JP2021063077A - エドキサバン含有造粒物及び口腔内崩壊錠 - Google Patents

エドキサバン含有造粒物及び口腔内崩壊錠 Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な溶出性を示すエドキサバンを含有する薬物含有造粒物及び当該薬物造粒物を含有する口腔内崩壊錠を提供することを目的とする。【解決手段】 エドキサバン、その薬理上許容される塩、又はそれらの水和物と、コハク酸、酒石酸、クエン酸、及びグルコノ‐δ‐ラクトン有機酸からなる群より選択される一種又は二種以上の有機酸とを含有してなる薬物含有造粒物及び当該薬物含有造粒物を含有する口腔内崩壊錠を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、溶出性が改善されたエドキサバン含有造粒物及び口腔内崩壊錠に関する。
エドキサバンは選択的直接作用型第Xa因子阻害剤であり、強力な活性化血液凝固第X因子の阻害作用を示し、医薬、特に活性化血液凝固第X因子阻害剤、血液凝固因子、血栓又は塞栓の予防及び/又は治療剤、特に血栓塞栓性疾患の予防及び治療に有用である(特許文献1)。
エドキサバンを有効成分とし、「リクシアナ(登録商標)錠」及び「リクシアナ(登録商標)OD錠」とする医薬品製剤として販売(第一三共株式会社)されている。また、該OD錠に関する医薬添付文書には、同OD錠がフマル酸を含有することが記載されている(非特許文献1)。
他方、エドキサバンを有効成分とする製剤として「リクシアナ(登録商標)OD錠」に関連するであろう特許文献2には、エドキサバン、有機酸を含有する高い水への崩壊性、溶出性を併せ持つ口腔内崩壊錠に関する発明が記載されている。
また、特許文献3には、エドキサバンの溶出改善方法として、エドキサバン、糖アルコール類および水膨潤性添加剤からなる群から選択される1以上の賦形剤、崩壊剤、および結合剤を造粒中の造粒物の最大水分値を10%以下に維持する条件下で造粒する工程を包含するエドキサバン含有造粒物の製造方法に関する発明が記載されている。
しかしながら、エドキサバンと、コハク酸、酒石酸、クエン酸、及びグルコノ‐δ‐ラクトン有機酸からなる群より選択される一種又は二種以上の有機酸とを含有してなる薬物含有造粒物、及び当該薬物含有造粒物を含有してなる口腔内崩壊錠については記載されていない。
国際公開第03/000657号 国際公開第2018/101373号 特許第5390014号
添付文書「リクシアナOD錠15mg/30mg/60mg」、2018年1月改訂(第3版)
本発明の目的は、良好な溶出性を示すエドキサバンを含有する薬物含有造粒物及び当該薬物造粒物を含有する口腔内崩壊錠を提供することにある。
本発明の発明者らは、溶出性向上の観点から、特定の有機酸が、本発明の所望の効果を有することを確認して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである:
(1)エドキサバン、その薬理上許容される塩、又はそれらの水和物と、コハク酸、酒石酸、クエン酸、及びグルコノ‐δ‐ラクトン有機酸からなる群より選択される一種又は二種以上の有機酸とを含有してなる薬物含有造粒物、
(2)有機酸が、コハク酸、酒石酸、及びクエン酸からなる群より選択される一種又は二種以上の成分である前記(1)記載の薬物含有造粒物、
(3)有機酸の配合量が、エドキサバン100質量部に対して0.1〜30%である前記(1)〜(2)のいずれかに記載の薬物含有造粒物、
(4)エドキサバン、その薬理上許容される塩、又はそれらの水和物が、エドキサバントシル酸塩水和物である、前記(1)に記載の薬物含有造粒物、
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の薬物含有造粒物を含有してなる口腔内崩壊錠、
に関する。
本発明によれば、良好なエドキサバンの溶出性を示す、エドキサバンを含有する薬物含有造粒物及び当該薬物造粒物を含有する口腔内崩壊錠を提供することができる。
実施例5〜8−2及び比較例2における製剤からの、経時的なエドキサバンの溶出プロファイルを示す図である。
以下に本発明のエドキサバン含有する薬物含有粒子及び口腔内崩壊錠に関して説明する。
本発明に用いられるエドキサバンとしては、化学名N’−(5−クロロピリジン−2−イル)−N−[(1S,2R,4S)−4−(ジメチルカルバモイル)−2−[(5−メチル−6,7−ジヒドロ−4H−[1,3]チアゾロ[5,4−c]ピリジン−2−カルボニル)アミノ]シクロヘキシル]オキサミドと称し、特にエドキサバントシル酸塩水和物は、既に医薬として臨床で使用されており、容易に入手することができる。エドキサバントシル酸塩水和物の形態は、結晶状態、非晶質状態のいずれでも使用することができる。
効能及び効果は、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制、膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術の下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制である。
配合量は、医薬品製剤としての用量を構成する製剤中のエドキサバン量であれば、特に制限されない。例えば、錠剤全量あたり、ある態様として5〜30%、また、ある態様として10〜20%である。
本発明に用いられる有機酸としては、エドキサバンの溶出性を良好にするものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、ある態様としてコハク酸、酒石酸、クエン酸、グルコノ‐δ‐ラクトン有機酸、ある態様としてコハク酸、酒石酸、クエン酸、ある態様としてコハク酸、クエン酸が挙げられる。本発明に用いられるグルコノ‐δ‐ラクトン有機酸は、水に溶かすと、徐々にグルクロン酸に変化する。有機酸の配合量は、エドキサバンの溶出性を良好にするのであれば特に制限されない。例えば、薬物含有造粒物又は錠剤全量あたり、ある態様としてエドキサバン100質量部に対して0.1〜30%、ある態様として0.5〜20%、また、ある態様として1〜15%である。
本発明の薬物含有造粒物は、エドキサバン、有機酸、必要に応じ賦形剤等の添加剤を用い、高速撹拌造粒法、流動層造粒法等公知の造粒法に従って製剤されるものであればよい。
本明細書における「良好な溶出性」とは、市販製剤と同等もしくはそれ以上の溶出率を担保することを意味する。本発明の口腔内崩壊錠からのエドキサバンの溶出性は、例えば、日本薬局方に記載されている溶出試験法により評価することができる。具体的には、例えば、パドル法毎分50回転で溶出試験を行うとき、pH6.8の溶出試験液中におけるエドキサバンの溶出率が、溶出試験開始後30分で60%以上と規定する。また、溶出試験開始後30分で70%以上、かつ溶出試験開始後60分で80%以上と規定する。
本発明の薬物含有造粒物は、賦形剤、又は結合剤の少なくともいずれかの医薬品添加物を含む。
また、本発明の口腔内崩壊錠は、賦形剤、崩壊剤、及び滑沢剤からなる群より選択される1種又は2種以上の医薬品添加物を含む。
賦形剤としては、例えば、D−マンニトール、D−ソルビトール、乳糖水和物、白糖、デンプン、α化デンプン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースナトリウム、アラビアゴム、デキストリン、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファ化デンプン、クロスポピドン等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
配合量は、本発明の所望の効果の達成に影響を与えない量であれば特に制限されない。
本発明の薬物含有造粒物及び当該薬物含有造粒物を含有する口腔内崩壊錠には、本発明の所望の効果が達成される範囲で更なる各種医薬品添加物が適宜使用され、製剤化される。かかる医薬品添加物としては、製薬学的に許容され、かつ薬理学的に許容されるものであれば特に制限されない。例えば、界面活性剤、酸味料、発泡剤、甘味剤、香料、着色剤、緩衝剤、抗酸化剤等が使用される。
界面活性剤としては、例えば、ポリソルベート80、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸等が挙げられる。
発泡剤としては、例えば、重曹等が挙げられる。
甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン等が挙げられる。
香料としては、例えば、レモン、レモンライム、オレンジ、メントール等を挙げることができる。
着色剤としては、例えば、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、タルク、食用黄色4号、食用黄色5号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用青色3号等が挙げられる。
緩衝剤としては、クエン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸又はその塩類、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、アスパラギン酸、アラニン、アルギニン又はその塩類、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、リン酸、ホウ酸又はその塩類等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル等が挙げられる。
配合量は、本発明の所望の効果の達成に影響を与えない量であれば特に制限されない。
本発明の薬物含有造粒物は、粉砕、混合、造粒、乾燥等の工程を含む、自体公知の方法により、製造することができる。詳細には、本発明の薬物含有造粒物は、(予め粉砕されてもよい)エドキサバン、賦形剤(例えば、D−マンニトール)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース等)を混合後、撹拌造粒し、当該造粒物を乾燥・整粒することで製剤される。
また、本発明の口腔内崩壊錠は、本発明の薬物含有造粒物に、賦形剤(例えば、D−マンニトール)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース等)、崩壊剤(例えば、部分アルファ化デンプン、クロスポビドン等)、滑沢剤(例えば、フマル酸ステアリルナトリウム等)を混合して、混合後、撹拌造粒し、当該造粒物を乾燥・整粒することで製剤される薬物含有造粒物、甘味剤(例えば、スクラロース等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)を加えて混合し、当該混合物を圧縮成形(例えば、打錠)し、製造される。更に、口腔内崩壊錠に対して、コーティング剤(例えば、ヒプロメロース等)が被覆されることにより、フィルムコーティングされた口腔内崩壊錠が製造される。なお、エドキサバンを配合する工程については、造粒工程では混合工程、結合剤溶液の調製工程、造粒物に崩壊剤、滑沢剤を添加・混合工程等、いずれでの工程であってよい。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
エドキサバントシル酸塩水和物4.04g(エドキサバンとして3.0g)、D−マンニトール(Roquette製:PEARLITOL 50C)8.74g及びコハク酸0.2gを混合後、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達:HPC−SSL)0.02gを精製水1gに溶解させた結合剤溶液を滴下し造粒する。造粒終了後、棚乾燥機を用いて乾燥させ、目開き0.85mmの篩にて篩過し、薬物含有整粒末(本発明の薬物含有造粒物)を得た。
エドキサバントシル酸塩水和物4.04g(エドキサバンとして3.0g)、D−マンニトール(Roquette製:PEARLITOL 50C)8.74g及び酒石酸0.2gを混合後、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達:HPC−SSL)0.02gを精製水1gに溶解させた結合剤溶液を滴下し造粒する。造粒終了後、棚乾燥機を用いて乾燥させ、目開き1.0mmの篩にて篩過し、薬物含有整粒末(本発明の薬物含有造粒物)を得た。
エドキサバントシル酸塩水和物4.04g(エドキサバンとして3.0g)、D−マンニトール(Roquette製:PEARLITOL 50C)8.74g及びクエン酸0.2gを混合後、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達:HPC−SSL)0.02gを精製水1gに溶解させた結合剤溶液を滴下し造粒する。造粒終了後、棚乾燥機を用いて乾燥させ、目開き1.0mmの篩にて篩過し、薬物含有整粒末(本発明の薬物含有造粒物)を得た。
エドキサバントシル酸塩水和物4.04g(エドキサバンとして3.0g)、D−マンニトール(Roquette製:PEARLITOL 50C)8.74g及びグルコノ‐δ‐ラクトン有機酸0.2gを混合後、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達:HPC−SSL)0.02gを精製水1gに溶解させた結合剤溶液を滴下し造粒する。造粒終了後、棚乾燥機を用いて乾燥させ、目開き1.0mmの篩にて篩過し、薬物含有整粒末(本発明の薬物含有造粒物)を得た。
エドキサバントシル酸塩水和物2.02g(エドキサバンとして1.5g)、D−マンニトール(Roquette製:PEARLITOL 50C)4.27gを混合後、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達:HPC−SSL)0.01g及びグルコノ‐δ‐ラクトン有機酸0.2gを精製水1gに溶解させた結合剤溶液を滴下し造粒する。造粒終了後、棚乾燥機を用いて乾燥させ、目開き1.0mmの篩にて篩過し、薬物含有整粒末(本発明の薬物含有造粒物)を得た。
《比較例1》
エドキサバントシル酸塩水和物4.04g(エドキサバンとして3.0g)、D−マンニトール(Roquette製:PEARLITOL 50C)8.74gを混合後、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達:HPC−SSL)0.02gを精製水1gに溶解させた結合剤溶液を滴下し造粒する。造粒終了後、棚乾燥機を用いて乾燥させ、目開き1.0mmの篩にて篩過し、薬物含有整粒末(有機酸を含有しない比較例の薬物含有造粒物)を得た。
実施例1〜4−2及び比較例1で得られた薬物含有造粒物におけるエドキサバン100質量部に対する有機酸の配合量を表1に示す。
Figure 2021063077
《試験例1:溶出試験》(薬物含有造粒物)
実施例1〜4で得られた薬物含有造粒物130mg、比較例1で得られた薬物含有造粒物128mgを用いて溶出試験を行った。薬物含有造粒物の溶解は溶出試験器(富山産業製)においてパドル法にて50rpm、pH6.8緩衝液900mL中で行った。試験開始から60分後まで経時的にサンプルを20mL抜き取り、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液についてUV測定法により波長260nmにおける吸光度から溶出率を算出した。測定結果を表2に示す。
Figure 2021063077
表2の結果から、実施例1〜4に用いた各有機酸を用いることで、当該薬物の溶解性が高まることを明らかに実証している。
(薬物不含有造粒物の作製)
流動層造粒乾燥機(パウレック製:FM−MP−01)を用いてD−マンニトール(Roquette製:PEARLITOL 50C)336g、結晶セルロース(旭化成製:KG−1000)168g、クロスポビドン(BASFジャパン製:Kollidon CL−F)32gを混合し、α化デンプン(旭化成製:PD−1)24gを精製水276gに分散させた結合剤溶液を噴霧して造粒及び乾燥終了後、目開き0.71mmの篩にて篩過し、薬物不含有造粒物を得た。
(口腔内崩壊錠の作製)
実施例1で得られた薬物含有造粒物6.5g及び薬物不含有造粒物3.35gにスクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製:スクラロース(P))0.05g、三二酸化鉄0.002g(VENATOR製:三二酸化鉄)、及びフマル酸ステアリルナトリウム(JRS Pharma製:PRUV)0.1gを添加して混合し打錠末を調製し、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製:ステアリン酸マグネシウム(植物性))を外部添加して打錠を行い、錠剤質量200mg、φ8mmの円形錠として本発明の口腔内崩壊錠を得た。
(口腔内崩壊錠の作製)
実施例2で得られた薬物含有造粒物6.5g及び実施例5で作製した薬物不含有造粒物3.35gにスクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製:スクラロース(P))0.05g、三二酸化鉄0.002g(VENATOR製:三二酸化鉄)、及びフマル酸ステアリルナトリウム(JRS Pharma製:PRUV)0.1gを添加して混合し打錠末を調製し、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製:ステアリン酸マグネシウム(植物性))を外部添加して打錠を行い、錠剤質量200mg、φ8mmの円形錠として本発明の口腔内崩壊錠を得た。
(口腔内崩壊錠の作製)
実施例3で得られた薬物含有造粒物6.5g及び実施例5で作製した薬物不含有造粒物3.35gにスクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製:スクラロース(P))0.05g、三二酸化鉄0.002g(VENATOR製:三二酸化鉄)、及びフマル酸ステアリルナトリウム(JRS Pharma製:PRUV)0.1gを添加して混合し打錠末を調製し、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製:ステアリン酸マグネシウム(植物性))を外部添加して打錠を行い、錠剤質量200mg、φ8mmの円形錠として本発明の口腔内崩壊錠を得た。
(口腔内崩壊錠の作製)
実施例4で得られた薬物含有造粒物6.5g及び実施例5で作製した薬物不含有造粒物3.35gにスクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製:スクラロース(P))0.05g、三二酸化鉄0.002g(VENATOR製:三二酸化鉄)、及びフマル酸ステアリルナトリウム(JRS Pharma製:PRUV)0.1gを添加して混合し打錠末を調製し、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製:ステアリン酸マグネシウム(植物性))を外部添加して打錠を行い、錠剤質量200mg、φ8mmの円形錠として本発明の口腔内崩壊錠を得た。
(口腔内崩壊錠の作製)
実施例4−2で得られた薬物含有造粒物3.25g及び実施例5で作製した薬物不含有造粒物1.675gにスクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製:スクラロース(P))0.025g、三二酸化鉄0.001g(VENATOR製:三二酸化鉄)、及びフマル酸ステアリルナトリウム(JRS Pharma製:PRUV)0.05gを添加して混合し打錠末を調製し、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製:ステアリン酸マグネシウム(植物性))を外部添加して打錠を行い、錠剤質量200mg、φ8mmの円形錠として本発明の口腔内崩壊錠を得た。
《比較例2》
(口腔内崩壊錠の作製)
比較例2で得られた薬物含有造粒物3.2g及び実施例5で作製した薬物不含有造粒物1.675gにD−マンニトール(Roquette製:PEARITOL50C)0.05g、スクラロース(三栄源エフ・エフ・アイ製:スクラロース(P))0.025g、三二酸化鉄0.001g(VENATOR製:三二酸化鉄)、及びフマル酸ステアリルナトリウム(JRS Pharma製:PRUV)0.05gを添加して混合し打錠末を調製し、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業製:ステアリン酸マグネシウム(植物性))を外部添加して打錠を行い、錠剤質量200mg、φ8mmの円形錠として有機酸を含有しない比較例の口腔内崩壊錠を得た。
実施例5〜8−2及び比較例2から得られた口腔内崩壊錠の成分量を表3に示す(単位:mg)。
Figure 2021063077
《試験例2:溶出試験》(口腔内崩壊錠)
実施例5〜8−2及び比較例2で得られた錠剤を用いて溶出試験を行った。錠剤の溶解は溶出試験器(富山産業製)においてパドル法にて50rpm、pH6.8緩衝液900mL中で行った。試験開始から60分後まで経時的にサンプルを20mL抜き取り、孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、ろ液についてUV測定法により波長260nmにおける吸光度から溶出率を算出した。測定結果を表4及び図1に示す。
Figure 2021063077
また、実施例5〜8−2及び比較例2で得られた錠剤を用いて錠剤物性(錠剤硬度、錠剤厚み)、及び口腔内崩壊時間を測定した。測定結果を表5に示す。
Figure 2021063077
表2及び図1の結果から、溶解プロファイルは、本発明に従って調製された錠剤により当該薬物の溶解性が高まり、又表4及び表5の結果から、実施例6、実施例7は、硬度が80N以上にもかかわらず良好な溶出性を示した。また、錠剤硬度が低く、崩壊時間が早いだけでは、溶出率を上昇させないことが示された。

Claims (5)

  1. エドキサバン、その薬理上許容される塩、又はそれらの水和物と、コハク酸、酒石酸、クエン酸、及びグルコノ‐δ‐ラクトン有機酸からなる群より選択される一種又は二種以上の有機酸とを含有してなる薬物含有造粒物。
  2. 有機酸が、コハク酸、酒石酸、及びクエン酸からなる群より選択される一種又は二種以上の成分である請求項1記載の薬物含有造粒物。
  3. 有機酸の配合量が、エドキサバン100質量部に対して0.1〜30%である請求項1〜2のいずれか一項に記載の薬物含有造粒物。
  4. エドキサバン、その薬理上許容される塩、又はそれらの水和物が、エドキサバントシル酸塩水和物である、請求項1に記載の薬物含有造粒物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の薬物含有造粒物を含有してなる口腔内崩壊錠。
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JP7571470B2 (ja) 2020-10-29 2024-10-23 ニプロ株式会社 エドキサバンを含有する口腔内崩壊錠

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