JP2018127131A - 乗物用シート - Google Patents

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Kazutaka Nishiwaki
一貴 西脇
将弘 牛田
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将弘 牛田
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Abstract

【課題】部品点数の増加を極力回避しつつ、シートカバーの一部を意匠性良く凹状とすることにある。【解決手段】第三表皮ピースSP3の一縁側に、第一表皮ピースSP1の折り返された第一縫い代部E1が縫合され、第三表皮ピースSP3の一縁と反対の他縁側に、第二表皮ピースSP2の折り返された第二縫い代部E2が縫合されている乗物用シートにおいて、第三表皮ピースSP3の裏側に、シートカバー6Sよりも撓み変形しにくい面状の補強材20が取付けられているとともに、補強材20が取付けられている第三表皮ピースSP3によって、折り返された状態の第一縫い代部E1と第二縫い代部E2が対応する表皮ピースの裏側に向けて押圧されている。【選択図】図3

Description

本発明は、シートパッドに被覆されているシートカバーを備えるとともに、シートカバーの一部が凹状とされている乗物用シートに関する。
一般的な乗物用シートでは、乗員を弾性的に支持するシートパッドが、シートの意匠面を構成するシートカバーで被覆されている。そしてシートカバーは、複数の表皮ピースを縫合することで形成されるのであるが、このとき意匠性向上などの観点から、シートカバーの一部を凹凸状として意匠面に立体的な起伏を設けておくことがある。
例えば特許文献1に開示のシートカバーは、表皮ピースに相当する一対の表皮材と、表皮材よりも薄い面状のカバー材を有している。一対の表皮材は、例えばシート上下方向に隣り合って配置されており、各表皮材の縫い代部同士が中表状に縫合されている。そして各表皮材の縫い代部は、意匠面となる表皮部分からシート内に突出しつつ、シートパッドに設けられている凹部に収納されている。また各表皮材の縫い代部側の部分には、二つ折り状態のカバー材が縫合されており、このカバー材の自由端が、対応する縫い代部の末端に位置合わせされている。公知技術では、一対の表皮材同士を縫合する際に、各カバー材を各縫い代部に共縫いしておく。そして各表皮材をこれらの継目を基点に面状に展開することで、一対の表皮材の継目部分から二つ折りされているカバー材部分が露出する。こうして各カバー材を、意匠面をなす表皮材部分の上に配置することにより、シートカバーの一部を凸状とすることができる。
またシートカバーの一部を凹状とする場合、例えば一対の表皮材の間に帯状の面材を橋渡すとともに、この帯状の面材を各表皮材の裏側に配置する。そして帯状の面材の上縁に、一方の表皮材の折り返された縫い代部を縫合し、帯状の面材の下縁に、他方の表皮材の折り返された縫い代部を縫合する。このように折り返されて厚みを増した各縫い代部を面材に縫合することで、シートカバーの一部を好適に凹状とする。この状態の面材の両端には、それぞれ表皮材の縫い代部の折り返し基点となる縁部が配置されており、これら各縁部が、面材の延長方向に沿って配置されている。そこで帯状の面材を、シートパッドの凹部内に引込みつつ面ファスナで固定することで、シートカバーの一部である面材部分を凹状とすることができる。なお上述の構成では、意匠性の悪化を回避する観点から、各縫い代部の折り返し状態(倒れ方向)を維持するため、各縫い代部を、帯状の接着材を介して対応する表皮材の裏面に強固に接着固定しておく。すなわち縫い代部の倒れ方向が仮に不均一であると、それにつながる表皮材の縁部が、波打つようにヨタりながら面材の延長方向に沿って配置されてしまうおそれがある。
実開平03−53198号公報
ところでシートカバーの一部を凹状とする場合、上述の構成では、各表皮材の縫い代部を個別に接着材で固定しておく必要がある。このため上述の構成は、シートの部品点数の増加が避けられず、さらに表皮材の縫い代部を接着固定する作業が思いのほか面倒となっていた。すなわちこの種の作業では、表皮材に皺が生じないように配慮しながら縫い代部を適切な向きに倒し、さらに縫い代部に沿って接着材を配置する。この状態でホットプレス装置などを用いて、各表皮材の縫い代部を、接着材を介して対応する表皮材の裏面に強固に接着固定する。そして縫い代部が表皮材に強固に接着固定される構成では、仮に表皮材に皺等が生じたまま接着材で固定してしまうと、この皺を後から取り除くことが実質的に不可能となる。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、部品点数の増加を極力回避しつつ、シートカバーの一部を意匠性良く凹状とすることにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の乗物用シートは、乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、シートパッドを被覆してシートの意匠面を構成するシートカバーとを備えている。本発明では、シートカバーの少なくとも一部が、第一表皮ピースと、第二表皮ピースと、第一表皮ピースと第二表皮ピースの間に橋渡された第三表皮ピースとで形成されている。そして第三表皮ピースが、第一表皮ピースと第二表皮ピースに比してシートパッド側に配置されているとともに、第三表皮ピースの一縁側に、第一表皮ピースの折り返された第一縫い代部が縫合され、第三表皮ピースの一縁と反対の他縁側に、第二表皮ピースの折り返された第二縫い代部が縫合されている。この種のシート構成においては、部品点数の増加を極力回避しつつ、シートカバーの一部を意匠性良く凹状としておくことが望まれる。
そこで本発明では、第三表皮ピースの裏側に、シートカバーよりも撓み変形しにくい面状の補強材が取付けられているとともに、補強材が取付けられている第三表皮ピースによって、折り返された状態の第一縫い代部と第二縫い代部が対応する表皮ピースの裏側に向けて押圧されている。本発明では、補強材が取付けられている第三表皮ピースの押圧によって、接着材を要することなく、第一縫い代部と第二縫い代部の折り返し状態を維持しておくことができる。また接着材を省略することにより、各縫い代部と対応する表皮ピースの相対移動が可能となる。このためシートカバーの形成時に各表皮ピースに皺ができたとしても、この表皮ピースの皺を比較的簡単に取り除くことができる。
第2発明の乗物用シートは、第1発明の乗物用シートにおいて、補強材が、シートパッドの凹部に係止されて配置されている。本発明では、凹部に対する補強材の係止によって、凹状のシートカバー部分をなす第三表皮ピースを、面ファスナを要することなくシートパッドの適所に配置しておくことができる。
第3発明の乗物用シートは、第2発明の乗物用シートにおいて、補強材が取付けられている第三表皮ピースが、凹部内に押し込まれて配置されている。本発明では、第三表皮ピースと補強材を凹部に押し込んでおくことで、第三表皮ピースを、シートパッドの適所により確実に配置しておくことができる。
第4発明の乗物用シートは、第3発明の乗物用シートにおいて、第一縫い代部と第二縫い代部が、補強材とともに凹部内に配置されている。本発明では、第一縫い代部と第二縫い代部が、第三表皮ピースとともにシートパッドの凹部内に配置されているため、各縫い代部にてシートカバーが意図せず凸状となることを極力回避することができる。
本発明に係る第1発明によれば、部品点数の増加を極力回避しつつ、シートカバーの一部を意匠性良く凹状とすることができる。また第2発明によれば、部品点数の増加を好適に回避しつつ、シートカバーの一部を適所で凹状とすることができる。また第3発明によれば、シートカバーの一部を更に確実に適所で凹状とすることができる。そして第4発明によれば、シートカバーの一部を更に意匠性良く凹状とすることができる。
乗物用シートの斜視図である。 シートパッドの斜視図である。 図1のIII−III線断面に相当するシートバック一部の断面図である。 図1のIII−III線断面に相当するシートカバー一部の断面図である。 変形例にかかるシートカバー一部の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図5を参照して説明する。各図には、乗物用シートの前後方向と上下方向と左右方向を示す矢線を適宜図示する。図1の乗物用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8を有する。これらシート構成部材は、各々、シート骨格をなすシートフレーム(4F,6F,8F)と、乗員を弾性的に支持可能なシートパッド(4P,6P,8P)と、シートパッドを被覆するシートカバー(4S,6S,8S)を有する。そしてシートクッション4の後部には、シートバック6(詳細後述)の下部が起倒可能に連結されているとともに、起立状態のシートバック6の上部には、ヘッドレスト8が配設されている。
[シートバック]
シートバック6では、シートパッド6Pが、シートフレーム6F上に配置されてシートカバー6Sで被覆されている(各部材の詳細は適宜後述)。このときシートの意匠性等を考慮して、シートカバー6Sの上部中央を凹状とし、さらに図3に示すように凹状のシートカバー部分(後述の第三表皮ピースSP3)を、シートパッド6Pに設けられている後述の凹部10に配置しておく。この種の構成においては、部品点数の増加を極力回避しつつ、シートカバー6Sの一部を意匠性良く凹状とすることが望まれる。そこで本実施例では、後述する構成(補強材20)にて、部品点数の増加を極力回避しつつ、シートカバー6Sの一部を意匠性良く凹状とすることとした。以下、各構成について詳述する。
[シートフレーム・シートパッド]
シートフレーム6F(図示省略)は、典型的に略アーチ状の枠体であり、剛性に優れる金属や硬質樹脂などの素材にて形成できる。またシートパッド6Pは、図2を参照して、シート外形をなす正面視で略矩形の部材であり、例えばポリウレタンフォーム(密度:10kg/m3〜60kg/m3)等の発泡樹脂で形成できる。このシートパッド6Pの前面は、乗員の背凭れが可能な着座面を構成しているとともに、後述の凹部10と、溝部12が設けられている。またシートパッド6Pの上部には、ヘッドレストのシートパッド8Pが一体的に設けられている。そして溝部12は、シートパッド6Pの上部と下部を区分けする溝状の凹み部位である。この溝部12は、正面視で上に凸の略半円形状をなしており、シート幅方向中央に向かうにつれて次第に上方に湾曲している。なお溝部12の底面には図示しない係止部材を配設することができ、この係止部材に、例えば溝部12内に引き込まれたシートカバー部分を係止することができる。
[凹部]
そしてシートパッド6Pの上部には、図2を参照して、正面視で略矩形の凹部10が設けられている。この凹部10は、シート幅方向中央で上下方向に延長する凹み部位であり、後述する凹状のシートカバー部分(第三表皮ピースSP3)を位置決めして配置できる。また凹部10は、図3に示すように横断面視で略U字状をなしており、右端で前方に起立している右内壁10aと、左端で前方に起立している左内壁10bとが設けられている。ここで図3を参照して、凹部10の左右方向の幅寸法W1は、凹状のシートカバー部分の幅寸法に応じて適宜設定することができる。また凹部10の前後方向の深さ寸法D1(詳細後述)は、収納されるべき部材の厚み寸法に応じて適宜設定可能であり、後述する各表皮ピースSP1〜SP3と補強材20の厚み寸法を考慮して決定される。
[シートカバー]
シートカバー6Sは、図1を参照して、シートの意匠面を構成する面材であり、複数の表皮ピース(第一表皮ピースSP1〜第四表皮ピースSP4等)を縫合することで形成できる(図1では、便宜上、シートカバーの着座面部分の表皮ピースにのみ特定の符号を付す)。ここで各表皮ピースSP1〜SP4等の素材は特に限定しないが、典型的には布帛(織物,編物,不織布)や皮革(天然皮革,合成皮革)で形成できる。また各表皮ピースSP1〜SP4等の裏側には、ウレタンラミなどのパッド材や裏基布を一体化することもできる。ここで第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3(いずれも詳細後述)は、シートカバー6Sの着座面上部を構成する部分である。そして第三表皮ピースSP3によって、後述するようにシート幅方向におけるシートカバー6Sの上部中央が凹状とされる。また第四表皮ピースSP4は、シートカバー6Sの着座面下部を構成する部分であり、図2に示すシートパッド6Pの溝部12から下の部分を覆うことができる。この第四表皮ピースSP4は、正面視で略矩形状をなしているとともに、上端側が、図2の溝部12に倣った略半円形状をなして中央に向かうにつれて次第に上方に突出している。
[第一表皮ピース・第二表皮ピース]
第一表皮ピースSP1は、図1を参照して、シートカバー6Sの上部右側を形成する部分である。また第二表皮ピースSP2は、第一表皮ピースSP1と左右対称形状をなすようにシートカバー6Sの上部左側を形成する部分である。これら第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2は、いずれも正面視で略矩形状をなしており、下端側が、図2の溝部12に沿うようにシート幅方向中央に向かうにつれて次第に上方に湾曲している。そして第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2は、図3を参照して、これらの縫い代部E1,E2によって後述する第三表皮ピースSP3に縫合されている。第一表皮ピースSP1の第一縫い代部E1は、第一表皮ピースSP1左端で内向きに折り返されている部分である。この第一縫い代部E1は、第一表皮ピースSP1の図1に示す左端部X1を折り返し基点として裏側に回り込むように右方に折り返されている。また第二表皮ピースSP2の第二縫い代部E2は、第二表皮ピースSP2右端で内向きに折り返されている部分である。この第二縫い代部E2は、第二表皮ピースSP2の右端部X2を折り返し基点として裏側に回り込むように左方に折り返されている。
[第三表皮ピース]
そして第三表皮ピースSP3は、図1を参照して、シートカバー6Sを部分的に凹状とするための部位であり、後述する補強材20が取付けられている。この第三表皮ピースSP3は、図2に示す凹部10に倣って上下方向に長尺な正面視で略矩形をなしており、図4に示す右縁RMと左縁LMが上下方向に延長している。なお第三表皮ピースSP3は、第一表皮ピースSP1等と概ね同一の厚み寸法に設定してもよく、異なる厚み寸法に設定することもできる。例えば本実施例では、凹み状に配置される第三表皮ピースSP3に比して、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2が着座状態の乗員に接しやすい位置に配置される。そこで図4を参照して、第一表皮ピースSP1(第二表皮ピースSP2)の厚み寸法T1を第三表皮ピースの厚み寸法T2よりも大きくすることで、シートの着座性を向上させることもできる(なお各図では、便宜上、各表皮ピースを概ね同一の厚み寸法で図示している)。なお各表皮ピースの厚み寸法に差を設ける手法として、表皮ピース自体やパッド材や裏基布の厚み寸法を変える手法を例示でき、典型的にはパッド材の厚み寸法を変える手法を好適に用いることができる。
[補強材]
補強材20は、図1及び図3を参照して、第三表皮ピースSP3と略同形同寸の面材であり、外部に露出しないように第三表皮ピースSP3の裏側に配置されている。この補強材20は、各表皮ピースSP1〜SP4に比して面剛性に優れて厚み方向(各図では前後方向)等に撓み変形しにくい素材で形成されている。そして本実施例においては、補強材20によって第三表皮ピースSP3の剛性を高めることにより、後述する第一表皮ピースSP1の第一縫い代部E1と、第二表皮ピースSP2の第二縫い代部E2を、適切な向きに倒しておくことができる。この種の補強材20の素材として、例えば各表皮ピースSP1〜SP4に比して面剛性に優れる面材を使用することができ、具体的には、各表皮ピースSP1〜SP4よりも厚手の面材や樹脂製の面材を用いることができる。本実施例においては、目付量350g/m2〜450g/m2の不織布やフェルトなどの繊維積層体を、補強材20として用いることができる。なお補強材20の面剛性(撓み変形のしにくさ)は例えば曲げ反発性で表すことができ、この曲げ反発性は、「JIS L−1096.8.22.1 A法」に準拠して測定できる。
ここで図4を参照して、補強材20の左右方向の幅寸法W2は、図3のシートパッド6Pの凹部10内に配置可能であれば特に限定しないが、凹部10の幅寸法W1と同等又は若干大きく設定することが望ましい。こうすることで第三表皮ピースSP3と補強材20を、凹部10の左右の内壁10a,10bを押し退けるように撓ませつつ、凹部10内に押し込んでおくことができる。また本実施例では、後述するように第三表皮ピースSP3及び補強材20とともに各縫い代部E1(E2)の双方を凹部10内に収容できる。このため図3及び図4を参照して、補強材20の厚み寸法をT3とした場合、凹部10の深さ寸法D1は、第三表皮ピースSP3と補強材20と各縫い代部E1(E2)を重ね合わせた際の寸法(T1+T2+T3)以上に設定されている。
[シートカバーの形成]
図1及び図4を参照して、複数の表皮ピースSP1〜SP4等を縫合してシートカバー6Sを形成する。例えばシートカバー6Sの着座面上部では、第一表皮ピースSP1と、第三表皮ピースSP3と、第二表皮ピースSP2を、この順で右から左に向けて配置しつつ縫合する。このとき第三表皮ピースSP3を、図4に示すように第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2の裏側でこれらの間に橋渡し状に配置する。さらに第三表皮ピースSP3の一縁としての右縁RM側に、シート上下に延びる第一縫合線SEW1を介して、第一表皮ピースSP1の第一縫い代部E1を中表状に縫合する。また第三表皮ピースSP3の他縁としての左縁LM側に、シート上下に延びる第二縫合線SEW2を介して、第二表皮ピースSP2の第二縫い代部E2を中表状に縫合する。このように折り返されて厚みを増した各縫い代部E1,E2を第三表皮ピースSP3に縫合することで、シートカバー6Sの一部を好適に凹状とする。そしてシートカバー6S上部の各表皮ピースSP1〜SP3の下端部を、シートカバー6S下部をなす第四表皮ピースSP4の上端部に縫合する。こうしてシートカバー6Sを作成すると同時に、第三表皮ピースSP3によってシートカバー6Sの一部を凹状とする。
ところでシートカバー6S上部では、図1、図3及び図4を参照して、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2が凹状の第三表皮ピースSP3の左右に配置される。そして第一表皮ピースSP1の縫い代部E1の折り返し基点となる左端部X1が、第三表皮ピースSP3の右縁RM側で上下方向に延長している。また第二表皮ピースSP2の縫い代部E2の折り返し基点となる右端部X2が、第三表皮ピースSP3の左縁LM側で上下方向に延長している。これら第一表皮ピースSP1の左端部X1と第二表皮ピースSP2の右端部X2は、対応する縫い代部E1,E2の倒れ方向が仮に不均一であると、波打つようにヨタりながら上下方向に配置されてしまう。このためシートカバー6Sの一部を意匠性良く凹状とするため、各縫い代部E1,E2の折り返し状態を維持して倒れ方向を一定にする必要がある。この種の構成においては、部品点数の増加を極力回避しつつ、シートカバー6Sの一部を意匠性良く凹状としておくことが望まれる。
そこで本実施例では、図4を参照して、第三表皮ピースSP3の裏側に、シートカバー6Sよりも撓み変形しにくい面状の補強材20を取付ける。そして図3を参照して、補強材20が取付けられている第三表皮ピースSP3によって、折り返された状態の第一縫い代部E1(第二縫い代部E2)を対応する表皮ピースSP1(SP2)の裏側に向けて押圧することとした。すなわち本実施例では、図3に示すシートカバー6Sの形成の際に、第三表皮ピースSP3の裏側に補強材20をあてがっておく。この状態で第三表皮ピースSP3の右縁RMに、第一縫合線SEW1で補強材20と第一縫い代部E1を縫合し、第三表皮ピースSP3の左縁LMに、第二縫合線SEW2で補強材20と第二縫い代部E2を縫合する。そして図4を参照して、補強材20が取付けられて厚み方向に撓みにくくなった第三表皮ピースSP3によって、第一縫い代部E1を、第一表皮ピースSP1の裏側に向けて押圧し、第二縫い代部E2を、第二表皮ピースSP2の裏側に向けて押圧する。こうして第三表皮ピースSP3と補強材20の押圧によって、接着材を要することなく、第一縫い代部E1と第二縫い代部E2の折り返し状態(倒れ方向)を適切に維持しておくことができる。こうして本実施例では、補強材20が取付けられた第三表皮ピースSP3の押圧によって、第一表皮ピースSP1の左端部X1と第二表皮ピースSP2の右端部X2を極力ヨタらせることなく上下方向に配置しておくことができる。
ここで上述の構成では、シートカバー6Sの形成時などに、第一表皮ピースSP1又は第二表皮ピースSP2の意匠面部分に皺ができることがある。このとき本実施例では、接着材を省略したことにより、各縫い代部E1,E2と対応する表皮ピースSP1,SP2(意匠面を構成する部分)の相対移動が可能である。このため各表皮ピースSP1,SP2を、各縫い代部E1,E2に対して皺を取り除くようにスムーズに相対移動させることができる。こうして本実施例では、接着材の代わりに補強材20を用いることで、第一表皮ピースSP1又は第二表皮ピースSP2の意匠面部分の皺を容易に取り除くことができる。
つぎに図3を参照して、シートカバー6Sで、シートフレーム6F上のシートパッド6Pを被覆する。このときシートカバー6Sの面方向に適度なテンションをかけながらシートパッド6Pを被覆し、この状態で凹状の第三表皮ピースSP3を、シートパッド6Pの凹部10に位置決めして配置する。このとき凹部10の左右の内壁10a,10bに補強材20が係止されることにより、第三表皮ピースSP3が、面ファスナを要することなくシートパッド6Pの適所に位置決めされて配置されることとなる。特に本実施例では、第三表皮ピースSP3と補強材20を、左右の内壁10a,10bを押し退けながら凹部10内に押し込むことで、第三表皮ピースSP3を、シートパッド6Pの適所により確実に配置しておくことができる。さらに本実施例では、凹部10の深さ寸法D1を調整することにより、第一縫い代部E1と第二縫い代部E2を、第三表皮ピースSP3等とともに凹部10内に配置させることができる。このように各縫い代部E1,E2を凹部10内に配置しておくことで、各縫い代部E1,E2が原因となるシートカバー6Sの意図しない凸部の発生を極力回避することができる。
以上説明した通り本実施例では、補強材20が取付けられている第三表皮ピースSP3の押圧によって、接着材を要することなく、第一縫い代部E1と第二縫い代部E2の折り返し状態を維持しておくことができる。また本実施例のように接着材を省略することにより、各縫い代部E1,E2と対応する表皮ピースSP1,SP2の相対移動が可能となる。このためシートカバー6Sの形成時に各表皮ピースSP1,SP2に皺ができたとしても、この表皮ピースSP1,SP2の皺を比較的簡単に取り除くことができる。また本実施例では、凹部10に対する補強材20の係止によって、凹状のシートカバー部分をなす第三表皮ピースSP3を、面ファスナを要することなくシートパッド6Pの適所に配置しておくことができる。このとき第三表皮ピースSP3と補強材20を凹部10に押し込んでおくことで、第三表皮ピースSP3を、シートパッド6Pの適所により確実に配置しておくことができる。さらに第一縫い代部E1と第二縫い代部E2が、第三表皮ピースSP3とともにシートパッド6Pの凹部10内に配置されているため、各縫い代部E1,E2にてシートカバー6Sが意図せず凸状となることを極力回避することができる。このため本実施例によれば、部品点数の増加を極力回避しつつ、シートカバー6Sの一部を意匠性良く凹状とすることができる。
[変形例]
ここで第三表皮ピースSP3に対する補強材20の取付け手法は、上述の構成のほか各種の構成を取り得る。例えば本変形例では、図5を参照して、第一表皮ピースSP1と第二表皮ピースSP2と第三表皮ピースSP3の縫合前に、第三表皮ピースSP3に補強材20を取付けることができる。例えば第三表皮ピースSP3の裏側に補強材20を重ねた状態で、第三表皮ピースSP3と補強材20の右末端側を第三縫合線SEW3で縫合し、第四表皮ピースSP4と補強材20の左末端側を第三縫合線SEW3で縫合する。そして第三表皮ピースSP3の右縁RMに、第一縫合線SEW1を介して第一縫い代部E1を中表状に縫合し、このとき第一縫合線SEW1を、第三縫合線SEW3の左側に形成する。また第三表皮ピースSP3の左縁LMに、第二縫合線SEW2を介して第二縫い代部E2を中表状に縫合し、このとき第二縫合線SEW2を、第四縫合線SEW4の右側に形成する。そして第一表皮ピースSP1〜第三表皮ピースSP3を図5に示す面状に展開することで、第三縫合線SEW3(第四縫合線SEW4)を、対応する表皮ピースSP1(SP2)の裏側に配置して外部に露出しない構成とすることができる。本変形例では、第三表皮ピースSP3に補強材20を予め取付けておくことで、シートカバー6S形成時におけるこれらの位置決め作業を省略することができる。また補強材20を、第一縫合線SEW1〜第四縫合線SEW4によって、比較的強固に第三表皮ピースSP3に取付けておくことができる。
本実施形態の乗物用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、第三表皮ピースSP3と補強材20の構成(形状,寸法,配設数,配設位置、取付け手法など)を例示したが、これら部材の構成を限定する趣旨ではない。例えば補強材の構成は、第三表皮ピースの構成に応じて適宜設定可能であり、第三表皮ピースと異なる形状や寸法を有していてもよい。また第三表皮ピースに対する補強材の取付け手法として、接着や融着や貼着などの手法、縫合線やステープル等を用いた物理的手法を例示でき、さらに樹脂製の補強材を成形する際に第三表皮ピースと一体化することもできる。また第一表皮ピースと第二表皮ピースと第三表皮ピースの縫合手法も適宜変更可能である。例えば本実施例では、第一縫合線と第二縫合線等を、シートの意匠面に露出させない構成を説明したが、各縫合線の少なくとも一方を、シートの意匠面に露出させることもできる。
また本実施形態では、第三表皮ピースSP3と補強材20と各縫い代部E1,E2を凹部10に位置決めして配置する構成を例示したが、これらの配置手法を限定する趣旨ではない。例えば第三表皮ピース及び補強材だけを凹部に収納して、各縫い代部を凹部外に配置させておくことができる。また補強材だけを凹部に収納して、第三表皮ピース及び各縫い代部を凹部外に配置させておくことができる。また凹部の幅寸法を、補強材の幅寸法よりも大きくすることができ、この場合においても、凹部の内壁に補強材が係止されるため、第三表皮ピースが凹部から極端に位置ずれすることを極力回避できる。なお第三表皮ピースと補強材は、面ファスナなどの部材を介して凹部に取付けることもできる。また凹部は、シートの意匠性などを考慮してシートパッドの適宜の位置に複数又は単数設けることができ、凹部を複数設ける場合には、複数の凹部の少なくとも一つに第三表皮ピースと補強材を配置することができる。
また乗物用シート2の構成(形状,寸法,構成部材など)を例示したが、乗物用シートの構成を限定する趣旨ではない。また本実施例では、シートバックを一例に説明したが、本発明の構成は、シートクッションやヘッドレストなどの各種シート構成部材に適用できる。そして本実施形態の構成は、車両や航空機や電車などの乗物用シート全般に適用できる。
2 乗物用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
6F シートフレーム
6P シートパッド
6S シートカバー
10 凹部
12 溝部
20 補強材
SP1 第一表皮ピース
SP2 第二表皮ピース
SP3 第三表皮ピース
SP4 第四表皮ピース
E1 第一表皮ピースの第一縫い代部
E2 第二表皮ピースの第二縫い代部
RM 第三表皮ピースの右縁(本発明の一縁)
LM 第三表皮ピースの左縁(本発明の他縁)
X1 第一表皮ピースの左端部
X2 第二表皮ピースの右端部
SEW1 第一縫合線
SEW2 第二縫合線

Claims (4)

  1. 乗員を弾性的に支持可能なシートパッドと、前記シートパッドを被覆してシートの意匠面を構成するシートカバーとを備え、
    前記シートカバーの少なくとも一部が、第一表皮ピースと、第二表皮ピースと、前記第一表皮ピースと前記第二表皮ピースの間に橋渡された第三表皮ピースとで形成され、
    前記第三表皮ピースが、前記第一表皮ピースと前記第二表皮ピースに比して前記シートパッド側に配置されているとともに、前記第三表皮ピースの一縁側に、前記第一表皮ピースの折り返された第一縫い代部が縫合され、前記第三表皮ピースの一縁と反対の他縁側に、前記第二表皮ピースの折り返された第二縫い代部が縫合されている乗物用シートにおいて、
    前記第三表皮ピースの裏側に、前記シートカバーよりも撓み変形しにくい面状の補強材が取付けられているとともに、前記補強材が取付けられている前記第三表皮ピースによって、折り返された状態の前記第一縫い代部と前記第二縫い代部が対応する表皮ピースの裏側に向けて押圧されている乗物用シート。
  2. 前記補強材が、前記シートパッドの凹部に係止されて配置されている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記補強材が取付けられている前記第三表皮ピースが、前記凹部内に押し込まれて配置されている請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記第一縫い代部と前記第二縫い代部が、前記補強材とともに前記凹部内に配置されている請求項3に記載の乗物用シート。
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