JP2021041011A - クッション体 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートパッドのパッド厚が薄くても、シートカバーを適切に固定可能なクッション体を提供すること。【解決手段】シートクッション1は、着座者を弾性的に支持するクッションパッド10と、該クッションパッド10に被せられるクッションカバー20と、を備えるものである。シートクッション1は、クッションパッド10の凹面部13に面一状に一体成形されてクッションカバー20が着脱可能に結合される雄面ファスナ13aを有する。【選択図】図2
Description
本発明は、クッション体に関する。詳しくは、着座者を弾性的に支持するシートパッドと、シートパッドに被せられるシートカバーと、を備えるクッション体に関する。
シートカバーをシートパッドに固定する構造として、シートカバーの縫い合わせ部をシートパッドの吊り込み溝内に吊り込んで止着させる構成が知られている(特許文献1)。具体的には、シートカバーの縫い合わせ部に面ファスナ(雌)が縫い付けられ、同面ファスナがシートパッドの吊り込み構内に取り付けられた面ファスナ(雄)に結合されることで止着されている。
シートパッドのパッド厚が薄い場合、吊り込み溝の深さを十分に確保できない場合がある。そこで、本発明は、シートパッドのパッド厚が薄くても、シートカバーを適切に固定可能なクッション体を提供する。
上記課題を解決するために、本発明のクッション体は次の手段をとる。
すなわち、本発明のクッション体は、着座者を弾性的に支持するシートパッドと、シートパッドに被せられるシートカバーと、を備えるクッション体であって、シートパッドの一般面部に面一状に一体成形されてシートカバーが着脱可能に結合される面ファスナを有する。
上記構成によれば、シートカバーをシートパッドの一般面部に面一状に一体成形して設けた面ファスナに着脱可能に結合することができる。したがって、シートパッドに吊り込み用の溝を形成しなくても良いことから、シートパッドのパッド厚が薄くてもシートカバーを適切に固定することができる。
また、本発明のクッション体は、更に次のように構成されていても良い。シートパッドの一般面部が、シートカバーの縫い代から外れた中間面部によって被せられる凹凸面の凹面部とされる。
上記構成によれば、シートカバーをシートパッドの凹面部に見栄え良く張った状態に固定することができる。
また、本発明のクッション体は、更に次のように構成されていても良い。シートカバーに、面ファスナと着脱可能に結合される相手側の面ファスナが縫合される。
上記構成によれば、シートカバーをシートパッドの一般面部上により強く固定することができる。
また、本発明のクッション体は、更に次のように構成されていても良い。シートパッドの一般面部が、シートパッドの裏面部とされる。
上記構成によれば、面ファスナによって簡易的に固定される部位が使用者から見えにくい部位となることで、シートカバーを見栄え良く張った状態に設けることができる。
<第1の実施形態>
以下、本発明を実施するための形態を、図1−3を用いて説明する。以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。
以下、本発明を実施するための形態を、図1−3を用いて説明する。以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。
<シートクッション1>
始めに、第1の実施形態に係るシートクッション1の基本構成について説明する(図1−3参照)。このシートクッション1が、本発明の「クッション体」に相当する。本実施形態のシートクッション1は、自動車用の二人掛けシートの着座部として構成されている。シートクッション1は、着座者を弾性的に支持する発泡ウレタン製のクッションパッド10と、クッションパッド10に上側から被せられるファブリック製のクッションカバー20と、クッションパッド10の所々に埋設されるように一体成形されるインサートワイヤ30と、を有する。このクッションパッド10が、本発明の「シートパッド」に相当する。このクッションカバー20が、本発明の「シートカバー」に相当する。クッションカバー20は、クッションパッド10の形状に沿って張設されて、クッションパッド10と一体的に結合される。インサートワイヤ30は、クッションパッド10の形状を保持する形状出し部とされる。
始めに、第1の実施形態に係るシートクッション1の基本構成について説明する(図1−3参照)。このシートクッション1が、本発明の「クッション体」に相当する。本実施形態のシートクッション1は、自動車用の二人掛けシートの着座部として構成されている。シートクッション1は、着座者を弾性的に支持する発泡ウレタン製のクッションパッド10と、クッションパッド10に上側から被せられるファブリック製のクッションカバー20と、クッションパッド10の所々に埋設されるように一体成形されるインサートワイヤ30と、を有する。このクッションパッド10が、本発明の「シートパッド」に相当する。このクッションカバー20が、本発明の「シートカバー」に相当する。クッションカバー20は、クッションパッド10の形状に沿って張設されて、クッションパッド10と一体的に結合される。インサートワイヤ30は、クッションパッド10の形状を保持する形状出し部とされる。
<クッションパッド10>
クッションパッド10は、その上面を成す天板部11と、周囲側面を成す框部12と、を有する(図1参照)。天板部11は、クッションパッド10の左右2箇所の位置で着座乗員をそれぞれ支持する天板メイン部11aと、各天板メイン部11aのシート幅方向の両側にそれぞれ設けられる天板サイド部11bと、を有する。各天板メイン部11aは、それぞれ略平坦な面形状を成す。各天板メイン部11aの左右の縁部には、それぞれ各天板サイド部11bとの境界に沿って線状に凹んだ吊り込み溝11cが形成されている(図2参照)。各天板サイド部11bは、各天板メイン部11aよりも上方に向かってわずかに盛り上がり状に膨らんだ形に形成されている。このため、各天板サイド部11bは、着座乗員が左右に傾いた際に重心を乗せやすい構成とされ、着座乗員の横揺れを抑制することができる。
クッションパッド10は、その上面を成す天板部11と、周囲側面を成す框部12と、を有する(図1参照)。天板部11は、クッションパッド10の左右2箇所の位置で着座乗員をそれぞれ支持する天板メイン部11aと、各天板メイン部11aのシート幅方向の両側にそれぞれ設けられる天板サイド部11bと、を有する。各天板メイン部11aは、それぞれ略平坦な面形状を成す。各天板メイン部11aの左右の縁部には、それぞれ各天板サイド部11bとの境界に沿って線状に凹んだ吊り込み溝11cが形成されている(図2参照)。各天板サイド部11bは、各天板メイン部11aよりも上方に向かってわずかに盛り上がり状に膨らんだ形に形成されている。このため、各天板サイド部11bは、着座乗員が左右に傾いた際に重心を乗せやすい構成とされ、着座乗員の横揺れを抑制することができる。
クッションパッド10の右端側の天板サイド部11bの裏面には、上向きに面状に凹んだ凹面部13と、凹面部13よりも下方に膨出する凸面部14と、が前後に並んで形成されている(図3参照)。この凹面部13が、本発明の「一般面部」及び「裏面部」に相当する。
凹面部13によって形成される天板サイド部11bの下部空間Sには、バッテリー40等の車載部品が設けられている。凹面部13は、シート下方及びシート右方に開口する形に形成される。それにより、図2に示すように、框部12と凹面部13とが互いに連続的に繋がる面を形成する。凹面部13には、2つの雄面ファスナ13aが、凹面部13と面一状となるように一体成形される。この雄面ファスナ13aが、本発明の「面ファスナ」に相当する。
各雄面ファスナ13aは、それぞれ略矩形状の樹脂プレートから成る。各雄面ファスナ13aは、一方が前後方向に長尺となる向きに一体成形され、他方が左右方向に長尺となる向きに一体成形される(図1参照)。前後方向に延びる一方の雄面ファスナ13aは、凹面部13と天板メイン部11aの裏面との境界ラインから少し右側に寄った位置に一体成形される(図2参照)。左右方向に延びる他方の雄面ファスナ13aは、凹面部13の凸面部14との境界ライン上に一体成形される(図3参照)。各雄面ファスナ13aには、図示しないマグネットが設けられている。同マグネットにより、クッションパッド10が成形される際に、各雄面ファスナ13aは金型に貼着されることで、クッションパッド10と一体成形される。
<クッションカバー20>
クッションカバー20は、複数枚のカバーピースが縫い合わされて形成された1枚の面状部材である。クッションカバー20は、クッションパッド10の天板部11に被せられる天板カバーピース21と、クッションパッド10の框部12に被せられる框カバーピース22と、を有する。天板カバーピース21と框カバーピース22とは、クッションパッド10の天板部11と框部12との境界ライン上において、互いに縫い合わされる縫合部23を有する(図2参照)。
クッションカバー20は、複数枚のカバーピースが縫い合わされて形成された1枚の面状部材である。クッションカバー20は、クッションパッド10の天板部11に被せられる天板カバーピース21と、クッションパッド10の框部12に被せられる框カバーピース22と、を有する。天板カバーピース21と框カバーピース22とは、クッションパッド10の天板部11と框部12との境界ライン上において、互いに縫い合わされる縫合部23を有する(図2参照)。
天板カバーピース21は、その所々に下向きに折り曲げられた図示しない縫い代を有する。縫い代は、前出のクッションパッド10の吊り込み溝11c内に吊り込まれて止着される。同吊り込みにより、天板カバーピース21が、天板部11上に浮きやシワを生じさせることなく密着した状態に張設される。
框カバーピース22は、その各周縁の端末22aが、クッションパッド10の裏側に引き込まれて止着される。このうち、前出の凹面部13と凸面部14とに被せられる框カバーピース22の端末22aは、天板メイン部11aの裏面との境界ラインの手前近くまで被せられる(図2参照)。凹面部13に被せられる框カバーピース22は、その端末22aに向かって延びる中間面部22bの裏面に、上記各雄面ファスナ13aとそれぞれ結合可能な樹脂プレートから成る2つの雌面ファスナ22cが縫い付けられている(図3参照)。この雌面ファスナ22cが、本発明の「相手側の面ファスナ」に相当する。
各雌面ファスナ22cの位置及び形状は、前出のクッションパッド10の各雄面ファスナ13aの位置及び形状に対応している。上記各雌面ファスナ22cの各雄面ファスナ13aへの結合により、框カバーピース22が凹面部13に引き込まれた状態に固定される。それにより、框カバーピース22が、クッションパッド10の裏面に形成された凹面部13と凸面部14とに跨って、弛みのない状態に張設される。
上述したように、クッションパッド10の裏面に一体成形される雄面ファスナ13aと、框カバーピース22の裏面に縫い付けた雌面ファスナ22cと、が互いに結合される。そして、凹面部13によってクッションパッド10のパッド厚が薄くなる部位に対して、上記構造を用いることにより、框カバーピース22をクッションパッド10に適切に結合することができる。詳しくは、雄面ファスナ13aは、凹面部13と面一状になるように一体成形されている。このため、框カバーピース22と凹面部13とが互いに結合された際に、雄面ファスナ13aが凹面部13上に突出して設けられる場合に比べて、框カバーピース22が浮くことを防ぐことができる。また、上記結合が樹脂プレートによって行われることで、Cリング等の金属製部材を用いる場合と異なり、下部空間Sに高圧の電流線等を有するバッテリー40が設けられたとしても、接触による異音等を防ぐことができる。
<まとめ>
以上をまとめると、本実施形態のシートクッション1は次のような構成となっている。すなわち、着座者を弾性的に支持するシートパッド(10)と、該シートパッド(10)に被せられるシートカバー(20)と、を備えるクッション体(1)である。シートパッド(10)の一般面部(13)に面一状に一体成形されてシートカバー(20)が着脱可能に結合される面ファスナ(13a)を有する。
以上をまとめると、本実施形態のシートクッション1は次のような構成となっている。すなわち、着座者を弾性的に支持するシートパッド(10)と、該シートパッド(10)に被せられるシートカバー(20)と、を備えるクッション体(1)である。シートパッド(10)の一般面部(13)に面一状に一体成形されてシートカバー(20)が着脱可能に結合される面ファスナ(13a)を有する。
このような構成となっていることにより、シートカバー(20)をシートパッド(10)の一般面部(13)に面一状に一体成形して設けた面ファスナ(13a)に着脱可能に結合することができる。したがって、シートパッド(10)に吊り込み用の溝を形成しなくても良いことから、シートパッドのパッド厚が薄くてもシートカバーを適切に固定することができる。
また、シートパッド(10)の一般面部(13)が、シートカバー(20)の縫い代から外れた中間面部(22b)によって被せられる凹凸面の凹面部(13)とされる。
このような構成となっていることにより、シートカバー(20)をシートパッド(10)の凹面部(13)に見栄え良く張った状態に固定することができる。
また、シートカバー(20)に、面ファスナ(13a)と着脱可能に結合される相手側の面ファスナ(22c)が縫合される。
このような構成となっていることにより、シートカバー(20)をシートパッド(10)の一般面部(13)上により強く固定することができる。
また、シートパッド(10)の一般面部(13)が、シートパッド(10)の裏面部(13)とされる。
このような構成となっていることにより、面ファスナ(13a)によって簡易的に固定される部位が使用者から見えにくい部位となることで、シートカバー(20)を見栄え良く張った状態に設けることができる。
<その他の実施形態>
以上、本発明を1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、各種の形態で実施することができるものである。
以上、本発明を1つの実施形態を用いて説明したが、本発明は上記実施形態のほか、各種の形態で実施することができるものである。
1.本発明のクッション体は、鉄道等の自動車以外の車両、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシート、もしくは映画館等の公共施設や家庭などで使用される乗物用以外のシートにも広く適用することができるものである。
2.本発明のクッション体は、シートクッションだけでなくシートバックにも適用することができるものである。また、一人掛けシートにも適応することができるものである。
3.面ファスナを有する一般面部は、シートパッドの裏面部でなくても、天板部や框部であっても構わない。また、面ファスナを有する一般面部は、凹面部でなくても凸面部であっても構わない。更に、一人掛けシートの場合には、面ファスナを有する一般面部は、シートパッドの右端側でなく左端側、あるいはその両方にもあっても構わない。
4.面ファスナがシートカバーに結合可能な起毛を備える部材から成る場合、相手側の面ファスナがシートカバーに設けられておらず、面ファスナがシートカバーと直接結合される構成であっても構わない。
1 シートクッション(クッション体)
10 クッションパッド(シートパッド)
11 天板部
11a 天板メイン部
11b 天板サイド部
11c 吊り込み溝
12 框部
13 凹面部(一般面部、裏面部)
13a 雄面ファスナ(面ファスナ)
14 凸面部
20 クッションカバー(シートカバー)
21 天板カバーピース
22 框カバーピース
22a 端末
22b 中間面部
22c 雌面ファスナ(相手側の面ファスナ)
23 縫合部
30 インサートワイヤ
40 バッテリー
S 下部空間
10 クッションパッド(シートパッド)
11 天板部
11a 天板メイン部
11b 天板サイド部
11c 吊り込み溝
12 框部
13 凹面部(一般面部、裏面部)
13a 雄面ファスナ(面ファスナ)
14 凸面部
20 クッションカバー(シートカバー)
21 天板カバーピース
22 框カバーピース
22a 端末
22b 中間面部
22c 雌面ファスナ(相手側の面ファスナ)
23 縫合部
30 インサートワイヤ
40 バッテリー
S 下部空間
Claims (4)
- 着座者を弾性的に支持するシートパッドと、該シートパッドに被せられるシートカバーと、を備えるクッション体であって、
前記シートパッドの一般面部に面一状に一体成形されて前記シートカバーが着脱可能に結合される面ファスナを有するクッション体。 - 請求項1に記載のクッション体であって、
前記シートパッドの前記一般面部が、前記シートカバーの縫い代から外れた中間面部によって被せられる凹凸面の凹面部とされるクッション体。 - 請求項1又は請求項2に記載のクッション体であって、
前記シートカバーに、前記面ファスナと着脱可能に結合される相手側の面ファスナが縫合されるクッション体。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のクッション体であって、
前記シートパッドの前記一般面部が、前記シートパッドの裏面部とされるクッション体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019166114A JP2021041011A (ja) | 2019-09-12 | 2019-09-12 | クッション体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019166114A JP2021041011A (ja) | 2019-09-12 | 2019-09-12 | クッション体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021041011A true JP2021041011A (ja) | 2021-03-18 |
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ID=74861528
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2019166114A Pending JP2021041011A (ja) | 2019-09-12 | 2019-09-12 | クッション体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021041011A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023054404A1 (ja) * | 2021-09-28 | 2023-04-06 | テイ・エス テック株式会社 | 乗り物用シート |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59184599U (ja) * | 1983-05-26 | 1984-12-08 | 池田物産株式会社 | 座席等のクツシヨンパツドと表皮材との接合構造 |
JP2004298312A (ja) * | 2003-03-31 | 2004-10-28 | T S Tec Kk | 車両用シートの製造装置及び製造方法 |
-
2019
- 2019-09-12 JP JP2019166114A patent/JP2021041011A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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---|---|---|---|---|
WO2023054404A1 (ja) * | 2021-09-28 | 2023-04-06 | テイ・エス テック株式会社 | 乗り物用シート |
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