JP2017136271A - 保護部材および薬液投与器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】注入部が外れること、および連結部が液体によって濡れることを好適に防止することのできる手段を提供する。【解決手段】薬液を貯蔵する薬液貯蔵部および薬液貯蔵部内の薬液を生体内に送液する駆動力を発生する駆動機構を備える送液部と、送液部が装着される装着部111、送液部が装着部111に装着された際に薬液貯蔵部に対して液密に連結される連結部、および薬液貯蔵部から連結部を介して送液された薬液を生体内に注入するカニューレを備える注入部11と、を有する薬液投与装置に着脱可能な保護部材30であって、送液部を取り外した状態の装着部111に装着されることにより、装着部を保護するとともに、連結部を液密な状態で維持することができる。【選択図】図7

Description

本発明は、保護部材および薬液投与器具に関する。
従来から、インスリン等の薬液を投与する装置として、投与対象となる患者や被験者の皮膚に取り付けられた状態で経時的に薬液を投与する携帯型の薬液投与装置が知られている。
薬液投与装置は、一般的に、薬液が貯蔵される薬液貯蔵部および薬液貯蔵部内の薬液を生体内に送液する駆動力を発生する駆動機構を備える送液部と、送液部が着脱可能に設けられ薬液を生体内に注入するカニューレ等を備える注入部と、を有する(例えば下記の特許文献1参照)。
このように構成された薬液投与装置において、例えば入浴時のように装置が液体に接する際には、送液部には電気的な機構が含まれるため、送液部を注入部から取り外すことが行われている。
特許5172841号公報
しかしながら、送液部を注入部から取り外した状態で、入浴等をした場合、以下のような課題が挙げられる。
第1に、注入部に設けられた送液部との機械的な嵌合部(突起や穴)等に、手または他部材等が接触して、生体に貼り付けられた注入部が意図せず外れる虞がある。
第2に、送液部を注入部から取り外すことによって、送液部が注入部に装着された際に薬液貯蔵部に対して液密に連結される連結部(接続ポート)が露出し、連結部が液体で濡れて不衛生となる虞がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、注入部が外れること、および連結部が液体によって濡れることを好適に防止することのできる手段を提供することを目的とする。
本発明に係る保護部材は、薬液を貯蔵する薬液貯蔵部および前記薬液貯蔵部内の前記薬液を生体内に送液する駆動力を発生する駆動機構を備える送液部と、前記送液部が装着される装着部、前記送液部が前記装着部に装着された際に前記薬液貯蔵部に対して液密に連結される連結部、および前記薬液貯蔵部から前記連結部を介して送液された前記薬液を前記生体内に注入するカニューレを備える注入部と、を有する薬液投与装置に着脱可能な保護部材である。前記保護部材は、前記送液部を取り外した状態の前記装着部に装着されることにより、前記装着部を保護するとともに、前記連結部を液密な状態で維持する。
また、本発明に係る薬液投与器具は、薬液を貯蔵する薬液貯蔵部および前記薬液貯蔵部内の前記薬液を生体内に送液する駆動力を発生する駆動機構を備える送液部と、前記送液部が装着される装着部、前記送液部が前記装着部に装着された際に前記薬液貯蔵部に対して液密に連結される連結部、および前記薬液貯蔵部から前記連結部を介して送液された前記薬液を前記生体内に注入するカニューレを備える注入部と、を有する薬液投与装置と、前記薬液投与装置に着脱可能であって、前記送液部を取り外した状態の前記装着部に装着されることにより、前記装着部を保護するとともに、前記連結部を液密な状態で維持する保護部材と、を有する。
本発明に係る保護部材および薬液投与器具によれば、保護部材が装着部に装着されることにより、装着部を保護する。このため、装着部に設けられる送液部との機械的な嵌合部を保護することができ、注入部が手や他部材に引っ掛かって外れることを好適に防止することができる。さらに、保護部材が装着部に装着されることにより、連結部を液密な状態で維持する。このため、連結部が液体によって濡れることを好適に防止することができる。以上より、注入部が外れること、および連結部が液体によって濡れることを好適に防止することのできる手段を提供することができる。
実施形態に係る薬液投与器具を示す概略図であって、図1(A)は、薬液投与装置を示し、図1(B)は、保護部材が注入部に装着された状態を示す。 実施形態に係る薬液投与装置の送液本体部を示す分解斜視図である。 実施形態に係る薬液投与装置の注入部を示す平面図である。 図3の4−4線に沿う拡大断面図であって、図4(A)は、カニューレを生体内へ導入する前の状態を示す図、図4(B)は穿刺具によってカニューレを生体内へ導入した様子を示す図、図4(C)は、穿刺具を抜去し、カニューレが生体内に留置された状態を示す図である。 図5(A)は、実施形態に係る薬液投与装置の送液本体部における各部の構造を示す概略平面図、図5(B)は、図5(A)における駆動機構の拡大図である。 図5の6−6線に沿う断面図であって、図6(A)は、注入部と送液部を接続する前の状態を示す図、図6(B)は、注入部と送液部を接続した状態を示す図である。 注入部に保護部材を装着する前の様子を示す斜視図である。 図8(A)は、図7の矢印Aから視たときの保護部材を示す斜視図であって、図8(B)は、保護部材の下面図である。 図9(A)は、注入部に保護部材を装着する前の状態を示す図、図9(B)は、注入部に保護部材を装着した状態を示す図である。 変形例に係る保護部材を示す斜視図である。 変形例に係る保護部材を注入部に装着する前の様子を示す斜視図である。 図12(A)は、変形例に係る保護部材を示す、図8(A)に対応する図であって、図12(B)は、変形例に係る保護部材の下面図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本願発明に係る実施形態を説明する。図面における各部材の大きさや比率は、説明の都合上誇張され実際の大きさや比率とは異なる場合がある。
図1〜図6は、本実施形態に係る薬液投与装置100の各部の構成の説明に供する図である。図7〜図9は、本実施形態に係る保護部材30の構成の説明に供する図である。
本実施形態に係る薬液投与器具1は、図1に示すように、生体内に薬液を投与する薬液投与装置100と、薬液投与装置100に着脱可能な保護部材30と、を有する。以下、薬液投与装置100、保護部材30の順で、それぞれの構成について説明する。
(薬液投与装置100)
本実施形態に係る薬液投与装置100は、使用者である糖尿病患者の生体内に薬液としてのインスリンを送液する携帯型のインスリン投与装置として構成されている。以下の説明においては、薬液投与装置100をインスリン投与装置100とも称する。
図1(A)に示すように、インスリン投与装置100は、薬液であるインスリンを生体内へ送液する送液動作を行う送液本体部10と、送液本体部10に対して各種の動作指示を行うリモコン20と、を備えている。
図2に示すように、送液本体部10は、使用者の生体内に留置するカニューレ113等を備え、使用者の生体に取り付けられる注入部11と、送液動作に必要な部材を駆動させる駆動力を生じさせる駆動機構131等を含む送液リユース部13およびインスリンが充填された薬液貯蔵部141等を含む送液ディスポ部14を備える送液部12と、を有している。
注入部11および送液部12は、連結分離可能に構成されている。使用者は、例えば、入浴等の際に、注入部11を生体に取付けたまま、インスリンが充填された薬液貯蔵部141や電気的な機構を含む送液部12を注入部11から分離する。この作業を行うことによって、薬液貯蔵部141内のインスリンが加温されることや、送液部12内の電気的な機構に液体が付着して濡れることを防止することができる。
また、送液リユース部13および送液ディスポ部14は、連結分離可能に構成されている。所定期間の使用後、薬液貯蔵部141内のインスリン等を使い切った場合は、送液リユース部13と送液ディスポ部14とを分離し、送液ディスポ部14を使い捨て(ディスポーザブル)にして、新しいものに交換することができる。一方、送液リユース部13には、後述するモータ136や複数のギヤ137等、送液ディスポ部14に搭載される構成部材に比べて交換の頻度が少ない比較的高価な構成部材が搭載される。このように所定期間の使用後に廃棄される構成部材と比較的高価な構成部材とを異なるハウジングにそれぞれ搭載させて、比較的高価な構成部材を送液リユース部13に搭載して再利用可能とすることにより、装置の製造コストや使用に伴うコストの低減を図ることを可能にしている。以下に各構成について説明する。
まず、注入部11について説明する。注入部11は、図2等に示すように、注入本体部(装着部に相当し、クレードルとも呼ばれる)111と、注入本体部111を使用者の生体に貼り付ける貼付部112と、注入本体部111から突出し、生体内に留置されるカニューレ113と、注入本体部111に載置され、カニューレ113を支持する支持部材114と、を有している。
注入本体部111には、図2に示すように、送液部12が装着される。注入本体部111は、送液部12が載置される平板状の載置面111aと、載置面111aの外周縁部の一部を立ち上げた第1縦壁部111bと、を備えている。図4(A)、(B)に示すように、載置面111aには、カニューレ113を挿通可能な挿通穴111cが形成されている。
また、図2に示すように、第1縦壁部111bには、後述する送液ディスポ部14の第2ハウジング145との機械的な連結状態を維持するための係合部として、対向面に向かって突出した突起111dと、貫通穴111eと、が形成されている。送液ディスポ部14の第2ハウジング145を注入本体部111に対して、載置面111aの面方向にスライドさせて連結すると、突起111dは、第2ハウジング145の外側に形成された溝145cに嵌合する。また、貫通穴111eには、第2ハウジング145に形成された第1引掛部145dが引っ掛かる。なお、注入本体部111と送液ディスポ部14の第2ハウジング145を連結分離可能であれば、係合部の形状は、上記の形状に限定されない。
また、第1縦壁部111bは、図3に示すように、上面視で、3辺に設けられ、1辺には設けられない。このように第1縦壁部111bが構成されるため、後述するように、送液部12または保護部材30を注入本体部111に対して、載置面111aの面方向に、スライド移動させて装着させることができる。さらに、第1縦壁部111bは、送液部12または保護部材30が収容される収容空間を区画する。
図3および図4(A)〜(C)に示すように、貼付部112は、略矩形状のシート状の部材により構成している。貼付部112は、注入本体部111の載置面111aにおいて、第1縦壁部111bが立ち上がっている側の面と反対側の面に接着性が付加されている。貼付部112の接着性を利用して、使用者の生体に注入部11を貼り付けることが可能になっている。なお、貼付部112において生体に貼付される接着性を備えた面には、貼付部112を覆って保護する取り外し可能な剥離紙等を使用して、貼付部112が不用意に貼り付けられるのを防止するようにしてもよい。
カニューレ113は生体に穿刺され、薬液貯蔵部141からのインスリンを生体に導入するために用いられる。図4(A)に示すように、カニューレ113は、円筒形状の部分と当該円筒形状の部分に連続して形成された円錐台形状の部分を有し、円筒形状の部分と円錐台形状の部分にはインスリンを流通させる内腔が連続して形成されている。カニューレ113は、上記のような形状を備えることにより、いわゆる漏斗のような形状を備えるように構成している。
支持部材114は、図4に示すように、カニューレ113を支持する基部114aと、送液ディスポ部14の送液管142(図6を参照)が挿入される内腔を備える接続ポート114bと、接続ポート114bを覆うようにして取り付けられるキャップ114cと、基部114aの上面(注入本体部111への載置面と反対側の面)に取り付けられた蓋部材114dと、基部114aと蓋部材114dとの間に設けられたシール部材114eと、を備えている。接続ポート114bおよびキャップ114cは、送液部12が注入本体部111に装着された際に、後述する薬液貯蔵部141に対して液密に連結される連結部114gを構成する。
基部114aは、支持部材114の土台となる部位であり、本実施形態においては略円筒形状にて構成している。基部114aは、図4(C)等に示すようにカニューレ113を設置する内部空間114fを備えており、当該内部空間114fはカニューレ113を支持できるように、カニューレ113の形状に合わせて漏斗形状を備えるように構成している。
接続ポート114bは、図4(A)等に示すように基部114aにおいて、カニューレ113の有する円筒形状の軸と交差する方向に向かって延在している。接続ポート114bの内腔と、基部114aの内部空間114fは連通している。
キャップ114cは、後述する送液ディスポ部14の送液管142を挿し込むことができるとともに、送液管142と接続ポート114bとの間を液密に保つことができる材料によって形成されていることが好ましく、そのような材料としては、例えばゴム等が挙げられる。
図4(C)に示すように、蓋部材114dは、シール部材114eを押さえる機能を備えている。蓋部材114dには、カニューレ113の軸方向と同軸上に、後述する穿刺具Mの針Nを挿通可能な貫通穴が形成されている。
シール部材114eは、穿刺具Mの針Nを挿し込むことができるように構成されるとともに、穿刺具Mの抜去後に蓋部材114dの貫通穴からインスリンが漏れ出ることを防止する。シール部材114eの材料としては、例えばゴム等が挙げられる。なお、図4(A)、(B)に示す穿刺具Mは、詳細な構成は省略した模式図である。
カニューレ113の生体内への留置は、例えば、支持部材114に支持されたカニューレ113の内腔に挿通可能な針Nと、針Nおよびカニューレ113が載置面111aから突出する方向に向けて支持部材114および針Nに付勢力を付与する付勢部材(図示せず)と、を備える穿刺具Mにより行うことができる。
具体的には、まず、使用者は、貼付部112によって自身の体表面に注入本体部111を取付ける。次に、支持部材114の蓋部材114dに形成された貫通穴から針Nを挿入して、カニューレ113の内腔を針Nが挿通するように、支持部材114を穿刺具Mに取り付ける。次に、図4(A)に示すように、穿刺具Mを載置面111a上に取り付ける。次に、図4(B)に示すように、穿刺具Mが備える付勢部材の付勢力によって、針Nおよびカニューレ113が載置面111aから突出する方向に向けて支持部材114および針Nを射出する。次に、図4(C)に示すように、支持部材114が載置面111aに取り付けられた状態で、針Nを含む穿刺具Mを載置面111a上から取り外す。これによって、生体内にカニューレ113が留置される。
次に送液リユース部13について説明する。図2および図5(A)に示すように、送液リユース部13は、送液動作を行うために必要な部材を駆動させる駆動機構131と、送液動作によって送液される送液量を検出する送液量検出部132と、リモコン20と通信を行う第1通信部133と、駆動機構131や第1通信部133等を制御する第1制御部134と、これらを保持する第1ハウジング135と、を有する。なお、図5(A)において点線Xで囲まれた部分は、送液リユース部13に取り付けられる部品を表し、一点鎖線Yで囲まれた部分は、送液ディスポ部14に取り付けられる部品を表す。また、図5(A)において、理解の容易のため、第1ハウジング135は省略して示す。
図5(A)、(B)に示すように、駆動機構131は、送液ディスポ部14の電池144からの電力によって回転を生じさせる出力軸を備えたモータ136と、モータ136によって生じた回転を減速して送液ディスポ部14の押出機構143に伝達する複数のギヤ137と、を有する。
モータ136は、出力軸において押出機構143のスライド部146を移動させるために必要な駆動力を回転運動として生じさせる。モータ136は、本実施形態においてステッピングモータを用いる。しかし、回転による駆動力を発生させることができ、携帯が可能なインスリン投与装置100に搭載できるサイズであればこれに限定されず、ステッピングモータ以外にも例えばDCモータ、ACモータ等であってもよい。
複数のギヤ137は、モータ136から生じた回転の動力を、薬液貯蔵部141を押圧する押出機構143まで伝達するために用いられる。本実施形態において複数のギヤ137は、図5(B)に示すように、モータ136に接続される第1ギヤ137aと、隣接するギヤと噛み合う第2ギヤ137b、第3ギヤ137c、および第4ギヤ137dと、を有する。
第1ギヤ137aは、隣接するギヤと噛み合う歯を一種類備えている。これに対し、第2ギヤ137b、第3ギヤ137cおよび第4ギヤ137dは、隣接するギヤと噛み合う歯をギヤの回転する軸方向に2種類並べて備えている。
第2ギヤ137bは、第1ギヤ137aの回転軸と交差する方向(図5(A)、(B)の上下方向)において第1ギヤ137aおよび第3ギヤ137cに隣接して配置している。第2ギヤ137bは、第1ギヤ137aの歯と噛み合う歯137eと、第3ギヤ137cの歯137gと噛み合う歯137fと、を備えている。歯137eは、歯137fよりも直径を大きくして構成している。
第3ギヤ137cは、第1ギヤ137aの回転軸と交差する方向(図5(A)、(B)の上下方向)において第2ギヤ137bおよび第4ギヤ137dに隣接して配置している。第3ギヤ137cは、第2ギヤ137bの歯137fと噛み合う歯137gと、第4ギヤ137dの歯137iと噛み合う歯137hと、を備えている。歯137gは、歯137hよりも直径を大きくして構成している。
第4ギヤ137dは、第1ギヤ137aの回転軸と交差する方向(図5の上下方向)において第3ギヤ137cおよび送液ディスポ部14の第5ギヤ148に隣接して配置している。第4ギヤ137dは、第3ギヤの歯137hと噛み合う歯137iと、後述する送液ディスポ部14の押出機構143を構成する第5ギヤ148の歯と噛み合う歯137jと、を有する。歯137iは、歯137jよりも直径を大きくして構成している。
第1ギヤ137a、第2ギヤ137b、第3ギヤ137c、および第4ギヤ137dは、平歯車によって構成している。しかし、モータ136からの回転による動力を押出機構143に伝達できれば、これに限定されない。また、複数のギヤ137は、モータ136からのトルクを設定した値に減速して伝達できれば、ギヤの個数、歯数、歯の種類等のギヤの構成は上記に限定されない。また、本実施形態において第1ギヤ137aにあたる入力側のギヤと、第5ギヤ148にあたる出力側のギヤの回転方向は、同じ回転方向であってもよく、異なっていてもよい。
送液量検出部132は、第1ギヤ137aのモータ136側に設けられた回転板132aと、回転板132aを間に挟んで対向するように配置された送信部および受信部を備える光センサ132bと、を有する。
回転板132aは、扇風機の羽根のような略扇形の形状を第1ギヤ137aの円周方向において一定の角度間隔で複数設けている。光センサ132bの発光部から出射された光線が回転板132aの羽根形状の設けられていない箇所を通過すると、受光部は光線を受光する。反対に、光センサ132bからの光線が回転板132aの羽根形状によって遮られると、受光部は光線を受光しないことになる。回転板132aの羽根形状は一定の間隔で設けられているため、光線を受光した時間間隔(頻度)に基づいてモータ136の回転数が検出される。複数のギヤ137の減速比、および押出機構143のねじピッチ等は固定されている(可変でない)ため、モータ136の出力軸の回転数を検出することによってインスリンの送液量を検出することができる。
なお、本実施形態では、送液量検出部132によりモータ136の回転量を検出して送液量を求めたが、送液量の検出方法はこれに限定されない。例えば、モータ136に送られる制御信号から送液量を求めることも可能である。また、回転数の検出には光センサを用いているが、モータの回転量の検出ができれば光センサに限定されない。
図5(A)に示すように、第1通信部133は、リモコン20との通信に必要な電子的機器を備えている。リモコン20には後述するように第2通信部202が設けられており、送液リユース部13の第1通信部133と近距離無線通信であるBLE(Bluetooth Low Energy)通信を用いて互いに情報の送受信を行うことができるように構成している。
第1制御部134は、駆動機構131を構成するモータ136、第1通信部133、送液量検出部132等の動作を制御する。第1制御部134は、CPU、RAM、ROM等を含む公知のマイクロコンピュータによって構成している。
図2に示すように、第1ハウジング135は、駆動機構131、送液量検出部132、第1通信部133、および第1制御部134等の構成を覆う上面135aと、上面135aの外周縁部を一部立ち上げた側壁135bと、を有する。上面135aには、駆動機構131、送液量検出部132、第1通信部133、第1制御部134が各々動作可能に取り付けられる。
また、第1ハウジング135は、送液リユース部13を送液ディスポ部14に連結分離可能にする構成として、側壁135bの内面から内方に突出する凸部(不図示)を有する。本実施形態では、第1ハウジング135は、プラスチック等の樹脂部品によって構成しているが、一定程度の強度等を備えていれば、これに限定されない。
次に送液ディスポ部14について説明する。送液ディスポ部14は、図5(A)に示すようにインスリンが充填された薬液貯蔵部141と、注入部11に設けた接続ポート114bの内腔および薬液貯蔵部141を連通する送液管142と、駆動機構131に機械的に接続されて薬液貯蔵部141内のインスリンを送液管142に押し出す押出機構143と、駆動機構131等に電力を供給する電池144と、これらを保持する第2ハウジング145と、を有している。
薬液貯蔵部141は、筒状形状を備えている。薬液貯蔵部141の一端には、送液管142が接続されている。薬液貯蔵部141の他端には、開口部141aが形成されている。薬液貯蔵部141には開口部141aから後述する押出機構143のスライド部146が挿入されており、薬液貯蔵部141およびスライド部146によって仕切られた空間にインスリンが貯蔵されている。薬液貯蔵部141は、送液管142を介して、連結部114gに液密に連結される。
図6(A)、(B)に示すように、本実施形態では、送液管142は、鋭利な先端形状を備える金属製の細管により構成している。図6(A)に示すように、送液部12を注入部11にスライド移動させながら連結させると、図6(B)に示すように、送液管142の鋭利な先端が注入部11のキャップ114cを貫通し、接続ポート114bの内腔に差し込まれる。
図5(A)に示すように、押出機構143は、薬液貯蔵部141の内部空間において進退移動可能なスライド部146と、スライド部146に形成された雌ねじ部146dと噛合ってスライド部146を進退移動させる送りねじ147と、駆動機構131の第4ギヤ137dと噛合い、送りねじ147に接続される第5ギヤ148と、を備えている。
スライド部146は、図5(A)に示すようにインスリンがスライド部146の側に漏れ出ないようにシール性を保ちつつ薬液貯蔵部141内を進退移動可能な押出部材146aと、送りねじ147と噛み合う雌ねじ部146dが形成された送り板146bと、押出部材146aと送り板146bを連結する連結板146cと、を有している。
押出部材146aは、薬液貯蔵部141の内部空間においてインスリンを収容する空間を形成するために薬液貯蔵部141の開口部141aから挿入される。押出部材146aは、インスリンが押出部材146aと薬液貯蔵部141の筒形状の内壁面との境界から漏れ出ないように、筒形状の内壁面と嵌合しつつ、内壁面を図5(A)の左右方向に進退可能に移動する。薬液貯蔵部141における押出部材146aの位置によってインスリンを収容する収容空間(薬液貯蔵部141の内部空間)の大きさ(体積)が変化する。押出部材146aは押し子やプッシャー等と呼ばれたりもする。
送り板146bは、プレート形状に穴を設け、当該穴に送りねじ147の雄ねじと噛み合う雌ねじ部146dを形成して構成している。
連結板146cは、2枚の板を用いて押出部材146aと送り板146bとを連結している。しかし、押出部材146aと送り板146bとを連結し、両者を一体に動作させることができれば、連結板146cの形状はこれに限定されない。例えば、連結板146cは、上記以外にも例えば薬液貯蔵部141の筒形状の内壁面と嵌合する中空形状で構成してもよい。
送りねじ147は、一般的なねじの雄ねじ形状を有しており、その一部が送り板146bの雌ねじ部146dに噛み合わされる。
第5ギヤ148は、第2ハウジング145において、送液リユース部13および送液ディスポ部14を連結させた状態において、第4ギヤ137dに噛み合う位置に配置している。また、第5ギヤ148の回転中心(回転軸)には、送りねじ147の一端が固着されている。
送りねじ147および第5ギヤ148は、第2ハウジング145に回転可能に取り付けている。
駆動機構131を構成する第4ギヤ137dの回転に伴い、第5ギヤ148が回転すると、送りねじ147が回転する。送りねじ147の回転に伴い、送り板146bが送りねじ147の雄ねじの螺旋形状の軸に沿って移動する。連結板146cを介して送り板146bに連結された押出部材146aは、送り板146bの移動に伴って薬液貯蔵部141内を移動する。押出部材146aが薬液貯蔵部141に押し込まれる方向(収容空間の体積が減少する方向)に移動すると、薬液貯蔵部141と押出部材146aとによって形成された収容空間内のインスリンが送液管142に送液される。
電池144は、送液リユース部13および送液ディスポ部14を連結させた際に、送液リユース部13内のモータ136、送液量検出部132、第1通信部133および第1制御部134に電気的に接続されて各部に電力を供給する。本実施形態では、電池144は、二つの電池を直列に接続することによって構成されている。ただし、電池の個数、直列や並列等の接続方法は、各部に電力を供給可能である限り、特に限定されない。
図2に示すように、第2ハウジング145は、薬液貯蔵部141、送液管142、押出機構143、電池144等の構成を載置する底面145aと、底面145aの外周縁部を立ち上げた側壁145bと、を有する。
第2ハウジング145は、注入本体部111に連結分離可能に構成されている。具体的には、本実施形態では、側壁145bには、図2に示すように注入本体部111に形成された突起111dに嵌合可能な溝145cと、注入本体部111に形成された貫通穴111eに引っ掛かる第1引掛部145dと、が形成されている。第2ハウジング145を注入本体部111にスライド移動させると、注入本体部111の突起111dと第2ハウジング145の溝145cとが嵌合し、注入本体部111の貫通穴111eに第2ハウジング145の第1引掛部145dが引っ掛かる。これにより、第2ハウジング145が注入本体部111に連結された状態となる。
また、第2ハウジング145は、第1ハウジング135の側壁135bに設けられた凸部と噛み合う凹部(不図示)を有し、これにより第1ハウジング135に連結分離可能に構成されている。第1ハウジング135と第2ハウジング145を連結することにより、第1ハウジング135に搭載された駆動機構131と第2ハウジング145に搭載された押出機構143が機械的に接続される。また、第1ハウジング135に搭載されたモータ136、送液量検出部132、第1通信部133および第1制御部134が、第2ハウジング145に搭載された電池144と電気的に接続される。
本実施形態では、第2ハウジング145は、プラスチック等の樹脂部品によって構成しているが、一定程度の強度等を備えていれば、第1ハウジング135と同様に材料はこれに限定されない。
次に、リモコン20について説明する。図1に示すように、リモコン20は、リモコン本体部201と、第1通信部133と無線通信可能な第2通信部202と、インスリン投与装置100を統括して制御する第2制御部203と、リモコン本体部201に設けられるモニタ204と、使用者からの指示内容を受付可能なボタン205と、リモコン20の各部に電力を供給する電池206と、を有している。
リモコン本体部201は、使用者が片手で持つことができる程度の大きさに構成され、プラスチック等の比較的軽量な樹脂部品によって構成している。
第2通信部202は、送液本体部10の第1通信部133との通信に必要な電子的機器を備えている。第2通信部202は、本実施形態において低電力で通信を行うことが可能な近距離無線通信技術であるBLE(Bluetooth Low Energy)通信を用いて、送液本体部10との間で情報の送受信を行うように構成されている。しかし、送液本体部10との間で無線通信を行うことができれば、通信方式はBLEに限定されない。
第2制御部203は、CPU、RAM、ROM等を含む公知のマイクロコンピュータにより構成している。CPUがROMに予め格納されている各種プログラムをそれぞれRAMに読み出して実行することにより、送液動作の制御が実施される。なお、モニタ204、ボタン205、および電池206は公知のものと同様の構成であるため、説明を省略する。
以上、薬液投与装置100の構成について説明した。次に、本実施形態に係る保護部材30の構成について説明する。
(保護部材30)
保護部材30は、薬液投与装置100に着脱可能に構成される。具体的には、保護部材30は、図7に示すように、送液部12を取り外した状態の注入本体部111に装着される。これによって、保護部材30は、注入本体部111を保護するとともに、連結部114gを液密な状態で維持する。以下、保護部材30の構成について説明する。
保護部材30は、図7、図8に示すように、注入本体部111に装着された際に、注入本体部111の載置面111aに対向して配置される平面部31と、第1縦壁部111bに対向して設けられる第2縦壁部32と、注入本体部111の貫通穴111eに引っ掛かる第2引掛部33(固定部に相当)と、を有する。保護部材30は、図8(A)に示すように、載置面111aに向かって開口した形状を備える。
平面部31は、図7に示すように、注入本体部111の載置面111aの形状に対応して構成される。平面部31は、図1(B)における上面視で、注入本体部111の第1縦壁部111bを、一部を除いて、覆うように構成される。なお、平面部31は、図1(B)における上面視で、注入本体部111の第1縦壁部111b全体を覆うように構成されてもよい。
また平面部31には、図7、8に示すように、注入本体部111に保護部材30が装着された状態で、注入本体部111、平面部31、および第2縦壁部32によって区画される空間Vの内外を連通する水抜き穴(孔に相当)34が設けられる(図9(B)参照)。具体的には、水抜き穴34は、平面部31に設けられ、厚み方向に沿って貫通する。水抜き穴34は、図8(B)に示すように、平面部31のうち、第2縦壁部32の内方側において第2縦壁部32に隣り合う位置に形成される。なお、水抜き穴34は、図8(B)に示すように、排水性の観点から、第2縦壁部32によって区画される領域のコーナー部分に設けられることが好ましい。
このように平面部31に水抜き穴34が形成されることによって、入浴時に、注入本体部111、平面部31、および第2縦壁部32によって区画される空間V内に溜まった液体を、入浴後に保護部材30が装着された注入部11を所定の角度傾けることによって、外部に排出することができる。
第2縦壁部32は、図8(A)に示すように、第1面32Aと、第1面に直交して連続する第2面32Bと、第2面32Bに直交して連続する第3面32Cと、第3面32Cに直交して連続する第4面32Dと、第4面32Dに直交して連続する第5面32Eと、第5面32Eに直交して連続する第6面32Fと、を有する。第1面32Aは、連結部114gの位置に対応して、第3面32Cに対して、スライド方向の先端から所定距離だけ後方側に設けられる。
このように保護部材30は、平面部31と第2縦壁部32とを有するため、保護部材30は、注入部11の突起111d、貫通穴111e、および支持部材114等を覆う。したがって、注入部11が手や他部材に引っ掛かって外れることを好適に防止することができる。
第2縦壁部32は、保護部材30が注入部11に対して装着された際に、連結部114gを液密に覆うキャップ部321と、注入本体部111に形成された突起111dが嵌合可能な凹部322と、を有する。
キャップ部321は、図8(A)に示すように、第1面32Aに設けられる。キャップ部321は、第1面32Aと一体的に設けられるが、別体に設けられてもよい。キャップ部321は、図9に示すように、図9の左右方向を軸方向として開口する中空形状の中空部321aと、中空部321aに連なり中実形状の中実部321bと、を有する。中空部321aの内径は、キャップ114cの外形形状に対して液密に連結される内径である。
このように構成されたキャップ部321によれば、保護部材30を注入本体部111に装着した際に、中空部321aおよび中実部321bによって、連結部114gを液密な状態に維持することができる。したがって、入浴時に、連結部114gが液体によって濡れることを好適に防止でき、衛生的に薬液投与装置100を使用することができる。
凹部322は、図7、図8(A)に示すように、スライド方向に延在して設けられる。このように保護部材30には凹部322が形成されるため、凹部322が注入本体部111の突起111dに嵌合した状態で、保護部材30を、スライド移動させることができる。
第2引掛部33は、図8(A)に示すように、第2縦壁部32に連続して設けられる。第2引掛部33は、送液ディスポ部14の第1引掛部145dと同様に、保護部材30を注入部11に対してスライド移動させた際に、注入本体部111の貫通穴111eに引っ掛かって固定する。これによって、保護部材30が注入本体部111に装着された状態となる。なお、注入部11および保護部材30が着脱可能であれば、保護部材30が注入部11に装着される手段は上記に限定されない。
本実施形態では、保護部材30は、プラスチック等の樹脂部品によって構成しているが、一定程度の強度等を備えていれば、第1ハウジング135、第2ハウジング145と同様に材料はこれに限定されない。
次に、インスリン投与装置100の使用例について説明する。
まず、使用者は、インスリン投与装置100の使用に先立って、注入部11を生体に装着し、前述したように、穿刺具Mを用いてカニューレ113を生体内に留置する処置を行う。
また、使用者は、インスリン投与装置100の使用に先立って、送液リユース部13および送液ディスポ部14を連結して一体化し、送液部12を形成する。そして、使用者はリモコン20を操作し、送液ディスポ部14の送液管142内にインスリンを充填するプライミング(第1プライミング)の指示を行う。リモコン20からの指示を受け、第1制御部134は、駆動機構131を動作させて、押出機構143のスライド部146を所定量だけ移動させることにより、薬液貯蔵部141内に収容されたインスリンを送液管142に送液し、送液管142内にインスリンを充填させる。
次に、注入部11に送液部12を連結させる。
次に、使用者は、リモコン20を操作して、カニューレ113の内腔にインスリンが満たされるようにプライミング(第2プライミング)の指示を行う。
次に、使用者は、リモコン20を操作して、インスリンを一定量で経時的に送液するベーサルモードや単位時間当たりのインスリンの送液量を一時的に増加して送液するボーラスモード等の送液モードを適宜選択して、生体内へのインスリンの送液を行う。
以上、インスリン投与装置100の使用例について説明した。次に、図9等を参照して、入浴時における保護部材30の使用例について説明する。
まず、使用者は、リモコン20を操作して送液動作を停止し、図1(A)の状態にある送液本体部10において、注入部11から送液部12を取り外す。
次に、図7、図9(A)に示すように、保護部材30を注入部11に対してスライド移動させて、保護部材30を注入本体部111に装着する。このとき、保護部材30の凹部322が、注入本体部111の突起111dに嵌合した状態で、保護部材30をスライド移動する。また、保護部材30を所定距離移動させた際に、注入本体部111の貫通穴111eに対して、保護部材30の第2引掛部33が引っ掛かって、保護部材30が注入本体部111に装着する。
そして、入浴後に、保護部材30が装着された注入部11を所定の角度傾けることによって、入浴時に注入本体部111、平面部31、および第2縦壁部32によって区画される空間V内に溜まった液体を、外部に排出する。
次に、保護部材30を注入本体部111から取り外し、送液部12を注入本体部111に装着する。
以上説明したように、本実施形態に係る保護部材30は、薬液を貯蔵する薬液貯蔵部141および薬液貯蔵部141内の薬液を生体内に送液する駆動力を発生する駆動機構131を備える送液部12と、送液部12が装着される注入本体部111、送液部12が注入本体部111に装着された際に薬液貯蔵部141に対して液密に連結される連結部114g、および薬液貯蔵部141から連結部114gを介して送液された薬液を生体内に注入するカニューレ113を備える注入部11と、を有するインスリン投与装置100に着脱可能である。また、保護部材30は、送液部12を取り外した状態の注入本体部111に装着されることにより、注入本体部111を保護するとともに、連結部114gを液密な状態で維持する。このように構成した保護部材30によれば、保護部材30が注入本体部111に装着されることにより、注入本体部111を保護する。このため、注入本体部111に設けられる突起111d、貫通穴111e、および支持部材114等を保護することができ、注入部11が手や他部材に引っ掛かって外れることを好適に防止することができる。さらに、保護部材30が注入本体部111に装着されることにより、連結部114gを液密な状態で維持する。このため、連結部114gが液体によって濡れることを好適に防止することができる。
また、注入本体部111は、送液部12が載置される載置面111aと、載置面111aの周囲に設けられ送液部12が収容される収容空間を区画する第1縦壁部111bと、を備える。また、保護部材30は、注入本体部111に装着された際に、載置面111aに対向して配置される平面部31と、第1縦壁部111bに対向して設けられる第2縦壁部32と、連結部114gを液密な状態で維持するキャップ部321と、を有する。この構成によれば、平面部31および第2縦壁部32によって、注入本体部111に設けられる突起111d、貫通穴111e、および支持部材114等を覆って保護することができ、注入部11が手や他部材に引っ掛かって外れることをより好適に防止することができる。また、保護部材30が注入本体部111に装着された際にキャップ部321によって、連結部114gを液密な状態で維持する。このため、連結部114gが液体によって濡れることをより好適に防止することができる。
また、保護部材30は、注入本体部111に装着された状態で、注入本体部111、平面部31、および第2縦壁部32によって区画される空間Vの内外を連通する水抜き穴34を備える。このため、入浴時に、注入本体部111、平面部31、および第2縦壁部32によって区画される空間V内に溜まった液体を、入浴後に保護部材30が装着された注入部11を所定の角度傾けることによって、外部に排出することができる。したがって、より衛生的に薬液投与器具1を使用することができる。
また、水抜き穴34は、平面部31のうち、第2縦壁部32の内方側において第2縦壁部32に隣り合って形成される。このため、水抜き穴34から液体を排出する際に、保護部材30が装着された注入部11を所定の角度傾けると、液体は第2縦壁部32まで移動した後、第2縦壁部32に隣り合って形成される水抜き穴34から排出される。したがって、より効率的に液体を排出することができる。
また、保護部材30は、載置面111aの面方向に沿ってスライド移動した状態において、注入本体部111に固定可能な第2引掛部33を有する。このため、送液部12と同様の容易な操作によって、保護部材30を注入本体部111に装着することができる。
また、以上説明したように、本実施形態に係る薬液投与器具1は、上述した薬液投与装置100と、保護部材30と、を有する。このように構成した薬液投与器具1によれば、保護部材30が注入本体部111に装着されることにより、注入本体部111を保護する。このため、注入本体部111に設けられる突起111d、貫通穴111e、および支持部材114等を保護することができ、注入部11が手や他部材に引っ掛かって外れることを好適に防止することができる。さらに、保護部材30が注入本体部111に装着されることにより、連結部114gを液密な状態で維持する。このため、連結部114gが液体によって濡れることを好適に防止することができる。
以下、上述した実施形態の保護部材30の変形例を例示する。
(変形例)
図10〜図12は、変形例に係る保護部材230の説明に供する図である。
変形例に係る保護部材230は、上述した実施形態に係る保護部材30と比較して、一回り大きく構成されることで貼付部112を覆って保護する点において異なる。
変形例に係る保護部材230は、注入本体部111の載置面111aに対向して配置される平面部231と、第1縦壁部111bに対向して設けられる第2縦壁部32と、注入本体部111の貫通穴111eに引っ掛かる第2引掛部33と、第2縦壁部32の外周に設けられる側壁234と、を有する。
平面部231は、図10、図11に示すように、上面視で貼付部112に対して一回り大きい構成を備える。また、平面部231は、実施形態に係る平面部31と同様に、水抜き穴34が形成される。
第2縦壁部32および第2引掛部33は、上述した実施形態に係る保護部材30の第2縦壁部32および第2引掛部33と同様の構成を有するため、説明は省略する。
側壁234は、図12に示すように、第2縦壁部32の外周に設けられる。側壁234は、挿入方向の先端を除く箇所に設けられる。このため保護部材230を注入本体部111に対して載置面111aの面方向にスライド移動させて装着することができる。また、側壁234は、平面部231とともに貼付部112を覆うように構成される。このような平面部231および側壁234を有するため、変形例に係る保護部材230は、貼付部112を覆って保護する。
以上説明した変形例に係る保護部材230によれば、貼付部112を覆って保護するために、貼付部112の剥がれを好適に防止することができる。
以上のように実施形態を通じて本発明に係る薬液投与装置100を説明したが、本発明に係る薬液投与装置100は説明した構成のみに限定されることはなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々改変することが可能である。
上述した実施形態では、保護部材30、230を、注入部11に対して載置面111aの面方向にスライド移動させることによって装着した。しかしながら、載置面111aの直交方向に相対的に接近させることによって装着してもよい。
また、上述した実施形態では、キャップ部321は、第2縦壁部32に設けられたが、第2縦壁部32に設けられず、個別に設けられていてもよい。
また、上述した実施形態では、送液する薬液としてインスリンを用いた例を説明したがこれに限定されない。例えば、抗生物質、栄養剤、鎮痛剤、ホルモン剤等の薬液の投与に用いることも可能である。
1 薬液投与器具、
100 インスリン投与装置(薬液投与装置)、
11 注入部、
111 注入本体部(装着部)、
111a 載置面、
111b 第1縦壁部、
111d 突起、
112 貼付部、
113 カニューレ、
114b 接続ポート、
114c キャップ、
114g 連結部、
12 送液部、
131 駆動機構、
141 薬液貯蔵部、
30、230 保護部材、
31、231 平面部、
32 第2縦壁部、
321 キャップ部、
322 凹部、
33 第2引掛部、
34 水抜き穴(孔)、
V 空間。

Claims (7)

  1. 薬液を貯蔵する薬液貯蔵部および前記薬液貯蔵部内の前記薬液を生体内に送液する駆動力を発生する駆動機構を備える送液部と、
    前記送液部が装着される装着部、前記送液部が前記装着部に装着された際に前記薬液貯蔵部に対して液密に連結される連結部、および前記薬液貯蔵部から前記連結部を介して送液された前記薬液を前記生体内に注入するカニューレを備える注入部と、を有する薬液投与装置に着脱可能な保護部材であって、
    前記送液部を取り外した状態の前記装着部に装着されることにより、前記装着部を保護するとともに、前記連結部を液密な状態で維持する保護部材。
  2. 前記装着部は、前記送液部が載置される載置面と、前記載置面の周囲に設けられ前記送液部が収容される収容空間を区画する第1縦壁部と、を備え、
    当該保護部材は、
    前記装着部に装着された際に、前記載置面に対向して配置される平面部と、
    前記第1縦壁部に対向して設けられる第2縦壁部と、
    前記連結部を液密な状態で維持するキャップ部と、を有する請求項1に記載の保護部材。
  3. 前記装着部に装着された状態で、前記装着部、前記平面部、および前記第2縦壁部によって区画される空間の内外を連通する孔を備える請求項2に記載の保護部材。
  4. 前記孔は、前記平面部のうち、前記第2縦壁部の内方側において前記第2縦壁部に隣り合って形成される請求項3に記載の保護部材。
  5. 前記載置面の面方向に沿ってスライド移動した状態において、前記装着部に固定可能な固定部をさらに有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の保護部材。
  6. 前記注入部は、前記装着部を前記生体に貼り付ける貼付部をさらに有し、
    前記送液部を取り外した状態の前記装着部に装着されることにより、前記貼付部を覆う請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護部材。
  7. 薬液を貯蔵する薬液貯蔵部および前記薬液貯蔵部内の前記薬液を生体内に送液する駆動力を発生する駆動機構を備える送液部と、
    前記送液部が装着される装着部、前記送液部が前記装着部に装着された際に前記薬液貯蔵部に対して液密に連結される連結部、および前記薬液貯蔵部から前記連結部を介して送液された前記薬液を前記生体内に注入するカニューレを備える注入部と、を有する薬液投与装置と、
    前記薬液投与装置に着脱可能であって、前記送液部を取り外した状態の前記装着部に装着されることにより、前記装着部を保護するとともに、前記連結部を液密な状態で維持する保護部材と、を有する薬液投与器具。
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