JP2020014455A - 芳香カートリッジ用充填物、それを有する芳香カートリッジ用エアロゾル形成基材およびそれを有する芳香カートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】タバコ成分を含む電子タバコカートリッジと相互に交換して使用可能な(互換性有の)カートリッジである芳香カートリッジ用に、タバコの成分を含まない素材(非タバコ材)を用いた芳香カートリッジ用充填物であって、成形性に優れると共に、非タバコ材の天然の芳香や味わいを楽しむことができる芳香カートリッジ用充填物を提供する。【解決手段】非タバコ材と、エアロゾルフォーマと、グルコマンナン、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、ローカストビーンガムおよび寒天からなる群から選択される少なくとも一種の多糖類を含有し、長さ10〜70mm、幅0.5〜3.0mm、厚さ0.1〜0.5mmの形状、または、長さ10〜70mm、外径0.2〜3.0mmの形状を有し、前記非タバコ材100質量部に対して、0.1〜5質量部の前記多糖類を含有する、芳香カートリッジ用充填物。【選択図】図9

Description

本発明は、芳香カートリッジ用充填物、それを有する芳香カートリッジ用エアロゾル形成基材およびそれを有する芳香カートリッジに関する。
近年、タバコの禁煙の傾向に合わせるために、火炎を用いることなく、タバコ成分あるいは非タバコ植物成分を含むカートリッジを加熱して、気化したこれらの成分を吸引することで、喫煙を楽しむ製品が普及し始めている。このような加熱式の芳香カートリッジに充填するタバコ充填物の例として、均質化タバコの連続シートを用いた例が開示されている(特許文献1)。
また、喫煙物品にメントール等の香料等を加え、風味を変えることも行われており、例えば、メントールをカプセル化してフィルター内に存在させる技術が公開されている(特許文献2)。
また、芳香カートリッジ用充填物を端部に有する芳香カートリッジを差し込んで加熱することにより喫煙をする物品が開示されている(特許文献3)。
さらに、加熱式エアロゾル発生物品に関する様々な発明が知られており、例えば複数の気流経路を備える加熱式エアロゾル発生物品に係る発明が開示されている(特許文献4)。
特許第6017546号公報 特表2017−506891号公報 特表2017−519915号公報 特表2016−538848号公報
芳香カートリッジ用充填物の製造方法において、充填物にメントールを添加すると、確かにメントールの風味を追加することができる。しかしながら、そのような充填物を放置しておくとメントールの風味が抜けてしまうという問題点がある。このため、メントールをカプセル化してフィルター内に存在させるなどの工夫がされているがコストが高くなる、製造方法が複雑となる等の問題点がある。
また、従来の技術には、非タバコ材を用いた芳香カートリッジ用充填物についての製造方法は開示されていない。そして、非タバコ材を用いて芳香カートリッジ用充填物を製造する際、成形が難しく、十分な強度を有するものを得ることが難しいという問題があった。
さらに、芳香カートリッジを喫煙具本体に挿入する際や、喫煙を終了して芳香カートリッジを喫煙具本体から取り出すときなどのユーザーのハンドリング時に、充填物が芳香カートリッジから脱落したり、充填物の一部が落下したりすることがある。これによって、喫煙具本体の内部が汚れたり、ひいては喫煙具本体が不具合になったりすることがあるという問題点があった。
本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、充填物の芳香や味わいに加え、メントールの清涼感を楽しむことができる芳香カートリッジ用充填物において、長期間に亘る保存をした後でも、メントールの風味を保つことができる手段を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、ユーザーのハンドリングの際に、使用前および使用後の芳香カートリッジから充填物が脱落したり、落下したりすることを防止する手段を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、成形性に優れると共に、充填物の天然の芳香や味わいを楽しむことができる芳香カートリッジ用充填物およびそれを有する芳香カートリッジ用エアロゾル形成基材を提供することにある。
また、本発明のさらに他の目的は、高品質、且つ非タバコ材の天然の芳香や味わいを楽しむことのできる芳香カートリッジを提供することである。
本発明の第1の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、非タバコ材と、エアロゾルフォーマと、を含有し、長さ10〜70mmの短冊状または棒状であり、前記エアロゾルフォーマの含有量が10〜40質量%である。
なお、ここでは、「芳香カートリッジ」とするが、「喫煙カートリッジ」や「電子タバコ互換カートリッジ」と呼んでも良い。
香りの元になるものとしては、タバコ成分の無い非タバコ材を使用するものにも適用される。
「芳香」は「良い香り」の意味であり、素材そのものから漂う香り(フレグランス)、加熱されたときに空間に漂う香り(アロマ)、吸引したときに口に漂う香り(フレーバー)、などを含む。
「喫煙」は、一般にはタバコを吸うことを意味することが多いが、ここでは、単に「煙を楽しむ」「煙を味わう」「煙を堪能する」の意味であり、煙の元になるものはタバコに限定されず、非タバコ材を使用するものにも適用される。また、ここでの「煙」には、例えばエアロゾルなどの空気中に分散した液滴のように、「煙に見えるもの」「煙状のもの」も含まれる。
「電子タバコ互換カートリッジ」も、タバコ成分を含むか否かに関わらず、単に「タバコ成分を含む電子タバコカートリッジと相互に交換して使用可能な(互換性有の)カートリッジ」と定義される。
本発明の第2の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、前記第1の態様において、前記非タバコ材が、紅茶または茶類であってもよい。
本発明の第3の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、前記第1または2の態様において、メントールと、ポリビニルポリピロリドンと、をさらに含有し、前記メントールの含有量が0.1〜10質量%であり、前記ポリビニルポリピロリドンの含有量が10質量%以下であり、且つ前記メントールの含有量に対して0.5〜6倍であってもよい。
本発明の第4の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、前記第3の態様において、前記ポリビニルポリピロリドンの含有量が2質量%以上であってもよい。
本発明の第5の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、前記第1〜第4のいずれかの態様において、微結晶セルロースをさらに含有し、前記微結晶セルロースの含有量が1〜15質量%であってもよい。
本発明の第6の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、前記第1〜第5のいずれかの態様において、グルコマンナン、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、ローカストビーンガムおよび寒天からなる群から選択される少なくとも一種の多糖類をさらに含有し、前記非タバコ材100質量部に対して、0.1〜5質量部の前記多糖類を含有してもよい。
本発明の第7の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、前記第6の態様において、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース並びにこれらのナトリウム塩、カリウム塩、およびカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも一種のセルロース類をさらに含有し、前記非タバコ材100質量部に対して、1〜30質量部の前記セルロース類を含有してもよい。
本発明の第8の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、前記第6または第7の態様において、前記多糖類が、グルコマンナンであってもよい。
本発明の第9の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、前記第6〜第8のいずれかの態様において、前記セルロース類が、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、カリウム塩およびカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも一種を含有してもよい。
本発明の第10の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、前記第1〜第9のいずれかの態様において、形状が長さ54mm以下であってもよい。
本発明の第11の態様に係る芳香カートリッジ用充填物は、前記第1〜第10のいずれかの態様において、前記非タバコ材を30〜90質量%含有し、前記非タバコ材を0.12g以上と、前記エアロゾルフォーマを0.02g以上と、を含んでもよい。
本発明の第12の態様に係る芳香カートリッジ用エアロゾル形成基材は、前記第1〜第11のいずれかの態様の芳香カートリッジ用充填物を有してもよい。
本発明の第13の態様に係る芳香カートリッジは、一端に前記第12の態様の芳香カートリッジ用エアロゾル形成基材を有し、他端にマウスピースまたはマウスピース領域を有してもよい。
本発明の第14の態様に係る芳香カートリッジは、前記第13の態様において、前記エアロゾル形成基材と前記マウスピースまたはマウスピース領域との間に配置され、前記エアロゾル形成基材で発生したエアロゾルを冷却する冷却領域を有し、前記芳香カートリッジ用充填物の長手方向と、当該芳香カートリッジの長手方向と、が平行である。
本発明の第15の態様に係る芳香カートリッジは、前記第13または第14の態様において、前記冷却領域と前記マウスピースまたはマウスピース領域との間に、表面に孔を備えるフィルタ部材を有してもよい。
本発明の一態様によれば、充填物の芳香や味わいに加え、メントールの清涼感を楽しむことができる芳香カートリッジ用充填物において、長期間に亘る保存をした後でも、メントールの風味を保つことができる手段が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、ユーザーのハンドリングの際に、使用前および使用後の芳香カートリッジから充填物が脱落したり、落下したりすることを防止する手段が提供される。
また、本発明のさらに他の態様によれば、成形性に優れると共に、充填物の天然の芳香や味わいを楽しむことができる芳香カートリッジ用充填物およびそれを有する芳香カートリッジ用エアロゾル形成基材が提供される。
また、本発明のさらに他の態様によれば、高品質、且つ非タバコ材の天然の芳香や味わいを楽しむことのできる芳香カートリッジが提供される。
芳香カートリッジの使用の形態の一例を示す図である。 芳香カートリッジの構造の一例を示す図である。 芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材の一例を示す図である。 芳香カートリッジの作製方法の一例を示す図である。 芳香カートリッジの変形例を示す図である。 芳香カートリッジの他の使用の形態を示す図である。 芳香カートリッジの構造の他の一例を示す図である。 非タバコ材組成物および芳香カートリッジ用充填物の製造方法[装置]の工程[手段]を示す流れ[接続]図である。 エアロゾル形成基材および芳香カートリッジ用充填物の一例を示す図である。 芳香カートリッジの構造のさらに他の一例を示す図である。 芳香カートリッジの使用形態を示す概略的な断面図である。 第1変形例による芳香カートリッジを示す概略的な斜視図である。 第2変形例による芳香カートリッジを示す概略的な斜視図である。 第3変形例による芳香カートリッジを示す概略的な斜視図である。 第4変形例による芳香カートリッジを示す概略的な斜視図である。 第5変形例による芳香カートリッジを示す概略的な斜視図である。 芳香カートリッジの他の製造方法を示す概略的な斜視図である。 シートの強度試験を説明する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図8は、本発明の一実施形態による、非タバコ材組成物および芳香カートリッジ用充填物の製造方法[装置]の工程[手段]を示す流れ[接続]図である。なお、以下では、主に各工程を備えた製造方法に沿って説明するが、各工程を実行する手段を備えることで、全体としてその製造方法を実施できる製造装置が存在することは明らかである。このため、製造方法と製造装置の説明を重複することなく、「工程[手段]」、「方法[装置]」として、同時に(重ねて)説明するものとする。また、以下に説明する製造方法[装置]は好ましい一例を示したものであり、本発明に係る非タバコ材組成物および芳香カートリッジ用充填物の製造方法[装置]は、以下の形態に限定されない。
この製造方法[装置]は、芳香の元になる非タバコ材等を乾燥・粉砕して乾燥粉砕物を得る乾燥・粉砕工程[手段](A)を有する。なお、原材料をそのまま使用できるような場合は、このような工程[手段]を省略することができる。また、非タバコ材組成物および芳香カートリッジ用充填物を製造する際の他の材料については、必要に応じて、前処理および秤量等を行う準備工程[手段](B)を有する。
上記乾燥・粉砕工程[手段](A)および準備工程[手段](B)を経た後、これらの材料は、混合工程[手段](M)により所定の条件で混合され、芳香カートリッジ用充填物となる。
芳香カートリッジ用充填物は、充填物成形工程[手段](F)を経て所望の形状とすることができる。所望の形状とされた芳香カートリッジ用充填物は、芳香カートリッジ製造工程[手段](G)に供され、芳香カートリッジとなる。
以下、非タバコ材組成物の製造方法[装置]、芳香カートリッジ用充填物の製造方法[装置]、および芳香カートリッジの製造方法[装置]の各工程[手段]について説明する。なお、原料となる非タバコ材の詳細については後述する。
まず、乾燥・粉砕工程[手段](A)は、原料となる非タバコ材の使用部位(例えば、葉、種子、乾燥果実、茎、樹皮、根など)を非タバコ材組成物とするために所望の粉砕物に加工する。その際、後に添加するエアロゾルフォーマ、水、その他の成分を吸収または担持したりするのに都合のよいような水分量に調整するのも好ましい。
なお、乾燥温度は、60℃以上80℃以下が好ましい。この範囲であると、必要とする香味成分の散逸を避けながら、所望の水分量へ到達させやすくなる。さらに、65℃以上であるとさらに所望の水分量へ到達させやすくなり、75℃以下であると必要とする香味成分の散逸をさらに防止することができる。
乾燥・粉砕後の乾燥粉砕物の水分量は5質量%以下とするのが好ましい。このようにすると、後の工程[手段]でのスラリー化が容易となる。該水分量は、3質量%以下であるとさらに好ましい。また、上記水分量は、0.1質量%以上であると、水等とのなじみがよい状態を保つことができるため、好ましい。
さらに、乾燥・粉砕工程[手段](A)は、前記乾燥粉砕物を篩分けする篩工程[手段]を含んでいてもよく、これにより、非タバコ材組成物等を所望の粒度として混合工程[手段](M)に供することができる。
準備工程[手段](B)においては、非タバコ材組成物および芳香カートリッジ用充填物を作製するにあたり、必要な材料を準備して秤量する。準備工程[手段]は、工程[手段](B1)、工程[手段](B2)および工程[手段](C)を含む。工程[手段](B1)は、必要に応じて用いられるセルロース類(第1の結合剤)を準備する工程[手段]であり、任意に行われる工程[手段]である。工程[手段](B2)は、後述の第2の混合工程(M2)に先立って、多糖類(第2の結合剤)を準備する工程[手段]である。工程[手段](C)は、エアロゾルフォーマを準備する工程[手段]である。これらの他、工程[手段](E)は、非タバコ材組成物の作製にあたり、必要に応じて用いられる風味添加剤、保存料等を準備する工程[手段]であり、任意に行われる工程[手段]である。
混合工程[手段](M)は、第1の混合工程[手段](M1)、養生工程[手段](Y)および第2の混合工程[手段](M2)を含む。第1の混合工程[手段](M1)では、上述の乾燥・粉砕工程[手段](A)、工程[手段](B1)、工程[手段](C)および工程[手段](E)で準備されたものを混合して第1の混合物を得る。第1の混合物を養生工程[手段](Y)により養生させ、第2の混合工程[手段](M2)では、上記第1の混合物に多糖類(第2の結合剤)を添加して混合し、第2の混合物(非タバコ材組成物)を得る。第2の混合工程[手段](M2)においては、多糖類(第2の結合剤)の他に、風味添加剤、保存料等を添加してもよい。
第2の混合物(非タバコ材組成物)は、充填物成形工程(F)を経て所望の形状とすることができ、芳香カートリッジ用充填物として、芳香カートリッジ製造工程[手段](G)に供され、芳香カートリッジとなる。なお、説明において、複数に分けた工程[手段]で説明した工程[手段]は、必要に応じて、同時にあるいは平行に行っても良い。例えば上述では、第1の混合工程[手段](M1)の前に、工程[手段](B1)および工程[手段](C)にてそれぞれ準備した材料を予め混合する形態を示しているが、これに限定されず、工程[手段](A)、工程[手段](B1)、工程[手段](C)、工程[手段](E)にてそれぞれ準備した材料を、第1の混合工程(M1)で同時に混合してもよい。
本発明に係る芳香カートリッジ用充填物は、エアロゾルフォーマを含む。エアロゾルフォーマとしては、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、トリエチレングリコール、乳酸、ジアセチン(グリセリンジアセタート)、トリアセチン(グリセリントリアセタート)、トリエチレングリコールジアセタート、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸メチル、ドデカンジオン酸ジメチル、テトラデカンサンジオン酸ジメチルなどが使用できるが、特に、グリセリン、プロピレングリコールが好ましく用いられる。これらエアロゾルフォーマは、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
芳香カートリッジ用充填物中のエアロゾルフォーマの含有量は、芳香カートリッジ用充填物の総量に対して、1質量%以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上35質量%以下であることが最も好ましい。
また、芳香カートリッジ用充填物中のエアロゾルフォーマの含有量は、非タバコ材100質量部に対して、30質量部以上100質量部以下であることが好ましく、50質量部以上80質量部以下であると特に好ましい。
さらに、必要に応じ風味を追加する風味添加剤も好ましく用いられる。風味添加剤としては、はっか、ココア、コーヒー、紅茶のエキス、キシリトール等が挙げられる。また、必要に応じて食品の保存料、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム等を添加してもよい。これらの成分は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
本発明における一つの実施形態として、芳香カートリッジ用充填物には微結晶セルロースが含まれる。
微結晶セルロースとは、例えば、繊維性植物のパルプから得られたα−セルロースを、酸で部分的に解重合した後、可溶性部分を取り除き、適宜、不溶性部分を結晶化して得られるものであり、後述の結着剤または増粘剤として用いられるセルロース類とは区別される。
様々な検討の末、非タバコ材、エアロゾルフォーマ、および微結晶セルロースを含有する芳香カートリッジ用充填物について、以下のことがわかった。すなわち、芳香カートリッジ用充填物を乾燥条件下におくと、芳香カートリッジ用充填物が失水した場合であっても、セルロースの微結晶が芳香カートリッジ用充填物の構造を維持し、体積収縮などの構造変化を抑制することがわかった。このような作用は、微結晶セルロースを用いたことにより得られるものであると考えられる。
本発明における一つの実施形態として、微結晶セルロースは、準備工程[手段](B)で秤量された後、混合工程[手段](M)に供される。微結晶セルロースは、粉体のままでもよいし、水などの溶媒に分散させて懸濁液として混合工程[手段](M)に供されてもよい。この場合、溶媒への微結晶セルロースの分散は、高速攪拌機や高圧ホモジナイザーなどを使用して行うことができる。
芳香カートリッジ用充填物中の微結晶セルロースの含有量は、芳香カートリッジ用充填物の総量に対して、1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、3質量%以上12質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましい。
微結晶セルロースの添加により、芳香カートリッジ用充填物の成形性向上、各成分のロールミルによる混練などの際の作業性改善といった効果が得られ、特に、芳香カートリッジ用充填物の収縮の抑制および体積変化の抑制に有効である。よって、微結晶セルロースの添加は、芳香カートリッジの品質管理および使用感の均質化という観点からも有効である。
本発明で用いられる微結晶セルロースの平均粒子径は、30μm以上200μm以下であることが好ましく、50μm以上150μm以下であることがより好ましく、70μm以上120μm以下であることがさらに好ましい。微結晶セルロースの平均粒子径が30μm以上であると、芳香カートリッジ用充填物の収縮を抑制する効果に優れ、200μm以下であると、芳香カートリッジ用充填物の収縮を抑制する効果に加えて、芳香カートリッジ用充填物の成形性を良好にすることができる。
微結晶セルロースの平均粒子径は、篩分け法によって求められる。該平均粒子径は、JIS K 0069:1992に記載の方法により得ることができる。なお、該平均粒子径は、複数の篩による試験結果について、例えば、目開きの大きいほうからの質量の積算を行い、その質量50%に相当する径をいう。
さらに微結晶セルロースは、目開き250μmの篩上残留物の量が微結晶セルロースの総量に対して8質量%以下であることが好ましく、目開き75μmの篩上残留物の量が微結晶セルロースの総量に対して45質量%以上であることが好ましい。
目開き250μmの篩上残留物が8質量%以下の場合、微結晶セルロースが芳香カートリッジ用充填物の収縮を抑制する効果をより発揮しやすい。目開き75μmの篩上残留物が45質量%以上の場合、芳香カートリッジ用充填物の成形性を良好にする効果をより発揮しやすい。
微結晶セルロースの質量平均分子量(Mw)は、10,000以上200,000以下であることが好ましい。10,000以上であると、芳香カートリッジ用充填物の収縮を抑制する効果に優れ、200,000以下であると、前記の収縮を抑制する効果に加えて成形性を良好にする効果をより向上させうる。該質量平均分子量は、より好ましくは20,000以上60,000以下である。
セルロースの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。例えば、特開平6−109715号公報にあるような測定方法が採用され、標準試料としては、ポリエチレングリコール等を適宜用いる。
本発明における一つの実施形態として、芳香カートリッジ用充填物には、メントールおよびポリビニルポリピロリドン(非水溶性架橋ポリマー)が含まれる。
メントールおよびポリビニルポリピロリドンを含有させる場合は、準備工程[手段](B)において、メントール、低級アルコールおよびポリビニルポリピロリドン(非水溶性架橋ポリマー)を秤量した後、前記秤量したメントール、低級アルコールおよびポリビニルポリピロリドンを混合してメントール溶解物を得るが、ここでは、メントール、低級アルコールおよびポリビニルポリピロリドンを混合溶解する。好ましくは、低級アルコールにメントールを溶解してから、ポリビニルポリピロリドンを添加して混合するのがよい。
ここで、メントールとは、天然物から得られたものに限られず、合成物でもよい。また、薄荷、ミント、ハッカ油その他、メントールを含むものを使用してもよい。低級アルコールは、メントールを溶解する溶媒であり、特にエチルアルコールが好ましく用いられる。
本発明において、非水溶性架橋ポリマーとは、非架橋のポリマーが水に可溶であるものに架橋を施し、水に不溶となり膨潤するものを意図している。もちろん、当該非水溶性架橋ポリマーは、低級アルコールに溶解せず膨潤することが好ましく、本発明ではこのようなものが選択され使用される。ポリビニルポリピロリドンなどの非水溶性架橋ポリマーは、親水性部分と疎水性部分とを有しており、親水性部分が膨潤に寄与し、親水性部分がメントールに配向することにより本発明の効果を発揮するものと考えられる。
本発明の芳香カートリッジ用充填物の一つの実施態様として、非水溶性架橋ポリマーとして、ポリビニルピロリドンの架橋物であるポリビニルポリピロリドンを用いるのが好ましい。ポリビニルポリピロリドンを含んでいれば、本発明の芳香カートリッジ用充填物は、非水溶性架橋ポリマーとして、ポリビニルポリピロリドン以外の他の非水溶性架橋ポリマーを含んでもよい。他の非水溶性架橋ポリマーとしては、水溶性の多糖類に架橋を施し非水溶性とした架橋多糖類が挙げられる。架橋多糖類としては、多糖類をエポキシ架橋したもの、エステル架橋したもの、エーテル架橋したもの等が例として挙げられる。
また、芳香カートリッジ用充填物の好ましい他の実施態様として、ポリビニルポリピロリドンの代わりに、前述した他の非水溶性架橋ポリマーを用いることもできる。前記他の非水溶性架橋ポリマーの例としては、水溶性の多糖類に架橋を施し非水溶性とした架橋多糖類が挙げられる。架橋多糖類としては、多糖類をエポキシ架橋したもの、エステル架橋したもの、エーテル架橋したもの等が例として挙げられる。
メントールの含有量は、所望の風味を目標とした量を添加すれば足りる。メントールの風味付けをするには、芳香カートリッジ用充填物中のメントールの含有量が、芳香カートリッジ用充填物の総量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが目安となる。好ましくは0.2質量%以上5質量%以下であることがもう一つの目安となる。
芳香カートリッジ用充填物において、メントール100質量部に対するポリビニルポリピロリドンの含有量は、50質量部以上600質量部以下である。換言すれば、ポリビニルポリピロリドンの含有量はメントールの含有量に対して、0.5倍以上6倍以下である。
本発明の他の形態として、芳香カートリッジ用充填物において、メントール100質量部に対するポリビニルポリピロリドン(非水溶性架橋ポリマー)の含有量は、10質量部以上2000質量部以下である。換言すれば、ポリビニルポリピロリドン(非水溶性架橋ポリマー)の含有量はメントールの含有量に対して、0.1倍以上20倍以下である。
本発明の効果を奏するためには、芳香カートリッジ用充填物中のポリビニルポリピロリドンの含有量が芳香カートリッジ用充填物の総量に対して2質量%以上であることが好ましく、4質量%以上であることがより好ましい。このような量で含まれることにより、長期の保存性に関し本発明の効果をより発揮することができる。また、芳香カートリッジ用充填物中のポリビニルポリピロリドンの含有量は、10質量%を超えない範囲(10質量%以下)である。該含有量が10質量%以下であると、非タバコ材由来のポリフェノール等に由来する風味を保つことができるからである。
使用する低級アルコールの量は、メントール100質量部に対して、50質量部以上が好ましい。さらに、低級アルコールの使用量が100質量部以上であると、メントールを溶解しつつも、ポリビニルポリピロリドンの混合を十分に行うことができるという効果が得られる。また、低級アルコールの使用量が2000質量部以下であると、後の工程[手段]において低級アルコールの残留を少なくすることができるため、効率的な製造工程[手段]とすることができる。
本発明における一つの実施形態として、芳香カートリッジ用充填物は、多糖類を含んでいることが好ましい。多糖類としては、特に水溶性であるもの、水を含んで膨潤するものや、ゲル化するものを使用することが好ましく、このようなものを用いることで成形性に寄与できる。
本発明に係る芳香カートリッジ用充填物に含まれる多糖類としては、コンニャクマンナン(グルコマンナン)、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、ローカストビーンガム、および寒天が例示できる。なお、これらの多糖類は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。特に、成形性を向上させるという観点から、多糖類として、コンニャクマンナン(グルコマンナン)を用いると好ましい。
本発明における一つの実施形態として、上記多糖類を含む芳香カートリッジ用充填物には、さらにセルロース類(第1の結合剤)を添加することが好ましい。本発明に係る芳香カートリッジ用充填物に含有させるセルロース類とは、セルロース、セルロース誘導体およびこれらの金属塩を含む。セルロース類としては、非タバコ材を結着(結合)させるため、特に水溶性であるものが好ましく用いられる。
本発明に用いられるセルロース類の例としては、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース並びにこれらのナトリウム塩、カリウム塩、およびカルシウム塩等の金属塩を用いることができる。なお、これらのセルロース類は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。特に、セルロース類の金属塩を使用すると好ましく、なかでも、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、カリウム塩、およびカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも一種を使用するとより好ましく、入手の容易なカルボキシメチルセルロースナトリウムを使用すると特に好ましい。
芳香カートリッジ用充填物中のセルロース類の含有量は、非タバコ材100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、2質量部以上20質量部以下であるとより好ましく、5質量部以上20質量部以下であるとさらに好ましく、10質量部以上20質量部以下であると特に好ましい。
芳香カートリッジ用充填物にセルロース類を含有させる場合は、図8に示す工程[手段](E)として準備される。この工程[手段](E)では、セルロース類以外の他の成分を、他の第1の結合剤としてさらに準備してもよい。セルロース類以外の第1の結合剤としては、コンニャクマンナン(グルコマンナン)、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、タマリンシードガム、アラビアゴム、大豆多糖類、ローカストビーンガム、カラヤガム、キサンタンガム、寒天が例示できる。なお、これらの成分は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
次に、原料となる非タバコ材について説明する。本実施形態で使用できる非タバコ材は、タバコ以外の植物であれば特に制限はない。植物の使用部位としては、例えば、根(鱗根(鱗茎)、塊根(イモ類)、球根などを含む)、茎、塊茎、皮(茎皮、樹皮などを含む)、葉、花(花弁、雌蕊、雄蕊などを含む)、樹木の幹や枝など様々な部位を使用できる。
鱗茎としては、タマネギ、ヒガンバナ、チューリップ、ヒヤシンス、ニンニク、ラッキョウ、ユリ等、球茎としては、クロッカス、グラジオラス、フリージア、アヤメ、サトイモ、コンニャク等、塊茎としては、シクラメン、アネモネ、ベゴニア、チョロギ、ジャガイモ、アピオス(ほど芋)等、根茎としては、カンナ、ハス(レンコン)、ショウガ等、塊根としては、ダリア、サツマイモ、キャッサバ、キクイモ等、担根体としては、ヤマノイモ属(ヤマノイモ、自然薯、ナガイモなどのヤムイモ類)等、その他として、カブ・ゴボウ・ニンジン、ダイコン、クズ等が挙げられる。茎としては、コンニャク、アスパラガス、タケノコ、ウド、ダイコン、ヤーコン等が挙げられる。
上記で示したイモ類または以下に挙げる植物には、炭水化物が含有され、芳香カートリッジ用充填物の少なくとも一部の材料として好ましく用いられる。例えば、澱粉としては、コーンスターチ(とうもろこし)、ばれいしょ澱粉(じゃがいも)、かんしょ澱粉(サツマイモ)、タピオカ澱粉(タピオカ)等があり、増粘剤、安定剤等として使用の例がある。これらの澱粉は、架橋により耐酸性向上、耐熱性向上、耐シェア性向上等、エステル化、エーテル化により保存安定性向上、糊化促進等、酸化により透明性向上、フィルム成形性向上、保存安定性向上等を図ることが可能となる。
植物種子からはタマリンドシードガム、グアーガム、ローカストビーンガム等、樹液からはアラビアガム、カラヤガム等、果実からはペクチン等、その他の植物からは、セルロース、アガロースを主成分とするコンニャクマンナン(グルコマンナン)、大豆多糖類等を得ることができ、非タバコ材として使用できる。さらに、カチオン化グアーガムのような変性体も使用できる。
海藻からは、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、ラムダカラギーナンの3タイプに分類されるカラギーナン、寒天、アルギン酸等を得ることができ、非タバコ材として使用できる。また、カラギーナン金属塩、アルギン酸ナトリウムなどの塩も使用できる。
ハーブやスパイスとして使用されている植物も使用でき、その具体例としては、くちなしの実、こぶみかんの葉、みょうが、よもぎ、わさび、アジョワンシード、アニス、アルファルファ、エキナセア、エシャロット、エストラゴン、エバーラスティングフラワー、エルダー、オールスパイス、オリスルート、オレガノ、オレンジピール、オレンジフラワー、オレンジリーフ、カイエンチリペッパー(カイエンヌチリペッパー)、カモミールジャーマン、カモミールローマン、カルダモン、カレーリーフ、ガーリック(にんにく)、キャットニップ、キャラウェイ、キャラウェイシード、キンモクセイ、クミン、クミンシード、クローブ、グリーンカルダモン、グリーンペッパー、コーンフラワー、サフラン、シダー、シナモン、ジャスミン、ジュニパーベリー、ジョロキア、ジンジャー(しょうが)、スターアニス、スペアミント、スマック、セイジ、セボリ(セイボリー)、セロリ、セロリシード、ターメリック(ウコン)、タイム、タマリンド、タラゴン、チャービル(セルフィーユ)、チャイブ、ディル、ディルシード、トマト(ドライトマト)、トンカ豆、ドライパクチー、ナツメグ、ハイビスカス、ハバネロ、ハラペーニョ、バーズアイ、バジル、バニラ、パクチー(コリアンダー)、パセリ、パプリカ、ヒソップ、ピメンツデスペレット、ピンクペッパー、フェヌグリークシード、フェンネル、ブラウンマスタード、ブラックカルダモン、ブラッククミン、ブラックペッパー、ベチバー、ペニーロイヤル、ペパーミント(ハッカ)、ホースラディッシュ、ホワイトペッパー、ホワイトマスタード、ポピーシード、ポルチーニ、マジョラム、マスタードシード、マニゲット、マリーゴールド、マルバフラワー、メース、ヤローフラワー、ユーカリ、ラベンダー、リコリス、リンデン、レッドクローバー、レッドペッパー、レモングラス、レモンバーベナ、レモンバーム、レモンピール、ローズ(バラ)、ローズバッズ(パープル)、ローズヒップ、ローズペタル、ローズマリー、ローズレッド、ローレル(ローリエ)、ロングペッパー、胡麻(生胡麻、煎り胡麻)、黄金唐辛子、花椒(ホアジャオ)、三鷹、山椒、唐辛子、柚子等が挙げられる。また、ミックススパイス(例えば、五香粉、ガラムマサラ、ラスエルハヌート、バリグール、チキンカレーマサラ、タンドリーマサラ、カトルエピス、エルブ・ド・プロバンス)や、ポプリなどとして使用されている様々な植物の混合物を使用できる。
また、例えば、モモ、ブルーベリー、レモン、オレンジ、リンゴ、バナナ、パイナップル、マンゴー、葡萄、キンカン、メロン、梅、アーモンド、カカオ、コーヒー豆、ピーナッツ、ひまわり、オリーブ、クルミ、その他ナッツ類などの食用果実(果肉部分)や種子を使用できる。
さらに、下記の茶類の原料となる植物も使用することができる。その具体例としては、チャノキ、アシタバ、アマチャ、アロエ、イチョウ、ウコン、ウラジロガシ、エゾウコギ、オオバコ、カキオドシ、柿、カミツレ、カモミール、河原決明、カリン、菊、ギムネマ、グァバ、クコ、桑、黒豆、ゲンノショウコ、玄米、ゴボウ、ヒレハリソウ、昆布、桜、サフラン、シイタケ、シソ、ジャスミン、ショウガ、スギナ、セキショウ、センブリ、ソバ、タラノキ、タンポポ、ドクダミ、杜仲、ナタマメ、ニワトコ、ネズミモチ、ハトムギ、ケツメイシ、ビワ、松、マテ、麦、メグスリノキ、ヨモギ、ユーカリ、羅漢果、ルイボス、ゴーヤ等が挙げられる。
また、茶類も使用することができる。茶類は茶になる植物が異なるだけでなく、同じ植物であっても加工方法によって異なるお茶になる。具体的には、例えば、日本茶、紅茶、明日葉茶、甘茶、アマチャヅル茶、アロエ茶、イチョウ葉茶、ウーロン茶、ウコン茶、ウラジロガシ茶、エゾウコギ茶、オオバコ茶、カキオドシ茶、柿の葉茶、カミツレ茶、カモミールティ、河原決明茶、カリン茶、菊花茶、ギムネマ茶、グァバ茶、クコ茶、桑の葉茶、黒豆茶、ゲンノショウコ茶、玄米茶、ゴボウ茶、コンフリー茶、昆布茶、桜茶、サフラン茶、シイタケ茶、シソ茶、ジャスミン茶、しょうが茶、スギナ茶、セキショウ茶、センブリ茶、ソバ茶、タラノキ茶、タンポポ茶、甜茶、ドクダミ茶、杜仲茶、ナタマメ茶、ニワトコ茶、ネズミモチ茶、ハトムギ茶、ハブ茶、ビワの葉茶、プーアル茶、紅花茶、松葉茶、マテ茶、麦茶、メグスリノキ茶、ヨモギ茶、ユーカリ茶、羅漢果茶、ルイボスティ、ゴーヤ茶などが挙げられる。これら茶類については、飲用後の茶殻を使用してもよい。茶殻などを使用すれば、高価な茶類などを再利用して有効活用できる。
上記に使用できる植物の具体例として、昆布を挙げたが、アオサ、アオノリ、アカモク、アサクサノリ、アラメ、イワノリ(岩海苔)、エゴノリ、オゴノリ、ガゴメコンブ、カジメ、ガニアシ、クビレズタ、クロメ、コンブ、スサビノリ、ダルス、チシマクロノリ、ツルアラメ、テングサ、トロロコンブ、ネコアシコンブ属、ノリ(海苔)、ハバノリ、ヒジキ、ヒトエグサ、ヒロメ、フノリ、ボウアオノリ、マコンブ、メカブ、モズク、ワカメ等も当然使用することができる。
上記に使用できる植物の具体例として、玄米を挙げたが、インディカ種(インド型、大陸型、長粒種)、グラベリマ種(アフリカイネ)、サティバ種(アジアイネ)、ジャバニカ種(ジャワ型、熱帯島嶼形、大粒種)、ジャポニカ種(日本型、温帯島嶼型、短粒種)、ネリカ(アジアイネとアフリカイネの種間雑種)等の米の他の品種も当然使用することができ、粉または糠としても使用することができる。
上記に使用できる植物の具体例として、麦を挙げたが、アワ、エンバク(カラス麦の栽培品種、オーツ麦とも)、オオムギ(大麦)、カラスムギ、キビ、コドラ(コードンビエ)、コムギ(小麦)、シコクビエ、テフ、トウジンビエ、ハダカムギ(オオムギの変種)、ハトムギ(種子ではなく果実である)、ヒエ、フォニオ、マコモ、モチムギ(オオムギのモチ種)、モロコシ(タカキビ、コウリャン、ソルガム)、トウモロコシ、ライムギ(ライ麦)との他の麦類も当然使用することができる。
上記に使用できる植物の具体例として、黒豆を挙げたが、アズキ、イナゴマメ、インゲンマメ、エンドウ、キマメ、クラスタマメ、グラスピー(英:Lathyrus sativus)、ケツルアズキ、ササゲ、シカクマメ、ゼオカルパマメ、ソラマメ、ダイズ、タケアズキ、タチナタマメ、タマリンド、テパリービーン、ナタマメ、ハッショウマメ(英:Mucuna pruriens)、バンバラマメ、ヒヨコマメ、フジマメ、ベニバナインゲン、ホースグラム(英:Macrotyloma uniflorum)、モスビーン、ライマメ、ラッカセイ、リョクトウ、ルピナス、レンズマメ、ヘントウ等の他の菽穀類(マメ科作物の種子)も当然使用することができる。
上記に使用できる植物の具体例として、ソバを挙げたが、アマランス(アマランサス、センニンコク)、キヌア、ダッタンソバ等のその他の植物も当然使用することができる。
上記に使用できる植物の具体例として、シイタケを挙げたが、マツタケ、シイタケ、ハツタケ、シメジ、ショウロ、マッシュルーム、ハラタケ等の他のキノコ類も当然使用することができる。
また、さとうきび(糖蜜の搾りかすでもよい)、てんさい(ビート)、ヒノキ、松、杉、ヒバ、椿、白檀など芳香を有する樹木の幹や枝、これらの樹皮や葉、根なども使用できる。シダ類、コケ類等も非タバコ材として使用することが可能である。植物としてまた、例えば、日本酒、ワインなどの発酵酒を製造する際の副産物や絞りかす(酒粕、葡萄の絞りかす(葡萄の皮や種子、果軸などからなる))なども使用できる。さらには、上述したさまざまな植物を混合して使用してもよい。もちろん、ここに挙げた以外の植物を使用することもできる。
さらに、漢方薬として知られているものも用いられる。その具体例としては、例えば、藍草(アイソウ)、茜根(アカネコン)、赤目柏(アカメガシワ)、阿仙薬(アセンヤク)、安息香(アンソクコウ)、威霊仙(イレイセン)、茵陳蒿(インチンコウ)、茴香(ウイキョウ)、ウコン(ターメリック)、烏梅(ウバイ)、烏薬(ウヤク)、裏白柏(ウラジロガシ)、ウワウルシ、営実(エイジツ)、延胡索(エンゴサク)、延命草(エンメイソウ)、黄耆(オウギ)、黄今(オウゴン)、黄精(オウセイ)、黄柏(オウバク)、黄連(オウレン)、桜皮(オウヒ)、弟切草(オトギリソウ)、遠志(オンジ)、槐花(カイカ)、薤白(ガイハク)、夏枯草(カゴソウ)、訶子(カシ)、何首烏(カシュウ)、莪朮(ガジュツ)、霍香(カッコウ)、葛根(カッコン)、カミツレ、瓜呂根(カロコン)、瓜呂仁(カロニン)、乾姜(カンキョウ)、甘草(カンゾウ)、款冬花(カントウカ)、艾葉(ガイヨウ)、桔梗(キキョウ)、枳具子(キグシ)、枳殻(キコク)、枳実(キジツ)、菊花(キクカ)、橘皮(キッピ)、羌活(キョウカツ)、杏仁(キョウニン)、金柑(キンカン)、金銀花(キンギンカ)、金銭草(キンセンソウ)、枸杞子(クコシ)、枸杞葉(クコヨウ)、苦参(クジン)、胡桃(クルミ)、苦楝皮(クレンピ)、黒文字(クロモジ)、瞿麦(クバク)、荊芥(ケイガイ)、桂皮(ケイヒ)、決明子(ケツメイシ)、牽牛子(ケンゴシ)、玄参(ゲンジン)、膠飴(コウイ)、紅花(コウカ)、合歓皮(ゴウカンピ)、降香(コウコウ)、香鼓(コウシ)、香需(コウジュ)、紅参(コウジン)、香附子(コウブシ)、粳米(コウベイ)、厚朴(コウボク)、藁本(コウホン)、五加皮(ゴカヒ)、牛膝(ゴシツ)、呉茱萸(ゴシュユ)、虎杖根(ゴジョウコン)、牛蒡子(ゴボウシ)、五味子(ゴミシ)、柴胡(サイコ)、細辛(サイシン)、サフラン、山帰来(サンキライ)、山査子(サンザシ)、山梔子(サンシシ)、山茱萸(サンシュユ)、山豆根(サンズコン)、酸棗仁(サンソウニン)、山椒(サンショウ)、三稜(サンリョウ)、山薬(サンヤク)、地黄(ジオウ)、紫苑(シオン)、地骨皮(ジコッピ)、紫根(シコン)、紫蘇子(シソシ)、紫蘇葉(シソヨウ)、疾藜子(シツリシ)、柿蒂(シテイ)、地膚子(ジフシ)、芍薬(シャクヤク)、蛇床子(ジャショウシ)、沙参(シャジン)、車前子(シャゼンシ)、車前草(シャゼンソウ)、縮砂(シュクシャ)、十薬(ジュウヤク)、生姜(ショウキョウ)、棕櫚実(シュロジツ)、棕櫚葉(シュロヨウ)、升麻(ショウマ)、小麦(ショウバク)、菖蒲根(ショウブコン)、辛夷(シンイ)、女貞子(ジョテイシ)、秦皮(シンピ)、神麹(シンキク)、秦ぎょう(ジンギョウ)、充蔚子(ジュウイシ)、椒目(ショクモク)、青皮(セイヒ)、石菖根(セキショウコン)、石榴実皮(セキリュウジツヒ)、石斛(セッコク)、川弓(センキュウ)、前胡(ゼンコ)、川骨(センコツ)、旋覆花(センプクカ)、接骨木(セッコツボク)、草果(ソウカ)、ソウ角子(ソウカクシ)、桑寄生(ソウキセイ)、蒼耳子(ソウジシ)、蒼朮(ソウジュツ)、側柏葉(ソクハクヨウ)、続断(ゾクダン)、桑白皮(ソウハクヒ)、蘇木(ソボク)、蘇葉(ソヨウ)、ソウ莢(ソウキョウ)、大黄(ダイオウ)、大棗(タイソウ)、大腹皮(ダイフクヒ)、沢瀉(タクシャ)、丹参(タンジン)、竹如(チクジョ)、竹節人参(チクセツニンジン)、竹葉(チクヨウ)、知母(チモ)、地楡(チユ)、丁子(チョウッジ)、釣藤鈎(チョウトウコウ)、陳皮(チンピ)、天南星(テンナンショウ)、天麻(テンマ)、天門冬(テンモントウ)、冬瓜子(トウガシ)、当帰(トウキ)、唐胡麻(トウゴマ)、党参(トウジン)、灯芯草(トウシンソウ)、桃仁(トウニン)、橙皮(トウヒ)、兎絲子(トシシ)、栃実(トチノミ)、杜仲(トチュウ)、独活(ドッカツ)、土瓜根(ドカコン)、肉従容(ニクジュヨウ)、ニクズク、忍冬(ニンドウ)、人参(ニンジン)、貝母(バイモ)、麦芽(バクガ)、柏子仁(ハクシニン)、白扁豆(ハクヘンズ)、麦門冬(バクモントウ)、破胡紙(ハコシ)、薄荷(ハッカ)、蕃果(バンカ)、半夏(ハンゲ)、反鼻(ハンビ)、板藍根(バンランコン)、半枝連(ハンシレン)、百合根(ユリネ)、白止(ビャクシ)、白花蛇舌草(ビャクカジャゼツソウ)、百部根(ヒャクブコン)、白朮(ビャクジュツ)、檳榔子(ビンロウジ)、防已(ボウイ)、茅根(ボウコン)、防風(ボウフウ)、蒲黄(ホウオウ)、蒲公英根(ホウエイコン)、牡丹皮(ボンタンピ)、麻黄(マオウ)、麻子仁(マシニン)、蔓荊子(マンケイシ)、松脂(マツヤニ)、木通(モクツウ)、木瓜(モッカ)、木香(モッコウ)、没薬(モツヤク)、木賊(モクゾク)、射干(ヤカン)、益智(ヤクチ)、夜交藤(ヤコウトウ)、羅漢果(ラカンカ)、蘭草(ランソウ)、竜眼肉(リュウガンニク)、竜胆(リュウタン)、良姜(リョウキョウ)、霊芝(レイシ)、連翹(レンギョウ)、連銭草(レンセンソウ)、蓮肉(レンニク)、芦根(ロコン)等が挙げられる。
さらに、上記に例示した非タバコ材の抽出物、所謂エキスも使用することができる、抽出物の形態としては、液体、水あめ状、粉末、顆粒、溶液等が挙げられる。
上記の非タバコ材は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。また、しきの非タバコ材のうち、乾燥・粉砕を要しないものは、そのまま混合工程[手段](M)に供することもできる。
次に、混合工程[手段](M)を説明する。前述のように、混合工程[手段](M)は、第1の混合工程[手段](M1)、養生工程[手段](Y)および第2の混合工程[手段](M2)を含む。
原料となる非タバコ材は、乾燥・粉砕工程[手段](A)および準備工程[手段](B)を経て、または直接混合工程[手段](M)に供される。
混合工程[手段](M)では、非タバコ材、エアロゾルフォーマ、および必要に応じて前述した微結晶セルロース、メントール、ポリビニルポリピロリドン(非水溶性架橋ポリマー)、水等を加えて混合することにより、芳香カートリッジ用充填物を得ることができる。
芳香カートリッジ用充填物に多糖類、セルロース類を含有させる場合は、まず、図8に示す工程[手段](B1)で、必要に応じて用いられるセルロース類(第1の結合剤)を準備して、第1の混合工程[手段](M1)で混合して第1の混合物を得た後、工程[手段](B2)で、多糖類(第2の結合剤)を準備して、第2の混合工程(M2)で多糖類を第2の結合剤として添加することが好ましい。さらに、第1の混合物を得た後、多糖類を添加する前に、第1の混合物を所定の温度で所定の時間保持する(養生する)養生工程[手段](Y)を追加することがさらに好ましい。
セルロース類(第1の結合剤)はその溶液粘度が、300mPa・s以上であると、非タバコ材と混合しやすく、好ましい。また、セルロース類(第1の結合剤)は、その溶液粘度が5,000mPa・s以上であると、非タバコ材を結着(結合)するのに適しているため、好ましい。他方、セルロース類(第1の結合剤)の溶液粘度は、50,000mPa・s以下であると、多糖類(第2の結合剤)と共に使用した際に非タバコ材の結着(結合)の強さの度合いを調整することが容易であるため、好ましい。
なお、本明細書中、「溶液粘度」は、ブルックフィールド型粘度計を用いて測定され、当該成分の1質量%水溶液を準備し、25℃の環境下で、10〜30rpm(0.17〜0.5s−1)で、ロータの回転を開始して表示値が安定したところの測定値である。
第2の混合工程[手段](M2)においては、通常の混合機を使用することができる。例えば、混合槽中の材料を攪拌羽根にて、剪断力を加えつつ混合するような混合機が好ましく用いられる。また、ロールミル、ニーダー、またはエクストルーダー等を用いて混練し、混合をさらに強化することも可能である。この場合、混合温度は、40℃以下、さらに好ましくは30℃以下、さらにより好ましくは25℃程度に保つように制御することが好ましい。混合時に過度の熱が加わると、香味の散逸の恐れがあるからである。また、混合槽に冷却水を通し温度調整することも好ましい。
養生工程[手段](Y)を経て製造した芳香カートリッジ用充填物を喫煙具本体に装着して喫煙をすると、非タバコ材の風味が改善する。特に、非タバコ材として茶類を用いた場合は効果が顕著であり、好ましい。従って、本発明の好ましい一実施形態によれば、非タバコ材と、エアロゾルフォーマと、セルロース類(第1の結合剤)とを混合して第1の混合物を得る第1の混合工程[手段](M1)、前記第1の混合物を密閉下、所定の温度で所定の時間保持する養生工程[手段](Y)、および、養生工程[手段](Y)を経た前記第1の混合物に第2の結合剤として多糖類を添加して混合する第2の混合工程[手段](M2)を有する、芳香カートリッジ用充填物の製造方法[装置]が提供される。
養生工程[手段](Y)の温度は、15℃以上30℃以下が好ましい。15℃以上であると、風味の改善効果が上がり、30℃以下であると風味の変化が抑えられ、風味の改善が保持されるからである。さらに好ましくは、18℃以上24℃以下である。
養生工程[手段](Y)の時間は、72〜336時間であることが好ましい。72時間以上であると風味の改善が見られ、336時間以下であると風味の変化が抑えられ、風味の改善が保持されるからである。さらに好ましくは、96〜192時間であり、特に好ましくは、96〜168時間であり、最も好ましくは、125〜150時間である。
また、養生工程[手段](Y)においては、前記第1の混合物を密閉下において養生するのがよい。香味の散逸を防ぐためである。
多糖類を添加する第2の混合工程[手段](M2)では、上記の多糖類以外の他の成分を他の第2の結合剤としてさらに添加してもよい。このような他の第2の結合剤としては、セルロース類、タマリンシードガム、アラビアゴム、大豆多糖類、カラヤガム、キサンタンガム、澱粉、コーンスターチ等が例示できる。なお、これらの成分は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
多糖類(第2の結合剤)は、その溶液粘度が50,000mPa・s超であると、非タバコ材同士の結合を強固にするのに適しているため、好ましい。多糖類の溶液粘度は、前述したブルックフィールド型粘度計を用いて測定され、当該成分の1質量%水溶液を準備し、25℃の環境下、10〜30rpm(0.17〜0.5s−1)でロータの回転を開始して表示値が安定したところの測定値である。なお、多糖類(第2の結合剤)は、ブルックフィールド型粘度計の測定上限である、100,000mPa・sを超えるものであってもよい。
芳香カートリッジ用充填物に多糖類(第2の結合剤)を添加すると、次の充填物成形工程[手段](F)において芳香カートリッジ用充填物所望の形態に成形しやすくなる。すなわち、得られる芳香カートリッジ用充填物が十分な強度を有し、成形性が向上する。また、多糖類(第2の結合剤)を第2の混合工程[手段]において添加すると好ましい理由としては、第1の混合工程[手段]で添加するよりも、混合が容易となり、混合物を適度な硬さに調整することが容易となるからである。しかしながら、多糖類(第2の結合剤)を混合するタイミングはこれに限定されず、第1の混合工程[手段]において多糖類(第2の結合剤)の混合を行ってもよい。
また、多糖類(第2の結合剤)は、その溶液粘度が、前述した第1の結合剤の溶液粘度より大きいことが好ましい。このような多糖類(第2の結合剤)を選択することにより、充填物成形工程[手段](F)において芳香カートリッジ用充填物の加工性(成形性)が向上する。特に、グルコマンナンは、加工性(成形性)がよく、好ましく用いられる。
芳香カートリッジ用充填物中の多糖類(第2の結合剤)の含有量は、前記非タバコ材100質量部に対して、0.1〜5質量部である。このような含有量とすることにより、芳香カートリッジ用充填物の成形性が向上し、また、非タバコ材の天然の芳香や味わいを楽しむことができる芳香カートリッジ用充填物が得られる。さらに、芳香カートリッジ用充填物中の多糖類(第2の結合剤)の含有量は、前記非タバコ材100質量部に対して、0.2〜3質量部であると好ましく、0.3〜1質量部であるとより好ましい。
以上のように得られた混合物を充填物成形工程[手段](F)に供し、所望の充填物(芳香カートリッジ用充填物)の形態とする。
充填物成形工程[手段](F)で用いられる成形方法としては、非タバコ材組成物を加圧によりオリフィスを通過させ棒状に成形する方法、非タバコ材組成物を薄いシートに成形してから切断により成形する方法、または非タバコ材組成物を乾燥させ粉砕等をして粒状にする方法等が例示できる。
以下においては、非タバコ材組成物を薄いシート状に成形してから切断により成形する方法について詳しく説明する。非タバコ材組成物を薄いシート状にするために、3本ロールミルを用いることができる。3本ロールミルを用いると、狭いロール間に押し込まれることによる圧縮と、ロール速度差によるせん断とによって、混練・分散などを行いながら、ドクターブレードにより所望の厚さのシートとすることが可能であるため、好ましい。また、プレスローラまたはプレス機を用いて作製することも好ましい。
また、充填物成形工程[手段](F)においては、必要に応じて、非タバコ材、エアロゾルフォーマ、結着剤または増粘剤、風味添加剤、保存料等をさらに添加してもよいし、水などを添加してもよい。
本発明において用いられる水としては、殺菌または微生物を除去したものを使用することが好ましく、逆浸透膜またはイオン交換等により得られた純水を用いることがより好ましい。
充填物成形工程[手段](F)で、得られる非タバコ材組成物のシートの厚みは、0.1〜1.0mm、好ましくは0.1〜0.5mmである。得られたシートは、所望の形状に切断されるが、切断にはカッター、回転刃方式のロータリーカッター等が用いられる。
本発明の他の形態として、得られる非タバコ材組成物のシートの厚みは、0.1〜1.0mmである。
充填物成形工程[手段](F)の具体的な例として、厚み0.3mmの非タバコ材組成物のシートを所望の形に切断し、芳香カートリッジ用充填物を作製する一例を説明する。例えば、非タバコ材組成物のシートを、縦150mm横240mmの長方形に切断する。この切断したシートを、ロータリーカッターに供給し、縦1.5mm横240mmの形状に切断し、シート切断物を得る。前記シート切断物31本分を、タバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製する。前記巻物を、カッターにて、42.0mmの長さに切断して、短冊状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得ることができる。この際、芳香カートリッジ用充填物の質量は、0.63gである。前記エアロゾル形成基材の容積に対する芳香カートリッジ用充填物の体積の比率を体積充填率とすると、上記の場合、体積充填率は0.59となる。これにより、体積充填率および芳香カートリッジ用充填物の質量より算出される芳香カートリッジ用充填物の密度は、1.07g/cmとなる。
本発明の別の側面による充填物成形工程[手段](F)の具体的な例として、厚み0.3mmの非タバコ材組成物のシートを所望の形に切断し、芳香カートリッジ用充填物を作製する一例を説明する。例えば、非タバコ材組成物のシートを、縦150mm横240mmの長方形に切断をする。この切断したシートを、ロータリーカッターに供給し、縦1.5mm横240mmの形状に切断し、シート切断物を得る。前記シート切断物50本分を、タバコ紙で巻き、外径6.9mmの巻物を作製する。前記巻物を、カッターにて、12.0mmの長さに切断し、短冊状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得ることができる。この際、芳香カートリッジ用充填物の質量は、0.29gである。前記エアロゾル形成基材の容積に対する芳香カートリッジ用充填物の体積の比率を体積充填率とすると、上記の場合、体積充填率は0.60となる。これにより、体積充填率および芳香カートリッジ用充填物の質量より算出される充填物の密度は、1.07g/cmとなる。
上記の充填物成形工程[手段](F)で得られるエアロゾル形成基材は、短冊状または棒状の複数の芳香カートリッジ用充填物が、芳香カートリッジの長手方向に沿って配置されている形態となる。また、前記短冊状または棒状の複数の芳香カートリッジ用充填物(図3の111)は、前記巻物の高さの軸に沿って、タバコ紙等の包装部材(図3の151)によって包摂され、エアロゾル形成基材(図3の110)となっている。
なお、本明細書において、「棒状の芳香カートリッジ用充填物」とは、長手方向を有する形状であり、長手方向の直交方向の断面が真円状または楕円状の芳香カートリッジ用充填物であることを言う。また、「棒状の芳香カートリッジ用充填物」において、「外径」とは、断面が真円形状である場合は直径を、楕円形状である場合は長軸の長さを、それぞれ意味する。さらに、本明細書においては、前記長手方向の直交方向の断面が多角形である場合でも「棒状の芳香カートリッジ用充填物」であり、前記多角形に外接する1または2以上の円の内、最大の直径を有する外接円の直径を「外径」とする。
従って、「短冊状の芳香カートリッジ用充填物」と「棒状の芳香カートリッジ用充填物」は峻別されず、「短冊状の芳香カートリッジ用充填物」であって「棒状の芳香カートリッジ用充填物」である場合をも含むことになる。
次に、図1も適宜参照しながら芳香カートリッジ製造工程[手段](G)について説明する。上記のようにして得られた、エアロゾル形成基材(110)と、以下に詳しく説明する支持要素(300)と、マウスピース(140)とを、包装部材(150)で巻くか、または予め包装部材(150)を円筒形状に形成しておき、マウスピース(140)、支持要素(300)、および充填物(110)を順次挿入することにより、芳香カートリッジを作製することができる。
従って、本発明の好適な構成の例として、上流側Uから下流側Dに向かって、エアロゾル形成基材(110)、支持要素(300)、およびマウスピース(140)が順に配置された芳香カートリッジが挙げられる。
本発明によれば、芳香カートリッジ用充填物を有する芳香カートリッジを、エアロゾル形成基材の周囲から加熱して使用する場合において、以下のような芳香カートリッジ用充填物の形態であっても、ユーザーのハンドリングの際に、使用前および使用後の芳香カートリッジから、芳香カートリッジ用充填物が脱落したり、落下したりすることを防止する効果を十分に発揮することができる。このような形態として、例えば形状が、長さ10〜70mm、幅0.5〜3.0mm、厚さ0.1〜0.5mmの短冊状、または、長さ10〜70mm、外径0.2〜3.0mmの棒状である芳香カートリッジ用充填物を挙げることができる。
微結晶セルロースを含有する芳香カートリッジ用充填物を用いる場合、上記のような形状であっても、以下のような優れた効果が得られる。すなわち、微結晶セルロースは、芳香カートリッジ用充填物に含まれる他の成分との馴染みがよいため、機械的強度や構造維持性が向上し、芳香カートリッジ用充填物の長さ、幅、厚さおよび体積の経時的な変化が低減される。つまり、芳香カートリッジ用充填物の収縮などによる長さ、幅、厚さおよび体積の経時的変化を抑制できる点で有効である。これにより、芳香カートリッジ用充填物の成形性向上や、ロールミル等による混練などの際の作業性改善などの効果を得ることができる。
また、本発明における所定の粒径の微結晶セルロースを芳香カートリッジ用充填物に添加することで、上記のような形状の芳香カートリッジ用充填物とした場合においても、長さ、幅、厚さおよび体積の経時的変化を抑制できるほか、運搬・輸送時に生じうる芳香カートリッジから芳香カートリッジ用充填物が脱落する不具合を抑制することができる。また、前記のような経時的変化を抑制することにより、製造後の期間経過によらず、使用感を均質化できるなど、品質維持管理の点においても有効である。
また、芳香カートリッジ用充填物としての好ましい形態として、長さ10〜70mm、幅0.5〜3.0mm、厚さ0.1〜0.5mmの形状を挙げることができる。このような形状は、比較的表面積が大きいため、喫煙時に非タバコ材の風味が出やすい形状といえる。
また、本発明の別の側面によれば、喫煙具本体の加熱要素に、芳香カートリッジ用充填物を有する芳香カートリッジを挿入して使用する場合において、以下のような芳香カートリッジ用充填物の形態であっても、ユーザーのハンドリングの際に、使用前および使用後の芳香カートリッジから、芳香カートリッジ用充填物が脱落したり、落下したりすることを防止する効果を十分に発揮することができる。このような形態として、例えば、長さ10〜70mm、幅0.5〜3.0mm、厚さ0.1〜0.5mmの短冊状または棒状である芳香カートリッジ用充填物を挙げることができる。
本発明のような微結晶セルロースを含有する芳香カートリッジ用充填物を用いれば、上記のような長さ10〜70mm、幅0.5〜3.0mm、厚さ0.1〜0.5mmの短冊状または棒状であっても以下のような優れた効果が得られる。すなわち、微結晶セルロースは、芳香カートリッジ用充填物に含まれる他の成分との馴染みがよいため、芳香カートリッジ用充填物の機械的強度や構造維持性が向上し、芳香カートリッジ用充填物の長さ、幅、厚さおよび体積の経時的な変化が低減される。つまり、芳香カートリッジ用充填物の収縮などによる長さ、幅、厚さおよび体積の経時的変化を抑制できる点で有効である。これにより、芳香カートリッジ用充填物の成形性向上や、ロールミル等による混練などの際の作業性改善などの効果を得ることができる。
また、本発明における所定の粒径の微結晶セルロースを芳香カートリッジ用充填物に添加することで、上記のような形状の芳香カートリッジ用充填物とした場合においても、長さ、幅、厚さおよび体積の経時的変化を抑制できるほか、運搬・輸送時に生じうる芳香カートリッジから芳香カートリッジ用充填物が脱落する不具合を抑制することができる。また、前記のような経時的変化を抑制することにより、製造後の期間経過によらず、使用感を均質化できるなど、品質維持管理の点においても有効である。
また、本発明のさらに別の側面によれば、喫煙具本体の加熱要素に、芳香カートリッジ用充填物を有する芳香カートリッジを挿入して使用する場合において、以下のような芳香カートリッジ用充填物の形態であっても、ユーザーのハンドリングの際に、使用前および使用後の芳香カートリッジから、芳香カートリッジ用充填物が脱落したり、落下したりすることを防止する効果を十分に発揮することができる。このような形態として、例えば、長さ10〜70mm、幅0.5〜3.0mm、厚さ0.1〜0.5mmの短冊状の芳香カートリッジ用充填物、または長さ10〜20mm、外径0.2〜3.0mmである棒状の芳香カートリッジ用充填物を挙げることができる。
本発明のような微結晶セルロースを含有する芳香カートリッジ用充填物を用いれば、上記のような形状であっても以下のような優れた効果が得られる。すなわち、微結晶セルロースは、芳香カートリッジ用充填物に含まれる他の成分との馴染みがよいため、芳香カートリッジ用充填物の機械的強度や構造維持性が向上し、芳香カートリッジ用充填物の長さ、幅、厚さおよび体積の経時的な変化が低減される。つまり、芳香カートリッジ用充填物の収縮などによる長さ、幅、厚さおよび体積の経時的変化を抑制できる点で有効である。これにより、芳香カートリッジ用充填物の成形性向上や、ロールミル等による混練などの際の作業性改善などの効果を得ることができる。
また、本発明における所定の粒径の微結晶セルロースを芳香カートリッジ用充填物に添加することで、上記のような形状の芳香カートリッジ用充填物とした場合においても、長さ、幅、厚さおよび体積の経時的変化を抑制できるほか、運搬・輸送時に生じ得る芳香カートリッジから芳香カートリッジ用充填物が脱落する不具合を抑制することができる。また、前記のような経時的変化を抑制することにより、製造後の期間経過によらず、使用感を均質化できるなど、品質維持管理の点においても有効である。
なお、本発明の一実施形態において、芳香カートリッジ用充填物は、長さ10〜70mm、幅0.5〜3.0mm、厚さ0.1〜0.5mmの短冊状、または、長さ10〜70mm、外径0.2〜3.0mmの棒状であり、好ましくは長さ10〜20mmである。
上記のようにして作製された芳香カートリッジ用充填物の特性は、以下の方法により確認することができる。すなわち、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の乾燥前後の長さ、厚さ、および体積の変化を観察する方法である。
具体的には、作製した非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物を、ハロゲン水分計(電子ハロゲン水分測定器)を用いて乾燥し、乾燥前後におけるシートまたは充填物の長さ、幅、厚さおよび体積を測定し、その変化率を評価する方法である。
本発明において、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の乾燥前の長さ、幅、厚さ、および体積は、前記非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の水分の含有量が、15〜20質量%であるときに測定される。この水分量に調整するには、例えば、28℃〜30℃の温度で、相対湿度40%RH程度の雰囲気で保管することにより調整することができる。
水分量の測定は、ハロゲン水分計(電子ハロゲン水分測定器)、型番DHS−50−5(Bangxi Instrument Technology Co.Ltd.社製)を用いる。自動乾燥モードにて、乾燥温度を105℃とし、自動測定終了時の失水率から水分量(質量%)を求める。なお、自動測定モードにおいては、失水率は、測定前のサンプル質量から測定終了時のサンプル質量を差し引き、測定前のサンプル質量で除したものである。前記質量の変化分を水分の含有量とする。
非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さ、幅、厚さ、および体積の変化率の値は、乾燥前の長さ、幅、厚さ、および体積の各数値から所定時間乾燥後の長さ、幅、厚さ、および体積の各数値を差し引き、乾燥前の長さ、幅、厚さ、および体積の各数値で除したものである。
具体的には、幅15mm、長さ50mm、厚さ0.3mmの形状のサンプルを用いて評価する。この形状のサンプルを用いて測定した場合の各変化率について、下記で説明する。
乾燥前における非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さをL0とし、105℃で乾燥時間10分経過後における非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さをL10としたとき、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の乾燥時間10分経過後の長さ変化率La(%)は、以下の式で定義される。
La(%)=(L0−L10)/L0×100
また、105℃で乾燥時間15分経過後における非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さをL15としたとき、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の乾燥時間15分経過後の長さ変化率Lb(%)は、以下の式で定義される。
Lb(%)=(L0−L15)/L0×100
以下、乾燥時間10分経過後の幅変化率Wa(%)、乾燥時間15分経過後の幅変化率Wb(%)、乾燥時間10分経過後の厚さ変化率Ta(%)、乾燥時間15分経過後の厚さ変化率Tb(%)、乾燥時間10分経過後の体積変化率Va(%)、および乾燥時間15分経過後の厚さ変化率Vb(%)についても同様に、下記表2のように定義される。
本発明においては、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さ変化率La(%)が7.2%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該Laは、より好ましくは7.0%以下であり、さらに好ましくは6.5%以下である。
また、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さ変化率Lb(%)が8.1%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該Lbは、より好ましくは8.0%以下であり、さらに好ましくは7.5%以下である。
本発明においては、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の体積変化率Va(%)が13.1%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該Vaは、より好ましくは13.0%以下であり、さらに好ましくは12.5%以下である。
また、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の体積変化率Vb(%)が14.3%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該Vbは、より好ましくは14.0%以下であり、さらに好ましくは13.5%以下である。
本発明においては、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の幅変化率Wa(%)が5.0%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該Waは、より好ましくは4.5%以下であり、さらに好ましくは4.0%以下である。
また、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の幅変化率Wb(%)が5.1%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該Wbは、より好ましくは5.0%以下であり、さらに好ましくは4.5%以下である。
本発明においては、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の厚さ変化率Ta(%)が1.2%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該Taは、より好ましくは1.0%以下であり、さらに好ましくは0.8%以下である。
また、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の厚さ変化率Tb(%)が1.5%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該Tbは、より好ましくは1.4%以下であり、さらに好ましくは1.1%以下である。
なお、La、Lb、Wa、Wb、Ta、Tb、VaおよびVbの下限値は0である。
さらに、他の方法として、長さ12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの形状のサンプルを用いて評価する方法がある。この形状のサンプルを用いて測定した場合の各変化率について、下記で説明する。なお、幅15mm、長さ50mm、厚さ0.3mmの形状のサンプルを用いた場合と区別するために、各符号にダッシュを付けている。
乾燥前における非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さをL’0とし、105℃で乾燥時間10分経過後における非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さをL’10としたとき、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の乾燥時間10分経過後の長さ変化率L’a(%)は、以下の式で定義される:
L’a(%)=(L’0−L’10)/L’0×100。
また、105℃で乾燥時間15分経過後における非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さをL’15としたとき、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の乾燥時間15分経過後の長さ変化率L’b(%)は、以下の式で定義される。
L’b(%)=(L’0−L’15)/L’0×100
乾燥時間10分経過後の幅変化率W’a(%)、乾燥時間15分経過後の幅変化率W’b(%)、乾燥時間10分経過後の厚さ変化率T’a(%)、乾燥時間15分経過後の厚さ変化率T’b(%)、乾燥時間10分経過後の体積変化率V’a(%)、および乾燥時間15分経過後の厚さ変化率V’b(%)についても同様に、下記表5のように定義される。
本発明においては、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さ変化率L’a(%)が4.8%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該L’a(%)は、より好ましくは4.3%以下であり、さらに好ましくは3.8%以下である。
また、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の長さ変化率L’b(%)が5.8%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該L’bは、より好ましくは5.0%以下であり、さらに好ましくは4.1%以下である。
本発明においては、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の体積変化率V’a(%)が11.9%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該V’a(%)は、より好ましくは8.9%以下であり、さらに好ましくは5.8%以下である。
また、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の体積変化率V’b(%)が16.9%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該V’b(%)は、より好ましくは12.8%以下であり、さらに好ましくは8.6%以下である。
本発明においては、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の幅変化率W’a(%)が6.1%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該W’aは、より好ましくは3.8%以下であり、さらに好ましくは1.4%以下である。
また、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の幅変化率W’b(%)が10.4%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該W’b(%)は、より好ましくは7.1%以下であり、さらに好ましくは3.7%以下である。
本発明においては、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の厚さ変化率T’a(%)が1.2%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該T’aは、より好ましくは1.0%以下であり、さらに好ましくは0.8%以下である。
また、非タバコ材組成物のシートまたは芳香カートリッジ用充填物の厚さ変化率T’b(%)が1.5%以下であると、芳香カートリッジからの充填物の脱落をより抑制することができ、好ましい。該T’bは、より好ましくは1.4%以下であり、さらに好ましくは1.1%以下である。
なお、L’a、L’b、W’a、W’b、T’a、T’b、V’aおよびV’bの下限値は0である。
上記したように、微結晶セルロースを含む芳香カートリッジ用充填物を用いた本発明の芳香カートリッジは、製造後の長さ、幅、厚さおよび体積の減少などの経時的変化を抑制することができる。これにより、芳香カートリッジからの芳香カートリッジ用充填物の脱落などの不具合を低減できることに加え、芳香カートリッジの使用感に影響するエアロゾル流動性の変化などを抑制し、製造後の期間経過によらず、好適な使用感を維持し均質化できるなどの点においても有効である。
また、メントールおよびポリビニルポリピロリドン(非水溶性架橋ポリマー)を含有する芳香カートリッジ用充填物の特性は、以下の方法により確認することができる。すなわち、非タバコ材組成物または芳香カートリッジ用充填物に含有されるメントールが失われる様子を観察する方法である。
本発明においては、作製した芳香カートリッジ用充填物を17℃、相対湿度65%RHの環境下で5g〜10g程度精秤した後、ポリエチレン袋に密封して24時間または48時間、5℃の環境下で保管する。24時間または48時間経過後に前記芳香カートリッジ用充填物の表面を観察し、白色の結晶物の析出状態を観察する。白色の結晶物が観察されることは、メントールが芳香カートリッジ用充填物から昇華しつつ結晶化していることを意味している。さらに、密封状態のまま、3時間、17℃、相対湿度65%RHの環境下に置いてから開封し、直ちに芳香カートリッジ用充填物を精秤し、質量の変化分を求める。この方法により、メントールの失われ方を定量的に測定することが可能となる。
5℃の環境下で保管試験を行う理由は、芳香カートリッジ用充填物の他の成分の散逸を抑える条件で、且つメントールの散逸の状態を評価するのによい条件だからである。特に、白色の結晶物を析出しないようにすることは、芳香カートリッジが製造後に包装されて市場に置かれ、輸送・保管された際に、析出したメントールを見て消費者が違和感を覚えることがないようにする効果もある。
本発明においては、17℃、相対湿度65%RHの環境下5g〜10g程度を精秤した後の芳香カートリッジ用充填物中のメントールの含有量をd(0)とし、5℃で24時間放置後の芳香カートリッジ用充填物の質量をd(24)とし、5℃で48時間放置後の芳香カートリッジ用充填物の質量をd(48)とした際のメントール減少率dを、以下の式で定義する。
d={(d(24)−d(48)}/d(0)
ここで、上記式でd(24)からd(48)を差引く理由は、メントール以外の散逸成分を考慮したものであり、24時間から48時間までの散逸成分が、上記白色の結晶物の析出をよりよく反映するからである。
本発明においては、dが0.60以下であると、白色の結晶物の析出を抑制することができるため好ましい。当該dは0.50以下であるとより好ましく、0.30以下であるとさらに好ましく、0.20以下であると特に好ましい。
上記した本発明の芳香カートリッジは、比較的表面積が大きいため、喫煙時にメントールの風味が出やすい反面、メントールが昇華しやすい形状といえる。しかしながら、本発明のようなメントールとポリビニルポリピロリドン(非水溶性架橋ポリマー)とを含有する芳香カートリッジ用充填物を用いれば、芳香カートリッジを上記のような形状とした場合においても、効果的にメントールの昇華を抑制することができる。また、その製造工程[手段]において、予め低級アルコール、好ましくはエチルアルコールにメントールを溶解したものを用いることで、さらに優れたメントールの昇華抑制効果を得ることができる。
次に、製造された芳香カートリッジ用充填物の使用例を説明する。
図1は、芳香カートリッジの使用の形態の一例を示す図である。芳香カートリッジ(100)は、ユーザーの使用時に喫煙具本体(200)に装着される。喫煙具本体(200)には、芳香カートリッジ(100)を差し込むための差し込み部(210)が設けられている。
差し込み部(210)内の底の中央部には、加熱要素(211)が設けられており、加熱要素(211)は、先端が尖っているピン状またはブレード状の部材を有し、エアロゾル形成基材(110)内に挿入され、エアロゾル形成基材(110)を加熱する。より具体的には、加熱要素(211)は、芳香カートリッジ(100)が喫煙具本体(200)の差し込み部(210)に刺し込まれる際に、エアロゾル形成基材(110)の中央部に挿入される。
加熱要素(211)は、喫煙具本体(200)内に設けられているバッテリー(不図示)から供給される電力によって、直接的または間接的に発熱する。この加熱要素(211)の熱によってエアロゾル形成基材(110)が温められることにより、芳香成分を含むエアロゾルが発生する。そして、発生したエアロゾルは、以下で説明する支持要素(300)およびエアロゾル移送部材(130)を経てマウスピース(140)へ移送され、ユーザーがマウスピース(140)側から吸い込むことで、芳香成分がユーザーの口内へ届くことになる。以下、本発明の説明のために芳香カートリッジのエアロゾル形成基材(110)側を上流側Uと称し、マウスピース(140)側を下流側Dと称する。また、上流側Uを一端側Uといい、下流側Dを他端側Dということがある。
なお、図1は、加熱要素(211)がピン状またはブレード状の部材を1本有する場合を図示しているが、別の形態の例としては、加熱要素(211)がピン状またはブレード状の部材を複数有しているものが例示できる。
図2は、芳香カートリッジ(100)の構造の一例を示す図である。図2に示す芳香カートリッジ(100)は、加熱要素(211)の挿入される側から、すなわち、上流側Uから下流側Dに向かって、エアロゾル形成基材(110)、支持要素(300)、移送部材(130)、およびマウスピース(140)が順に配置された構成を有する。
支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)を支持する。支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)に隣接して配置され、前記支持要素(300)の側部(160)は、芳香カートリッジ(100)の周縁に位置する包装部材(150)と接する。側部(160)は、例えば接着剤により包装部材(150)の内面に固定されている。
また、支持要素(300)は、好適には、例えばシリコーンを使用して形成されうるが、シリコーンに限定されず、耐熱性に優れた他の材料を使用してもよい。
図3に示すように、エアロゾル形成基材(110)を構成する芳香カートリッジ用充填物(111)は、その形状が短冊状または棒状であり、充填の際に充填物(111)の形状の長手方向に沿わせるようにして詰められることが好ましい。ここでは、円筒形状に形成した包装部材(151)に充填した例を示している。包装部材(151)としては、タバコ紙等の紙を円筒形状に形成したものを用いることができる。また、包装部材(150)が包装部材(151)を兼ねていてもよい。これにより、気流が安定し、ユーザーがエアロゾル形成基材(110)からの芳香成分を吸い込みやすくなる。
図4は、芳香カートリッジの作製方法の一例を示す図である。図4は、以上のように形成されたエアロゾル形成基材(110)、移送部材(130)、およびマウスピース(140)と、以下に例示される支持要素(300)とを、エアロゾル形成基材(110)、支持要素(300)、移送部材(130)、およびマウスピース(140)の順で配置し、タバコ紙等の包装部材(150)で巻きロッドを形成する様子を示している。この際、支持要素の側部(160)には、少量の接着剤が塗布されている。
上記構成を有する芳香カートリッジ(100)は、例えば、以下の方法によって作製できる。例えば、適当な内径を有する紙製筒等の包装部材(150)を準備し、その内面(側部(160))に対して接着剤を塗布する。この包装部材(150)の一端側Uから支持要素(300)を挿入した後、エアロゾル形成基材(110)を挿入する。また、他端側Dから、マウスピース(140)を挿入する。この際、必要に応じて、マウスピース(140)を挿入する前に、移送部材(130)を挿入してもよい。
次に、本発明の芳香カートリッジの使用例を詳細に説明する。
芳香カートリッジ(100)は、図2に示すように、例えば棒状または円筒形状の外観を有している。
芳香カートリッジ(100)の内部は、例えば、図2に示すように、一端にエアロゾル形成基材(110)が設けられ、他端側Dのマウスピース(140)に向けて、支持要素(300)、および移送部材(130)が、この順で配置されている。そして、これらを包装部材(150)によって包装されている。
エアロゾル形成基材(110)は、芳香カートリッジ用充填物を有する。エアロゾル形成基材(110)は、加熱により芳香カートリッジ用充填物の原料となった植物が有する芳香成分を含むエアロゾルを発生する。
エアロゾル形成基材(110)に用いられる芳香カートリッジ用充填物は、図3に示すように、その形状が、例えば、短辺に対して長辺が2〜20倍程度となる片状や、短冊状、棒状などの場合、芳香カートリッジ用充填物(111)の形状の長手方向を、芳香カートリッジの長手方向に沿わせるようにして詰めることが好ましい。これにより、気流の流れがよく吸い込みやすくなる。なお、図3は、芳香カートリッジに含まれるエアロゾル形成基材(110)のある側の端から見た図であって、カートリッジ内部の充填物(111)が見えるように一部透視図とした。本発明の一実施形態によれば、短冊状または棒状の芳香カートリッジ用充填物の長さが10〜70mmである。本発明の別の側面によれば、短冊状または棒状の芳香カートリッジ用充填物の長さが10〜20mmである。このような長さであれば、カートリッジへの充填の際に、取り扱いが容易になる。
本発明の別の側面によれば、平板状で形状をほぼ一定にした芳香カートリッジ用充填物であれば、巻いて詰めることができるので、取り扱いが容易である。
本発明の別の側面によれば、非タバコ材組成物のシートとして、しわ付け、ひだ付け、ギャザー付け、または折りたたむことにより形成されたものを使用して、芳香カートリッジ用充填物を作製することができる。
本発明の別の側面によれば、本発明に係る芳香カートリッジ用充填物は、繊維状とすることができる。繊維状の芳香カートリッジ用充填物は、短冊状または棒状のものと同様に、繊維の長さ方向をカートリッジの長手方向に沿うように詰めることで、吸引された空気の流れをよくすることができる。
本発明の別の側面によれば、本発明に係る芳香カートリッジ用充填物は、多孔質状とすることができる。多孔質状の芳香カートリッジ用充填物は、カートリッジに詰めて吸引されたときに、空気の流れをよくすることができる。芳香カートリッジ用充填物を多孔質状にする方法としては、例えば、複数の針で乾燥したシートを何度か突き刺すなどの方法が挙げられるが、他の方法であってもよい。
本発明の別の側面によれば、本発明に係る芳香カートリッジ用充填物は、片状、正方形、長方形、もしくは菱形などの平板状、粉体状、顆粒状、またはペレット状とすることができる。このような形状の芳香カートリッジ用充填物は、カートリッジ開口部に落とし込むようにして容易に詰めることができる。また、カートリッジへ詰める量(充填量)を細かく調整することが可能となり、詰める量によって吸引されたときの空気の流れを調整しやすい。さらに、前記カートリッジ開口部に蓋をするなど脱落防止の対応をとることで、より使用しやすくなる。
本発明の別の側面によれば、ブロック状の芳香カートリッジ用充填物は、熱伝導性がよく芳香成分を引き出しやすい。また、ブロックの大きさを大きくして保存しやすいようにしてもよい。その場合、充填時に、大きなブロック状である芳香カートリッジ用充填物を小さなブロック状に再成形したり、棒状、粒状などの形状に再成形したりすることができる。
図2に示すように、支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)を支持する。支持要素(300)は、エアロゾル形成基材(110)に隣接して配置され、中心部または側部に気流の通し穴や切り欠きなどを有して、エアロゾル形成基材(110)から発生したエアロゾルをマウスピース(140)方向へ流すことができる。
マウスピース(140)は、移送部材(130)に隣接し、芳香カートリッジ(100)の他端側Dに配置される。マウスピース(140)は、微粒子を取り除くフィルターとして、例えばセルロースアセテートフィルターを含んでいてもよい。マウスピース(140)のフィルターを通過した香気成分は、ユーザーによって吸引される。
移送部材(130)の有無を比較すると、移送部材(130)がない方が通気性はよく、発生した芳香成分を吸引しやすい。他方、移送部材(130)を設けて、発生したエアロゾルを冷やすことができる機能を追加するのも好ましい。移送部材(130)を追加する代わりに、マウスピースを延長して、支持要素(300)に隣接または接する構成とすることも好ましい。このような構成であれば、マウスピースに使用するフィルターに冷却の機能を兼ねさせることができ、部品点数を減らすことができるからである。移送部材(130)としては、中空の管状部材を用い、芳香カートリッジの長手方向に、捲縮されたポリマーシートを巻いたもの等を使用することができる。
図5は、芳香カートリッジの変形例を示す図である。
図5の(1)は、エアロゾル形成基材(110)と支持要素(300)とが接触する構成を示しており、安定的にエアロゾル形成基材(110)を支持することができるので好ましい形態である。また、構成が単純であることから製造上の利点も大きい。
図5の(2)は、エアロゾル形成基材(110)と支持要素(300)との間に隔壁部材(180)を設け、隔壁部材(180)を介して接するような構成とするものである。隔壁部材(180)としては、例えば、通気性のよいフィルター、紙などを用い、加熱要素(211)が挿入された際には破砕するようなものが好ましい。このような隔壁部材(180)を設けると、輸送時等の物流での影響で、エアロゾル形成基材(110)が芳香カートリッジ内で移動してしまうことを防止するという効果が得られる。
図5の(3)は、エアロゾル形成基材(110)の加熱要素(211)が挿入される側に蓋(170)を設ける構成を示している。このような構成であれば、エアロゾル形成基材(110)の芳香の散逸防止に効果があるため好ましい。さらに、輸送時等の物流での影響で、エアロゾル形成基材(110)が芳香カートリッジから外側に脱落することを防止するという効果も得られる。蓋(170)の材質としては、フィルター、紙、スポンジなどが挙げられる。なお、加熱要素が挿入される場合は、蓋(170)に1本またはそれ以上の切れ目を入れること、または、加熱要素が挿入される場所に、円形または多角形の誘導穴を設けることも好ましい形態である。
本発明の別の側面によれば、エアロゾル形成基材(110)に充填される芳香カートリッジ用充填物として、粉体状、顆粒状、フレーク状、ペレット状等の粒状のものを用いた場合は、隔壁部材(180)および蓋(170)の少なくとも一方を設けることが好ましく、その両方を設けることがより好ましい。
本発明の別の側面によれば、芳香カートリッジとして例示される具体的な一つの形態は、以下の通りである。エアロゾル形成基材(110)においては、芳香カートリッジ用充填物をタバコ紙等で包接した略円筒形状であって、前記略円筒の底面または上面の直径が、6.5〜7.5mmであり、前記略円筒の高さが11.0〜13.0mmである。さらに、芳香カートリッジ用充填物が短冊状または棒状であって、前記芳香カートリッジの長手方向に沿って充填されており、かつ長さが前記略円筒の高さと略等しい、すなわち長さが11.0〜13.0mmである。
本発明の別の側面によれば、支持要素(300)の外径は、前記エアロゾル形成基材(110)の略円筒の底面または上面の直径とほぼ等しい。また、支持要素(300)の長さは、9.0〜11.0mmである。
本発明の別の側面によれば、マウスピース(140)は、長さが20.0mmを超え、例えば長さが21.0〜25.0mmである。
本発明の別の側面によれば、エアロゾル形成基材の体積充填率は、0.55以上0.65以下である。
図6は、芳香カートリッジの他の使用の形態を示す図である。前述の芳香カートリッジ(100)と具体的な構成に異なっている部分があるので、芳香カートリッジ(500)として、以下に説明する。使用される喫煙具本体についても、前述の喫煙具本体(200)と異なっている部分があるので、喫煙具本体(400)として以下に説明する。
ユーザーの使用時に、芳香カートリッジ(500)は、喫煙具本体(400)に装着される。喫煙具本体(400)には、芳香カートリッジ(500)を挿入するための挿入部(450)が設けられている。喫煙具本体(400)は、外装部(410)を有しており、芳香カートリッジ(500)の周囲を取り巻く加熱部(440)により、芳香カートリッジのエアロゾル形成基材(110)が加熱されエアロゾルが発生し、喫煙される。他端側Dからの喫煙時には、通気孔(431)から空気が流れ込み、発生したエアロゾルが、中空の筒部材(530)、移送部材(130)、およびマウスピース(140)を通過して喫煙される。制御部(420)には、バッテリーまたは加熱部の制御装置等が内蔵されている。開閉蓋(430)は、喫煙が終了した際に、喫煙具本体内部を清掃する際に開けるものである。
図7は、芳香カートリッジ(500)の構造の他の一例を示す図である。芳香カートリッジ(500)は、一端側Uから他端側Dに向かって、エアロゾル形成基材(110)、中空の筒部材(530)、移送部材(130)、およびマウスピース(140)が順に配置されており、これらは包装部材(150)で包み込まれている。喫煙具本体により、エアロゾル形成基材(110)部分が加熱されるため、中空の筒部材(530)を断熱のために配置している。移送部材(130)は、冷却部材の機能も兼ねることができる。
図7の芳香カートリッジ(500)の好ましい外径は4〜6mmであり、エアロゾル形成基材(110)の好ましい長さは10〜70mmであり、中空の筒部材(530)の好ましい長さは20〜30mmである。また、移送部材(130)の好ましい長さは5〜15mmであり、マウスピース(140)の好ましい長さは10〜25mmである。
図9は、エアロゾル形成基材および芳香カートリッジ用充填物の一例を示す図である。図9(A)に示すエアロゾル形成基材(20)は、円筒形状にされた包装部材(30)の内部に複数の芳香カートリッジ用充填物(10)を含み、例えば周囲から加熱されることによって、芳香カートリッジ用充填物(10)の材料となった植物が有する芳香成分等を含んだエアロゾルを発生する。例えば、エアロゾル形成基材(20)の外径は5.5mmであり、長さは42.0mmである。本発明の一実施形態において、エアロゾル形成基材(20)の長さは20mm超であり、好ましくは34mm以上である。また、エアロゾル形成基材(20)の長さは70mm以下であり、好ましくは54mm以下であり、より好ましくは50mm以下である。本発明の一実施形態において、エアロゾル形成基材(20)の長さは10〜70mmであり、好ましくは34〜54mmであり、より好ましくは34〜50mmである。
同様に、本発明の一実施形態において、芳香カートリッジ用充填物(10)の長さは10mm超であり、好ましくは34mm以上である。また、芳香カートリッジ用充填物(10)の長さは70mm以下であり、好ましくは54mm以下であり、より好ましくは50mm以下である。本発明の一実施形態において、芳香カートリッジ用充填物(10)の長さは10〜70mm以下であり、好ましくは34〜54mmであり、より好ましくは34〜50mmである。
図9(B)に示すエアロゾル形成基材(20)に充填される芳香カートリッジ用充填物(10)の各々は、例えば、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの短冊状に形成され、エアロゾル形成基材(20)の長手方向の一端から他端まで配置される。なお、短冊状の芳香カートリッジ用充填物(10)の長手方向は、図10に示すように、エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、マウスピース(60)、および芳香カートリッジ(80)の長手方向と略平行である。一例を挙げれば、エアロゾル形成基材(20)は、長さ42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmである短冊状の芳香カートリッジ用充填物(10)が31本、包装部材(30)で巻かれた円筒形状の部材である。包装部材(30)の内部に配置される芳香カートリッジ用充填物(10)の長手方向は、例えばエアロゾル形成基材(20)の長手方向と略平行である。
エアロゾル形成基材(20)の容積に対する芳香カートリッジ用充填物(10)の体積充填率は、例えば、0.60程度である。芳香カートリッジ用充填物(10)の体積充填率は、ユーザーに与える芳香の強さやユーザーの吸引しやすさ等を考慮して決定することができる。エアロゾル形成基材(20)の容積に対する芳香カートリッジ用充填物(10)の体積充填率は、例えば0.55以上0.65以下であることが好ましい。
なお、例えば、長さが42.0mm未満である芳香カートリッジ用充填物(10)を、エアロゾル形成基材(20)の長手方向に隣接して配置する、または一部重畳して配置するなどにより、エアロゾル形成基材(20)を構成することもできる。
図10に示す冷却領域確定部材(40)は、上流側Uでエアロゾル形成基材(20)と隣接する、例えば外径が5.5mmであり、長さが25mmである円筒形状に巻かれた厚紙である。
図10に示すフィルター部材(50)は、上流側Uで冷却領域確定部材(40)と隣接する。フィルター部材(50)は、例えば外径が5.5mmであり、長さが8mmである円筒形状に成形されたセルロースアセテート繊維である。
図10に示すマウスピース(60)は、上流側Uでフィルター部材(50)と隣接する。マウスピース(60)は、例えば外径が5.5mmであり、長さが8mmである円筒形状に巻かれた厚紙である。
エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、およびマウスピース(60)の外径は、4.7〜6.1mmであることが好ましい。このような外径を有するエアロゾル形成基材は、エアロゾル形成基材の周囲から加熱するような喫煙具本体に好ましく用いられるものとなる。周囲から得られた熱を、エアロゾル形成基材全体に効率的に伝わるからである。喫煙用の物品はその断面が、通常は円形であるため「外径」と表現をしているが、その断面が、例えば矩形等であることを想定すると、周囲長で表現することが好ましく、その場合、周囲長が14.8〜19.2mmである。
エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、および、マウスピース(60)は、包装部材(70)によって包装されている。
なお、図9および図10に示された各寸法は一例に過ぎず、これら以外の寸法であってもよい。
図11は、芳香カートリッジ(80)の使用形態を示す概略的な断面図である。
芳香カートリッジ(80)は、喫煙具本体(90)に装着されて使用される。喫煙具本体(90)は、喫煙具本体(90)内に配置されるバッテリー(図示せず)から供給される電力を用い、芳香カートリッジ(80)のエアロゾル形成基材(20)部分を、その周囲から加熱する。加熱されたエアロゾル形成基材(20)からは芳香成分を含むエアロゾルが発生し、発生したエアロゾルは、上流U側から下流D側に向かって移動して、マウスピース(60)部分からユーザーに吸引される。
エアロゾルは、円筒形状に巻かれた厚紙である冷却領域確定部材(40)の内部を通過する際に冷却される。すなわち、冷却領域確定部材(40)の内部は、エアロゾルを冷却する冷却領域である。冷却領域は、冷却領域確定部材(40)によって確定される。フィルター部材(50)は、例えばユーザーが吸引する気体に含まれる微粒子を除去する。
図12〜図16は、変形例による芳香カートリッジを示す概略的な斜視図である。
第1変形例をもって実施態様の一つを説明する。
図12に、第1変形例による芳香カートリッジの概略的な斜視図を示す。
第1変形例による芳香カートリッジは、実施例における芳香カートリッジ(80)において、包装部材(70)およびフィルター部材(50)の対応位置に、フィルター部材(50)の周方向に沿って等間隔に複数の孔(換気領域)(50a)が形成されている。孔(50a)によって、包装部材(70)は貫通され、フィルター部材(50)には凹部が形成される。孔(50a)は、フィルター部材(50)の一方の端部側から、距離2mmの位置に穿孔される。孔(50a)の数は、例えば12個〜36個、一例として24個である。
フィルター部材(50)に孔(50a)が形成されているため、ユーザーは芳香成分を含んだエアロゾルを一層吸引しやすくなると共に、ユーザーがマウスピース(60)より吸引をする際、冷却領域確定部材(40)によって確定される冷却領域中に滞留する非タバコ材の天然の芳香を含むエアロゾルは、孔(50a)から流入した外気と共に冷却される結果として、より微細なエアロゾル粒子をユーザーが吸い込む吸気中に良好に分散した状態とすることが期待され、このように発生したエアロゾルは芳香を楽しむために良く適したものとなることが期待される。また、ユーザーは芳香成分を含んだエアロゾルを一層吸引しやすくなると共に、ユーザーによって高温のエアロゾルを吸引されることをさらに避けることができるようになるから、非タバコ材の天然の芳香をさらに楽しむことができるような芳香カートリッジになる。
第2変形例をもって実施態様の一つを説明する。
図8に、第2変形例による芳香カートリッジの概略的な斜視図を示す。
第1変形例においては、包装部材(70)およびフィルター部材(50)の対応位置に、フィルター部材(50)の周方向に沿って等間隔に複数の孔(50a)が形成されているが、第2変形例においては、包装部材(70)および冷却領域確定部材(40)の対応位置に、冷却領域確定部材(40)の周方向に沿って等間隔に複数の孔(換気領域)(50b)が形成されている。孔(50b)は、包装部材(70)および冷却領域確定部材(40)を構成する厚紙を貫通する貫通孔である。孔(50b)は、冷却領域確定部材(40)の他方の端部側から、距離2mmの位置に穿孔される。孔(50b)の数は、例えば12個〜36個、一例として24個である。
フィルター部材(50)に孔(50b)が形成されているため、ユーザーがマウスピースより吸引をする際、冷却領域確定部材(40)によって確定される冷却領域中に滞留する非タバコ材の天然の芳香を含むエアロゾルは、孔(50b)より流入した外気と共に強く攪拌・冷却される結果として、より微細なエアロゾルをユーザーが吸い込む吸気中にさらに良好に分散した状態とすることが期待され、このように発生したエアロゾルは芳香を楽しむためにより良く適したものとなることが期待される。また、ユーザーは芳香成分を含んだエアロゾルを一層吸引しやすくなると共に、ユーザーによって高温のエアロゾルを吸引されることをさらに避けることができるようになるから、非タバコ材の天然の芳香をさらに楽しむことができるような芳香カートリッジになる。
また、第2変形例の他の実施形態では、第2変形例による芳香カートリッジにおいて円筒形状に巻かれた厚紙で構成されるマウスピース(60)を含まない。例えば、図15を参照して説明すると、ユーザーが口をつけて吸引するマウスピース領域(50m)は、フィルター部材(50)の下流D側領域に確定される。円筒形状に成形されたセルロースアセテート繊維で構成されるフィルター部材(50)の長さは、第2変形例では8mmとしているところ、第2変形例の他の実施形態では、16mmに設定される。
また、第2変形例の別の実施形態では、第2変形例による芳香カートリッジにおいて円筒形状に巻かれた厚紙で構成されるマウスピース(60)を含まない。例えば、図15を参照して説明すると、ユーザーが口をつけて吸引するマウスピース領域(50m)は、フィルター部材(50)の下流D側領域に確定される。第2変形例では、冷却領域確定部材(40)を25mmとしているところ、第2変形例の別の実施形態では、30〜35mm、例えば31mmとし、フィルター部材(50)の長さを、例えば10mmとする実施態様が挙げられる。冷却領域確定部材(40)を長くとることができるため、大きく吸い込んだとしても非タバコ材の天然の芳香や味わいを安定して得られるという利点がある。
第3変形例をもって実施態様の一つを説明する。
図14に、第3変形例による芳香カートリッジの概略的な斜視図を示す。
第3変形例による芳香カートリッジは、実施例における芳香カートリッジ(80)において、包装部材(70)およびフィルター部材(50)の対応位置に、フィルター部材(50)の周方向に沿って等間隔に複数の孔(50a)が形成され、かつ、包装部材(70)および冷却領域確定部材(40)の対応位置に、冷却領域確定部材(40)の周方向に沿って等間隔に複数の孔(50b)が形成されている。孔(50a)は、フィルター部材(50)の一方の端部側から、距離2mmの位置に穿孔される。孔(50b)は、冷却領域確定部材(40)の他方の端部側から、距離2mmの位置に穿孔される。
従って、ユーザーがマウスピースより吸引をする際、冷却領域確定部材(40)によって確定される冷却領域中に滞留する非タバコ材の天然の芳香を含むエアロゾルは、孔(50b)より流入した外気と共に強く攪拌・冷却されることに加え、孔(50a)から流入した外気と共に冷却される結果として、より微細なエアロゾル粒子をユーザーが吸い込む吸気中に非常に良好な分散状態とすることの効果が相乗的に期待され、このように発生したエアロゾルは芳香を楽しむために非常に適したものとなることが期待される。また、ユーザーは芳香成分を含んだエアロゾルを一層吸引しやすくなると共に、ユーザーによって高温のエアロゾルを吸引されることをさらに避けることができるようになるから、第1、第2変形例においてより非タバコ材の天然の芳香をさらに楽しむことができるような芳香カートリッジになる。
第4変形例をもって実施態様の一つを説明する。
図15に、第4変形例による芳香カートリッジの概略的な斜視図を示す。
第4変形例による芳香カートリッジは、実施例において円筒形状に巻かれた厚紙で構成されるマウスピース(60)を含まない。ユーザーが口をつけて吸引するマウスピース領域(50m)は、フィルター部材(50)の下流D側領域に確定される。第4変形例においては、円筒形状に成形されたセルロースアセテート繊維で構成されるフィルター部材(50)の長さは、例えば16mmである。
第4変形例による芳香カートリッジは、順に隣接配置されたエアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)およびフィルター部材(50)を含む。芳香カートリッジは、外径5.5mm、長さ83mmの円筒形状の外観を呈する。
円筒形状に巻かれた厚紙で構成されるマウスピース(60)を含まないようにし、フィルター部材(50)で代用すると、芳香カートリッジを作成するうえで、部品点数が減り、組立の工数を減らすことができる。
また、第4変形例の他の実施態様として、冷却領域確定部材(40)を31mmとし、フィルター部材(50)の長さを、例えば10mmとする実施態様が挙げられる。冷却領域確定部材(40)を長くとることができるため、大きく吸い込んだとしても非タバコ材の天然の芳香や味わいを安定して得られるという利点がある。
また、第4変形例の別の実施態様として、冷却領域確定部材(40)を10〜15mm未満とする実施態様が挙げられる。例えば、冷却領域確定部材(40)を14mmとし、フィルター部材(50)の長さを、例えば27mmとする実施態様が挙げられる。冷却領域確定部材(40)を短くすると、第1回目の喫煙動作から非タバコ材の天然の芳香や味わいが十分得られることに利点がある。
第5変形例をもって実施態様の一つを説明する。
図16に、第5変形例による芳香カートリッジの概略的な斜視図を示す。
第5変形例による芳香カートリッジは、第4変形例による芳香カートリッジにおいて、包装部材(70)およびフィルター部材(50)の対応位置に、フィルター部材(50)の周方向に沿って等間隔に複数の孔(50a)が形成されている点で第4変形例と異なる。孔(50a)は、冷却領域確定部材(40)側端部近傍に形成されている。孔(50a)によって、包装部材(70)は貫通され、フィルター部材(50)には凹部が形成される。孔(50a)は、フィルター部材(50)の一方の端部から、距離2mmの位置に穿孔される。孔(50a)の数は、例えば12個〜36個、一例として24個である。
フィルター部材(50)に孔(50a)が形成されているため、ユーザーは芳香成分を含んだエアロゾルを一層吸引しやすくなると共に、ユーザーがマウスピースより吸引をする際、冷却領域確定部材(40)によって確定される冷却領域中に滞留する非タバコ材の天然の芳香を含むエアロゾルは、孔(50a)から流入した外気と共に冷却される結果として、より微細なエアロゾル粒子をユーザーが吸い込む吸気中に良好に分散した状態とすることが期待され、このように発生したエアロゾルは芳香を楽しむために良く適したものとなることが期待される。また、ユーザーは芳香成分を含んだエアロゾルを一層吸引しやすくなると共に、ユーザーによって高温のエアロゾルを吸引されることをさらに避けることができるようになるから、非タバコ材の天然の芳香をさらに楽しむことができるような芳香カートリッジになる。
円筒形状に巻かれた厚紙で構成されるマウスピース(60)を含まないようにし、フィルター部材(50)で代用すると、芳香カートリッジを作成するうえで、部品点数が減り、組立の工数を減らすことができる。
また、第5変形例の他の実施態様として、冷却領域確定部材(40)を31mmとし、フィルター部材(50)の長さを、例えば10mmとする実施態様が挙げられる。冷却領域確定部材(40)を長くとることができるため、大きく吸い込んだとしても非タバコ材の天然の芳香や味わいを安定して得られるという利点がある。
さらに、第5変形例の別の実施態様として、冷却領域確定部材(40)を10〜15mm未満とする実施態様が挙げられる。例えば、冷却領域確定部材(40)を14mmとし、フィルター部材(50)の長さを、例えば27mmとする実施態様が挙げられる。冷却領域確定部材(40)を短くすると、第1回目の喫煙動作から非タバコ材の天然の芳香や味わいが十分得られることに利点がある。
図15、図16に示すように、第4、第5変形例による芳香カートリッジにおいては、冷却領域確定部材(40)の長さを25mm、フィルター部材(50)の長さを16mmとしているが、冷却領域確定部材(40)およびフィルター部材(50)の長さは適宜変更可能である。例えば、冷却領域確定部材(40)の長さとフィルター部材(50)の長さの合計を41mmとする条件で、冷却領域確定部材(40)の長さを10〜35mm、フィルター部材(50)の長さを6〜31mm等とすることができる。また、独立に冷却領域確定部材(40)の長さを10mm以上と設定することも可能である。冷却領域確定部材(40)の長さが10mm以上であると、冷却の能力が十分で確保できるからである。
冷却領域確定部材(40)の長さが10mm以上15mm未満のときは第1回目の喫煙動作から非タバコ材の天然の芳香や味わいが十分得られることに利点があり、15〜30mmのときは喫煙当初以後の喫煙動作中に非タバコ材の天然の芳香や味わいを安定して得ることができ、30mm超のとき、大きく吸い込んだとしても非タバコ材の天然の芳香や味わいを安定して得られるという利点がある。ただし、30mm超の場合は45mm以下が好ましく、35mm以下であるとさらに好ましい。冷却領域確定部材(40)の長さが45mm以下であると、好ましい冷却状態が得られ、35mm以下であるとさらに好ましい冷却状態が得られるからである。
フィルター部材(50)に孔(50a)を穿孔する位置については、フィルター部材(50)の一方の端部側から4mm以内の領域に設けると、孔(50a)から流入した外気と共に冷却される結果として、より微細なエアロゾル粒子をユーザーが吸い込む吸気中に良好に分散した状態としやすく、2.5mm以内の領域に設けるとさらに効果的に分散した状態を達成することができるので好ましい。
冷却領域確定部材(40)に孔(50b)を穿孔する位置については、冷却領域確定部材(40)の他方の端部側から4mm以内の領域に設けると、孔(50b)より流入した外気と共に強く攪拌・冷却される結果として、より微細なエアロゾルをユーザーが吸い込む吸気中にさらに良好に分散した状態としやすく、他方の端部から2.5mm以内に設けるとさらに効果的に良好に分散した状態を達成することができるので好ましい。
以上、実施例および変形例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、実施例および変形例においては、長さ42mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの短冊状芳香カートリッジ用充填物(10)を用いたが、一例として、長さ20〜54mm、幅0.5〜3.0mm、厚さ0.1〜0.5mmの短冊状芳香カートリッジ用充填物を使用することができる。また、棒状とする場合は、長さ20〜54mm、外径0.2〜3.0mmの芳香カートリッジ用充填物とすることが可能である。
また、その他の例として、上記短冊状または棒状の充填物の長さを、34mm以上とすることも可能であり、50mm以下とすることも好ましく、34〜50mmとするのが好ましい。
上記のような短冊状または棒状である充填物は、喫煙具本体で加熱すると、非タバコ材の芳香成分を含むエアロゾルを発生させやすいので好ましい。
さらに、芳香カートリッジ用充填物は、芳香の元となる非タバコ材とエアロゾルフォーマを含有し、前記芳香の元となる非タバコ材を30質量%以上、90質量%以下含有すると共に、前記エアロゾルフォーマを5質量%以上40質量%以下含有し、前記芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材中に、芳香の元となる非タバコ材を0.12g以上含有し、かつ、エアロゾルフォーマを0.02g以上含有するように構成すると、特に、非タバコ材の天然の芳香を楽しむことのできる芳香カートリッジとすることができる。
なお、本明細書において、「棒状の芳香カートリッジ用充填物」とは、長手方向を有する形状であり、長手方向の直交方向の断面が真円状または楕円状の芳香カートリッジ用充填物であることを言う。また、「棒状の芳香カートリッジ用充填物」において、「外径」とは、断面が真円形状である場合は直径を、楕円形状である場合は長軸の長さを、それぞれ意味する。さらに、本明細書においては、前記長手方向の直交方向の断面が多角形である場合でも「棒状の芳香カートリッジ用充填物」であり、前記多角形に外接する1または2以上の円の内、最大の直径を有する外接円の直径を「外径」とする。
また、実施例および変形例においては、芳香カートリッジ用充填物(10)を包装部材(30)で巻いたエアロゾル形成基材(20)を用いたが、包装部材(70)が、芳香カートリッジ用充填物(10)を巻く包装部材(30)を兼ねる構成としてもよい。エアロゾルの気流が安定するため、ユーザーが芳香成分を吸い込みやすくなる。
さらに、実施例および変形例による芳香カートリッジにおいて、エアロゾル形成基材(20)の上流U側に蓋を配置してもよい。これにより、芳香カートリッジ用充填物(10)の芳香の散逸を抑制することができると共に、例えば芳香カートリッジを輸送する際、芳香カートリッジ用充填物(10)が芳香カートリッジから脱落することを防止可能である。蓋は、フィルター、紙、スポンジ等で形成することができる。さらに、蓋をエアロゾル形成基材(20)の下流D側に配置することも可能である。
また、第1、第2結合剤が、芳香の元となる非タバコ材を兼ねる構成としてもよい。
さらに、実施例においては、エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、および、マウスピース(60)をこの順に隣接配置し、タバコ紙等の包装部材(70)で巻いて芳香カートリッジを製造したが、予め円筒形に形成した包装部材(70)中に、エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、および、マウスピース(60)がこの順に配置されるように挿入して製造することもできる。一部の部材を包装部材(70)で巻いた後、残部の部材を挿入して製造することも可能である。一例として、第4変形例による芳香カートリッジ(図15参照)は、長さ42mmのエアロゾル形成基材(20)と長さ25mmの冷却領域確定部材(40)を、長さ83mmの包装部材(70)で巻いた後、長さ16mmのフィルター部材(50)を挿入して製造することが可能である。
また、実施例による芳香カートリッジの製造においては、エアロゾル形成基材(20)(長さ42mm)、冷却領域確定部材(40)(長さ25mm)、フィルター部材(50)(長さ8mm)、および、マウスピース(60)(長さ8mm)を、これらの部材の長さの和となる長さ83mmの包装部材(70)で巻いたが、これらの部材の長さの和より短い長さの包装部材(70)で巻いてもよい。例えば図17に示すように、マウスピース(60)(長さ8mm)、フィルター部材(50)(長さ8mm)、および、冷却領域確定部材(40)(長さ25mm)の全部とエアロゾル形成基材(20)の一部を覆う長さの包装部材(70)で巻いて芳香カートリッジを製造することができる。
なお、複数本の短冊状芳香カートリッジ用充填物がその長手方向を揃えて配置される、実施例および変形例による芳香カートリッジにおいては、例えば喫煙具本体への装着時に、エアロゾル形成基材(20)に含まれる芳香カートリッジ用充填物(10)が折れ、使用に支障をきたすという不具合が軽減される。芳香カートリッジ用充填物(10)を折れにくくするためには、芳香カートリッジ用充填物(10)が短冊状である場合、9本以上をエアロゾル形成基材(20)に含め、棒状である場合、15本以上をエアロゾル形成基材(20)に含めることが好ましい。
また、このような棒状または短冊状の充填物の長さは、エアロゾル形成基材(20)の長さと実質的に等しいとさらに折れにくくなる。
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
以下、本発明を製造例および実施例によってさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。
(製造例1)
紅茶の葉を70℃で乾燥させ、粉砕し、80メッシュの篩を通過したものを用いた。水分量は、2質量%であった。
紅茶葉の乾燥粉砕物 100質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
メントール 5質量部
微結晶セルロース 15質量部
ポリビニルポリピロリドン 10質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4質量部
キシリトール 1.5質量部
グルコマンナン 1質量部
を混合機に投入し、15分間混合を行い、非タバコ材組成物を得た。
なお、製造例1の微結晶セルロースは、平均粒子径が90μm、質量平均分子量(Mw)が36,000のものを使用した。さらに、微結晶セルロースの目開き75μmの篩上残留物は、微結晶セルロースの総量に対して52質量%であり、微結晶セルロースの目開き250μmにおける篩上残留物は、微結晶セルロースの総量に対して1質量%であった。
得られた非タバコ材組成物を、充填物成形工程[手段](F)に供した。非タバコ材組成物を3本ロールミルにて、混練・分散を兼ねながら所望の厚さのシートとした。本製造例では、非タバコ材組成物を3本ロールミルに投入し、シートの状態を見ながら純水20質量部を加え、ドクターブレードをロールに押し当てシート状物を採取とする工程[手段]を8回繰り返した。
このようにして得られた非タバコ材組成物のシートは、厚さが0.3mmであった。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物を、幅15mm、長さ50mm、厚さ0.3mmの長方形の形状に加工した。加工した前記非タバコ材組成物のシートの質量は約0.30gであった。このサンプルは、後に述べる評価1に供されるサンプルである。
(製造例2)
製造例1と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚み0.1mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm、横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚さ0.1mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物150本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。このように円柱状したもの(巻物)を長さ12.0mmに切断しエアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚さ0.1mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、充填物の体積充填率は、0.60であった。
(製造例3)
製造例1と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚み0.3mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを、縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚さ0.3mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物50本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。このように円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、充填物の体積充填率は、0.60であった。
(製造例4)
製造例1と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚み0.5mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚み0.5mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物30本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。このように円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚さ0.5mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
(製造例5)
微結晶セルロースを用いなかったことを除いては、製造例1と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。
得られた非タバコ材組成物を、充填物成形工程[手段](F)に供した。非タバコ材組成物を3本ロールミルにて、混練・分散を兼ねながら所望の厚さのシートとした。本製造例では、非タバコ材組成物を3本ロールミルに投入し、シートの状態を見ながら純水20質量部を加え、ドクターブレードをロールに押し当てシート状物を採取とする工程[手段]を8回繰り返した。
このようにして得られた非タバコ材組成物のシートは、厚さが0.3mmであった。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物を、さらに、幅15mm、長さ50mm、厚さ0.3mmの長方形の形状に加工した。加工した前記非タバコ材組成物のシートの質量は約0.30gであった。このサンプルは、後に述べる評価1に供されるサンプルである。
(製造例6)
製造例5と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。
その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚み0.1mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物を、ロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚み0.1mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物150本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断しエアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚み0.1mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
(製造例7)
製造例5と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。
その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚み0.3mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、ロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚み0.3mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物50本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で包み込み、のり付けし円柱状のものとした。円柱の内径は6.9mmとした。円柱状にしたものを長さ12.0mmに切断し、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚み0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材とした。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
(製造例8)
製造例5と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。
その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚み0.5mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚み0.5mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物30本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚み0.5mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
(製造例9)
微結晶セルロースの代わりにメチルセルロースを用いたこと以外は、製造例1と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。
その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚み0.3mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚み0.3mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物50本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚み0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
また、別途、本製造例で用いた非タバコ材組成物のシートを、縦150mm横240mmの長方形に切断し、さらに、幅15mm、長さ50mm、厚さ0.3mmの長方形の形状に加工した。加工した前記非タバコ材組成物のシートの質量は約0.30gであった。このサンプルは、後に述べる評価1に供されるサンプルである。
(製造例10)
微結晶セルロースの添加量を4質量部としたこと以外は、製造例1と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。
その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚み0.3mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚み0.3mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物50本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚み0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
また、別途、本製造例の非タバコ材組成物のシートを、縦150mm横240mmの長方形に切断し、さらに、幅15mm、長さ50mm、厚さ0.3mmの長方形の形状に加工した。加工した前記非タバコ材組成物のシートの質量は約0.30gであった。このサンプルは、後に述べる評価1に供されるサンプルである。
(製造例11)
製造例2で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。次いで、この切断物を、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.5mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物93本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.1mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
(製造例12)
製造例3で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。次いで、この切断物を、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.5mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
(製造例13)
製造例4で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。次いで、この切断物を、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.5mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物19本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.5mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.64gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
(製造例14)
製造例10で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。次いで、この切断物を、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.5mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
(製造例15)
製造例7で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。次いで、この切断物を、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.5mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
(製造例16)
製造例9で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。次いで、この切断物を、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.5mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
各製造例で得られたエアロゾル形成基材に含まれる芳香カートリッジ用充填物の幅、長さ、厚さ、および本数を、下記表1に示す。
Figure 2020014455
(参考例1)
製造例2で作製したエアロゾル形成基材と、円筒形状の中空管である支持要素と、マウスピースとなるフィルターとを準備した。支持要素の底面および上面の直径、すなわち外径をφ6.9mmとし、中空部分については、φ4mmの貫通穴とした。マウスピースとなるフィルターについては、長さ23mmのものを用いた。また、包装部材として、坪量38g/m2の紙を用い、内径6.9mmとなるように2周半の巻きを行い、のり付けをしたものを用いた。このように、坪量が、32g/m以上45g/mの紙を2周半巻いて紙製筒を作製し、包装部材とすると、加熱要素を差し込んで使用する喫煙具本体に使用される芳香カートリッジとして好適なものとなる。
前記紙製筒内部に接着剤を塗布し、他端側から、フィルターを挿入してマウスピースとし、一端側から、支持要素を挿入し、次いでエアロゾル形成基材を挿入した。さらに、マウスピースの部分に、坪量40g/mの紙を、マウスピースとほぼ重なるように巻いた。このようにして、芳香カートリッジを作製した。
(参考例2)
製造例2のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例3で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考例3)
製造例2のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例4で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考例4)
製造例2のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例10で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考比較例1)
製造例2のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例6で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考比較例2)
製造例6のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例7で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考比較例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考比較例3)
製造例6のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例8で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考比較例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(実施例1)
製造例11で作製したエアロゾル形成基材と、外径が5.5mmであり、長さが25mm、厚み0.5mmとなるように厚紙を巻いて円筒形状とした冷却領域確定部材(40)と、外径が5.5mmであり、長さが8mm、厚み0.5mmである円筒形状に成形されたセルロースアセテート繊維からなるフィルター部材(50)と、外径が5.5mmであり、長さが8mmとなるように厚紙を巻いて円筒形状としたマウスピース(60)と、縦20mm横83mmである紙の包装部材(70)を準備した。
上流側Uから下流側Dに向かって、エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、およびマウスピース(60)をこの順に隣接配置したうえで、接着剤を付した包装部材(70)で巻上げ、芳香カートリッジ(80)とした。本実施例の芳香カートリッジは、外径略5.5mm、長さ83mmの円筒形状の外観を呈している。
エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、およびマウスピース(60)は、包装部材(70)によって包装されている。エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、マウスピース(60)、および芳香カートリッジ(80)の長手方向は相互に平行である。なお、エアロゾル形成基材(20)の配置位置とマウスピース(60)の配置位置を結ぶ方向、すなわちエアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、およびマウスピース(60)の4つの要素が隣接配置される方向が、芳香カートリッジ(80)の長手方向である。芳香カートリッジ(80)の長手方向に沿って、エアロゾル形成基材(20)が配置される側を上流側U、マウスピース(60)が配置される側を下流D側と規定する。
(実施例2)
製造例11のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例12で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(実施例3)
製造例11のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例13で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(実施例4)
製造例11のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例14で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(比較例1)
製造例11のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例15で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(比較例2)
製造例11のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例16で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
以上の方法により得られた非タバコ材組成物のシートおよび芳香カートリッジについて、以下の評価を行った。
(評価1)
製造例1、製造例5、製造例9、および製造例10において作製した非タバコ材組成物のシートから得られた、幅15mm、長さ50mm、厚さ0.3mmの長方形の形状のサンプルについて、それぞれハロゲンランプ照射による乾燥の前後の、長さ、幅、厚さ、および体積を測定し、その変化量を定量的に測定した。
変化量の測定には、ハロゲン水分計(電子ハロゲン水分測定器)(Bangxi Instrument Technology Co.Ltd.社製、型番:DHS−50−5)を使用した。
ハロゲン水分計の試料皿に、前記サンプルを載置し、ヒーターカバー内に設置されたハロゲンランプによって、試料皿上部からサンプルを加熱した。加熱温度を105℃とし、所定の乾燥時間経過後の非タバコ材組成物のシートの長さ、幅、厚さ、および体積を測定した。乾燥時間は0分、10分、15分に設定し、それぞれの経過時において測定を行った。
長さ、幅、厚さ、および体積の変化率の定義式や記号の説明を下記表2に示す。
Figure 2020014455
評価1の測定結果を、下記表3に示す。なお、微結晶セルロースの代わりに、微結晶構造を有さないメチルセルロースを用いた製造例9において作製した非タバコ材組成物のシートから得られたサンプルについて測定したところ、各変化率は製造例5と同様だった。そのため、下記表3では、製造例1、製造例5、および製造例10の測定結果を示す。
Figure 2020014455
上記表3から明らかなように、製造例1および製造例10のサンプルの各変化率は、製造例5のサンプルの変化率と比べて、低い値であることがわかった。
(評価2)
参考例1〜4および参考比較例1〜3にて製造した芳香カートリッジについて、以下の評価を行った。
使用する喫煙具本体の概略を説明する。喫煙具本体は、フィリップモーリス社製の加熱式喫煙具であるアイコス(登録商標)を用いた。前記喫煙具は、図1に示すような構成を有している。詳細には、加熱要素(211)は、幅4.5mm、先端までの長さ12mm、厚さは0.4mmである。差し込み部(210)の内径は、7mmであり、芳香カートリッジの外形にほぼ等しい。前記加熱要素(211)は、喫煙具本体(200)内に設けられているバッテリー(不図示)から供給される電力によって発熱し、およそ370℃となる。そして、内蔵の制御システムにより、14回の吸引によって1本の芳香カートリッジの消費が終了する。なお、参考例および参考比較例の芳香カートリッジを差し込んだ際に、喫煙具本体から外側に現れる芳香カートリッジ部分は、およそ20mmである。
参考例1〜4および参考比較例1〜3にて製造した芳香カートリッジを、前記喫煙具本体にて喫煙後、芳香カートリッジ用充填物の落下試験を行った。
落下試験は、以下のようにして行い評価した。喫煙後の芳香カートリッジの一端側Uを鉛直下方に向け、上下に振って充填物の飛び出しおよび落下の有無を観察した。なお、評価基準は以下のとおりであり、ランクAであれば実用可能である:
ランクA:飛び出しまたは落下が見られず
ランクB:飛び出しまたは落下があり。
(評価3)
45℃で所定期間保存した後の芳香カートリッジ用充填物の落下試験を、以下のように行い評価した。
参考例1〜4および参考比較例1〜3にて製造した芳香カートリッジを、長辺70mm、短辺14mm、高さ45mmである紙製の箱に、エアロゾル形成基材が底に向くように充填した。このように、用意された芳香カートリッジ入り箱を、45℃の環境下で2週間放置した。その後、箱から芳香カートリッジを取り出し、芳香カートリッジの一端側Uを鉛直下方に向け、芳香カートリッジ用充填物の飛び出しおよび落下の有無を観察した。なお、評価基準は、以下のとおりであり、ランクAであれば実用可能である:
ランクA:飛び出しまたは落下が見られず
ランクB:飛び出しまたは落下があり。
評価2および評価3の結果を、下記表4に示す。
Figure 2020014455
上記表4から明らかなように、参考例1〜4の芳香カートリッジは、ユーザーのハンドリング性が良好であることがわかった。
(評価4)
製造例3、製造例7、製造例9、および製造例10において作製した非タバコ材組成物のシートから得られた、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚さ0.3mmの長方形の形状のサンプルについて、それぞれハロゲンランプ照射による乾燥の前後の、長さ、幅、厚さ、および体積を測定し、その変化量を定量的に測定した。
変化量の測定には、ハロゲン水分計(電子ハロゲン水分測定器)(Bangxi Instrument Technology Co.Ltd.社製、型番:DHS−50−5)を使用した。
ハロゲン水分計の試料皿に、前記サンプルを載置し、ヒーターカバー内に設置されたハロゲンランプによって、試料皿上部からサンプルを加熱した。加熱温度を105℃とし、所定の乾燥時間経過後の非タバコ材組成物のシートの長さ、幅、厚さ、および体積を測定した。乾燥時間は0分、10分、15分に設定し、それぞれの経過時において測定を行った。
長さ、幅、厚さ、および体積の変化率の定義式や記号の説明を下記表5に示す。
Figure 2020014455
評価4の測定結果を、下記表6に示す。なお、微結晶セルロースの代わりに、微結晶構造を有さないメチルセルロースを用いた製造例9において作製した非タバコ材組成物のシートから得られたサンプルについて測定したところ、各変化率は製造例7と同様だった。そのため、下記表6では、製造例3、製造例7、および製造例10の測定結果を示す。
Figure 2020014455
上記表6から明らかなように、製造例3および製造例10のサンプルの各変化率は、製造例7のサンプルの変化率と比べて、低い値であることがわかった。
(評価5)
実施例1〜4および比較例1〜2にて製造した芳香カートリッジについて、以下の評価を行った。
使用した喫煙具本体の概略を説明する。喫煙具本体は、ブリティッシュアメリカンタバコ社製の加熱式喫煙具であるグロー(登録商標)を用いた。前記喫煙具は、図7に示すような構成を有している。詳細には、喫煙具本体(400)には、芳香カートリッジ(500)を挿入するための挿入部(450)が設けられている。喫煙具本体(400)の外装部(410)があり、芳香カートリッジの周囲を取り巻く加熱部(440)により、芳香カートリッジのエアロゾル形成基材(110)が加熱されエアロゾルが発生し、喫煙される。他端側Dからの喫煙時には、通気孔(431)から空気が流れ込み、発生したエアロゾルが、中空の筒部材(530)、移送部材(130)、マウスピース(140)を通過して喫煙される。制御部(420)には、バッテリーまたは加熱部の制御装置等が内蔵されている。
実施例1〜4および比較例1〜2にて製造した芳香カートリッジを、前記喫煙具本体に差し込み、喫煙の試験を行った。
喫煙の試験は、以下のようにして行った。作製した芳香カートリッジを長辺55mm、短辺12mm、高さ85mmである紙製の箱に、エアロゾル形成基材が底に向くように20本充填した。このように、用意された芳香カートリッジを、45℃の環境で2週間放置し、喫煙する際の芳香カートリッジのハンドリング性について、以下の評価基準に基づいて評価を行った。ランクAであれば実用可能である:
ランクA:差し込み時や抜き取り時に、芳香カートリッジに変形がなく、充填物の飛び出しもない
ランクB:差し込み時や抜き取り時に、芳香カートリッジに若干の変形があるか、または充填物の飛び出しがある。
(評価6)
45℃で所定期間保存した後の芳香カートリッジ用充填物の落下試験を、以下のように行い評価した。
実施例1〜4および比較例1〜2にて製造した芳香カートリッジを、長辺55mm、短辺12mm、高さ85mmである紙製の箱に、エアロゾル形成基材が底に向くように充填した。このように、用意された芳香カートリッジ入り箱を、45℃の環境下で2週間放置した。その後、箱から芳香カートリッジを取り出し、芳香カートリッジの一端側Uを鉛直下方に向け、芳香カートリッジ用充填物の飛び出しおよび落下の有無を観察した。なお、評価基準は、以下のとおりであり、ランクAであれば実用可能である:
ランクA:飛び出しまたは落下が見られず
ランクB:飛び出しまたは落下があり。
評価5および評価6の結果を、下記表7に示す。
Figure 2020014455
上記表7から明らかなように、実施例1〜4の芳香カートリッジは、実用可能であることがわかった。
以上、説明した本発明の実施形態によれば以下の効果を奏する。
本発明によれば、タバコの成分を含まない植物の芳香や味わいを楽しむことができる非タバコ材を用いた喫煙具に用いられる芳香カートリッジ用充填物において、製造時や保管時の経時的な収縮や体積変化を低減することができる。よって、本発明によれば、ユーザーのハンドリングの際に、使用前および使用後の芳香カートリッジから、芳香カートリッジ用充填物が脱落したり、落下したりすることを防止する手段を提供することができる。
また、本発明によれば、芳香カートリッジ用充填物の収縮や体積変化の低減により、製造後の保管の期間や温度の状況にかかわらず、エアロゾルが通過する芳香カートリッジ用充填物の空隙を一定の大きさに維持することができ、好適な使用感を保つことができる。
(製造例17)
メントール 100質量部
エチルアルコール 200質量部
ポリビニルポリピロリドン 200質量部
上記を秤量し、メントールをエチルアルコールに溶解させ、メントールのエチルアルコール溶液を得た。前記メントールのエチルアルコール溶液に上記ポリビニルポリピロリドンを加え、攪拌混合し、メントール/エチルアルコール/ポリビニルポリピロリドン混合物(メントール溶解物)を得た。
キシリトール 100質量部
水 400質量部
以上を攪拌混合し、キシリトール/水溶液を得た。
次に、紅茶の葉を70℃で乾燥させ、粉砕し、80メッシュの篩を通過したものを用いた。水分量は、2質量%であった。
紅茶葉の乾燥粉砕物 100質量部
メントール/エチルアルコール/ポリビニルポリピロリドン混合物 25質量部
メチルセルロース 15質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4質量部
キシリトール/水溶液 8質量部
グルコマンナン 1質量部
を混合機に投入し、15分間混合を行い、非タバコ材組成物を得た。
得られた非タバコ材組成物を、充填物成形工程[手段](F)に供した。非タバコ材組成物を3本ロールミルにて、混練・分散を兼ねながら所望の厚さのシートとした。本実施例では、非タバコ材組成物を3本ロールミルに投入し、シートの状態を見ながら純水20質量部を加え、ドクターブレードをロールに押し当てシート状物を採取する工程[手段]を8回繰り返した。
このようにして得られた非タバコ材組成物のシートは、厚さが0.3mmであった。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物を、ロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚さ0.3mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物50本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。このように円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅1.5mm、長さ240mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表8に示す。
(製造例18)
製造例17と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚さ0.1mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅1.0mm、長さ240mm、厚さ0.1mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物225本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。このように円柱状したもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅1.0mm、長さ12.0mm、厚さ0.1mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表8に示す。
(製造例19)
製造例17と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚さ0.5mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物を、ロータリーカッターに供給し、幅2.0mm、長さ240mm、厚さ0.5mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物23本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅2.0mm、長さ12.0mm、厚さ0.5mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表8に示す。
(製造例20)
ポリビニルポリピロリドンの代わりに、ポリビニルピロリドンを用いたことを除いては、製造例18と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。なお、前記ポリビニルピロリドンは水溶性ポリマーである。
その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚さ0.1mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物を、ロータリーカッターに供給し、幅1.0mm、長さ240mm、厚さ0.1mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物225本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、幅1.0mm、長さ12.0mm、厚さ0.1mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。また、前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表8に示す。
(製造例21)
エチルアルコールにポリビニルポリピロリドンを混合してから、メントールを溶解したことを除いては、製造例17と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。
その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚さ0.3mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物を、ロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚さ0.3mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物50本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。円柱状にしたものを長さ12.0mmに切断し、幅1.5mm、長さ240mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材とした。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、表8に挙げる。
(製造例22)
メントール 100質量部
エチルアルコール 400質量部
上記を秤量し、メントールをエチルアルコールに溶解させ、メントール/エチルアルコール溶液を作製した。
キシリトール 100質量部
水 400質量部
以上を攪拌混合し、キシリトール/水溶液を作製した。
紅茶葉の乾燥粉砕物 100質量部
メントール/エチルアルコール溶液 25質量部
ポリビニルポリピロリドン 20質量部
メチルセルロース 15質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4質量部
キシリトール/水溶液 8質量部
グルコマンナン 1質量部
を混合機に投入し、15分間混合を行い、非タバコ材組成物を得た。
得られた非タバコ材組成物を、充填物成形工程[手段](F)に供した。非タバコ材組成物を3本ロールミルにて、混練・分散を兼ねながら所望の厚さのシートとした。本実施例では、非タバコ材組成物を3本ロールミルに投入し、シートの状態を見ながら純水を20質量部加え、ドクターブレードをロールに押し当てシート状物を採取する工程[手段]を8回繰り返した。
このようにして得られた非タバコ材組成物のシートは、厚さが0.3mmであった。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物を、ロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚さ0.3mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物50本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。このように円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材とした。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)およびメントール減少率dを、下記表8に示す。
(製造例23)
ポリビニルポリピロリドンを用いないことを除いては、製造例22と同様にして、非タバコ材組成物を作製した。
その後の充填物成形工程[手段]は、製造例18と同様に行った。その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚さ0.1mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物を、ロータリーカッターに供給し、幅1.0mm、長さ240mm、厚さ0.1mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物225本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。このように円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、幅1.0mm、長さ12.0mm、厚さ0.1mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材とした。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表8に示す。
(製造例24)
メントール/エチルアルコール/ポリビニルポリピロリドン混合物を10質量部用いることを除いては、製造例17と同様にして、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を作製した。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表8に示す。
(製造例25)
メントール/エチルアルコール/ポリビニルポリピロリドン混合物(メントール溶解物)を50質量部用いることを除いては、製造例17と同様にして、幅1.5mm、長さ12.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を作製した。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表8に示す。
Figure 2020014455
(製造例26)
製造例17で得られた非タバコ材組成物のシートをカッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した後、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.5mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表9に示す。
(製造例27)
製造例18で得られた非タバコ材組成物のシートをカッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した後、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.0mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物142本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.0mm、長さ42.0mm、厚さ0.1mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.64gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表9に示す。
(製造例28)
製造例19で得られた非タバコ材組成物のシートをカッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した後、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦2.0mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物14本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅2.0mm、長さ42.0mm、厚さ0.5mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表9に示す。
(製造例29)
製造例20で得られた非タバコ材組成物のシートをカッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した後、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.0mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物142本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.0mm、長さ42.0mm、厚さ0.1mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.64gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表9に示す。
(製造例30)
製造例21で得られた非タバコ材組成物のシートをカッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した後、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.5mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表9に示す。
(製造例31)
製造例22で得られた非タバコ材組成物のシートをカッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した後、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.5mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表9に示す。
(製造例32)
製造例23で得られた非タバコ材組成物のシートをカッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した後、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.0mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物142本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.0mm、長さ42.0mm、厚さ0.1mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.64gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表9に示す。
(製造例33)
製造例8で得られた非タバコ材組成物のシートをカッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した後、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.5mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表9に示す。
(製造例34)
製造例9で得られた非タバコ材組成物のシートをカッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した後、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、縦1.0mm、横210mmとなるように切断を行い、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、幅1.5mm、長さ42.0mm、厚さ0.3mmの形状の芳香カートリッジ用充填物を有するエアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59であった。
なお、前記芳香カートリッジ用充填物のメントールの含有量d(0)、5℃で24時間放置後の質量d(24)、5℃で48時間放置後の質量d(48)、およびメントール減少率dを、下記表9に示す。
Figure 2020014455
各製造例で得られたエアロゾル形成基材に含まれる芳香カートリッジ用充填物の幅、長さ、厚さ、および本数を、下記表10に示す。
Figure 2020014455
(参考例5)
製造例17で作製したエアロゾル形成基材と、円筒形状の中空管である支持要素(図2中の300)と、マウスピースとなるフィルター(図2中の140)とを準備した。支持要素(図2中の300)の底面および上面の直径、すなわち外径をφ6.9mmとし、中空部分については、φ4mmの貫通穴とした。マウスピースとなるフィルター(図2中の140)については、長さ23mmのものを用いた。また、包装部材として、坪量38g/mの紙を用い、内径6.9mmとなるように2周半の巻きを行い、のり付けをしたものを用いた。このように、坪量が、32g/m以上45g/m以下の紙を2周半巻いて紙製筒を作製し、包装部材とすると、加熱要素を差し込んで使用する喫煙具本体に使用される芳香カートリッジとして好適である。
包装部材(図2中の150)としての紙製筒内部に接着剤を塗布し、他端側Dから、フィルターを挿入してマウスピースとし、一端側Uから、支持要素(図2中の300)を挿入し、次いでエアロゾル形成基材(図2中の110)を挿入した。さらに、マウスピースの部分に、坪量40g/mの紙を、マウスピース(図2中の140)とほぼ重なるように巻いた。
このようにして、芳香カートリッジを作製した。
(参考例6)
製造例17のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例18で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考例7)
製造例17のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例19で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考例8)
製造例17のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例21で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考例9)
製造例17のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例22で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考例10)
製造例17のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例24で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考例11)
製造例17のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例25で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考比較例4)
製造例17のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例20で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(参考比較例5)
製造例17のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例23で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(実施例5)
製造例11で作製したエアロゾル形成基材と、外径が5.5mmであり、長さが25mm、厚み0.5mmとなるように厚紙を巻いて円筒形状とした冷却領域確定部材(40)と、外径が5.5mmであり、長さが8mmである円筒形状に成形されたセルロースアセテート繊維からなるフィルター部材(50)と、外径が5.5mmであり、長さが8mm、厚み0.5mmとなるように厚紙を巻いて円筒形状としたマウスピース(60)と、縦20mm横83mmである紙の包装部材(70)を準備した。
上流側Uから下流側Dに向かって、エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、およびマウスピース(60)をこの順に隣接配置したうえで、接着剤を付した包装部材(70)で巻上げ、芳香カートリッジ(80)とした。本実施例の芳香カートリッジは、外径略5.5mm、長さ83mmの円筒形状の外観を呈している。
エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、およびマウスピース(60)は、包装部材(70)によって包装されている。エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、マウスピース(60)、および芳香カートリッジ(80)の長手方向は相互に平行である。なお、エアロゾル形成基材(20)の配置位置とマウスピース(60)の配置位置を結ぶ方向、すなわちエアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、およびマウスピース(60)の4つの要素が隣接配置される方向が、芳香カートリッジ(80)の長手方向である。芳香カートリッジ(80)の長手方向に沿って、エアロゾル形成基材(20)が配置される側を上流側U、マウスピース(60)が配置される側を下流側Dと規定する。
(実施例6)
製造例26のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例27で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(実施例7)
製造例26のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例28で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(実施例8)
製造例26のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例30で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(実施例9)
製造例26のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例31で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(実施例10)
製造例26のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例33で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(実施例11)
製造例26のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例34で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(比較例3)
製造例26のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例29で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
(比較例4)
製造例26のエアロゾル形成基材の代わりに、製造例32で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例5と同様にして、芳香カートリッジを作製した。
[評価]
以上のようにして得られた芳香カートリッジについて、以下の評価を行った。
(評価7−1)
参考例5〜11および参考比較例4〜5で作製した芳香カートリッジを、長辺70mm、短辺14mm、高さ45mmである紙製の箱に、エアロゾル形成基材が底に向くように20本充填した。このように、用意された芳香カートリッジ入り箱を、5℃の環境下、48時間ポリエチレン袋に入れて放置した。
その後、芳香カートリッジを箱から取り出し、常温常湿環境に1日放置したものについて以下の評価を行った。芳香カートリッジのエアロゾル形成基材の表面を一端側から観察し、メントールの白い結晶が現れているかどうかを5倍の拡大鏡を用いて、目視にて1本ごとの白い結晶の個数をカウントし、20本の平均値を求め下記基準に基づき評価した:
ランクA:白い結晶が認められない
ランクB:白い結晶が1〜4個
ランクC:白い結晶が5個以上
ランクCのものは、長期の保管などにより、メントールが失われて清涼感が損なわれる可能性の高いものである。ランクAおよびランクBであれば実用可能である。
(評価7−2)
実施例5〜11および比較例4〜5で作製した芳香カートリッジを長辺55mm、短辺12mm、高さ85mmである紙製の箱に、エアロゾル形成基材が底に向くように20本充填した。このように、用意された芳香カートリッジ入り箱を、5℃の環境下、48時間ポリエチレン袋に入れて放置した。
その後、芳香カートリッジを箱から取り出し、常温常湿環境に1日放置したものについて以下の評価を行った。芳香カートリッジのエアロゾル形成基材の表面を一端側から観察し、メントールの白い結晶が現れているかどうかを5倍の拡大鏡を用いて、目視にて1本ごとの白い結晶の個数をカウントし、20本の平均値を求め下記基準に基づき評価した:
ランクA:白い結晶が認められない
ランクB:白い結晶が1〜4個
ランクC:白い結晶が5個以上
ランクCのものは、長期の保管などにより、メントールが失われて清涼感が損なわれる可能性の高いものである。ランクAおよびランクBであれば実用可能である。
(評価8−1)
使用した喫煙具本体の概略を説明する。喫煙具本体は、フィリップモーリス社製の加熱式喫煙具であるアイコス(登録商標)を用いた。前記喫煙具は、図1に示すような構成を有している。詳細には、加熱要素(211)は、幅4.5mm、先端までの長さ12mm、厚さは0.4mmである。差し込み部(210)の内径は、7mmであり、芳香カートリッジの外形にほぼ等しい。前記加熱要素(211)は、喫煙具本体(200)内に設けられているバッテリー(不図示)から供給される電力によって発熱し、およそ370℃となる。そして、内蔵の制御システムにより、14回の吸引によって1本の芳香カートリッジの消費が終了する。なお、参考例および参考比較例の芳香カートリッジを差し込んだ際に、喫煙具本体から外側に現れる芳香カートリッジ部分は、およそ20mmである。
参考例5〜11および参考比較例4〜5にて製造した芳香カートリッジを、前記喫煙具本体に差し込み、喫煙の試験を行った。
喫煙の試験は、以下のようにして行った。作製した芳香カートリッジを長辺70mm、短辺14mm、高さ45mmである紙製の箱に、エアロゾル形成基材が底に向くように20本充填した。このように用意された芳香カートリッジを、25℃の環境で2週間放置したサンプルと、作製直後のサンプルとを用い、メントールの風味について官能試験を行った。なお官能試験は、喫煙者5人によって行い、評価基準(詳細評価)は以下の通りであって、最も多かった評価を総合評価の欄に示した。総合評価のランクがAであれば実用可能である:
ランクA:作製直後に比べて、放置後のサンプルはメントールの風味が変わらない
ランクB:作製直後に比べて、放置後のサンプルはややメントールの風味が弱い
ランクC:作製直後に比べて、放置後のサンプルはメントールの風味が明らかに弱い。
(評価8−2)
使用した喫煙具本体の概略を説明する。喫煙具本体は、ブリティッシュアメリカンタバコ社製の加熱式喫煙具であるグロー(登録商標)を用いた。前記喫煙具は、図7に示すような構成を有している。詳細には、喫煙具本体(400)には、芳香カートリッジ(500)を挿入するための挿入部(450)が設けられている。喫煙具本体(400)の外装部(410)があり、芳香カートリッジの周囲を取り巻く加熱部(440)により、芳香カートリッジのエアロゾル形成基材(110)が加熱されエアロゾルが発生し、喫煙される。他端側(20)からの喫煙時には、通気孔(431)から空気が流れ込み、発生したエアロゾルが、中空の筒部材(530)、移送部材(130)、マウスピース(140)を通過して喫煙される。制御部(420)には、バッテリーまたは加熱部の制御装置等が内蔵されている。
実施例5〜11および比較例3〜4にて製造した芳香カートリッジを、前記喫煙具本体に差し込み、喫煙の試験を行った。
喫煙の試験は、以下のようにして行った。作製した芳香カートリッジを長辺55mm、短辺12mm、高さ85mmである紙製の箱に、エアロゾル形成基材が底に向くように20本充填した。このように用意された芳香カートリッジを、25℃の環境で2週間放置したサンプルと、作製直後のサンプルを用い、メントールの風味について官能試験を行った。なお官能試験は、喫煙者5人によって行い、評価基準(詳細評価)は以下の通りであって、最も多かった評価を総合評価の欄に示した。総合評価のランクがAであれば実用可能である:
ランクA:作製直後に比べて、放置後のサンプルはメントールの風味が変わらない
ランクB:作製直後に比べて、放置後のサンプルはややメントールの風味が弱い
ランクC:作製直後に比べて、放置後のサンプルはメントールの風味が明らかに弱い。
評価7−1および評価8−1の結果を下記表11に、評価7−2および評価8−2の結果を下記表12に、それぞれ示す。
Figure 2020014455
Figure 2020014455
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
本発明によれば、タバコの成分を含まない植物の芳香や味わいに加え、メントールの清涼感を楽しむことができる非タバコ材を用いた喫煙具において、長期間にわたる保存をした後でも、メントールの風味を保つことができる芳香カートリッジ用充填物および芳香カートリッジを提供することができる。
本発明の別の側面によれば、タバコの成分を含まない植物の芳香や味わいに加え、メントールの清涼感を楽しむことができる非タバコ材を用いた喫煙具において、長期間にわたる保存をした後でも、メントールの風味を保つことのできる非タバコ材組成物を製造することができる。
本発明の別の側面によれば、長期間にわたる保存をした後でも、メントールの風味を保つことができる非タバコ材組成物を、安価に、簡単に製造することができる。
(製造例35)
キシリトール 100質量部
水 400質量部
以上を攪拌混合し、キシリトール/水溶液を得た。
次に、紅茶の葉を70℃で乾燥させ、粉砕し、80メッシュの篩を通過したものを用いた。得られた乾燥粉砕物の水分量は、2質量%であった。同様に、あまちゃづるの乾燥物を粉砕し、80メッシュの篩を通過したものを用いた。
紅茶葉の乾燥粉砕物 80質量部
あまちゃづるの乾燥粉砕物 20質量部
メチルセルロース 15質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4質量部
キシリトール/水溶液 8質量部
を混合機に投入し、15分間混合を行い、第1の混合物を得た。
得られた第1の混合物を第2の混合工程[手段]に供した。前記第1の混合物100質量部を3本ロールミルにて混合しつつ、グルコマンナン0.5質量部および水20質量部を添加した。その後、ドクターブレードをロールに押し当てシート状物を採取する工程[手段]を8回繰り返し、第2の混合物(非タバコ材組成物)を得た。なお、この工程[手段]は、第2の混合工程[手段]と充填物成形工程[手段](F)の一部とを兼ねる工程[手段]である。
第2の混合物(非タバコ材組成物)を3本ロールミルにて、混練・分散を兼ねながら所望の厚さのシートとした。
このようにして得られた非タバコ材組成物のシートは、厚さが0.3mmであった。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚さ0.3mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物50本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。このように円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、長さが12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの芳香カートリッジ用充填物を含む、エアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60である。また、上記芳香カートリッジ用充填物は、非タバコ材100質量部に対して、0.9質量部の多糖類(グルコマンナン)を含み、19質量部のセルロース類を含み、60質量部のエアロゾルフォーマを含む。
なお、前記非タバコ材組成物のシートは、縦方向はロールの回転軸に平行となるように押し出され、横方向はロールの回転方向に押し出された。
本製造例に用いたセルロース類であるカルボキシメチルセルロースナトリウムの溶液粘度は、650mPa・s(ブルックフィールド型粘度計、1質量%水溶液、25℃)であり、多糖類であるグルコマンナンの溶液粘度は、44,000mPa・s(ブルックフィールド型粘度計、1質量%水溶液、25℃)であった。
(製造例36)
第1の混合工程[手段]までは、製造例35と同様にして第1の混合物を作製した。前記第1の混合物をポリエチレン袋に入れ密封し、20℃の温度下、6日間(144時間)保持して養生した(養生工程[手段])。養生工程[手段]後は、見かけの体積が、およそ1.5倍となった。養生工程[手段]後の養生混合物を目視にて観察したところ、養生前に比べ、茶類の粉砕物の遊離が少なくなっている様子が見られた。
次いで、得られた養生混合物を第2の混合工程[手段]に供し、第2の混合物を得た。なお、当該第2の混合工程[手段]は、製造例35と同様にして、行った。上記第2の混合物を用いて、以下製造例35と同様にして、芳香カートリッジ用充填物を含むエアロゾル形成基材を得た。すなわち、長さが12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの芳香カートリッジ用充填物を含む、エアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60である。
(製造例37)
キシリトール 100質量部
水 400質量部
以上を攪拌混合し、キシリトール/水溶液を得た。
次に、紅茶の葉を70℃で乾燥させ、粉砕し、80メッシュの篩を通過したものを用いた。得られた乾燥粉砕物の水分量は、2質量%であった。同様に、あまちゃづるの乾燥物を粉砕し、80メッシュの篩を通過したものを用いた。
紅茶葉の乾燥粉砕物 80質量部
あまちゃづるの乾燥粉砕物 20質量部
メチルセルロース 15質量部
グリセリン 30質量部
プロピレングリコール 30質量部
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4質量部
キシリトール/水溶液 8質量部
グルコマンナン 0.5質量部
水 20質量部
を混合機に投入し、15分間混合を行い、第1の混合物を得た。
得られた第1の混合物を3本ロールミルにて混合し、ドクターブレードをロールに押し当てシート状物を採取する工程[手段]を8回繰り返した。
非タバコ材組成物を3本ロールミルにて、混練・分散を兼ねながら所望の厚さのシートとした。
このようにして得られた非タバコ材組成物のシートは、厚さが0.3mmであった。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅1.5mm、長さ240mm、厚さ0.3mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物50本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。このように円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、長さが12.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの芳香カートリッジ用充填物を含む、エアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60である。また、上記芳香カートリッジ用充填物は、非タバコ材100質量部に対して、0.5質量部の多糖類(グルコマンナン)を含み、19質量部のセルロース類を含み、60質量部のエアロゾルフォーマを含む。
なお、前記非タバコ材組成物のシートは、縦方向はロールの回転軸に平行となるように押し出され、横方向はロールの回転方向に押し出された。
本製造例に用いたセルロース類であるカルボキシメチルセルロースナトリウムの溶液粘度は、650mPa・s(ブルックフィールド型粘度計、1質量%水溶液、25℃)であり、多糖類であるグルコマンナンの溶液粘度は、44,000mPa・s(ブルックフィールド型粘度計、1質量%水溶液、25℃)であった。
(製造例38)
製造例36と同様にして、第2の混合物(非タバコ材組成物)を得た。その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚さ0.1mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅1.0mm、長さ240mm、厚さ0.1mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物225本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。このように円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、長さが12.0mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmの芳香カートリッジ用充填物を含む、エアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.29gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60である。
(製造例39)
製造例36と同様にして、第2の混合物(非タバコ材組成物)を得た。その後の充填物成形工程[手段](F)にて、厚さ0.5mmの非タバコ材組成物のシートとした。前記非タバコ材組成物のシートを縦150mm横240mmの長方形に切断した。次いで、この切断物をロータリーカッターに供給し、幅2.0mm、長さ240mm、厚さ0.5mmの形状に加工したシート切断物とした。前記シート切断物23本を、束ねて長手方向に揃えたうえで、坪量34g/mの紙で巻いて包み込み、のり付けし円柱状のもの(巻物)とした。円柱の内径は6.9mmとした。前記加工物を円柱状にしたもの(巻物)を長さ12.0mmに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、長さが12.0mm、幅2.0mm、厚さ0.5mmの芳香カートリッジ用充填物を含む、エアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.30gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.62である。
(製造例40)
グルコマンナンを添加しなかったことを除いては、製造例37と同様にして、非タバコ材組成物のシート、芳香カートリッジ用充填物、およびエアロゾル形成基材を作製した。しかしながら、製造例40において作製した非タバコ材組成物は、3本ロールミルを用いた成形時に、シート形状とすることが難しかった。一応、非タバコ材組成物をシート化したものの、以下の評価9による評価ができない非タバコ材組成物シートしか得られなかった。
(製造例41)
製造例35で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。この切断したシートを、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、幅1.5mm、長さ210mmとなるように切断し、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、長さが42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの芳香カートリッジ用充填物を含む、エアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59である。
(製造例42)
製造例36で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。この切断したシートを、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、幅1.5mm、長さ210mmとなるように切断し、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、長さが42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの芳香カートリッジ用充填物を含む、エアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59である。
(製造例43)
製造例37で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。この切断したシートを、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、幅1.5mm、長さ210mmとなるように切断し、シート切断物を得た。このシート切断物31本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、長さが42.0mm、幅1.5mm、厚さ0.3mmの芳香カートリッジ用充填物を含む、エアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59である。
(製造例44)
製造例38で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。この切断したシートを、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、幅1.0mm、長さ210mmとなるように切断し、シート切断物を得た。このシート切断物142本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、長さが42.0mm、幅1.0mm、厚さ0.1mmの芳香カートリッジ用充填物を含む、エアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.64gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.60である。
(製造例45)
製造例39で得られた非タバコ材組成物のシートを、カッターで縦150mm、横210mmの矩形状に切断した。この切断したシートを、さらに回転刃方式のロータリーカッターを使用して、幅2.0mm、長さ210mmとなるように切断し、シート切断物を得た。このシート切断物14本を、包装部材であるタバコ紙で巻き、外径5.5mmの巻物を作製した。最後に、この巻物をカッターで42.0mmの長さに切断し、エアロゾル形成基材を得た。すなわち、長さが42.0mm、幅2.0mm、厚さ0.5mmの芳香カートリッジ用充填物を含む、エアロゾル形成基材を得た。前記エアロゾル形成基材の質量は0.63gであり、エアロゾル形成基材の容積に対して、芳香カートリッジ用充填物の体積充填率は、0.59である。
(製造例46)
製造例40で得られた非タバコ材組成物のシートを用いたことを除いては、製造例43と同様にして、芳香カートリッジ用充填物、およびエアロゾル形成基材を作製した。しかしながら、製造例46において作製した非タバコ材組成物は、3本ロールミルを用いた成形時に、シート形状とすることが難しかった。一応、非タバコ材組成物をシート化したものの、以下の評価9による評価ができない非タバコ材組成物シートしか得られなかった。
以下に、上記製造例35〜46で得られた芳香カートリッジ用充填物の寸法を示す。また、以下の表13では、各製造例について、非タバコ材組成物を得る際にグルコマンナンを添加したタイミング、養生工程[手段]の有無、およびエアロゾル形成基材に含まれる芳香カートリッジ用充填物の本数についても示す。
Figure 2020014455
(参考例12)
製造例35で作製したエアロゾル形成基材と、円筒形状の中空管である支持要素(図2中の300)と、マウスピースとなるフィルター(図2中の140)を準備した。支持要素(図2中の300)の底面および上面の直径、すなわち外径をφ6.9mmとし、中空部分について、φ4mmの貫通穴とした。マウスピースとなるフィルター(図2中の140)については、長さ23mmのものを用いた。また、包装部材(図2中の150)として、坪量38g/mの紙を用い、内径6.9mmとなるように2周半の巻きを行い、のり付けをしたものを用いた。このように、坪量が、32g/m2以上45g/m2以下の紙を2周半巻いて紙製筒を作製し、当該紙製筒を包装部材として用いると、加熱要素を差し込んで使用する喫煙具本体に使用される芳香カートリッジとして好適である。
包装部材(図2中の150)としての紙製筒内部に接着剤を塗布し、他端側Dから、フィルターを挿入してマウスピース(図2中の140)とし、一端側Uから、支持要素(図2中の300)を挿入し、次いでエアロゾル形成基材(図2中の110)を挿入した。さらに、マウスピースの部分に、坪量40g/mの紙を、マウスピース(図2中の140)とほぼ重なるように巻いた。
このようにして、芳香カートリッジを作製した。
(参考例13)
製造例36で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例12と同様にして芳香カートリッジを作製した。
(参考例14)
製造例38で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例12と同様にして芳香カートリッジを作製した。
(参考例15)
製造例39で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例12と同様にして芳香カートリッジを作製した。
(参考例16)
製造例37で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例12と同様にして芳香カートリッジを作製した。
(参考比較例6)
製造例40で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、参考例12と同様にして芳香カートリッジを作製した。しかしながら、上述のように、製造例40において作製した非タバコ材組成物は成形性が悪く、芳香カートリッジ用充填物が軟らかすぎ、芳香カートリッジの作製に難があった。
(実施例12)
製造例41で作製したエアロゾル形成基材と、外径が5.5mmであり、長さが25mm、厚み0.5mmとなるように厚紙を巻いて円筒形状とした冷却領域確定部材(図10中の40)と、外径が5.5mmであり、長さが8mmである円筒形状に成形されたセルロースアセテート繊維からなるフィルター部材(図10中の50)と、外径が5.5mmであり、長さが8mm、厚み0.5mmとなるように厚紙を巻いて円筒形状としたマウスピース(図10中の60)と、縦20mm横83mmである紙の包装部材(図10中の70)を準備した。
上流側Uから下流側Dに向かって、エアロゾル形成基材(図10中の20)、冷却領域確定部材(図10中の40)、フィルター部材(図10中の50)、およびマウスピース(図10中の60)をこの順に隣接配置したうえで、接着剤を付した包装部材(図10中の70)で巻上げ、芳香カートリッジ(図10中の80)とした。本実施例の芳香カートリッジは、外径略5.5mm、長さ83mmの円筒形状の外観を呈している。
図10によって例示されるように、エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、およびマウスピース(60)は、包装部材(70)によって包装されている。エアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、マウスピース(60)、および芳香カートリッジ(80)の長手方向は相互に平行である。なお、エアロゾル形成基材(20)の配置位置とマウスピース(60)の配置位置とを結ぶ方向、すなわちエアロゾル形成基材(20)、冷却領域確定部材(40)、フィルター部材(50)、およびマウスピース(60)の4つの要素が隣接配置される方向が芳香カートリッジ(80)の長手方向である。芳香カートリッジ(80)の長手方向に沿って、エアロゾル形成基材(20)が配置される側を上流側U、マウスピース(60)が配置される側を下流側Dと規定する。
(実施例13)
製造例42で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例12と同様にして芳香カートリッジを作製した。
(実施例14)
製造例44で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例12と同様にして芳香カートリッジを作製した。
(実施例15)
製造例45で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例12と同様にして芳香カートリッジを作製した。
(実施例16)
製造例43で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例12と同様にして芳香カートリッジを作製した。
(比較例5)
製造例46で作製したエアロゾル形成基材を用いたことを除いては、実施例12と同様にして芳香カートリッジを作製した。しかしながら、上述のように、製造例46において作製した非タバコ材組成物は成形性が悪く、芳香カートリッジ用充填物が軟らかすぎ、芳香カートリッジの作製に難があった。
[評価]
以上のようにして得られた非タバコ材組成物のシートおよび芳香カートリッジについて、以下の評価を行った。
(評価9)
製造例35〜37(および製造例41〜43)で得られた非タバコ材組成物のシートについて、強度試験を行った。試験の詳細は、図18を参照して説明する。上記各製造例で作製した非タバコ材組成物のシートについて、図18中の幅Xを10.0cmとしたクランプ(600)を一組準備し、クランプ(600)間の距離Yを20.0cmとした引張試験を行った。なお、試験に用いた各非タバコ材組成物のシートは、厚さ0.3mm、横10.0cm、縦22.0cmであった。試験環境は20℃50%RHとした。一方のクランプを固定部材(630)によって固定し、他方のクランプを、プッシュプルゲージ(610)を介して矢印(640)方向に引張り、非タバコ材組成物のシート(620)が破れたときの力を評価した。ここでは、非タバコ材組成物のシートに裂け目等が入り、破れ始める時点をもって破れたときの力とした。シートが破れたときの力が大きいほど、芳香カートリッジ用充填物としての強靭性があると言えるため、好ましい。
強靭性が十分でないと、喫煙後に、充填物が落下する可能性が高い上記試験を行った際に、非タバコ材組成物のシートが破れたときの力を、「シート強度」と呼ぶ。前記シート強度は、3.9N以上であると好ましく、5.0N以上であるとより好ましい。
なお、製造例6および12で得られた非タバコ材組成物のシートは、非常に軟らかく、上記方法によってシート強度を評価することができなかった。
(評価10−1)
使用した喫煙具本体の概略を説明する。喫煙具本体は、フィリップモーリス社製の加熱式喫煙具であるアイコス(登録商標)を用いた。前記喫煙具は、図1に示すような構成を有している。詳細には、加熱要素(211)は、幅4.5mm、先端までの長さ12mm、厚さは0.4mmである。差し込み部(210)の内径は、7mmであり、芳香カートリッジの外形にほぼ等しい。前記加熱要素(211)は、喫煙具本体(200)内に設けられているバッテリー(不図示)から供給される電力によって発熱し、およそ350℃となる。そして内蔵の制御システムにより、14回の吸引によって1本の芳香カートリッジの消費が終了する。なお、本参考例の芳香カートリッジを差し込んだ際に、喫煙具本体から外側に現れる芳香カートリッジ部分は、およそ20mmである。
参考例12〜16および参考比較例6にて製造した芳香カートリッジを、前記喫煙具本体に差し込み、喫煙することにより試験を行った。当該試験では、以下の評価基準に基づいて、官能試験により喫煙時の茶類の香りについて評価した。なお、官能試験は、喫煙者5人による。
−評価基準−、
ランクA:喫煙時に、茶類の香りが楽しめるレベルである
ランクB:喫煙時に、茶類の香りが物足りないレベルである。
(評価10−2)
使用した喫煙具本体の概略を説明する。喫煙具本体は、ブリティッシュアメリカンタバコ社製の加熱式喫煙具であるグロー(登録商標)を用いた。前記喫煙具は、図7に示すような構成を有している。詳細には、喫煙具本体(400)には、芳香カートリッジ(500)を挿入するための挿入部(450)が設けられている。喫煙具本体(400)の外装部(410)があり、芳香カートリッジの周囲を取り巻く加熱部(440)により、芳香カートリッジのエアロゾル形成基材(110)が加熱されエアロゾルが発生し、喫煙される。他端側Dからの喫煙時には、通気孔(431)から空気が流れ込み、発生したエアロゾルが、中空の筒部材(530)、移送部材(130)、マウスピース(140)を通過して喫煙される。制御部(420)には、バッテリーまたは加熱部の制御装置等が内蔵されている。
実施例12〜16および比較例5にて製造した芳香カートリッジを、前記喫煙具本体に差し込み、喫煙することにより試験を行った。当該試験では、以下の評価基準に基づいて、官能試験により喫煙時の茶類の香りについて評価した。なお、官能試験は、喫煙者5人による。
−評価基準−
ランクA:喫煙時に、茶類の香りが楽しめるレベルである
ランクB:喫煙時に、茶類の香りが物足りないレベルである。
(評価11−1)
参考例12〜16および参考比較例6について、上記評価10−1と同様にして喫煙した後の充填物の落下を評価した。喫煙後の芳香カートリッジの一端側Uを鉛直下方に向け、芳香カートリッジ用充填物の落下の有無を調べた。喫煙(加熱)後の充填物は、収縮して落下しやすくなるという傾向があり、喫煙具本体の内部またはその周囲が汚れる可能性があるが、本評価で以下のランクAであれば、かような不都合を抑制することができる。
−評価基準−
ランクA:落下物なし
ランクB:芳香カートリッジ用充填物の一部の落下あり
(評価11−2)
喫煙具本体に差し込む際の芳香カートリッジの状態について評価した。芳香カートリッジの差し込み時に問題があるかどうか、喫煙者5人によって使用感を調べた。
−評価基準−
ランクA:差し込む際に問題なし
ランクB:芳香カートリッジが曲がって差し込みにくい。
上記各評価について、以下の表14および15に示す。
Figure 2020014455
Figure 2020014455
上記表14および15によって示されるように、比較例5(製造例46)および参考比較例6(製造例40)では、成形性が悪く、十分な強度を有する芳香カートリッジ用充填物を得ることができなかった(評価9)。他方、参考例12〜16および実施例12〜16では、十分な強度を有する芳香カートリッジ用充填物が得られた(評価10−1、10−2)。さらに、参考例12〜16および実施例12〜16の芳香カートリッジ用充填物によれば、非タバコ材(茶類)の天然の芳香や味わい楽しむことができた。
上記説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
本発明に係る芳香カートリッジ用充填物は、十分な強度を有するため、芳香カートリッジの使用に際しての、ユーザーハンドリング性が良好となる。また、本発明に係る芳香カートリッジ用充填物によれば、タバコの成分を含まない植物(非タバコ材)の芳香や味わいを楽しむことができる。さらに、本発明の別の側面によれば、上記非タバコ材を用いた芳香カートリッジ用充填物の製造方法[装置]も提供される。
以上、本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲に記載された構成に基づき様々な改変が可能であり、それらについても本発明の範疇である。
10、111 芳香カートリッジ用充填物
20、110 エアロゾル形成基材
30、151 包装部材
40 冷却領域確定部材
50 フィルター部材
50a、50b 孔
50m マウスピース領域
60、140 マウスピース(フィルター)
70、150 包装部材
80、100、500 芳香カートリッジ
90、200、400 喫煙具本体
130 移送部材
160 側部
170 蓋
180 隔壁部材
210 差し込み部
211 加熱要素
300 支持要素
410 外装部
420 制御部
430 開閉蓋
431 通気孔
440 加熱部
450 挿入部
530 中空の筒部材
600 クランプ
610 プッシュプルゲージ
620 非タバコ材組成物のシート(シート)
630 固定部材
U 上流側(一端側)
D 下流側(他端側)
13に、第2変形例による芳香カートリッジの概略的な斜視図を示す。

Claims (15)

  1. 非タバコ材と、エアロゾルフォーマと、を含有し、
    長さ10〜70mmの短冊状または棒状であり、
    前記エアロゾルフォーマの含有量が10〜40質量%である芳香カートリッジ用充填物。
  2. 前記非タバコ材が、紅茶または茶類である、請求項1に記載の芳香カートリッジ用充填物。
  3. メントールと、ポリビニルポリピロリドンと、をさらに含有し、
    前記メントールの含有量が0.1〜10質量%であり、
    前記ポリビニルポリピロリドンの含有量が10質量%以下であり、且つ前記メントールの含有量に対して0.5〜6倍である、請求項1または2に記載の芳香カートリッジ用充填物。
  4. 前記ポリビニルポリピロリドンの含有量が2質量%以上である、請求項3に記載の芳香カートリッジ用充填物。
  5. 微結晶セルロースをさらに含有し、
    前記微結晶セルロースの含有量が1〜15質量%である、請求項1〜4のいずれかに記載の芳香カートリッジ用充填物。
  6. グルコマンナン、グアーガム、ペクチン、カラギーナン、ローカストビーンガムおよび寒天からなる群から選択される少なくとも一種の多糖類をさらに含有し、
    前記非タバコ材100質量部に対して、0.1〜5質量部の前記多糖類を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の芳香カートリッジ用充填物。
  7. メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース並びにこれらのナトリウム塩、カリウム塩、およびカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも一種のセルロース類をさらに含有し、
    前記非タバコ材100質量部に対して、1〜30質量部の前記セルロース類を含有する、請求項6に記載の芳香カートリッジ用充填物。
  8. 前記多糖類が、グルコマンナンである、請求項6または7に記載の芳香カートリッジ用充填物。
  9. 前記セルロース類が、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、カリウム塩およびカルシウム塩からなる群から選択される少なくとも一種を含有する、請求項6〜8のいずれかに記載の芳香カートリッジ用充填物。
  10. 形状が長さ54mm以下である、請求項1〜9のいずれかに記載の芳香カートリッジ用充填物。
  11. 前記非タバコ材を30〜90質量%含有し、
    前記非タバコ材を0.12g以上と、
    前記エアロゾルフォーマを0.02g以上と、
    を含む、請求項1〜10のいずれかに記載の芳香カートリッジ用充填物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の芳香カートリッジ用充填物を有する芳香カートリッジ用エアロゾル形成基材。
  13. 一端に請求項12に記載の芳香カートリッジ用エアロゾル形成基材を有し、他端にマウスピースまたはマウスピース領域を有する、芳香カートリッジ。
  14. 前記エアロゾル形成基材と前記マウスピースまたはマウスピース領域との間に配置され、前記エアロゾル形成基材で発生したエアロゾルを冷却する冷却領域を有し、
    前記芳香カートリッジ用充填物の長手方向と、当該芳香カートリッジの長手方向と、が平行である、請求項13に記載の芳香カートリッジ。
  15. 前記冷却領域と前記マウスピースまたはマウスピース領域との間に、表面に孔を備えるフィルタ部材を有する、請求項13または14に記載の芳香カートリッジ。
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