインCPU200aは、オーバーエラーが検出されていないかを判定する。その結果、オーバーエラーが検出されていないと判定した場合にはステップS270-41に処理を移し、オーバーエラーが検出されていると判定した場合にはステップS270-37に処理を移す。
(ステップS270-37)
メインCPU200aは、オーバーエラーを示すエラーコード「E5」をセットする。
(ステップS270-39)
メインCPU200aは、エラー表示、警告音の要求、ならびに、エラー復帰待ちを行うエラーウェイト処理を実行する。
(ステップS270-41)
メインCPU200aは、メダルの払い出しが終了したことを示す払出終了コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS280)
メインCPU200aは、遊技状態の移行、有利区間を管理する処理等を行う遊技移行処理を実行する。なお、この遊技移行処理については後述する。
図31は、主制御基板200における遊技移行処理(S280)を説明するフローチャートである。
(ステップS280-1)
メインCPU200aは、再遊技作動中フラグを取得し、取得した再遊技作動中フラグに基づいて、次遊技が再遊技であることを示すリプレイ表示器(不図示)に対応するビットをオンまたはオフするために停止表示器出力ビットオフ(出力イメージ)をセットし、セットした出力イメージの出力ビットを更新するリプレイ表示器制御処理を実行する。
(ステップS280-3)
メインCPU200aは、ボーナス役が入賞した場合に、ボーナス遊技状態を制御するための各種パラメータを設定する役物作動図柄表示処理を実行する。
(ステップS281)
メインCPU200aは、演出状態、区間状態毎のモジュールを実行する状態別モジュール実行処理を実行する。なお、状態別モジュール実行処理では、移行されている演出状態に対応するモジュール(処理)がメインROM200bから読み出されて実行される。
(ステップS280-5)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態において、ボーナス作動中獲得枚数が所定枚数に到達した場合に、遊技状態を非内部遊技状態に移行させるボーナス作動終了処理を実行する。
(ステップS280-7)
メインCPU200aは、有利区間を管理する有利区間更新処理を実行する。
(ステップS280-9)
メインCPU200aは、次遊技がAT演出状態でないかを判定する。その結果、次遊技がAT演出状態でないと判定した場合にはステップS280-15に処理を移し、次遊技がAT演出状態であると判定した場合にはステップS280-11に処理を移す。
(ステップS280-11)
メインCPU200aは、ボーナス遊技状態でないかを判定する。その結果、ボーナス遊技状態でないと判定した場合にはステップS280-15に処理を移し、ボーナス遊技状態であると判定した場合にはステップS280-13に処理を移す。
(ステップS280-13)
メインCPU200aは、区間表示器160を点灯させるための有利ランプフラグをオンにセットする。
(ステップS280-15)
メインCPU200aは、有利区間に関するコマンドである演出コマンドを送信バッファにセットする演出コマンド設定処理を実行する。
(ステップS280-17)
メインCPU200aは、1遊技が終了したことを示す遊技終了コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS280-19)
メインCPU200aは、外部信号を出力するための端子板信号出力処理を実行する。
(ステップS280-21)
メインCPU200aは、上記ステップS280-7において有利区間を終了させるときに設定される演出用ウェイトタイマが0でないかを判定する。その結果、演出用ウェイトタイマが0でないと判定した場合にはステップS280-21に処理を移し、演出用ウェイトタイマが0であると判定した場合にはステップS280-23に処理を移す。
(ステップS280-23)
メインCPU200aは、遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS280-25)
メインCPU200aは、次遊技の開始を示す遊技開始コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS280-27)
メインCPU200aは、差枚数カウンタ更新処理を行い、ステップS200に処理を移す。なお、この差枚数カウンタ更新処理については後述する。
ステップS200からステップS280までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS280までを繰り返すこととなる。
次に、主制御基板200における電源断時退避処理およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板200の電源断時退避処理)
図32は、主制御基板200における電源断時退避処理を説明するフローチャートである。メインCPU200aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300-1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU200aは、レジスタを退避する。
(ステップS300-3)
メインCPU200aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-5)
メインCPU200aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-7に処理を移す。
(ステップS300-7)
メインCPU200aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300-9)
メインCPU200aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300-11)
メインCPU200aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300-13)
メインCPU200aは、別領域についての電源断時の退避処理を実行する。
(ステップS300-15)
メインCPU200aは、メインRAM200cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300-17)
メインCPU200aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウント値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300-19)
メインCPU200aは、上記ステップS300-17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300-21)
メインCPU200aは、ループカウンタのカウント値が0でないかを判定する。その結果、カウント値が0ではないと判定した場合にはステップS300-19に処理を移し、カウント値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS1000)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300-19~ステップS300-21をループしている間にスロットマシン100の稼働が停止する。
(主制御基板200のタイマ割込み処理)
図33は、主制御基板200におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板200には、所定の周期(同時回し参考例では1.49ミリ秒、以下「1.49ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400-1)
メインCPU200aは、レジスタを退避する。
(ステップS400-3)
メインCPU200aは、割込みフラグをクリアする。
(ステップS400-5)
メインCPU200aは、各種の入力ポートイメージを読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400-6)
メインCPU200aは、コンプリート機能作動信号バッファ設定処理を行う。なお、このコンプリート機能作動信号バッファ設定処理については後述する。
(ステップS400-7)
メインCPU200aは、セットされた出力イメージを出力ポートに出力し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132、投入枚数表示器、スタート表示器、ストップスイッチ120a、120b、120cの表示器、リプレイ表示器、区間表示器160を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400-9)
メインCPU200aは、タイマ割込み処理用フェーズを更新する。なお、タイマ割込み処理用フェーズは、0~3のいずれかであり、ここでは、タイマ割込み処理用フェーズが0、1、2の場合には1加算され、タイマ割込み処理用フェーズが3の場合には0に変更される。
(ステップS400-11)
メインCPU200aは、送信バッファに格納されたコマンドを副制御基板202に送信するためのサブコマンド送信処理を行う。
(ステップS400-13)
メインCPU200aは、ステッピングモータ152を制御するステッピングモータ制御処理を実行する。
(ステップS400-15)
メインCPU200aは、メダル払出装置142へ出力する出力イメージを出力する出力ポートイメージ出力処理を実行する。
(ステップS400-17)
メインCPU200aは、各種乱数値を更新する乱数更新処理を実行する。
(ステップS400-19)
メインCPU200aは、エラーに対応する外部信号(外部信号4、5)を外部に出力するためにエラーを検出する不正監視処理を実行する。
(ステップS400-21)
メインCPU200aは、上記ステップS400-9で更新したタイマ割込み処理用フェーズに対応するモジュール(サブルーチン)を実行する。ここで、タイマ割込み処理用フェーズは0~3のいずれかに設定されており、タイマ割込み処理用フェーズ0~3それぞれに対応するモジュールが1つずつ設けられているため(合計4つ)、1つのモジュールは、タイマ割込み処理の4回に1回(5.96ms毎に)実行されることになる。例えば、各種タイマを減算する時間監視処理を実行するモジュールが1つのタイマ割込み処理用フェーズに対応付けられている。
(ステップS400-23)
メインCPU200aは、試験信号を外部に出力する試験信号出力処理を実行する。
(ステップS400-25)
メインCPU200aは、各種の入力ポートイメージを読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400-27)
メインCPU200aは、レジスタを復帰する。
(ステップS400-29)
メインCPU200aは、割込みを許可し、当該タイマ割込み処理を終了する。
<メモリマップ>
ところで、上述したように、主制御基板200においては、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働して遊技の進行を制御する。これらの機能部を実行するためのプログラムは、メインROM200bおよびメインRAM200cの所定の領域(使用領域)に配される。
図34は、メモリマップを示す説明図である。メインROM200bには、0000h~3FFFh(12kbyte)のメモリ空間が割り当てられ、メインRAM200cには、F000h~F3FFh(1kbyte)のメモリ空間が割り当てられ、入出力部(図示せず)には、FE00h~FEFFh(256byte)のメモリ空間が割り当てられている。なお、プログラムの命令コードはアセンブラ言語で記述されている。ここで、プログラムは、命令コードで構成されたものであり、コンピュータに読み出され、データやワークエリアと協働して所定の処理を実現することができる。
メインROM200bの0000h~1DF3hのメモリ空間には使用領域が割り当てられている。使用領域は、遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行するためのプログラムやデータを格納する領域である。具体的に、0000h~11FFh(4.5kbyte)に制限されたメモリ空間(制御領域)に、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316を機能させて遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行するためのプログラムの命令コードが格納され、1200h~1DF3h(3.0kbyte)に制限されたメモリ空間(データ領域)に、遊技制御処理のプログラムに用いられるデータが格納されている。また、1E00h~1FFFhのメモリ空間にはコメント領域が割り当てられ、3FC0h~3FFFhのメモリ空間にはプログラム管理領域が割り当てられている。また、2000h~3FBFhのメモリ空間には別領域(使用外領域)が割り当てられている。別領域は、後述するように、使用領域に格納することが定められていないプログラムやデータを格納する領域である。具体的に、2000h~3FBFhのメモリ空間には、遊技の進行に影響を及ぼさない、遊技機用試験処理やセキュリティ関連処理のうち一部または全部の処理(以降では、単に遊技制御外処理という場合がある)を遂行するプログラムの命令コードおよびプログラムデータが格納されている。
また、メインRAM200cのF000h~F1FFhのメモリ空間には使用領域が割り当てられている。具体的に、F000h~F13Fhのメモリ空間には、上記遊技制御処理のワークエリアが割り当てられ、タイマ、カウンタ、フラグ等の変数管理に用いられる。F1C0h~F1FFhのメモリ空間には、上記遊技制御処理のスタック領域が割り当てられている。また、メインRAM200cのF200h~F3FFhのメモリ空間には別領域が割り当てられている。具体的に、F210h~F22Fhのメモリ空間には、上記セキュリティ関連処理のうち一部または全部の処理のワークエリアが割り当てられ、タイマ、カウンタ、フラグ等の変数管理に用いられる。F230h~F246hのメモリ空間には、上記セキュリティ関連処理のうち一部または全部の処理のスタック領域が割り当てられている。
また、FE00h~FEFFhのメモリ空間には入出力部が割り当てられている。従来、入出力部に対応するデバイスにアクセスするため、メモリ空間と独立して256バイトのI/O空間が設けられていた。これに対し、本実施形態では、MREQ、IORQの信号をなくし、メモリ、入出力部へのアクセスを共通化してRD、WR信号で行うこととした。また、入出力部に接続されたデバイスにアクセスするための上位8ビットのアドレスを指定するハードウェアとしてのUレジスタを設け、ここに予め8ビットの上位アドレスを指定しておく。これにより、メモリ空間とは独立して設けられていたI/O空間を、メモリ空間に統合して一つのアドレス空間とし、IN命令、OUT命令を実行するとメモリ空間に割り当てられた入出力部に対し、上位8ビットをUレジスタで指定し下位8ビットはIN命令、OUT命令のオペランドで指定した下位8ビットを用いてアクセス可能とした。
本実施形態では、LDQ命令ではQレジスタの値を用いてメモリ空間(主にデータエリア、ワークエリア)にアクセスし、IN命令、OUT命令ではUレジスタを用いてデバイス(タイマ、乱数発生器、外部入出力回路等)のI/Oにアクセスするようにプログラムを記述できるようになる。かかる構成により、設計時にプログラムを把握し易くなる。また、メモリおよびI/Oを、16ビットのアドレスで特定してアクセスしていたものを下位8ビットのオペランドでアクセスすることが可能になり、プログラム容量を圧縮することができる。さらにQレジスタ、Q’レジスタ、Uレジスタと複数の上位指定レジスタを持つことにより、上位レジスタが1つだけの時よりも上位レジスタの使い回しによる入れ替えの回数が少なくなり、プログラム容量をさらに圧縮することができる。
上記の例ではIN命令、OUT命令でI/O空間に対応するメモリ空間にアクセスしたが、IN命令、OUT命令で直接メモリ空間にアクセスしてもよい。このことは、例えばメモリ上の3つの256バイト領域にアクセスする場合に、Qレジスタ、Q’レジスタ、Uレジスタにそれぞれの上位8ビットを指定しておき、LDQ命令とIN命令、OUT命令でそれぞれの領域にアクセスすることで実現できる。
<コンプリート機能>
スロットマシン100では、電源投入からのメダルの投入枚数(遊技価値の使用に係る値)と払出枚数(遊技価値の獲得に係る値)との差である差枚数(遊技価値の使用に係る値と、遊技価値の獲得に係る値と、に基づく算出値)を管理している。かかる差枚数(算出値)が規定差枚数(第1規定値)、例えば、20000枚に到達した場合、遊技の進行を制限する、所謂、コンプリート機能を作動させる。ここで、遊技の進行を制限するとは、例えば、メダルの投入やスイッチの操作を無効にして遊技を継続できなくすることである。
しかし、規定差枚数の到達だけを単純に管理すると、規定差枚数に到達する前に電源をリセット(電源切断および電源再投入)しさえすれば、制限を受けることなく遊技を継続できるので、例えば、差枚数が規定差枚数に到達しそうになると、規定差枚数に到達する前に、遊技者が、ホールの従業員に、差枚数を計数(算出)する差枚数カウンタ(算出手段)のクリア(算出手段の初期化)を不正に要求したり、ホール側がサービスとして不正に差枚数カウンタのクリアを行うことで、規定差枚数の到達を免れることが起こりうる。
そこで、スロットマシン100の電源のリセットによって差枚数カウンタを初期状態に戻せる機能は持たせつつ、差枚数が規定差枚数に近づくと、電源のリセットによっては差枚数カウンタを初期状態に戻せないようにする。ただし、差枚数が規定差枚数に近づくと、差枚数カウンタを初期状態に戻すことができないとしてしまうと、遊技の進行が制限されたままになってしまう。したがって、差枚数が規定差枚数に近づいた場合でも、所定の条件を満たした場合、例えば、設定変更が行われた場合には差枚数カウンタを初期状態に戻せるようにする。ここでは、差枚数カウンタのクリア処理の基本的な概念を説明する。
図35は、差枚数カウンタのクリア処理を説明するフローチャートである。差枚数カウンタのクリア処理は、例えば、電源投入等、ホールの営業中に実行することが可能な、差枚数を初期化する初期化操作に応じて実行される。かかる図35の説明におけるステップSの数値は、本図の説明においてのみ用いることとする。
(ステップS1)
メインCPU200aは、設定変更が行われているか否か、すなわち、設定変更モードであるか否か判定する。その結果、設定変更が行われていると判定した場合にはステップS3に移行し、設定変更が行われていないと判定した場合には、ステップS2に移行する。
(ステップS2)
メインCPU200aは、差枚数(算出値)がクリア禁止差枚数(第2規定値)以上であるか否か判定する。ここで、クリア禁止差枚数は、規定差枚数未満の値(例えば、19000枚)である。その結果、差枚数がクリア禁止差枚数以上であると判定した場合には、当該差枚数カウンタのクリア処理を終了し、差枚数がクリア禁止差枚数以上ではない、すなわち、クリア禁止差枚数未満であると判定した場合、ステップS3に移行する。
(ステップS3)
メインCPU200aは、差枚数カウンタをクリアすることで、差枚数を初期化する。
このように、電源投入等の初期化操作が行われると、原則、ステップS3において差枚数カウンタがクリアされる。しかし、ステップS2において、差枚数がクリア禁止差枚数に到達したと判定すると(規定差枚数に近づくと)、S3へ移行させないことで、差枚数カウンタのクリアを禁止する。ただし、ステップS1において、設定変更が行われていると判定されると、ステップS2に移行することなく、すなわち、差枚数がクリア禁止差枚数に到達したか否かに拘わらず、差枚数カウンタのクリアを許可する。
かかる構成により、差枚数がクリア禁止差枚数に到達する前は、初期化操作に応じて差枚数カウンタのクリアを許可する一方、差枚数がクリア禁止差枚数に到達した後には初期化操作によっては差枚数カウンタのクリアを禁止する。ここで、クリア禁止差枚数は明示されていないので、遊技者はクリア禁止差枚数を把握できない。仮にクリア禁止差枚数を把握できたとしても、一般的に、差枚数の正確な値は報知されず、自己が遊技開始する前の状態も不明なので、遊技者は、差枚数がクリア禁止差枚数に到達するタイミングを容易に把握できない。したがって、規定差枚数に到達する前に電源を再投入して、遊技を不正に継続することを防止することができる。また、差枚数がクリア禁止差枚数に到達したか否かに拘わらず、設定変更することによって差枚数カウンタをクリアできる構成によって、差枚数カウンタをクリアできずに、遊技の進行が制限されたままになることを回避することが可能となる。
以下、かかる差枚数カウンタのクリア処理を含むコンプリート機能について、図9~図33で示されたフローチャートを参照して具体的に説明する。
スロットマシン100では、電源が投入された後、遊技毎の差枚数に応じて差枚数カウンタを更新している。このような差枚数カウンタの更新は、例えば、図31の遊技移行処理S280における差枚数カウンタ更新処理S280-27で行われる。
図36は、主制御基板200における差枚数カウンタ更新処理S280-27を説明するフローチャートである。かかる図36の説明におけるステップSの数値は、本図の説明においてのみ用いることとする。
(ステップS1)
メインCPU200aは、別領域において、再遊技が作動中であるか否か判定する。その結果、再遊技が作動中であると判定した場合には、当該差枚数カウンタ更新処理を終了し、再遊技が作動していないと判定した場合には、ステップS2に移行する。このように再遊技が作動している場合に当該差枚数カウンタ更新処理S280-27を行わないことで、処理負荷を軽減することができる。
(ステップS2)
メインCPU200aは、別領域において、差枚数カウンタの値を取得する。
(ステップS3)
メインCPU200aは、別領域において、取得した差枚数カウンタの値に払出枚数を加算して差枚数カウンタ候補値とする。
(ステップS4)
メインCPU200aは、別領域において、加算後の差枚数カウンタ候補値から投入枚数を減算して差枚数カウンタ候補値を更新する。
(ステップS5)
メインCPU200aは、別領域において、差枚数カウンタ候補値が正の値か否か判定する。その結果、差枚数カウンタ候補値が正の値であると判定した場合には、ステップS7に移行し、差枚数カウンタ候補値が正の値ではないと判定した場合には、ステップS6に移行する。
(ステップS6)
メインCPU200aは、別領域において、差枚数カウンタ候補値を0に設定する。こうして、差枚数カウンタ候補値が負の値になるのを防止することができる。
(ステップS7)
メインCPU200aは、別領域において、差枚数カウンタ候補値を差枚数カウンタに設定する。
(ステップS8)
メインCPU200aは、別領域において、差枚数カウンタの値が60000未満であるか否か判定する。その結果、差枚数カウンタの値が60000未満であると判定した場合には、当該差枚数カウンタ更新処理S280-27を終了し、差枚数カウンタの値が60000未満ではない、すなわち、60000以上であると判定した場合には、ステップS9に移行する。ここで、差枚数カウンタの値と60000とを比較しているのは、差枚数カウンタの値が負の値にならないように、初期値を40000としているからである。したがって、差枚数カウンタの値が60000以上となることは、初期値の40000+規定差枚数20000以上となること、すなわち、差枚数が規定差枚数以上となることを示す。
なお、ここでは、差枚数カウンタの初期値として40000を採用し、60000以上となることで規定差枚数以上となったと判定している。しかし、かかる場合に限らず、例えば、差枚数カウンタの初期値として45536を採用し、65536以上となることで規定差枚数以上となったと判定してもよい。この場合、差枚数が19999枚(差枚数カウンタ=65535)の状態で1遊技を実行した結果、投入枚数1枚、払出枚数15枚となると、差枚数カウンタは最大値となる65549となる。いずれにしても差枚数が20000枚以上となると、差枚数カウンタの値は2バイトの最大値65535を超える(オーバーフローする)こととなる。この場合、具体的な数値との比較を行わなくても、2バイトの値のオーバーフローを判定すれば足りるので、処理負荷やメモリ容量を削減することが可能となる。
(ステップS9)
メインCPU200aは、別領域において、コンプリート機能作動フラグをONする。ここで、コンプリート機能作動フラグは、コンプリート機能を作動させる条件として差枚数が規定差枚数以上となったことを示すフラグである。
このように、コンプリート機能作動フラグがONされると、コンプリート機能を実際に作動させるか否か判定される。コンプリート機能を作動させるか否かの判定処理は、例えば、図16の遊技メダル投入処理S210におけるコンプリート機能作動判定処理S210-16で行われる。なお、ここでは、再遊技が作動中であると判定した場合には(図36のS1におけるYES)、当該差枚数カウンタ更新処理を終了し、差枚数カウンタの更新処理(S2~S7)、および、差枚数カウンタの値が60000未満であるか否かの判定処理(S8、S9)を行わない例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、再遊技が作動中であっても(S1におけるYES)、差枚数カウンタの更新処理、および、差枚数カウンタの値が60000未満であるか否かの判定処理のいずれか一方または双方を行うとしてもよい。
図37は、主制御基板200におけるコンプリート機能作動判定処理S210-16を説明するフローチャートである。かかる図37の説明におけるステップSの数値は、本図の説明においてのみ用いることとする。
(ステップS1)
メインCPU200aは、使用領域において、RBB作動中遊技状態であるか否か判定する。その結果、RBB作動中遊技状態であると判定した場合には、当該コンプリート機能作動判定処理S210-16を終了し、RBB作動中遊技状態ではないと判定した場合には、ステップS2に移行する。ここでは、RBB作動中遊技状態である場合にコンプリート機能を作動させないようにすることで、遊技者は、コンプリート機能が作動する状況であっても、現在実行されているRBB作動中遊技状態による遊技利益の獲得を全うするため、遊技を延長することができる。
なお、上述した差枚数カウンタ更新処理S280-27においてコンプリート機能作動フラグが一旦ONされると、設定変更が行われない限りコンプリート機能作動フラグがOFFすることはない。したがって、コンプリート機能の作動条件を満たした後にRBB作動中遊技状態中の遊技の延長を行った場合において、仮に、メダルの規定数未満の払い出しを続けてRBB作動中遊技状態の終了時に差枚数が20000枚未満になったとしても、コンプリート機能作動フラグがOFFすることはない。したがって、コンプリート機能は確実に作動することとなる。
また、本実施形態においては、コンプリート機能の作動条件を満たした後に、遊技を延長可能なボーナス役として当選役「RBB」を挙げて説明したが、RBBが複数種類ある場合、そのいずれを延長の対象としてもよい。また、その複数のRBBのうち、所定のRBBについては延長の対象とし、他のRBBについては延長の対象としないとすることもできる。また、第1種特別役物(RB)を延長の対象としてもよい。また、遊技を延長可能なボーナス役の判定を使用領域で行ってもよいし、別領域で行うとしてもよい。
また、コンプリート機能の作動条件を満たした後かつRBB作動中遊技状態中において遊技の延長を行うか否かを、他の状態を参照して決定してもよい。例えば、コンプリート機能の作動条件を満たした後かつRBB作動中遊技状態中において有利区間に滞在していれば遊技を延長したり、コンプリート機能の作動条件を満たした後かつRBB作動中遊技状態中において非有利区間から新たに有利区間に移行したことに応じて遊技の延長を止め、コンプリート機能を作動させることができる。
(ステップS2)
メインCPU200aは、使用領域において、コンプリート機能作動フラグがOFFであるか否か判定する。その結果、コンプリート機能作動フラグがOFFであると判定した場合には、当該コンプリート機能作動判定処理S210-16を終了し、コンプリート機能作動フラグがOFFでなない、すなわち、ONであると判定した場合には、ステップS3に移行する。
(ステップS3)
メインCPU200aは、別領域において、コンプリート機能作動信号出力タイマを設定する。ここで、コンプリート機能作動信号出力タイマは、コンプリート機能を作動させるための信号の出力を維持する時間を計時するタイマである。コンプリート機能作動信号出力タイマには、信号出力を維持する時間に相当する値が設定される。こうして、コンプリート機能を作動させることができる。
コンプリート機能作動判定処理S210-16が実行され、コンプリート機能の作動が決定すると、他のエラー同様、使用領域において、エラー停止処理S112が実行される。なお、スロットマシン100では、エラー停止処理S112が実行されたことによりクレジットされたメダルが自動的に精算される。
上記のように、差枚数カウンタ更新処理S280-27、すなわち、差枚数に応じた差枚数カウンタの更新は、1遊技の後半、払出処理S270の後、遊技移行処理S280の後半で実行されているが、その差枚数カウンタの更新結果に応じたコンプリート機能作動信号出力タイマの設定は、コンプリート機能作動判定処理S210-16、すなわち、遊技メダル投入処理S210において実行されている。こうして、1遊技が終了していない払出処理S270や遊技移行処理S280において、コンプリート機能を作動させているのではないかと遊技者に誤解されることを回避し、次遊技が開始している状態でコンプリート機能を作動させていることを明確に示すことができる。
なお、ここでは、コンプリート機能作動判定処理S210-16を、遊技メダル投入処理S210において実行する例を挙げて説明したが、次遊技の開始後かつスタートスイッチ118の操作前であれば、いずれのタイミングで実行してもよく、例えば、遊技開始処理S200において実行してもよい。ただし、現在の状態が前遊技の遊技移行処理S280であるか、次遊技の遊技開始処理S200であるかは外部から判断しにくいので、遊技者に誤解を与える可能性がある。その点では、コンプリート機能作動判定処理S210-16は、ベット後の処理である遊技メダル投入処理S210で実行する方が遊技者に誤解を与える可能性が低い。
このように、コンプリート機能作動信号出力タイマが設定されると、コンプリート機能が作動する。コンプリート機能の作動処理は、例えば、図33のタイマ割込み処理S400におけるコンプリート機能作動信号バッファ設定処理S400-6で行われる。
図38は、主制御基板200におけるコンプリート機能作動信号バッファ設定処理S400-6を説明するフローチャートである。かかる図38の説明におけるステップSの数値は、本図の説明においてのみ用いることとする。
(ステップS1)
メインCPU200aは、別領域において、信号出力候補をOFFに設定する。
(ステップS2)
メインCPU200aは、コンプリート機能作動判定処理S210-16においてコンプリート機能作動信号出力タイマが設定されたことに応じ、別領域において、コンプリート機能作動信号出力タイマを1だけデクリメントして更新する。
(ステップS3)
メインCPU200aは、別領域において、コンプリート機能作動信号出力タイマが0であるか否か判定する。その結果、コンプリート機能作動信号出力タイマが0であると判定した場合には、ステップS5に移行し、コンプリート機能作動信号出力タイマが0ではないと判定した場合には、ステップS4に移行する。
(ステップS4)
メインCPU200aは、別領域において、信号出力候補をONに設定する。こうして、コンプリート機能作動判定処理S210-16において設定されたコンプリート機能作動信号出力タイマに相当する時間、信号出力候補をONにすることができる。
(ステップS5)
メインCPU200aは、別領域において、コンプリート機能作動信号バッファに信号出力候補を設定する。
(ステップS6)
メインCPU200aは、使用領域において、コンプリート機能作動信号バッファの値に基づいて、セキュリティ信号を外部端子を通じて出力する。こうして、外部に信号が出力されることとなる。なお、スロットマシン100の遊技性を維持しつつ、実物のメダルの介在なしに遊技を進行することができるメダルレス遊技機では、コンプリート機能作動信号バッファの値を、遊技者が有する電子的なメダルの数を制御するメダル数制御基板(図示せず)に送信することとなる。
なお、電源投入等の初期化操作が行われると、差枚数カウンタがクリアされる。ただし、上述したように、設定変更が実行されるか否か、および、差枚数がクリア禁止差枚数以上であるか否かに基づいて差枚数カウンタのクリア条件が異なる。設定変更が実行される場合の差枚数カウンタのクリア処理は、例えば、図12の設定値切り替え処理S120における第1差枚数カウンタクリア処理S120-8で行われる。
図39は、主制御基板200における第1差枚数カウンタクリア処理S120-8を説明するフローチャートである。かかる図39の説明におけるステップSの数値は、本図の説明においてのみ用いることとする。
(ステップS1)
メインCPU200aは、別領域において、差枚数カウンタをクリアする。なお、差枚数カウンタは、上述したように、差枚数カウンタの値が負の値にならないよう、初期値が0ではなく40000にかさ上げされている。したがって、メインCPU200aは、差枚数カウンタに40000を設定することで差枚数カウンタをクリアできる。このように、差枚数カウンタのクリアは、差枚数カウンタの値を初期値に戻すことを示す。
こうして、設定変更が実行される場合、差枚数がクリア禁止差枚数に到達したか否かに拘わらず、差枚数カウンタがクリアされる。したがって、差枚数がクリア禁止差枚数に到達した後に差枚数カウンタをクリアする必要が生じた場合には、設定変更を行うことで差枚数カウンタのクリアを実現することができる。
また、メインCPU200aは、設定変更においては、差枚数カウンタに加え、コンプリート機能作動フラグ、コンプリート機能作動信号出力タイマ、および、コンプリート機能作動信号バッファをクリアする(OFF→コンプリート機能作動フラグ、初期値→コンプリート機能作動信号出力タイマ、初期値→コンプリート機能作動信号バッファ)。こうして、設定変更により、コンプリート機能を初期化することが可能となる。
また、設定変更が実行されない場合の初期化操作による差枚数カウンタのクリア処理は、例えば、図14の状態復帰処理S130における第2差枚数カウンタクリア処理S130-20で行われる。
図40は、主制御基板200における第2差枚数カウンタクリア処理S130-20を説明するフローチャートである。かかる図40の説明におけるステップSの数値は、本図の説明においてのみ用いることとする。
(ステップS1)
メインCPU200aは、別領域において、差枚数カウンタの値がクリア禁止差枚数以上であるか否か判定する。その結果、差枚数カウンタの値がクリア禁止差枚数以上であると判定した場合には、当該第2差枚数カウンタクリア処理S130-20を終了し、差枚数カウンタの値がクリア禁止差枚数以上ではないと判定した場合には、ステップS2に移行する。ここでは、差枚数カウンタの値がクリア禁止差枚数以上であれば、ステップS2に移行しないようにして差枚数カウンタがクリアされるのを防止する。
(ステップS2)
メインCPU200aは、別領域において、差枚数カウンタをクリアする。ここで、メインCPU200aは、差枚数カウンタに40000を設定することでクリアできる。
なお、設定変更が実行される場合、コンプリート機能作動フラグ、コンプリート機能作動信号出力タイマ、および、コンプリート機能作動信号バッファをクリアしたが、設定変更を行うことなく初期化操作を実行するだけでは、コンプリート機能作動フラグ、コンプリート機能作動信号出力タイマ、および、コンプリート機能作動信号バッファはクリアされない。これは、コンプリート機能の作動条件を満たした後のRBB作動中遊技状態による遊技の延長が実行された場合には、RBB作動中遊技状態中に、当該第2差枚数カウンタクリア処理S130-20によって差枚数カウンタを初期化することが可能であり、仮に、差枚数カウンタに加え、コンプリート機能作動フラグ、コンプリート機能作動信号出力タイマ、および、コンプリート機能作動信号バッファもクリアできるとしたら、コンプリート機能の作動を実質的に回避可能となるからである。したがって、電源が再投入された場合、差枚数カウンタはクリアされるが、コンプリート機能作動フラグ、コンプリート機能作動信号出力タイマ、および、コンプリート機能作動信号バッファはバックアップしている。かかるコンプリート機能作動フラグ、コンプリート機能作動信号出力タイマ、および、コンプリート機能作動信号バッファは設定変更によってのみクリアされる。なお、コンプリート機能の作動条件を満たすときには、ステップS1において差枚数カウンタの値がクリア禁止差枚数以上であると判定されるので、当該ステップS2に移行することはないが、ステップS1の判定を行わない場合や、何らかの原因で差枚数カウンタがクリアされる場合であっても、上記のコンプリート機能作動フラグ、コンプリート機能作動信号出力タイマ、および、コンプリート機能作動信号バッファをクリアしない構成により、コンプリート機能の作動回避を確実に防止することができる。
<コンプリート機能の作動の示唆演出>
上述したように、差枚数が規定差枚数(第1規定値)に到達すると、コンプリート機能が作動し、遊技の進行が制限される。しかし、遊技者は、電源がリセットされてからの差枚数を正確に把握することができないので、コンプリート機能が作動するまでに獲得できる差枚数を正確に把握することができない。
仮に、遊技者が、コンプリート機能が作動する直前で遊技を止め、他の遊技者が、そのスロットマシンで遊技を開始したとする。このとき、他の遊技者は、コンプリート機能が作動するまでに獲得できる差枚数を把握することができないので、少ない払出枚数を獲得しただけでコンプリート機能が作動するおそれがある。そうすると、遊技者は、唐突なコンプリート機能の作動により、不信感を抱くおそれがある。
そこで、演出制御手段334は、差枚数(算出値)を取得し、差枚数が、クリア禁止差枚数(第2規定値)に到達すると、液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126等を通じて、コンプリート機能の作動が近づいている(規定差枚数に到達する可能性がある)こと、または、クリア禁止差枚数に到達したことを報知する。こうして、唐突なコンプリート機能の作動による遊技者の不信感を払拭する。
図41、図42は、演出制御手段334の処理を説明するための説明図である。例えば、演出制御手段334は、差枚数がクリア禁止差枚数に到達すると、規定差枚数に到達する可能性があることを示唆する示唆演出を実行する。
仮に、差枚数がクリア禁止差枚数に到達した後にAT演出状態が終了し、演出状態が通常演出状態に移行したとする。演出制御手段334は、通常演出状態であることを示すステージ演出を行う。ステージ演出は、複数種類存在し、遊技の進行に応じて様々なタイミングで切り換わる。遊技者は、ステージ演出を通じて遊技の進行状態を把握することができる。ここでは、ステージ演出として、図41(a)のように、Aステージの背景画像、および、ステージ名報知画像「ステージA」が液晶表示部124に表示されている。背景画像は、液晶表示部124全体に表示され、演出で用いられる任意の画像の背景となる画像であり、例えば、公園、道路、ビル、競技場、施設、街、山、丘、池、海、浜辺、朝、昼、夕方、夜、晴れ、曇り、雨、雪等の場面(シーン)がある。
演出制御手段334は、差枚数がクリア禁止差枚数に到達すると、示唆演出を実行する。具体的に、演出制御手段334は、ステージ演出の背景画像が表示されるレイヤより上位のレイヤに、規定差枚数に到達する可能性があることを示唆する示唆画像を表示する。かかる示唆画像は、遊技の進行に応じた演出を表示するレイヤの中では最上位のレイヤに配置される。ただし、示唆画像は、エラー表示等、遊技の進行が停止される演出を表示するレイヤより下位に配置されるとしてもよい。
また、演出制御手段334は、示唆画像の表示領域を、他の画像、例えば、図41、図42におけるステージ名報知画像(例えば「ステージA」)の表示領域との重複を避け、他の画像の視認性を阻害しない(重複しない)位置に表示する。示唆画像を重複させない対象となる画像は、文字、数字、記号等により、遊技者に報知する情報が含まれた画像(第1画像)である。ここで、遊技者に報知する情報が含まれた画像としては、例えば、ステージ名報知画像の他、獲得したメダルの枚数を示す画像、遊技状態を示す画像、演出状態を示す画像、カウンタの値を示す画像、ボタン演出を促す画像、補助演出、警告画像、のめり込み防止画像、スロットマシン100の機種名を示すロゴ画像、スロットマシン100のメーカを示すロゴ画像、遊技記録を保存できるサービス(例えば、打WIN)の利用を促す画像等がある。ここで、ボタン演出は、遊技者に演出スイッチ122の操作を促す演出である。また、警告画像は、遊技の進行上の注意喚起を行う画像であり、例えば、ストップスイッチ120の操作が有効になった後、所定時間停止操作を行わなかった場合に報知される回転警告エラー画像等が含まれる。また、のめり込み防止画像は、遊技者に対して遊技へののめり込み防止を喚起するための画像である。かかるのめり込み防止画像は、例えば、「パチスロは適度に楽しむ遊びです。」や「のめり込みに注意しましょう。」といった所定の標語(メッセージ)で表され、払出枚数が50枚を超える、所謂、終了画面を有するボーナス遊技状態の終了時や、一連の増加区間(遊技の特性上メダルの増加が期待できる連続的な区間)において得られたメダルの獲得枚数が300枚を超える、終了画面を有するRT遊技状態、AT演出状態、および、ART遊技状態の少なくともいずれかの終了時に表示される。
かかる示唆画像の表示領域を、遊技者に報知する情報が含まれた画像の表示領域と重複させない(視認性を阻害しない)位置に表示させる構成により、遊技者に報知する情報の視認性を高めることができる。また、示唆画像の表示領域が、遊技者に報知する情報が含まれた画像の表示領域と重複してしまい、遊技者に情報を把握し難くしているのではないかという不信感を抱かせてしまうこともない。
ただし、示唆画像の表示領域は、背景画像や液晶表示部124全体を利用した演出等、液晶表示部124全体に表示される画像の表示領域と重複することは許容される。なお、液晶表示部124全体に表示される演出に、情報価値が少ない文字、数字、記号が含まれてもよい。例えば、背景画像中の看板やモニタに文字が付されている場合がある。このように、遊技者への報知を目的としていない情報は重複が許容される。また、示唆画像との重複が許容される画像(第2画像)は、液晶表示部124全体に表示される演出に限らず、遊技者に報知する情報が含まれた画像(第1画像)よりも占有面積が大きければ足り、例えば、演出の一場面(任意のタイミング)において液晶表示部124全体に表示される画像、占有面積が液晶表示部124の1/2以上の画像、液晶表示部124と横方向の長さが等しい画像、液晶表示部124と縦方向の長さが等しい画像等も含まれる。
また、示唆画像は、遊技者がコンプリート機能の作動が近づいていることを把握できる文字、数字、記号を含む。例えば、演出制御手段334は、図41(a)のように、液晶表示部124に文字列「コンプリート機能作動まで0116枚」を表示する。示唆画像では、文字列が枠で囲まれ、例えば、枠を赤色に枠内を黒色のベタパターンで表すことで白色の文字列を強調している。
また、文字列中には、コンプリート機能が作動するまでの差枚数、すなわち、規定差枚数と差枚数との差(以下、到達差枚数と言う)が4桁の数値で示される。例えば、規定差枚数が20000枚であり、差枚数が19884枚であれば、図41(a)のように、文字列中には、その差に相当する「0116枚」が表示されることとなる。そして、差枚数が更新されると、それに応じて、かかる文字列(数値)も更新されることとなる。なお、ここでは、到達差枚数の大小に拘わらず4桁の数値で表す例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、到達差枚数の桁数と表示する桁数とを等しくし(最上位の桁が「0」の場合、その桁を表示しなく)てもよい。また、到達差枚数を10や100単位で変化させるとしてもよい。
そして、演出制御手段334は、示唆演出として、示唆画像の透明度を変化させる。ここで、透明度は、画像が透き通ることで、下位(背後)のレイヤの画像(色)を透過させる度合いを0~100%で表したものであり、透明度が高い程、下位のレイヤの画像を視認し易くなる。具体的に、演出制御手段334は、任意のタイミングで、図41(a)のように、示唆画像を透明度0%で表示し、その後、透明度を徐々に上げ、図41(b)のように、示唆画像を透明度90%で表示し、その後、透明度を徐々に下げる。ここでは、透明度の最小値を0%とし、最大値を90%としたが、かかる数値に限らず、任意に設定できるのは言うまでもない。例えば、透明度の最小値を0%として下位のレイヤの画像を全く透過させず、また、最大値を100%として示唆画像を全く表示しないとしてもよい。
演出制御手段334は、このような透明度の上下を周期的(例えば、2秒周期)に繰り返す。したがって、遊技者は、液晶表示部124において、示唆画像が点滅しているように見える。このような点滅動作により、示唆画像が強調され、遊技者への注意喚起が可能となる。また、示唆画像の透明度が高い状態において、遊技者は、示唆画像より下位のレイヤの画像、例えば、背景画像を視認(把握)することが可能となる。
なお、ここでは、示唆画像として、コンプリート機能が作動するまでの差枚数を報知する文字列(例えば、「コンプリート機能作動まで0116枚」)を液晶表示部124に表示する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、示唆画像としては、コンプリート機能の作動が近づいていることを遊技者が把握できれば足り、例えば、図42のように、演出制御手段334は、示唆演出として、文字列「コンプリート機能の作動が近づいています」と液晶表示部124に表示してもよい。この場合も、演出制御手段334は、示唆演出として、任意のタイミングで、図42(a)のように、示唆画像を透明度0%で表示し、その後、透明度を徐々に上げ、図42(b)のように、示唆画像を透明度90%で表示し、その後、透明度を徐々に下げる処理を周期的に繰り返す。ここでは、図42(b)のように、示唆画像が透過して背景が視認可能となっているのが理解できる。
このように、差枚数がクリア禁止差枚数に到達すると、示唆演出を実行する構成により、遊技者が、コンプリート機能が作動する直前で遊技を止め、他の遊技者が、そのスロットマシン100で遊技の開始を試みたとしても、他の遊技者は、示唆演出によってコンプリート機能が作動するまでに獲得できる差枚数を把握することができる。したがって、唐突なコンプリート機能の作動による遊技者の不信感を払拭することが可能となる。
また、遊技者は、示唆画像を通じて、コンプリート機能が作動するまでに獲得できる差枚数を正確に把握することができるので、差枚数を把握した上で、そのスロットマシン100で遊技を開始するか否か判断することが可能となる。
ただし、遊技者が遊技を止め、遊技が所定時間行われないと、演出制御手段334は、待機演出(デモ演出)を実行し、液晶表示部124に待機画面(デモ画面)を表示する。待機演出は、進行中の演出に代えて、遊技の開始を促したり、スロットマシン100のデモンストレーションを行う演出である。ここで、他の遊技者は、液晶表示部124に待機画面が表示されている状態で遊技を開始する場合がある。仮に、待機画面においてはコンプリート機能の作動が近づいていることを把握できないとなると、他の遊技者は、その旨を把握しないままメダルを投入してしまうおそれがある。そこで、本実施形態における演出制御手段334は、待機演出を実行している場合も、示唆演出を実行する。
図43は、演出制御手段334の処理を説明するための説明図である。例えば、演出制御手段334は、差枚数がクリア禁止差枚数に到達すると、図43(a)のように、コンプリート機能の作動が近づいていることを示す示唆演出を実行する。
また、演出制御手段334は、遊技者が遊技を止め、遊技が所定時間行われないと、待機演出を実行し、図43(b)においてクロスハッチングで示したように、液晶表示部124に待機画面を表示する。演出制御手段334は、待機演出を実行している間も、示唆演出を並行して実行し、示唆画像を液晶表示部124に継続的に表示する。なお、図43(b)に示した、待機演出の実行中の示唆画像の表示位置は、図43(a)に示した待機演出を実行する前の示唆画像の表示位置と等しくてもよいし、遊技者に視認し易い位置に移動してもよい。また、図43(b)に示した待機演出の実行中の示唆画像の大きさや形状は、図43(a)に示した待機演出を実行する前の示唆画像の大きさや形状と等しくてもよいし、遊技者が視認し易い大きさや形状に変化させてもよい。
また、演出制御手段334は、図43(b)のように、待機演出を実行している間、のめり込み防止画像を液晶表示部124に表示する場合がある。上述したように、示唆画像とのめり込み防止画像とは重複しない位置関係となっているので、遊技者は、示唆画像およびのめり込み防止表示のいずれも適切に視認することが可能となる。
また、演出制御手段334は、のめり込み防止画像のみならず、待機演出を実行している間に、スロットマシン100の機種名を示すロゴ画像、スロットマシン100のメーカを示すロゴ画像、遊技記録を保存できるサービスの利用を促す画像等を液晶表示部124に表示する場合がある。ここでは、示唆画像と、遊技者に報知する情報が含まれた画像とが重複しない位置関係となっているので、遊技者は、示唆画像および遊技者に報知する情報を適切に把握することが可能となる。
かかる構成により、遊技者は、遊技を試みたスロットマシン100が待機演出中であったとしても、示唆演出によってコンプリート機能が作動するまでに獲得できる差枚数を把握することができる。したがって、唐突なコンプリート機能の作動による遊技者の不信感を払拭することが可能となる。
また、遊技者は、遊技を試みたスロットマシン100が待機演出中であったとしても、示唆画像を通じて、コンプリート機能が作動するまでに獲得できる差枚数を正確に把握することができるので、差枚数を把握した上で、そのスロットマシン100で遊技を開始するか否か判断することが可能となる。
<示唆演出のヒステリシス性>
ところで、遊技の進行によっては差枚数が再びクリア禁止差枚数未満になることがある。例えば、遊技者が規定数のメダルをベットし、当選役「1枚役」が入賞したとする。そうすると、差枚数は2枚(3枚-1枚)減算される。こうして、差枚数が再びクリア禁止差枚数未満になる。なお、上述したように、差枚数カウンタの更新処理は、図31の遊技移行処理S280における差枚数カウンタ更新処理S280-27で行われるので、ベットのみによっては差枚数カウンタの値が更新されることはない。
演出制御手段334は、差枚数とクリア禁止差枚数とを比較して示唆演出を実行する。しかし、演出制御手段334が、差枚数とクリア禁止差枚数とを単純に比較するとなると、差枚数がクリア禁止差枚数未満になった場合、表示されたばかりの示唆演出が終了することとなる。そうすると、示唆画像が、表示と非表示とを繰り返す場合が生じ、遊技者は、違和感を覚える。また、演出制御手段334も示唆演出の実行と終了を繰り返すこととなり、処理が煩雑になる。そこで、示唆演出の実行にヒステリシス性を持たせ、示唆画像の表示と非表示の切換頻度を低める。
図44は、ヒステリシス性を説明するための説明図である。図44に示すように、差枚数(算出値)が増加してクリア禁止差枚数(第2規定値)である19000枚に到達すると、演出制御手段334は、示唆演出を実行する。しかし、一旦、示唆演出が実行されると、差枚数が減少してクリア禁止差枚数より低い値(第2規定値より第1規定値との差が大きい値)となっても、示唆演出を実行し続ける。ただし、差枚数がクリア禁止差枚数よりさらに所定枚数(例えば、30枚)低い値(第3規定値)である18970枚未満となると、演出制御手段334は、示唆演出を終了する。一旦、示唆演出が不実行になると、差枚数が増加して、クリア禁止差枚数より所定枚数低い値である18970枚より高くなっても、示唆演出の不実行を継続し、再びクリア禁止差枚数に到達すると、演出制御手段334は、示唆演出を再実行する。
したがって、差枚数が18970枚(到達差枚数1030枚)~19000枚(到達差枚数1000枚)の値になったとき、示唆画像が非表示であれば、差枚数がクリア禁止差枚数(19000枚)に到達するまで示唆画像が表示されることはなく、示唆画像が表示されていれば、差枚数がクリア禁止差枚数より所定枚数低い値(18970枚)に未達となるまで示唆画像が非表示になることはない。
図45は、演出制御手段334の処理を説明するための説明図である。例えば、規定差枚数が20000枚であった場合に、差枚数が19000枚になったとする。そうすると、演出制御手段334は、示唆演出を実行し、図45(a)のように、到達差枚数1000枚を含む示唆画像(例えば、「コンプリート機能作動まで1000枚」)を液晶表示部124に表示する。
その後、遊技の進行に応じて、差枚数が18990枚まで減ったとする。そうすると、差枚数がクリア禁止差枚数未満となる。しかし、演出制御手段334は、示唆演出を継続し、図45(b)のように、到達差枚数1010枚を含む示唆画像(例えば、「コンプリート機能作動まで1010枚」)を液晶表示部124に表示する。
次に、遊技の進行に応じて、差枚数が18969枚まで減ったとする。そうすると、差枚数がクリア禁止差枚数より30枚低い値よりさらに低い値となる。ここで、演出制御手段334は、示唆演出を終了し、図45(c)のように、示唆画像を非表示にする。このように、演出制御手段334は、30枚分のヒステリシス性を有する。
続いて、遊技の進行に応じて、差枚数が18990枚まで増えたとする。そうすると、差枚数がクリア禁止差枚数より30枚低い値より高くなる。しかし、演出制御手段334は、示唆演出を実行せず、図45(d)のように、示唆画像を表示しない。
その後、遊技の進行に応じて、差枚数が19010枚になったとする。そうすると、差枚数がクリア禁止差枚数以上となる。演出制御手段334は、示唆演出を実行し、図45(e)のように、到達差枚数990枚を含む示唆画像(例えば、「コンプリート機能作動まで0990枚」)を液晶表示部124に表示する。
かかるヒステリシス性により、示唆画像の表示と非表示の切換頻度を低くすることができる。こうして、示唆画像が表示と非表示とを高頻度に繰り返すことによる遊技者の違和感を払拭することが可能となる。このように、示唆画像が安定して表示されると、遊技者は、示唆画像を把握し易くなり、コンプリート機能の作動が近づいているのを十分把握することができる。また、演出制御手段334の示唆演出の実行と終了の煩雑な繰り返しを防止することができるので、処理負荷を低減することが可能となる。
なお、ここでは、演出制御手段334が、差枚数が増加してクリア禁止差枚数(例えば、19000枚)に到達すると示唆演出を実行し、差枚数が減少してクリア禁止差枚数より低い値となっても、示唆演出を実行し続け、差枚数がクリア禁止差枚数よりさらに所定枚数(例えば、30枚)低い値(例えば、18970枚)未満となると、示唆演出を終了し、差枚数が増加して、クリア禁止差枚数より所定枚数低い値より高くなっても、示唆演出の不実行を継続するが、再びクリア禁止差枚数に到達すると、再度、示唆演出を実行する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、演出制御手段334は、差枚数が増加してクリア禁止差枚数に到達すると示唆演出を実行し、差枚数がクリア禁止差枚数よりさらに所定枚数低い値未満となると示唆演出を終了し、その後、再びクリア禁止差枚数に到達しても、示唆演出を実行しないとしてもよい。かかる構成であっても、遊技者は、示唆演出を視認する機会があるので、コンプリート機能の作動が近づいていることを十分把握することができる。また、演出制御手段334の示唆演出の実行と終了の煩雑な繰り返しを防止することができるので、処理負荷をさらに低減することが可能となる。
また、このように、演出制御手段334が、差枚数が増加してクリア禁止差枚数(例えば、19000枚)に到達すると示唆演出を実行し、差枚数がクリア禁止差枚数よりさらに所定枚数(例えば、30枚)低い値(例えば、18970枚)未満となると示唆演出を終了した後、遊技者が遊技を止め、遊技が所定時間行われないと待機演出を実行し、液晶表示部124に待機画面(デモ画面)を表示することがある。この場合、遊技が一旦途切れたとして、差枚数が増加して再びクリア禁止差枚数に到達すると、演出制御手段334は、再度、示唆演出を実行するとしてもよい。また、演出制御手段334が、差枚数が増加してクリア禁止差枚数に到達すると示唆演出を実行し、差枚数がクリア禁止差枚数よりさらに所定枚数低い値未満となると示唆演出を終了し、その後、差枚数が再びクリア禁止差枚数に到達しても、示唆演出を実行しない状態において、遊技者が遊技を止め、遊技が所定時間行われないと待機演出を実行し、液晶表示部124に待機画面を表示することがある。この場合、待機演出から復帰すると、演出制御手段334は、再度、示唆演出を実行するとしてもよい。このとき、例えば、メダルのベット等による待機演出からの復帰時に示唆演出が実行されてもよいし、待機演出からの復帰後の最初の遊技の終了時(例えば、第3停止以降)に示唆演出が実行されてもよい。かかる構成により、仮に、当該遊技者が遊技を止め、他の遊技者が、そのスロットマシンで遊技を開始したとしても、示唆演出によってコンプリート機能が作動するまでに獲得できる差枚数を把握することが可能となる。
また、ここでは、演出制御手段334が、差枚数(算出値)が増加してクリア禁止差枚数(第2規定値)である19000枚に到達すると示唆演出を実行し、一旦、示唆演出が実行されると、差枚数が減少してクリア禁止差枚数より低い値(第2規定値より第1規定値との差が大きい値)となっても、示唆演出を実行し続ける例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、演出制御手段334は、差枚数が増加してクリア禁止差枚数(例えば、19000枚)に到達すると示唆演出を実行し、一旦、示唆演出が実行された後、差枚数が減少してクリア禁止差枚数より低い値(第2規定値より第1規定値との差が大きい値)となった場合、示唆演出を終了するとしてもよい。
なお、かかる示唆画像の表示タイミングは、差枚数がクリア禁止差枚数に到達し、初期化操作によっては差枚数カウンタのクリアが制限されたタイミングと同時、または、それ以降とする。そうすると、示唆画像が表示された後は、初期化操作によっては差枚数カウンタのクリアができないこととなる。したがって、遊技者は、示唆画像によって差枚数が規定差枚数に近くなっていることを認識したとしても、初期化操作によっては差枚数カウンタをクリアできないので、差枚数カウンタの不正なリセットを防止することが可能となる。
なお、示唆画像は、投入枚数が規定数(例えば、3枚)か否かに拘わらず、すなわち、2枚や1枚の投入枚数で遊技した結果、差枚数がクリア禁止差枚数に到達した場合にも表示される。また、示唆画像は、遊技状態や演出状態に拘わらず、すなわち、遊技状態が非内部遊技状態、RBB内部中遊技状態、RBB作動中遊技状態のいずれであるか、また、いずれのRT状態に滞在しているかに拘わらず、また、演出状態が非有利演出状態、通常演出状態、前兆演出状態、AT演出状態、振分演出状態、特別前兆演出状態、特別演出状態のいずれであるかに拘わらず、遊技した結果、差枚数がクリア禁止差枚数に到達した場合にも表示される。
このように、示唆画像が表示された後、すなわち、差枚数がクリア禁止差枚数に到達した後に電源を再投入したとしても、差枚数カウンタはクリアされない。そこで、演出制御手段334は、差枚数カウンタがクリアされなかった旨(算出手段の状態)の表示として、図46(a)に示すように、液晶表示部124に「差枚数はクリアされていません」と表示してもよい。このように、演出制御手段334は、電源投入に応じて差枚数カウンタ(算出手段)の状態を報知することができる。かかる示唆画像によって、ホールの従業員は、設定変更を行わなければ差枚数カウンタをクリアできないことを把握できるので、その後の対応を適切に行うことができる。
また、演出制御手段334は、差枚数が規定差枚数に到達すると、エラー停止処理S112を実行するとともに、コンプリート機能が作動したことを示す作動画像を、エラー停止処理S112が継続している間に表示し続ける。作動画像としては、例えば、図46(b)のように、液晶表示部124に「コンプリート機能作動中」と表示される。こうして、遊技者およびホールの従業員は、コンプリート機能が作動したことを把握することができる。
このように、コンプリート機能の作動中、ホールの従業員が前面上扉104または前面下扉106を開放すると、ドア開放エラーとなる。演出制御手段334は、ドア開放エラーに応じて、図46(c)のように、液晶表示部124に「ドア開放エラー」のみを表示してもよいし、図46(d)のように、液晶表示部124に「コンプリート機能作動中」および「ドア開放エラー」を並べて表示してもよい。そして、ドア開放エラーが解除されると、演出制御手段334は、図46(b)のように、液晶表示部124に「コンプリート機能作動中」と表示された状態に戻す。かかる構成により、コンプリート機能作動中であってもドア開放エラーを表示することができ、遊技者およびホールの従業員は、その旨把握することができる。なお、演出制御手段334は、ドア開放エラーが生じたか否かに拘わらず、図46(b)のように、液晶表示部124に「コンプリート機能作動中」のみを表示し続けるとしてもよい。
かかる構成により、差枚数がクリア禁止差枚数に到達する前は、初期化操作に応じて差枚数カウンタのクリアを許可する一方、差枚数がクリア禁止差枚数に到達した後には初期化操作によっては差枚数カウンタをクリアできないようにする。ここでは、差枚数の正確な値は報知されず、自己が遊技開始する前の状態も不明なので、遊技者は、差枚数がクリア禁止差枚数に到達するタイミングを容易に把握できない。したがって、規定差枚数に到達する前に初期化操作を行うことで、遊技を不正に継続することを防止することができる。また、差枚数がクリア禁止差枚数に到達したか否かに拘わらず、設定変更することによって差枚数カウンタをクリアできる構成によって、差枚数カウンタをクリアできずに、遊技の進行が制限されたままになることを回避することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態においては、差枚数がクリア禁止差枚数未満であれば、初期化操作(所定の操作)により差枚数カウンタをクリアし、差枚数がクリア禁止差枚数以上であれば、初期化操作によっては差枚数カウンタのクリアを制限する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、差枚数が所定の第1値(例えば、1000)であれば、初期化操作により差枚数カウンタをクリアし、差枚数が、所定の第1値より規定差枚数との差が小さい所定の第2値(例えば、19500)であれば、初期化操作によっては差枚数カウンタのクリアを制限するとしてもよい。また、第1値と第2値との関係は、第1値(例えば、1000)が第2値(例えば、19500)より規定差枚数との差が大きいとしてもよく、逆に、第1値(例えば、19500)が第2値(例えば、1000)より規定差枚数との差が小さいとしてもよい。なお、このように、差枚数カウンタの値が規定差枚数に到達すると遊技の進行を制限したり、遊技の進行が制限された状態において、差枚数カウンタをクリアすることで遊技の進行の制限を解除するメインCPU200aの機能部を進行制限手段と呼ぶこともある。
また、ここでは、差枚数カウンタが差枚数を逐次加算して計数する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、差枚数カウンタが差枚数を逐次減算して計数するとしてもよい。この場合、差枚数を減算した結果、差枚数カウンタの値が規定差枚数に相当する値(例えば、0)となると、遊技の進行を制限する。また、差枚数カウンタの値が、クリア禁止差枚数に相当する値(例えば、1000)より大きければ、初期化操作(所定の操作)により差枚数カウンタをクリアし、差枚数カウンタの値がクリア禁止差枚数以下であれば、初期化操作によっては差枚数カウンタのクリアを制限することとなる。
また、ここでは、電源投入からのメダルの投入枚数と払出枚数との差である差枚数を差枚数カウンタで計数し、カウンタの値と規定値とを比較する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、遊技価値の使用に係る値と、遊技価値の獲得に係る値と、に基づいて算出手段が算出値を算出し、その算出値と規定値とを比較すれば足りる。例えば、遊技価値の使用に係る値として、遊技者が遊技を開始するために消費した遊技価値数を採用したり、遊技価値の獲得に係る値として、遊技価値の消費に応じて獲得した獲得価値数を採用したりすることができる。
また、上述した実施形態においては、電源投入からの差枚数と、クリア禁止差枚数(第2規定値)や規定差枚数(第1規定値)とを比較する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、差枚数が最も低いときを0とした場合の差枚数に相当するMYと、クリア禁止差枚数(第2規定値)や規定差枚数(第1規定値)とを比較してもよい。
また、上述した実施形態においては、リール110の数が3つ(左リール110a、中リール110b、右リール110c)の例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、リール110の数が4つ(第1リール、第2リール、第3リール、第4リール)や5つ以上の場合にも適用できる。
また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
例えば、上述した実施形態においては、遊技機として、スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の当選役のいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、当選役抽選手段の抽選結果に基づいて、操作されたストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、複数種類の演出のいずれかを実行する演出制御手段と、を備えるスロットマシンを例示したが、かかる場合に限らず、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されたとき以降において、複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、大役遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大役遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えるパチンコ機にも適用できる。
かかるパチンコ機において、差玉カウンタ(算出手段)は、電源投入から、遊技領域に発射された遊技球の数(遊技価値の使用に係る値)と払出数(遊技価値の獲得に係る値)との差である差玉(遊技価値の使用に係る値と、遊技価値の獲得に係る値と、に基づく算出値)を計数(算出)し、進行制限手段は、差玉カウンタの値が規定差玉数(第1規定値)に到達すると遊技の進行を制限し、遊技の進行が制限された状態において、差玉カウンタをクリア(初期化)することで遊技の進行の制限を解除する。このとき、差玉カウンタの値が第1値であれば、所定の操作に応じて差玉カウンタをクリアし、差玉カウンタの値が第2値であれば、所定の操作によっては差玉カウンタのクリアを制限する。
なお、スロットマシン100同様、パチンコ機においても、電源投入からの遊技領域に発射された遊技球の数と払出数との差である差玉を差玉カウンタで計数し、カウンタの値と規定値とを比較する場合に限らず、遊技価値の使用に係る値と、遊技価値の獲得に係る値と、に基づいて算出手段が算出値を算出し、その算出値と規定値とを比較すれば足りる。例えば、遊技価値の使用に係る値として、遊技者が遊技を開始するために消費した遊技価値数を採用したり、遊技価値の獲得に係る値として、遊技価値の消費に応じて獲得した獲得価値数を採用したりすることができる。
また、パチンコ機においては、遊技者に報知する情報が含まれた画像として、上述したステージ名報知画像等に代えて、または、加え、エラー表示画像、演出モード名報知画像、操作指示画像、遊技結果表示画像、音量表示画像、光量表示画像等も採用できる。ここで、エラー表示画像は、例えば、入賞球に係るエラー等、遊技の停止を要さないエラーに関する画像である。また、演出モード名報知画像は、その時点で選択されている演出モードを報知する画像である。また、操作指示画像は、例えば、「右打ち」等、ハンドルや演出スイッチ等の操作を指示する画像である。また、遊技結果表示画像は、特別図柄や普通図柄の変動中または抽選結果を数字、記号、文字で示すミニ図柄や、所定数を上限に大当たり抽選をストックした保留の数(数値)を示す画像である。このうち、音量表示画像、光量表示画像、遊技結果表示画像については、待機演出を実行している間においても表示され、かつ、示唆画像とは重複しない位置関係となっている。
また、上記した実施形態では、スロットマシン100において、遊技価値としてのメダルを用いて遊技を行うようにしたが、遊技価値は電気的な情報であってもよい(所謂、メダルレス遊技機、スマートパチスロ)。この場合、当選役が入賞したときに、当選役に対応する価値量を遊技者に電気的な情報で付与すればよい。また、パチンコ機においても、遊技球を封入循環式にして遊技者が遊技球に触れることなく遊技を進行することができる、所謂、管理遊技機(スマートパチンコ)を採用することができる。この場合、払出数や差玉を示す遊技価値は電気的な情報として扱えるが、遊技領域に発射された遊技球は電気的な情報とはならない。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。